JP2002336751A - 液体散布車の散布幅調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】道路幅に応じた各ノズル部からの液体の散布幅
を自動的に増減変更可能とし、散布幅の増減変更作業の
簡単化を図ることができる液体散布車の散布幅調整装置
を提供する。 【解決手段】車体上に搭載した液体貯留タンク内の液体
をタンク側送水管及びノズル側送水管４Ｎを介して散布
ノズル３より散布する液体散布車における液体の散布幅
を増減調整する散布幅調整装置として、散布ノズルの車
幅方向外側寄り２箇所のノズル部３２に、個々の散布量
を調整して液体の散布幅を増減させるように開閉自在に
切り換わる開閉バルブと、この各開閉バルブを個別に切
り換える電気コイル７とを設ける。各散布ノズルより散
布される液体の散布幅を道路幅に応じて増減させる際に
開閉バルブを自動的に切り換えるように電気コイルを制
御する制御装置８を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、路上に水などの液
体を散布する液体散布車においてその液体の散布幅を調
整するようにした散布幅調整装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、車体上に液体貯留タンクが搭載さ
れているとともに、この液体貯留タンクに車幅方向に延
びるノズル本体が送出管を介して連通され、その送出管
に設けられた散布ポンプの駆動によって、液体貯留タン
ク内の液体をノズル本体の車幅方向の所定位置に設けら
れた複数の散布ノズルより散布するようにした液体散布
車が提供されている。

【０００３】そして、このような液体散布車には、散布
ノズルより散布される液体の散布幅を調整する散布幅調
整装置が設けられている。この散布幅調整装置は、各散
布ノズルからの液体の散布量をそれぞれ個別に調整する
手動式のコックを備え、道路幅に応じて各散布ノズルか
らの液体の散布幅を増減する際に、この各コックによっ
て、各散布ノズルからの液体の散布量を増減調整した
り、車幅方向外側寄りの散布ノズルを開閉操作するなど
して、各散布ノズルより散布される液体を道路幅に応じ
た散水幅に調整することが行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
散布幅調整装置では、道路幅が増減する毎に、各散布ノ
ズルのコックを手動により個別に操作することにより液
体の散布量を調整して散布幅を増減調整しなければなら
ず、その作業が非常に煩わしいものであった。

【０００５】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、道路幅に応じた各散
布ノズルからの液体の散布幅を自動的に増減変更可能と
し、散布幅の増減変更作業の簡単化を図ることができる
液体散布車の散布幅調整装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明が講じた解決手段は、車体上に液体貯留タン
クが搭載され、この液体貯留タンク内の液体を送出管を
介して散布する液体散布車において、その液体の散布幅
を増減調整するようにした散布幅調整装置を前提とす
る。そして、上記送出管の下流端に、車幅方向に延びる
ノズル本体を取り付け、このノズル本体に、車幅方向の
所定位置に複数の散布ノズルを設ける。さらに、上記各
散布ノズルに、該各散布ノズルより散布される個々の散
布量を調整して液体の散布幅を増減させるように切り換
わる切換手段と、この切換手段を切り換えるアクチュエ
ータとを設けるとともに、各散布ノズルより散布される
液体の散布幅を道路幅に応じて増減させる際に切換手段
を自動的に切り換えるように上記アクチュエータを制御
する制御手段を設ける構成としたものである。

【０００７】この特定事項により、各散布ノズルより散
布される液体の散布幅を道路幅に応じて増減させる際
に、切換手段を自動的に切り換えるようにアクチュエー
タが制御手段によって制御されているので、各散布ノズ
ルからの液体の散布幅を増減変更する際にそれぞれコッ
クなどを個別に手動操作する煩わしさから解放され、道
路幅に応じた各散布ノズルからの液体の散布幅の増減変
更作業の簡単化を図ることが可能となる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【０００９】図１は、液体散布車の概略の全体構成を示
している。

【００１０】図１において、１は液体散布車であって、
この液体散布車１の車体上に液体貯留タンク２が搭載さ
れるとともに、例えば車体の前部もしくは後部、又はそ
の両方の適所に散布ノズル３が配置されている。

【００１１】図２は、液体散布車１に搭載される散布装
置の配管系を示している。

【００１２】図２において、液体貯留タンク２は、送出
管としての送水管４を通じて散布ノズル３に連通されて
いる。具体的には、送水管４は、タンク側送水管４Ｔ
と、ノズル側送水管４Ｎとからなり、このタンク側送水
管４Ｔの一端部とノズル側送水管４Ｎの一端部とが制御
バルブ５を介して連結されている。上記タンク側送水管
４Ｔの他端部は液体貯留タンク２の底部に連結されてい
る一方、ノズル側送水管４Ｎの他端部は散布ノズル３の
車幅方向に延びる本体部３１の中央位置に連結されてい
る。

【００１３】上記制御バルブ５は、その開度が可変自在
に構成されており、例えばバタフライバルブが用いられ
ている。この制御バルブ５は、送水管４（タンク側送水
管４Ｔおよびノズル側送水管４Ｎ）内を流通する液体の
流通量を調整するようになされている。

【００１４】散水ノズル３は、その本体部３１（ノズル
本体）に複数のノズル部３２，…が設けられており、上
記制御バルブ５により制御されて送水管４より供給され
る液体を散布するようになされている。

【００１５】上記タンク側送水管４Ｔの上流部には散布
ポンプＰが設けられている。この散布ポンプＰは、車体
に搭載されたエンジンＥに動力取出機構（ＰＴＯ）を介
して連結されており、その駆動により液体貯留タンク２
内に貯留された水や凍結防止剤などの液体を散布ノズル
３に供給するようになされている。

【００１６】図３は、液体散布車１の制御系を示してい
る。また、図４は、開閉バルブの構造を示している。

【００１７】図３および図４において、６は車幅方向外
寄り２箇所の各ノズル部３２より散布される個々の散布
量を調整するように開閉自在に切り換わる切換手段とし
ての開閉バルブ（図４に表れる）、７は各開閉バルブ６
をそれぞれ個別に切り換えるアクチュエータとしての電
気コイルであって、電気コイル７は、制御装置８（図３
に表れる）からの指令信号に基づいて各開閉バルブ６を
自動的に開閉させて各ノズル部３２より散布される個々
の散布量を調整するようにしている。

【００１８】上記制御装置８には、道路幅の変更を指令
する道路幅変更スイッチ９からの切換信号が入力され
る。この道路幅変更スイッチ９は、散布作業中の作業者
が手動によって切換操作されるボリュームスイッチより
なる。そして、制御装置８では、道路幅変更スイッチ９
からの切換信号が入力されたときに、この切換信号に基
づいて各ノズル部３２の開閉バルブ６の切換制御を個々
に行い、これにより液体の散布幅制御を行う。

【００１９】液体の散布幅制御は、具体的には、散布作
業中に各ノズル部３２より散布される液体の散布幅を道
路幅に応じて増減させる際、つまり散布作業中に道路幅
の増減によって道路幅変更スイッチ９を作業者が手動で
操作した際に、この道路幅変更スイッチ９からの切換信
号に基づいて各ノズル部３２の車幅方向外寄り２箇所の
電気コイル７に指令信号を出力し、これによって各開閉
バルブ６を自動的に開閉させて各ノズル部３２より散布
される個々の散布量を調整して液体の散布幅を道路幅に
応じて増減させるように制御している。

【００２０】次に、このように構成された液体散布車１
による液体の散布幅制御の動作について説明する。

【００２１】まず、制御バルブ５を開放位置に切り換え
た状態で、散布ポンプＰを駆動させることで、液体貯留
タンク２に貯留された液体を送水管４（タンク側送水管
４Ｔおよびノズル側送水管４Ｎ）を通じて散布ノズル３
に供給し、この散布ノズル３の各ノズル部３２から液体
を散布する。

【００２２】そして、散布作業中に道路幅が増加する場
合には、作業者が道路幅変更スイッチ９を切換操作し、
この道路幅変更スイッチ９からの切換信号が制御装置８
に入力されると、この切換信号に基づいて車幅方向外側
寄り２箇所の各ノズル部３２の電気コイル７に指令信号
を出力し、これによって車幅方向外側寄り２箇所の各ノ
ズル部３２に対応する各開閉バルブ６を自動的に開放さ
せ、該各ノズル部３２より液体を散布して液体の散布幅
を道路幅に応じて増大させるように制御する。

【００２３】一方、散布作業中に道路幅が減少する場合
には、作業者が道路幅変更スイッチ９を切換操作し、こ
の道路幅変更スイッチ９からの切換信号が制御装置８に
入力されると、この切換信号に基づいて車幅方向外側寄
り２箇所の各ノズル部３２の電気コイル７に指令信号を
出力し、これによって車幅方向外側寄り２箇所の各ノズ
ル部３２に対応する各開閉バルブ６を自動的に閉塞さ
せ、該各ノズル部３２からの液体の散布を中止して液体
の散布幅を道路幅に応じて減少させるように制御してい
る。

【００２４】このように、本実施形態では、散布ノズル
３の各ノズル部３２より散布される液体の散布幅を道路
幅に応じて増減させる際に、車幅方向外側寄り２箇所の
各ノズル部３２の各開閉バルブ６を自動的に切り換える
ように電気コイル７が制御装置８によって制御されてい
るので、各ノズル部３２からの液体の散布幅を増減変更
する際にそれぞれコックなどを個別に手動操作する煩わ
しさから解放され、道路幅に応じたノズル部３２からの
液体の散布幅の増減変更作業の簡単化を図ることができ
る。

【００２５】しかも、散布ノズル３の車幅方向外側寄り
２箇所の各ノズル部３２の開閉バルブ６のみを電気コイ
ル７によって切換制御するように構成されているので、
必要最小限のノズル部３２のみを制御して散布幅が増減
変更でき、構造のシンプル化を図ることができるととも
に、コストアップを可及的に抑えることもできる。

【００２６】（他の実施の形態）本発明は、上記実施形
態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包
含している。例えば、上記実施形態では、車幅方向外側
寄り２箇所のノズル部３２に開閉自在に切り換わる開閉
バルブ６を設け、この各開閉バルブ６を電気コイル７に
よってそれぞれ個別に開閉させるようにしたが、図５に
示すように、ノズル部３２に開度調整可能な開度調整バ
ルブ（図示せず）を設け、この各開度調整バルブがエア
シリンダなどのアクチュエータ１１によってそれぞれ個
別に開度調整されるように構成されていてもよい。この
場合、道路幅変更スイッチ９からの切換信号が入力され
たときに、この切換信号に基づいて各ノズル部３２の開
度調整バルブの切換制御を個々に行い、これによって各
ノズル部３２より散布される個々の散布量を調整して液
体の散布幅を道路幅に応じて増減させるように制御され
る。

【００２７】また、上記実施形態では、液体の散布幅を
車幅方向外側寄り２箇所のノズル部３２のみを開閉切換
して増減変更するようにしたが、車幅方向で最も外側寄
りの１箇所のノズル部または、車幅方向外側寄り３箇所
以上のノズル部をそれぞれ開閉切換して液体の散布幅が
増減変更されるようにしてもよい。たとえば、各ノズル
部が、車幅方向中央寄りの４つのノズル部のグループ
と、左側寄りの３つのノズル部のグループと、右側寄り
の３つのノズル部のグループとに分けられ、各グループ
のノズル部の開閉バルブが電気コイルによってグループ
毎に開閉するようにそれぞれ専用のトグルスイッチが設
けられていてもよい。この場合、道路幅の増減に応じて
中央のグループの各ノズル部による液体の散布に対し左
右のグループの各ノズル部による液体の散布を付加また
は停止させることで、道路幅に応じた液体の散布幅の増
減変更が簡単に行えることになる。

【００２８】さらに、上記実施形態では、道路幅変更ス
イッチ９をボリュームスイッチにより構成したが、トグ
ルスイッチまたはプッシュ式のＯＮ／ＯＦＦスイッチで
あってもよい。

【００２９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明における液体
散布車の散布幅調整装置によれば、散布ノズルからの液
体の散布幅を道路幅に応じて増減させる際に、切換手段
を自動的に切り換えるようにアクチュエータを制御する
ことで、コックなどを手動操作する煩わしさをなくし
て、道路幅に応じた各散布ノズルからの液体の散布幅の
増減変更作業の簡単化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係わる散布幅調整装置を備
えた液体散布車の概略の全体構成を示す側面図である。

【図２】液体散布車の全体の配管系を示す図である。

【図３】散布幅調整装置の制御系を示す図である。

【図４】開閉バルブの構造を示すノズル部付近の断面図
である。

【図５】他の実施形態に係わる散布幅調整装置の制御系
を示す図である。

【符号の説明】

１ 液体散布車 ２ 液体貯留タンク ４ 送水管（送出管） ３ 散布ノズル ３１ ノズル本体（本体部） ３２ ノズル部（散布ノズル） ６ 開閉バルブ（切換手段） ７ 電気コイル（アクチュエータ） ８ 制御装置（制御手段） １１ アクチュエータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体上に液体貯留タンクが搭載され、こ
   の液体貯留タンク内の液体を送出管を介して散布する液
   体散布車において、その液体の散布幅を増減調整するよ
   うにした散布幅調整装置であって、 上記送出管の下流端には、車幅方向に延びるノズル本体
   が取り付けられ、 このノズル本体には、車幅方向の所定位置に複数の散布
   ノズルが設けられており、 上記各散布ノズルには、該各散布ノズルより散布される
   個々の散布量を調整して液体の散布幅を増減させるよう
   に切り換わる切換手段と、この切換手段を切り換えるア
   クチュエータとが設けられているとともに、 各散布ノズルより散布される液体の散布幅を道路幅に応
   じて増減させる際に切換手段を自動的に切り換えるよう
   に上記アクチュエータを制御する制御手段が設けられて
   いることを特徴とする液体散布車の散布幅調整装置。