JP2016080457A - 蛍光温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】測温対象が腐食性物質であっても、耐腐食性の高い結晶からなる蛍光材料を、所望とする測定箇所に応答性を損なわずに容易に配置できるようにする。【解決手段】蛍光体結晶101と、蛍光体結晶101への励起光および蛍光体結晶101の発光光を導波する光ファイバ102とを備える。蛍光体結晶101は、例えば、ルビーである。また、この蛍光温度センサは、光ファイバ102の先端領域121を被包するパイプ部103を備える。パイプ部103は、フッ素樹脂から構成されている。パイプ部103は、光ファイバ102の蛍光体結晶101が配置される側の光入出射端105を含む光ファイバ102の先端領域121を被包する。また、パイプ部103の先端部106に、蛍光体結晶101が固定される。【選択図】 図1

Description

本発明は、ルビーなどの結晶からなる蛍光材料を用いた蛍光温度センサに関する。
流体の温度測定には、例えば、熱電対および測温抵抗体を用いた温度センサが用いられている。温度測定対象が腐食性ガスや腐食性溶液の場合、上述した温度センサを保護管に収容し、腐食環境から温度センサを保護している。しかしながら、このような構成では、保護管を介した温度測定になるため、温度測定の応答が著しく遅くなる。
これに対し、ルビーなどの結晶からなる蛍光材料を用いた蛍光温度センサによれば、腐食環境においても、検出部となるルビーの耐腐食性が高いため、保護管に収容することなく、温度測定に供することが可能となる(非特許文献1,2参照)。このため、図10に示すように、保護管に測温抵抗体を収容した温度センサの応答(b)に対し、蛍光温度センサの応答(a)は、応答速度が1桁程度早くなる。
ところで、上述した蛍光温度センサでは、励起光および蛍光の導波のために、光ファイバが用いられる。しかしながら、光ファイバは耐腐食性があまり高くなく、測定環境に配置することは容易ではない。このため、所定の長さの棒状のサファイアなどの先端にルビーを固定し、後端に光ファイバを接続して用いている。このような構成とすることで、測定環境内でサファイア棒の長さにより、先端に固定されたルビーを、測定環境内で所望の測定箇所にまで到達させている。この場合、光ファイバは、測定環境外に配置されるため、腐食環境などの影響を受けることがない。
H. Aizawa et al. , "Evaluation of the Fiber-Optic Thermometer Using Fluorescent Lifetime of Ruby", IEEJ Trans. SM, vol.123, no.6, pp.178-184,2003. 衣笠 静一朗、加藤 淳之、菊池 則雄、柳川 雄成、「蛍光温度センサの開発」、azbil Technology Review、62−67頁、2012年1月発行号。
しかしながら、上述した蛍光温度センサでは、屈曲させることができないサファイア棒などにより、ルビーを測定位置にまで到達させているため、測定領域が屈曲した形状の場合、蛍光体結晶であるルビーを所望とする測定箇所にまで到達させることができない場合が発生する。また、測定領域が微小である場合、サファイア棒を細くすることになるが、強度が低下し、取り扱いが容易ではなくなる。このように、従来では、測定対象が腐食性物質の場合、結晶からなる蛍光材料を、所望とする測定箇所に容易に配置できないという問題があった。また、サファイアはルビーと同様に高熱伝導材料であることから、蛍光体のルビーからの熱伝導が大きく、応答性の低下及び測定精度を悪くする要因となってしまう。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、測温対象が腐食性物質であっても、耐腐食性の高い結晶からなる蛍光材料を、所望とする測定箇所に応答性を損なわずに容易に配置できるようにすることを目的とする。
本発明に係る蛍光温度センサは、蛍光体結晶と、蛍光体結晶への励起光および蛍光体結晶の蛍光を導波する光ファイバと、光ファイバの蛍光体結晶が配置される側の光入出射端を含む光ファイバの先端領域を被包し、先端部に蛍光体結晶が固定されるフッ素樹脂から構成されたパイプ部とを備える。
上記蛍光温度センサにおいて、蛍光体結晶と光ファイバの光入出射端との間に設けられた空気絶縁層を備えるようにしてもよい。
上記蛍光温度センサにおいて、蛍光体結晶は板状とされ、光ファイバの延在方向と、蛍光体結晶の平面の法線方向とは、異なる方向とされているようにしてもよい。
また、蛍光体結晶と光入出射端との間のパイプ部の先端部との間に流体が通るスペースを備えるようにしてもよい。なお、蛍光体結晶と光入出射端との間のパイプ部の先端部の厚さは5mm以下とされていればよい。また、蛍光体結晶は、ルビーでああればよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、測温対象が腐食性物質であっても、耐腐食性の高い結晶からなる蛍光材料を、所望とする測定箇所に応答性を損なわずに容易に配置できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1における蛍光温度センサの構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態2における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態2における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態3における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態3における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態3における蛍光温度センサの構成を示す平面図である。 図7は、本発明の実施の形態4における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。 図8は、本発明の実施の形態5における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。 図9Aは、本発明の実施の形態6における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。 図9Bは、本発明の実施の形態6における蛍光温度センサの一部構成を示す断面図である。 図10は、温度センサの応答例を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における蛍光温度センサの構成を示す構成図である。図1では、センサの部分は断面を示している。
この蛍光温度センサは、まず、蛍光体結晶101と、蛍光体結晶101への励起光および蛍光体結晶101の発光光を導波する光ファイバ102とを備える。蛍光体結晶101は、例えば、ルビーである。ルビーは、酸化アルミニウム単結晶体にクロムイオン(Cr3+)が添加された結晶である。よく知られているように、例えば中心波長550nmの励起光照射により、波長694.3nmを中心とする蛍光を発する。この蛍光の寿命が、温度によって変化する。
また、この蛍光温度センサは、光ファイバ102の先端領域121を被包するパイプ部103を備える。パイプ部103は、フッ素樹脂から構成されている。例えば、ニチアス株式会社製のナフロン(登録商標)PFA−SGチューブから、パイプ部103を構成することができる。
また、パイプ部103は、光ファイバ102の蛍光体結晶101が配置される側の光入出射端105を含む光ファイバ102の先端領域121を被包する。また、パイプ部103の先端部106に、蛍光体結晶101が固定される。蛍光体結晶101と光入出射端105との間のパイプ部103の先端部106の厚さは、例えば0.5mmとされている。ファイバを薬液から保護する目的では厚い程望ましいが、励起光及び蛍光の光量は厚さに比例して低下するため、パイプ部の先端部の厚さは5mm以下が適当である。なお、実施の形態1では、フッ素樹脂からなる熱収縮チューブ107により、蛍光体結晶101を先端部106に固定している。また、実施の形態1では、蛍光体結晶101と光ファイバ102の光入出射端105との間に、空気絶縁層108を設けている。
この蛍光温度センサを用いた測温では、発光ダイオード111を出射し、ダイクロイックフィルター112を反射して集光レンズ113を通過した励起光は、光ファイバ102を導波して先端部106に到達する。フッ素樹脂から構成されたパイプ部103の先端部106は、励起光を透過するため、励起光は蛍光体結晶101に到達する。このようにして励起光が照射された蛍光体結晶101は、蛍光(発光光)を発する。フッ素樹脂から構成されている先端部106は、この発光光も透過するため、発光光は、光ファイバ102の光入出射端105に到達し、光ファイバ102を導波して集光レンズ113で集光され、ダイクロイックフィルター112を透過してフォトダイオード114で受光される。
上述した実施の形態1によれば、まず、パイプ部103は、フッ素樹脂から構成されているので、十分な耐腐食性を備え、腐食環境であっても光ファイバ102の先端領域121を保護することができる。パイプ部103は、フッ素樹脂から構成されているので、光ファイバ102の光入出射端105を覆う構造としても、蛍光体結晶101への励起光の照射、および蛍光体結晶101からの発光光の光ファイバ102への光結合が可能となる。また、フッ素樹脂から構成されているパイプ部103は、変形可能であり、蛍光体結晶101を、所望とする測定箇所に容易に配置することが可能となる。
また、実施の形態1では、空気絶縁層108を備えているので、測定雰囲気に晒されて高温となる蛍光体結晶101と、光ファイバ102の光入出射端105との間の熱伝導を抑制できる。もちろん、フッ素樹脂自体が熱絶縁材料であるため空気絶縁層が無い構成も十分可能である。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態2における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。
この蛍光温度センサは、まず、蛍光体結晶201と、蛍光体結晶201への励起光および蛍光体結晶201の発光光を導波する光ファイバ102とを備える。蛍光体結晶201は、例えば、円形の板状(円板状)としたルビーである。
また、この蛍光温度センサは、光ファイバ102の先端領域121を被包するパイプ部203を備える。パイプ部203は、フッ素樹脂から構成されている。また、パイプ部203は、光ファイバ102の蛍光体結晶201が配置される側の光入出射端105を含む光ファイバ102の先端領域121を被包する。
また、パイプ部203の先端部206に、蛍光体結晶201が固定される。実施の形態2では、光ファイバ102の延在方向と、蛍光体結晶201の平面の法線方向とが、異なる方向とされている。例えば、蛍光体結晶201の平面の法線方向は、光ファイバ102の延在方向に対して45°傾いている。なお、実施の形態2では、先端部206に蛍光体結晶201を掛合させて固定している。
また、実施の形態2では、蛍光体結晶201と光ファイバ102の光入出射端105との間に、空気絶縁層208を設けている。実施の形態2では、光ファイバ102の光入出射端105は、先端部206の遮断部206aに当接しており、遮断部206aと蛍光体結晶201との間に、空気絶縁層208が配置されている。また、パイプ部203の光ファイバ挿入部において、熱収縮チューブ209により、光ファイバ102を固定している。
ここで、図3に示すように、配管301を流れる流体302の温度測定では、流れの方向に対して光ファイバ102の延在方向が垂直な状態で、蛍光体結晶201が配管301断面の中央部に配置されるように、配管301の側部より蛍光温度センサを貫入している。このように配置される状態で、実施の形態2では、例えば、蛍光体結晶201の平面の法線方向を、光ファイバ102の延在方向に対して45°傾けているので、流体302の流れに蛍光体結晶201の表面が向き合う状態となる。この結果、温度測定の応答速度をより高くすることが可能となる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態3における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。
この蛍光温度センサは、まず、蛍光体結晶101と、蛍光体結晶101への励起光および蛍光体結晶101の発光光を導波する光ファイバ102とを備える。蛍光体結晶101は、例えば、ルビーである。これらは、前述した実施の形態1と同様である。
また、この蛍光温度センサは、光ファイバ102の先端領域421を被包するパイプ部403を備える。パイプ部403は、フッ素樹脂から構成されている。また、パイプ部403は、光ファイバ102の蛍光体結晶101が配置される側の光入出射端105を含む光ファイバ102の先端領域421を被包する。また、パイプ部403の先端部406に、蛍光体結晶101が固定される。
実施の形態3では、先端部406の爪部409により、蛍光体結晶101を係止している。一方、パイプ部403の光ファイバ挿入部においては、接着剤410により、光ファイバ102を固定している。また、実施の形態3では、蛍光体結晶101と光ファイバ102の光入出射端105との間に、流体が通るスペース408を設けている。実施の形態3では、光ファイバ102の光入出射端105は、先端部406の遮断部406aに当接しており、遮断部406aと蛍光体結晶101との間に、スペース408が配置されている。なお、円形の板状とした蛍光体結晶201を用いる場合、図5に示すように、パイプ部403の先端部406に固定すればよい。
例えば、図6の(a)に示すように、円筒形状のパイプ部403において、4つの爪部409により、蛍光体結晶101を係止することができる。また、図6の(b)に示すように、3つの爪部409により、蛍光体結晶101を係止することができる。また、図6の(c)に示すように、2つの幅広とした爪部409により、蛍光体結晶101を係止することができる。また、図6の(d)に示すように、4つの爪部409により、円形以外の蛍光体結晶201を係止することができる。
この実施の形態3においても、まず、パイプ部403は、フッ素樹脂から構成されているので、十分な耐腐食性を備え、腐食環境であっても光ファイバ102の先端領域421を保護することができる。パイプ部403は、フッ素樹脂から構成されているので、遮断部406aで光入出射端105を覆う構造としても、蛍光体結晶101(蛍光体結晶201)への励起光の照射、および蛍光体結晶101(蛍光体結晶201)からの発光光の光ファイバ102への光結合が可能となる。また、フッ素樹脂から構成されているパイプ部403は、変形可能であり、蛍光体結晶101(蛍光体結晶201)を、所望とする測定箇所に容易に配置することが可能となる。
また、実施の形態3では、流体が通るスペース408を備えているので、蛍光体結晶101(蛍光体結晶201)の両面が測定雰囲気に晒されるため、より高速な応答が期待できる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態4における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。
この蛍光温度センサは、まず、円形の板状とした蛍光体結晶201と、蛍光体結晶201への励起光および蛍光体結晶201の発光光を導波する光ファイバ102とを備える。蛍光体結晶201は、例えば、ルビーである。また、この蛍光温度センサは、光ファイバ102の先端領域121を被包するパイプ部103を備える。パイプ部103は、フッ素樹脂から構成されている。
また、パイプ部103は、光ファイバ102の蛍光体結晶201が配置される側の光入出射端105を含む光ファイバ102の先端領域121を被包する。また、パイプ部103の先端部106に、蛍光体結晶201が固定される。蛍光体結晶201と光入出射端105との間のパイプ部103の先端部106の厚さは、例えば0.5mmとされている。また、実施の形態4では、蛍光体結晶201と光ファイバ102の光入出射端105との間に、空気絶縁層108を設けている。
上述した構成は、円形の板状とした蛍光体結晶201を用いている点以外は、実施の形態1と同様である。実施の形態4では、フッ素樹脂によるモールディング607により、蛍光体結晶201全体を被覆する状態で先端部106に固定している。
上述した実施の形態4においても、まず、パイプ部103は、フッ素樹脂から構成されているので、十分な耐腐食性を備え、腐食環境であっても光ファイバ102の先端領域121を保護することができる。パイプ部103は、フッ素樹脂から構成されているので、光ファイバ102の光入出射端105を覆う構造としても、蛍光体結晶201への励起光の照射、および蛍光体結晶201からの発光光の光ファイバ102への光結合が可能となる。また、フッ素樹脂から構成されているパイプ部103は、変形可能であり、蛍光体結晶201を、所望とする測定箇所に容易に配置することが可能となる。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態5における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。
この蛍光温度センサは、まず、円形の板状とした蛍光体結晶201と、蛍光体結晶201への励起光および蛍光体結晶201の発光光を導波する光ファイバ102とを備える。蛍光体結晶201は、例えば、ルビーである。また、この蛍光温度センサは、光ファイバ102の先端領域121を被包するパイプ部803を備える。パイプ部803は、フッ素樹脂から構成されている。
また、パイプ部803は、光ファイバ102の蛍光体結晶201が配置される側の光入出射端105を含む光ファイバ102の先端領域121を被包する。また、パイプ部803の先端部806に、蛍光体結晶201が固定される。蛍光体結晶201と光入出射端105との間のパイプ部803の先端部806の厚さは、例えば0.5mmとされている。また、実施の形態5では、蛍光体結晶201と光ファイバ102の光入出射端105との間に、空気絶縁層108を設けている。
上述した構成は、実施の形態4と同様である。実施の形態5では、パイプ部803の先端部806に一体に形成した被覆部809により、蛍光体結晶201全体を被覆する状態で先端部806に固定している。先端平面部809の厚さは、流体から蛍光体結晶201への熱伝導を考慮し、例えば0.2mmとされている。
上述した実施の形態5においても、まず、パイプ部803は、フッ素樹脂から構成されているので、十分な耐腐食性を備え、腐食環境であっても光ファイバ102の先端領域121を保護することができる。パイプ部803は、フッ素樹脂から構成されているので、光ファイバ102の光入出射端105を覆う構造としても、蛍光体結晶201への励起光の照射、および蛍光体結晶201からの発光光の光ファイバ102への光結合が可能となる。また、フッ素樹脂から構成されているパイプ部803は、変形可能であり、蛍光体結晶201を、所望とする測定箇所に容易に配置することが可能となる。
[実施の形態6]
次に、本発明の実施の形態6について、図9A,図9Bを用いて説明する。図9A,図9Bは、本発明の実施の形態6における蛍光温度センサの構成を示す断面図である。
この蛍光温度センサは、まず、円形の板状とした蛍光体結晶201と、蛍光体結晶201への励起光および蛍光体結晶201の発光光を導波する光ファイバ102とを備える。蛍光体結晶201は、例えば、ルビーである。また、この蛍光温度センサは、光ファイバ102の先端領域121を被包するパイプ部903を備える。パイプ部903は、フッ素樹脂から構成されている。
また、パイプ部903は、光ファイバ102の蛍光体結晶201が配置される側の光入出射端105を含む光ファイバ102の先端領域121を被包する。また、パイプ部903の先端部906に、蛍光体結晶201が内側パイプ部911により固定される。実施の形態6では、先端部906の先端平面部909より内側に、蛍光体結晶201が配置されている。先端平面部909の厚さは、流体からから蛍光体結晶201への熱伝導を考慮し、例えば0.2mmとされている。
また、実施の形態6では、パイプ部903と、光ファイバ102との間に、内側パイプ部911を備えている。内側パイプ部911も、フッ素樹脂から構成されている。内側パイプ部911は、先端部912に、円環状の突起部912aを備え、突起部912aの内側に凹部を備える。この凹部の底面においては、光入出射端105が露出している。このように、実施の形態6では、パイプ部を2重構造としている。なお、突起部912aの内側の凹部により、蛍光体結晶201と光ファイバ102の光入出射端105との間に、空気絶縁層108が形成されていることになる。
上述した実施の形態6においても、まず、パイプ部903,内側パイプ部911は、フッ素樹脂から構成されているので、十分な耐腐食性を備え、腐食環境であっても光ファイバ102の先端領域921を保護することができる。特に、実施の形態6では、2重構造としているので、より高い耐腐食性が得られる。もちろん内側パイプ911は、フッ素樹脂以外の材料であっても外側のフッ素樹脂パイプにより保護されるため使用可能である。
図9では、光入出射端105が内側パイプ部911端面から露出しているが、光入出射端105が内側パイプ部911でおおわれている構造も可能である。また、フッ素樹脂から構成されているパイプ部903,内側パイプ部911は、変形可能であり、蛍光体結晶201を、所望とする測定箇所に容易に配置することが可能となる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、蛍光体結晶は、ルビーに限るものではなく、MgAl24,YAlO3,イットリウム・アルミニウム・ガーネットなどの結晶から構成してもよい。
101…蛍光体結晶、102…光ファイバ、103…パイプ部、105…光入出射端、106…先端部、107…熱収縮チューブ、108…空気絶縁層、111…発光ダイオード、112…ダイクロイックフィルター、113…集光レンズ、114…フォトダイオード。

Claims (6)

  1. 蛍光体結晶と、
    前記蛍光体結晶への励起光および前記蛍光体結晶の蛍光を導波する光ファイバと、
    前記光ファイバの前記蛍光体結晶が配置される側の光入出射端を含む前記光ファイバの先端領域を被包し、先端部に前記蛍光体結晶が固定されるフッ素樹脂から構成されたパイプ部と
    を備えることを特徴とする蛍光温度センサ。
  2. 請求項1記載の蛍光温度センサにおいて、
    前記蛍光体結晶と前記光ファイバの前記光入出射端との間に設けられた空気絶縁層を備えることを特徴とする蛍光温度センサ。
  3. 請求項1または2記載の蛍光温度センサにおいて、
    前記蛍光体結晶は板状とされ、
    前記光ファイバの延在方向と、前記蛍光体結晶の平面の法線方向とは、異なる方向とされていることを特徴とする蛍光温度センサ。
  4. 請求項1または2記載の蛍光温度センサにおいて、
    前記蛍光体結晶と前記光入出射端との間の前記パイプ部の先端部との間に流体が通るスペースを備えることを特徴とする蛍光温度センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光温度センサにおいて、
    前記蛍光体結晶と前記光入出射端との間の前記パイプ部の先端部の厚さは5mm以下とされていることを特徴とする蛍光温度センサ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光温度センサにおいて、
    前記蛍光体結晶が、ルビーであることを特徴とする蛍光温度センサ。
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