JP2002339004A - 自己潤滑性表面を有する軽量部品及びその製造方法 - Google Patents
自己潤滑性表面を有する軽量部品及びその製造方法Info
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Abstract
り、充分な機械的特性を有し、軽量であるアルミニウム
合金系トライボロジー応用製品、並びにその製造方法を
提供すること。 【解決手段】(a)純金属粉及び/又は合金粉の混合物
でその総合組成がJISで規定されているアルミニウム
合金組成となる粉末混合物、JISで規定されているア
ルミニウム合金組成の合金粉末を加圧下でパルス通電に
より焼結させて形成された構造部材と、(b)粉末状固
体潤滑材及び/又は表面が無電解めっき処理により被覆
されている粉末状固体潤滑材5〜30質量%と、残部の
銅又はCu−Sn系銅合金粉末との混合物を加圧下でパ
ルス通電により焼結させて形成された自己潤滑性表面部
材と、(c)上記(a)と(b)との界面に加圧下での
パルス通電による焼結によって形成された金属間化合物
層と、からなる、自己潤滑性表面を有する軽量部品。
Description
するアルミニウム合金系軽量部品及びその製造方法に関
し、より詳しくは、自己潤滑性表面を有し、寸法精度が
良好であり、充分な機械的特性を有するアルミニウム合
金系軽量部品、並びにそのような軽量部品を加圧下での
パルス通電による焼結法を利用して手間がかからずに容
易に製造することができる製造方法に関する。
で安価に大量生産できることから、その生産量は近年増
加傾向にあり、例えば、自動車業界においてはエンジン
部品、駆動系部品、シャーシ等に使用されている。そし
て、それらは殆どが鉄鋼材料で造られている。
ー応用製品としては、鉄鋼材料を用いて焼結法によって
本体部を作製し、別個に作製した摺動部をその本体部に
張り付けている。このような製法は手間がかかるだけで
なく、得られる製品は当然に重いという欠点がある。
ネルギーといった観点から、自動車や鉄道車両等の輸送
機関の軽量化に対するニーズが高まっており、自動車部
品等のアルミ化が鋳造品、プレス品から進んできてい
る。この軽量化を目的としたトライボロジー応用製品と
しては、アルミニウム合金ダイカストで本体部を作製
し、別個に作製した摺動部をその本体部に張り付けるこ
とが実施されている。しかし、このアルミニウム合金ダ
イカスト製本体部の作製においては、製造方法の都合
上、抜きテーパーを設ける必要があるため、所要の寸法
精度を得るために機械加工を実施しており、余分な工数
が増える上、寸法精度の確保が難しく、歩留りが悪いと
いうのが現状である。
応用製品としては、粉末冶金法を用いてアルミニウム合
金粉末から本体部を作製し、別個に作製した摺動部をそ
の本体部に張り付けることも試みられているが、無加圧
雰囲気下での焼結である粉末冶金法を用いてアルミニウ
ム合金粉末から本体部を作製しているので緻密化するこ
とは困難であり、得られる製品は鉄系材料を用いて作製
した製品よりも強度、延性、耐久性、耐摩耗性等の機械
的性質が劣っている。
な諸問題を解決しようとするものであり、自己潤滑性表
面を有し、寸法精度が良好であり、充分な機械的特性を
有し、軽量であるアルミニウム合金系トライボロジー応
用製品、並びにそのような軽量部品を加圧下でのパルス
通電による焼結法を利用して手間がかからずに容易に製
造することができる製造方法を提供することを目的とし
ている。
を達成するために種々検討を重ねた結果、成形型中に
(a)構造部材となるアルミニウム合金粉末、又は純金
属粉及び/又は合金粉の混合物でその総合組成がアルミ
ニウム合金組成となる粉末混合物と、(b)粉末状固体
潤滑材粉末と銅又はCu−Sn系銅合金粉末との混合物
とを積層充填し、加圧下でパルス通電により一体焼結さ
せることにより上記の目的が達成されることを見出し、
本発明を完成した。
量部品は、(a)純金属粉及び/又は合金粉の混合物で
その総合組成がJISで規定されている展伸材用アルミ
ニウム合金組成又は鋳造用アルミニウム合金組成となる
粉末混合物、JISで規定されている展伸材用アルミニ
ウム合金組成の合金粉末、又はJISで規定されている
鋳造用アルミニウム合金組成の合金粉末を加圧下でパル
ス通電により焼結させて形成された構造部材と、(b)
粉末状固体潤滑材及び/又は表面が無電解めっき処理に
より被覆されている粉末状固体潤滑材5〜30質量%
と、残部の銅又はCu−Sn系銅合金粉末との混合物を
加圧下でパルス通電により焼結させて形成された自己潤
滑性表面部材と、(c)上記(a)と(b)との界面に
加圧下でのパルス通電による焼結によって形成された金
属間化合物層とからなることを特徴とする。
量部品の製造方法は、成形型中に、(a)純金属粉及び
/又は合金粉の混合物でその総合組成がJISで規定さ
れている展伸材用アルミニウム合金組成又は鋳造用アル
ミニウム合金組成となる粉末混合物、JISで規定され
ている展伸材用アルミニウム合金組成の合金粉末、又は
JISで規定されている鋳造用アルミニウム合金組成の
合金粉末と、(b)粉末状固体潤滑材及び/又は表面が
無電解めっき処理により被覆されている粉末状固体潤滑
材5〜30質量%と、残部の銅又はCu−Sn系銅合金
粉末との混合物とを積層充填し、加圧下でパルス通電に
より一体焼結させることを特徴とする。
量部品の製造方法は、上記の製造方法で得られた焼結体
を更に冷間圧縮により塑性加工して寸法精度を改善する
ことを特徴とする。
を有する軽量部品、及びその製造方法について説明す
る。本発明の自己潤滑性表面を有する軽量部品は、構造
部材と、自己潤滑性表面部材と、それらの界面に存在す
る金属間化合物層とからなるものであり、この構造部材
は、純金属粉及び/又は合金粉の混合物でその総合組成
がJISで規定されている展伸材用アルミニウム合金組
成又は鋳造用アルミニウム合金組成となる粉末混合物、
JISで規定されている展伸材用アルミニウム合金粉
末、又はJISで規定されている鋳造用アルミニウム合
金粉末を加圧下でパルス通電により焼結させて形成され
たものである。
展伸材用アルミニウム合金組成としては、JISで規定
されている合金番号2000系、3000系、4000
系、5000系、6000系、7000系等のアルミニ
ウム合金組成があり、JISで規定されている鋳造用ア
ルミニウム合金組成としては、JISで規定されている
記号AC1B、AC2A、AC2B、AC3A、AC4
A、AC4B、AC4C、AC4D、AC5A、AC7
A、AC8A、AC8B、AC8C、AC9A、AC9
B、ADC1、ADC1C、ADC2、ADC3、AD
C5、ADC6、ADC7、ADC8、ADC10、A
DC10Z、ADC11、ADC12、ADC12Z、
ADC14等がある。
ウム合金組成がJISで規定されている展伸材用アルミ
ニウム合金組成であることが好ましく、JISで規定さ
れている合金番号2000系のアルミニウム合金組成、
殊にJISで規定されている合金番号2014のアルミ
ニウム合金組成であることが一層好ましい。
粉の混合物でその総合組成がJISで規定されている展
伸材用アルミニウム合金組成又は鋳造用アルミニウム合
金組成となる粉末混合物としては、純アルミニウム粉、
その他の純金属粉及び種々の母合金粉を適切に組み合わ
せて、例えば、純アルミニウム粉、純銅粉、純ケイ素
粉、50質量%Al−50質量%Mg合金粉を用いてそ
の総合組成をJISで規定されている合金番号2014
のアルミニウム合金組成としたものがある。
うなアルミニウム合金組成の粉末を加圧下でパルス通電
により焼結させて形成されるので、構造部材のかさ密度
は真密度の98%以上、好ましくは99%以上、最も好
ましくはほぼ100%となり、緻密化されているので、
強度等の機械的特性に優れたものとなる。
の自己潤滑性表面部材は、粉末状固体潤滑材及び/又は
表面が無電解めっき処理により被覆されている粉末状固
体潤滑材5〜30質量%と、残部の銅又はCu−Sn系
銅合金粉末との混合物を加圧下でパルス通電により焼結
させて形成されたものである。
て、本発明の軽量部品が使用される環境に応じて、Mo
S2 、WS2 、NbS2 等の硫化物、BN等の窒化物、
黒鉛、雲母、亜鉛華、酸化鉛、滑石及び硫黄からなる群
より選ばれた粉末状固体潤滑材、或いはこれらの粉末状
固体潤滑材の表面が無電解めっき処理により、例えば銅
無電解めっき処理により被覆されているものを用いるこ
とができる。また、自己潤滑性表面部材中に占める粉末
状固体潤滑材の量は、所望の自己潤滑性や強度等を考慮
して5〜30質量%とする。
己潤滑性表面部材との界面に加圧下でのパルス通電によ
る焼結によって形成された金属間化合物層が存在する。
この金属間化合物層の存在により、構造部材と自己潤滑
性表面部材との接合が良好になっていると判断される。
純金属粉及び/又は合金粉の混合物でその総合組成がJ
ISで規定されている展伸材用アルミニウム合金組成又
は鋳造用アルミニウム合金組成となる粉末混合物、JI
Sで規定されている展伸材用アルミニウム合金組成の合
金粉末、又はJISで規定されている鋳造用アルミニウ
ム合金組成の合金粉末と、(b)粉末状固体潤滑材及び
/又は表面が無電解めっき処理により被覆されている粉
末状固体潤滑材5〜30質量%と、残部の銅又はCu−
Sn系銅合金粉末との混合物とを積層充填し、加圧下で
パルス通電により一体焼結させることを特徴とするもの
である。
上記で説明した通りである。成形型については黒鉛型、
超硬型、ダイス鋼型等を用いることができ、黒鉛型を用
いることが好ましい。本発明においては、まず最初に、
上記の(a)成分及び(b)成分を積層充填するのであ
るが、何れの成分を先に充填するかは必ずしも重要では
ない。しかしながら、目的とする軽量部品の形状によっ
ては、(a)成分又は(b)成分の何れかを先に充填す
ることが好ましい場合もある。
パルス通電により一体焼結させるのであり、圧粉体の粒
子間隙に直接パルス状の電気エネルギーが投入され、粒
子間に局所的な高温場が形成されるので、これまで焼結
が困難であるとされていた材料や異種材料からなる複合
材料等の焼結が短時間で且つ高品質に得ることができ
る。表面に強固な酸化物被膜を有するアルミニウム粉、
アルミニウム合金粉と、粉末状固体潤滑材を含有する銅
粉又はCu−Sn系銅合金粉との一体焼結には特に有効
な手段である。本発明の製造方法においては、上記のよ
うにして得られた焼結体を更に冷間圧縮により塑性加工
して寸法精度を改善することができる。
粉、純ケイ素粉、50質量%Al−50質量%Mg合金
粉を用いてその総合組成がAl−4.0質量%Cu−
0.6質量%Mg−0.8質量%Siとなるように配合
し、V型混合機を用いて充分に混合して粉末混合物を用
意した。また、自己潤滑性表面部材形成用粉末として、
表面が無電解めっき処理により銅で被覆されている黒鉛
粉末20質量%とCu−20質量%Sn合金粉末80質
量%とをV型混合機を用いて充分に混合して粉末混合物
を用意した。
業製のSPS−1050を用い、成形型として図1に示
す形状(外径28mm、中心部の穴の内径5mm、最大
高さ13.5mm)のラックガイドを成形できる黒鉛製
成形型を用いた。黒鉛製成形型中に構造部材形成用粉末
を充填してその表面を平にし、その上に自己潤滑性表面
部材形成用粉末を積層充填した。50MPaの加圧下で
パルス通電により780Kに加熱し、5分間保持して焼
結させた。
り、1は構造部材であり、2は自己潤滑性表面部材であ
る。1の部分のみについて測定した引張強さは272M
Paであり、伸びは13.6%であり、かさ密度は真密
度と実質的に同一であった。
2に示す通りであった。図2から明らかなように、界面
にはアルミニウムと銅との反応による厚さ約8μmの金
属間化合物層が形成されており、また、1の部分(図2
で下側)も2の部分(図2で上側)も緻密化しており、
ポア等は認められなかった。
ラックガイドの上部と下部との直径の差は0.02mm
程度で寸法精度の優れたものであった。しかし、このラ
ックガイドを490MPaで冷間圧縮により塑性加工し
たところ、ラックガイドの上部と下部との直径の差は
0.001mmとなり、寸法精度が顕著に改善された。
滑性表面を有する軽量部品は自己潤滑性表面を有し、寸
法精度が良好であり、充分な機械的特性を有している。
また、本発明の製造方法は上記のような優れた自己潤滑
性表面を有する軽量部品を手間がかからずに容易に製造
することができる。
である。
分のSEM像である。
Claims (7)
- 【請求項1】(a)純金属粉及び/又は合金粉の混合物
でその総合組成がJISで規定されている展伸材用アル
ミニウム合金組成又は鋳造用アルミニウム合金組成とな
る粉末混合物、JISで規定されている展伸材用アルミ
ニウム合金組成の合金粉末、又はJISで規定されてい
る鋳造用アルミニウム合金組成の合金粉末を加圧下でパ
ルス通電により焼結させて形成された構造部材と、 (b)粉末状固体潤滑材及び/又は表面が無電解めっき
処理により被覆されている粉末状固体潤滑材5〜30質
量%と、残部の銅又はCu−Sn系銅合金粉末との混合
物を加圧下でパルス通電により焼結させて形成された自
己潤滑性表面部材と、 (c)上記(a)と(b)との界面に加圧下でのパルス
通電による焼結によって形成された金属間化合物層とか
らなることを特徴とする自己潤滑性表面を有する軽量部
品。 - 【請求項2】アルミニウム合金組成がJISで規定され
ている展伸材用アルミニウム合金組成である請求項1記
載の自己潤滑性表面を有する軽量部品。 - 【請求項3】アルミニウム合金組成がJISで規定され
ている合金番号2000系のアルミニウム合金組成であ
る請求項2記載の自己潤滑性表面を有する軽量部品。 - 【請求項4】構造部材のかさ密度が真密度の98%以上
である請求項1、2又は3記載の自己潤滑性表面を有す
る軽量部品。 - 【請求項5】粉末状固体潤滑材がMoS2 、WS2 、N
bS2 、BN、黒鉛、雲母、亜鉛華、酸化鉛、滑石及び
硫黄からなる群より選ばれたものである請求項1記載の
自己潤滑性表面を有する軽量部品。 - 【請求項6】成形型中に、 (a)純金属粉及び/又は合金粉の混合物でその総合組
成がJISで規定されている展伸材用アルミニウム合金
組成又は鋳造用アルミニウム合金組成となる粉末混合
物、JISで規定されている展伸材用アルミニウム合金
組成の合金粉末、又はJISで規定されている鋳造用ア
ルミニウム合金組成の合金粉末と、 (b)粉末状固体潤滑材及び/又は表面が無電解めっき
処理により被覆されている粉末状固体潤滑材5〜30質
量%と、残部の銅又はCu−Sn系銅合金粉末との混合
物とを積層充填し、加圧下でパルス通電により一体焼結
させることを特徴とする自己潤滑性表面を有する軽量部
品の製造方法。 - 【請求項7】請求項6記載の製造方法で得られた焼結体
を更に冷間圧縮により塑性加工して寸法精度を改善する
ことを特徴とする自己潤滑性表面を有する軽量部品の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001149384A JP4555507B2 (ja) | 2001-05-18 | 2001-05-18 | 自己潤滑性表面を有する軽量部品及びその製造方法 |
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JP4555507B2 JP4555507B2 (ja) | 2010-10-06 |
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ID=18994564
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001149384A Expired - Lifetime JP4555507B2 (ja) | 2001-05-18 | 2001-05-18 | 自己潤滑性表面を有する軽量部品及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112359236A (zh) * | 2020-10-16 | 2021-02-12 | 陕西斯瑞新材料股份有限公司 | 一种利用钨粉制备高致密度钨铜合金金属材料的工艺 |
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JP2000009142A (ja) * | 1998-06-18 | 2000-01-11 | Asahi Optical Co Ltd | 軸受装置の製造方法および軸受装置 |
-
2001
- 2001-05-18 JP JP2001149384A patent/JP4555507B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN112359236B (zh) * | 2020-10-16 | 2021-11-02 | 陕西斯瑞新材料股份有限公司 | 一种利用钨粉制备高致密度钨铜合金金属材料的工艺 |
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