JP2002337154A - 離型剤排出機構を備えた金型装置およびその金型装置を用いた離型剤排出方法 - Google Patents

離型剤排出機構を備えた金型装置およびその金型装置を用いた離型剤排出方法

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JP2002337154A
JP2002337154A JP2001151669A JP2001151669A JP2002337154A JP 2002337154 A JP2002337154 A JP 2002337154A JP 2001151669 A JP2001151669 A JP 2001151669A JP 2001151669 A JP2001151669 A JP 2001151669A JP 2002337154 A JP2002337154 A JP 2002337154A
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Hideo Tana
秀雄 棚
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Aisin Seiki Co Ltd
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  • Casting Devices For Molds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型面から余剰の離型剤をなくし、安定した
製品が得られる金型装置を提供する。また、余剰の離型
剤を確実に排出する方法を提供する。 【解決手段】 固定型2、可動型3およびスライド中子
4とを有する金型5と、金型5により構成され、鋳造製
品20を成形する金型面2,3a,4a,4bに対して
離型剤31を塗布する塗布装置30と、凹部4cに溜ま
る離型剤31aを金型外部へと排出する離型剤排出機構
40とを備えた金型装置1において、離型剤排出機構4
0は空間4e内で移動自在な摺動入子6を備え、摺動入
子6には凹部4cに溜まる離型剤31aを金型面4a,
4bの外部へと排出する連通路6aを有し、金型5の離
型時に摺動入子6が移動し、凹部4c内に連通路6aが
露出し、離型剤31aを排出する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型の成形を行う
金型面に離型剤を塗布し、塗布された余剰の離型剤を金
型面の外部へと排出する離型剤排出機構を備えた金型装
置、及び、その金型装置を用いた離型剤排出方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ダイカスト金型装置は固定型
と可動型を重ね合わせ、両金型間に形成されるキャビテ
ィ空間に溶湯金属を流し込み、鋳造を行うものである。
この場合、鋳造製品(鋳物とも言う)を金型から離れ易
くする(即ち、鋳造後に金型から鋳造製品を取り出し易
くする)ため、或いは、金型の温度を下げて鋳造を安定
化させるために、金型の鋳造製品を形成する金型面に対
して、離型剤の塗布を行う方法が取られている(例え
ば、特開平9−164467号公報)。
【0003】上記の如く、金型面に離型剤を塗布する方
法を取った場合、適量の離型剤を金属面に塗布し、次シ
ョットを行う場合、次ショットまでに前回に塗布された
離型剤を確実に乾燥させれば、鋳造工程を安定化させ
て、安定した鋳造製品を得ることができる。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、金型
の成形を行う金属面において、例えば、金型の下方に凹
部等が形成されていた場合、離型剤の金属面への塗布量
が塗布を行う規定量よりも多いと、塗布された離型剤が
自重により、金型面を伝って下方に滴れる。その結果、
下方に形成された凹部がある場合、この凹部に離型剤が
溜まることが起こり得る。この様に凹部に溜まった余剰
な離型剤は離型剤残りとなる。
【0005】この場合、金型は鋳造時、熱くなっている
ことから、凹部に溜まった離型剤は熱くなった金型の熱
によって、暖められて水蒸気となる。この水蒸気となっ
た離型剤は、溶湯の中に入り込んで、鋳造製品の品質を
悪化させる原因となる。
【0006】従来では離型剤を金型面に塗布後、金型面
の表面に残った余剰の離型剤を離型剤除去機構(例え
ば、エアーブロー装置等)により、エアブローを行い、
エアーの力によって金属面から吹き飛ばして除去すると
共に、金型面を乾燥させている。しかし、単にエアブロ
ーだけ行ったとしても、金型の下方に形成される凹形に
は離型剤が溜り易く、下方の凹部に溜まった離型剤は除
去されにくく、離型剤残りを生じ、鋳造製品の品質を悪
化させる原因となる。
【0007】例えば、凹部に溜まった離型剤を乾燥によ
り除去させる方法もあるが、この様に金型面をエアブロ
ーによって、確実に乾燥させるには、エアーブロ−時間
を長くすれば良い。しかし、エアーブロ−時間を延ばす
と、金型が冷えすぎてしまい、金型が冷えすぎると、し
いては、金型の先端まで溶湯が廻らなくなり、次ショッ
トの製品湯廻りを悪化させる。さらには、鋳造サイクル
が延び、生産性を悪化させる。
【0008】よって、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、金型面から余剰な離型剤をなくし、
安定した製品が得られる金型装置を提供すると共に、余
剰の離型剤が確実に排出される離型剤排出方法を提供す
ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた第1の技術的手段は、固定型と、該固定型に
対して移動自在な第1可動型と、凹部を有し、前記固定
型と前記第1可動型の間に配設されて一方向に移動自在
な第2可動型とを有する金型と、該金型により構成さ
れ、鋳造製品を成形する金型面に対し、離型剤を塗布す
る塗布装置と、余剰の離型剤を前記金型面の外部へと排
出する離型剤排出機構とを備えた金型装置において、前
記第2可動型は前記凹部に連通する空間を有し、前記離
型剤排出機構は前記空間内に移動自在な入子を配設し、
該入子は前記凹部に溜まる余剰の離型剤を前記金型面の
外部へと排出する連通路を有し、前記金型の離型時に前
記入子が移動して前記連通路が前記凹部内に露出するよ
うにしたことである。
【0010】上記の構成によれば、離型剤排出機構は第
2可動型の空間内を移動自在に移動する入子を備え、金
型の離型時には入子が移動する。この入子の移動によ
り、第2可動型の凹部に溜まる余剰の離型剤を金型面の
外部へと排出する連通路が凹部内に露出し、凹部に溜ま
る離型剤は連通路を介して金型面の外部へと排出され
る。これによって、凹部内には離型剤の塗布量が規定量
より多い場合であっても、凹部に離型剤が溜まらず、短
い時間で離型剤を乾燥させることが可能となる。その結
果、離型剤が製品に混入されることが防止され、安定し
た鋳造製品が得られる金型装置となる。
【0011】この場合、金型の型締め時には、入子の一
方向の端面が金型面となるようにすれば、入子の端面を
金型の金属面の一部を使用した離型剤排出機構を備える
ことが可能となり、安定した鋳造を行うことが可能とな
る。
【0012】また、第1可動型には一方向に延在する押
圧部材が固定され、離型時には入子を前記押圧部材によ
り押圧し、連通路が前記凹部内に露出するようにすれ
ば、離型剤時には入子が押圧部材により押圧されて、連
通路が凹部内に露出することによって、連通路から凹部
内に溜まる離型剤を排出することが簡単な構成により可
能となる。
【0013】更に、入子と第2可動型の間には付勢部材
が配設され、押圧部材の非押圧状態には、付勢部材の付
勢力により入子の端面が金型面となるようにすれば、型
締め時には入子と第2可動型の間に配設された付勢部材
による付勢力によって連通路は凹部内に露出しない状態
に保持され、入子の端面が金型の金属面の一部となり、
連通路から溶湯を逃がすことなく鋳造を行うことが可能
となる。
【0014】更に、塗布装置のエアブロー機能を持ち
て、エアブローにより効率良く離型剤を連通路に導き、
金属面から凹部に溜まる離型剤の排出が可能となる。
【0015】また、上記の課題を解決するために講じた
第2の技術的手段は、固定型と、該固定型に対して移動
自在な第1可動型と、凹部および該凹部に連通する空間
を有し、前記固定型と前記第1可動型の間に配設されて
一方向に移動自在な第2可動型とを有する金型と、該金
型により構成され、鋳造製品を成形する金型面に対して
離型剤を塗布する塗布装置と、前記空間内に移動自在に
配設され、前記凹部に溜まる離型剤を前記金型面の外部
に排出する連通路が形成された入子を有する離型剤排出
機構とを備えた金型装置を用いて、前記金型の離型時
に、前記固定型に対して第1可動型を移動させ、前記第
2可動型を一方向に移動させる工程と、前記第2可動型
の移動に伴い、前記入子が移動して、前記連通路が前記
凹部から露出する工程と、前記金属面に離型剤を塗布す
る工程と、前記凹部に溜まる離型剤を前記連通路へと導
いて前記金型面の外部に排出する工程と、から成るよう
にしたことである。
【0016】上記構成によれば、固定型に対して第1可
動型および第2可動型を移動させる。この第2可動型の
移動により、入子が移動して、入子に形成された連通路
が凹部から露出する。従って、この連通路の凹部内への
露出により、金属面に離型剤が塗布された後、凹部に溜
まる離型剤を連通路を介して金型面の外部に効率良く排
出することが可能となる。これによって、凹部内には離
型剤の塗布量が規定量より多い場合であっても、凹部に
離型剤が溜まらず、短い時間で離型剤を乾燥させること
が可能となる。その結果、離型剤が製品に混入されるこ
とが防止され、安定した鋳造製品が得られる。
【0017】入子に形成される連通路は、溝または孔に
よって形成され、簡単な構成により、離型剤はこの溝ま
たは孔を介して金型面の外部へ排出される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。
【0019】図1と図2に本実施形態の金型装置1の構
成を示す。この実施形態に示す金型装置1は、例えば、
ダイカスト鋳造を行って、鋳造製品20を作る装置に適
用できる。
【0020】図1の如く、金型装置1は、固定型2と、
固定型に対して図示しない駆動装置によりx方向に移動
自在な可動型(第1可動型)3と、x方向と直交するy
方向に可動型3に対して摺動するスライド中子4(第2
可動型)により金型5を構成している。この3つの金型
5を重ね合わせることにより、金型内部の成形が行われ
る金型面2a,3a,4a,4bによってキャビティ空
間が形成され、このキャビティ空間に溶融金属(例え
ば、アルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金等
の溶融金属)を高速、高圧で流し込み、キャビティ空間
内で溶湯金属を凝固させることによって、鋳造製品20
が作られるようになっている。
【0021】スライド中子4は内部に離型剤除去機構4
0備え、スライド中子4は固定型2と可動型3との間に
配設され、固定型2と可動型3の下方に配設される。ま
た、スライド中子4は可動型3のy方向の金型面3aに
沿って摺動が可能である。スライド中子4は、上方の金
型面4aの途中に凹部4cが形成されている。この凹部
4cのy方向下方には円柱状の空間4eが形成され、空
間4eと凹部4cはy方向に延在する孔4dにより連通
すると共に、空間4eからy方向下方に延在する孔4f
が形成されている。これらの孔4d,4fの孔径は、空
間4eの径よりも小さく形成されている。
【0022】このスライド中子4に形成された空間4e
の中には下方にフランジを有するT形状の金属から成る
スライド入子6が、孔4dに挿入された状態で配設され
ており、スライド中子は、空間内で上下移動が可能とな
り、孔4dに沿って摺動を行う。また、スライド入子6
のフランジの背面と空間4eの上壁との間にはスライド
入子6を下方に付勢するスプリング7が配設されてい
る。このスプリング7の付勢力により、凹部4cの底部
とスライド入子6のy方向の端面は一致する高さとな
り、その端面は金型面となる。
【0023】可動型3の下方には固定部材11がボルト
等により取り付けられ、固定部材11にシリンダ13が
ボルト等の固定部材により固定されている。シリンダ1
3は中央に出力軸12を有し、出力軸12にはスライド
中子4が取り付けられ、スライド中子4は外部からのシ
リンダ13の駆動により、可動型3の金型面3aに沿っ
て、スライド戻し(下降した状態)やスライド入れ(上
昇した状態)工程において、上下移動が可能である。ま
た、固定部材11には孔4f,2cが形成されるx方向
の位置において、y方向に延在するピン14が固定部材
11に一体または別体で設けられており、シリンダ13
の駆動によって、スライド中子4がy方向において下降
する(スライド戻し状態)と、図1の(b)に示す様
に、ピン14は孔4fの中に挿入され、ピン14の先端
でスライド入子6の背面を上方に押圧する。スライド入
子6はピン14により押圧されると、スプリング7の付
勢力に抗して空間内を上昇し、凹部4cの中に先端の端
面が突出した状態となる。このスライド入子6には、ピ
ン14によりフランジの背面が押圧された場合には、上
方に形成された凹部4cと内部に形成された空間4eと
が連通し、金型面4a,4bと空間4eが連通する連通
路6aがy方向に形成されている(図2の(b)参
照)。この連通路6aはスライド入子6がピン14によ
り押圧されていない状態(非押圧状態)では、スライド
入子6のy方向の端面が凹部4cの面と一致して、凹部
4cと空間4eとが連通しないとなる(図2の(a)参
照)。尚、スライド入子6に形成された連通路6aは、
溝または孔の簡単な機械加工により設けることが可能で
ある。
【0024】離型剤排出機構は40は、凹部4cが形成
されたスライド中子4と、スライド中子4の中に形成さ
れた空間4e内を移動自在なスライド入子6、スライド
入子を下方に付勢するスプリング7、更にはピン14に
より構成される。
【0025】金型装置1は、図1の(a)に示す様に、
固定型2、可動型3、離型剤除去機構を備えたスライド
中子4から成る金型5と、可動型3に固定される固定部
材11、固定部材11に固定されるシリンダ13といっ
た構成の他、鋳造製品20を金型5より取り出した後、
金型面2a,3a,4a,4bに対して離型剤31を塗
布する塗布装置30を備えている。この塗布装置によ
り、z方向において塗布装置30が時計方向または反時
計方向に回動され、離型剤31が噴霧状態で金型面2
a,3a,4a,4bに塗布される。離型剤31は、金
型5から鋳造製品20を取り易くする効果ねらうと共
に、金型温度を下げる機能を持ち、離型剤31は原液を
水で希釈したものが使用される。また、塗布装置30は
離型剤31を塗布する機能と、金属面2a,3a,4
a,4bに対してエアブローを行い、離型剤31を乾燥
させる機能を兼ね備えている。
【0026】離型剤31を塗布する場合、その塗布量が
規定量より多いと、離型剤31は金型面2a,3aをつ
たって、上方から下方へと自重により落ち、下方の凹部
4cに溜まり易くなる。そこで、この凹部4cに溜まる
離型剤31aに対して、スライド中子4の下降時にスラ
イド入子6を上昇させることによって、凹部内に連通路
6aを露出させ、凹部4cに溜まった離型剤31aを連
通路6aを介して、金型面4a,4bから鋳造製品20
の成形に影響を与えない外部へと排出する。この場合、
塗布装置30の持つエアブロー機能を用いて、金型表面
を早期に乾燥させると共に、離型剤31aを連通路6a
へと導くようにする。これにより、塗布装置30におい
て離型剤の塗布とエアブローの機能を備えた装置の共通
化が行える。
【0027】次に、図3を参照して、鋳造製品20を作
る製造工程について以下に説明する。まず、S1の工程
において、固定型2、可動型3およびスライド中子4よ
り成る金型5の型締めを行い、これら3つの金型5によ
りキャビティ空間を形成する。次のS2の工程では、図
1の(a)に示す金型状態でキャビティ空間内に溶湯金
属を送り込み、鋳込みが行われる。その後、S3の工程
では、可動型3をx方向に移動させ、可動型3の型開き
が行われる。その後、S4の工程でスライド戻しが行わ
れる。スライド戻しとは、図1の(b)に示す様に、シ
リンダ13を駆動させて、スライド中子4をy方向の下
方に移動させる。この状態では、スライド中子4の下降
によって、ピン14の先端でスライド入子6が押圧され
る。この押圧によってスライド入子6が上方に移動し
て、スライド入子6に形成された連通路6aが凹部4c
内に露出し、凹部4cとスライド中子4に形成された空
間4eは連通する。その後、S5の工程にて金型5より
鋳造製品20の取り出しが行われ、S6の工程にて塗布
装置30による金型面2a,3a,4a,4bへの離型
剤31の塗布が行われる。離型剤31は塗布装置30を
z方向に回動させ、離型剤31を噴霧する。この際、離
型剤31の塗布量が規定量よりも多いと、離型剤31が
自重により下方へと滴れ、下方に形成された凹部4cに
溜まる。この場合、スライド戻しにより、凹部内にスラ
イド入子6の連通路6aが露出していることから、連通
路6aにより凹部4cに溜まった離型剤31aは空間4
eへと導かれ、金型面4a,4bの外部へと排出するこ
とが可能となる。その後、S7の工程にて塗布装置30
のエアブロー機能を用いて、凹部4cに溜まった離型剤
31aを効率良く、連通孔6aへと導き、連通路6aを
介して金型面4a,4bから外部に排出することができ
る。
【0028】その後、S8の工程にてスライド入れを行
い、固定型2と可動型3との間に図1の(a)の如く、
スライド中子4が入るようにシリンダ13を駆動して、
スライド中子4を上昇させ、次ショットのS1の型締め
工程からS8の工程処理を繰り返す。
【0029】本実施形態においては、スライド中子4の
凹部4cへ離型剤31が溜まることを防止するため、凹
部4cに連通する空間内を移動自在なスライド入子6を
設け、このスライド入子6に離型剤31を外部へと逃が
す溝ないし孔が形成された連通路6aを設け、この連通
路6aにより離型剤31aを外部へと導く。スライド中
子4を下方へと移動させ、このスライド入子6を上部へ
と移動させることによって、凹部4cを外部と連通する
よう開放状態とさせることで、離型剤31の凹部4cへ
の溜りを防止する。
【0030】この入子の摺動方法には、シリンダーを設
ける方法が考えられるが、鋳込み時この入子には高圧の
鋳造圧力がかかることから非常に大径のシリンダーが必
要になり、設置は困難である。
【0031】本実施形態では、このスライド入子6がス
ライド中子4に設置されていることから、スライド中子
4の上下移動を利用することで、スライド入子6の摺動
を行えるようにした。このスライド入子6は、スライド
中子4の中にスプリング7を介して配設されており、ス
ライド中子4のスライド入れ状態では、固定型2と可動
型3との間に入り、そのy方向の端面でスライド中子4
の凹部4cの一部を形成する。
【0032】製品取出しのため、スライド中子4が下降
する際、このスライド入子6もスライド中子4に追従し
て動くが、スライド中子4の駆動用のシリンダー13が
固定される固定部材11に設けられたピン14の先端に
当たる。この場合、スライド中子4のストロークよりも
短い距離で移動が停止し、凹部4c内に突き出すことと
なる。この突出した部位には離型剤31を逃がす溝また
は孔が形成された連通孔6aが形成されているため、こ
の連通孔6aより凹部4cの離型剤31aは金型外に排
出される。これにより、スライド中子4の凹部4cの離
型剤残りを防止できる。
【0033】次ショットの鋳込み時には、スライド中子
4の閉じにあわせて、内部に挿入されたスプリング7の
付勢力により、スライド入子6はy方向の端面が凹部4
cと一致する所定の位置に戻り、キャビティ面を構成す
る。
【0034】尚、別の実施形態として、スライド入子6
に形成した連通孔6aに金型外部より凹部4cへとエア
ーを逆に送りこむことにより、凹部4cのエアーブロー
を行い、凹部4cの金型面4aを乾燥させることもでき
る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、離型剤排出機構は第2
可動型の空間内を移動自在に移動する入子を備え、金型
の離型時には入子が移動して、第2可動型の凹部に溜ま
る余剰の離型剤を金型面の外部へと排出する連通路が凹
部内に露出する。この連通路の露出により、離型剤が連
通路を介して金型面の外部へと排出できる。これによっ
て、凹部内には余剰な離型剤が溜まらず、鋳込み時等に
離型剤が製品に混入されることがなくなり、安定した製
品が得られる金型装置となる。
【0036】この場合、金型の型締め時には、入子の一
方向の端面が金型面となるようにすれば、入子の端面を
金型の金属面の一部とし、安定した鋳造を行うことがで
きる。
【0037】また、第1可動型には一方向に延在する押
圧部材が固定され、離型時には入子を前記押圧部材によ
り押圧し、連通路が前記凹部内に露出するようにすれ
ば、離型剤時には入子が押圧部材により押圧されて、連
通路が凹部内に露出することによって、連通路から凹部
内に溜まる余剰の離型剤を簡単な構成により排出するこ
とが可能となり、凹部内に連通路を露出させることがで
きる。
【0038】更に、入子と第2可動型の間には付勢部材
が配設され、押圧部材の非押圧状態には、付勢部材の付
勢力により入子の端面が金型面となるようにすれば、型
締め時には入子と第2可動型の間に配設された付勢部材
による付勢力によって連通路は凹部内に露出しない状態
に保持され、入子の端面が金型の金属面の一部となり、
連通路から溶湯を逃がすことなく鋳造を行うことができ
る。
【0039】また、本発明によれば、固定型に対して第
1可動型および第2可動型を移動させ、この第2可動型
の移動に伴い、第2可動型の入子が移動して、連通路が
凹部から露出する。金型の金属面に離型剤が塗布された
後、凹部に溜まる余剰の離型剤を連通路を介して金型面
の外部に排出することができる。これによって、離型剤
塗布後に凹部内に溜まる余剰な離型剤を効率良く金型面
の外部に排出することができ、鋳込み時等に離型剤が製
品に混入されることがなくなり、余剰な離型剤の排出に
よって、安定した製品を得る方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における離型剤排出機構を
備えた金型装置の構成図であり、(a)は金型の型締め
時、(b)は金型の離型時を示す。
【図2】図1に示す第2可動型と押圧部材との関係を示
した要所部分拡大図であり、(a)は型締め時、(b)
は離型時を示す。
【図3】本発明の一実施形態における金型装置の工程図
である。
【符号の説明】
1 金型装置 2 固定型 3 可動型(第1可動型) 4 スライド中子(第2可動型) 2a,3a,4a,4b 金型面 4c 凹部 5 金型 6 摺動入子 6a 連通路 7 スプリング(付勢部材) 11 固定部材 13 シリンダ 14 ピン(押圧部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 17/20 B22D 17/20 D 17/22 17/22 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型と、該固定型に対して移動自在な
    第1可動型と、凹部を有し、前記固定型と前記第1可動
    型の間に配設されて一方向に移動自在な第2可動型とを
    有する金型と、 該金型により構成され、鋳造製品を成形する金型面に対
    し、離型剤を塗布する塗布装置と、 余剰の離型剤を前記金型面の外部へと排出する離型剤排
    出機構とを備えた金型装置において、 前記第2可動型は前記凹部に連通する空間を有し、前記
    離型剤排出機構は前記空間内に移動自在な入子を配設
    し、該入子は前記凹部に溜まる余剰の離型剤を前記金型
    面の外部へと排出する連通路を有し、前記金型の離型時
    に前記入子が移動して前記連通路が前記凹部内に露出す
    ることを特徴とする金型装置。
  2. 【請求項2】 前記金型の型締め時には、前記入子の前
    記一方向の端面が金型面となることを特徴とする請求項
    1に記載の金型装置。
  3. 【請求項3】 前記第1可動型には前記一方向に延在す
    る押圧部材が固定され、離型時には前記入子を前記押圧
    部材により押圧し、前記連通路が前記凹部内に露出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
  4. 【請求項4】 前記入子と前記第2可動型の間には付勢
    部材が配設され、前記押圧部材の非押圧状態には、前記
    付勢部材の付勢力により前記入子の前記端面が金型面と
    なることを特徴とする請求項3に記載の金型装置。
  5. 【請求項5】 前記塗布装置は、エアブロー機能を備え
    ることを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
  6. 【請求項6】 固定型と、該固定型に対して移動自在な
    第1可動型と、凹部および該凹部に連通する空間を有
    し、前記固定型と前記第1可動型の間に配設されて一方
    向に移動自在な第2可動型とを有する金型と、該金型に
    より構成され、鋳造製品を成形する金型面に対して離型
    剤を塗布する塗布装置と、前記空間内に移動自在に配設
    され、前記凹部に溜まる離型剤を前記金型面の外部に排
    出する連通路が形成された入子を有する離型剤排出機構
    とを備えた金型装置を用いて、 前記金型の離型時に、前記固定型に対して第1可動型を
    移動させ、前記第2可動型を一方向に移動させる工程
    と、 前記第2可動型の移動に伴い、前記入子が移動して、前
    記連通路が前記凹部から露出する工程と、 前記金属面に離型剤を塗布する工程と、 前記凹部に溜まる離型剤を前記連通路へと導いて前記金
    型面の外部に排出する工程と、から成ることを特徴とす
    る離型剤排出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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