JP2002335908A - 牡蠣肉エキス及びその製造方法 - Google Patents
牡蠣肉エキス及びその製造方法Info
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Abstract
結合しやすいペプチドを含むエキスを効率よく抽出す
る。 【解決手段】牡蠣肉に水を加え、酸を添加してpHを4
以下の酸性に調整し、牡蠣肉から酸可溶性画分を抽出す
る。牡蠣肉を取り出した溶液にアルカリを加えて中和
し、沈澱物を得る。この沈澱物にはクロマトグラフィー
で分子量6800のペプチドあり、大きな亜鉛結合能を
有しているため、胃内において、他の食品由来の亜鉛を
取り込み、体内に吸収されやすくする。
Description
ルとの結合性に富む牡蠣肉エキス及びその製造方法に関
する。
識され、第6次改定の日本人の栄養所要量には、新たに
7つのミネラルが追加された。亜鉛やマンガンの欠乏が
味覚異常や成長異常を引き起こすこともありミネラル欠
乏への関心が高まっている。これらのミネラルを効率よ
く補給することは、生活習慣病などの疾病を予防するた
めに重要である。
収されにくいものであり、一般に摂取量の20〜30%
程度が吸収されるにすぎないとされている。従って、単
にミネラル含有補助食品を摂取しても、体内に吸収され
ずに排出されてしまい意味がないので、体内に吸収され
る形で亜鉛が摂取されなければならない。
栄養食品であり、牡蠣エキスを錠剤化した健康食品が、
数多く市場に出回っている。これらの健康食品は、栄養
素を抽出するために、牡蠣を水、または熱水で抽出した
もので、タウリン、グリコーゲンなどの水溶性のものが
含まれている。一方、亜鉛を初めとするミネラルは、水
或いは熱水抽出によっては抽出されずにいた。
亜鉛などのミネラルとの結合性に富む成分を効率よく抽
出し、結果的に亜鉛などの微量ミネラルに富み、体内に
効率よく吸収される牡蠣肉エキスを提供するものであ
る。
4以下の酸性に調整して静置し、牡蠣肉を取り出した液
体をpH7前後に調整して沈澱物を生成させ、ゲルろ過
クロマトグラフィーで分子量が約6800の位置にある
ペプチドを含み、亜鉛などのミネラルとの結合性に富む
牡蠣肉エキスを得るものである。
鉛がゲルろ過クロマトグラフィーで分子量6800の位
置にあるペプチドと結合した形態であり、この牡蠣肉エ
キスはミネラルを吸着する機能を有し、他の食品に含ま
れるミネラルを吸収しやすくする。
牡蠣肉の熱水抽出エキスとを混合して、亜鉛、マンガン
などのミネラルと、タウリン、グリコーゲン、核酸関連
物質などとを豊富に含有する牡蠣肉エキスが得られる。
酸などの無機酸やクエン酸、酢酸などの有機酸が使用で
き、酸の種類は制限されない。牡蠣肉はpH緩衝作用を
有するので、pHを4以下にまで下げないと、溶液を酸
性に保つことができず、酸可溶性画分の抽出が効率よく
おこなわれない。抽出時間は、少なくとも1時間以上、
好ましくは24時間である。
行うことが好ましい。低温では抽出効率が低下し、逆
に、高温では牡蠣肉が加水分解を起こし不要な成分まで
抽出される。
に中和する。抽出液のpHを7前後にすると、沈澱が生
成され、不溶性画分が得られる。加熱濃縮、または、遠
心分離などで回収し、水で洗浄して余分な塩類を除去し
た後に加熱乾燥し、牡蠣肉エキスを得る。抽出液から分
離される固体分は、2〜5重量%程度である。得られた
牡蠣肉エキスは、乾燥重量で、亜鉛を3〜14重量%を
含有する。
分を抽出してもよいが、牡蠣の内臓に含まれる重金属、
クロロフィル関連化合物、不要なたんぱく質などが抽出
されたり、有害な物質を含有している可能性があるの
で、牡蠣肉を熱湯処理してもよい。また、熱水抽出など
の処理工程を経た牡蠣肉を利用することも可能である。
酸を加え、pHを約2に調整して37℃で6時間静置
し、酸可溶性画分を抽出した。牡蠣肉を取り除き、1N
水酸化ナトリウムを加えてpHを7に調整し、中和によ
って生成した沈澱物をろ過し、更に加熱乾燥したとこ
ろ、1.3kgの牡蠣肉エキスが得られた。
た他は、実施例1と同じ方法で牡蠣肉エキスを抽出し、
1.25kgの牡蠣肉エキスが得られた。
エン酸カリウム緩衝液と混合し、37℃の恒温槽に30
分間静置し、遠心分離後の上澄みを高速液体クロマトグ
ラフィーにより亜鉛含有成分を分離した。また、254
nmの吸光度(A254)を計測した。その結果を図1
に示す。
に含まれており、254nmの吸光度のピークとほぼ一
致している。分子量マーカーとの比較によると、この画
分の分子量は6800である。この亜鉛含有画分が単一
のペプチドからなると仮定すると、1分子当たりの亜鉛
の結合数は約3個となる。
または硫酸銅を含むクエン酸カリウム緩衝液と混合し、
37℃の恒温槽に30分間静置し、遠心分離後の上澄み
を高速液体クロマトグラフィーにより亜鉛含有成分を分
離した。その結果を図2及び図3に示す。
る画分とは異なる画分に254nmの吸光度のピークが
出現し、銅はこの画分に大量に溶出されている。従っ
て、この酸可溶性画分牡蠣肉エキスは銅を大量に結合す
る結合能を有している。
ネラルには、亜鉛以外に、マグネシウム、カルシウム、
マンガンなどが認められた。これらのミネラルの中で、
カルシウム、マンガンも、たんぱく質と結合している可
能性が高い。
生牡蠣肉と比較して乾燥重量で、亜鉛で4〜6倍程度、
マンガン、カルシウム、マグネシウムで2〜3倍程度濃
縮されており、ミネラルを高濃度で含有している。
匹を3群に分け、第1群には表1に示す亜鉛含有1.4
1ppmの低亜鉛基本飼料を、第2群には、基本飼料に
5ppmの亜鉛を炭酸亜鉛の形態で、また、第3群には
本発明の酸可溶性画分を与え、pair feedin
gによって4週間飼育した。肝臓、血液、筋肉、脛骨を
採取し、各組織の亜鉛濃度を原子吸光光度計で測定し
た。
なかった。図4に各群のラットの組織中亜鉛濃度を示
す。図4に示されるように、血清及び赤血球について
は、3群の間に亜鉛含有量の差は認められなかった。肝
臓と脛骨においては、エキスを投与した第3群が第1群
よりも有意に高い亜鉛含有量を示した。特に脛骨亜鉛含
有量は、第2群の炭酸亜鉛を添加した飼料を与えたもの
より、有意に高いものである。以上のことより、本願発
明の牡蠣肉エキスは、食物として有害なものでなく、亜
鉛が体内組織に吸収されやすいものであることがわか
る。
出エキスと混合して高栄養の補助食品とすることができ
る。牡蠣肉の熱水抽出エキスは、生牡蠣肉を熱水で2〜
3時間煮沸し、抽出液を固形分含量20〜45%まで濃
縮し、この濃縮物にエタノールを添加して析出沈澱させ
たものであり、牡蠣肉中に含まれるタウリン、グリコー
ゲン、核酸関連物質を多く含有する。この牡蠣肉の熱水
抽出エキスと本発明の高ミネラル含有牡蠣肉エキスとを
含有した牡蠣肉エキスは、タウリン、グリコーゲン、核
酸関連物質を主成分として含有し、更に、亜鉛などのミ
ネラルを多く含むものであり、栄養バランスのよい補助
食品となる。
鉛、マンガンなどのミネラルを効率よく抽出できる。ま
た、本発明の牡蠣肉エキスは、亜鉛や他のミネラルと結
合する余裕を有しており、他の食物に由来する亜鉛と胃
の内部で結合して体内にとりこむことが可能である。
パターンと、各画分における亜鉛濃度の関係と253n
mの吸光度を示すグラフ。
ののクロマトグラフィーのパターンと、各画分における
亜鉛濃度の関係と253nmの吸光度を示すグラフ。
のクロマトグラフィーのパターンと、各画分における銅
濃度の関係と253nmの吸光度を示すグラフ。
Claims (5)
- 【請求項1】牡蠣肉を酸性抽出したものであって、分子
量約6800のペプチドを含む牡蠣肉エキス。 - 【請求項2】請求項1において、分子量6800のペプ
チドには亜鉛が結合している牡蠣肉エキス。 - 【請求項3】牡蠣肉に水を加え、pHを4以下の酸性に
して静置し、牡蠣肉の酸可溶性画分を溶出させ、牡蠣肉
を取り出し、溶液をpH7前後に調整して分子量が約6
800の位置にあるペプチドを含むものを沈澱させる牡
蠣肉エキスの製造方法。 - 【請求項4】請求項3において、分子量約6800のペ
プチドには亜鉛が結合しているものである牡蠣肉エキス
の製造方法。 - 【請求項5】請求項3または4のいずれかにおいて、牡
蠣肉の5〜10倍の水を加える牡蠣肉エキスの製造方
法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001142224A JP3267962B1 (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 牡蠣肉エキス及びその製造方法 |
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JP3267962B1 JP3267962B1 (ja) | 2002-03-25 |
JP2002335908A true JP2002335908A (ja) | 2002-11-26 |
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2001
- 2001-05-11 JP JP2001142224A patent/JP3267962B1/ja not_active Expired - Lifetime
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