JP2002338389A - シリコン単結晶酸素濃度の制御方法 - Google Patents

シリコン単結晶酸素濃度の制御方法

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JP2002338389A
JP2002338389A JP2001144219A JP2001144219A JP2002338389A JP 2002338389 A JP2002338389 A JP 2002338389A JP 2001144219 A JP2001144219 A JP 2001144219A JP 2001144219 A JP2001144219 A JP 2001144219A JP 2002338389 A JP2002338389 A JP 2002338389A
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oxygen concentration
crucible
rotation speed
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Masahiko Mizuta
匡彦 水田
Katsunori Nakajima
勝則 中島
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Sumco Corp
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Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶の軸方向に関する酸素濃度分布を望ま
しい範囲内に納めるとともに、単結晶の径方向に関する
酸素濃度分布の均一化を図ることができるシリコン単結
晶酸素濃度の制御方法を提供すること。 【解決手段】 予め酸素濃度の軸方向分布と操業時の制
御因子との関係式、及び酸素濃度の径方向分布と坩堝回
転速度との関係式を求めておき、所望の酸素濃度の径方
向分布を得るための坩堝回転速度に対する制限条件を算
出し、操業中の坩堝回転速度がこの制限条件を超えない
範囲で、他の前記制御因子を制御することにより、所望
の酸素濃度の径方向分布及び軸方向分布を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン単結晶酸素
濃度の制御方法に関し、より詳細には、チョクラルスキ
ー法(以下、CZ法と記す)等によりシリコン溶融液か
らシリコン単結晶(以下、単に単結晶と記す)を引き上
げる際のシリコン単結晶酸素濃度の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の材料となる単結晶を引き上げる
には種々の方法があるが、その一つにCZ法がある。図
1はこのCZ法により単結晶を引き上げる際に用いられ
る単結晶成長装置を模式的に示した断面図であり、図中
11は炉本体を示している。炉本体11内がチャンバ1
0になっており、チャンバ10の上部は円柱状の上部チ
ャンバ10aとなっている。チャンバ10の中央部には
有底円筒形状をした石英坩堝12aが配設され、石英坩
堝12a内にはシリコンの溶融液13が充填されるよう
になっている。また石英坩堝12aの外周には有底円筒
形状をした黒鉛坩堝12bが配設されており、これら石
英坩堝12aと黒鉛坩堝12bとにより坩堝12が構成
されている。また坩堝12下部には回転軸14を介して
駆動装置(図示せず)が接続されており、この駆動装置
を駆動させると坩堝12が所定速度で回転・上下動する
ようになっている。
【0003】また坩堝12の外側にはこれと同心円状に
ヒータ15a及び断熱材15cが配設されており、ヒー
タ15aにより石英坩堝12a内に充填されたシリコン
原料が溶融されて溶融液13が形成されるようになって
いる。また坩堝12の中心軸上には引上軸16が吊設さ
れ、引上軸16の先端には種結晶保持具16aを介して
種結晶16bが取り付けられ、引上軸16は上方に引き
上げられるようになっている。
【0004】またチャンバ10の下部は開口部(図示せ
ず)を介して真空ポンプ(図示せず)に接続されてお
り、この真空ポンプを駆動させてチャンバ10内の圧力
を所定圧力に設定するようになっている。また上部チャ
ンバ10aにはガス供給装置(図示せず)が接続されて
おり、このガス供給装置を駆動させてAr等の不活性ガ
スを所定流量、チャンバ10内に供給するようになって
いる。
【0005】このように構成された結晶成長装置を用
い、CZ法により単結晶を引き上げる場合、まず石英坩
堝12a内にシリコン原料を充填し、真空ポンプを駆動
させてチャンバ10内を所定圧力に設定すると共に、ガ
ス供給装置を駆動させてチャンバ10内に所定流量の不
活性ガスを導入する。次にヒータ15aに電流を供給し
て坩堝12を加熱し、溶融液13を形成する。次に引上
軸16先端に取り付けられた種結晶16bを溶融液13
表面に接触させた後、坩堝12を所定速度で回転させな
がら引上軸16を引き上げ、溶融液13を凝固させて単
結晶20を成長させる。
【0006】ところで、単結晶20に関する品質評価項
目の一つとしてシリコン単結晶酸素濃度が挙げられる。
単結晶中の酸素は、製品としてのシリコンウェ−ハの機
械的強度を高める働きをするのみならず、シリコンウェ
−ハ内の不純物を捕獲する作用(イントリンシックゲッ
タリング作用)を有し、単結晶20内に所定濃度の酸素
が固溶していると半導体素子の性能を向上させ得るた
め、シリコン単結晶酸素濃度を所望の範囲内に納めるこ
とは単結晶製造における重要な管理項目となっている。
【0007】この酸素の供給源は石英坩堝12aであ
り、石英坩堝12aから溶融液13に溶け出した酸素の
一部が固液界面を通して単結晶20中に取り込まれてゆ
く。しかし、単結晶20が引き上げられて溶融液13面
の高さが低くなるにつれ、溶融液13と石英坩堝12a
との接触面積が減少し、これに伴い石英坩堝12aから
溶融液13への酸素の溶け込み量が減少して単結晶中の
酸素濃度が減少し、その結果、単結晶20の軸方向(引
き上げ方向)に関する酸素濃度が不均一になり易いとい
う問題があった。この問題に対処するため、単結晶引き
上げの際の単結晶の回転速度を坩堝の回転速度よりも次
第に速くしてゆくとともに、坩堝の回転速度を単結晶の
引き上げに伴って速くしてゆくといったシリコン単結晶
酸素濃度の制御方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】単結晶の回転速度及び
坩堝の回転速度は、坩堝内における溶融液の流動状態に
直接的に影響を及ぼす因子であるため、単結晶中の酸素
濃度を制御するうえで重要な制御因子である。単結晶が
引き上げられて溶融液面の高さが低くなるにつれ、溶融
液と石英坩堝との接触面積が減少し、石英坩堝から溶融
液への酸素の溶け込み量が減少して単結晶中の酸素濃度
が減少してゆくことから、単結晶の回転速度及び坩堝の
回転速度を単結晶の引き上げに伴い大きくすることは、
単結晶の軸方向に関する酸素濃度の均一化を図るうえで
有効であることは確かである。
【0009】しかしながら、単結晶の回転速度及び坩堝
の回転速度を大きくすることにより、単結晶直下の溶融
液の流動状態は複雑なものとなり、単結晶の径方向に関
する酸素濃度を均一に維持することは非常に困難とな
る。すなわち、坩堝の回転速度を大きくするに従い、単
結晶中の径方向に関する酸素濃度分布の均一性は悪化す
ることとなる。また、単結晶の回転速度を大きくしてい
った場合には、単結晶が変形し易くなり、円柱形状の望
ましい形状をした単結晶を引き上げることが困難にな
る。
【0010】最近では、シリコンウェ−ハの大口径化に
伴い、同一のシリコンウェ−ハからは同じ品質を有した
デバイスを作製するといった観点より、単結晶の径方向
に関する酸素濃度分布を制御することがますます重要に
なってきている。
【0011】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
って、単結晶の軸方向に関する酸素濃度分布を望ましい
範囲内に納めるとともに、単結晶の径方向に関する酸素
濃度分布の均一化を図ることができるシリコン単結晶酸
素濃度の制御方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために、本発明に係るシリコン単結晶酸素濃度
の制御方法(1)は、石英坩堝内のシリコン溶融液より
シリコン単結晶を引き上げる際のシリコン単結晶酸素濃
度の制御方法において、予め酸素濃度の軸方向分布と操
業時の制御因子との関係式、及び酸素濃度の径方向分布
と坩堝回転速度との関係式を求めておき、所望の酸素濃
度の径方向分布を得るための坩堝回転速度に対する制限
条件を算出し、操業中の坩堝回転速度がこの制限条件を
超えない範囲で、他の前記制御因子を制御することによ
り、所望の酸素濃度の径方向分布及び軸方向分布を得る
ことを特徴としている。上記シリコン単結晶酸素濃度の
制御方法(1)によれば、単結晶の軸方向に関する酸素
濃度分布の均一化を図りながら、しかも単結晶の径方向
に関する酸素濃度分布の均一化をも図ることが可能とな
る。
【0013】また、本発明に係るシリコン単結晶酸素濃
度の制御方法(2)は、石英坩堝内のシリコン溶融液よ
りシリコン単結晶を引き上げる際のシリコン単結晶酸素
濃度の制御方法において、予め酸素濃度の軸方向分布と
操業時の制御因子との関係式、酸素濃度の径方向分布と
坩堝回転速度との関係式、及び単結晶の変形率と単結晶
の回転速度との関係式を求めておき、所望の酸素濃度の
径方向分布を得るための坩堝回転速度に対する制限条
件、及び許容される単結晶の変形率に対する単結晶の回
転速度の制限条件を算出し、操業中の坩堝回転速度及び
単結晶の回転速度が前記制限条件を超えない範囲で、他
の前記制御因子を制御することにより、所望の酸素濃度
の径方向分布及び軸方向分布を得ることを特徴としてい
る。上記シリコン単結晶酸素濃度の制御方法(2)によ
れば、単結晶の軸方向に関する酸素濃度分布の均一化を
図りながら、単結晶を変形させることなく、円柱形状を
した単結晶を引き上げることができ、しかも単結晶の径
方向に関する酸素濃度分布の均一化をも図ることが可能
となる。
【0014】また、本発明に係るシリコン単結晶酸素濃
度の制御方法(3)は、上記シリコン単結晶酸素濃度の
制御方法(1)又は(2)において、前記制限条件が、
単結晶の引き上げ率の所定の各区間毎に設定されている
ものであることを特徴としている。上記シリコン単結晶
酸素濃度の制御方法(3)によれば、前記制限条件が、
単結晶の引き上げ率の所定の各区間毎に設定されている
ので、単結晶の軸方向に関する酸素濃度分布の均一化、
及び単結晶の径方向に関する酸素濃度分布の均一化をよ
り一層高レベルで達成することが可能となる。
【0015】また、本発明に係るシリコン単結晶酸素濃
度の制御方法(4)は、上記シリコン単結晶酸素濃度の
制御方法(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記操業
時の制御因子が、単結晶の引き上げ率、単結晶の回転速
度、坩堝の回転速度、チャンバ−内の圧力、不活性ガス
の流量、ヒ−タ電力であることを特徴としている。上記
シリコン単結晶酸素濃度の制御方法(4)によれば、単
結晶の軸方向に関する酸素濃度分布の均一化、及び単結
晶の径方向に関する酸素濃度分布の均一化を確実に図る
ことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシリコン単結
晶酸素濃度の制御方法の実施の形態を図面に基づいて説
明する。なお、シリコン単結晶の引上げに使用する装置
で、上述した装置の構成部品と同一機能を有する構成部
品には同一の符号を付してその説明を省略することとす
る。図1は実施の形態に係るシリコン単結晶酸素濃度の
制御方法を実施しながら、単結晶を引き上げる際に用い
られる単結晶成長装置を模式的に示した断面図である。
【0017】炉本体11の上方にはワイヤ回転装置18
を介してワイヤ引き上げ装置19が配設されており、ワ
イヤ回転装置18及びワイヤ引き上げ装置19にはモ−
タ18a、19aが装備されており、モ−タ18aを駆
動させると引上軸16が回転し、モ−タ19aを駆動さ
せると引上軸16が上下方向に昇降するようになってい
る。これら引上軸16、ワイヤ回転装置18及びワイヤ
引き上げ装置19を含んで昇降手段17が構成されてい
る。また上部チャンバ10aにはガス供給装置(図示せ
ず)が接続されており、このガス供給装置を駆動させる
とAr等の不活性ガスが所定流量、チャンバ10内に供
給されるようになっている。
【0018】また坩堝12の外側にはこれと同心円状に
ヒータ15aが配設されており、ヒータ15aは電力供
給装置15bに接続され、これらヒータ15aと電力供
給装置15bとを含んで加熱手段15が構成されてい
る。ヒータ15aにより石英坩堝12a内に充填された
シリコン原料が溶融されて溶融液13が形成されるよう
になっている。
【0019】また炉本体11の中央部には観測窓11a
が形成されており、観測窓11aを挟んで単結晶20と
対向する箇所には二次元CCDカメラ31が配設されて
おり、二次元CCDカメラ31は画像処理部32に接続
されており、この画像処理部32は温度算出制御手段3
3及び引き上げ速度演算制御手段34に接続されてい
る。二次元CCDカメラ31は単結晶20の周囲に形成
されるフュ−ジョンリング21の近傍における輝度分布
を検出し、この輝度分布を画像処理部32で処理するこ
とにより、単結晶20の直径、単結晶20の変形具合の
指標となる直径変形率を算出するようになっている。
【0020】また、温度算出制御手段33は加熱手段1
5に接続され、温度算出制御手段33により加熱手段1
5が制御されるようになっている。また、引き上げ速度
演算制御手段34はワイヤ回転装置18及びワイヤ引き
上げ装置19に接続され、モ−タ18a、19aを駆動
させて引上軸16の昇降回転を制御するように構成され
ている。また、チャンバ10の下部は真空ポンプ(図示
せず)に接続されており、この真空ポンプを駆動させて
チャンバ10の炉内圧を所定圧力に設定するようになっ
ている。
【0021】このように構成された結晶成長装置を用
い、CZ法により単結晶20を引き上げる場合、まず石
英坩堝12a内にシリコン原料を充填し、真空ポンプを
駆動させてチャンバ10内を所定圧力に設定すると共
に、ガス供給装置を駆動させてチャンバ10内に所定流
量の不活性ガスを導入する。次にヒータ15aに電流を
供給して坩堝12を加熱し、溶融液13を形成する。次
に引上軸16先端に取り付けられた種結晶16bを溶融
液13表面に接触させた後、坩堝12を所定速度で回転
させながら引上軸16を引き上げ、溶融液13を凝固さ
せて単結晶20を成長させる。
【0022】この単結晶20の引き上げプロセスにおい
て、単結晶20の酸素濃度を制御するために、坩堝内溶
融液13を解析対象として、連続の式、ナビエ・スト−
クスの式、エネルギ−保存式、及び酸素の物質収支式の
連立方程式の収束解を数値解析法により求める。数値解
析法によるシミュレ−ション結果の一例を図2に示す。
図2に示したシミュレ−ション結果では、ウェ−ハ中心
からの距離をウェ−ハ端点までの距離で規格化し、酸素
濃度をウェ−ハ中心の酸素濃度で規格化している。この
シミュレ−ション結果によれば、坩堝回転速度の相違が
酸素濃度の径方向分布に大きく影響しており、所望の酸
素濃度の径方向分布を得るためには、坩堝の回転速度に
上限を設けておくことが必要であることが明らかであ
る。
【0023】本実施の形態に係るシリコン単結晶酸素濃
度の制御では、予め酸素濃度の軸方向分布と坩堝回転速
度等の操業時の制御因子との関係式、及び酸素濃度の径
方向分布と坩堝回転速度との関係式を求めておくことに
より、所望の酸素濃度の径方向分布を得るための坩堝回
転速度に上限値を設定する。そして単結晶20の引き上
げ中に、坩堝回転速度がこの上限値を超えないようにし
ながら、他の制御因子を制御することにより、所望の酸
素濃度の径方向分布を得るようにする。
【0024】ここで、単結晶20の軸方向の酸素濃度O
L は下記の数1式により求めることができる。
【数1】OL =f(L,Sr,Cr,P,Q,H) ここで、Lは単結晶20の引き上げ率を、Srは単結晶
20の回転速度を、Crは坩堝12の回転速度を、Pは
チャンバ−10内の圧力を、Qは不活性ガスの流量を、
Hはヒ−タ電力をそれぞれ表している。
【0025】また、単結晶20の酸素濃度の径方向分布
Orを下記の数2式で定義する。
【数2】Or=(Omax −Omin )/Omin ここで、Omax はウェ−ハ面内の酸素濃度の最大値を、
min はウェ−ハ面内の酸素濃度の最小値をそれぞれ表
している。
【0026】また、単結晶20の酸素濃度の径方向分布
Orは下記の数3式により求めることができる。
【数3】Or=f(L,Sr,Cr,P,Q,H) ここで、L,Sr,Cr,P,Q,Hの表す意味は上記
数1式の場合と同様である。
【0027】また、単結晶20の変形具合を変形率De
として下記の数4式で定義する。
【数4】De=(Dmax −Dmin )/Dmin ここで、Dmax はウェ−ハ面内の直径の最大値を、D
min はウェ−ハ面内の直径の最小値をそれぞれ表してい
る。
【0028】また、この変形率Deは下記の数5式によ
り求めることができる。
【数5】De=f(L,Sr,Cr,P,Q,H) ここで、L,Sr,Cr,P,Q,Hの表す意味は上記
数1式の場合と同様である。
【0029】上記した酸素濃度の径方向分布Orに関す
る関係式(数3式)を用い、所望の酸素濃度の径方向分
布Orを得るための坩堝12の回転速度Crの上限値を
求める。また、上記した変形率Deに関する関係式(数
5式)を用い、許容することができる変形率Deを有す
る単結晶20を得るための単結晶20の回転速度Srの
制限条件を求める。これら坩堝12の回転速度Crと単
結晶20の回転速度Srの制限条件を考慮して上記の単
結晶20の軸方向の酸素濃度OL に関する関係式(数1
式)から制御因子L,Sr,Cr,P,Q,Hの制御値
を決定してゆくことにより、シリコン単結晶20の軸方
向のみならず単結晶20の径方向の酸素濃度分布を制御
することができる。
【0030】そして実際の単結晶20の引き上げプロセ
スにおいては、酸素濃度をより高精度に制御するため
に、まず、所定の引き上げ率の区間毎に単結晶20の軸
方向の酸素濃度OL と坩堝12の回転速度Crとの関係
を予め求めておき、所望の単結晶20の酸素濃度の径方
向分布Orから単結晶20の所定の引き上げ率の各区間
に対応した坩堝12の回転速度Crの上限値を求める。
また、単結晶20の所定の引き上げ率の各区間毎に予め
単結晶20の変形率Deと単結晶20の回転速度Srと
の相関関係を求めておき、許容できる単結晶20の変形
率Deから単結晶20の所定の引き上げ率の各区間に対
応した単結晶20の回転速度Srの上限値を求める。
【0031】このようにして求めた坩堝12の回転速度
Cr、単結晶20の回転速度Srの制限条件を考慮し
て、予め求めておいた単結晶20の酸素濃度と制御因子
L,Sr,Cr,P,Q,Hの制御値との関係式から単
結晶20の引き上げ率毎に制御因子L,Sr,Cr,
P,Q,Hの操作量を決定する。この決定された制御因
子L,Sr,Cr,P,Q,Hの操作量に基づいて単結
晶20の引き上げを行う。
【0032】不活性ガスの流量Q、ヒ−タ電力H、変形
率Deの値を初期条件として設定した場合における単結
晶20の引き上げの操業条件の算出は、例えば図3に示
したフロ−チャ−トに従って実行される。
【0033】
【実施例及び比較例】実施例に係るシリコン単結晶酸素
濃度の制御方法を実施して単結晶20を引き上げた結果
を図4及び図5に示す。実施例では、初期条件として、
不活性ガスの流量Qを80(l/min)、ヒ−タ電力
Hを60(kw)、所望の変形率Deを0.014
(−)に設定し、図3に示したフロ−チャ−トに従って
操業条件の算出を行った。
【0034】図4及び図5では、単結晶20の酸素濃度
を規格化した値で示しているが、単結晶20の軸方向の
酸素濃度分布及び単結晶20の径方向の酸素濃度分布と
もに所望の範囲である単結晶20を得ることができた。
【0035】比較例に係るシリコン単結晶酸素濃度の制
御方法を実施して単結晶20を引き上げた結果を図6及
び図7に示す。比較例では、初期条件としての不活性ガ
スの流量Qおよびヒ−タ電力Hは実施例と同じに設定し
たが、操業条件算出の指標は軸方向の酸素分布のみと
し、酸素濃度の目標値と実績値との偏差に基づいて操業
条件を算出した。したがって、所望の変形率あるいは所
望の径方向の酸素濃度分布による操業条件の制約は考慮
していない。
【0036】比較例に係るシリコン単結晶酸素濃度の制
御方法では、単結晶20の軸方向の酸素濃度分布は所望
の範囲内に納めることができたが、径方向の酸素濃度分
布は所望の範囲内に納めることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】CZ法により酸素濃度の制御方法を実施しなが
ら、単結晶を引き上げる際に使用される結晶成長装置を
模式的に示した断面図である。
【図2】酸素濃度の径方向分布の数値解析法によるシミ
ュレ−ション結果の一例を示すグラフである。
【図3】実施の形態に係るシリコン単結晶酸素濃度の制
御方法における操業条件の算出過程を示したフロ−チャ
−トである。
【図4】実施例に係るシリコン単結晶酸素濃度の制御方
法を実施して単結晶を引き上げた場合の酸素濃度の軸方
向分布を示すグラフである。
【図5】実施例に係るシリコン単結晶酸素濃度の制御方
法を実施して単結晶を引き上げた場合の酸素濃度の径方
向分布を示すグラフである。
【図6】比較例に係るシリコン単結晶酸素濃度の制御方
法を実施して単結晶を引き上げた場合の酸素濃度の軸方
向分布を示すグラフである。
【図7】比較例に係るシリコン単結晶酸素濃度の制御方
法を実施して単結晶を引き上げた場合の酸素濃度の径方
向分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10 チャンバ 11 炉本体 12 坩堝 12a 石英坩堝 13 溶融液 20 単結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EA10 EH05 EH08 EH10 HA12 PA04 PA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英坩堝内のシリコン溶融液よりシリコ
    ン単結晶を引き上げる際のシリコン単結晶酸素濃度の制
    御方法において、 予め酸素濃度の軸方向分布と操業時の制御因子との関係
    式、及び酸素濃度の径方向分布と坩堝回転速度との関係
    式を求めておき、所望の酸素濃度の径方向分布を得るた
    めの坩堝回転速度に対する制限条件を算出し、操業中の
    坩堝回転速度がこの制限条件を超えない範囲で、他の前
    記制御因子を制御することにより、所望の酸素濃度の径
    方向分布及び軸方向分布を得ることを特徴とするシリコ
    ン単結晶酸素濃度の制御方法。
  2. 【請求項2】 石英坩堝内のシリコン溶融液よりシリコ
    ン単結晶を引き上げる際のシリコン単結晶酸素濃度の制
    御方法において、 予め酸素濃度の軸方向分布と操業時の制御因子との関係
    式、酸素濃度の径方向分布と坩堝回転速度との関係式、
    及び単結晶の変形率と単結晶の回転速度との関係式を求
    めておき、所望の酸素濃度の径方向分布を得るための坩
    堝回転速度に対する制限条件、及び許容される単結晶の
    変形率に対する単結晶の回転速度の制限条件を算出し、
    操業中の坩堝回転速度及び単結晶の回転速度が前記制限
    条件を超えない範囲で、他の前記制御因子を制御するこ
    とにより、所望の酸素濃度の径方向分布及び軸方向分布
    を得ることを特徴とするシリコン単結晶酸素濃度の制御
    方法。
  3. 【請求項3】 前記制限条件が、単結晶の引き上げ率の
    所定の各区間毎に設定されているものであることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のシリコン単結晶酸素
    濃度の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記操業時の制御因子が、単結晶の引き
    上げ率、単結晶の回転速度、坩堝の回転速度、チャンバ
    −内の圧力、不活性ガスの流量、ヒ−タ電力であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のシリ
    コン単結晶酸素濃度の制御方法。
JP2001144219A 2001-05-15 2001-05-15 シリコン単結晶酸素濃度の制御方法 Pending JP2002338389A (ja)

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