JP2002338430A - アコヤ貝真珠層粉末を得る方法 - Google Patents

アコヤ貝真珠層粉末を得る方法

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JP2002338430A
JP2002338430A JP2001153341A JP2001153341A JP2002338430A JP 2002338430 A JP2002338430 A JP 2002338430A JP 2001153341 A JP2001153341 A JP 2001153341A JP 2001153341 A JP2001153341 A JP 2001153341A JP 2002338430 A JP2002338430 A JP 2002338430A
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shells
treatment
pinctada martensii
pearl
hydrochloric acid
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Hajime Shimomura
肇 下村
Takashi Nakanishi
中西  孝
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アコヤ貝貝殻の利用は進んだが一部に問題があ
り、さらに利用価値を見出し、現状でも廃棄されている
貝殻の利用を高めていく必要がある。 【解決手段】アコヤ貝貝殻を回転式可傾型バレル研磨機
に入れ研磨液および研磨石とともに処理する。使用する
研磨液はアコヤ貝貝殻の真珠層を除いた部分の炭酸カル
シウムを塩化カルシウムに変えるのに必要な量の0.5
倍から1.5倍の量の塩酸水溶液を用いる。この処理に
よりアコヤ貝貝殻の真珠層を優先的に得、これを粉砕し
たのち、エタノール浸漬を行い、その後、乾燥させアコ
ヤ貝真珠層粉末を得る。また、上記の方法に加えて、回
転式可傾型バレル研磨機で塩酸を用いて処理するとき、
密封状態で処理する。処理後、回転式可傾型バレル研磨
機に設けた1つ以上のバルブより減圧する請求項1記載
のアコヤ貝真珠層粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬品、食品、食品
添加物および化粧品の原料に利用するためにアコヤ貝貝
殻から真珠層粉末を得るための処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは特公平6−43320号公
報で示すようにアコヤ貝貝殻から真珠層を取り出す方法
を見出した。従来、アコヤ貝貝殻は真珠養殖の副産物と
して多く発生している。その一部が粉砕されて家畜の飼
料、あるいは食品に利用されているが、残りの大部分の
貝殻は破棄され海洋等の汚染を招いている。このアコヤ
貝の貝殻利用方法を提示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この結果、アコヤ貝貝
殻の利用は進んだが一部に問題があり、さらに利用価値
を見出し、現状でも廃棄されている貝殻の利用を高めて
いく必要がある。問題点の1つは、海産物でもあるの
で、菌が残留していることがあり、またどうしても磯の
匂いが残り利用価値の低下を招いていた。もうひとつの
問題点は貝殻と塩酸を反応させた時に、有機物が存在す
るために泡が多量に発生し、処理が非常に困難であっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、以下のように処理すれば、安全で、経済的に且
つ菌も問題ない程度に減少させ、匂いも気にならない程
度に減らしたアコヤ貝貝殻の真珠層粉末を得る方法を見
出した。
【0005】まず、アコヤ貝貝殻を公知の回転式可傾型
バレル研磨機と塩酸水溶液を用いて処理することとし
た。塩酸を用いたのはアコヤ貝貝殻の真珠層を除いた部
分を崩壊もしくは溶解させる力が強く、また安価である
ためである。塩酸の濃度は好ましくは5〜50%で、5
%以上であれば操作時間等の操作方法によって、貝殻の
稜柱層のフジツボ等の付着物はほとんど除去されるが、
50%を越えてもその効果に変化はなかった。また塩酸
の量は処理するアコヤ貝貝殻の真珠層を除いた部分を溶
解しうる量すなわちアコヤ貝貝殻の真珠層を除いた部分
にある炭酸カルシウムを塩化カルシウムに変えるのに必
要な量がいる。これは除去する部分のほとんどが炭酸カ
ルシウムでありその除去に必要な塩酸が研磨液中に存在
すればよいからである。
【0006】これらの操作によって得られる物質は、完
全に貝殻の真珠層以外の部分を除去する必要はなく、そ
の利用方法によって除去する割合を考慮すればよい。ま
たこの操作でアコヤ貝貝殻の真珠層を除いた部分の除去
は塩酸によってのみ行われるのではなく、研磨機による
物理的な方法でも行われるのである。これは、真珠層の
炭酸カルシウムはアラレ石型結晶構造であるのに対し
て、除去の対象となる稜柱層のそれは方解石型結晶構造
をとり、後者は含まれる蛋白の割合も高く、硬度が低
く、塩酸や物理的な刺激によって真珠層よりも崩壊もし
くは溶解しやすい性質がある。また塩酸の量が貝殻の真
珠層以外の部分を除去するに必要な量より過剰になれば
廃液を処理するための中和に費用がかかる。その結果、
塩酸の必要量はその処理時間等の操作方法によって異な
るがアコヤ貝貝殻の真珠層を除いた部分にある炭酸カル
シウムを塩化カルシウムに変えるのに必要な量の0.5
倍から1.5倍が適切であることがわかった。さらに操
作時間、回転数等の操作方法および貝殻、研磨液、研磨
石の仕込み量や塩酸の濃度等を考慮して決める。また研
磨石は酸化アルミニウムの材質のものを使用すればより
効果的である。
【0007】回転式可傾型バレル研磨機において上記の
処理をする場合、塩酸と貝殻が反応するとき、泡が多量
に発生し、開放状態で実施すれば、研磨機より研磨液や
貝殻が溢れる。また密封状態で実施した後、処理物を取
り出す際に、通常の方法で蓋を開放すると研磨機より内
容物が飛び出し、収量にも影響し、また作業者にとって
も非常に危険である。このため、本発明者らは以下の方
法を採用することで問題を解決した。すなわち、回転式
可傾型バレル研磨機の上部の蓋の部分に1ヶ所以上、好
ましくは2ヶ所以上に内径0.5〜5cmのバルブを設け
る。1ヶ所では、内容物が詰まる場合がある。処理後、
暫く放置したのち、バルブを徐々に開放する。このよう
にすれば、回転式可傾型バレル研磨機を有効に利用で
き、且つ作業も安全に実施できる。このように処理する
ことにより貝殻の真珠層部分を得る。研磨処理ののち処
理した貝殻と研磨石はそれらの大きさの差により篩など
を利用して分別する。これにより得た貝殻を必要により
水洗後、乾燥し、粉砕する。粉砕は公知の方法、すなわ
ち、カッターミル、アトマイザーあるいはジェットミル
などの装置を用いればよい。このようにして得たアコヤ
貝真珠層粉末に対して、エタノールを0.5〜2倍量加
えてよく混合し、30分〜数日間浸漬処理したのち乾燥
させる。
【0008】このようにして得たアコヤ貝貝殻の真珠層
粉末は医薬品、食品、食品添加物および化粧品の原料に
利用できる。次に具体的に実施例を上げて説明するが、
この実施例にとらわれることはない。
【0009】実施例 アコヤ貝貝殻3.0kg、塩酸3.0kg、水道水6.0k
g、酸化アルミニウムを材質とした研磨石(直径8mm長
さ15mmの斜円柱)10.0kgを層内容積65リッター
の回転式可傾型バレル研磨機(株式会社TKX社製、形
式NK−65型)に入れ、密封した状態で、回転数38
rpmで30分間回転させる。なお研磨機の蓋には内径
0.8cmと内径1.6cmのバルブを設置した。取り出し
時には蓋に取り付けたバルブを徐々に開放した後、振動
式選別機(株式会社TKX社製、形式KEE−3型、選
別網2cm角)を用いて研磨石を分別し、貝殻を水で洗っ
た。これを75℃、1時間乾燥し、カッターミル(株式
会社西村機械製作所製、形式KM−D3型)とアトマイ
ザー(不二パウダル株式会社製、形式E2W−75型)
で粉砕した。さらに微粉砕するため超音波ジェットミル
(日本ニューマテック社製、形式IDS−5)を用いて
平均粒子径4ミクロンまで粉砕した。これと約2倍量の
エタノールを加えて、30分間攪拌した後、遠心分離機
で過剰なエタノールを回収したのち、タンブルドライヤ
ー(楠木機械社製バキュームタンブルドライヤー)を使
用し、150℃で減圧乾燥させた。
【0010】この実施例で得られた粉末の細菌数を測定
したところ、0個/gであった。別途、実施例におい
て、エタノールでの処理を水での処理に替えて同様の操
作を行ったものについて、細菌数を測定した結果、15
0個/gであった。また、匂いに関して、上記の2つを
12名に比較してもらったところ、実施例の方が非常に
匂いがしないと答えた人が3人、実施例の方が匂いがし
ないと答えた人が5人、実施例の方が少し匂いがしない
と答えた人が2人、差がないと答えた人が2人であっ
た。
【0011】さらに以下の比較を行った。比較は実施例
と、アコヤ貝貝殻を水洗後、超音波で付着物および一部
の稜柱層を除去した貝殻を粉砕したものと実施例とを8
名で比較した。その結果、白さに関しては実施例の方が
白いと答えた人が4人、差がないと答えた人が4人であ
った。匂いに関しては比較例の方が匂うと答えた人が7
人、実施例の方が匂うと答えた人が1人であった。この
ように、本発明の方法を用いてアコヤ貝貝殻の真珠層粉
末を生産すると、菌が少なく、匂いも大幅に減少させた
粉末が得られた。また、後述の試験においては塩酸処理
において充分な稜柱層等の除去とエタノール処理の2つ
で、今までの貝殻粉末に比較して、充分な優位性を示し
ていることがわかった。したがって、本発明の方法を実
施することによって、アコヤ貝貝殻の用途が拡がり安全
に且つ効率的に真珠層粉末が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アコヤ貝貝殻を回転式可傾型バレル研磨
    機に入れ、研磨液および研磨石とともに処理する。使用
    する研磨液はアコヤ貝貝殻の真珠層を除いた部分の炭酸
    カルシウムを塩化カルシウムに変えるのに必要な量の
    0.5倍から1.5倍の量の塩酸水溶液を用いる。この
    処理によりアコヤ貝貝殻の真珠層を優先的に得、これを
    粉砕したのち、エタノール浸漬を行い、その後乾燥させ
    アコヤ貝真珠層粉末を得る方法。
  2. 【請求項2】 回転式可傾型バレル研磨機で塩酸を用い
    て処理するとき、密封状態で処理する。処理後、回転式
    可傾型バレル研磨機に設けた1つ以上のバルブより発生
    した二酸化炭素を排出する請求項1記載のアコヤ貝真珠
    層粉末を得る方法。
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