JP2002340698A - 積分球型光ファイバー温度計 - Google Patents

積分球型光ファイバー温度計

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JP2002340698A
JP2002340698A JP2001142384A JP2001142384A JP2002340698A JP 2002340698 A JP2002340698 A JP 2002340698A JP 2001142384 A JP2001142384 A JP 2001142384A JP 2001142384 A JP2001142384 A JP 2001142384A JP 2002340698 A JP2002340698 A JP 2002340698A
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optical fiber
integrating sphere
thermometer
luminous body
light
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Application number
JP2001142384A
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English (en)
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Toru Katsumata
徹 勝亦
Naoya Oishi
直也 大石
Hiroaki Aizawa
宏明 相沢
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Ohkura Electric Co Ltd
Original Assignee
Ohkura Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光の強度を高めた光ファイバー温度計を提供
する。 【解決手段】入出射窓11付き積分球形状を有し且つ励起
光の入射時に温度に応じた特性で発光する発光体1の前
記入出射窓11へ、光ファイバー2の一端を接続する。光
ファイバー2の他端に、二分岐光ファイバーを介して光
源5及び光検出器6を接続する。入出射窓11から入る光
源5の励起光を、積分球内の反復反射により強めて発光
体1に加える。励起された発光体1からの蛍光を、積分
球内の反復反射により外部へ漏らすことなく高強度にし
て入出射窓11に集め、光ファイバー2経由で光検出器6
へ出射する。励起光の高強度化及び蛍光の高強度化によ
り光ファイバー温度計の測定精度を向上させる。好まし
くは、発光体1の材料を、ルビー(Crを添加したAl
203)の単結晶、スピネル(Crを添加したMgAl204)の単
結晶、又はEr(エルビウム)、Nd(ネオジム)、Tm(ツ
リウム)等の希土類元素を添加した石英とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積分球型光ファイ
バー温度計に関し、とくに光ファイバーの先端へ温度に
感応する積分球型の蛍光物質又は黒体を取付けた光ファ
イバー温度計に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバー温度計は、電磁誘導等に起
因する電気的ノイズの影響を受けず、耐薬品性が高く、
小型であるという種々の利点を持つ。そのため、熱電対
や白金測温抵抗体等では正確な温度測定が不可能な環
境、例えばガスタービン・エンジン内部の温度計測やプ
ラズマ雰囲気中で熱処理するシリコン・ウェーハの温度
制御において、光ファイバー温度計が好んで用いられて
いる。
【0003】光ファイバー温度計には、蛍光物質の発光
強度の減衰時間から温度を求める蛍光式光ファイバ温度
計と、黒体が出す電磁波の強度(以下、「黒体の放射エ
ネルギー」という場合がある。)から温度を求める黒体
式光ファイバー温度計とが知られている。
【0004】蛍光式光ファイバー温度計で使われる従来
構造の温度検出部の一例が、特表昭62-501448号公報に
開示されている。本発明の理解に必要な限度において同
公報の蛍光減衰計測式温度検出の機構を簡単に図6に示
す。光ファイバー20の先端に蛍光物質21を配置し、テフ
ロン(登録商標)等の保護カバー22により蛍光物質21及
び光ファイバー・蛍光物質間の接触部を包んだ構造を有
している。
【0005】図6に示す蛍光物質21のように光ファイバ
ー温度計の発光体として使われる物質は、励起光の入射
に応じる発光の減衰時間が短い狭義の蛍光体だけでな
く、その減衰時間が長い燐光体をも含む広義の蛍光物質
である。
【0006】従来の黒体式光ファイバー温度計の例は、
米国特許第3,626,758号、米国特許第4,576,486号、米国
特許第4,750,139号及び米国特許第4,845,647号に開示さ
れている。本発明の理解に必要な限度において黒体式温
度検出の機構を簡単に図7に示す。耐熱性に優れ、高い
光透過性を有するサファイア・ロッド24の一端に、白金
等の貴金属をスパッタリングすることにより黒体25を形
成する。黒体25から大きな放射エネルギーを得るため
に、サファイア・ロッド24の先端にテーパーが設けられ
ている。
【0007】黒体式光ファイバー温度計の他の一例とし
て、特開平5-079919号公報を挙げることができる。この
例は、光ファイバーの先端に、黒体として作用する中空
の円すい形キャップを固定した構造を持つ。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】上記図6の蛍光式
光ファイバー温度計では、蛍光物質21の出射する蛍光が
拡散光であるため、大部分の蛍光は蛍光物質21の周りの
保護カバー22に吸収されてしまう。従って、検出される
蛍光信号が微弱となり、温度計の感度が低いという問題
点がある。
【0009】また上記蛍光式光ファイバー温度計では、
蛍光物質21と光ファイバー20とを保護する保護カバー22
のテフロンの耐熱温度が300℃程度と低く、高温域での
計測ができないという問題点がある。更に、蛍光物質21
と光ファイバー・蛍光物質接続部とを保護カバー22のみ
により簡単に包む構造では、十分な機械的強度ないし安
定度が得られず、外部からの衝撃を受けて蛍光物質21と
光ファイバー20との相対位置にズレが生じやすく、温度
計測値の再現性が悪いという問題がある。
【0010】黒体25から発せられる放射エネルギーは黒
体の面積に比例して大きくなるため、上記図7の黒体光
ファイバー温度計ではサファイア・ロッド24の先端をテ
ーパー状に加工し放射エネルギーの増大を図っている。
しかしこの構造では、機械的に外部からの衝撃に弱く容
易に破損するという問題点がある。
【0011】そこで本発明の目的は、蛍光の強度及び放
射エネルギーの密度を高めた光ファイバー温度計を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明者は積分球の光学的特性、及び発光体の励起
光と発光との間の周波数差に注目した。積分球の特徴
は、反射率が高い球形内壁と小さな入射窓と小さな出射
窓とにある。入射窓から入った入射光は、積分球の内壁
で拡散反射を繰返し、その結果平衡に達した積分球内の
反射光束は、球面内のどの部分でも同一となり、入射窓
からの全入射光束に比例する。即ち、励起光により発光
する発光体を使用する場合に、その発光体を積分球型に
すれば、入射窓から入射する励起光を外部へ漏らさずに
すべて有効に発光体へ加えその励起に使うことができ
る。
【0013】また、励起光の入射に応じて発光体から出
射される発光も、積分球の内壁で拡散反射を繰返し、そ
の結果平衡に達した積分球内の発光光束は、球面内のど
の部分でも同一となり、発光体の全発光光束に比例す
る。即ち、発光体を積分球型にすれば、発光体の発光を
外部へ漏らさずにすべて有効に出射窓から外部へ取出す
ことができる。
【0014】他方、励起光の入射に応じて発光する発光
体においては、励起光から吸収するエネルギーの一部分
を、発光体構成分子の分子内振動の熱エネルギー等に分
子内緩和エネルギーとして消費し、その残りを蛍光又は
他の発光に使うことが知られている。このため、発光体
でのエネルギー吸収に適する励起光の周波数と、この励
起光の入射の結果生じる発光の周波数とは、前記分子内
緩和エネルギーに相当する分だけ相異する。従って、励
起光により発光する発光体を積分球型にする場合に、入
射窓と出射窓とをまとめて一つの入出射窓としても、周
波数の相異により励起光と蛍光等の発光とを分離するこ
とができる。
【0015】本発明は、積分球に関するこれらの着想に
基づく実験研究の結果、完成に至ったものである。発光
体の典型例は蛍光体であり、発光体からの発光の典型例
は蛍光である。
【0016】図1を参照するに、本発明による積分球型
光ファイバー温度計は、励起光入射時に温度関数発光を
する入出射窓11付き積分球型の発光体1、入出射窓11へ
一端が接続された光ファイバー2、並びに光ファイバー
2の他端へ接続される励起光源5及び光検出器6を備え
てなるものである。ここに温度関数発光とは、例えば発
光の振幅又は発光の減衰速度が温度の関数として表わさ
れることである。
【0017】好ましくは、発光体1を、ルビー(Crを添
加したAl203)の単結晶、スピネル(Crを添加したMgAl2
04)の単結晶、又はEr(エルビウム)、Nd(ネオジ
ム)、Tm(ツリウム)若しは他の希土類元素を添加した
石英によって形成する。希土類元素を添加した石英は、
蛍光の強度や強度の減衰時間だけでなく、他の光学的特
性(例えば、発光波長の帯域や吸収波長の帯域の変化)
も温度依存性を示すことが知られている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による積分球型光ファイバ
ー温度計の動作を図1及び2の実施例により説明する。
この図示例では、光ファイバー2の一端を発光体1に接
続し、その他端を二分岐光ファイバー4の共通の接続部
3に接続する。二分岐光ファイバー4では、その一方の
分岐脚の先端に励起光の光源5を接続し、その他方の分
岐脚の先端に光検出器6を接続する。光源5からの光が
二分岐光ファイバー4及び光ファイバー2を介して発光
体1へ入射し、発光体1からの光が光ファイバー2及び
二分岐光ファイバー4を介して光検出器6へ入射する。
二分岐光ファイバー4の構造及び作用は公知技術に属す
る。例えば、光源5及び光検出器6に適当なフィルタ
(図示せず)を設けて励起光及び発光の波長を選択又は
抽出する。
【0019】図2の実施例では、あらかじめ直径3mmの
球状に加工したルビー(Crを添加したAl203)単結晶の
表面を更に光学研磨により成形したルビー単結晶球1a
を、積分球型の発光体1とした。ただし、発光体1は必
ずしも単結晶である必要はない。表面を光学研磨するの
は、表面を滑らかな球面にすると共に、表面での反射率
を高め、ルビー単結晶球1aを積分球とするためである。
このルビー単結晶球1aを、図1の光ファイバー2に相当
する直径0.5mmで長さ200mmのアクリル製光ファイバー2a
の先端に、励起光及び発光を透過する光学用アクリル接
着剤7により接続した。ルビー単結晶球1aとアクリル接
着剤7との境界面が、入出射窓11として機能する。ただ
し、本発明における積分球型発光体1と光ファイバー2
との接続は、接着剤7によるものに限定されず、例えば
接続用白金金具(図3参照)のかしめ等により積分球型
発光体1の入出射窓11へ光ファイバー2の一端を接続し
てもよい。
【0020】図2のように接続したアクリル製光ファィ
バー2aの先端のルビー単結晶球1aを、温度範囲(−20℃
〜+70℃)内の所定値で一定に保ち、光源5の出力から
分光した波長500nmの青色の単色光をルビー単結晶球1a
の入出射窓11へ励起光として入射させた。この入射光
は、積分球型のルビー単結晶球1aの内部で多重拡散反射
し、ルビー単結晶球1aを光学的に励起させ、波長694nm
の赤色光である蛍光を発生させる。積分球型のルビー単
結晶球1aの内部では、励起光が多重反射してルビー単結
晶球1aの隅々まで行きわたり、ルビー単結晶球1aの励起
を高効率化する。
【0021】励起されたルビー単結晶球1aの赤色発光
も、積分球型のルビー単結晶球1a内で多重拡散反射し、
入出射窓11に効率よく集光し、アクリル・ファイバー2a
へ出射した。この出射した蛍光の強度を二分岐光ファイ
バー4の他端に設置した光検出器6で測定した。この場
合の光検出器6は半導体光検出器であったが、本発明で
使用する光検出器6は半導体製のものに限定されず、他
の構造のものを使うこともできる。測定結果を図5に示
す。
【0022】参考値として、発光体1を積分球型(Sphe
re)ではなく、立方体型(Cubic)又は柱型(Column)
とした場合の同様な測定結果を図5に併記する。同図の
縦軸は、比較のために基準化したルミネセンス強度であ
って、測定値をそのまま示すものではない。図5のグラ
フによれば、本発明による温度計の積分球型発光体1aか
らの蛍光の強度が、立方体型に比して約50%増加し、柱
型に比して約230%増加している。
【0023】蛍光式光ファイバー温度計における積分球
型発光体の効果は、第一に積分球型発光体に照射される
励起光が、積分球型発光体の表面から内部へ多重反射を
することにより、その励起光が発光体の全体へ均一で万
遍なく照射されることにある。このことにより従来の蛍
光式光ファイバー温度計に比べて発光体の励起効率を飛
躍的に向上させることができる。
【0024】第二に積分球構造を有する発光体の表面に
おいて、発光体の発する蛍光が効率よく反射されるの
で、発光体の発する蛍光が光ファイバーに導入され、光
検出器で検出できる蛍光の強度が従来の蛍光式光ファイ
バー温度計に比べて飛躍的に向上することにある。
【0025】図4(B)の実施例は、例えば白金製の積
分球型黒体13の出射窓14に石英ファイバー2cの一端を接
続し、その石英ファイバー2cの他端に黒体放射検出用の
光検出器16を接続した構成を有する。積分球型黒体13
は、環境温度の関数である電磁波即ち放射エネルギーを
出射し、図2の実施例について説明した積分球型の発光
体1a内の蛍光の場合と同様に、その放射エネルギーを外
へ漏らすことなくすべて内部で多重拡散反射し、出射窓
14に効率よく集める。このため、光検出器16へ伝達され
る積分球型黒体13の放射エネルギーの密度が、積分球型
でない黒体の場合に比して高められる。
【0026】こうして本発明の目的である「蛍光の強度
及び放射エネルギーの密度を高めた光ファイバー温度
計」の提供が達成される。
【0027】
【実施例】光ファイバー2と発光体1又は黒体13との接
続は、発光体1の蛍光及び/又は黒体13の放射電波と励
起光とを透過する接着剤、例えばアクリルやエポシキ樹
脂系の光学用接着剤で両者を接着することにより行って
もよい。このような接着によれば、従来の光ファイバー
温度計と比較して機械的強度に優れた温度計を製造する
ことが可能である。更に接着剤使用の他の利点として、
光温度センサの製造の容易化、材質が異なる光ファイバ
ー2と発光体1との組合せ、例えばガラス・ファイバー
と単結晶発光体との組合せ、又はプラスチック・ファイ
バーとガラス発光体との組合せの可能化を挙げることが
できる。
【0028】接着によらずに光ファイバーと発光体の材
質が異なる光ファイバー温度センサを製造する方法とし
ては、光ファイバーと発光体を金属製金具でかしめる方
法がある(図3参照)。
【0029】しかし接着剤や金具による上記接着方法で
は、光ファイバー温度センサの耐熱限界温度が、使用す
る接着剤や金具の耐熱温度によって制限されるため、使
用温度範囲が低く制限される。この制限を克服するた
め、高温で使用する光ファイバー温度センサの製造に当
り、光ファイバーと同じ材質でできた発光体を高温で融
解し接着する方法が試みられている。また、光ファイバ
ー先端に液体状の発光体を接着し、蛍光体が固化する際
に球状に成形する方法を用いる方法も試みられている。
これらの方法により、耐熱性と機械強度とに優れた光フ
ァイバー温度計を製造することが可能となる。例えば、
光ファイバーの材質にサファイア(Al2O3)単結晶を用
い、そのサファイア単結晶製光ファイバー自体を種結晶
とし、その種結晶の先端にルビー(Crを添加したAl
2O3)単結晶を育成させて積分球型の発光体を形成する
ことができる。このサファイア・ファイバーの先端にル
ビー単結晶発光体を育成させた構造は、2000℃の高い耐
熱温度及び優れた機械的強度を示した。
【0030】本発明の光ファイバー温度計における積分
球型黒体は、従来の光ファイバー温度計のそれに比して
機械的強度において利点を有する。即ち、図4(B)の
黒体13等の熱放射素子が積分球型の形状を有しているた
め、従来の光ファイバー温度計における他の形状の黒体
素子に比して、構造上外部からの衝撃に強い。
【0031】図3は本発明による光ファイバー温度セン
サの他の実施例を示す図式的構成図である。この実施例
では、直径3mmの球状に加工したルビー(Crを添加した
Al2O 3)単結晶の表面を光学研磨して球状発光体1aとし
た。石英又はサファイアからなる直径0.425mmで長さ500
mmのファイバー2bの一端に、その球状ルビー発光体1aを
白金金具8で固定した。更に、この球状に加工した透明
ルビー1aの表面に黒体として白金ぺ一スト9を塗布し
た。この黒体付き球状発光体1aを所定の温度範囲(700
℃〜1000℃)内の一定温度に保ち、ファイバー2bの他端
に接続した半導体光検出器6(図1参照)により、黒体
付き発光体1aの熱放射による光を測定した。ファイバー
2bの先端に融着した球状のサファイア・センサー部が積
分球の働きをするため、熱放射による光を効率よくファ
イバー2b内に導くことができた。この実施例は、一つの
温度計に、球状ルビー発光体1aの蛍光式光ファイバー温
度計と黒体被覆9の黒体式光ファイバー温度計との二つ
の機能を同時に持たせ得ることを示す。
【0032】図4(A)は、本発明による光ファイバー
温度センサの更に他の実施例を示す図式的構成図であ
る。石英ファイバー2cの一端に石英球1bを融着し、その
石英球1bの表面に白金による黒体被覆10を施した。この
温度センサーの石英ファイバー2cの一端を所定温度範囲
(700℃〜1000℃)内の一定温度に保ち、そのファイバ
ー2cの他端に設置した半導体光検出器6(図1参照)に
より、石英ファイバー2cの一端の熱放射による光を測定
した。石英ファイバー2cの一端に融着した積分球型石英
部1bが前記積分球機能を果たすので、熱放射による光を
効率よく石英ファイバー2c内に導くことができた。
【0033】前記白金の黒体被覆10を、白金以外の材
料、例えばイリジウム又は他の貴金属を用いた黒体とし
て形成してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バー温度計は、積分球型の発光体又は黒体を導光路とし
ての光ファイバー先端部に設けることにより、発光体又
は黒体から与えられる高強度の出射光を測定するので、
次の顕著な効果を示す。
【0035】(イ)発光体を励起して蛍光を発光させる
ために加えられる励起光が、発光体自体の積分球構造内
で多重反射をして発光体に加えられるため、発光体の励
起効率が良い。 (ロ)発光体から発せられる蛍光を、積分球構造内で繰
返し多重反射させることにより高光度で入出射窓に集光
し、高効率で光ファイバーへ出射できる。 (ハ)黒体から発せられる放射光を、前記蛍光と同様に
積分球構造内で繰返し多重反射させることにより高光度
で出射窓に集光し、外へ失うことなく高効率で光ファイ
バーへ出射できる。 (ニ)発光体又は黒体から発せられる光の強度が増大す
るため、受光側の電気回路設計が容易になるだけでな
く、安価な発光素子、受光素子、電気部品の使用が可能
になる。 (ホ)発光体又は黒体から発せられる光の強度が増大す
るため、受光側の電気回路により信号の増幅率の低減が
可能となり、電気回路の周波数特性及び測定精度が向上
する。この特性及び精度の向上により、温度センサの精
度、分解能、動特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の光ファイバー温度計の構成を示す
ブロック図である。
【図2】は、発光体及び光ファイバーの第一実施例の図
式的説明図である。
【図3】は、発光体及び光ファイバーの第二実施例の図
式的説明図である。
【図4】は、発光体及び光ファイバーの第三実施例の図
式的説明図である。
【図5】は、発光体の形状の差による蛍光強度の差の実
測値を示すグラフである。
【図6】は、従来の蛍光式光ファイバー温度計の一例を
示す図である。
【図7】は、従来の黒体式光ファイバー温度計の一例を
示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b…発光体 2、2a、2b、2c…光ファイバー 3…接続部 4…二分岐光ファイバー 5…光源 6…(半導体)光検出器 7…光学用アクリル接着剤 8…白金金具 9…白金ぺ一スト 10…黒体被覆 11…入出射窓 13…積分球型黒体 14…出射窓 16…光検出器 20…光ファイバー 21…蛍光物質 22…保護カバー 24…サファイア・ロッド 25…黒体
フロントページの続き (72)発明者 相沢 宏明 東京都杉並区成田西三丁目20番8号 大倉 電気株式会社内 Fターム(参考) 2G066 AA01 AC11 AC16 BA11 BA18 BA19 BA38

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励起光入射時に温度関数発光をする入出射
    窓付き積分球型の発光体、前記入出射窓へ一端が接続さ
    れた光ファイバー、並びに前記光ファイバーの他端へ接
    続される励起光源及び光検出器を備えてなる積分球型光
    ファイバー温度計。
  2. 【請求項2】請求項1の温度計において、前記発光体
    を、励起光入射に応じる温度関数の発光が可能な発光材
    料の中実球としてなる積分球型光ファイバー温度計。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の温度計において、前記発
    光材料を、ルビー(Crを添加したAl203)の単結晶、ス
    ピネル(Crを添加したMgAl204)の単結晶、又はEr(エ
    ルビウム)、Nd(ネオジム)、Tm(ツリウム)若しくは
    他の希土類元素が添加された石英としてなる積分球型光
    ファイバー温度計。
  4. 【請求項4】請求項1から3の何れかの温度計におい
    て、前記発光体の表面に励起光及び発光を高効率で反射
    する被覆を設けてなる積分球型光ファイバー温度計。
  5. 【請求項5】請求項4の温度計において、前記被覆を、
    温度関数の電磁波を放射する黒体とし、前記光検出器に
    電波検出機能を含めてなる積分球型光ファイバー温度
    計。
  6. 【請求項6】請求項5の温度計において、前記黒体の材
    料を、白金又はイリジウムとしてなる積分球型光ファイ
    バー温度計。
  7. 【請求項7】請求項1から6の何れかの温度計において
    前記光ファイバーを、サファイア単結晶のファイバーと
    してなる積分球型光ファイバー温度計。
  8. 【請求項8】請求項1から7の何れかの温度計におい
    て、前記光ファイバーの一端を、前記励起光及び発光を
    透過する接着剤により前記入出射窓へ接続してなる積分
    球型光ファイバー温度計。
  9. 【請求項9】請求項1から7の何れかの温度計におい
    て、前記光ファイバーの一端を、前記発光体及び光ファ
    イバーの少なくとも一方の部分的融解により前記入出射
    窓へ接続してなる積分球型光ファイバー温度計。
  10. 【請求項10】請求項1から7の何れかの温度計におい
    て、前記光ファイバーの一端を、前記発光体と光ファイ
    バーとの間に跨る金属製金具のかしめにより前記入出射
    窓へ接続してなる積分球型光ファイバー温度計。
  11. 【請求項11】請求項1から7の何れかの温度計におい
    て、前記発光体を、励起光入射に応じる温度関数の発光
    が可能な液状発光材料の前記光ファイバの一端への付着
    及び積分球型への整形・固化により形成し、前記発光体
    と光ファイバーの一端との境界を前記入出射窓としてな
    る積分球型光ファイバー温度計。
  12. 【請求項12】請求項11の温度計において、前記発光
    体を、液状発光材料の前記光ファイバの一端への付着及
    び積分球型多面体への整形・固化により形成してなる積
    分球型光ファイバー温度計。
  13. 【請求項13】請求項1から7の何れかの温度計におい
    て、前記光ファイバーをサファイア単結晶ファイバーと
    し、前記発光体を、該光ファイバーの一端へのCrのドー
    プと該一端の積分球型への整形・固化とによりルビー
    (Crを添加したAl203)単結晶として形成し、前記サフ
    ァイアとルビーとの境界を前記入出射窓としてなる積分
    球型光ファイバー温度計。
  14. 【請求項14】請求項1から13の何れかの温度計にお
    いて、前記光ファイバーを、該光ファイバー先端のコア
    部の光軸が前記発光体の中心に向う姿勢で、前記発光体
    へ接続してなる積分球型光ファイバー温度計。
  15. 【請求項15】出射窓付き積分球形状を有し且つ温度に
    応じた強度で電磁波を放射する黒体、該黒体の前記出射
    窓に一端が接続された光ファイバー、及び該光ファイバ
    ーの他端に接続した光検出器を備えてなる積分球型光フ
    ァイバー温度計。
  16. 【請求項16】請求項15の温度計において、前記黒体
    の材料を白金又はイリジウムとしてなる積分球型光ファ
    イバー温度計。
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