JP2002336684A - 複合壁膜化マイクロカプセル及びその製造方法並びにそれを用いた画像記録シート - Google Patents
複合壁膜化マイクロカプセル及びその製造方法並びにそれを用いた画像記録シートInfo
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- JP2002336684A JP2002336684A JP2001145495A JP2001145495A JP2002336684A JP 2002336684 A JP2002336684 A JP 2002336684A JP 2001145495 A JP2001145495 A JP 2001145495A JP 2001145495 A JP2001145495 A JP 2001145495A JP 2002336684 A JP2002336684 A JP 2002336684A
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Abstract
(57)【要約】
均一で欠陥がなく且つ厚い外壁膜を有し、更に外壁膜形
成時にその外壁膜材が単体で析出しない複合壁膜化マイ
クロカプセルを提供する。 【課題】 【解決手段】 耐熱性合成樹脂製内壁膜上に、(イ) 酸性
又はアルカリ性の分散媒に溶解又は分散可能であるとと
もに、(ロ) 上記分散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜
の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物
からなる外壁膜を形成する方法。
成時にその外壁膜材が単体で析出しない複合壁膜化マイ
クロカプセルを提供する。 【課題】 【解決手段】 耐熱性合成樹脂製内壁膜上に、(イ) 酸性
又はアルカリ性の分散媒に溶解又は分散可能であるとと
もに、(ロ) 上記分散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜
の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物
からなる外壁膜を形成する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製内壁膜
と非結晶性有機化合物製外壁膜とからなる複合壁膜化マ
イクロカプセルに関し、均一で欠陥がなく、かつ厚い外
壁膜を有し、更に外壁膜形成時にその外壁膜材が単体で
析出しない複合壁膜化マイクロカプセル、及びこれを用
いた画像記録シートに関する。
と非結晶性有機化合物製外壁膜とからなる複合壁膜化マ
イクロカプセルに関し、均一で欠陥がなく、かつ厚い外
壁膜を有し、更に外壁膜形成時にその外壁膜材が単体で
析出しない複合壁膜化マイクロカプセル、及びこれを用
いた画像記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら高解像度の記録方式として、感圧感熱記録方式が提案
されている。感圧感熱記録方式は、色材を封入したマイ
クロカプセルを塗布した記録紙を、サーマルヘッドで加
熱・加圧することにより、マイクロカプセルを破壊して
記録紙に色材を定着させ画像を形成する方法である。
ら高解像度の記録方式として、感圧感熱記録方式が提案
されている。感圧感熱記録方式は、色材を封入したマイ
クロカプセルを塗布した記録紙を、サーマルヘッドで加
熱・加圧することにより、マイクロカプセルを破壊して
記録紙に色材を定着させ画像を形成する方法である。
【0003】最近では、感圧感熱記録方式をカラー画像
形成システムに適用した例が報告されており、例えば、
特開平11-170692号には、図1に示すように、各色ごと
のマイクロカプセルの破壊温度・破壊圧力領域が重複し
ないよう設計されたシアン、マゼンダ、イエロー等複数
の色に対応したマイクロカプセルを用い、各色ごとに選
択的に加圧と加熱とを制御することにより、高精度のフ
ルカラー画像を形成する方法が開示されている。
形成システムに適用した例が報告されており、例えば、
特開平11-170692号には、図1に示すように、各色ごと
のマイクロカプセルの破壊温度・破壊圧力領域が重複し
ないよう設計されたシアン、マゼンダ、イエロー等複数
の色に対応したマイクロカプセルを用い、各色ごとに選
択的に加圧と加熱とを制御することにより、高精度のフ
ルカラー画像を形成する方法が開示されている。
【0004】このような用途においては、図2に示すよ
うに合成樹脂壁膜12を有するマイクロカプセルの表層
に、適当な融点を有するとともに、耐圧性及び耐溶剤性
に優れた外壁膜13を形成してマイクロカプセルを複合壁
膜化する方法が有効である。すなわち、融点が異なる外
壁材の種類を選択することにより融点を制御でき、また
内壁の膜厚の制御により破壊圧力を制御することができ
る。このような外壁膜を形成することができる材料とし
ては、加熱すると融解するが、冷却すると固化する性質
を有するワックス類が用いられている。
うに合成樹脂壁膜12を有するマイクロカプセルの表層
に、適当な融点を有するとともに、耐圧性及び耐溶剤性
に優れた外壁膜13を形成してマイクロカプセルを複合壁
膜化する方法が有効である。すなわち、融点が異なる外
壁材の種類を選択することにより融点を制御でき、また
内壁の膜厚の制御により破壊圧力を制御することができ
る。このような外壁膜を形成することができる材料とし
ては、加熱すると融解するが、冷却すると固化する性質
を有するワックス類が用いられている。
【0005】カプセル表面にワックス外壁膜を形成して
複合壁膜化する方法としては、相分離法(融解分散冷却
法)が一般的である。相分離法によれば、まず溶媒中に
ワックスを分散させ、ワックスの融点以上に加熱すると
ともによく撹拌してワックスエマルジョンとした後、こ
れにマイクロカプセルを投入して溶解したワックスを集
め、徐々に冷却することによりマイクロカプセルの周囲
にワックスを沈積させて、外壁膜を形成する。
複合壁膜化する方法としては、相分離法(融解分散冷却
法)が一般的である。相分離法によれば、まず溶媒中に
ワックスを分散させ、ワックスの融点以上に加熱すると
ともによく撹拌してワックスエマルジョンとした後、こ
れにマイクロカプセルを投入して溶解したワックスを集
め、徐々に冷却することによりマイクロカプセルの周囲
にワックスを沈積させて、外壁膜を形成する。
【0006】しかしながら、従来の相分離法では、カプ
セル壁材とワックスとの親和性が高くないため得られる
ワックス外壁膜が均質でなく、部分的にしかワックスが
沈積されなかったり、カプセル表面にワックスが角状に
析出することを、本発明者らは実験により確認した。す
なわち、感圧感熱記録においては、所定の温度で正確に
ワックス外壁を融解させるためにワックスが均質に被覆
されている必要があるが、従来技術では、ワックス析出
時に微妙な温度調節を行っても均一な複合壁膜が得られ
ないというのが実情であった。またこのため厚い外壁膜
を得ることが困難であり、充分な温度特性が得られなか
った。
セル壁材とワックスとの親和性が高くないため得られる
ワックス外壁膜が均質でなく、部分的にしかワックスが
沈積されなかったり、カプセル表面にワックスが角状に
析出することを、本発明者らは実験により確認した。す
なわち、感圧感熱記録においては、所定の温度で正確に
ワックス外壁を融解させるためにワックスが均質に被覆
されている必要があるが、従来技術では、ワックス析出
時に微妙な温度調節を行っても均一な複合壁膜が得られ
ないというのが実情であった。またこのため厚い外壁膜
を得ることが困難であり、充分な温度特性が得られなか
った。
【0007】そこで、本発明者らは、マイクロカプセル
が所定のpHの分散媒中で帯びる電荷符号と反対の極性の
電荷符号を該分散媒中で帯びる結晶性有機化合物を用
い、上記結晶性有機化合物を溶解させた分散液のpHを上
記結晶性有機化合物の析出pH範囲になるように調整する
ことにより、上記分散液中のマイクロカプセル表面上に
上記結晶性有機化合物を電気的引力により誘引させ、更
に析出させ外壁膜を形成する方法を試みた。しかし、こ
の方法は外壁膜の厚膜化は可能になる一方、外壁膜形成
時に外壁膜材である上記結晶性有機化合物が単体で析出
してしまい、その除去が困難であるという問題があっ
た。
が所定のpHの分散媒中で帯びる電荷符号と反対の極性の
電荷符号を該分散媒中で帯びる結晶性有機化合物を用
い、上記結晶性有機化合物を溶解させた分散液のpHを上
記結晶性有機化合物の析出pH範囲になるように調整する
ことにより、上記分散液中のマイクロカプセル表面上に
上記結晶性有機化合物を電気的引力により誘引させ、更
に析出させ外壁膜を形成する方法を試みた。しかし、こ
の方法は外壁膜の厚膜化は可能になる一方、外壁膜形成
時に外壁膜材である上記結晶性有機化合物が単体で析出
してしまい、その除去が困難であるという問題があっ
た。
【0008】従って本発明の目的は、上記従来技術の欠
点を解消し、均一で欠陥がなくかつ厚い外壁膜を有し、
更に外壁膜形成時にその外壁膜材(外壁膜を形成する化
合物を指す。以下同様。)が単体で析出しない複合壁膜
化マイクロカプセルを提供することである。
点を解消し、均一で欠陥がなくかつ厚い外壁膜を有し、
更に外壁膜形成時にその外壁膜材(外壁膜を形成する化
合物を指す。以下同様。)が単体で析出しない複合壁膜
化マイクロカプセルを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、合成樹脂製内壁膜上に(イ) 酸性
又はアルカリ性の分散媒に溶解又は分散可能であるとと
もに、(ロ) 上記分散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜
の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物
からなる外壁膜を形成することにより、上記問題を解決
できることを見出し、本発明に想到した。
の結果、本発明者らは、合成樹脂製内壁膜上に(イ) 酸性
又はアルカリ性の分散媒に溶解又は分散可能であるとと
もに、(ロ) 上記分散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜
の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物
からなる外壁膜を形成することにより、上記問題を解決
できることを見出し、本発明に想到した。
【0010】すなわち、本発明の複合壁膜化マイクロカ
プセルは、酸性又はアルカリ性の分散媒への溶解又は分
散時に上記内壁膜の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非
結晶性有機化合物からなる外壁膜を有することを特徴と
する。
プセルは、酸性又はアルカリ性の分散媒への溶解又は分
散時に上記内壁膜の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非
結晶性有機化合物からなる外壁膜を有することを特徴と
する。
【0011】また本発明の複合壁膜化マイクロカプセル
の製造方法は、(1) 酸性又はアルカリ性分散媒中で上記
内壁膜と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物
を上記分散媒に溶解又は分散させ、(2) 合成樹脂製内壁
膜からなるマイクロカプセルを上記分散媒に分散させ、
(3) 上記分散媒のpHを調整することにより、上記非結晶
性有機化合物を上記内壁膜上に析出させて上記外壁膜を
形成することを特徴とする。
の製造方法は、(1) 酸性又はアルカリ性分散媒中で上記
内壁膜と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物
を上記分散媒に溶解又は分散させ、(2) 合成樹脂製内壁
膜からなるマイクロカプセルを上記分散媒に分散させ、
(3) 上記分散媒のpHを調整することにより、上記非結晶
性有機化合物を上記内壁膜上に析出させて上記外壁膜を
形成することを特徴とする。
【0012】アルカリ性分散媒中で負電荷を帯びる上記
非結晶性有機化合物は一般式(I):
非結晶性有機化合物は一般式(I):
【化2】 (ただし、nは4〜6の整数を示す。)により表される
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
の重縮合物と4-ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物、ポ
リパラビニルフェノール、アルギン酸、イソブチレン無
水マレイン酸コポリマー及びテトラキス[メチレン-3-
(3,5-ジターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プ
ロピオネート]メタンからなる群から選ばれた少なくと
も一種であるのが好ましい。
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
の重縮合物と4-ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物、ポ
リパラビニルフェノール、アルギン酸、イソブチレン無
水マレイン酸コポリマー及びテトラキス[メチレン-3-
(3,5-ジターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プ
ロピオネート]メタンからなる群から選ばれた少なくと
も一種であるのが好ましい。
【0013】酸性又はアルカリ性分散媒中で正電荷を帯
びる上記内壁膜用の合成樹脂は、メラミン−ホルムアル
デヒドポリマー及び/又は尿素−ホルムアルデヒドポリ
マーからなるのが好ましい。
びる上記内壁膜用の合成樹脂は、メラミン−ホルムアル
デヒドポリマー及び/又は尿素−ホルムアルデヒドポリ
マーからなるのが好ましい。
【0014】本発明によれば、酸性又はアルカリ性の分
散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜の電荷と反対の極
性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物を用いて外壁膜を
形成するため、電気的引力が利用でき、均一で欠陥がな
く且つ容易に厚い外壁膜が得られる。更に、外壁膜形成
時における外壁膜材単体での析出を伴わずに複合壁膜化
マイクロカプセルを製造することができる。
散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜の電荷と反対の極
性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物を用いて外壁膜を
形成するため、電気的引力が利用でき、均一で欠陥がな
く且つ容易に厚い外壁膜が得られる。更に、外壁膜形成
時における外壁膜材単体での析出を伴わずに複合壁膜化
マイクロカプセルを製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】[1] 複合壁膜化マイクロカプセル 本発明の複合壁膜化マイクロカプセルは、合成樹脂製内
壁膜上に酸性又はアルカリ性の分散媒への溶解又は分散
時に上記内壁膜の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結
晶性有機化合物からなる外壁膜を形成してなる。以下、
複合壁膜化マイクロカプセル及びそれを用いた画像記録
シートについて詳細に説明する。
壁膜上に酸性又はアルカリ性の分散媒への溶解又は分散
時に上記内壁膜の電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結
晶性有機化合物からなる外壁膜を形成してなる。以下、
複合壁膜化マイクロカプセル及びそれを用いた画像記録
シートについて詳細に説明する。
【0016】(A) 内壁膜からなるマイクロカプセル 複合壁膜化マイクロカプセルの内壁膜からなるマイクロ
カプセル(以後「核マイクロカプセル」とする)は、合
成樹脂からなる壁膜を有し、使用前の保管もしくは輸送
中に生じる加圧あるいは加熱においては破壊せず、内容
物を十分に保持できるが、所定の圧力以上に加圧すると
破壊され、内部に包含している色材(インク、発色剤
等)を放出し得るものが好ましい。
カプセル(以後「核マイクロカプセル」とする)は、合
成樹脂からなる壁膜を有し、使用前の保管もしくは輸送
中に生じる加圧あるいは加熱においては破壊せず、内容
物を十分に保持できるが、所定の圧力以上に加圧すると
破壊され、内部に包含している色材(インク、発色剤
等)を放出し得るものが好ましい。
【0017】上記核マイクロカプセルの壁膜(以後、核
マイクロカプセルの壁膜を「内壁膜」と呼ぶ)を構成す
る合成樹脂は、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂のど
ちらでもよく、例としてメラミン−ホルムアルデヒドポ
リマー、尿素−ホルムアルデヒドポリマー、ポリ尿素、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステ
ル、含ハロゲン高分子等を挙げることができる。好まし
くは、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、尿素−ホ
ルムアルデヒドポリマー、及びその両方から成るポリマ
ー、並びに含ハロゲン高分子である。合成樹脂から成る
壁膜を有するマイクロカプセルは公知のin situ法、界
面重合法、コアセルベーション法等により形成すること
ができる。
マイクロカプセルの壁膜を「内壁膜」と呼ぶ)を構成す
る合成樹脂は、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂のど
ちらでもよく、例としてメラミン−ホルムアルデヒドポ
リマー、尿素−ホルムアルデヒドポリマー、ポリ尿素、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステ
ル、含ハロゲン高分子等を挙げることができる。好まし
くは、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、尿素−ホ
ルムアルデヒドポリマー、及びその両方から成るポリマ
ー、並びに含ハロゲン高分子である。合成樹脂から成る
壁膜を有するマイクロカプセルは公知のin situ法、界
面重合法、コアセルベーション法等により形成すること
ができる。
【0018】例えばメラミン−ホルムアルデヒドポリマ
ーからなる核マイクロカプセルを作成する場合、水に可
溶性のメラミン−ホルマリンプレポリマーを用いる。色
材を溶解したオイルを保護コロイド水溶液中に乳化分散
したO/Wエマルジョンに、このプレポリマー水溶液を
加えて弱酸性領域(pH3〜6)で加熱撹拌するとO/W
界面に高分子が沈着してマイクロカプセルが得られる。
尚、保護コロイドとしては、メラミン−ホルムアルデヒ
ドポリマーの重縮合反応を促進する酸触媒としての機能
を有するもの(例えば、スチレンスルホン酸系ポリマ
ー、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、エチレンと
無水マレイン酸の共重合体、アラビアゴム、ポリアクリ
ル酸等)を用いることができる。
ーからなる核マイクロカプセルを作成する場合、水に可
溶性のメラミン−ホルマリンプレポリマーを用いる。色
材を溶解したオイルを保護コロイド水溶液中に乳化分散
したO/Wエマルジョンに、このプレポリマー水溶液を
加えて弱酸性領域(pH3〜6)で加熱撹拌するとO/W
界面に高分子が沈着してマイクロカプセルが得られる。
尚、保護コロイドとしては、メラミン−ホルムアルデヒ
ドポリマーの重縮合反応を促進する酸触媒としての機能
を有するもの(例えば、スチレンスルホン酸系ポリマ
ー、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、エチレンと
無水マレイン酸の共重合体、アラビアゴム、ポリアクリ
ル酸等)を用いることができる。
【0019】上記核マイクロカプセルの粒径は、0.1〜1
00μm好ましくは1〜20μmの範囲であることが、均一な
外壁膜を形成できるため好ましい。また上記核マイクロ
カプセルの形状に特に制限はないが、球形及び楕円形が
好ましい。
00μm好ましくは1〜20μmの範囲であることが、均一な
外壁膜を形成できるため好ましい。また上記核マイクロ
カプセルの形状に特に制限はないが、球形及び楕円形が
好ましい。
【0020】(B) 核マイクロカプセルの複合壁膜化 本発明の複合壁膜化マイクロカプセルの外壁膜の形成
は、核マイクロカプセルの電荷の符号と反対の符号の電
荷を帯びる非結晶性有機化合物を用い、互いの電気的引
力を利用することを基本とする。
は、核マイクロカプセルの電荷の符号と反対の符号の電
荷を帯びる非結晶性有機化合物を用い、互いの電気的引
力を利用することを基本とする。
【0021】マイクロカプセルの電気的性質は、その壁
膜を構成する高分子の末端基の性質、芯物質が電解質溶
液である場合にはその電解質がカチオンかアニオンか、
該電解質溶液の濃度、内壁膜及び外壁膜の膜厚、マイク
ロカプセルを分散させる分散媒のイオン強度等により影
響を受ける。従って、所定のpHの分散媒中における核マ
イクロカプセルの電荷の符号を予め調べておくのが好ま
しい。これには例えば、所定のpHの分散媒中における核
マイクロカプセルの表面電位を測定すればよい。表面電
位は上記分散媒中での核マイクロカプセルの電気泳動速
度の測定から求めることができる。
膜を構成する高分子の末端基の性質、芯物質が電解質溶
液である場合にはその電解質がカチオンかアニオンか、
該電解質溶液の濃度、内壁膜及び外壁膜の膜厚、マイク
ロカプセルを分散させる分散媒のイオン強度等により影
響を受ける。従って、所定のpHの分散媒中における核マ
イクロカプセルの電荷の符号を予め調べておくのが好ま
しい。これには例えば、所定のpHの分散媒中における核
マイクロカプセルの表面電位を測定すればよい。表面電
位は上記分散媒中での核マイクロカプセルの電気泳動速
度の測定から求めることができる。
【0022】以下、本発明の複合壁膜化マイクロカプセ
ル及びそれを用いた画像記録シートについて詳細に説明
する。本発明の複合壁膜化マイクロカプセルの製造方法
は、(1) 核マイクロカプセルの電荷を調べる工程、(2)
非結晶性有機化合物を核マイクロカプセル表面に析出
させる工程、(3) 洗浄、濾過及び乾燥する工程とからな
る。
ル及びそれを用いた画像記録シートについて詳細に説明
する。本発明の複合壁膜化マイクロカプセルの製造方法
は、(1) 核マイクロカプセルの電荷を調べる工程、(2)
非結晶性有機化合物を核マイクロカプセル表面に析出
させる工程、(3) 洗浄、濾過及び乾燥する工程とからな
る。
【0023】なお本発明で使用する非結晶性有機化合物
とは、DSC等の熱分析を行った場合に、明確な融点を示
さない無定形化合物を言い、結晶状態をとりえないか、
結晶化しても結晶性が極めて低いものを言う。すなわ
ち、非結晶性有機化合物は、結晶性有機化合物の性質
(分子の立体規則性及び分子の対称性が良く、測鎖が小
さく、枝分かれが無く、分子間凝集力が大きい等の諸条
件)の一部又は全部を有しない有機化合物である。また
非結晶性ポリマー又は非結晶性の単体化合物のどちらで
もよい。
とは、DSC等の熱分析を行った場合に、明確な融点を示
さない無定形化合物を言い、結晶状態をとりえないか、
結晶化しても結晶性が極めて低いものを言う。すなわ
ち、非結晶性有機化合物は、結晶性有機化合物の性質
(分子の立体規則性及び分子の対称性が良く、測鎖が小
さく、枝分かれが無く、分子間凝集力が大きい等の諸条
件)の一部又は全部を有しない有機化合物である。また
非結晶性ポリマー又は非結晶性の単体化合物のどちらで
もよい。
【0024】外壁膜材として非結晶性有機化合物を用い
ることにより、外壁膜形成時に外壁膜材が析出すること
がなく、その析出物を除去する必要がない。また非結晶
性有機化合物からなる外壁膜は、結晶性有機化合物から
なる外壁膜と硬度は同等で、しかも可撓性に優れている
ため、輸送中等に生じる加圧において破壊しにくく、内
容物の保持性に優れている。
ることにより、外壁膜形成時に外壁膜材が析出すること
がなく、その析出物を除去する必要がない。また非結晶
性有機化合物からなる外壁膜は、結晶性有機化合物から
なる外壁膜と硬度は同等で、しかも可撓性に優れている
ため、輸送中等に生じる加圧において破壊しにくく、内
容物の保持性に優れている。
【0025】(1) 核マイクロカプセルの電荷を調べる工
程 まず所定pHの分散媒中における核マイクロカプセルの電
荷の符号を調べる。これには上述のように上記分散媒中
での核マイクロカプセルの電気泳動速度の測定から表面
電位を求めるのが好ましい。また複合壁膜化に際し、上
記(A)の方法等で得た核マイクロカプセルは、予め十分
に洗浄してカプセル表面に析出した染料等を除去してお
くのが好ましい。
程 まず所定pHの分散媒中における核マイクロカプセルの電
荷の符号を調べる。これには上述のように上記分散媒中
での核マイクロカプセルの電気泳動速度の測定から表面
電位を求めるのが好ましい。また複合壁膜化に際し、上
記(A)の方法等で得た核マイクロカプセルは、予め十分
に洗浄してカプセル表面に析出した染料等を除去してお
くのが好ましい。
【0026】(2) 非結晶性有機化合物を核マイクロカプ
セル表面に析出させる工程 (a) 核マイクロカプセルの電荷が正の場合 上記(1)の方法で測定した結果、酸性又はアルカリ性分
散媒中における核マイクロカプセルが正電荷を帯びるも
のとしては、例えば、上記(A)の方法で得たメラミン−
ホルムアルデヒドポリマー及び尿素−ホルムアルデヒド
ポリマーからなる核マイクロカプセルを挙げることがで
きる。このような核マイクロカプセルに対しては、酸性
又はアルカリ性分散媒中で溶解・解離して負電荷を帯び
る非結晶性有機化合物(以下非結晶性有機化合物(A)と
いう。)により外壁膜を形成することができる。
セル表面に析出させる工程 (a) 核マイクロカプセルの電荷が正の場合 上記(1)の方法で測定した結果、酸性又はアルカリ性分
散媒中における核マイクロカプセルが正電荷を帯びるも
のとしては、例えば、上記(A)の方法で得たメラミン−
ホルムアルデヒドポリマー及び尿素−ホルムアルデヒド
ポリマーからなる核マイクロカプセルを挙げることがで
きる。このような核マイクロカプセルに対しては、酸性
又はアルカリ性分散媒中で溶解・解離して負電荷を帯び
る非結晶性有機化合物(以下非結晶性有機化合物(A)と
いう。)により外壁膜を形成することができる。
【0027】酸性又はアルカリ性分散媒中で解離して負
電荷を帯びる非結晶性有機化合物(A)を用いることによ
り、分散液をpH調整すると電気的引力により核マイクロ
カプセル表面が該非結晶性有機化合物(A)により被覆さ
れ、更に非結晶性有機化合物(A)を析出させて外壁膜を
形成することができ、その結果外壁膜を厚くすることが
できる。
電荷を帯びる非結晶性有機化合物(A)を用いることによ
り、分散液をpH調整すると電気的引力により核マイクロ
カプセル表面が該非結晶性有機化合物(A)により被覆さ
れ、更に非結晶性有機化合物(A)を析出させて外壁膜を
形成することができ、その結果外壁膜を厚くすることが
できる。
【0028】非結晶性有機化合物(A)は、融点が100 〜3
00℃の範囲であるのが好ましい。このような非結晶性有
機化合物(A)のうちアルカリ性分散媒中で解離して負電
荷を帯びるものとしてはフェノール性水酸基、カルボキ
シル基、スルホン酸基等を有する。例えば一般式
(I):
00℃の範囲であるのが好ましい。このような非結晶性有
機化合物(A)のうちアルカリ性分散媒中で解離して負電
荷を帯びるものとしてはフェノール性水酸基、カルボキ
シル基、スルホン酸基等を有する。例えば一般式
(I):
【化3】 (ただし、nは4〜6の整数を示す。)により表される
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
の重縮合物と4-ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物(商
品例K-5(旭電化工業(株)製)等)、ポリパラビニル
フェノール(商品例マルカリンカーPHMC(丸善石油化学
(株)製)等)、アルギン酸、イソブチレン無水マレイ
ン酸コポリマー、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジター
シャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネー
ト]メタン等を挙げることができる。これらの化合物は
顕色作用も有するため好ましい。
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
の重縮合物と4-ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物(商
品例K-5(旭電化工業(株)製)等)、ポリパラビニル
フェノール(商品例マルカリンカーPHMC(丸善石油化学
(株)製)等)、アルギン酸、イソブチレン無水マレイ
ン酸コポリマー、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジター
シャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネー
ト]メタン等を挙げることができる。これらの化合物は
顕色作用も有するため好ましい。
【0029】以下、アルカリ性分散媒中で解離して負電
荷を帯びる非結晶性有機化合物(A)を用いて外壁膜を形
成する例を説明する。
荷を帯びる非結晶性有機化合物(A)を用いて外壁膜を形
成する例を説明する。
【0030】上記の非結晶性有機化合物(A)は、予めそ
の析出pHを調べておくのが好ましい。例えば表1にその
例を示す。
の析出pHを調べておくのが好ましい。例えば表1にその
例を示す。
【0031】
【表1】
【0032】次に、融点等を考慮した結果選択された上
記非結晶性有機化合物(A)の析出pHよりも高いpHのアル
カリ性分散媒を調製する。上記アルカリ性分散媒は、正
電荷を帯びる核マイクロカプセル1重量部に対して2 〜
100重量部用いるのが好ましい。得られたアルカリ性分
散媒に上記選定された非結晶性有機化合物(A)を溶解さ
せる。上記溶解操作は、上記非結晶性有機化合物(A)を
上記核マイクロカプセル100重量部に対して1 〜250重
量部用いるのが好ましい。
記非結晶性有機化合物(A)の析出pHよりも高いpHのアル
カリ性分散媒を調製する。上記アルカリ性分散媒は、正
電荷を帯びる核マイクロカプセル1重量部に対して2 〜
100重量部用いるのが好ましい。得られたアルカリ性分
散媒に上記選定された非結晶性有機化合物(A)を溶解さ
せる。上記溶解操作は、上記非結晶性有機化合物(A)を
上記核マイクロカプセル100重量部に対して1 〜250重
量部用いるのが好ましい。
【0033】次いで上記核マイクロカプセルを上記分散
媒に分散させる。この時、15 〜30℃及び撹拌速度 50
〜800rpmで10 〜60分間撹拌するのが好ましい。以上の
工程により核マイクロカプセルと非結晶性有機化合物
(A)が十分分散した分散液が得られる。
媒に分散させる。この時、15 〜30℃及び撹拌速度 50
〜800rpmで10 〜60分間撹拌するのが好ましい。以上の
工程により核マイクロカプセルと非結晶性有機化合物
(A)が十分分散した分散液が得られる。
【0034】得られた分散液のpHを上記非結晶性有機化
合物(A)の析出pH範囲になるように調整することによ
り、上記分散液中の核マイクロカプセル表面に非結晶性
有機化合物(A)を電気的引力により誘引させ、更に非結
晶性有機化合物(A)を析出させて外壁膜を形成する。こ
の時、調整したpHにおいて上記溶解操作と同様の温度及
び撹拌速度で0.5 〜5時間撹拌するのが好ましい。この
後、更にpHを7付近(pH6〜8)まで調整しつつ0.5 〜
5時間撹拌するのが好ましい。上記条件により均一で欠
陥がなくかつ厚い外壁膜が得られる。上記非結晶性有機
化合物(A)が、上記核マイクロカプセル100重量部に対し
て1重量部未満だと析出が遅く、250重量部超だと外壁
膜が均一になり難い。また撹拌速度は50rpm未満だと外
壁膜が均一になり難く、800rpm超だと析出が遅くなる上
に核マイクロカプセルの破壊が起こる恐れがある。各非
結晶性有機化合物(A)の析出pH例を表1に示す。
合物(A)の析出pH範囲になるように調整することによ
り、上記分散液中の核マイクロカプセル表面に非結晶性
有機化合物(A)を電気的引力により誘引させ、更に非結
晶性有機化合物(A)を析出させて外壁膜を形成する。こ
の時、調整したpHにおいて上記溶解操作と同様の温度及
び撹拌速度で0.5 〜5時間撹拌するのが好ましい。この
後、更にpHを7付近(pH6〜8)まで調整しつつ0.5 〜
5時間撹拌するのが好ましい。上記条件により均一で欠
陥がなくかつ厚い外壁膜が得られる。上記非結晶性有機
化合物(A)が、上記核マイクロカプセル100重量部に対し
て1重量部未満だと析出が遅く、250重量部超だと外壁
膜が均一になり難い。また撹拌速度は50rpm未満だと外
壁膜が均一になり難く、800rpm超だと析出が遅くなる上
に核マイクロカプセルの破壊が起こる恐れがある。各非
結晶性有機化合物(A)の析出pH例を表1に示す。
【0035】(b) 核マイクロカプセルの電荷が負の場合 上記(1)の方法で測定した結果、酸性又はアルカリ性分
散媒中における核マイクロカプセルが負電荷を帯びるも
のとしては、例えば壁膜が含ハロゲン高分子からなるも
のを挙げることができる。含ハロゲン高分子としては、
塩化ビニリデン及びアクリロニトリルからなる共重合体
等が挙げられる。該共重合体は、トリメタクリル酸トリ
メチロールプロパン等の一分子中に2個以上の炭素−炭
素二重結合を有する架橋性単量体により架橋されている
ものが好ましい。このような核マイクロカプセルに対し
ては、酸性又はアルカリ性分散媒中で溶解・解離して正
電荷を帯びる非結晶性有機化合物(B)により外壁膜を形
成する。
散媒中における核マイクロカプセルが負電荷を帯びるも
のとしては、例えば壁膜が含ハロゲン高分子からなるも
のを挙げることができる。含ハロゲン高分子としては、
塩化ビニリデン及びアクリロニトリルからなる共重合体
等が挙げられる。該共重合体は、トリメタクリル酸トリ
メチロールプロパン等の一分子中に2個以上の炭素−炭
素二重結合を有する架橋性単量体により架橋されている
ものが好ましい。このような核マイクロカプセルに対し
ては、酸性又はアルカリ性分散媒中で溶解・解離して正
電荷を帯びる非結晶性有機化合物(B)により外壁膜を形
成する。
【0036】上記非結晶性有機化合物(B)の融点に関す
る要件は前述の非結晶性有機化合物(A)の場合と同様で
ある。外壁膜形成工程を略述すると、核マイクロカプセ
ルと非結晶性有機化合物(B)が十分分散した分散液を調
製し、分散液のpHを上記非結晶性有機化合物(B)の析出p
H範囲になるように調整することにより、分散液中の核
マイクロカプセル表面上に上記非結晶性有機化合物(B)
を電気的引力により誘引させ、更に上記非結晶性有機化
合物(B)を析出させればよい。溶解・分散操作及び析出
操作の温度・撹拌条件は前述の非結晶性有機化合物(A)
の場合と同様でよい。
る要件は前述の非結晶性有機化合物(A)の場合と同様で
ある。外壁膜形成工程を略述すると、核マイクロカプセ
ルと非結晶性有機化合物(B)が十分分散した分散液を調
製し、分散液のpHを上記非結晶性有機化合物(B)の析出p
H範囲になるように調整することにより、分散液中の核
マイクロカプセル表面上に上記非結晶性有機化合物(B)
を電気的引力により誘引させ、更に上記非結晶性有機化
合物(B)を析出させればよい。溶解・分散操作及び析出
操作の温度・撹拌条件は前述の非結晶性有機化合物(A)
の場合と同様でよい。
【0037】非結晶性有機化合物(A)又は(B)で構成され
る外壁膜の厚さは、用途によって異なるが、通常0.01
〜3μmである。なお膜厚は該非結晶性有機化合物(A)
又は(B)の濃度、温度、撹拌速度、pH等により調節する
ことができる。効率的な操作のためには、該非結晶性有
機化合物(A) 又は(B)の濃度で調節するのが好ましい。
る外壁膜の厚さは、用途によって異なるが、通常0.01
〜3μmである。なお膜厚は該非結晶性有機化合物(A)
又は(B)の濃度、温度、撹拌速度、pH等により調節する
ことができる。効率的な操作のためには、該非結晶性有
機化合物(A) 又は(B)の濃度で調節するのが好ましい。
【0038】(c) 外壁膜の多層化 より外壁膜の厚膜化を図りたい場合は、多層化を行う。
多層外壁膜の形成工程を略述すれば、例えば核マイクロ
カプセルの電荷が正の場合、 酸性又はアルカリ性分
散媒中で負電荷を帯びる非結晶性有機化合物(A)を上記
分散媒に溶解又は分散させた後、上記核マイクロカプセ
ルを分散させることにより外壁膜用の第1の層を形成
し、次いで 上記分散媒のpHを調整することにより第
1の層が溶解又は分散しないようにするとともに、正電
荷を帯びる非結晶性有機化合物を溶解又は分散させるこ
とにより外壁膜用の第2の層を形成し、必要に応じて上
記工程及びを繰り返すことにより、第1の層と第2
の層とが交互に積層してなる多層外壁膜を形成すること
ができる。多層外壁膜の厚さは、用途によって異なる
が、通常0.01 〜3μmである。
多層外壁膜の形成工程を略述すれば、例えば核マイクロ
カプセルの電荷が正の場合、 酸性又はアルカリ性分
散媒中で負電荷を帯びる非結晶性有機化合物(A)を上記
分散媒に溶解又は分散させた後、上記核マイクロカプセ
ルを分散させることにより外壁膜用の第1の層を形成
し、次いで 上記分散媒のpHを調整することにより第
1の層が溶解又は分散しないようにするとともに、正電
荷を帯びる非結晶性有機化合物を溶解又は分散させるこ
とにより外壁膜用の第2の層を形成し、必要に応じて上
記工程及びを繰り返すことにより、第1の層と第2
の層とが交互に積層してなる多層外壁膜を形成すること
ができる。多層外壁膜の厚さは、用途によって異なる
が、通常0.01 〜3μmである。
【0039】(3) 洗浄、濾過及び乾燥する工程 上述の(2)(a)〜(c)のいずれかの工程で得られた複合壁
膜化マイクロカプセルを濾過により分散液中から分離
し、イオン交換水又はアルコール等により洗浄する。洗
浄後に、自然乾燥又は乾燥機等により十分乾燥するのが
好ましい。なお洗浄や乾燥の程度は、要求される複合壁
膜化マイクロカプセルの品質により適宜調節する。
膜化マイクロカプセルを濾過により分散液中から分離
し、イオン交換水又はアルコール等により洗浄する。洗
浄後に、自然乾燥又は乾燥機等により十分乾燥するのが
好ましい。なお洗浄や乾燥の程度は、要求される複合壁
膜化マイクロカプセルの品質により適宜調節する。
【0040】[2] 画像記録シート 本発明の画像記録シートは、支持体上に、本発明の複合
壁膜化マイクロカプセル、バインダー樹脂の他、カプセ
ル内部の色材(例えばロイコ染料)と反応して発色させ
る顕色剤、増感剤、反応加速剤等各種添加剤を含有する
塗工液を塗布して少なくとも一層以上の発色層を形成す
ることにより製造する。
壁膜化マイクロカプセル、バインダー樹脂の他、カプセ
ル内部の色材(例えばロイコ染料)と反応して発色させ
る顕色剤、増感剤、反応加速剤等各種添加剤を含有する
塗工液を塗布して少なくとも一層以上の発色層を形成す
ることにより製造する。
【0041】支持体としては、通常の感熱紙に用いられ
る紙支持体はいずれも使用することができる他、プラス
チックフィルムラミネート紙、合成紙、プラスチックフ
ィルムなどを使用することができる。支持体のカールバ
ランスを補正するため、あるいは、裏面からの耐薬品性
を向上させる目的で、バックコート層を設けてもよく、
また裏面に接着剤層を介して剥離紙を組み合わせてラベ
ルの形態にしてもよい。
る紙支持体はいずれも使用することができる他、プラス
チックフィルムラミネート紙、合成紙、プラスチックフ
ィルムなどを使用することができる。支持体のカールバ
ランスを補正するため、あるいは、裏面からの耐薬品性
を向上させる目的で、バックコート層を設けてもよく、
また裏面に接着剤層を介して剥離紙を組み合わせてラベ
ルの形態にしてもよい。
【0042】顕色剤、増感剤等は常温では固形物なの
で、通常、ボールミル、アトライザー、サンドグライン
ダーなどの磨砕機あるいは適当な乳化装置により微粒化
された後、塗工液に添加する。
で、通常、ボールミル、アトライザー、サンドグライン
ダーなどの磨砕機あるいは適当な乳化装置により微粒化
された後、塗工液に添加する。
【0043】塗工液を塗布に適した濃度に調製した後、
周知のアプリケータ法、バーコーター法、ロールコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、ダイコーティング
法、リップコーティング法、エアナイフコーティング法
等を用いて、支持体上に塗布する。塗布量は、固形物の
乾燥重量で0.5〜20重量部/m2とする。
周知のアプリケータ法、バーコーター法、ロールコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、ダイコーティング
法、リップコーティング法、エアナイフコーティング法
等を用いて、支持体上に塗布する。塗布量は、固形物の
乾燥重量で0.5〜20重量部/m2とする。
【0044】本発明の画像記録シートの発色層を所望の
画像パターンに応じて選択的に加熱して所定温度以上に
上昇させると共に、発色層を加圧することによって、複
合壁膜化マイクロカプセル壁膜を変形させて内部の色材
を放出することにより、シート上に画像を形成できる。
画像パターンに応じて選択的に加熱して所定温度以上に
上昇させると共に、発色層を加圧することによって、複
合壁膜化マイクロカプセル壁膜を変形させて内部の色材
を放出することにより、シート上に画像を形成できる。
【0045】本発明の画像記録シートを用いて、カラー
画像記録を行うことも可能である。複数種類の色材を、
色別に破壊圧力の異なる複合壁膜化マイクロカプセルに
封入し、さらに色別に融点の異なる非結晶性有機化合物
で複合壁膜化することにより、各複合壁膜化マイクロカ
プセルが色毎に異なる温度・圧力で変形して内部の色材
を放出するよう構成する。支持体上に複数色のカプセル
を含む発色層を形成してシート化し、発色層を特定の色
のカプセルのみが変形して内部の色材を放出するよう色
別に異なった温度及び異なった圧力で選択的に加熱・加
圧すればよい。
画像記録を行うことも可能である。複数種類の色材を、
色別に破壊圧力の異なる複合壁膜化マイクロカプセルに
封入し、さらに色別に融点の異なる非結晶性有機化合物
で複合壁膜化することにより、各複合壁膜化マイクロカ
プセルが色毎に異なる温度・圧力で変形して内部の色材
を放出するよう構成する。支持体上に複数色のカプセル
を含む発色層を形成してシート化し、発色層を特定の色
のカプセルのみが変形して内部の色材を放出するよう色
別に異なった温度及び異なった圧力で選択的に加熱・加
圧すればよい。
【0046】従って、例えばシアン、マゼンダ、イエロ
ーの色材をそれぞれ含む複合壁膜化マイクロカプセルを
用いて発色層を構成した場合、ある色(例えばシアン)
に対応する温度と圧力でカプセル層を加熱・加圧する
と、その色(シアン)のカプセルは潰れて色材が出る
が、他の色(例えばマゼンダ、イエロー)は潰れない。
従って、色別に順次(例えばシアン、マゼンダ、イエロ
ーの順で)所定の温度・圧力で加熱・加圧すれば、簡単
にかつ高速でカラー画像を形成することができる。
ーの色材をそれぞれ含む複合壁膜化マイクロカプセルを
用いて発色層を構成した場合、ある色(例えばシアン)
に対応する温度と圧力でカプセル層を加熱・加圧する
と、その色(シアン)のカプセルは潰れて色材が出る
が、他の色(例えばマゼンダ、イエロー)は潰れない。
従って、色別に順次(例えばシアン、マゼンダ、イエロ
ーの順で)所定の温度・圧力で加熱・加圧すれば、簡単
にかつ高速でカラー画像を形成することができる。
【0047】例えば図1に示すようにシアン、マゼン
ダ、イエローからなる複合壁膜化マイクロカプセルを同
時に加熱・加圧したとしても、温度・圧力が領域Aの場
合には、シアンの複合壁膜化マイクロカプセルは潰れる
がマゼンダとイエローの複合壁膜化マイクロカプセルは
潰れない。同様に、領域Bでは、マゼンダの複合壁膜化
マイクロカプセルは潰れるがシアンとイエローの複合壁
膜化マイクロカプセルは潰れない。また領域Cでは、イ
エローの複合壁膜化マイクロカプセルは潰れるがシアン
とマゼンダの複合壁膜化マイクロカプセルは潰れない。
このように領域AからCの間で温度・圧力を選択的に加
えることによって、領域Aではシアンを発色させ、領域
Bではマゼンダを発色させ、領域Cではイエローを発色
させることができ、シアン、マゼンダ、イエローの各画
像を順次形成し、カラー画像を形成することが可能にな
る。
ダ、イエローからなる複合壁膜化マイクロカプセルを同
時に加熱・加圧したとしても、温度・圧力が領域Aの場
合には、シアンの複合壁膜化マイクロカプセルは潰れる
がマゼンダとイエローの複合壁膜化マイクロカプセルは
潰れない。同様に、領域Bでは、マゼンダの複合壁膜化
マイクロカプセルは潰れるがシアンとイエローの複合壁
膜化マイクロカプセルは潰れない。また領域Cでは、イ
エローの複合壁膜化マイクロカプセルは潰れるがシアン
とマゼンダの複合壁膜化マイクロカプセルは潰れない。
このように領域AからCの間で温度・圧力を選択的に加
えることによって、領域Aではシアンを発色させ、領域
Bではマゼンダを発色させ、領域Cではイエローを発色
させることができ、シアン、マゼンダ、イエローの各画
像を順次形成し、カラー画像を形成することが可能にな
る。
【0048】本発明の画像記録シートは、カプセルが均
一に複合壁膜化されているため、カプセル外壁膜で破壊
温度をコントロールし、カプセル内壁膜で破壊圧力をコ
ントロールすることが可能である。すなわち、温度と圧
力の2つのパラメーターに対しカプセルの破壊条件を正
確に制御できるため、各色ごとの複合壁膜化マイクロカ
プセルの破壊温度・破壊圧力領域(領域A〜C)が重複
しないよう設計することが容易となる。特に各色ごとの
複合壁膜化マイクロカプセルの外壁膜について、それぞ
れ融点の異なる樹脂を用いることにより破壊温度をより
正確に制御できるため、たとえ破壊圧力領域が隣接して
いても、異なる色の混入を防止することができる。
一に複合壁膜化されているため、カプセル外壁膜で破壊
温度をコントロールし、カプセル内壁膜で破壊圧力をコ
ントロールすることが可能である。すなわち、温度と圧
力の2つのパラメーターに対しカプセルの破壊条件を正
確に制御できるため、各色ごとの複合壁膜化マイクロカ
プセルの破壊温度・破壊圧力領域(領域A〜C)が重複
しないよう設計することが容易となる。特に各色ごとの
複合壁膜化マイクロカプセルの外壁膜について、それぞ
れ融点の異なる樹脂を用いることにより破壊温度をより
正確に制御できるため、たとえ破壊圧力領域が隣接して
いても、異なる色の混入を防止することができる。
【0049】本発明の画像記録シートは、ファクシミリ
用紙、プリンター用紙、ラベル、値札、切符などの各種
の用途に用いることができる。
用紙、プリンター用紙、ラベル、値札、切符などの各種
の用途に用いることができる。
【0050】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0051】実施例1 芯物質をCVL(クリスタルバイオレットラクトン)とし
て、in situ法により、メラミン樹脂/ユリア樹脂で覆
われた粒径5〜8μmの核マイクロカプセルを作成し
た。
て、in situ法により、メラミン樹脂/ユリア樹脂で覆
われた粒径5〜8μmの核マイクロカプセルを作成し
た。
【0052】(1) 電荷の符号を調べる工程 上記核マイクロカプセル5gを1Nの水酸化ナトリウム水
溶液100mlに分散した。この分散液を用い、25℃で核マ
イクロカプセルの電荷を調べたところ、正電荷であっ
た。
溶液100mlに分散した。この分散液を用い、25℃で核マ
イクロカプセルの電荷を調べたところ、正電荷であっ
た。
【0053】(2) 複合壁膜化マイクロカプセルの製造工
程 2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
の重縮合物と4-ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物(商
品名「K-5」(旭電化工業(株)製))3gを1Nの水酸化
ナトリウム水溶液に溶解し、全量を150mlとした(pH12.
2)。この溶液に上記核マイクロカプセル5gを加え、撹
拌翼を500rpmの回転数で回転させ、60分間25℃で良く分
散させた。続いて濃度10重量%のクエン酸水溶液により
pHを10.3に調整し、更に3時間撹拌した。更に濃度10重
量%のクエン酸水溶液を添加してpHを7まで調整するこ
とによりK-5を析出させ、外壁膜を形成した。その後、
濾紙(No.5B)を用いて、複合壁膜化マイクロカプセル
分散液を濾過し、複合壁膜化マイクロカプセルのみを分
離した。得られた複合壁膜化マイクロカプセルを精製水
により洗浄した後、室温で乾燥した。
程 2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
の重縮合物と4-ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物(商
品名「K-5」(旭電化工業(株)製))3gを1Nの水酸化
ナトリウム水溶液に溶解し、全量を150mlとした(pH12.
2)。この溶液に上記核マイクロカプセル5gを加え、撹
拌翼を500rpmの回転数で回転させ、60分間25℃で良く分
散させた。続いて濃度10重量%のクエン酸水溶液により
pHを10.3に調整し、更に3時間撹拌した。更に濃度10重
量%のクエン酸水溶液を添加してpHを7まで調整するこ
とによりK-5を析出させ、外壁膜を形成した。その後、
濾紙(No.5B)を用いて、複合壁膜化マイクロカプセル
分散液を濾過し、複合壁膜化マイクロカプセルのみを分
離した。得られた複合壁膜化マイクロカプセルを精製水
により洗浄した後、室温で乾燥した。
【0054】上記の方法で得た複合壁膜化マイクロカプ
セルについて、反射型顕微鏡を用いて1,000倍の倍率で
観察したところ、外壁膜の沈積状態には欠陥が無く、均
一に複合壁膜化していることが確認された。平均膜厚は
0.2μmであった。またK-5単体での析出はなく、異物は
観察されなかった。なお平均膜厚は外壁膜形成前後の平
均粒子径変化から求めた(以下同様)。
セルについて、反射型顕微鏡を用いて1,000倍の倍率で
観察したところ、外壁膜の沈積状態には欠陥が無く、均
一に複合壁膜化していることが確認された。平均膜厚は
0.2μmであった。またK-5単体での析出はなく、異物は
観察されなかった。なお平均膜厚は外壁膜形成前後の平
均粒子径変化から求めた(以下同様)。
【0055】実施例2 ポリパラビニルフェノール(商品名「マルカリンカーPH
MC」(丸善石油化学(株)製))3gを1Nの水酸化ナト
リウム水溶液に溶解し、全量を150mlとした(pH13.
8)。この溶液に実施例1と同じ核マイクロカプセル5g
を加え、溶解撹拌翼を500rpmの回転数で回転させ、60分
間25℃で良く分散させた。続いて濃度10重量%のクエン
酸水溶液によりpHを13.3に調整し、更に3時間撹拌し
た。更に濃度10重量%のクエン酸水溶液を添加してpHを
7まで調整することによりポリパラビニルフェノールを
析出させ、外壁膜を形成した。外壁膜が形成されたマイ
クロカプセルを実施例1と同様に濾過・洗浄した後乾燥
した。
MC」(丸善石油化学(株)製))3gを1Nの水酸化ナト
リウム水溶液に溶解し、全量を150mlとした(pH13.
8)。この溶液に実施例1と同じ核マイクロカプセル5g
を加え、溶解撹拌翼を500rpmの回転数で回転させ、60分
間25℃で良く分散させた。続いて濃度10重量%のクエン
酸水溶液によりpHを13.3に調整し、更に3時間撹拌し
た。更に濃度10重量%のクエン酸水溶液を添加してpHを
7まで調整することによりポリパラビニルフェノールを
析出させ、外壁膜を形成した。外壁膜が形成されたマイ
クロカプセルを実施例1と同様に濾過・洗浄した後乾燥
した。
【0056】上記の方法で得た複合壁膜化マイクロカプ
セルについて、反射型顕微鏡を用いて1,000倍の倍率で
観察したところ、外壁膜の沈積状態には欠陥が無く、均
一に複合壁膜化していることが確認された。平均膜厚は
0.2μmであった。またポリパラビニルフェノール単体で
の析出はなく、異物は観察されなかった。
セルについて、反射型顕微鏡を用いて1,000倍の倍率で
観察したところ、外壁膜の沈積状態には欠陥が無く、均
一に複合壁膜化していることが確認された。平均膜厚は
0.2μmであった。またポリパラビニルフェノール単体で
の析出はなく、異物は観察されなかった。
【0057】比較例1 ビスフェノールS3gを1Nの水酸化ナトリウム水溶液に溶
解し、全量を150mlとした(pH10)。この溶液に実施例
1と同じ核マイクロカプセル5gを加え、撹拌翼を500rp
mの回転数で回転させ、60分間25℃で良く分散させた。
続いて濃度10重量%のクエン酸水溶液によりpHを8.03に
調整し、更に3時間撹拌した。更に濃度10重量%のクエ
ン酸水溶液を添加してpHを7まで調整し、ビスフェノー
ルSを析出させ外壁膜を形成した。外壁膜が形成された
マイクロカプセルを実施例1と同様に濾過・洗浄した
後、室温で乾燥した。
解し、全量を150mlとした(pH10)。この溶液に実施例
1と同じ核マイクロカプセル5gを加え、撹拌翼を500rp
mの回転数で回転させ、60分間25℃で良く分散させた。
続いて濃度10重量%のクエン酸水溶液によりpHを8.03に
調整し、更に3時間撹拌した。更に濃度10重量%のクエ
ン酸水溶液を添加してpHを7まで調整し、ビスフェノー
ルSを析出させ外壁膜を形成した。外壁膜が形成された
マイクロカプセルを実施例1と同様に濾過・洗浄した
後、室温で乾燥した。
【0058】上記の方法で得た複合壁膜化マイクロカプ
セルについて、反射型顕微鏡を用いて1,000倍の倍率で
観察したところ、外壁膜の沈積状態には欠陥が無く、均
一に複合壁膜化していることが確認された。平均膜厚は
0.3μmであった。しかし、外壁膜を形成しなかったビス
フェノールSが単独の針状結晶として多量に析出した。
セルについて、反射型顕微鏡を用いて1,000倍の倍率で
観察したところ、外壁膜の沈積状態には欠陥が無く、均
一に複合壁膜化していることが確認された。平均膜厚は
0.3μmであった。しかし、外壁膜を形成しなかったビス
フェノールSが単独の針状結晶として多量に析出した。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の複合壁膜
化マイクロカプセルは、合成樹脂製内壁膜上に酸性又は
アルカリ性の分散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜の
電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物か
らなる外壁膜を形成したものであるため、均一で欠陥が
なくかつ厚膜化が容易な外壁膜を有している。更に、外
壁膜形成時にその外壁膜材単体による析出が無い。また
形成された外壁膜は適度な融点を有しかつ耐圧性に優れ
ている。
化マイクロカプセルは、合成樹脂製内壁膜上に酸性又は
アルカリ性の分散媒への溶解又は分散時に上記内壁膜の
電荷と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物か
らなる外壁膜を形成したものであるため、均一で欠陥が
なくかつ厚膜化が容易な外壁膜を有している。更に、外
壁膜形成時にその外壁膜材単体による析出が無い。また
形成された外壁膜は適度な融点を有しかつ耐圧性に優れ
ている。
【0060】本発明の複合壁膜化マイクロカプセルは、
外壁膜の融点以上に加熱され、かつ、合成樹脂内壁の破
壊圧力以上に加圧された場合にのみ破壊されるため、カ
プセルの破壊精度が要求される用途(感圧感熱記録等)
に極めて有用である。
外壁膜の融点以上に加熱され、かつ、合成樹脂内壁の破
壊圧力以上に加圧された場合にのみ破壊されるため、カ
プセルの破壊精度が要求される用途(感圧感熱記録等)
に極めて有用である。
【図1】 カプセルが潰れる圧力と温度との関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図2】 複合壁膜化マイクロカプセルの断面図であ
る。
る。
1・・・複合壁膜化マイクロカプセル 11・・・カラーホーマー溶液 12・・・合成樹脂壁膜 13・・・外壁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新保 和幸 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H026 AA07 FF05 4G005 AA01 AB03 BA03 BA07 BB15 DB27X DC13Y DC16Y DC41Y DD05Y DD27Y DD34Z DD35Z EA08
Claims (5)
- 【請求項1】 合成樹脂製内壁膜と非結晶性有機化合物
製外壁膜とからなる複合壁膜化マイクロカプセルであっ
て、前記非結晶性有機化合物は、(イ) 酸性又はアルカリ
性の分散媒に溶解又は分散可能であるとともに、(ロ) 前
記分散媒への溶解又は分散時に前記内壁膜の電荷と反対
の極性の電荷を帯びるものであることを特徴とする複合
壁膜化マイクロカプセル。 - 【請求項2】 請求項1に記載の複合壁膜化マイクロカ
プセルにおいて、アルカリ性分散媒中で負電荷を帯びる
前記非結晶性有機化合物は、一般式(I): 【化1】 (ただし、nは4〜6の整数を示す。)により表される
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
の重縮合物と4-ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物、ポ
リパラビニルフェノール、アルギン酸、イソブチレン無
水マレイン酸コポリマー及びテトラキス[メチレン-3-
(3,5-ジターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プ
ロピオネート]メタンからなる群から選ばれた少なくと
も一種であることを特徴とする複合壁膜化マイクロカプ
セル。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の複合壁膜化マイ
クロカプセルおいて、酸性又はアルカリ性分散媒中で正
電荷を帯びる前記内壁膜用の合成樹脂は、メラミン−ホ
ルムアルデヒドポリマー及び/又は尿素−ホルムアルデ
ヒドポリマーからなることを特徴とする複合壁膜化マイ
クロカプセル。 - 【請求項4】 合成樹脂製内壁膜と非結晶性有機化合物
製外壁膜とからなる複合壁膜化マイクロカプセルの製造
方法であって、(1) 酸性又はアルカリ性分散媒中で前記
内壁膜と反対の極性の電荷を帯びる非結晶性有機化合物
を前記分散媒に溶解又は分散させ、(2) 前記内壁膜から
なるマイクロカプセルを前記分散媒に分散させ、(3) 前
記分散媒のpHを調整することにより、前記非結晶性有機
化合物を前記内壁膜上に析出させて前記外壁膜を形成す
ることを特徴とする複合壁膜化マイクロカプセルの製造
方法。 - 【請求項5】 支持体及び少なくとも一層の発色層を有
する画像記録シートにおいて、前記発色層が請求項1〜
3のいずれかに記載の複合壁膜化マイクロカプセルを含
有することを特徴とする画像記録シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145495A JP2002336684A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 複合壁膜化マイクロカプセル及びその製造方法並びにそれを用いた画像記録シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145495A JP2002336684A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 複合壁膜化マイクロカプセル及びその製造方法並びにそれを用いた画像記録シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002336684A true JP2002336684A (ja) | 2002-11-26 |
Family
ID=18991299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001145495A Pending JP2002336684A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 複合壁膜化マイクロカプセル及びその製造方法並びにそれを用いた画像記録シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002336684A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108079915A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-05-29 | 湘潭大学 | 一种基于基材与壳材粒度双调控的微胶囊材料的制备方法及装置 |
-
2001
- 2001-05-15 JP JP2001145495A patent/JP2002336684A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108079915A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-05-29 | 湘潭大学 | 一种基于基材与壳材粒度双调控的微胶囊材料的制备方法及装置 |
CN108079915B (zh) * | 2018-01-31 | 2020-11-17 | 湘潭大学 | 一种基于基材与壳材粒度双调控的微胶囊材料的制备方法及装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20080430 |