JP2002337267A - 金属光沢意匠部材 - Google Patents

金属光沢意匠部材

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JP2002337267A
JP2002337267A JP2001148002A JP2001148002A JP2002337267A JP 2002337267 A JP2002337267 A JP 2002337267A JP 2001148002 A JP2001148002 A JP 2001148002A JP 2001148002 A JP2001148002 A JP 2001148002A JP 2002337267 A JP2002337267 A JP 2002337267A
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JP2001148002A
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Masaaki Ono
雅章 小野
Yasunao Kamiya
保尚 神谷
Yasuhiko Toyama
靖彦 遠山
Takeshi Nishimura
剛 西村
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AISIN SHINEI KK
Aisin Chemical Co Ltd
Aisin Corp
Original Assignee
AISIN SHINEI KK
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クリア層の密着性、耐透水性の向上に有利であ
り、これにより銀メッキで形成された金属光沢層とプラ
イマー層との密着性を改善するのに有利で、雨水等にさ
らされる外気で使用される場合に好適な金属光沢意匠部
材を提供する。 【解決手段】基体1と、基体1の表面に積層されたプラ
イマー層2と、プライマー層2に積層され銀メッキで形
成された金属光沢層3と、金属光沢層3に積層されたク
リア層4とを具備する金属光沢意匠部材である。クリア
層4は、アミノ基を有する第1の樹脂材とエポキシ基を
有する第2の樹脂材とを混合した樹脂材で形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂等で形成された
基体の表面に積層された銀メッキで形成された金属光沢
層を有する金属光沢意匠部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、銀メッキ層を備える積層品が開示
されている。この積層品は、樹脂、セラミックス等で形
成された基材と、基材に積層されたアンダーコート層と
呼ばれるブライマー層と、銀鏡反応によりプライマー層
に積層された銀メッキ層と、銀メッキ層に積層されたト
ップコート層とを有する(特開平10−309774号
公報(1998年公開)、特開平11−250702号
公報(1998年公開))。このものによれば、銀鏡反
応により生成された銀メッキ層により、意匠的効果の高
い金属光沢を与えることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
積層品においては、クリア層の密着性、耐透水性は必ず
しも充分ではなかった。このため、雨水等にさらされる
使用環境が厳しいときには、銀鏡反応により生成された
銀メッキ層とプライマー層との間の密着性が低下するお
それがあった。故に、使用環境が厳しい車両等の外装部
品に適用するには限界があった。
【0004】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、クリア層の密着性、耐透水性の向上に有利で
あり、これにより銀メッキで形成された金属光沢層とプ
ライマー層との密着性を改善するのに有利であり、雨水
等にさらされる外気で使用される場合に好適な金属光沢
意匠部材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属光沢意
匠部材は、基体と、基体の表面に積層されたプライマー
層と、プライマー層に積層され銀メッキで形成された金
属光沢層と、金属光沢層に積層されたクリア層とを具備
する金属光沢意匠部材において、クリア層は、アミノ基
を有する第1の樹脂材とエポキシ基を有する第2の樹脂
材とを混合した樹脂材で形成されていることを特徴とす
るものである。
【0006】第1の樹脂材としては、一般的には、アミ
ノ基含有のアクリル樹脂、アミノ基含有のポリプロピレ
ン樹脂、アミノ基含有のフェノール樹脂、アミノ基含有
のポリスチレン樹脂等、またはこれらの変性樹脂を採用
することができる。第2の樹脂材としては、一般的に
は、エポキシ基含有のシリコーン樹脂樹脂、エポキシ基
含有のフッ素樹脂、エポキシ基含有のアクリル樹脂等、
またはこれらの変性樹脂を採用することができる。本発
明によれば、アミノ基により開環したエポキシ基が、銀
メッキで形成された金属光沢層の金属部分と架橋構造を
形成し易くなり、これによりクリア層と金属光沢層との
密着性が向上すると共にクリア層の耐透水性が向上する
ものと推察される。
【0007】本発明に係る好ましい形態によれば、第1
の樹脂材を主剤とし、第2の樹脂材を硬化剤と、主剤を
100重量部としたとき、硬化剤の重量部としては、次
の式(1)で求められる演算値であるαの1.00〜
1.25倍の範囲内に設定することができる。クリア層
の密着性、耐透水性を確保するためには、後述する試験
からも理解できるように、主剤を100重量部としたと
き、硬化剤の重量部としては、α×(1.10〜1.2
5)倍、なかでもα×(1.15〜1.20)倍に設定
されていることが好ましい。
【0008】 α=100×{(主剤のアミン価+主剤の酸価)/56100}×硬化剤のエ ポキシ当量……式(1) αを1.10〜1.25倍にした場合には、硬化剤の割
合が式(1)で求められた演算値(=α)よりも多めと
なるため、クリア層の密着性及び耐透水性が一層向上
し、銀メッキで形成された金属光沢層の保護性が一層向
上する。即ち、硬化剤をリッチとした場合には、主剤と
の反応(架橋)とともに、一部のエポキシ基が、銀メッ
キで形成された金属光沢層の金属部分とキレート化状の
架橋構造を一層に形成し易くなり、これによりクリア層
と金属光沢層との密着性を一層に向上させると共に、ク
リア層の耐透水性を一層に向上させるのに有利となり、
これによりプライマー層と金属光沢層と密着性を維持
し、金属光沢層の保護性が向上するものと推察される。
【0009】そのクリア層に使用する樹脂としては、ア
クリル樹脂系、シリコーン樹脂系、またはこれらの変性
樹脂を採用することができる。硬化性、付着性を考慮す
ると、主剤のアミン価としては15〜30(単位:mg
KOH/g)とすることができ、殊に17〜25(単
位:単位:mgKOH/g)とすることができる。
【0010】硬化性、安定性を考慮すると、主剤の酸価
としては0〜5(単位:mgKOH/g)とすることが
でき、殊に0〜3(単位:mgKOH/g)とすること
ができる。硬化性、可撓性を考慮すると、硬化剤のエポ
キシ当量としては300〜800(単位:g/mol)
とすることができ、殊に550〜660(単位:g/m
ol)とすることができる。なおエポキシ当量は1当量
のエポキシ基を含む樹脂の総量を意味する。
【0011】本発明によれば、基体は、樹脂、ゴム、セ
ラミックス、木材等とすることができる。基体が樹脂で
ある場合には、樹脂は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のい
ずれであっても良い。金属光沢層としては、基体の表面
に積層されているプライマー層を介して積層されてい
る。プライマー層は、銀メッキで形成された金属光沢層
の基体への密着性を高めるための下地層であり、基体及
び金属光沢層の双方に対して付着性が良好のものが好ま
しい。プライマー層としてはポリエステルウレタン系、
フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、
シリコーン樹脂系、アルキッド樹脂系、メラミン樹脂系
またはこれらの変性樹脂等を採用できる。金属光沢層は
銀メッキで形成されている。銀メッキとしては、銀鏡反
応を利用した銀メッキ層を採用することができる。金属
光沢意匠部材としては車両外装部品等の外装部品があげ
られる。車両外装部品としては車両のラジエータグリル
または車両のドア開閉ハンドルが例示される。
【0012】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下、本発明を具
体化した実施形態1を図1を参照して説明する。図1は
金属光沢意匠部材の要部を示す。基体1として、アクリ
ロニトル・ブタジエン・スチレン(ABS)またはポリ
カーボネート(PC)等の樹脂素材で形成されているテ
ストピースを用いた。そして、プライマー材(ポリエス
テルウレタン系,ガンメッキ用アンダーコートブラック
大橋化学工業(株)社製)を用い、塗装ガンにより基
材1の上に塗装し、80℃×30分間の条件で乾燥処理
を実施した。これによりプライマー層2(膜厚15μ
m)を基体1に積層した。
【0013】その後、銀を含む水溶液と還元性水溶液と
を双頭ガンのガン先にて混合しつつ双頭ガンで塗布し
た。数秒の後には、銀鏡反応により、光沢のある金属光
沢層3が得られた。これにより金属光沢層3をプライマ
ー層2の上に積層した。銀を含む水溶液としてはアンモ
ニア性硝酸銀水溶液(濃度:2重量%)を用いた。還元
性水溶液としてはクリオキザール等の還元剤を用いた。
【0014】なお、金属光沢層3を形成した後に、純水
を用い、塗面の清浄化を実施した。さらに、80℃×3
0分の条件にて乾燥処理を実施し、金属光沢層3の中の
水分除去を行った。
【0015】その後、クリア塗料Aをシンナーにて塗装
に適した粘度に希釈した液状物を、金属光沢層3の上に
塗装し、クリア層4の形成を行った。クリア層4の膜厚
は約15μmであった。その後、乾燥条件 80℃×3
0分で乾燥処理を行った。上記したクリア層4を形成す
るクリア塗料Aは、第1の樹脂材としての主剤と第2の
樹脂材としての硬化剤とを混合した塗料である。
【0016】主剤としては、3級アミノ基含有アクリル
樹脂を(大日本インキ工業(株)製),Aー9510)
を用いた。これのアミン価は17mgKOH/gであ
り、酸価は0であった。
【0017】硬化剤として、エポキシ基含有のシリコン
系化合物(大日本インキ工業(株)製,BZー116
3、エポキシ当量=560(単位:g/mol))を用
いた。シリコン系化合物はシリコーン樹脂に代表される
ものである。
【0018】クリア塗料Aでは、主剤100重量部に対
して硬化剤が17重量部配合されている。実施形態1に
係る硬化剤の重量部は上記した式(1)に基づいたもの
である。即ち、実施形態1に係る硬化剤の重量部=10
0×{(17+0)/56100}×560=約17重
量部 上記したように製造した本実施形態に係る金属光沢意匠
部材は、図1に示すように、基体1と、基体1の表面に
積層されたプライマー層2と、プライマー層2に積層さ
れた銀メッキで形成された金属光沢層3と、金属光沢層
3に積層されたクリア層4とを具備している。
【0019】(実施形態2)実施形態2は実施形態1と
基本的には同様の構成である。以下、実施形態1と相違
する部分を中心として説明する。実施形態2では、実施
形態1と同様に、基体の表面にプライマー層2が積層さ
れ、プライマー層2の上に金属光沢層3が積層されてい
る。更に金属光沢層3の上にクリア層4が積層されてい
る。この場合、クリア塗料Bをシンナーにて塗装に適し
た粘度に希釈した液状物を、金属光沢層3の上に塗装
し、クリア層4の形成を行った。クリア層4の膜厚は約
15μmであった。その後、乾燥条件 80℃×30分
で乾燥処理を行った。
【0020】上記したクリア層4を形成するクリア塗料
Bは、第1の樹脂材としての主剤と第2の樹脂材として
の硬化剤とを混合した塗料である。主剤としては、実施
形態1と同様に、3級アミノ基含有アクリル樹脂(大日
本インキ工業(株)製,Aー9510)を用いた。硬化
剤としては、実施形態1と同様に、エポキシ基含有のシ
リコン系化合物(大日本インキ工業(株)製,BZー1
163)を用いた。実施形態2では、主剤100重量部
に対して硬化剤が実施形態1よりも多く配合されてお
り、つまり18.7重量部配合されている。実施形態2
に係る硬化剤の重量部は、上記した式(1)に基づいた
値(=α)よりも10%増量させたものである。即ち、
実施形態2に係る硬化剤の重量部=100×{(17+
0)/56100}×560×1.1=約18.7重量
部 (実施形態3)実施形態3は実施形態1と基本的には同
様の構成である。以下、実施形態1と相違する部分を中
心として説明する。実施形態3では、実施形態1と同様
に、基体の表面にプライマー層2が積層され、プライマ
ー層2の上に金属光沢層3が積層されている。更に金属
光沢層3の上にクリア層4が積層されている。この場
合、クリア塗料Bをシンナーにて塗装に適した粘度に希
釈した液状物を、金属光沢層3の上に塗装し、クリア層
4の形成を行った。クリア層4の膜厚は約15μmであ
った。その後、乾燥条件 80℃×30分で乾燥処理を
行った。
【0021】上記したクリア層4を形成するクリア塗料
Bは主剤と硬化剤とを混合した塗料である。主剤として
は、実施形態1,2と同様に、3級アミノ基含有アクリ
ル樹脂を100重量部(大日本インキ工業(株),Aー
9510)を用いた。硬化剤としては、実施形態1,2
と同様に、エポキシ基含有のシリコン系化合物(大日本
インキ工業(株)製,BZー1163)を用いた。実施
形態3では、主剤100重量部に対して硬化剤が実施形
態1,2よりも多く配合されており、つまり19.5重
量部配合されている。硬化剤の重量部は、上記した式
(1)に基づいた値(=α)よりも15%増量させたも
のである。即ち、実施形態3に係る硬化剤の重量部=4
100×{(17+0)/56100}×560×1.
15=約19.5重量部 (実施形態4)実施形態4は実施形態1と基本的には同
様の構成である。以下、実施形態1と相違する部分を中
心として説明する。実施形態4では、実施形態1と同様
に、基体の表面にプライマー層2が積層され、プライマ
ー層2の上に金属光沢層3が積層されている。更に金属
光沢層3の上にクリア層4が積層されている。この場
合、クリア塗料Bをシンナーにて塗装に適した粘度に希
釈した液状物を、金属光沢層3の上に塗装し、クリア層
4の形成を行った。クリア層4の膜厚は約15μmであ
った。その後、乾燥条件 80℃×30分で乾燥処理を
行った。
【0022】上記したクリア層4を形成するクリア塗料
Bは主剤と硬化剤とを混合したものである。主剤として
は、実施形態1〜3と同様に、3級アミノ基含有アクリ
ル樹脂(大日本インキ工業(株),Aー9510)を用
いた。硬化剤は、実施形態1〜3と同様に、エポキシ基
含有のシリコン系化合物(大日本インキ工業(株)製,
BZー1163)を用いた。実施形態4では、主剤10
0重量部に対して硬化剤が実施形態1,2,3よりも多く
配合されており、つまり20.5重量部配合されてい
る。硬化剤の重量部は、上記した式(1)に基づいた値
(=α)よりも20%増量させたものである。即ち、実
施形態4に係る硬化剤の重量部=100×{(17+
0)/56100}×560×1.20=20.5重量
部 (実施形態5)実施形態5は実施形態1と基本的には同
様の構成である。以下、実施形態1と相違する部分を中
心として説明する。実施形態5では、実施形態1と同様
に、基体の表面にプライマー層2が積層され、プライマ
ー層2の上に金属光沢層3が積層されている。更に金属
光沢層3の上にクリア層4が積層されている。この場
合、クリア塗料Bをシンナーにて塗装に適した粘度に希
釈した液状物を、金属光沢層3の上に塗装し、クリア層
4の形成を行った。クリア層4の膜厚は約15μmであ
った。その後、乾燥条件 80℃×30分で乾燥処理を
行った。
【0023】上記したクリア層4を形成するクリア塗料
Bは主剤と硬化剤とを混合した塗料である。主剤として
は、実施形態1〜4と同様に、3級アミノ基含有アクリ
ル樹脂(大日本インキ工業(株),Aー9510)を用
いた。硬化剤は、実施形態1〜4と同様に、エポキシ基
含有のシリコン系化合物(大日本インキ工業(株)製,
BZー1163)を用いた。実施形態5では主剤100
重量部に対して、硬化剤が実施形態1,2,3,4よりも
多く配合されており、つまり21.3重量部配合されて
いる。硬化剤の重量部は、上記した式(1)に基づいた
値(=α)よりも25%増量させたものである。即ち、
実施形態5に係る硬化剤の重量部=100×{(19+
0)/56100}×560×1.25=約21.3重
量部 (実施形態6)実施形態6は実施形態1と基本的には同
様の構成である。以下、実施形態1と相違する部分を中
心として説明する。実施形態6では、実施形態1と同様
に、基体の表面にプライマー層2が積層され、プライマ
ー層2の上に金属光沢層3が積層されている。更に金属
光沢層3の上にクリア層4が積層されている。クリア塗
料Bをシンナーにて塗装に適した粘度に希釈した液状物
を、金属光沢層3の上に塗装し、クリア層4の形成を行
った。クリア層4の膜厚は約15μmであった。その
後、乾燥条件 80℃×30分で乾燥処理を行った。
【0024】上記したクリア層4を形成するクリア塗料
Cは主剤と硬化剤とを混合した塗料である。主剤として
は、3級アミノ基含有アクリル樹脂(大日本インキ工業
(株),FZー1032)を用いた。これのアミン価は
19mgKOH/gであり、酸価は0であった。硬化剤
は、エポキシ基含有のシリコン系化合物(大日本インキ
工業(株)製,FZー521)を用いた。この硬化剤の
エポキシ当量は590(g/mol)であった。主剤1
00重量部に対して硬化剤が24重量部配合されてい
る。実施形態6に係る硬化剤の重量部は、上記した式
(1)に基づいた値よりも20%増量させたものであ
る。即ち、実施形態6に係る硬化剤の重量部=100×
{(19+0)/56100}×590×1.20=約
24重量部 (比較形態1)比較形態1では、実施形態1と同様に、
基体の表面にプライマー層2が積層され、プライマー層
2の上に金属光沢層3が積層されている。更に金属光沢
層3の上にクリア層4が積層されている。クリア塗料D
をシンナーにて塗装に適した粘度に希釈した液状物を、
金属光沢層3の上に塗装し、クリア層4の形成を行っ
た。クリア層4の膜厚は約15μmであった。その後、
乾燥条件 80℃×30分で乾燥処理を行った。
【0025】上記したクリア層4を形成するクリア塗料
Dは主剤と硬化剤とスズ触媒を混合した塗料である。主
剤としては、アクリルポリオール OHV50(武田薬
品工業(株)製,UAー702)を用いた。硬化剤とし
ては、ポリイソシアネートNCO(武田薬品工業(株)
製),D−170N,20.7%)を用いた。主剤10
0重量部に対して硬化剤が18.1重量部、スズ触媒が
1重量部配合されている。スズ触媒としては、キシレン
にてスズを2wt%に希釈したもの(武田薬品工業
(株)製,TKー1L)とした。
【0026】(比較形態2)比較形態2では、実施形態
1と同様に、基体の表面にプライマー層2が積層され、
プライマー層2の上に金属光沢層3が積層されている。
更に金属光沢層3の上にクリア層4が積層されている。
クリア塗料Dをシンナーにて塗装に適した粘度に希釈し
た液状物を、金属光沢層3の上に塗装し、クリア層4の
形成を行った。クリア層4の膜厚は約10μmであっ
た。その後、乾燥条件 80℃×30分で乾燥処理を行
った。
【0027】上記したクリア層4を形成するクリア塗料
Eは主剤と硬化剤とスズ触媒を混合した塗料である。主
剤としては、アクリルシリコーン樹脂 OHV50(チ
ッソ(株)製,SCT8102)を用いた。硬化剤とし
ては、ポリイソシアネートNCO(武田薬品工業(株)
製),D−140N,10.5%)を用いた。主剤10
0重量部に対して硬化剤が17.1重量部、スズ触媒が
1重量部配合されている。スズ触媒は比較形態1と同様
のものである。
【0028】(評価)上記した実施形態及び比較形態に
ついて初期密着性試験、耐水性試験、耐候性試験をそれ
ぞれ行った。初期密着性試験では、クリア層4を塗装乾
燥させた後に、試験片を1昼夜放置した後に、碁盤目テ
ープ剥離試験(JIS−K5400 8.5)を実施し
た。初期密着性試験ではテープ剥離試験を1回と3回実
施した。また耐水性試験では、40℃の純水に試験片を
10日(240時間)浸漬した後に、外観チェックを実
施すると共に碁盤目テープ剥離試験を実施した。耐水性
試験(JIS−K5400 8.19)ではテープ剥離
試験を1回,3回,10回実施した。耐候性試験(JIS
−K5400 9.8)では、サンシャインウェザーメ
ータに500時間さらした後に外観の色差評価を行っ
た。
【0029】試験結果を表1に示す。表1に示すよう
に、実施形態及び比較形態共に耐候性については黄変が
認められず、いずれも良好であった。また比較形態1,
比較形態2によれば、初期密着性試験では剥離は認めら
れず、良好な初期密着性は得られたものの、耐水性試験
の評価は×であり、充分ではなかった。
【0030】これに対して実施形態1〜実施形態6によ
れば、初期密着性試験では剥離は認められず、良好な初
期密着性が得られるばかりか、耐水性試験においても3
回目までは評価は○であり、良好な耐透水性が得られ
た。これにより実施形態1〜実施形態6によれば、プラ
イマー層2と金属光沢層3との長期にわたる密着性が確
保される。
【0031】殊に硬化剤の配合量が式(1)の演算値
(=α)よりもリッチな実施形態2〜実施形態6によれ
ば、良好な密着性及び耐透水性が得られた。なかでも、
硬化剤が式(1)の演算値(=α)よりも15〜20%
リッチである実施形態3〜実施形態4、実施形態6によ
れば、10回目であっても評価は○であり、良好な耐透
水性が得られた。これによりプライマー層2と金属光沢
層3との長期にわたる密着性が確保されることになる。
【0032】
【表1】
【0033】(適用形態)図2は車両の外観図を示す。
図2は車両外装部品としてのラジエ−ターグリル200
(金属光沢意匠部材)を示す。このラジエ−ターグリル
200においては、図1に示すように、ラジエ−ターグ
リル本体を構成する樹脂製(材質:アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)の基体1の表面に
プライマー層2が積層され、プライマー層2の上に金属
光沢層3が積層されている。更に金属光沢層3の上にク
リア層4が積層されている。このクリア層4は実施形態
1〜実施形態6のいずれかで形成されている。
【0034】図2は車両外装部品としてのアウトサイド
ハンドル300(ドア開閉ハンドル:金属光沢意匠部
材)も示す。アウトサイドハンドル300は車両のドア
の外面に装備され、車両のドアを開閉操作するためのハ
ンドルである。図1に示すように、ハンドル本体を構成
する樹脂製(材質:ポリカーボネイト樹脂)の基体1の
表面にプライマー層2が積層され、プライマー層2の上
に金属光沢層3が積層されている。更に金属光沢層3の
上にクリア層4が積層されている。このクリア層4は実
施形態1〜実施形態6のいずれかで形成されている。こ
の適用形態に係るクリア層4は密着性が良好であると共
に耐透水性が高いため、雨水等にさらされるような厳し
い使用環境であっても、各層は長期にわたり良好に維持
される。なお、本発明は上記し且つ図面に示した実施形
態、適用形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸
脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0035】(付記)上記した記載から次の技術的思想
も把握できる。 ・基体と、基体の表面に積層されたプライマー層と、プ
ライマー層に積層され銀メッキで形成された金属光沢層
と、金属光沢層に積層されたクリア層とを具備する金属
光沢意匠部材の製造方法において、クリア層は、アミノ
基を有する第1の樹脂材とエポキシ基を有する第2の樹
脂材とを混合して形成された樹脂材を金属光沢層の上に
塗布して形成されていることを特徴とする金属光沢意匠
部材の製造方法。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、クリア層と金属光沢層
との密着性が向上すると共にクリア層の耐透水性が向上
する。このため銀メッキで形成された金属光沢層とプラ
イマー層との密着性を改善するのに有利であり、使用環
境条件が厳しい場所であっても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属光沢意匠部材の表面付近を模式的に示す断
面図である。
【図2】ラジエ−ターグリル及びアウトサイドハンドル
を備えた車両の外観図である。
【符号の説明】
図中、1は基体、2はプライマー層、3は金属光沢層、
4はクリア層、200はラジエ−ターグリル(金属光沢
意匠部材)、300はアウトサイドハンドル(金属光沢
意匠部材)を示す。
フロントページの続き (72)発明者 小野 雅章 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 神谷 保尚 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ヶ原 1141番地1 アイシン化工株式会社内 (72)発明者 遠山 靖彦 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ヶ原 1141番地1 アイシン化工株式会社内 (72)発明者 西村 剛 愛知県碧南市港南町2丁目8番地12 アイ シン辰栄株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB24C AK25D AK41 AK45 AK51 AK53D AK74 AL05D AL06D AR00B AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D CA02D CC00D EH46 EH71C EJ65B EJ86 GB32 JB07 JD05 JK06 JL09 JN24 YY00D 4J038 CB081 CC031 CD092 CG002 CG141 DA061 DL062 GA07 GA09 KA03 NA01 NA04 NA12 PB07 PC02 PC03 PC06 PC07 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と、基体の表面に積層されたプライマ
    ー層と、プライマー層に積層され銀メッキで形成された
    金属光沢層と、金属光沢層に積層されたクリア層とを具
    備する金属光沢意匠部材において、 クリア層は、アミノ基を有する第1の樹脂材とエポキシ
    基を有する第2の樹脂材とを混合した樹脂材で形成され
    ていることを特徴とする金属光沢意匠部材。
  2. 【請求項2】請求項1において、第1の樹脂材を主剤と
    し、第2の樹脂材を硬化剤と、主剤を100重量部とし
    たとき、硬化剤の重量部αは次の式で求められるαの
    1.10〜1.25倍の範囲内に設定されていることを
    特徴とする金属光沢意匠部材。 α=100×((主剤のアミン価+主剤の酸価)/56
    100)×硬化剤のエポキシ当量 (ここで、アミン価
    の単位:mgKOH/g,酸価の単位:mgKOH/g,
    エポキシ当量の単位:g/mol)
  3. 【請求項3】請求項1または2において、車両のラジエ
    ータグリルまたは車両のドア開閉ハンドルに用いられる
    ことを特徴とする金属光沢意匠部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006264593A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Toyota Motor Corp レーダ装置ビーム経路内用光輝装飾成形品

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