JP2002335958A - コンドロイチナーゼ画分 - Google Patents

コンドロイチナーゼ画分

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JP2002335958A
JP2002335958A JP2001311626A JP2001311626A JP2002335958A JP 2002335958 A JP2002335958 A JP 2002335958A JP 2001311626 A JP2001311626 A JP 2001311626A JP 2001311626 A JP2001311626 A JP 2001311626A JP 2002335958 A JP2002335958 A JP 2002335958A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コンドロイチン硫酸リアーゼIIを、分析的に
検出できない程度にまで排除した超高純度コンドロイチ
ナーゼABC画分等を提供すること。 【解決手段】 以下の性質を有するコンドロイチナーゼ
ABC画分。コンドロイチン硫酸リアーゼII に対する
抗体を用いた免疫測定法で測定することにより、コンド
ロイチン硫酸リアーゼIIが検出されず、かつ高速液体ク
ロマトグラフィーによりコンドロイチン硫酸リアーゼII
のピークが検出されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高純度のコンド
ロイチナーゼABC画分、その製造方法、この製造方法
において用いることができるモノクローナル抗体、この
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株等に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンドロイチナーゼABC(以下、C-AB
Cという)は椎間板ヘルニア治療剤として利用できる可
能性がある(米国特許4,696,816号)。C-ABC は
プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)の菌体等の
培養物から抽出・精製することができ、これにより得ら
れた精製コンドロイチナーゼは安全性も高く十分医薬品
として利用できるものである。
【0003】しかし近年、プロテウス・ブルガリスには
C-ABC に物理化学的性質が類似した、いわゆる「コンド
ロイチン硫酸リアーゼII」(特開平10−26266
0;以下、リアーゼIIという)が存在することが明らか
となった。この酵素はC-ABC の精製画分にも極々微量に
含まれおり、安全性には問題ないものの、分析・品質管
理上、極力排除することが好ましい。一般に、精製ステ
ップを繰り返せば不純物の含量を減少させることができ
るが、その反面、精製物質の回収率減少は免れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、医薬品等に
用いられるC-ABCと物理化学的に類似しているコンドロ
イチナーゼ(リアーゼII)を、分析的に検出できない程度
にまで排除した超高純度C-ABC画分、およびこの画分を
簡便、迅速、かつ高収率で製造する方法等を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、C-ABCの超高純
度精製用の抗体を調製し、これを用いたユニークな方法
によって類似の酵素を全く検出できない程度にまで超高
純度に精製されたC-ABC画分を提供するに至り、本発明
を完成した。
【0006】すなわち本発明は、以下の性質を有するC-
ABC 画分(以下、本発明画分ともいう)を提供する。 (1)リアーゼII に対する抗体を用いた免疫測定法で測定
することにより、リアーゼII が検出されない。 (2)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、リ
アーゼII のピークが検出されない。
【0007】この画分は、プロテウス・ブルガリス(Pro
teus vulgaris)由来であるものが好ましく、以下の工程
を少なくとも含む製造工程により製造されるものがより
好ましい。 工程1:リアーゼII に対する抗体を結合させた固相
と、C-ABC とリアーゼII とを含有する液相とを接触さ
せ、リアーゼIIをリアーゼIIに対する抗体を結合させた
固相に結合させる工程。 工程2:固相と液相とを分離し、液相を回収する工程。
【0008】また本発明は、本発明画分からなる医薬
(以下、本発明医薬ともいう)を提供する。本発明医薬
は、椎間板ヘルニア処置剤であることが好ましい。
【0009】また本発明は、以下の工程を少なくとも含
む、本発明画分の製造方法(以下、本発明製造方法1と
もいう)を提供する。 工程1:リアーゼIIに対する抗体を結合させた固相と、
C-ABCとリアーゼIIとを含有する液相とを接触させ、リ
アーゼIIをリアーゼIIに対する抗体を結合させた固相に
結合させる工程。 工程2:固相と液相とを分離し、液相を回収する工程。
【0010】また本発明は、リアーゼII に対するモノ
クローナル抗体(以下、本発明抗体1ともいう)、C-AB
C に対するモノクローナル抗体(以下、本発明抗体2と
もいう)、本発明抗体1を産生するハイブリドーマ株
(以下、本発明細胞株1ともいう)および本発明抗体2
を産生するハイブリドーマ株(以下、本発明細胞株2と
もいう)を提供する。なお、本発明抗体1および2をま
とめて「本発明抗体」ともいう。同様に、本発明細胞株
1および2をまとめて「本発明細胞株」ともいう。
【0011】また本発明は、本発明抗体1を用いること
を特徴とする、リアーゼIIの測定方法(以下、本発明測
定方法1ともいう)、および本発明抗体2を用いること
を特徴とする、C-ABCの測定方法(以下、本発明測定方
法2ともいう)を提供する。なお、本発明測定方法1お
よび2をまとめて「本発明測定方法」ともいう。さらに
本発明は、本発明測定方法1によってリアーゼIIを検出
する工程を含む本発明画分の製造方法、および本発明測
定方法2によってC-ABCを検出する工程を含む本発明画
分の製造方法(以下、これらをまとめて本発明製造方法
2ともいう)を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】<1>本発明画分 本発明画分は、以下の性質を有する高純度C-ABC画分で
ある。 (1)リアーゼII に対する抗体を用いた免疫測定法で測定
することにより、リアーゼIIが検出されない。 (2)HPLCにより、リアーゼIIのピークが検出されな
い。
【0013】上記(1)で用いる免疫測定法は、後述す
る「本発明測定方法1」であることが好ましい。好まし
い具体例等を含めて、後述の「<5>本発明測定方法」
で説明する。
【0014】本発明画分は、このような免疫測定法で測
定してもリアーゼIIが検出されない点に特徴がある。こ
こで「検出されない」とは、上記測定において検出限界
以下であることを意味する。
【0015】また、ここで用いるHPLC法の条件等は
以下の通りである。 ・カラム担体:カルボキシメチル(CM)基を有する担体 ・カラムサイズ:7.5mmx7.5cm 直線濃度勾配(100% A溶液→50% B溶液)/15分 流速:1.0 mL/分 ・カラム温度:35 ℃ ・サンプルの注入量:100 μL 本発明画分は、このようなHPLCで分析することによ
っても、リアーゼIIのピークが検出されない点に特徴が
ある。また本発明画分は、医薬として混入が許されない
物質を実質的に含まないものが好ましく、また300ユニ
ット/mg蛋白以上の酵素活性を有する画分であることが
好ましい。より具体的には、300ユニット/mg蛋白以上の
比活性を有し、エンドトキシンを実質的に含まず、核
酸、プロテアーゼ含量が検出限界以下である画分が特に
好ましい。なお、本明細書においてC-ABCの「1ユニッ
ト(1U)」とは、pH8.0、37℃で、1分間にコンドロイチ
ン硫酸Cから1マイクロモルの不飽和二糖を遊離させる
酵素量を意味する。
【0016】本発明画分は、上記の特徴を有している限
りにおいて如何なる製造方法で製造されるものであって
もよいが、後述する本発明製造方法1によって製造され
るものが好ましい。
【0017】また本発明画分は如何なる生物資源に由来
するものであってもよいが、本発明製造方法1ではプロ
テウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)に由来する液相
を用いることが好ましいことから、本発明画分もプロテ
ウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)に由来するものが
好ましい。
【0018】<2>本発明医薬 本発明医薬は、本発明画分からなる医薬である。本発明
医薬の用途は特に限定されないが、C-ABCの椎間板ヘル
ニア治療剤としての利用可能性が強く示唆されてきてい
ることから(米国特許4,696,816号)、椎間板ヘ
ルニア処置剤としての用途が好ましい。
【0019】椎間板ヘルニア処置剤は、椎間板ヘルニア
の処置に用いられる限りにおいてその具体的用途は限定
されないが、例えば椎間板ヘルニアの治療目的に使用す
ることができ、注射剤としてヘルニア症の哺乳動物、好
ましくはヒトの椎間板に注入し、髄核を溶解して治療す
る椎間板溶解療法に用いることができる。
【0020】本発明医薬の投与量は、投与対象動物の種
類、性別、年齢、週齢、病態の種類、病態進行程度等に
よって個別的に設定されるべきものであり、特に限定さ
れないが、C-ABC量として1回0.1〜100ユニット程度を
注入することができる。
【0021】本発明医薬の形態も用途等によって適宜設
定されるものであるが、例えば椎間板ヘルニア処置剤と
して用いる場合には、溶液状、凍結状、または凍結乾燥
状のいずれであっても良い。これをアンプル、バイア
ル、注射用シリンジ等の適当な容器に充填・密封し、注
射剤とすることができる。
【0022】本発明医薬の製剤化は、公知の方法を用い
ることができる。また製剤化にあたり、C-ABC自体の活
性等に悪影響を与えず、かつC-ABCの作用に悪影響を与
えない限りにおいて、他の医薬活性成分や、慣用の賦形
剤、安定化剤、結合剤、乳化剤、浸透圧調整剤、緩衝
剤、等張化剤、保存剤、無痛化剤、着色剤等、通常医薬
に用いられる成分を使用できる。
【0023】なお、公知のC-ABC画分の安全性・有用性
等については既に知られており、本発明ではさらにリア
ーゼIIをも実質的に含有しないものであるから、極めて
安全性が高いと推定される。
【0024】<3>本発明製造方法1 本発明製造方法1は、以下の工程を少なくとも含む、本
発明画分の製造方法である。 工程1:本発明抗体1(後述)を結合させた固相と、C-
ABCとリアーゼIIとを含有する液相とを接触させ、リア
ーゼIIを本発明抗体1に結合させる工程。 工程2:固相と液相とを分離し、液相を回収する工程。
【0025】本発明抗体1の固相への結合は公知の方法
により行うことができる。例えば、本発明抗体1を直接
固相に共有結合させてもよく、生物学的アフィニティー
を利用して結合させてもよく、生物学的アフィニティー
を利用して結合した本発明抗体と固相とをさらに架橋剤
等により共有結合させてもよい。固相としてはゲル、ビ
ーズ、メンブレン等が例示される。
【0026】固相への共有結合は、例えば市販のカップ
リングゲル(例えば、CNBr-活性化ゲル、N-ヒドロキシス
クシイミド活性化ゲル、エポキシ活性化ゲル、マレイミ
ド活性化ゲル等)等を用いて行うことができる。また生
物学的アフィニティーを利用した結合は、抗体のFc部分
を特異的に認識するリガンドが結合した固相、例えばプ
ロテインAやプロテインG等のリガンドが結合した固相
を用いて行うことができる。このような固相に本発明抗
体1をアフィニティー結合させ、さらにジメチルピメリ
ミデート(DMP)、ジイソチオシアノスチルベンジスルホ
ン酸ナトリウム(DIDS)、マレイミドブチリルオキシスク
シンイミド(GMBS)、マレイミドカプロイルオキシスクシ
ンイミド(EMCS)、グルタルアルデヒド等の二価架橋剤を
作用させ、本発明抗体1とリガンドとを共有結合させて
もよい。また、抗体のFc部分に存在する糖鎖を酸化しア
ルデヒド化した後、ヒドラジンのリガンドを有するゲル
と共有結合させることによって固相化することもでき
る。
【0027】このように調製された固相(本発明抗体1
が結合した固相)に、C-ABCとリアーゼIIとを含有する液
相を接触させることにより、当該液相中に存在するリア
ーゼIIが固相の本発明抗体1に結合し、固相と液相を分
離することにより液相中のリアーゼIIを除去することが
できる。固相に接触させる液相(C-ABCとリアーゼIIを含
有する)の由来等は特に限定されないが、例えばプロテ
ウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)の菌体等の培養物
等に由来する液相であることが好ましい。プロテウス・
ブルガリスは、C-ABCの大量製造に極めて有用である
が、同時にリアーゼIIも産生する。よってプロテウス・
ブルガリスからリアーゼIIを実質的に含まないC-ABC画
分を大量に製造する際には、本発明製造方法が極めて有
用である。なお本発明において「プロテウス・ブルガリ
ス由来」とは、必ずしもプロテウス・ブルガリスの培養
物等のみを意味するものではなく、プロテウス・ブルガ
リスのC-ABC遺伝子を用いて創製した同菌以外の組換え
生物体由来のものであっても、リアーゼIIが混在する限
り包含される。
【0028】前記固相に接触させる液相としてプロテウ
ス・ブルガリス由来の液相を用いる場合には、極力高純
度に精製されたものであることが好ましい。具体的に
は、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により単一の
バンドを示し、HPLC(ゲル濾過およびカチオン交換)
においても単一のピークを示し、エンドトキシンを実質
的に含まず、核酸およびプロテアーゼ含量が検出限界以
下であり、結晶化しうるものであり、比活性が300U/mg
以上に精製されたC-ABCを含有する液相が好ましい。こ
のような液相は、例えば特開平6―153947号公報
に記載されている方法で製造することができる。この液
相自体も安全性が高く、十分医薬品として利用できるも
のであるが、さらに本発明製造方法に付すことによりリ
アーゼIIを実質的に完全に除去することができ、医薬品
の分析や品質管理をより容易かつ完全なものとすること
ができる。
【0029】固相と液相との接触方法は、固相に結合し
た本発明抗体1の分子と、液相中のリアーゼII分子とが
接触して、該分子が固相に捕捉される限りにおいて特に
限定されず、バッチ法、カラム法のいずれをも用いるこ
とができる。このような方法で固相と液相とを接触させ
ると、液相中のリアーゼIIのみが固相に結合した本発明
抗体1に結合する。その後、固相と液相とを分離して液
相を回収することにより、本発明画分を得ることができ
る。
【0030】固相と液相との分離は通常の固液分離手段
により行うことができる。例えば、固相と液相との接触
をバッチ法により行った場合には、固相を沈殿、遠心、
濾過等することにより分離、除去することができる。固
相と液相の接触をカラム法により行った場合には、カラ
ムから溶出してくる液相を回収するだけでよいことか
ら、簡便・迅速に操作することができる。この点で、固
相と液相との接触は、カラム法により行うことが好まし
い。このようにして得られた液相をさらに本発明製造方
法に付してもよく、これによって、リアーゼII除去の確
実性・完全性を期することができる。
【0031】<4>本発明細胞株、本発明抗体 本発明抗体は、リアーゼIIに対するモノクローナル抗体
(本発明抗体1)およびC-ABCに対するモノクローナル
抗体(本発明抗体2)である。また本発明細胞株は、本
発明抗体1を産生するハイブリドーマ株(本発明細胞株
1)、および本発明抗体2を産生するハイブリドーマ株
(本発明細胞株2)である。
【0032】本発明抗体は、モノクローナル抗体の公知
の調製方法(Kohler and Milstein,Nature 256, p495-49
7(1975))により調製することができる。具体的には以
下の方法で行うことができる。抗原を、マウス、ラッ
ト、モルモット、ハムスター等の被免疫動物の腹腔内、
皮下あるいは足蹠(footpad)に投与する。ここで、本発
明細胞株1を取得するためには「抗原」としてリアーゼ
IIを用い、本発明細胞株2を取得するためには「抗原」
としてC-ABCを用いる。
【0033】その後、脾臓又は膝窩リンパ節を摘出し、
これらから採取した抗体産生細胞と腫瘍細胞株であるミ
エローマ細胞とを細胞融合させてハイブリドーマを樹立
する。
【0034】細胞融合に用いる細胞としては、脾細胞以
外にリンパ節細胞および末梢血中のリンパ細胞等を用い
ることもできる。ミエローマ細胞株は、抗体産生細胞と
異種のものに比べ、同種のものが望ましく、安定な抗体
産生ハイブリドーマを得ることができる。
【0035】得られたハイブリドーマを連続増殖させ、
このハイブリドーマの中から、リアーゼIIに特異的に反
応しC-ABCには反応しない抗体を継続的に産生する細胞
株、あるいはC-ABCに特異的に反応しリアーゼIIには反
応しない抗体を継続的に産生する細胞株を選別する。前
者の選別を繰り返すことによって本発明細胞株1が、後
者の選別を繰り返すことによって本発明細胞株2がそれ
ぞれ得られる。
【0036】本発明細胞株1としてはK15G11(G
2)が好ましい。また本発明細胞株2としては7B11
Aが好ましい。これらの細胞株は、本発明抗体1および
本発明抗体2を産生するハイブリドーマ株として本発明
者により確立されたものであり、平成12年9月26日
に、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に、
それぞれFERM P−18054およびFERM P
−18055の受託番号で寄託されている。
【0037】本発明抗体1は、本発明細胞株1を適当な
培地中で培養し、その培養上清から採取することによっ
て製造することができる。また同様に、本発明抗体2は
本発明細胞株2の培養上清から採取することによって製
造することができる。またマウスの腹腔などの生体内に
て本発明細胞株を培養し、腹水などを採取することによ
っても本発明抗体を製造することもできる。
【0038】本発明抗体は、硫酸ナトリウム、硫酸アン
モニウム等による塩析、低温アルコール沈殿およびポリ
エチレングリコールまたは等電点による選択的沈殿分別
法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、プロ
テインAやプロテインG等を用いたアフィニティークロ
マトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラ
フィー、抗原を固相化した免疫吸着クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過法、超遠心法等によって精製することもで
きる。
【0039】本発明抗体1は、リアーゼIIに対するモノ
クローナル抗体であり、本発明抗体2はC-ABCに対する
モノクローナル抗体である。本発明抗体1はリアーゼII
に特異的に反応し、C-ABCには反応しないものであるこ
とが好ましく、本発明抗体2は、C-ABCに特異的に反応
し、リアーゼIIには反応しないものであることが好まし
い。
【0040】本発明抗体はそのまま使用することもでき
るが、抗原との特異的結合能を有する限りにおいてフラ
グメント化したものを使用することもできる。例えば、
本発明抗体の抗原結合部位(Fab)分解しないプロテアー
ゼ(例えばプラスミン、ペプシン、パパイン等)で処理し
て得られるFabを含むフラグメントとしてもよい。また
本発明抗体をコードする遺伝子の塩基配列もしくは抗体
のアミノ酸配列が決定されれば、遺伝子工学的に本発明
抗体のFabを含むフラグメントやキメラ抗体(例えば本発
明抗体のFab部分を含むキメラ抗体等)を作製することが
でき、このようなフラグメントやキメラ抗体も、本発明
抗体に包含される。
【0041】本発明抗体のクラスは特に限定されない
が、IgGであるものが好ましく、IgG1であるものがより
好ましい。またL鎖のタイプも限定されないが、κ型で
あるものが好ましい。
【0042】本発明抗体1としては結合定数(Kd)が 7.4
x 10−8 M 以下であるものが好ましく、本発明抗体2
としては結合定数(Kd)が 1.6 x 10−7 M 以下であるも
のが好ましい。結合定数(Kd)は、L. Djavadi-Ohaniance
et al. (1996) In AntibodyEngineering B.D. Hames
(Ed) pp.77-96 Oxford University Press, New Yorkに
記載された方法で測定することができる。
【0043】このような本発明抗体1としては、前記K
15G11(G2)から選ばれるハイブリドーマ株が産生
するものが好ましい。また本発明抗体2としては、前記
7B11Aのハイブリドーマ株が産生するものが好まし
い。
【0044】<5>本発明測定方法 本発明測定方法は、本発明抗体1を用いることを特徴と
するリアーゼIIの測定方法(本発明測定方法1)、およ
び本発明抗体2を用いることを特徴とする、C-ABCの測
定方法(本発明測定方法2)である。ここでいう「測
定」という概念には、単に目的物質の量を測定すること
のみならず、目的物質の存否(有無)を判定ないし検定
することも包含される。
【0045】本発明抗体1はリアーゼIIに反応するモノ
クローナル抗体であり、本発明抗体2はC-ABCに反応す
るモノクローナル抗体である。本発明測定方法は、この
ような本発明抗体の性質を、リアーゼIIの測定およびC-
ABCの測定に応用したものである。
【0046】本発明測定方法は、本発明抗体を用いた免
疫測定法により行うことができ、酵素やビオチン等で標
識した抗体を用いる酵素免疫測定法、ラジオアイソトー
プで標識した抗体を用いる放射線免疫測定法、蛍光標識
した抗体を用いる蛍光抗体法等、通常の免疫測定の手法
を用いることができる。これらの物質による本発明抗体
の標識は、直接的であっても間接的であってもよい。
【0047】ここで用いる免疫測定法は、直接抗体法、
間接抗体法、競合法、二抗体サンドイッチ法等が利用で
きるが、目的物質の検出特異性を高めるためには二抗体
サンドイッチ法を用いることが好ましい。
【0048】また、免疫測定法に用いる固相としては、
マイクロタイターウェル、アガロース粒子、ラテックス
粒子、ビーズ、チューブ、メンブレンなどを用いること
ができる。目的等に応じて適宜選択できるが、多くのサ
ンプルを同時に検定する場合には、マイクロタイターウ
ェルを用いることが好ましい。
【0049】以下に、本発明測定方法の具体例を「本発
明測定方法1」を例に挙げて説明する。以下に示す方法
は、本発明測定方法1の特に好ましい具体例であるとと
もに、前記した「本発明画分」の性質を調べるための好
ましい免疫測定法の具体例でもある。 (1)抗リアーゼIIポリクローナル抗体を、マイクロタイ
ターウェルに固相化する。なお抗リアーゼIIポリクロー
ナル抗体の製造方法は、後述の実施例で説明する。 (2)このマイクロタイターウェルに検定する画分を入れ
てインキュベートする(リアーゼIIを、固相化した抗リ
アーゼIIポリクローナル抗体に結合させる)。 (3)洗浄後、ビオチン標識した本発明抗体1を入れてイ
ンキュベートする(固相化した抗リアーゼIIポリクロー
ナル抗体に結合したリアーゼIIに、ビオチン標識した本
発明抗体1を結合させる)。 (4)洗浄後、アビジン標識されたペルオキシダーゼを入
れてインキュベートする(本発明抗体1が結合したビオ
チンとアビジンが結合する)。 (5)洗浄後、酵素基質を入れてインキュベートして発色
させ、発色の程度を測定する。
【0050】本発明画分は、このような免疫測定法で測
定してもリアーゼIIが検出されない点に特徴がある。こ
こで「検出されない」とは、上記測定において検出限界
以下であることを意味する。
【0051】このように本発明測定方法1は、本発明画
分中のリアーゼIIの存否や含量をアッセイする際にも使
用することができる。また同様に、本発明測定方法2
も、本発明画分中のC-ABCの存否や含量をアッセイする
際に使用することができる。
【0052】<6>本発明製造方法2 本発明製造方法2は、本発明測定方法1によってリアー
ゼIIを検出する工程を含む本発明画分の製造方法、およ
び本発明測定方法2によってC-ABCを検出する工程を含
む本発明画分の製造方法の両方を包含する。
【0053】本発明製造方法2は、「本発明測定方法」
を本発明画分の製造工程に取り入れたものである。本発
明製造方法2は、本発明製造方法1に「本発明測定方
法」を取り入れた態様であることが好ましく、より具体
的には、本発明製造方法1中の「工程2」の後に、本発
明測定方法を組み入れた態様であることが好ましい。特
に、本発明製造方法1中の「工程2」の後に、本発明測
定方法1を組み入れた態様であることが好ましい。
【0054】このように、「本発明測定方法」を本発明
画分の製造工程に取り入れ、「本発明測定方法によって
リアーゼIIおよび/またはC-ABCを検出する工程」を設
けることによって、万一所定の品質を満たさない画分が
製造された場合にはこれを発見でき、その画分を排除す
ることができる。従って、本発明製造方法2によって、
所定の品質を満たす本発明画分が安定的に製造できるこ
ととなる。
【0055】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をより具体的
に説明する。しかしながら、これらにより本発明の技術
的範囲は限定されない。 <1>本発明細胞株および本発明抗体の製造 (1)本発明細胞株1の作製 公知のリアーゼII画分(特開平10-262660号公報に記載
の方法で製造したもの) 1mg/mlを、同量のフロイント
完全アジュバント(Freund's Complete Adjuvant;Sigma
社)と混合し、エマルジョン化した。この溶液約400μl
を、Balb/cマウスに2〜3回に分けて皮下注射した。1
週間後、同様に製造した公知のリアーゼII画分 1mg/ml
を、同量のフロイント不完全アジュバント(Freund's In
complete Adjuvant;Sigma社)と混合してエマルジョン
化した溶液約400μlを皮下注射した。さらに1週間後、
同様に、公知のリアーゼII画分とフロイント不完全アジ
ュバントとのエマルジョン化溶液を皮下注射した。
【0056】免疫後、マウスの脾臓細胞を採取し、この
細胞を KohlerとMilsteinの方法(Nature 256, p495-49
7(1975))によってマウスミエローマ細胞株(P3X63Ag8.
635)と融合させてハイブリドーマを得た。ハイブリド
ーマの培養上清を、リアーゼIIおよびC-ABCを抗原とし
た免疫測定法により検定して、リアーゼIIに特異的に結
合しC-ABCには結合しないモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマ株を得た(K15G11(G2)株)。このハイ
ブリドーマ株により産生されるモノクローナル抗体のク
ラスはIgG1であり、L鎖はκ型であった。K15G11(G2)株
により産生されるモノクローナル抗体をK15G11(G2)と命
名した。
【0057】(2)本発明細胞株2の作製 リアーゼIIに代えて公知のC-ABC画分(特開平6-153947
号公報に記載の方法で製造したもの)を用い、上記(1)
と同様の方法でハイブリドーマ株を得た。ハイブリドー
マの培養上清を、上記(1)と同様に検定して、C-ABCに特
異的に結合しリアーゼIIには結合しないモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマ株得た(7B11A株)。こ
のハイブリドーマ株により産生されるモノクローナル抗
体のタイプはIgG1であり、L鎖はκ型であった。7B11A
株により産生されるモノクローナル抗体を7B11Aと命名
した。
【0058】モノクローナル抗体 K15G11(G2)および7B1
1Aの結合定数(Kd)を L. Djavadi-Ohaniance et al. (19
96) In Antibody Engineering B.D. Hames (Ed) pp.77
-96Oxford University Press, New York に記載された
方法で測定した結果、以下の通りであった。
【0059】 K15G11(G2) Kd=7.4 x 10−8 M 7B11A Kd=1.6 x 10−7 M
【0060】(3)ポリクローナル抗体の製造 公知のリアーゼII画分 1mg/mlを、同量のフロイント完
全アジュバント(Sigma社)と混合し、エマルジョン化し
た。この溶液約2mlを、JWウサギに5〜6回に分けて皮
下注射した。1週間後、同様に公知のリアーゼII画分を
フロイント不完全アジュバント(Sigma社)と混合してエ
マルジョン化した溶液約2mlを皮下注射した。さらに1
週間後、同様に、公知のリアーゼII画分とフロイント不
完全アジュバントとのエマルジョン化溶液を皮下注射し
た。
【0061】免疫したウサギから血清を採取し、抗体価
をオクタロニーにより検定し、十分に抗体価が上昇した
ウサギについて頸動脈と心臓から全採血し、遠心操作に
より抗血清を得た。抗体価の低いウサギについてはさら
に免疫を繰り返し、同様に抗血清を得た。このようにし
て得られた抗リアーゼII抗血清から、以下の通りリアー
ゼIIに特異的な抗リアーゼIIポリクローナル抗体を精製
した。
【0062】Protein G Sepharose 4FF(Amersham Pharm
acia Biotech社製) を結合緩衝液(20 mMリン酸緩衝液,
pH 7.8)に懸濁し、10mlのスラリーをカラムに充填し
た。さらにカラムに5倍量の結合緩衝液を流して平衡化
した。平衡化したカラムに結合緩衝液で5倍希釈した抗
リアーゼII抗血清を添加した。さらに5倍量の結合緩衝
液を流してProtein Gに結合しない血清タンパク質を除
去した。次に溶出緩衝液(0.1M Glycine-HCl, pH2.8)を
カラムに流して、溶出液を10mlのフラクションとして回
収した。溶出液は直ちに適当量の中和緩衝液(1M Tris-H
Cl, pH 9.0)と混合し、溶出されたIgGの変性を防いだ。
各フラクションの吸光度(A280nm)を測定し、0.1以上の
フラクションをプールした。このプールに最終飽和濃度
が50%となるように硫酸アンモニウムを添加した。氷上
で30分放置した後、遠心操作で沈殿を回収し、IgGを濃
縮・精製した。得られた沈殿を0.1M 重炭酸緩衝液(pH
8.3)に溶解し、0.1M 重炭酸緩衝液(pH 8.3)に対して3
日間透析した。透析して得られたIgG溶液を、あらかじ
めC-ABCを固相化したAffigel-10(Bio-Rad)ゲルと混合し
てインキュベートすることにより、溶液中に微量に含ま
れる可能性がある抗C-ABCポリクローナル抗体を吸着除
去した。
【0063】精製された抗リアーゼII IgGポリクローナ
ル抗体を還元し、あるいはそのままSDS-14% ポリアク
リルアミドゲル(旭テクノグラス)を用いた電気泳動に
付した結果、H鎖およびL鎖で構成される単一バンドの
抗体蛋白質であることが確認された。なお抗C-ABC抗血
清からのC-ABCに特異的な抗C-ABCポリクローナル抗体の
製造、精製およびその確認も、上記と同様に行った。
【0064】(4)抗体固相化カラムの作製 抗体を固相化したアフィニティーカラム担体は、Protei
n G 結合ゲル(PierceChemical社)を用いて作製した。50
mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.2)(以下、B/W 緩衝液
という) 5mlをカラムに2回添加して平衡化した。精製
した抗リアーゼII抗体 1ml(12mg蛋白/ml)を、1mlのB/W
緩衝液で希釈してカラムに添加した。カラムを室温で3
0分間、穏やかに転倒攪拌して、カラム担体のProtein G
と抗体のFc部分を結合させた。B/W 緩衝液 5mlでカラ
ムを2回洗浄し、次に6.6mg/mlのジメチルピメリミデー
ト(Dimethylpimelimidiate)溶液を加えて、カラムを室
温にて60分間穏やかに転倒攪拌し、カラム担体と抗体と
を共有結合により架橋させた。カラム洗浄後、アミノ基
のブロッキング緩衝液(0.1M エタノールアミン,pH 8.2)
5mlを添加して、室温で10分間穏やかに転倒攪拌し
た。その後、架橋していない抗体を、5mlの0.1M Glycin
e-HCl, pH2.8により溶出させた。カラムはB/W 緩衝液
5mlで2回洗浄し、この状態で次回の使用まで4℃で保
存した。
【0065】試薬等は ImmunoPure Protein G Orientat
ion Kit(Pierce Chemical社)を使用した。抗C-ABC抗体
の固相化カラムの作製も、これと同様に行った。
【0066】<2>本発明画分の製造 本発明画分の製造は、全てエンドトキシンフリーの条件
下で実施した。公知のC-ABC画分(特開平6―15394
7号公報に記載の方法で製造したもの;エンドトキシン
フリー) 約20mlを0.22μmのフィルターで濾過した後、
上記で作製した抗リアーゼII抗体固相化カラム(カラム
の5倍量の1%POELE溶液で洗浄した後、エンドトキシ
ンフリーの蒸留水で平衡化したもの)に添加した。カラ
ムから滴下してきた液(フロースルー)を、3mlずつのフ
ラクションとして回収して吸光度(A280nm)を測定した。
吸光度0.1以上のフラクションをプールして、同じ操作
をもう一度繰り返し、フロースルーを回収して、C-ABC
画分を得た。
【0067】また、公知のリアーゼII画分(特開平10-
262660号公報に記載の方法で製造したもの)を、
同様に上記で作製した抗C-ABC抗体を固相化したカラム
に通し、同様にリアーゼII画分を得た。
【0068】<3>本発明画分の性質 上記で得られた各画分中に含まれるC-ABC およびリアー
ゼIIの含量を、免疫測定法およびHPLC法により測定
した。測定方法は以下の通りである。 (1)免疫測定法 (1-1)ビオチン標識抗体の作製 前記で得られた抗C-ABCモノクローナル抗体および抗リ
アーゼIIモノクローナル抗体を、それぞれ50 mM 重炭酸
緩衝液 (pH 8.3)で2 mg/mlに調製した。これらの溶液と
Sulfo-NHS-LC-LC-Biotin (Pierce Chemical社製)と混合
し、室温で1時間、ゆるやかに攪拌した。得られたラベ
ル化抗体から未反応のビオチンを除去するために、50 m
M 重炭酸緩衝液に対して2日間透析した。
【0069】(1-2)サンドイッチ-免疫測定法による、C-
ABCおよびリアーゼIIの測定 抗C-ABCポリクローナル抗体または抗リアーゼIIポリク
ローナル抗体を、炭酸-重炭酸緩衝液(pH 9.4)で20μg/m
lに調製し、96ウエルのマイクロタイタープレート(N
unc immunoplate)に100μl/wellで添加して、37℃で1.
5時間インキュベートした。次いでイムノスタビライザ
ー(ABI社)をプレートに200μl/ウエル添加して、37℃で
1.0時間インキュベートして抗体結合プレートを作製し
た。
【0070】別途、測定用サンプル(<2>で得られたC
-ABCまたはリアーゼII)をリン酸緩衝生理食塩液(PBS)
で適当な濃度に希釈して、C-ABCおよびリアーゼIIのス
タンダードを作製した。測定用サンプルとスタンダード
を、上記で作製した抗体結合プレートに100μl/ウエル
で添加して、37℃で1.5時間インキュベートした。イン
キュベート後、プレートをPBS-0.05% Tween20で4回洗
浄した。
【0071】上記(1-1)で作製したビオチン標識抗C-ABC
抗体またはビオチン標識抗リアーゼII抗体をPBSで2500
倍希釈して、プレートに100μl/ウエルで添加し、37℃
で1時間インキュベートした。インキュベート後、プレ
ートをPBS-0.05% Tween20で4回洗浄した。
【0072】アビジン-ペルオキシダーゼ(Sigma社)をPB
Sで10000倍希釈して、プレートに100μl/ウエルで添加
し、37℃で1時間インキュベートした。インキュベート
後、プレートをPBS-0.05% Tween20で4回洗浄した。
【0073】基質である3,3',5,5'-テトラメチルベンジ
ジン(Moss,INC)をプレートに100μl/wellで添加し、室
温で10分間反応させた。1M HClをプレートに100μl/wel
lで添加して反応を停止させた後、ウェルリーダー SK60
1(生化学工業株式会社販売)により、450〜630nmの吸光
度を測定した。
【0074】(2)HPLC法 HPLCカラム、溶出溶媒、流速等の条件は以下の通り
で行った。
【0075】 ・カラム:TSKgel CM-5PW(7.5 mmx7.5 cm;東ソー製) ・直線濃度勾配( 100% A溶液→50% B溶液 )/15分 ・流速:1.0 mL/分 ・カラム温度:35 ℃ ・サンプルの注入量:100 μL
【0076】(3)上記<2>で得られたC-ABC画分(本発
明画分)の分析結果を以下に示す。なお「N.D.」は検出
されなかったこと(検出限界以下)を示す。 (3-1)免疫測定法
【0077】
【表1】
【0078】(3-2)HPLC法(A280nmの検出チャート
のピーク面積の相対値)
【0079】
【表2】
【0080】(リアーゼIIのピークは、溶出時間15.73
分付近に検出された) この結果から、本発明方法は、精製目的物の収量をほと
んど減ずることなく、リアーゼIIを効率よく検出限界以
下まで除去できることが明らかとなった。上記<2>で
得られたリアーゼII画分の分析結果を以下に示す。
【0081】なお、リアーゼII含量はHPLC法で、C-
ABC含量は免疫測定法で測定した。またカッコ内の数値
は、リアーゼII含量に対するC-ABC含量の重量比を示
す。
【0082】
【表3】
【0083】この結果から、本発明方法をリアーゼII画
分の精製に応用しても、精製目的物の収量をほとんど減
ずることなく、C-ABC含量を効率よく検出限界近くまで
除去できることが明らかとなった。
【0084】
【発明の効果】本発明画分は、医薬品等に用いられるC-
ABCと物理化学的に類似するリアーゼIIを、分析的に検
出できない程度にまで排除した超高純度コンドロイチナ
ーゼ画分であり、これによりC-ABC製剤の分析・品質管
理が容易となることから極めて有用である。このような
本発明画分からなる本発明医薬も、例えば椎間板ヘルニ
ア処置用途として有用のみならず、分析・品質管理を容
易に行うことができる医薬品としても極めて有用であ
る。
【0085】本発明製造方法1は、本発明画分を簡便、
迅速、かつ高収率で製造できることから極めて有用であ
る。また本発明抗体は、本発明製造方法1、本発明測定
方法および本発明製造方法2に用いることができる。従
って、本発明画分の製造・工程管理や、製造された本発
明画分の分析・品質管理等に用いることができ、極めて
有用である。本発明細胞株は、このような本発明抗体の
製造に用いることができ、極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/02 G01N 33/573 A 4H045 C12P 21/08 33/577 B G01N 30/88 C12N 15/00 C 33/573 5/00 B 33/577 A61K 37/54 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA53 DA02 GA03 GA19 HA04 HA15 4B050 DD02 FF16 LL01 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA13 4B065 AA91X AA92X AB05 AC14 CA25 CA46 4C084 AA02 AA06 BA44 CA04 DC22 NA05 NA06 NA20 ZA961 ZC192 4H045 AA11 AA20 AA30 CA11 DA76 DA86 DA89 EA50 FA72 GA26

Claims (16)

    【整理番号】 J200000610 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の性質を有するコンドロイチナーゼ
    ABC画分。 (1)コンドロイチン硫酸リアーゼII に対する抗体を用い
    た免疫測定法で測定することにより、コンドロイチン硫
    酸リアーゼIIが検出されない。 (2)高速液体クロマトグラフィーにより、コンドロイチ
    ン硫酸リアーゼIIのピークが検出されない。
  2. 【請求項2】 プロテウス・ブルガリス(Proteus vulga
    ris)由来である、請求項1に記載の画分。
  3. 【請求項3】 以下の工程を少なくとも含む製造工程に
    より製造されることを特徴とする、請求項1又は2に記
    載の画分。 工程1:コンドロイチン硫酸リアーゼIIに対する抗体を
    結合させた固相と、コンドロイチナーゼABCとコンド
    ロイチン硫酸リアーゼIIとを含有する液相とを接触さ
    せ、コンドロイチン硫酸リアーゼIIをコンドロイチン硫
    酸リアーゼIIに対する抗体を結合させた固相に結合させ
    る工程。 工程2:固相と液相とを分離し、液相を回収する工程。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコ
    ンドロイチナーゼABC画分からなる医薬。
  5. 【請求項5】 椎間板ヘルニア処置剤である、請求項4
    に記載の医薬。
  6. 【請求項6】 以下の工程を少なくとも含む、請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のコンドロイチナーゼABC
    画分の製造方法。 工程1:コンドロイチン硫酸リアーゼIIに対する抗体を
    結合させた固相と、コンドロイチナーゼABCとコンド
    ロイチン硫酸リアーゼIIとを含有する液相とを接触さ
    せ、コンドロイチン硫酸リアーゼIIをコンドロイチン硫
    酸リアーゼIIに対する抗体を結合させた固相に結合させ
    る工程。 工程2:固相と液相とを分離し、液相を回収する工程。
  7. 【請求項7】 コンドロイチン硫酸リアーゼIIに対する
    モノクローナル抗体。
  8. 【請求項8】 コンドロイチナーゼABCに対するモノ
    クローナル抗体。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ株。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のモノクローナル抗体
    を産生するハイブリドーマ株。
  11. 【請求項11】 K15G11(G2)である、請求項9
    に記載のハイブリドーマ株。
  12. 【請求項12】 7B11Aである、請求項10に記載
    のハイブリドーマ株。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載のモノクローナル抗体
    を用いることを特徴とする、コンドロイチン硫酸リアー
    ゼIIの測定方法。
  14. 【請求項14】 請求項8に記載のモノクローナル抗体
    を用いることを特徴とする、コンドロイチナーゼABC
    の測定方法。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の測定方法によって
    コンドロイチン硫酸リアーゼIIを検出する工程を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンドロイチナー
    ゼABC画分の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の測定方法によって
    コンドロイチナーゼABCを検出する工程を含む、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のコンドロイチナーゼA
    BC画分の製造方法。
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