JP2002335863A - 粉体付きチョコレートの製造方法及び製造装置 - Google Patents
粉体付きチョコレートの製造方法及び製造装置Info
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Abstract
コアパウダー等の粉体を均一に付着できるようにした粉
体付きチョコレートの製造方法及び製造装置を提供す
る。 【解決手段】 搬送手段20に載って移動するチョコレ
ート50の表面に対して、熱風供給手段30より熱風3
6を吹き付けて表層の一部を溶融した後、粉体供給手段
40によってチョコレート50の表面に粉体46をまぶ
して付着させるとともに冷却固化させることにより、粉
体付きチョコレート51を得る。
Description
及び製造装置に関し、更に詳しくは、チョコレートに対
して、外観に優れ、複合的な食味、食感が得られるよう
に食品原料粉体を付着させることが可能な方法及び装置
に関する。
パウダー等の粉体をまぶした菓子類が知られており、チ
ョコレートと粉体の複合的な食味、食感が得られ、ま
た、粉体により外観の装飾感が増して高級感が出ること
から市場において好評を博しており、例えば一口サイズ
のチョコレート等として販売されている。
る場合、表面が既に冷却固化したチョコレートには粘着
性がないため、単に表面に粉体をまぶしたのみでは付着
されない。このため、粉体付きチョコレートの製造方法
としては以下の従来技術が知られている。
冷却固化した後に、粉体を含有する回転パン等に投入し
て混入させ、回転によるチョコレートの自重で物理的に
粉体を押しつけて付着させる方法が知られている。
ートのシェル53とセンター52からなるチョコレート
50の表面に、別途チョコレート53aを最外層に塗布
して表面に粘着性を持たせた後、これをバインダーとし
て粉体46を付着させて粉体付きチョコレート55とす
る方法も行われている。
来技術のうち、あらかじめ製造したチョコレートを、粉
体を含有する回転パン等に投入して、物理的に粉体を押
しつけて付着させる方法においては、物理的にチョコレ
ートに粉体を押しつけているので密着力が弱く、包装や
輸送時の振動等で容易に脱落する恐れがある。また、粉
体が押し潰されるのでチョコレート内に粉体が陥没した
ような外観となり高級感にも乏しい。更に回転衝撃等に
よりチョコレートが変形し易く、更にバッチ単位で処理
するので生産効率が悪いという問題点がある。
ートを最外層に塗布して表面に粘着性を持たせた後、こ
れをバインダーとして粉体を付着させる方法において
は、量産性とチョコレートの変形という問題は解消され
るものの、別途チョコレートを最外層にバインダーとし
て設ける工程が余分に必要であり、更にバインダー層の
分だけチョコレート層が厚くなってしまうという問題が
あった。
後に粉体状又は小粒状の材料を散布又はまぶして付着さ
せることも考えられるが、以下の問題点があり実用化さ
れていない。すなわち、一般にチョコレートにおいては
テンパリング工程を経て固化させることにより、ココア
バターに存在する油脂が安定化結晶として存在している
が、いったん高温でチョコレートが溶融されるとこの安
定結晶が崩れてしまうので、再固化した後いわゆるファ
ットブルームと呼ばれる、チョコレートの表面が斑点
状、又は全面に灰白色になる現象が生じて外観が悪くな
り、商品価値が低下してしまう。したがって、単に全体
を加熱したのみでは上記のブルームが発生するので良好
な外観を維持できない。また、必要以上に加熱するとチ
ョコレート内部まで溶融してしまい、全体の形状が崩れ
てしまうという問題点も生じる。このため、チョコレー
トを再加熱して粉体を付着させることは、工業的に大量
生産される製造ラインとしては実施されたことがないの
が現状であった。
ト表面に外観を損うことなく均一に粉体を付着できるよ
うにした粉体付きチョコレートの製造方法及び製造装置
を提供することにある。
め、本発明の粉体付きチョコレートの製造方法は、チョ
コレートの表層のみを熱風による加熱により溶融した
後、前記チョコレート表面に粉体をまぶして付着させる
ことを特徴とする。
を瞬間的に熱風によって加熱することにより、安定化結
晶を一部残したまま表層のみを溶融させることができる
ので、粉体をきれいに付着させることができ、ブルーム
の発生も抑制される。
熱風による加熱手段によって、短時間の効率的な加熱が
可能となるので、加熱によるチョコレート形状の変形を
防止できるとともに、冷却固化後のファットブルームの
発生も同時に抑えることができ、チョコレートの品質を
良好に維持することが可能となる。
粉体が、ココアパウダー、粉糖、抹茶パウダー、ナッツ
パウダー、きな粉、ヨーグルトパウダー、チーズパウダ
ーから選ばれた1種又は2種以上であることが好まし
い。これらの粉体をチョコレート表面に付着させること
により、変化に富んだ外観、風味、食感のチョコレート
を提供することができる。
造装置は、チョコレートを移動させる搬送手段と、前記
搬送手段の搬送経路上に所定の距離をおいて配置され、
前記チョコレート表層のみを溶融させる熱風による加熱
手段と、前記搬送手段の搬送経路上であって、前記熱風
による加熱手段の下流側に配置され、前記熱風による加
熱手段により加熱されたチョコレート表面に粉体をまぶ
す粉体供給手段とを備えていることを特徴とする。
を熱風によって加熱して表層のみ溶融させ、続いて粉体
をまぶして表面に付着させるという工程を連続的に行う
ことができ、外観の良好な粉体付きチョコレートを生産
性よく製造できる。
施形態について説明する。図1は本発明の製造装置の一
実施形態を示す側面図、図2は同製造装置の熱風供給手
段の拡大図、図3は同製造装置の粉体供給手段の拡大図
である。
造装置について説明する。この製造装置10は、チョコ
レートの搬送手段20、熱風供給手段30、粉体供給手
段40より構成されている。
ネットコンベア22より構成され、両者は間隔をあけず
に連続的に配置されている。ここで、ネットコンベア2
1の上方には、熱風供給手段30のノズル31が所定の
距離をおいて配置されており、本実施形態においてはメ
ッシュ状のコンベアとなっている。ネットコンベア21
は通常のベルトコンベアでも構わないが、ノズル31か
らの熱風36を通過させて回収するために、メッシュ状
又は多孔状となっていることが好ましい。
体供給手段40が所定の距離をおいて配置されており、
ネットコンベア21から移動してくるチョコレート50
を引続いて搬送できるように配置されている。ここで、
ネットコンベア22は通常のベルトコンベアとすること
も可能であるが、落下した余分の粉体46をコンベアの
下で回収できるようネットコンベアとすることが好まし
い。
風36を発生させるためのヒーター32、送風するため
のファン33、及びノズル31より構成されている。ま
た、ネットコンベア21を通過して下方に到達した熱風
36を回収するためのダクト34がネットコンベア21
の下方に設けられており、回収された熱風36は途中の
フィルター35を通じて再度ファン33へと循環される
ようになっている。
の距離は、吹き付ける熱風36の温度、速度、及びチョ
コレート50の高さ等によって適宜定めることが可能で
あるが、出来る限り狭いほうが熱の周囲への分散が少な
くまた、チョコレート50の側面に対しても温度低下な
く吹き付けることができるので好ましい。具体的には、
ノズル31末端とチョコレート50表面との距離a(図
1参照)が10cm以下となるようにすることが好まし
い。これにより、熱の拡散を防止しつつ、チョコレート
表面を瞬間的に加熱して溶融できるので生産性が向上
し、また、チョコレートの側面まで均一に熱風が回り込
むので、チョコレートの上面及び側面の全体に渡って粉
体の付着が可能である。
限定されず、製品の形状、大きさ、チョコレート50の
列数に応じて適宜選定可能である。また、本発明におい
ては一つのノズルで同時に多列のチョコレートに対して
熱風を吹き付けてもよく、列数に応じて複数のノズルを
設けてもよい。
ネットコンベア22の上方を覆うカバー41を有し、そ
の内部には粉体46を落下してまぶすためのメッシュホ
ッパー44及び撹拌羽根45を備えている。また、本実
施形態においては、ネットコンベア22を通過して下方
に到達した余分の粉体46を回収するためのダクト43
がネットコンベア22の下方に設けられており、回収さ
れた粉体46は配管47を通じて再度ファン42へと循
環され、再利用できるようになっている。なお、ダクト
43で吸引するときにチョコレート表面を冷却固化さ
せ、粉体をきれいに固着することができる。
粉体付きチョコレートの製造方法について説明する。
ョコレート50がネットコンベア21上に載せられ、所
定の速度で搬送されて熱風供給手段30に到達する。
させるチョコレート50としては、従来公知のモールド
チョコレート、シェルチョコレート、カバーリングチョ
コレート等が使用可能であり特に限定されない。例えば
図4に示すように、チョコレート50はシェルチョコレ
ート53にセンター52を有するもので構成されていて
もよく、センター52としては、シェルチョコレートと
は異なるガナッシュ等のチョコレートの他、キャラメ
ル、クリーム、キャンディーなどが使用でき、また、ナ
ッツ類の破砕物、スナック類、パフ類、ビスケット、ク
ッキー類のクラムなどの粉粒体も使用できる。
従来から一般的に用いられているものを適宜選択して使
用することができる。例えば、カカオマス、ココアパウ
ダー、ココアバター、その他の植物性油脂、全脂粉乳、
脱脂粉乳、ホエイパウダー、砂糖、乳糖、マルトースな
どの糖類、レシチンなどの乳化剤、香料などが用いられ
る。また、ビターチョコレート、ミルクチョコレート、
ホワイトチョコレート等、いずれの種類のチョコレート
でもよく、規約に定められたチョコレート及び準チョコ
レートであってもよい。
31により熱風36をチョコレート50の表面に瞬間的
に吹き付けてチョコレートの表層のみ溶融させる。前述
したように、一般にテンパリング工程を経て固化したチ
ョコレートは、いったん高温で溶融されると、固化した
後いわゆるファットブルームと呼ばれるチョコレートの
表面が斑点状、又は全面に灰白色になる現象が生じて外
観が悪くなり、商品価値が低下してしまう。しかしなが
ら、本発明においては、熱風を短時間で吹き付けること
により、安定化結晶を内部に残したまま、表層のみを溶
融させることができるので、良好な外観を維持すること
ができ、前記のファットブルームが生じない。
き付ける条件としては、熱風36の温度が50〜100
℃でかつ風速5〜20m/秒であり、かつ熱風36の供
給時間が1〜10秒であることが好ましい。なお、本発
明において、熱風の温度、速度とは、チョコレート50
表面に吹き付けられる状態での条件を意味する。
が不十分で粉体が付着しないので好ましくなく、100
℃より高いと安定化結晶がすべて溶融してしまうのでフ
ァットブルームが生じやすく好ましくない。
必要な熱風の供給時間が長く必要となり、更に、チョコ
レート側面への熱風供給が低下して側面への粉体付着が
不十分となるので好ましくなく、ファットブルームを生
じやすい。一方風速が20m/秒より大きい場合には、
表層の溶融の程度を制御するのが困難となり、チョコレ
ートの表層のみならず内部まで溶融し、形状が崩れてし
まう可能性があり、また、菓子の移動もあり、更に熱効
率も悪く不経済であるため好ましくない。
融が不十分で粉体が付着しないので好ましくなく、10
秒より長いとファットブルームが生じやすくなるので好
ましくない。本発明においては熱風36の供給は連続的
に行い、ネットコンベア21の移動速度との関係で吹き
付け時間を決定してもよく、タイマー等により間欠的に
制御して熱風36を吹き付けてもよい。
レート50に吹き付けられた後、ネットコンベア21を
通過して下方へ抜け、フィルター35を通じてダクト4
3により回収され、再びファン33に送られる。これに
より、熱風36の余熱を回収してエネルギーを節約でき
るとともに、製造ライン外への廃熱を防止して作業環境
の悪化も防止することができる。
は、隣接するネットコンベア22に移り、次工程の粉体
供給手段40へと移送される。ここで、撹拌羽根45に
よって撹拌された粉体46が、メッシュホッパー44か
ら落下し、チョコレート50表面に付着する。ここで余
分の粉体46はネットコンベア22を通過した後、ダク
ト43で吸引して回収される。このとき、チョコレート
50が冷却固化し、粉体46がチョコレート表層にしっ
かりと固着する。こうして、最終製品である粉体付きチ
ョコレート51が製造され、ネットコンベア22によっ
て排出される。
は従来公知の食品原料粉体が使用可能であり、特に限定
されないが、ココアパウダー、粉糖、抹茶パウダー、ナ
ッツパウダー、きな粉、ヨーグルトパウダー、チーズパ
ウダー等の食品原料粉体から選ばれた1種又は2種以上
が好適に使用可能であり、特にココアパウダーを用いる
ことが好ましい。また、粉体の付着量も製品の大きさや
粉体の種類により適宜設定可能であり特に限定されな
い。
マス、砂糖、油脂としてココアバター、植物性油脂、乳
原料として脱脂粉乳、全脂粉乳、乳化剤としてレシチ
ン、その他香料からなる通常のミルクチョコレート生地
を使用し、ガナッシュをフィリングとして、20×20
×10mmの角形シェルチョコレートを従来公知のモー
ルド成形法により製造した。
を用い、熱風供給手段として直径10cmの円形ノズル
をチョコレート表面からの高さ2cmに配置し、熱風供
給手段の条件を、チョコレート表面において温度70
℃、風速16m/秒の条件として熱風を吹き付けてチョ
コレート表面を溶融させた。このときのコンベアの移動
速度は3m/分であり、熱風通過時間を2秒間とした。
その後、連続して直ちに粉体供給手段にてココアパウダ
ーを落下させて付着させるとともに、20℃に冷却し
て、図4に示すような本発明の粉体付きチョコレート5
1を得た。
側面の全体に均一にココアパウダーが付着しており、外
観にも優れており、ブルームの発生もなかった。
移動速度を1.2m/分として、熱風通過時間を5秒と
した以外は同条件で製造したところ、チョコレート全体
が溶融して一部シェル形状が崩れてしまい、外観に優れ
なかった。また、表面にファットブルームが生じてしま
った。
移動速度を6m/分として、熱風通過時間を1秒とした
以外は同条件で製造したところ、チョコレート表面が溶
融せずに、ほとんどココアパウダーが付着しなかった。
移動するチョコレートの表面に熱風を吹き付けて表層の
一部を溶融した後、前記表面に粉体をまぶして付着させ
るようにしたので、生産速度を低下させずにチョコレー
トに対して均一に粉体を付着でき、しかもファットブル
ームも生ぜず、低コストで効率よくココアパウダー等の
粉体を付着させた外観の良好なチョコレートを製造でき
る。
である。
チョコレートの一例を示す断面図である。
ョコレートの一例を示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 チョコレートの表層のみを熱風による加
熱により溶融した後、前記チョコレート表面に粉体をま
ぶして付着させることを特徴とする粉体付きチョコレー
トの製造方法。 - 【請求項2】 前記粉体が、ココアパウダー、粉糖、抹
茶パウダー、ナッツパウダー、きな粉、ヨーグルトパウ
ダー、チーズパウダーから選ばれた1種又は2種以上で
ある請求項1記載の粉体付きチョコレートの製造方法。 - 【請求項3】 チョコレートを移動させる搬送手段と、
前記搬送手段の搬送経路上に所定の距離をおいて配置さ
れ、前記チョコレート表層のみを溶融させる熱風による
加熱手段と、前記搬送手段の搬送経路上であって、前記
熱風による加熱手段の下流側に配置され、前記熱風によ
る加熱手段により加熱されたチョコレート表面に粉体を
まぶす粉体供給手段とを備えていることを特徴とする粉
体付きチョコレートの製造装置。 - 【請求項4】 前記粉体が、ココアパウダー、粉糖、抹
茶パウダー、ナッツパウダー、きな粉、ヨーグルトパウ
ダー、チーズパウダーから選ばれた1種又は2種以上で
ある請求項3記載の粉体付きチョコレートの製造装置。
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JP2001151087A JP4405104B2 (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | 粉体付きチョコレートの製造方法及び製造装置 |
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2001
- 2001-05-21 JP JP2001151087A patent/JP4405104B2/ja not_active Expired - Fee Related
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