JP2002338477A - 子宮頸管熟化剤及び子宮頸管の熟化方法 - Google Patents

子宮頸管熟化剤及び子宮頸管の熟化方法

Info

Publication number
JP2002338477A
JP2002338477A JP2001145487A JP2001145487A JP2002338477A JP 2002338477 A JP2002338477 A JP 2002338477A JP 2001145487 A JP2001145487 A JP 2001145487A JP 2001145487 A JP2001145487 A JP 2001145487A JP 2002338477 A JP2002338477 A JP 2002338477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hyaluronic acid
cervical
molecular weight
cervical ripening
cervical canal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001145487A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisahiro Kanayama
尚裕 金山
Toshimoto Kanayama
敏司 金山
Taro Uchiyama
太郎 内山
Masami Ishida
雅美 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP2001145487A priority Critical patent/JP2002338477A/ja
Publication of JP2002338477A publication Critical patent/JP2002338477A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施術時の使い勝手が良く、優れた効果を奏す
る子宮頸管熟化剤を提供すること。 【解決手段】 平均分子量60万以上、特に60万〜3
00万のヒアルロン酸を有効成分とする子宮頸管熟化剤
及びそれを投与することを特徴とする子宮頸管の熟化方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒアルロン酸を有効
成分とする子宮頸管熟化剤およびそれを投与する子宮頸
管の熟化方法に関する。さらに詳しくは、子宮出口に当
たる子宮頸管を軟化(熟化)して、分娩の際の胎児の娩
出を容易にし、難産を予防・防止することができるヒア
ルロン酸を有効成分とする子宮頸管熟化剤およびそれを
投与する子宮頸管の熟化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分娩は子宮頸管の熟化反応と子宮の収縮
が相互作用し短期間に子宮口が広がり胎児が娩出される
過程であり、通常は頸管熟化が先に進行し、引き続いて
子宮収縮(陣痛発生)が起こる。分娩に際して、頸管が
軟化(熟化)して胎児の頭が通るよう子宮口開かないと
分娩は進まず難産となる。最近の日本人の難産の最大原
因がこの頸管が軟化しないことと言われている。
【0003】最近、低分子量のヒアルロン酸を投与する
ことにより子宮頸管熟化を誘発し、子宮頸管熟化剤とし
て低分子量のヒアルロン酸が有用であることが報告され
ている(再公表特許WO98/16559公報)。
【0004】しかしながら、従来の低分子量のヒアルロ
ン酸からなる子宮頸管熟化剤は施術時の使い勝手の面
で、また効果の点でも必ずしも充分と言えるものではな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的は、施術時の使い勝手が
良く、優れた効果を奏する子宮頸管熟化剤を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、高分子量で特定
の分子量を有するヒアルロン酸を有効成分として配合す
ることにより上記課題が解決されることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、平均分子量60万以
上、特に60万〜300万のヒアルロン酸を有効成分と
する子宮頸管熟化剤である。
【0008】また、本発明は、平均分子量60万以上、
特に60万〜300万のヒアルロン酸を有効成分とする
子宮頸管熟化剤を投与することを特徴とする子宮頸管の
熟化方法である。
【0009】本発明において、子宮頸管熟化剤は坐剤で
あることが好ましい。
【0010】ヒアルロン酸の投与量は、1ng〜100
0mg/Kgであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳述する。
【0012】本発明において使用されるヒアルロン酸
は、遊離酸の形態でも、またその生理学的に許容される
塩の形態でも構わない(以下、単にヒアルロン酸と称す
るが、これには塩の形態も含むものとする。また、HA
とも記載する。)。また、本発明において使用されるヒ
アルロン酸の分子量は平均分子量で60万以上であり、
好ましくは60万〜400万のものである。さらに好ま
しくは60万〜300万のものである。特に、80万〜
200万のものが好ましい。分子量がこの範囲である
と、安定して本発明の効果を奏することができる。ま
た、本発明で使用されるヒアルロン酸は、高純度で、医
薬用として支障をきたさないものであれば広く使用可能
であり、またその由来も特に限定されない。具体的に
は、臍体、硝子体、鶏冠、微生物等から得られたヒアル
ロン酸が使用可能である。
【0013】本発明におけるヒアルロン酸の配合量は、
子宮頸管熟化剤の剤型等により異なるので必ずしも限定
することができず、ヒアルロン酸100質量%配合の子
宮頸管熟化剤であっても構わない。例えば坐剤の場合を
例にとると、子宮頸管熟化剤500mg中15〜35m
g程度である。
【0014】本発明においては、ヒアルロン酸のみで子
宮頸管熟化剤として医薬用途に用いてもよいが、医薬品
製剤の原料として一般に用いられる医療薬日本医薬品集
に記載されているような賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色
剤、安定化剤等の他、任意の成分を適宜配合して種々の
目的とする剤型にすることができる。配合し得る成分と
しては、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘
剤、水溶性高分子、粉末、低級アルコール、多価アルコ
ール、糖類、有機アミン、有機酸、pH調整剤、酸化防
止剤、抗菌剤、防腐剤、水等が挙げられ、必要に応じ
て、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合すること
ができる。
【0015】上記任意配合成分のうち、油性成分の例と
しては、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコ
シ油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、
ホホバ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロ
ウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、液
状ラノリン等の油脂、ロウ、ワックス類;流動パラフィ
ン、スクワラン、パラフィン、セレシン、ワセリン、マ
イクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸;ステアリルアル
コール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコー
ル等の高級アルコール;
【0016】ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリ
ン酸イソセチル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、
乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチ
ルヘキシル酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペ
ンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリ
セリン、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリ
−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリ
イソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2
−エチルヘキシル酸ペンタンエリトリット等の合成エス
テル油;
【0017】ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。これ
らの油性成分は、1種または2種以上が任意に選択され
て配合することができる。
【0018】界面活性剤としては、例えば、ソルビタン
脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セス
キオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モ
ノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール
脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコ
ール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエ
ーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソ
ルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエ
チレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステ
ル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POE
グリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノ
イソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリ
エチレングリコールモノオレート、POEジステアレー
ト等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチ
ルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエー
テル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニ
ック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE
・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロ
ニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(PO
Eヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エ
ステル、アルキルグルコシド等の界面活性剤等が挙げら
れる。これらの界面活性剤は、1種または2種以上が任
意に選択されて配合することができる。
【0019】保湿剤としては、例えば、ポリエチレング
リコール,グリセリン、1,3−ブチレングリコール,
エリスリトール,ソルビトール,キシリトール,マルチ
トール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ジグリセリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、
乳酸、乳酸ナトリウム等が挙げられる。これらの保湿剤
は、1種または2種以上が任意に選択されて配合するこ
とができる。
【0020】増粘剤・水溶性高分子としては、例えば、
ヒドロキシエチルセルロース,メチルヒドロキシプロピ
ルセルロース,メチルセルロース,カルボキシメチルセ
ルロース,クインスシード,カラギーナン,ペクチン,
マンナン,カードラン,コンドロイチン硫酸,デンプ
ン,ガラクタン,デルマタン硫酸,グリコーゲン,アラ
ビアガム,ヘパラン硫酸,ヒアルロン酸,ヒアルロン酸
ナトリウム,トラガントガム,ケラタン硫酸,コンドロ
イチン,キサンタンガム,ムコイチン硫酸,ヒドロキシ
エチルグアガム,カルボキシメチルグアガム,グアガ
ム,デキストラン,ケラト硫酸,ローカストビーンガ
ム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサ
ン,カルボキシメチルキチン,寒天等が挙げられる。こ
れらの増粘剤・水溶性高分子は、1種または2種以上が
任意に選択されて配合することができる。
【0021】粉末としては、例えば、タルク、カオリ
ン、硫酸バリウム、ケイ酸、無水ケイ酸、酸化マグネシ
ウム等が挙げられる。これらの粉末は、1種または2種
以上が任意に選択されて配合することができる。
【0022】低級アルコールとしては、例えば、エチル
アルコール等が挙げられる。
【0023】有機酸としては、例えば、グルタチオン、
クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,乳酸等が挙げられる。
【0024】有機アミンとしては、例えば、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−アミノ−2−メチル−1−プロノール等が挙げ
られる。
【0025】pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナ
トリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤等
が挙げられる。
【0026】本発明においては、ヒトおよびヒト以外の
動物において分娩時に限らず、非妊娠時では頸管の開大
・熟化を必要とする一般的治療的処置や人工授精処置前
の処置に、妊娠時では子宮頸管を開大・熟化して行う全
ての作業に用いることが出来る。例えば、妊娠初期にお
いては人工妊娠中絶、妊娠中期においては子宮内容排除
に先立つ子宮頸管の開大・熟化、妊娠後期においては軟
産道の強靭に対して改善措置をとることが出来る。
【0027】本発明の子宮頸管熟化剤の取り得る剤型は
特に限定されず、例えば、液体剤、軟膏剤、クリーム
剤、ゲル剤、錠剤、カプセル剤、ペッサリー剤、坐剤等
の剤型を取り得る。これらのうち、使用性の点で坐剤が
好ましい。また、後述する子宮頸管拡張器等に塗布した
り含浸したりして用いる場合は、液体剤、軟膏剤、クリ
ーム剤、ゲル剤が好ましく用いられ、膣内散布液として
用いる場合は、液体剤が好ましく用いられる。
【0028】本発明の子宮頸管熟化剤の製造は、目的の
剤型に応じた公知の方法で調製することができる。
【0029】本発明は、前記子宮頸管熟化剤を投与する
ことを特徴とする子宮頸管の熟化方法をも発明とする。
【0030】本発明方法における子宮頸管熟化剤の投与
量は、投与対象である妊婦の年齢、体重、子宮の状態お
よび疾患の種類、特性、症状のステージなどにより変化
するため正確な投与量は特定されにくい。平均的な投与
量としては、1ng〜10g/Kg、好ましくは1μg
〜3000mg/Kg 、さらに好ましくは1mg〜1
000mg/Kg程度である。実際には、治療する対象
によっておおよそ平均的な投与量の範囲で、その治療時
点で決定されることが好ましい。
【0031】投与方法は、通常用いられる方法、例えば
膣内散布、塗布、坐剤挿入等の方法が用いられる。ま
た、子宮頸管拡張器の表面に塗布したり、該拡張器に含
浸させたりして子宮頸管拡張器を用いて投与することも
可能である。これらの直接投与と子宮頸管拡張器使用と
を組み合わせてもよく、このようにすることによって、
更に容易に子宮頸管の拡大を達成させることができる。
【0032】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
【0033】実施例1 妊娠ウサギへのヒアルロン酸坐
剤投与(in vivo)実験 妊娠末期になると、子宮頸管に白血球の遊走が亢進す
る。また、子宮頸管の結合組織代謝が亢進し、組織の水
腫化が認められる。この指標をもとに、ヒアルロン酸坐
剤投与後の子宮の変化について検討を行った。
【0034】(子宮頸管熟化剤(膣坐剤)の調製)表1
に示した処方の膣坐剤を以下のようにして調製した。成
分(2)及び(3)を約50℃の水浴中で融解し、成分
(1)を配合する場合はスターラーで撹拌しながら成分
(1)を加え懸濁した後に、内径5mmのシリコーンチ
ューブに液を注入し、室温で固化させた。その後、チュ
ーブを切開し、内容物を取り出し、1個の質量が500
mgになるようにカッターで切断して膣坐剤を得た。な
お、配合量は質量%である。
【0035】
【表1】
【0036】(操作方法)妊娠23日目の16週齢ウサ
ギに、ここで調製した基剤のみの坐剤及びヒアルロン酸
(25mg/500mg)含有坐剤を3日間投与し、最終投与2
4時間後に子宮頸管を摘出し病理組織切片を作製した。
染色はH.E.染色とファストグリーン・シリウスレッド染
色を行い、顕微鏡下で、白血球の遊走の程度および結合
組織(コラーゲン線維)の状態を見て熟化促進状態を判
定した。
【0037】(結果)白血球の遊走に関しては、子宮頸
管に、基剤投与群に白血球の遊走は認められなかった
が、ヒアルロン酸投与群では明らかな白血球の遊走が認
められた。次に、組織の水腫化(コラーゲン線維の疎
化)は、基剤投与群では強固な線維が認められるのに対
し、ヒアルロン酸投与群では、コラーゲン線維がほぐ
れ、疎化(解離)し水腫化が認められた。この結果よ
り、ヒアルロン酸には子宮頸管の熟化促進作用があるこ
とが認められた。
【0038】実施例2 組織培養(in vitro)実験 ウサギ頸管組織培養系を用いて頸管熟化のパラメーター
であるコラゲナーゼ活性を測定した。
【0039】(操作方法) (1)組織を、ペニシリン・ストレプトマイシンが通常
の2倍量入ったPBS(-)で5min間洗浄。 (2)組織の質量を測定。 (3)組織を約2mmの立方体になるように、細かく
刻んだ。 (4)この時点で、培養皿数が分かるので、下記のコン
トロール培養液とHA添加の培養液の調製を行った。 Control:DMEM(FBS-Free、phenolred-Free)90%+PBS(-)
10% HA :DMEM(FBS-Free、phenolred-Free)90%+1%HA
/PBS(-)10% なお、分子量99万のHAは、株式会社資生堂製(P原
体(LM)Lot.108、分子量99万)のものを使用し、
分子量60万のHAは上記のHA粉末を85℃にて31
時間処置し低分子化させたものを使用した。 (5)組織は、37℃のCOインキュベータにて1培
養皿当たり、約200mgを上記培養液2mLにて培養を
行った。 (6)培養液の交換は24時間ごとに7日間行い、回収
液は12500×5min遠心し、上清をパラメータ測定用のサ
ンプルとし、測定まで−80℃で保存した。
【0040】(パラメータの測定)I型コラゲナーゼ活
性測定キット(株式会社ヤガイ社製)を用いて測定し
た。なお、プロコラゲナーゼ(潜在型)の活性型コラゲ
ナーゼへの活性化には4−アミノフェノール水銀酢酸
(APMA)を用いて、1時間の活性化を行った。ま
た、I型コラゲナーゼによる基質の分解時間は、1〜3
時間で行った。
【0041】(結果)妊娠ウサギ子宮頸管組織の組織培
養で上清中に産生されるコラゲナーゼ活性の経日変化に
おいて、平均分子量99万のヒアルロン酸添加による結
果を図1に示した。図1から明らかなように、何も添加
しないコントロールに比べて平均分子量99万のヒアル
ロン酸を添加したものは、コラゲナーゼ活性が亢進して
いることが分かる。また、平均分子量99万及び60万
のヒアルロン酸添加による妊娠ウサギ子宮頸管組織の組
織培養4日目で上清中に産生されるコラゲナーゼ活性の
促進効果を図2に示した。99万、60万のヒアルロン
酸いずれも何も添加しないコントロールに比べてコラゲ
ナーゼ活性を高くすることが分かる。さらに、分子量の
高い99万のヒアルロン酸の方がコラゲナーゼ活性を亢
進することが分かる。以上から本発明の平均分子量60
万以上のヒアルロン酸製剤の子宮頸管熟化作用が明らか
となり、子宮頸管熟化剤として有用であることが分か
る。
【0042】実施例3 細胞培養(in vitro)実験 ウサギ頸管細胞培養系を用いて頸管熟化のパラメーター
であるコラゲナーゼ活性を測定した。
【0043】(操作方法) (1)納入した組織を、ペニシリン・ストレプトマイシ
ンが通常の2倍量入ったPBS(-)で5min間洗浄した。 (2)組織の質量を測った。 (3)組織が立方体になるように、組織の全面を切り落
とした。 (4)組織を細かく切り刻んだ。(1mm角) (5)PBS(-)20mLにて組織を懸濁し、撹拌子入りのボ
トルに移した。 (6)組織が沈殿するのを待ち、沈殿後上清を除去後、
Dispersol10mL(1本)をボトルに添加し、1時間イ
ンキュベーションを行う。(インキュベーション時間は
組織の状態を見ながら変化させた。) (7)1時間後、1〜2分静置し、組織を沈殿させ、上
清を150ナイロンメッシュでろ過した。次に、残った
組織をPBS(-)10mLにて洗浄後、上清を150ナイロン
メッシュでろ過した。 (8)ろ過した液を一緒にし、1500×5min遠心を行い、
遠心後上清を除去し、10%FBS/DMEMに細胞を懸濁し
た。 (9)(6)〜(8)を2回繰り返した。(組織の消化
状況を見て回数は変化させた。)
【0044】(10)細胞の懸濁液を1つにまとめ、遠
心(1200×5min)を行った。 (11)上清を取り除き、沈殿した細胞を20mLの20
%FBS/DMEMに懸濁した。細胞濃度1×105cells/mL
で、コラーゲンコート済の培養皿にて培養を開始した。
培養液は3日ごとに交換した。 (12)細胞がサブコンフルエントになったところで、
下記の培養液に交換し、48時間の処置を行った。 Control:DMEM(FBS-Free、phenolred-Free)90%+PBS(-)
10% HA :DMEM(FBS-Free、phenolred-Free)90%+1%HA
/PBS(-)10% なお、分子量99万のHAは、株式会社資生堂製(P原
体(LM)Lot.108、分子量99万)のものを使用し、
分子量179万のHAは、株式会社資生堂製(P原体
(OP)Lot.103、分子量179万)のものを使用し
た。 (13)48時間処理後、培養液は回収し、回収液は12
500×5min遠心し、上清をパラメータ測定用のサンプル
とし、測定まで−80℃で保存した。
【0045】(パラメータの測定)I型コラゲナーゼ活
性測定キット(株式会社ヤガイ社製)を用いて測定し
た。なお、プロコラゲナーゼ(潜在型)の活性型コラゲ
ナーゼへの活性化には4−アミノフェノール水銀酢酸
(APMA)を用いて、1時間の活性化を行った。ま
た、I型コラゲナーゼによる基質の分解時間は、1〜3
時間で行った。
【0046】(結果)ヒアルロン酸添加による妊娠ウサ
ギ子宮頸管組織の細胞培養で上清中に産生されるコラゲ
ナーゼ活性効果の測定結果を図3に示した。99万、1
79万のヒアルロン酸ともに何も添加しないコントロー
ルに比べてコラゲナーゼ活性の有意な亢進が認められ
た。以上から本発明の平均分子量60万以上のヒアルロ
ン酸製剤の子宮頸管熟化作用が明らかとなり、子宮頸管
熟化剤として有用であることが分かる。
【0047】 実施例4 クリーム剤の調製 成分 配合量(質量%) (1)ヒアルロン酸ナトリウム(資生堂製、平均分子量99万) 0.5 (2)ステアリン酸 3.0 (3)ステアリルアルコール 2.0 (4)セチルアルコール 3.0 (5)白色ワセリン 5.0 (6)流動パラフィン 2.0 (7)P.O.E.(55)モノステアレート 3.0 (8)モノステアリン酸グリセリン 2.0 (9)グリセリン 5.0 (10)1,3−ブチレングリコール 5.0 (11)防腐剤 適量 (12)精製水 残余
【0048】(製法及び評価)成分(1)をあらかじめ
混合しておいた成分(7)及び(9)〜(12)の溶液
に加え均一に溶解し水相を調製した。この水相を約70
℃に加熱し、さらに成分(2)〜(6)及び(8)を約
70℃で溶解した油相を添加し、ホモミキサー(特殊機
化製)を用いて乳化した後、30℃まで冷却しクリーム
剤を得た。本製剤は、出産、流産処置に際しての子宮頸
管熟化剤としての有効性が確認された。
【0049】 実施例5 軟膏剤の調製 成分 配合量(質量%) (1)ヒアルロン酸ナトリウム(資生堂製、平均分子量99万) 10.0 (2)白色ワセリン 84.0 (3)流動パラフィン 6.0
【0050】(製法及び評価)成分(2)及び(3)を
約60℃の水浴中で融解混合し、撹拌しながら成分
(1)を加え懸濁した後、さらに撹拌しながら約30℃
まで室温で冷却し、軟膏剤を得た。本製剤は、出産、流
産処置に際しての子宮頸管熟化剤としての有効性が確認
された。
【0051】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
施術時の使い勝手が良く、優れた効果を奏する子宮頸管
熟化剤が得られる。この子宮頸管熟化剤は副作用もな
く、医薬品としてすぐれたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒアルロン酸添加による妊娠ウサギ子宮頸管組
織の組織培養で上清中に産生されるコラゲナーゼ活性の
経時的変化を示す図である。
【図2】分子量の異なるヒアルロン酸添加による妊娠ウ
サギ子宮頸管組織の組織培養4日目で上清中に産生され
るコラゲナーゼ活性の亢進効果を示す図である。
【図3】分子量の異なるヒアルロン酸添加による妊娠ウ
サギ子宮頸管組織の細胞培養で上清中に産生されるコラ
ゲナーゼ活性の亢進効果を示す図である。。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 太郎 神奈川県横浜市金沢区福浦2−12−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(金沢八 景)内 (72)発明者 石田 雅美 神奈川県横浜市金沢区福浦2−12−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(金沢八 景)内 Fターム(参考) 4C076 AA01 AA07 AA08 BB30 CC17 DD34 DD37 DD38 DD41 DD46 EE23 4C086 AA01 AA02 EA25 MA01 MA04 MA28 MA31 MA56 NA05 ZA81 ZC54 4C090 AA09 BA67 BD37 DA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均分子量60万以上のヒアルロン酸を
    有効成分とする子宮頸管熟化剤。
  2. 【請求項2】 平均分子量60万〜300万のヒアルロ
    ン酸を有効成分とする請求項1記載の子宮頸管熟化剤。
  3. 【請求項3】 坐剤である請求項1または2記載の子宮
    頸管熟化剤。
  4. 【請求項4】 平均分子量60万以上のヒアルロン酸を
    有効成分とする子宮頸管熟化剤を投与することを特徴と
    する子宮頸管の熟化方法。
  5. 【請求項5】 平均分子量60万〜300万のヒアルロ
    ン酸を有効成分とする子宮頸管熟化剤を投与することを
    特徴とする請求項4記載の子宮頸管の熟化方法。
  6. 【請求項6】 子宮頸管熟化剤が坐剤である請求項4ま
    たは5記載の子宮頸管の熟化方法。
  7. 【請求項7】 ヒアルロン酸の投与量が1ng〜100
    0mg/Kgである請求項4乃至6のいずれか一項に記
    載の子宮頸管の熟化方法。
JP2001145487A 2001-05-15 2001-05-15 子宮頸管熟化剤及び子宮頸管の熟化方法 Withdrawn JP2002338477A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001145487A JP2002338477A (ja) 2001-05-15 2001-05-15 子宮頸管熟化剤及び子宮頸管の熟化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001145487A JP2002338477A (ja) 2001-05-15 2001-05-15 子宮頸管熟化剤及び子宮頸管の熟化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002338477A true JP2002338477A (ja) 2002-11-27

Family

ID=18991295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001145487A Withdrawn JP2002338477A (ja) 2001-05-15 2001-05-15 子宮頸管熟化剤及び子宮頸管の熟化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002338477A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITUD20100112A1 (it) * 2010-06-09 2011-12-10 Farma Derma S R L Preparazione per uso vaginale e rettale e relativo procedimento di produzione
JP2016222544A (ja) * 2015-05-26 2016-12-28 ロート製薬株式会社 皮膚外用剤
CN110028598A (zh) * 2019-04-29 2019-07-19 扬州中福生物技术有限公司 一种优化透明质酸分子量分布的方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITUD20100112A1 (it) * 2010-06-09 2011-12-10 Farma Derma S R L Preparazione per uso vaginale e rettale e relativo procedimento di produzione
WO2011154418A1 (en) 2010-06-09 2011-12-15 Farma-Derma Srl Preparation for vaginal and rectal use and relative production method
JP2016222544A (ja) * 2015-05-26 2016-12-28 ロート製薬株式会社 皮膚外用剤
CN110028598A (zh) * 2019-04-29 2019-07-19 扬州中福生物技术有限公司 一种优化透明质酸分子量分布的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69734290T2 (de) Mittel zur hemmung von angiogenese enthaltend thalodomid und einen nsaid
US6251436B1 (en) Drug preparations for treating sexual dysfunction
KR100385247B1 (ko) 치핵치료용조성물
KR20030009454A (ko) 진세노사이드Rb1으로 된 피부조직 재생촉진제
EP0971694B1 (en) Drug preparations for treating sexual dysfunction
KR102159427B1 (ko) 지방 감소를 위한 미용적 방법 및 치료적 용도
Eudy et al. Dermatopathology for the obstetrician
CA2216583C (en) Levobupivacaine and its use as an anaesthetic in pregnant women
CA1095413A (en) Preparation for prevention and treatment of acne vulgaris and use of pyridine aldehydes for the prevention and treatment of acne vulgaris
JP2002338477A (ja) 子宮頸管熟化剤及び子宮頸管の熟化方法
JP2008531550A (ja) クエン酸、亜鉛およびアルギニンからなる皮膚線条予防および治療用組成物
WO2019151285A1 (ja) 皮膚外用組成物
JP4203611B2 (ja) 子宮頸管熟化剤
JP2000504349A (ja) 皮膚油及び脂を減少させるための方法
JPH03294230A (ja) 子宮内膜症治療剤
JPH08163983A (ja) ヒアルロン酸産生促進剤
JP3604554B2 (ja) テルフェニル誘導体及び用途
JPH06189780A (ja) ヒアルロン酸産生促進剤
JP2002526433A (ja) 皮膚の落屑を促進させる組成物における少なくとも1種の10−ヒドロキシ−2−デセン酸誘導体の使用
US20030138494A1 (en) Drug preparations for treating sexual dysfunction
JP6656890B2 (ja) フィラグリン産生促進剤
AU2014252652A1 (en) Topical nutraceutical composition
JP3566043B2 (ja) ヒアルロン酸分解促進剤、ヒアルロン酸合成異常亢進疾患治療剤及びヒアルロン酸分解異常抑制疾患治療剤
CN116570593B (zh) 一种防止卵巢早衰的药物及其用途
EP1891960B1 (en) Pharmaceutical formula for treating skin disease

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080805