JP2002343663A - チップ型部品製造方法 - Google Patents

チップ型部品製造方法

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JP2002343663A
JP2002343663A JP2001141654A JP2001141654A JP2002343663A JP 2002343663 A JP2002343663 A JP 2002343663A JP 2001141654 A JP2001141654 A JP 2001141654A JP 2001141654 A JP2001141654 A JP 2001141654A JP 2002343663 A JP2002343663 A JP 2002343663A
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Japan
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component
chip
manufacturing
lower plate
groove
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English (en)
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将孝 ▲へさき▼
Masataka Hesaki
Shigeki Tanaka
茂樹 田中
Yoichiro Ito
陽一郎 伊藤
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】両面研磨で部品素体が露出しないような成形体
を成形する。 【解決手段】複数の部品素体を内蔵した成形体を成形
し、その焼成体に対してその両面を研磨し後、所定サイ
ズ毎に切り出すことにより、前記成形体から複数のチッ
プ型部品を製造する方法であって、下板の部品素体搭載
面とは反対面に対してそれぞれの溝底が平行に揃うよう
に当該部品素体搭載面に対して切削工具で複数の部品素
体位置決め溝を加工することにより、下板の各位置決め
溝に複数の部品素体それぞれを配列高さを研磨ラインに
平行とし、成形体に対する両面研磨でそれに内蔵されて
いる部品素体が露出することをなくす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ型部品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インダクタやコンデンサやその他のチッ
プ型部品は、一般には、外装体と、これに内蔵されたコ
イル、電極や、その他の部品素体と、部品素体の両端そ
れぞれに接続された入出力電極とで構成されている。
【0003】このようなチップ型のインダクタにおける
従来の製造方法を以下に説明する。
【0004】成形型に成形材料を注入してコイルを搭載
する所要形状の下板を成形する。こうして成形した下板
を成形型から取り外す。取り外した下板に対して複数の
コイルを接着剤などで固定する。
【0005】次いで、この成形体を成形型に入れて成形
材料を継ぎ足して成形することで、複数のコイルが内蔵
された成形体を成形する。
【0006】この成形体を焼成した後、その焼成体の厚
さ出しのためその両面を研磨する。この研磨の後、焼成
体の両面を所定サイズ毎に切り出すことにより複数のチ
ップ型のインダクタを製造する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記成形型
は、平面視矩形状の開口を有する本体型部材と、この本
体型部材の開口に入れられて上方に押圧移動する押圧型
部材と、その開口を閉塞する閉塞型部材とで構成されて
いる。そして、下板の成形に際して、成形型の本体型部
材と押圧型部材とで構成される凹部に成形材料を充填し
て下板を成形するようになっている。
【0008】この場合、前記凹部底の平行度が無く斜め
に傾いているとき、下板はその凹部底に対応して成形さ
れる結果、その両面が平行とならず、一方の面が他方の
面に対して斜めとなった形状つまり厚さが不均一な下板
に形成される。
【0009】その結果、コイルを搭載した下板を、成形
型に入れて成形体を成形すると、複数のコイルの配列方
向が、成形体に対する研磨ラインに対して斜めになる。
【0010】このようなコイルの配列形態で前記研磨を
行うと、その研磨面からコイルが露出する結果となる。
【0011】したがって、本発明は、下板の成形型の平
行度が低くても、その部品素体搭載面に対して複数の部
品素体それぞれの配列高さが高精度に揃うように下板を
成形することを共通の解決すべき課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の部品素
体を内蔵した成形体を焼成し、その焼成体の両面を研磨
した後、所定サイズ毎に切り出すことにより、前記成形
体から複数のチップ型部品を製造する方法であって、下
板を成形する一次成形工程と、下板の基準面に対して部
品素体の配列方向にそれぞれの溝底が平行ないしはほぼ
平行に揃う複数の部品素体位置決め溝を加工する溝加工
工程と、下板の各部品素体位置決め溝それぞれに複数の
部品素体それぞれを配列する配列工程と、下板を成形型
に装填しかつその成形型に成形材料を入れて複数の部品
素体を内蔵した前記成形体を成形する二次成形工程とを
有することを特徴としている。
【0013】本発明によれば、溝加工工程で、部品素体
の配列方向にそれぞれの溝底が平行ないしはほぼ平行に
揃う複数の部品素体位置決め溝を加工するから、上述し
た理由で下板の成形型の平行度が無いために下板がその
厚さが不均一に成形されても、各部品素体位置決め溝そ
れぞれに部品素体を搭載すると、各部品素体の配列高さ
はその部品素体の配列方向に平行ないしはほぼ平行に揃
うことになる。
【0014】したがって、二次成形工程で成形型に下板
を装填し、成形体を成形した場合、その成形体には複数
の部品素体が成形体の基準面に対して平行に配列された
状態で内蔵されることになる。これによって、下板の基
準面をもとに二次成形を行えば、成形体の両面から全て
の部品素体が一定の距離をもって、成形体内に埋設され
ることとなり、後の研磨工程で部品素体が露出しないよ
うに成形体の両面を研磨することができる。
【0015】上記本発明は、溝加工工程が、前記部品素
体位置決め溝それぞれの溝底を、下板の基準面に対して
平行ないしはほぼ平行に揃うように当該基準面の反対面
に対して切削工具で加工する工程とした場合、下板を下
板の基準面を溝加工装置台に向けて設置すると、下板の
基準面と部品素体の配列方向とが一致するから、切削工
具で容易に前記部品素体位置決め溝それぞれの溝底を、
下板の基準面に対して平行ないしはほぼ平行に揃うよう
に加工することができる。
【0016】上記本発明は、前記溝加工工程が、回転型
切削工具を、下板における溝加工位置において回転させ
ながら、その加工方向に部品素体の長さ寸法に合わせて
移動させて部品素体位置決め溝を形成するようにしても
よい。
【0017】こうした場合、回転型切削工具で部品素体
位置決め溝を高精度に形成することができて好ましい。
【0018】上記本発明は、溝加工工程で、マーカー位
置決め溝を形成するとともに、このマーカー位置決め溝
にマーカー材料を充填するとともに、このマーカー材料
として焼成温度以下で燃焼または蒸発する材料を充填す
るようにした場合、焼成工程でマーカー位置決め溝が空
洞化するから、その後の研磨工程では空洞化したマーカ
ー位置決め溝が露出するとともに、切り出し工程では成
形体の表面からマーカー位置決め溝のみを監視カメラや
画像センサで容易に検出することができるようになる。
これによって、そのマーカー位置決め溝を基準にして成
形体に対して正確な切り出しが可能となって好ましい。
また、部品素体位置決め溝の形成と、マーカー位置決め
溝の形成とを同一工程で行うことによって、さらに正確
な切り出しが可能となる。
【0019】上記本発明は、配列工程において、前記マ
ーカー材料として成形材料および部品素体とに対して融
点が同等以上の材料を使用するようにした場合も、上記
と同様にして、焼成後の成形体の表面において、マーカ
ー位置決め溝を監視カメラや画像センサで容易に検出す
ることができ、そのマーカー位置決め溝を基準にして成
形体に対して正確な切り出しが可能となって好ましい。
【0020】上記本発明は、前記部品素体位置決め溝の
内面形状を、そこに配列される部品素体の部品素体位置
決め溝に接する部分の外形に対して略合致するように形
成することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図1ないし
図15に示す実施形態に基づいて説明する。
【0022】図1を参照して、この実施形態では製造対
象となるチップ型部品としてインダクタに適用してい
る。このインダクタ1は、磁性材料からなる直方体形状
の外装体2と、これに内蔵されたコイル3とから構成さ
れている。
【0023】コイル3は、部品素体の一例として、円柱
形状の磁性コア4に巻線5を巻回してなる。コイル3に
おける巻線の両端部は、外装体2の互いに対向する端面
にそれぞれ形成された入出力電極6に電気的に接続され
ている。
【0024】このようなインダクタ1を製造する工程
は、コイル製作工程、一次成形工程、溝加工工程、コイ
ル配列/マーカー形成工程、二次成形工程、成形体焼成
工程、研磨工程、切り出し工程および入出力電極接続工
程を有する。
【0025】(コイル製作工程)図2を参照して説明す
る。この工程では円柱状磁性体コア4に巻線5を巻回し
てコイル3を製作する。この場合、コア4は必須ではな
く、巻線5のみでコイル3を構成してもよい。
【0026】(一次成形工程)図3および図4を参照し
て説明する。この工程では調製した湿式プレス用スラリ
ー7を成形型8に流し込む。成形型8は、SUS420
J2で構成されており、本体型部材9と、押圧型部材1
0と、閉塞型部材11とを有する。スラリー7は、本体
型部材9と押圧型部材10とで形成された凹部12に流
し込む。スラリー7の流し込み作業が終了すると、水分
のみを濾過するフィルタ13で凹部12の開口部に蓋を
した後、スラリー7が漏れないように閉塞型部材11で
パッキンをする。
【0027】スラリー7の調製には、原料粉末として粒
径2.2μm、比重面積2.25m 2/gのNiCuZ
nフェライトを用意する。次いで、原料粉末、水、分散
剤(ポリオキシアルキレングリコール)、消泡剤(ポリ
エーテル系消泡剤)および結合材(アクリル系バイン
ダ)をそれぞれ所定の重量部でポットに投入し、17時
間ボールミル混合してスラリー7を調製する。
【0028】次に、押圧型部材10を矢印aで示す方向
に移動させて、スラリー7に対して所要のプレス圧力を
所定時間かけ、スラリー7の水分をフィルタ13を介し
て閉塞型部材11に設けた水抜き孔を通して抜く。
【0029】これによって、図4で示すような下板14
を得る。
【0030】(溝加工工程)図5ないし図7を参照して
説明する。
【0031】図5および図6で示すように下板14のコ
イル搭載面15に対して複数の溝16a,16bを加工
形成する。16aは、コイル位置決め溝であり、16b
は、マーカー位置決め溝である。なお、前記溝底を結ぶ
ラインは、前記コイル搭載面15に対して必ずしも平行
になるとは限らないが、前記下板14の基準面となる下
面に対して常に略平行となる。
【0032】コイル位置決め溝16aの断面形状は、コ
イル3の縦方向の位置決め精度に優れたUの字形状とな
っている。部品素体位置決め溝の内面形状を、そこに配
列される部品素体の部品素体位置決め溝に接する部分の
外形に対して略合致するように形成しておくことが好ま
しい。具体的には、外形円筒状の部品素体を配置する場
合、部品素体位置決め溝の溝断面形状を略半円もしくは
略U字状とすることが好ましい。
【0033】コイル位置決め溝16aは、図7(a)で
示すようなコイル3の横方向の位置決め精度に優れたV
の字形状でも、また、図7(b)で示すような回転型切
削工具として安価なエンドミルを使用することができる
矩形形状でもよい。
【0034】なお、本発明者らが実験で確かめた結果、
横軸が溝深さ(mm)、縦軸が位置ばらつき(mm)であら
わされる図7(c)で示すように、Uの字形状、Vの字形
状のコイル位置決め溝16aそれぞれの位置のばらつき
となった。なお、Uの字形状のうち、径2.0mmは丸
印(●)で、径1.4mmは四角印(■)で、また、Vの字
形状は三角印(▲)でそれぞれ示される。
【0035】これらの溝加工には切削工具が使用され
る。例えば、ボールエンドミルやソリッドフライスなど
の回転型切削工具が使用される。好ましい回転型切削工
具は、ボールエンドミルである。
【0036】下板14に対する溝加工について説明す
る。
【0037】下板14は、NC機能付の加工装置の加工
台17上に設置される。
【0038】この加工装置においては、それに付随され
ているボールエンドミルを下板14に対して第1列目L
1、第2列目L2、…、という各コイル配列方向に移動
させる。そして、ボールエンドミルが、例えば、下板1
4における第1列目L1におけるコイル溝加工位置に位
置すると、下降させてボールエンドミルを毎分500〜
100000回転させて下板14に対してコイル位置決
め溝16aを形成する。このコイル位置決め溝16aの
形成が終了すると、ボールエンドミルを上昇させて次の
コイルの溝加工位置に移動させる。そして、ボールエン
ドミルが次の溝加工位置にくると、ボールエンドミルを
下降させて下板14に対してコイル位置決め溝16aを
形成する。このような溝加工工程を繰り返し、第1列目
におけるコイル位置決め溝16aすべての溝加工が終了
すると、第2列目以降も同様にしてコイル位置決め溝1
6aの加工を行う。
【0039】この場合、ボールエンドミルは、毎分50
0回転という低速回転領域と毎分100000回転とい
う高速回転領域との間で、その回転の最適値を見いだす
ことができる。
【0040】こうして、下板14には、コイル位置決め
溝16aが形成される。
【0041】ここで、本実施形態で特徴とするコイル位
置決め溝16aの溝深さについて説明する。
【0042】すなわち、成形型8における前記凹部12
の底面が平行でない場合、下板14の肉厚はコイル位置
決め溝16aの形成方向において、一様でなくなり、下
板14を加工台17に設置した場合、そのコイル搭載面
15は加工台17に対して非平行となる。そして、この
場合、加工装置のボールエンドミルは、コイル位置決め
溝16aの溝底が下板14の前記基準面18に対して平
行に揃うように、コイル位置決め溝16aを形成する。
【0043】その結果、下板14のコイル搭載面15か
らのコイル位置決め溝16aそれぞれの溝深さは図6の
左側から右側に向けて徐々に浅くなり、それら各コイル
位置決め溝16aに搭載収納されたコイル3の前記基準
面18からの配列高さが、その配列方向に揃うこととな
る。なお、図中のKLは、後述する研磨工程での研磨ラ
インを示しており、いずれのコイル位置決め溝16aも
その溝底は、その研磨ラインよりも上方に位置してい
る。
【0044】なお、下板14にはコイル位置決め溝16
aの他に、後述する成形体切り出し位置判定用マーカー
を位置決めするためのマーカー位置決め溝16bが形成
される。
【0045】マーカー位置決め溝16bは、コイル位置
決め溝16aと同時に形成される。
【0046】この場合、マーカー位置決め溝16bは、
コイル位置決め溝16aよりもその溝深さを深くされて
いて、前記研磨ラインKLを越えて設けられている。
【0047】(コイル配列/マーカー形成工程)図8お
よび図9を参照して説明する。この工程では、下板14
に設けられているコイル位置決め溝16aそれぞれにコ
イル3を搭載する。この搭載には、不図示の搭載装置を
用いて自動的に行う。
【0048】各コイル位置決め溝16aにコイル3の搭
載が終了すると、下板14と同じ材質からなるペースト
や、焼成でその品質に影響を及ぼさない材質からなる接
着剤を用いて、コイル3をコイル位置決め溝16aに接
着固定する。
【0049】一方、マーカー位置決め溝16bに対し
て、後述する焼成工程で焼成された成形体の表面と識別
可能なマーカー材料19を充填する。
【0050】マーカー材料19は、固体状、粉末状、ペ
ースト状のいずれでもでよい。
【0051】具体的には、成形体が磁性セラミックで構
成されているから、焼成後の成形体の表面と識別可能な
マーカー材料19が好ましく、例えば銀、パラジウム、
タングステン、クロム、その他がある。
【0052】なお、上記識別の意義は、後述する切り出
し工程でダイシング装置の刃先で焼成後の成形体を切り
出す場合、その刃先を制御するコンピュータ制御部と、
成形体を監視する監視カメラ(画像センサでもよい)と
において、監視カメラで撮像した成形体の画像をコンピ
ュータ制御部において、画像処理する際に、色認識によ
りマーカー形成領域と他の領域とを識別し、その識別し
たマーカー形成領域に従い、コンピュータ制御部が前記
刃先を制御して切り出しを行うものである。色認識では
なくマーカー形成領域と他の領域との白黒のコントラス
ト比による識別でも構わない。
【0053】なお、その他のマーカー用材料としては、
焼成工程において温度が上昇して焼成温度に至るまでに
燃焼あるいは蒸発してマーカー位置決め溝16bを空洞
にする材料を用いる。この空洞化により監視カメラや画
像センサはマーカー位置決め溝16bを容易に認識する
ことができる。
【0054】また、この材料としては例えばワックスが
ある。
【0055】また、マーカー用材料としては、成形時に
原料およびコイルと融点が同等またはより高い材料を用
いる。これは、焼成後におけるマーカー位置決め溝16
bを検出しやすくすることを目的とする。
【0056】この材料としては、例えば銀、パラジウム
などの高融点金属がある。
【0057】(二次成形工程)図10ないし図12を参
照して説明する。前記工程を経てコイル3を備えた下板
14を成形すると、下板14を前述の成形型8に装填す
る。そして、この成形型8に湿式プレス用スラリー7を
流し込み、次いで、水分のみ透過するフィルタ13で成
形型8の開口部に蓋をした後、湿式プレス用スラリー7
が漏れないよう閉塞型部材11でパッキンをし、押圧型
部材10で湿式プレス用スラリー7の水分をフィルタ1
3を介して閉塞型部材11に設けた水抜き孔を通して抜
き、図11および図12で示すような複数のコイル3を
内蔵した成形体20を得る。
【0058】図12で示すように、仮想線が下板14に
おけるコイル3の搭載面15となっている。そして、こ
の成形体成形工程を経ると、コイル3は、この成形体2
0に対してその両面から等距離にあり、かつ、そのコイ
ル3の配列方向は、その両面に平行になっている。
【0059】(成形体焼成工程)この成形体20を所定
温度(例えば35℃)で所定時間(例えば48時間)乾
燥した後、アルミナ製のさやに入れ、高温(例えば91
0℃)で所定時間焼成する。
【0060】この焼成で、マーカー位置決め溝16bに
充填されているマーカー材料は、蒸発してマーカー位置
決め溝16bは空洞化している。
【0061】(研磨工程)図13および図14を参照し
て説明する。この工程では、成形体20の両面を研磨ラ
インKLに沿って成形体の厚さ出しのため例えばベルト
研磨機などで研磨する。
【0062】この場合、コイル3の配列は、この研磨ラ
インKLに平行であるから、この研磨によりコイル3が
切断されるようなことがない。
【0063】この研磨に際して、上記焼成で空洞化され
ているマーカー位置決め溝16bも切断され成形体20
の両面に露出される。この研磨で成形体20は、製品と
してのインダクタの厚さに対応するものとされる。
【0064】(切り出し工程)図15を参照して説明す
る。この工程では監視カメラで成形体表面のマーカーを
識別して成形体に対する切り出して複数の切出ブロック
21を得る。
【0065】この切り出しにおいては、マーカー位置決
め溝16bを基準にして、ダイシング装置22の刃先を
隣接するコイルの中間に位置付ける。この場合、コンピ
ュータ制御部23は、監視カメラ24でマーカー位置決
め溝16bを認識しこの認識結果に基づいてダイシング
装置22の刃先を制御して行う。
【0066】(入出力電極接続工程)この工程では、切
出ブロック21に対して導電ペーストの塗布焼き付けあ
るいはスパッタリング、蒸着、無電解メッキなどで形成
してコイル3に対して入出力電極6を接続する。こうし
て、図1で示されるインダクタ1を得る。
【0067】以上のように本実施形態によれば、下板1
4のコイル搭載面15とは基準面18に対してそれぞれ
の溝底が平行に揃うようにコイル搭載面15に対して切
削工具で複数のコイル位置決め溝16aを加工する。そ
のため、上述した理由で下板14の成形型8による前記
凹部12の底の平行度が無いために下板14の両面の平
行度が得られなくても、加工装置の台17に下板14に
おける基準となる面18側を向けて下板14を設置し
て、各コイル位置決め溝16aそれぞれにコイル3を搭
載すると、各コイル3の配列高さはその設置台17に平
行に揃うことになる。
【0068】したがって、成形型8に下板14を装填
し、成形体20を成形した場合、その成形体20には複
数のコイル3がその両面に対して平行に配列された状態
で内蔵されることになる。
【0069】これによって、成形体20の両面を研磨し
た場合、その研磨ラインKLに離間しかつそれに平行に
コイル3が揃い、コイル3がその研磨で露出するような
ことをなくすことができる。
【0070】本発明は上述の実施形態に限定されるもの
ではなく、種々な応用や変形が可能である。
【0071】(1)上述の実施形態の場合、下板や成形
体の成形を湿式プレスにより行っているが、乾式プレス
により行ってもよい。この乾式プレスの場合は、下板成
形工程および成形体成形工程において、成形型に対し
て、成形材料としては、スラリーではなく、粉末とされ
た成形材料を入れる。また、水分のみを濾過するフィル
タが不要となる以外は、上述した工程と同様であるか
ら、その詳細は省略する。
【0072】乾式プレスによる製造方法の場合も、上述
した湿式プレスによるそれと同様の作用効果を得ること
ができる。
【0073】また、下板や成形体の成形としては鋳込み
による成形でも構わない。
【0074】(2)上述の実施形態の場合、チップ型部
品としてインダクタを用いたが、本発明はこの実施形態
に限定されるものではなく、他のチップ型部品にも同様
に適用することができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
研磨工程で成形体の両面を研磨するにあたり、それに内
蔵した部品素体が露出しないように、当該成形体を成形
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る製造方法により製造さ
れるインダクタの一部破断斜視図
【図2】図1のインダクタに用いられるコイルの斜視図
【図3】下板成形工程の説明に供する成形型の断面図
【図4】下板成形工程で成形された下板の斜視図
【図5】下板に対する溝加工工程の説明に供する下板の
平面図
【図6】図5に示される下板の断面図
【図7】(a)(b)コイル位置決め溝の変形例を示す断面
図、(c) コイル位置決め溝の各変形例による位置ばら
つきを示す図
【図8】コイル配列/マーカー形成工程における下板の
平面図
【図9】図8に対応した下板の断面図
【図10】成形体成形工程の説明に供する成形型の断面
【図11】成形体成形工程で成形された成形体の斜視図
【図12】図11に対応し成形体の断面図
【図13】研磨工程で研磨される成形体の断面図
【図14】研磨された成形体の断面図
【図15】切り出し工程の説明に供する成形体と切出ブ
ロック体の斜視図
【符号の説明】
1 インダクタ 3 コイル 7 スラリー 8 成形型 14 下板 15 下板のコイル搭載面 16a コイル位置決め溝 16b マーカー位置決め溝 17 加工装置台 KL 研磨ライン
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 陽一郎 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E062 FF02 FF03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の部品素体を内蔵した成形体を焼成
    し、その焼成体の両面を研磨した後、所定サイズ毎に切
    り出すことにより、前記成形体から複数のチップ型部品
    を製造する方法であって、 下板を成形する一次成形工程と、 下板の基準面に対して、部品素体の配列方向にそれぞれ
    の溝底が平行ないしはほぼ平行に揃う複数の部品素体位
    置決め溝を加工する溝加工工程と、 下板の各部品素体位置決め溝それぞれに複数の部品素体
    それぞれを配列する配列工程と、 下板を成形型に装填しかつその成形型に成形材料を入れ
    て複数の部品素体を内蔵した前記成形体を成形する二次
    工程と、 を有する、ことを特徴とするチップ型部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のチップ型部品製造方法におい
    て、 溝加工工程が、前記部品素体位置決め溝それぞれの溝底
    を、下板の基準面に対して平行ないしはほぼ平行に揃う
    ように当該基準面に対して切削工具で加工する工程であ
    る、ことを特徴とするチップ型部品製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2のチップ型部品製造方法におい
    て、 溝加工工程が、回転型切削工具を、下板における溝加工
    位置において回転させながら、その加工方向に部品素体
    の長さ寸法に合わせて移動させて部品素体位置決め溝を
    形成する、ことを特徴とするチップ型部品製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれかのチップ型部
    品製造方法において、 溝加工工程で、マーカー位置決め溝を形成するととも
    に、このマーカー位置決め溝にマーカー材料を充填す
    る、ことを特徴とするチップ型部品製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4のチップ型部品製造方法におい
    て、 配列工程において、前記マーカー材料として焼成温度以
    下で燃焼または蒸発する材料を充填する、ことを特徴と
    するチップ型部品製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4のチップ型部品製造方法におい
    て、 配列工程において、前記マーカー材料として成形材料お
    よび部品素体とに対して融点が同等以上の材料を使用す
    ることを特徴とするチップ型部品製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれかに記載のチッ
    プ型部品製造方法において、 前記部品素体位置決め溝の内面形状を、そこに配列され
    る部品素体の部品素体位置決め溝に接する部分の外形に
    対して略合致するように形成する、ことを特徴とするチ
    ップ型部品製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016092422A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル部品アセンブリ、コイル部品及びその製造方法

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