JP2002341685A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JP2002341685A
JP2002341685A JP2001141823A JP2001141823A JP2002341685A JP 2002341685 A JP2002341685 A JP 2002341685A JP 2001141823 A JP2001141823 A JP 2001141823A JP 2001141823 A JP2001141823 A JP 2001141823A JP 2002341685 A JP2002341685 A JP 2002341685A
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Takashi Fujita
貴史 藤田
Hirokazu Ikegami
廣和 池上
Kiyoshi Oshima
清 大嶋
Shigeo Kurotaka
重夫 黒高
Satohiko Baba
聡彦 馬場
Jun Yura
純 由良
Hisashi Kikuchi
尚志 菊地
Atsushi Nakato
淳 中藤
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オイル塗布機構の必要の無い簡略な構成によ
り、トナーの定着部材へのオフセットの発生を防止でき
るオイルレスの定着装置を実現する。 【解決手段】本発明は、定着部材4と加圧部材5の圧接
部で未定着トナー像9を担持した転写材8を挟持搬送
し、トナー像を加熱溶融することにより転写材表面にト
ナー像を定着させる定着装置において、トナー像9を形
成するトナーが、少なくとも着色剤、メインバインダー
樹脂、ワックスからなり、ワックスの融点がメインバイ
ンダー樹脂の1/2流出開始温度より低い場合に、トナ
ー像と接する定着部材4の表面は、シリコーンゴムとフ
ッ素樹脂が混在した複合表面からなり、フッ素樹脂、シ
リコーンゴム、ワックスの溶解性パラメータ(SP値)
が、フッ素樹脂のSP値≦(シリコーンゴムのSP値、
ワックスのSP値)の関係を有するとともに、シリコー
ンゴムとワックスのSP値の差異が1未満であることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、プロッター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像
形成装置に用いられ、転写紙等の転写材に担持された未
定着トナー像を定着する定着装置、及びその定着装置を
用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式の複写機、プリン
ター、プロッター、ファクシミリ等の画像形成装置で
は、定着部材(定着ローラ、定着ベルト等)に加圧部材
(加圧ローラ、加圧ベルト等)を圧接した定着装置が用
いられている。この定着装置は、電気ヒータやハロゲン
ランプ等の加熱手段で加熱した定着部材を回転させなが
ら、この回転する定着部材と加圧部材との間に形成され
た圧接部(定着ニップ部)にトナーが転写された転写材
(各種サイズの転写紙、葉書、OHPシート等)を挿通
し、トナーを加熱溶融して転写材上に融着するものであ
る。
【0003】従来、定着部材はその表面にトナーが固着
しないように、シリコーンオイルなどの離型剤を塗布す
ることが多くの場合行なわれてきた。特に、カラー複写
機、カラープリンター等のカラー画像形成装置では、ト
ナーの凹凸に密着し加熱を行ない、均質な高画質を得る
ために、定着部材表面に、機械的耐熱性に最も優れたシ
リコーンゴムを用いて、その表面にシリコーンオイルを
塗布することが一般的である。
【0004】ここで、ゴムに関する各種文献には、シリ
コーンゴムよりフッ素ゴムの方が耐熱性に優れると言う
記載がある場合があるが、それは熱分解の耐熱温度で比
較した場合であり、側鎖に結合エネルギーの大きなフッ
素が多く含まれているフッ素ゴムは確かに有利である。
また、ゴムの機械的特性は主鎖の安定性と柔軟性に支配
されるものと考えられるが、この点ではシリコーンゴム
のシロキサン結合が有利であるため、前述のように機械
的耐熱性に最も優れたゴムは、シリコーンゴムであると
言うことができる。
【0005】ところで、近年、カラー画像形成装置の定
着装置においても、定着部材にシリコーンオイル等の離
型剤を塗布しないオイルレス方式が用いられるようにな
ってきた。このオイルレス方式では、トナーの樹脂中に
着色剤などとともにワックスが含有されており、定着工
程においてトナーが加熱及び加圧される過程でワックス
が滲み出て離型剤の働きをする。この定着装置における
オイルレス化によるメリットは、以下の3点であり、近
年、特に必用とされてきた。 1.装置の簡素化、低価格化、小型化。 2.消耗品の低減によるユーザーの保守性向上。 3.画像面への加筆が可能。
【0006】一方、モノクロの画像形成装置において
は、10年ほど前から定着装置におけるオイルレス化が
行われており、オイルの代わりにワックスをトナーの樹
脂中に着色剤などとともに含有させ、離型性を確保して
きた。モノクロは画像の均質性の要求がカラーに比べて
小さく、トナーが液体状に低粘度まで溶融し各色が混ざ
り合う必要も無いため、ゴム状領域で離型させることが
一般的である。従って、定着装置の定着部材は、均質性
の要求がカラーに比べて小さく、トナーの凹凸への密着
性が低くとも良いので、その表面には、シリコーンゴム
のような弾性体ではなくフッ素樹脂が広く用いられてい
る。フッ素樹脂は、固体として表面エネルギーが最も小
さく離型性に優れた材料であるが、シリコーンオイルを
塗布した表面は液体がトナーと定着部材の間に介在し、
液体がトナー側と定着部材側に分かれることで離型する
ため、両者を比較すれば、前者の離型性は劣る。また、
フッ素樹脂はワックスとの相溶性も乏しいため、ワック
スは定着部材表面に広がっておらず、離型においては補
助的には作用するもののオイルほどの効果はなく、代替
を完全に果たしているとは言えない。これは、初期的に
はワックス無しのトナーを用いても、オフセットが発生
しないことからも明らかである。
【0007】初期的なトナーのオフセットは上記で説明
されるが、経時的に紙粉が定着部材に付着すると状況が
異なってくる。すなわち、定着部材の表面に紙粉が付着
すると、紙粉に次々とトナーがオフセットし、すぐに画
像が乱されてしまう。また、紙粉は、シリコーンオイル
を塗布した場合や、フッ素樹脂には付着しないが、シリ
コーンゴムにはその粘着性のため容易に付着する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みてなされたものであり、定着部材を構成するシリコー
ンゴムやフッ素樹脂と、トナーとの相溶性の組み合わせ
を最適化し、オイルが不要でトナーオフセットの発生し
ない、オイルレス方式の定着装置を得ることが第一の目
的である。
【0009】ここで、トナーオフセットの有無は、長期
にわたる試験での判断が最終的には求められるが、オフ
セット温度幅で代用できることが電子写真では広く知ら
れている。また、オフセット温度幅は、定着装置の設定
温度を広く変化させ、トナーの定着が不十分で転写材か
ら容易に剥離しがたくなる定着下限温度から、高温でト
ナーが定着部材に液体状にオフセットする定着上限温度
までの温度幅をさす。これが、30度程度の温度幅で無
ければ、実際の画像形成装置として長期に安定して使用
することはできない。これは、定着部材の温度を厳密に
制御しても、周囲の環境温度により、紙、トナーの温度
が容易にこの程度の温度範囲で変動するためである。
【0010】従って、本発明は上記第一の目的の達成を
図り、オイル塗布機構の必要の無い簡略な構成により、
トナーの定着部材へのオフセットの発生を防止できる定
着装置を提供することを目的とし、さらには、その定着
装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、請求項1に係る発明は、圧接して回転す
る一対の回転体である定着部材及び加圧部材と、前記定
着部材を加熱する加熱手段と、前記定着部材及び加圧部
材を回転駆動して未定着トナー像を担持した転写材を搬
送する手段を備え、前記定着部材と加圧部材の圧接部で
未定着トナー像を担持した転写材を挟持搬送し、前記未
定着トナー像を加熱溶融することにより前記転写材表面
にトナー像を定着させる定着装置において、前記トナー
像を形成するトナーが、少なくとも着色剤、メインバイ
ンダー樹脂、ワックスからなり、該ワックスの融点がメ
インバインダー樹脂の1/2流出開始温度より低い場合
に、前記トナー像と接する定着部材の表面は、シリコー
ンゴムとフッ素樹脂が混在する複合表面からなり、且
つ、フッ素樹脂、シリコーンゴム、ワックスの溶解性パ
ラメータ(以下、SP値と記す)が、フッ素樹脂のSP
値≦(シリコーンゴムのSP値、ワックスのSP値)の
関係を有するとともに、シリコーンゴムとワックスのS
P値の差異が1未満であることを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明は、前述したように定着部材を構成
するシリコーンゴムやフッ素樹脂と、トナーとの相溶性
の組み合わせを最適化し、オイルが不要でトナーオフセ
ットの発生しない、オイルレスの定着装置を実現するも
のである。ここで、上記定着部材を構成する材料の相溶
性について説明する。定着のプロセスは20〜50mm
sといった短時間のニップ時間内に、トナーを転写紙等
の転写材に接着する過程である。この際の離型性と言う
ものは、定着部材表面とトナーとの接着が起こらないよ
うにさせることであるため、本発明者らは、接着に関す
る知見が役立つ物と考えたが、接着については多くの研
究がなされているので、これらを参考に本発明に至っ
た。
【0013】接着の理論の一つとして、材料の相溶性を
表す溶解性パラメータ(SP値(Solubility Parameter
の略))の差が1未満と近いもの同士は良好な接着性を
示し、差が大きいものは接着しがたいということが知ら
れている。SP値(δ)は、凝集エネルギー密度の関数
として次の式で定義されている。 δ=(△E/V)・1/2 ・・・(1) ここで、△E:分子間凝集エネルギー(蒸発熱)、V:
混合液の全体積、△E/V:凝集エネルギー密度、であ
る。
【0014】一般に、二成分の相溶性は、Gibbsの自由
エネルギー変化(△Gm)の変化で表される。 △Gm=△Hm―T・△S ・・・(2) ここで、△Hm:混合による熱量(エンタルピー)変
化、△S:混合によるエントロピー変化、T:温度、で
ある。また、Hildebrandの仮説(J.H.Hildebrand,R.L.S
cott:The Solubility of Nonelectrolytes,(Reinhold,
New York,1940)3rd Ed.)によると、混合による熱量変
化△HmはSP値を用いて次の式で示される。 △Hm=V(δ1−δ2)2・Φ1・Φ2 ・・・(3) ここで、δ1:溶媒のSP値、δ2:溶質のSP値、Φ
1:溶媒の体積分率、Φ2:溶質の体積分率、である。
【0015】この式より、δ1、δ2の値が近い程、△
Hmは小さくなり、Gibbsの自由エネルギー変化(△G
m)が小さくなるので、SP値の差が小さいもの同士は
親和性が高くなる。特に、二次関数にその親和性が左右
されるため、SP値の差:(δ1−δ2)が1以上とな
ると急激に親和性が低下することがこの式からも、理解
される。
【0016】SP値によるトナー評価はこれまでにもな
されており、SP値の算出方法としては各種方法があ
る。計算モデルを用いるFedorsの方法(向井淳二、金城
徳幸、“技術者のための実学高分子”、講談社(198
1))や、実測値である濁点滴定法(K.W.Suh, D.H.Clar
ke, J.Polym.Sci., Part-A-1,5.1671(1967))等がある
が、溶解法、すなわちSP値が既知の各種溶剤(POLYME
R HANDBOOK SECOND EDITOINIV-340〜 (1975))との樹
脂の溶解性を比較することで、最も良く相溶する溶剤の
SP値から、分子構造の詳細が不明確な未知の樹脂、ワ
ックスのSP値を算出することが最も簡単である。
【0017】本発明の定着装置では、定着部材の表面
は、シリコーンゴムとフッ素樹脂が混在する複合表面か
らなり、且つ、フッ素樹脂、シリコーンゴム、ワックス
の溶解性パラメータ(SP値)が、フッ素樹脂のSP値
≦(シリコーンゴムのSP値、ワックスのSP値)の関
係を有するとともに、シリコーンゴムとワックスのSP
値の差異が1未満である(すなわち、シリコーンゴムと
ワックスは相溶性がある)ことを特徴としており、シリ
コーンオイルの代わりに離型剤となるワックスと相溶性
があり、耐熱性もあるシリコーンゴムが定着部材の複合
表面に有ることにより、ワックスが定着部材の表面を覆
いやすく、また、複合表面に有るフッ素樹脂の離型性に
より紙粉等の付着も防がれるため、常にトナーの定着部
材へのオフセットを防止することが可能となる。
【0018】次に請求項2に係る発明は、請求項1記載
の定着装置において、前記定着部材の複合表面は、フッ
素樹脂からなる不連続物と、そのフッ素樹脂からなる不
連続物の隙間を埋める液状のシリコーンゴムからなるこ
とを特徴とするものである。また、請求項3に係る発明
は、請求項2記載の定着装置において、前記フッ素樹脂
からなる不連続物は、フッ素樹脂の粉体または多孔質フ
ィルムであることを特徴とするものである。すなわち、
請求項2,3に係る定着装置では、定着部材の複合表面
として、溶融粘度が大きく、流動開始温度も高いフッ素
樹脂を溶融することなく不連続物(粉体または多孔質フ
ィルム)の形態で用い、そのフッ素樹脂からなる不連続
物の隙間を液状のシリコーンゴムで埋めることにより、
フッ素樹脂とシリコーンゴムの複合表面を容易に得るこ
とができる。
【0019】請求項4に係る発明は、請求項1記載の定
着装置において、前記定着部材の複合表面は、シリコー
ンゴムを含浸した多孔質のフッ素樹脂フィルムからなる
ことを特徴とするものである。すなわち、請求項4に係
る定着装置では、定着部材の複合表面として、フッ素樹
脂が網状に連なっている多孔質のフッ素樹脂フィルムを
用い、この多孔質のフッ素樹脂フィルムにシリコーンゴ
ムを含浸したことにより、フッソ樹脂がシリコーンゴム
から脱離しにくい形態の、フッ素樹脂とシリコーンゴム
の複合表面を容易に得ることができる。
【0020】請求項5に係る発明は、請求項1記載の定
着装置において、前記定着部材の複合表面は、円筒状の
型内面に、平均粒径がトナーの1/3以下のフッ素樹脂
粉体を塗布した後、シリコーンゴムを塗布し硬化させて
形成したことを特徴とするものである。すなわち、請求
項5に係る定着装置では、定着部材の複合表面は、円筒
状の型内面に、平均粒径がトナーの1/3以下のフッ素
樹脂粉体を塗布した後、シリコーンゴムを塗布し硬化さ
せて形成したことにより、フッ素樹脂粉体が十分に小さ
いため、シリコーンゴムから脱離しにくく、万一脱離し
ても、脱離した後の凹凸や脱離粉自体も画像を形成する
トナーに比べて小さいため、画像が乱されることがな
く、また、型内面に沿って表面形状が形成されるため、
表面形状精度の高い定着部材を得ることができる。
【0021】請求項6に係る発明は、請求項1記載の定
着装置において、前記定着部材の複合表面は、定着部材
の基体外周にシリコーンゴムを塗布し、さらにその上に
平均粒径がトナーの1/3以下のフッ素樹脂粉体を塗布
し、その塗布中または塗布後、定着部材の基体側からシ
リコーンゴムを硬化させて形成したことを特徴とするも
のである。すなわち、請求項6に係る定着装置では、定
着部材の複合表面は、定着部材の基体外周にシリコーン
ゴムを塗布し、さらにその上に平均粒径がトナーの1/
3以下のフッ素樹脂粉体を塗布し、その塗布中または塗
布後、定着部材の基体側からシリコーンゴムを硬化させ
て形成したことにより、フッ素樹脂粉体が十分に小さい
ため、シリコーンゴムから脱離しにくく、万一脱離して
も、脱離した後の凹凸や脱離粉自体も画像を形成するト
ナーに比べて小さいため、画像が乱されることがなく、
また、型が不要で生産性に優れる定着部材を得ることが
できる。
【0022】請求項7に係る発明は、請求項1〜6の何
れか一つに記載の定着装置において、前記定着部材の複
合表面は、フッ素樹脂の割合が60vol%以上であり、
表面の厚みは10μm以下であることを特徴とするもの
である。ここで、定着部材の複合表面が10μm以上摩
耗した場合は画像の均一性が失われるため、それ以上の
厚さは不必要である。従って、定着部材の複合表面は、
厚みが10μm以下でよく、これにより、最小限な材料
の使用量で請求項1〜6の何れかの定着装置の機能を達
成することができる。
【0023】請求項8に係る発明は、請求項1〜6の何
れか一つに記載の定着装置において、前記定着部材の複
合表面は、フッ素樹脂の割合が60vol%以上であり、
表面の厚みは10μm以下であり、その複合表面の内周
側にはゴム層があり、そのゴム層の厚さが100μm以
上であることを特徴とするものである。すなわち、請求
項8に係る定着装置では、定着部材の複合表面は、フッ
素樹脂の割合が60vol%以上であり、表面の厚みが1
0μm以下なので、請求項7と同様に、最小限な材料の
使用量で請求項1〜6の何れかの定着装置の機能を達成
することができる。また、複合表面の内周側に厚さが1
00μm以上のゴム層があり、トナー画像の凹凸(最大
で50μm程度)に比べてゴム層の厚みが十分に大きい
ので、トナー画像の凹凸に追従して密着状態でトナーを
加熱でき、均一な画像光沢を得ることが可能となる。ま
た、複合表面は、厚みが10μm以下であり、その内周
側にゴム層があることにより、複合表面層だけの場合に
比べて表面硬度のアップを防ぐことが可能となる。
【0024】請求項9に係る発明は、請求項1〜8の何
れか一つに記載の定着装置において、前記トナーのワッ
クスは、トナー全体に対して3vol%以上、15vol%以
下であることを特徴とするものである。トナーのワック
スを、トナー全体に対して3vol%以上、15vol%以下
とすることにより、カラー画像の光沢度、透明性を損わ
ずにオフセットを防止することができる。
【0025】請求項10に係る発明は、像担持体上に静
電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段のトナーで現像
して顕像化した後、その顕像化されたトナー像を直接も
しくは中間転写体を介して転写材に転写した後、転写材
に転写されたトナー像を定着装置により定着する画像形
成装置において、前記定着装置として、請求項1〜9の
何れか一つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする
ものである。すなわち、請求項10に係る画像形成装置
では、請求項1〜9の何れか一つに記載の定着装置を備
えたことにより、シリコーンオイルや、オイルタンク、
塗布装置が不要となり、消耗品の種類を減らすことがで
き、保守の手間を低減することができ、且つ装置の小型
化を図ることが可能となる。また、オイルレスの定着装
置を備えたカラー画像形成装置の実現が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成、動作及び作
用を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の
一実施例を示す定着装置の概略構成図である。この定着
装置1は、定着部材である定着ローラ4と、この定着ロ
ーラ4に圧接する加圧部材である加圧ローラ5と、定着
ローラ4の内部に配設された加熱源(電気ヒータまたは
ハロゲンランプ等)3を有している。そして、モータや
駆動伝達機構等の駆動手段(図示せず)により、一対の
回転体である定着ローラ4と加圧ローラ5を回転駆動す
ることにより、定着ローラ4と加圧ローラ5の圧接部
(定着ニップ部)で未定着トナー像9を担持した転写材
(例えば転写紙)8を挟持搬送し、定着ニップ部で転写
紙上の未定着トナー像9を加熱溶融することにより、転
写紙8の表面にトナー像を定着させる。
【0027】尚、定着ニップ部に所定の圧力を与えるた
めに加圧ローラ5はバネなどの図示しない弾性体により
矢印aで示す向きに付勢されている。また、定着ローラ
4の外周には、サーミスタ6が配置され温度を検知して
いる。また、符号11は定着される転写紙8を定着ニッ
プ部に向けて案内するガイドを示している。
【0028】加圧ローラ5は、鉄やアルミニウム等の芯
金の外周に弾性層を形成した構成であり、弾性層は、例
えば、発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐
熱弾性体で形成されており、必要に応じてその外周にフ
ッ素樹脂の表面層が形成される。一例として、加圧ロー
ラ5は芯金表面に弾性層として厚さが0.5mmのシリ
コーンゴム層を有し、その外周に厚さが0.03mmの
フッ素樹脂層を有しており、フッ素樹脂としては例えば
PFA(四フッ化−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル樹脂)を用いている。
【0029】定着ローラ4は、鉄やアルミニウム等の芯
金(基体)の外周にシリコーンゴムやフッ素樹脂からな
る表面2を有するが、トナー像9を形成するトナーが、
少なくとも着色剤、メインバインダー樹脂、ワックスか
らなり、該ワックスの融点がメインバインダー樹脂の1
/2流出開始温度より低い場合には、トナー像と接する
定着ローラ4の表面2は、シリコーンゴムとフッ素樹脂
が混在した複合表面で構成する。また、本発明では、複
合表面2を構成するフッ素樹脂やシリコーンゴムと、ワ
ックスの溶解性パラメータ(SP値)が、フッ素樹脂の
SP値≦(シリコーンゴムのSP値、ワックスのSP
値)の関係を有するとともに、シリコーンゴムとワック
スのSP値の差異が1未満であることを特徴としてい
る。
【0030】ところで、シリコーンゴムは200℃近辺
で加熱・加圧を維持することで架橋(一度柔らかくなっ
て流れ出し、固まる)するが、フッ素樹脂は260℃〜
380℃で加熱することで溶け(溶けても流れ出すほど
低粘度にはならない)、冷えてきたときに固まる。ま
た、シリコーンゴムは260℃以上では分解が生じる可
能性が大きい。フッ素樹脂とシリコーンゴムが混在する
複合表面を得るには、少なくとも一方は不連続な(粉、
多孔質)材料が必要であるが、上記のようにフッ素樹脂
は溶け難く高温での加熱が必要であり、シルコーンゴム
粒子の小さな隙間をフッ素樹脂で埋めることは実質上無
理である。また、高温で加熱すればシリコーンゴムが分
解するという問題も有る。
【0031】そこで本発明では、定着ローラ4の複合表
面2は、フッ素樹脂からなる不連続物と、そのフッ素樹
脂からなる不連続物の隙間を埋める液状のシリコーンゴ
ムからなり、より具体的には、前記フッ素樹脂からなる
不連続物は、フッ素樹脂の粉体または多孔質フィルムで
あり、そのフッ素樹脂の粉体または多孔質フィルムの隙
間を液状のシリコーンゴムで埋めた構成となっている。
尚、定着ローラ4の複合表面2は厚さが10μm以下が
好ましく、必要に応じてその内周側(芯金(基体)と複
合表面との間)にゴム層が設けられる。
【0032】ここで、図1に示す構成の定着装置1で、
定着ローラ4の表面温度を100〜180℃に制御し、
定着温度幅を測定した。その測定結果を下記の表1と図
2に示す。図2のシリコーンゴムの種類において、Aは
SP値δs=7.3、BはSP値δs=8.0、CはSP
値δs=8.5、DはSP値δs=9.0である。表1と
図2から、シリコーンゴムとワックスのSP値の差|δ
s−δw|が定着温度に強い影響を与えており、その差が
1を超えると定着温度幅が狭くなり急激にオフセットし
やすくなることがわかる。従って、シリコーンゴムとワ
ックスのSP値の差異は1未満に設定することが重要で
ある。
【0033】トナーに含有されるワックスは、カルナウ
バワックス、エステル系ワックスなど、従来既知のもの
であり、いずれも融点がトナーバインダーの1/2流出
開始温度よりも低いものとした。また、融点がトナーバ
インダーの1/2流出開始温度よりも高いものの場合、
ワックスが機能しないこと、すなわちワックスが無い場
合と同様でオフセットすることを確認した。
【0034】
【表1】
【0035】尚、定着ローラ4の複合表面2としては、
例えばフッ素樹脂としてPTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)フィルムを延伸し、空隙率20〜40%の多
孔質としたものを用い、このフッ素樹脂の多孔質フィル
ムに、図2のA,B,C,Dとは構造の異なる(SP値
も異なる)シリコーンゴムを染み込ませた後、硬化さ
せ、定着ローラ4の複合表面2とした。図4は複合表面
にフッ素樹脂の多孔質フィルムを用いた定着ローラの表
面構造の一例を示す図であり、(a)は複合表面の部分
平面図、(b)は複合表面とその下のゴム層(シリコー
ンゴム層)の部分断面図であり、符号11Aはフッ素樹
脂の多孔質フィルム、12はシリコーンゴムである。
【0036】次に、定着ローラ4の複合表面2のフッ素
樹脂を粉体(PTFEまたはPFAの粉体で、平均粒径
は2,3,5,15μm)とし、同様な実験を行なった
が、結果は殆ど同じであった。図5は複合表面にフッ素
樹脂の粉体を用いた定着ローラの表面構造の一例を示す
図であり、(a)は複合表面の部分平面図、(b)は複
合表面とその下のゴム層(シリコーンゴム層)の部分断
面図であり、符号11Bはフッ素樹脂の粉体、12はシ
リコーンゴムである。この時の定着部ローラ45は、以
下の2つの製法を用いて複合表面2を形成した。 1.円筒状の型内面に、フッ素樹脂粉体を塗布した後、
シリコーンゴムを塗布し硬化させた。 2.定着ローラの基体(芯金)の外周にシリコーンゴム
を塗布し、フッ素樹脂粉体を塗布し、基体側からシリコ
ーンゴムを硬化させた。ただし、粉体の粒径がトナーの
粒径7μmに近い3μm以上ではフッ素樹脂が脱離し、
脱離跡の凹凸、および脱離粉自身により画像が乱される
ことがあった。また、粉体の粒径が2μm以下では画像
に影響は無かった。従って、複合表面の形成には、平均
粒径がトナーの1/3以下のフッ素樹脂粉体を用いるこ
とが望ましい。
【0037】次に、定着ローラの表面がフッ素樹脂のみ
の場合と、シリコーンゴム単体のみの場合についても同
様の実験を行なった。下記の表2と図3にその結果を示
す。図3のシリコーンゴムの種類において、AはSP値
δs=7.3、BはSP値δs=8.0、CはSP値δs
=8.5、DはSP値δs=9.0である。シリコーン
ゴムは、初期的には優れた結果であったが、何れも10
00枚程度の通紙で紙粉が付着し、全てトナーオフセッ
トが発生した。
【0038】さらに、定着ローラ4の複合表面2におい
て、フッ素樹脂の空隙率が50〜70%の場合はシリコ
ーンゴムの比率が大きく、オフセットの発生開始枚数が
シリコーン単体と変わらず、フッ素樹脂の空隙率は40
%以下が望ましいこともわかった。すなわち、定着ロー
ラ4の複合表面2は、フッ素樹脂の割合が60vol%以
上が好ましい。また、定着ローラ4の表面において、ト
ナー粒径以上(10μm以上)の磨耗は画像の均一性が
失われるため、それ以上の厚さは耐オフセット性能が不
要である。よって、定着ローラ4の複合表面2は、表面
から10μmの厚さの部分に60vol%以上のフッ素樹
脂が存在することが最適な層構成である。
【0039】
【表2】
【0040】ところで、均一な画像光沢を得るために
は、定着ローラ4のフッ素樹脂を有する複合表面層によ
る表面硬度アップを防ぐ必要がある。そこで、本実施例
では、定着ローラ4の複合表面2は、フッ素樹脂の割合
が60vol%以上で、表面の厚みは10μm以下とし、
その複合表面の内周には、シリコーンゴムからなるゴム
層を設け、そのゴム層の厚さを100μm以上とする。
このように、表面のフッ素樹脂を有する層が最小限の厚
さ(10μm以下)で、ゴム層の厚みが100μm以上
とすることにより、ゴム層がトナー画像の凹凸(最大で
50μm程度)に比べ十分に大きいので、凹凸に追従し
て密着状態でトナーを加熱でき、均一な光沢の画像の達
成実現が可能となる。
【0041】さらに、カラー画像を定着する場合に、カ
ラー画像の光沢度、透明性を損なわ無いためには、トナ
ーのワックスは、トナー全体に対して15vol%以下で
なければならず、オフセットを防止するためには3vol
%以上必要なことも判った。すなわち、本発明の定着装
置でカラー画像を定着した場合に、良好な光沢度、透明
性を得るためには、カラー画像を形成するトナーのワッ
クスは、トナー全体に対して3vol%以上、15vol%以
下であることが必要である。
【0042】以上、本発明に係る定着装置の一実施例に
ついて説明したが、本発明に係る定着装置の構成は図1
に示すものに限るものではなく、加熱手段としては電気
ヒータやハロゲンランプ等の加熱源に限らず、面状発熱
体、誘導加熱などの既知のものが利用可能である。ま
た、定着部材、加圧部材はローラに限らず、ベルトでも
構わない。また、定着部材の複合表面を構成するフッ素
樹脂粉体は乾式で付与しても構わないが、液体に分散し
たディスパージョンか微粉末を用いることが工業的に優
れている。
【0043】ここで、図6は本発明の別の実施例を示す
定着装置の概略構成図であり、定着部材にベルトを用い
た構成例である。図6において、定着ベルト22は、外
周面に弾性層を有する弾性ローラ20と、内部に加熱源
(電気ヒータ、ハロゲンランプ等)23を有する加熱ロ
ーラ(加熱部材)21との間に張架されており、内部に
加熱源(電気ヒータ、ハロゲンランプ等)25を有する
加圧ローラ24が定着ベルト22を介して弾性ローラ2
0に圧接する構成を有している。そして定着の際には、
未定着のトナー像を担持した転写紙26がガイド部材2
7に沿って定着ベルト22と加圧ローラ24によるニッ
プ部へ進入し、引き続いて定着ベルト22を介在した弾
性ローラ20と加圧ローラ24によるニップ部へ進入
し、これらのニップ部で熱と圧力によりトナーが溶融し
てトナー像が転写紙26に定着される。
【0044】図6に示す構成の定着装置において、定着
ベルト22は、耐熱性樹脂からなる基体を有しており、
耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミド、
ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)等が使用さ
れる。基体の厚さは強度のバランスから30〜100μ
m位が望ましい。定着ベルト22の表面は、転写紙及び
トナーと加圧接触するため、離型性、耐熱性に優れた表
面層が必要である。このため、定着ベルト22は、基体
の表面にシリコーンゴムやフッ素樹脂からなる表面を有
するが、トナー像を形成するトナーが、少なくとも着色
剤、メインバインダー樹脂、ワックスからなり、該ワッ
クスの融点がメインバインダー樹脂の1/2流出開始温
度より低い場合には、トナー像と接する定着ベルト22
の表面は、シリコーンゴムとフッ素樹脂が混在した複合
表面で構成される。また、本発明では、前述したよう
に、複合表面を構成するフッ素樹脂やシリコーンゴム
と、ワックスの溶解性パラメータ(SP値)が、フッ素
樹脂のSP値≦(シリコーンゴムのSP値、ワックスの
SP値)の関係を有するとともに、シリコーンゴムとワ
ックスのSP値の差異が1未満であることを特徴として
いる。
【0045】定着ベルト22の複合表面は、フッ素樹脂
からなる不連続物と、そのフッ素樹脂からなる不連続物
の隙間を埋める液状のシリコーンゴムからなるが、より
具体的には、前記フッ素樹脂からなる不連続物は、フッ
素樹脂の粉体または多孔質フィルムであり、そのフッ素
樹脂の粉体または多孔質フィルムの隙間を液状のシリコ
ーンゴムで埋めた構成となっている。また、定着ベルト
22の複合表面は厚さが10μm以下であり、画像の均
一性や、均一な光沢の画像を得るために、複合表面と基
体の間に厚さが100μm以上のゴム層が設けられてい
る。尚、複合表面の構成の詳細は前述の実施例と同様で
あるので、ここでは説明を省略する。
【0046】次に本発明に係る画像形成装置の一例につ
いて説明する。図7は本発明の定着装置が装備される画
像形成装置の一例を示す図であり、カラー複写機とカラ
ープリンターの機能を有するカラー画像形成装置の概略
構成図である。このカラー画像形成装置は、原稿の画像
を読み取り画像データに変換する画像読み取り部(原稿
読み取り装置)100と、画像データに応じた画像を転
写紙等の転写材に形成して出力する画像形成部(プリン
ター部)200と、画像形成部200に各種サイズの転
写紙を給紙する給紙部300から構成されている。
【0047】画像読み取り部(原稿読み取り装置)10
0は、コンタクトガラス101上に載置された原稿を照
明する光源102と、原稿からの反射光を導くミラー1
03,104,105と、原稿からの反射光を結像する
結像レンズ106と、その結像された原稿画像を受光し
電気信号に変換する撮像素子(カラーCCD等)107
と、その撮像素子107の出力信号を処理する画像処理
部(図示せず)等から構成されている。そして、この画
像読み取り部(原稿読み取り装置)100では、原稿の
カラー画像情報を、撮像素子107で例えばレッド
(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の色分解光毎に
読み取り、電気的な画像信号に変換し、このR、G、B
の色分解画像信号の強度レベルを元にして、図示しない
画像処理部で色変換処理を行い、ブラック(BK)、シ
アン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の
画像データに変換して出力する。
【0048】画像形成部(プリンター部)200は、像
担持体としての感光体ドラム201、帯電手段としての
帯電チャージャ202、露光手段としての書き込み光学
ユニット203、現像手段としての複数の現像器を有す
るリボルバ現像ユニット204、中間転写ユニット20
5、除電装置206、クリーニングブレードやファーブ
ラシ等からなる感光体クリーニング装置207、2次転
写ユニット208、搬送ベルト209、定着ユニット2
10などで構成されている。また、給紙部300には、
各種サイズの転写紙を収容した複数の給紙カセット30
1,302,303が収納されており、画像形成部の作
像タイミングに合わせて選択されたサイズの転写紙を画
像形成部に給紙する。
【0049】感光体ドラム201は図中に矢印で示すよ
うに半時計方向に回転し、その周囲には、帯電チャージ
ャ201、感光体クリーニング装置207、リボルバ現
像ユニット204の選択された現像器、中間転写ユニッ
ト205の中間転写体としての中間転写ベルト205A
などが配置されている。また、書き込み光学ユニット2
03は、画像読み取り部100からのカラー画像データ
を光信号に変換して、帯電チャージャ202によって一
様に帯電された感光体ドラム201の表面に、原稿の画
像に対応したレーザ光を照射して光書き込みを行い、感
光体ドラム201の表面に各色の静電潜像を形成する。
この書き込み光学ユニット203は、例えば、光源とし
ての半導体レーザ213、レーザ発光駆動制御部(図示
せず)、ポリゴンミラー214とその回転用モータ21
5、結像光学系(fθレンズ等)216,217、反射
ミラー218などによって構成されている。
【0050】リボルバ現像ユニット204は、ブラック
(Bk)トナーを用いるBk現像器204BK、シアン
(C)トナーを用いるC現像器204C、マゼンタ
(M)トナーを用いるM現像器204M、イエロー
(Y)トナーを用いるY現像器204Y、及びユニット
全体を半時計回りに回転させる現像リボルバ駆動部(図
示せず)などによって構成されている。このリボルバ現
像ユニット204に設置された各現像器204BK〜2
04Yは、静電潜像を現像するために現像剤の穂を感光
体ドラム201の表面に接触させて回転する現像剤担持
体としての現像スリーブと、現像剤を汲み上げて攪拌す
るために回転する現像剤パドル、及び現像スリーブを回
転させる現像スリーブ駆動部などで構成されている。
【0051】カラー画像形成装置本体の待機状態では、
リボルバ現像ユニット204はBk現像器204BKが
現像位置に位置するホームポジションで停止しており、
コピースタートキーが押されると、画像読み取り部10
0で原稿画像データの読み取りを開始し、そのカラー画
像データに基づいて、画像形成部200の書き込み光学
ユニット203によりレーザ光による感光体201への
光書き込み、すなわち静電潜像形成が始まる。
【0052】そして、書き込み光学ユニット203から
のレーザ光により感光体201上にBK静電潜像が形成
され、このBk静電潜像の先端部から現像可能にすべ
く、BK現像位置に静電潜像の先端部が到達する前に、
BK現像スリーブの回転を開始してBK静電潜像をBK
トナーで現像する。そして、以後BK静電潜像の現像動
作を続けるが、BK静電潜像の後端部がBK現像位置を
通過した時点で、速やかに次の色の現像器が現像位置に
来るまで、リボルバ現像ユニット204が回転する。こ
れは少なくとも、次の画像データによる静電潜像の先端
部が現像位置に到達する前に完了させる。
【0053】中間転写ユニット205は、複数のローラ
に張架された中間転写体である中間転写ベルト205A
などで構成されている。この中間転写ベルト205Aの
下側には、2次転写ユニット208の転写材担持体であ
る2次転写ベルト208Aが配設されている。感光体ド
ラム201上のトナー像を中間転写ベルト205Aに転
写する転写部(1次転写部と言う)では、1次転写バイ
アスローラ及びアースローラで中間転写ベルト205A
を感光体ドラム201側に押し当てるように張架するこ
とにより、感光体ドラム201と中間転写ベルト205
Aとの間に所定幅のニップ部を形成している。
【0054】2次転写ユニット208は、3つの支持ロ
ーラに張架された2次転写ベルト208Aなどで構成さ
れ、3つの支持ローラの一つは、図示しない駆動手段に
よって回転駆動される駆動ローラであり、その駆動ロー
ラにより2次転写ベルト208Aが図中に矢印で示す方
向に駆動される。また、上記2次転写ベルト208A
は、中間転写ベルト205Aに対して接離可能に設けら
れている。また、211はレジストローラ対であり、給
紙部300から給紙された転写紙を、中間転写ベルト2
05Aと2次転写ベルト208Aの間に、所定のタイミ
ングで送り込む。
【0055】搬送ベルト209は、2次転写ユニット2
08でトナー像が転写された転写紙を定着ユニット21
0に搬送する。定着ユニット210は、例えば図1と同
様の構成であり、定着部材である定着ローラ4と、この
定着ローラ4に圧接する加圧部材である加圧ローラ5
と、定着ローラ4の内部に配設された加熱部材(電気ヒ
ータまたはハロゲンランプ等)3を有している。そし
て、モータや駆動伝達機構等の駆動手段(図示せず)に
より、定着ローラ4と加圧ローラ5の一方または両方を
回転駆動することにより、定着ローラ4と加圧ローラ5
の圧接部(定着ニップ部)で未定着トナー像を担持した
転写紙を挟持搬送し、定着ニップ部で転写紙上の未定着
トナー像を加熱溶融することにより、転写紙の表面にト
ナー像を定着させる。
【0056】このように構成したカラー画像形成装置に
おいて、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラ
ム201は、図示しない駆動モータによって矢印で示す
半時計方向に回転され、中間転写ベルト205Aはベル
ト駆動ローラにより矢印で示す時計回りに回転される。
その中間転写ベルト205Aの回転に伴ってBKトナー
像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像
形成が順次行われるとともに、中間転写ベルト205A
への1次転写が順次行われ、最終的にBK、C、M、Y
の順に中間転写ベルト205A上に重ね合わせてカラー
トナー像が形成される。より詳しく述べると、例えばB
Kトナー像形成は次のように行われる。帯電チャージャ
202は、例えばコロナ放電によって感光体ドラム20
1の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。そし
て、書き込み光学ユニット203により、BKカラー画
像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。こ
のラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光
体ドラム201の表面の露光された部分は、露光光量に
比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。こ
のBK静電潜像に、BK現像器204BKの現像ローラ
上の負帯電されたBKトナーが接触することにより、感
光体ドラム201の電荷が残っている部分にはトナーが
付着せず、電荷の無い部分、つまり露光された部分には
トナーが吸着し、静電潜像と相似なBKトナー像が形成
される。この感光体ドラム201上に形成されたBKト
ナー像は、感光体ドラム201と接触状態で等速駆動し
ている中間転写ベルト205Aの表面に転写される。以
下、感光体ドラム201から中間転写ベルト205Aへ
のトナー像の1次転写を「ベルト転写」という。上記ベ
ルト転写後の感光体ドラム201の表面に残留している
若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム201の再使
用に備えて、感光体クリーニング装置207で清掃され
る。
【0057】感光体ドラム201側ではBK画像形成工
程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングで画
像読み取り部100によるC画像データの読み取りが始
まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによっ
て、感光体ドラム201の表面にC静電潜像を形成す
る。そして、先のBK静電潜像の後端部が通過した後
で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現
像ユニット204の回転動作が行われ、C現像器204
Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現
像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C
静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBK現像器2
04BKの場合と同様にリボルバ現像ユニット204の
回転動作を行い、次のM現像器204Mを現像位置に移
動させる。これもやはり次のM静電潜像の先端部が現像
位置に到達する前に完了させる。尚、M及びYの画像形
成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取
り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程
と同様であるので説明は省略する。
【0058】以上の作像動作により、中間転写ベルト2
05A上には、感光体ドラム201上に順次形成される
BK、C、M、Yのトナー像が、同一面に順次位置合わ
せされて転写される。それにより、中間転写ベルト20
5A上には最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成
される。上記作像動作が開始される時期に、転写紙は給
紙部300の選択された給紙カセットから給送され、レ
ジストローラ対211のニップで待機している。そし
て、中間転写ベルト205Aに2次転写ベルト208A
が当接する2次転写部に中間転写ベルト205A上のト
ナー像の先端が差し掛かるときに、丁度転写紙の先端が
このトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対
211が駆動され、転写紙とトナー像とのレジスト位置
合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト2
05A上のトナー像と重ねられて2次転写部を通過する
タイミングに合わせて転写バイアスが印加され、中間転
写ベルト205A上の4色重ねトナー像が転写紙上に一
括転写される。この4色重ねトナー像が転写された転写
紙は、転写紙除電チャージャ等により除電され、2次転
写ベルト208Aから剥離され、搬送ベルト209を介
して定着ユニット210に向けて送られる。そして、定
着ユニット210の定着ローラ4と加圧ローラ5の間の
定着ニップ部でトナー像が溶融定着され、排出ローラ対
212で装置本体外に送り出され、図示しないコピート
レイにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
【0059】以上、画像形成装置の一例としてカラー画
像形成装置の構成、動作を示したが、本発明では、この
ような画像形成装置の定着ユニット210に前述した定
着装置を適用したものである。また、カラートナー像を
形成するトナーとしては、少なくとも着色剤、メインバ
インダー樹脂、ワックスからなり、該ワックスの融点が
メインバインダー樹脂の1/2流出開始温度より低いも
のが用いられる。そして、定着装置のトナー像と接する
定着ローラ4の表面2は、シリコーンゴムとフッ素樹脂
が混在した複合表面で構成される。また、複合表面2を
構成するフッ素樹脂やシリコーンゴムと、ワックスの溶
解性パラメータ(SP値)が、フッ素樹脂のSP値≦
(シリコーンゴムのSP値、ワックスのSP値)の関係
を有するとともに、シリコーンゴムとワックスのSP値
の差異が1未満であることを特徴としている。
【0060】さらに、定着ローラ4の複合表面2は、フ
ッ素樹脂からなる不連続物と、そのフッ素樹脂からなる
不連続物の隙間を埋める液状のシリコーンゴムからなる
が、より具体的には、前記フッ素樹脂からなる不連続物
は、フッ素樹脂の粉体または多孔質フィルムであり、そ
のフッ素樹脂の粉体または多孔質フィルムの隙間を液状
のシリコーンゴムで埋めた構成となっている。また、カ
ラー画像を定着する場合に、良好な光沢度、透明性を得
るためには、カラー画像を形成するトナーのワックス
は、トナー全体に対して3vol%以上、15vol%以下で
ある。
【0061】本発明に係る画像形成装置では、このよう
な構成の定着装置を装備したことにより、シリコーンオ
イルの代わりに離型剤となるワックスと相溶性があり、
耐熱性もあるシリコーンゴムが定着ローラの複合表面に
有るので、ワックスが定着ローラの表面を覆いやすく、
また、複合表面に有るフッ素樹脂の離型性により紙粉等
の付着も防がれるため、常にトナーの定着ローラへのオ
フセットを防止することができる。従って、シリコーン
オイルや、オイルタンク、塗布装置が不要となり、消耗
品の種類を減らすことができ、保守の手間を低減するこ
とができる。また、オイルタンクや塗布装置が無い分、
定着装置及び画像形成装置の小型化を図ることができ
る。
【0062】尚、画像形成装置の一例として図7にカラ
ー画像形成装置の構成例を示したが、本発明に係る画像
形成装置はこれに限るものではなく、リボルバ現像ユニ
ットに代えてBK,C,M,Yの各色の現像装置を個々
に感光体ドラム(あるいは感光体ベルト)の周囲に配置
した構成の画像形成装置や、各色用の感光体と作像用の
構成部材(帯電手段、書き込み手段、現像手段、クリー
ニング手段等)からなる作像ユニットを複数並設して、
各作像ユニットでBK,C,M,Yの各色のトナー像を
作像し、転写搬送ベルト等に担持された転写材に順次重
ねて転写するタンデム型のカラー画像形成装置など、種
々の構成のものが適用できる。また、カラーに限らず、
モノクロ画像を形成する構成でもよい。すなわち、トナ
ーを用いて画像形成を行なう電子写真方式の画像形成装
置であればよく、モノクロ、カラーを問わず種々の構成
のものが適用できる。また、定着装置の構成も図1のロ
ーラ対を用いた構成に限らず、図6に示したような定着
ベルトを用いた定着装置等、請求項1〜9の何れかの構
成要件を満たすものであれば種々の構成のものが適用で
きる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る定
着装置では、定着部材の表面は、シリコーンゴムとフッ
素樹脂が混在した複合表面からなり、且つ、フッ素樹
脂、シリコーンゴム、ワックスの溶解性パラメータ(S
P値)が、 フッ素樹脂のSP値≦(シリコーンゴムのSP値、ワッ
クスのSP値) の関係を有するとともに、シリコーンゴムとワックスの
SP値の差異が1未満である(すなわち、シリコーンゴ
ムとワックスは相溶性がある)ことを特徴としており、
シリコーンオイルの代わりに離型剤となるワックスと相
溶性があり、耐熱性もあるシリコーンゴムが定着部材の
複合表面に有ることにより、ワックスが定着部材の表面
に広がって該表面を覆いやすく離型温度幅が広いので、
定着画像の透明性が得やすいなどのメリットがある。ま
た、複合表面に有るフッ素樹脂の離型性により紙粉等の
付着も防止されるため、常にトナーの定着部材へのオフ
セットを防止することが可能となる。また、表面をシリ
コーンゴムとフッ素樹脂が混在した複合表面とすること
により、定着部材の表面にフッ素樹脂のみの離型層を設
けた構成に比べて表面硬度を小さくでき、表面に弾性を
持たせることができるので、トナー画像との密着性が良
くなり、均一な画像光沢が得られるという効果がある。
【0064】請求項2,3に係る定着装置では、請求項
1の構成及び効果に加え、定着部材の複合表面として、
溶融粘度が大きく、流動開始温度も高いフッ素樹脂を溶
融することなく不連続物(粉体または多孔質フィルム)
の形態で用い、そのフッ素樹脂からなる不連続物(粉体
または多孔質フィルム)の隙間を液状のシリコーンゴム
で埋めることにより、フッ素樹脂とシリコーンゴムが混
在した複合表面を容易に得ることができる。また、請求
項4に係る定着装置では、請求項1の構成及び効果に加
え、定着部材の複合表面として、フッ素樹脂が網状に連
なっている多孔質のフッ素樹脂フィルムを用い、この多
孔質のフッ素樹脂フィルムにシリコーンゴムを含浸した
ことにより、フッソ樹脂がシリコーンゴムから脱離しに
くい形態の、フッ素樹脂とシリコーンゴムが混在した複
合表面を容易に得ることができる。さらに、請求項5に
係る定着装置では、請求項1の構成及び効果に加え、定
着部材の複合表面は、円筒状の型内面に、平均粒径がト
ナーの1/3以下のフッ素樹脂粉体を塗布した後、シリ
コーンゴムを塗布し硬化させて形成したことにより、フ
ッ素樹脂粉体が十分に小さいため、シリコーンゴムから
脱離しにくく、万一脱離しても、脱離した後の凹凸や脱
離粉自体も画像を形成するトナーに比べて小さいため、
画像が乱されることがなく、また、型内面に沿って表面
形状が形成されるため、表面形状精度の高い定着部材を
得ることができる。さらにまた、請求項6に係る定着装
置では、請求項1の構成及び効果に加え、定着部材の複
合表面は、定着部材の基体外周にシリコーンゴムを塗布
し、さらにその上に平均粒径がトナーの1/3以下のフ
ッ素樹脂粉体を塗布し、その塗布中または塗布後、定着
部材の基体側からシリコーンゴムを硬化させて形成した
ことにより、フッ素樹脂粉体が十分に小さいため、シリ
コーンゴムから脱離しにくく、万一脱離しても、脱離し
た後の凹凸や脱離粉自体も画像を形成するトナーに比べ
て小さいため、画像が乱されることがなく、また、型が
不要で生産性に優れる定着部材を得ることができる。
【0065】請求項7に係る定着装置では、請求項1〜
6の何れかの構成に加え、前記定着部材の複合表面は、
フッ素樹脂の割合が60vol%以上であり、表面の厚み
は10μm以下であることを特徴とするので、最小限な
材料の使用量で請求項1〜6の定着装置の機能を達成す
ることができる。また、請求項8に係る定着装置では、
請求項1〜6の何れかの構成に加え、定着部材の複合表
面は、フッ素樹脂の割合が60vol%以上であり、表面
の厚みが10μm以下なので、請求項7と同様に、最小
限な材料の使用量で請求項1の定着装置の機能を達成す
ることができる。また、複合表面の内周側に厚さが10
0μm以上のゴム層があり、トナー画像の凹凸(最大で
50μm程度)に比べてゴム層の厚みが十分に大きいの
で、トナー画像の凹凸に追従して密着状態でトナーを加
熱でき、均一な画像光沢を得ることができる。また、複
合表面は、厚みが10μm以下であり、その内周側にゴ
ム層があることにより、複合表面層だけの場合に比べて
表面硬度のアップを防ぐことができる。さらにまた、請
求項9に係る定着装置では、請求項1〜8の何れかの構
成及び効果に加え、トナーのワックスを、トナー全体に
対して3vol%以上、15vol%以下とすることにより、
カラー画像の光沢度、透明性を損わずにオフセットを防
止することができる。
【0066】請求項10に係る画像形成装置では、請求
項1〜9の何れか一つに記載の定着装置を備えたことに
より、シリコーンオイルや、オイルタンク、塗布装置が
不要となり、消耗品の種類を減らすことができ、保守の
手間を低減することができ、且つ装置の小型化を図るこ
とができる。また、オイルレスの定着装置を備えたカラ
ー画像形成装置を実現することができる。従って、オイ
ルレスの定着装置を備え、装置の簡素化、低価格化、小
型化を達成でき、消耗品の低減によるユーザの保守性の
向上を達成でき、定着後の画像面への加筆も可能にす
る、画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す定着装置の概略構成図
である。
【図2】図1に示す構成の定着装置で定着ローラの複合
表面を構成するシリコーンゴムの種類を変え、定着ロー
ラの表面温度を100〜180℃に制御して定着温度幅
を測定したときの、シリコーンゴムとワックスのSP値
差の絶対値と、定着温度幅の関係を示すグラフである。
【図3】図1に示す構成の定着装置で定着ローラの表面
をフッ素樹脂またはシリコーンゴム単体で構成し、定着
ローラの表面温度を100〜180℃に制御して定着温
度幅を測定したときの、フッ素樹脂またはシリコーンゴ
ムとワックスのSP値差の絶対値と、定着温度幅の関係
を示すグラフである。
【図4】複合表面にフッ素樹脂の多孔質フィルムを用い
た定着ローラの表面構造の一例を示す図であり、(a)
は複合表面の部分平面図、(b)は複合表面とその下の
ゴム層の部分断面図である。
【図5】複合表面にフッ素樹脂の粉体を用いた定着ロー
ラの表面構造の一例を示す図であり、(a)は複合表面
の部分平面図、(b)は複合表面とその下のゴム層の部
分断面図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す定着装置の概略構成
図である。
【図7】本発明の定着装置が装備される画像形成装置の
一例を示す図であり、カラー複写機とカラープリンタの
機能を有するカラー画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 定着装置 2 定着ローラの表面(複合表面) 3 加熱源(電気ヒータまたはハロゲンランプ等) 4 定着ローラ(定着部材) 5 加圧ローラ(加圧部材) 6 サーミスタ 7 転写紙ガイド 8 転写紙(転写材) 9 トナー像 11A フッ素樹脂の多孔質フィルム 11B フッ素樹脂の粉体 12 シリコーンゴム 20 弾性ローラ 21 加熱ローラ(加熱部材) 22 定着ベルト(定着部材) 23 加熱源(電気ヒータ、ハロゲンランプ等) 24 加圧ローラ(加圧部材) 25 加熱源(電気ヒータ、ハロゲンランプ等) 26 転写紙(転写材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大嶋 清 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 黒高 重夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 馬場 聡彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 由良 純 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 菊地 尚志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 中藤 淳 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA14 EA03 EA07 EA10 2H033 AA09 AA32 BA11 BA58 BB05 BB06 BB08 BB14 BB15 BB26 3J103 AA02 AA21 BA03 BA41 BA43 FA18 GA02 GA57 GA58 GA60 HA03 HA12 HA43 HA53

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧接して回転する一対の回転体である定着
    部材及び加圧部材と、前記定着部材を加熱する加熱手段
    と、前記定着部材及び加圧部材を回転駆動して未定着ト
    ナー像を担持した転写材を搬送する手段を備え、前記定
    着部材と加圧部材の圧接部で未定着トナー像を担持した
    転写材を挟持搬送し、前記未定着トナー像を加熱溶融す
    ることにより前記転写材表面にトナー像を定着させる定
    着装置において、 前記トナー像を形成するトナーが、少なくとも着色剤、
    メインバインダー樹脂、ワックスからなり、該ワックス
    の融点がメインバインダー樹脂の1/2流出開始温度よ
    り低い場合に、前記トナー像と接する定着部材の表面
    は、シリコーンゴムとフッ素樹脂が混在する複合表面か
    らなり、且つ、フッ素樹脂、シリコーンゴム、ワックス
    の溶解性パラメータ(以下、SP値と記す)が、 フッ素樹脂のSP値≦(シリコーンゴムのSP値、ワッ
    クスのSP値)の関係を有するとともに、シリコーンゴ
    ムとワックスのSP値の差異が1未満であることを特徴
    とする定着装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の定着装置において、 前記定着部材の複合表面は、フッ素樹脂からなる不連続
    物と、そのフッ素樹脂からなる不連続物の隙間を埋める
    液状のシリコーンゴムからなることを特徴とする定着装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の定着装置において、 前記フッ素樹脂からなる不連続物は、フッ素樹脂の粉体
    または多孔質フィルムであることを特徴とする定着装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の定着装置において、 前記定着部材の複合表面は、シリコーンゴムを含浸した
    多孔質のフッ素樹脂フィルムからなることを特徴とする
    定着装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の定着装置において、 前記定着部材の複合表面は、円筒状の型内面に、平均粒
    径がトナーの1/3以下のフッ素樹脂粉体を塗布した
    後、シリコーンゴムを塗布し硬化させて形成したことを
    特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の定着装置において、 前記定着部材の複合表面は、定着部材の基体外周にシリ
    コーンゴムを塗布し、さらにその上に平均粒径がトナー
    の1/3以下のフッ素樹脂粉体を塗布し、その塗布中ま
    たは塗布後、定着部材の基体側からシリコーンゴムを硬
    化させて形成したことを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れか一つに記載の定着装
    置において、 前記定着部材の複合表面は、フッ素樹脂の割合が60vo
    l%以上であり、表面の厚みは10μm以下であること
    を特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜6の何れか一つに記載の定着装
    置において、 前記定着部材の複合表面は、フッ素樹脂の割合が60vo
    l%以上であり、表面の厚みは10μm以下であり、そ
    の複合表面の内周側にはゴム層があり、そのゴム層の厚
    さが100μm以上であることを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の何れか一つに記載の定着装
    置において、 前記トナーのワックスは、トナー全体に対して3vol%
    以上、15vol%以下であることを特徴とする定着装
    置。
  10. 【請求項10】像担持体上に静電潜像を形成し、該静電
    潜像を現像手段のトナーで現像して顕像化した後、その
    顕像化されたトナー像を直接もしくは中間転写体を介し
    て転写材に転写した後、転写材に転写されたトナー像を
    定着装置により定着する画像形成装置において、 前記定着装置として、請求項1〜9の何れか一つに記載
    の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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