JP2002334954A - 電子装置およびその製造方法ならびに電子部品保護用キャップおよびその製造方法 - Google Patents

電子装置およびその製造方法ならびに電子部品保護用キャップおよびその製造方法

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JP2002334954A JP2001136994A JP2001136994A JP2002334954A JP 2002334954 A JP2002334954 A JP 2002334954A JP 2001136994 A JP2001136994 A JP 2001136994A JP 2001136994 A JP2001136994 A JP 2001136994A JP 2002334954 A JP2002334954 A JP 2002334954A
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文治 森谷
Shinichiro Hayashi
信一郎 林
Fumikatsu Kurosawa
文勝 黒沢
Morikazu Tajima
盛一 田島
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    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
    • H01L2224/161Disposition
    • H01L2224/16151Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/16221Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/16225Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな体積を必要とせず、且つ電子部品の動
作に影響を与えることなく、電子部品の保護および電磁
気的なシールドを行う。 【解決手段】 電子装置10は、一方の面11aにおい
て露出する導体パターン12を有する実装基板11と、
接続電極14を有する面13aが実装基板11の一方の
面11aに対向するように配置され、接続電極14が実
装基板11の導体パターン12に電気的に接続され且つ
機械的に接合された電子部品13と、電子部品13の実
装基板11とは反対側の面13bに密着するように電子
部品13および実装基板11を覆い、実装基板11に接
着された樹脂フィルム15と、この樹脂フィルム15の
電子部品13とは反対側の面を覆う導電膜40とを備え
ている。導電膜40は、樹脂フィルム15に形成された
孔37を通して、実装基板11における接地用導体部1
2Gに電気的に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実装基板と、この
実装基板に実装された電子部品とを備えた電子装置およ
びその製造方法、ならびに実装基板に実装された電子部
品を保護すると共に電子部品を電磁気的にシールドする
ための電子部品保護用キャップおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波素子は、圧電基板の一方の面
に櫛形電極が形成されたものである。この弾性表面波素
子は、携帯電話等の移動体通信機器におけるフィルタ等
に広く利用されている。
【0003】ところで、半導体部品等の電子部品は、電
子部品が実装基板上に実装され、電子部品の接続電極と
実装基板の導体パターンが電気的に接続され、且つ電子
部品の接続電極と実装基板の導体パターンとの電気的接
続部分が封止された構造を有するパッケージの形態で使
用される場合が多い。電子部品が弾性表面波素子である
場合も同様である。なお、本出願において、実装基板
と、この実装基板に実装された電子部品とを備えたもの
を電子装置と言う。
【0004】電子装置において、電子部品の接続電極と
実装基板の導体パターンとの電気的接続方法には、大き
く分けて、電子部品の接続電極を有する面が実装基板に
向くように電子部品を配置するフェースダウンボンディ
ングと、電子部品の接続電極を有する面が実装基板とは
反対側に向くように電子部品を配置するフェースアップ
ボンディングとがある。電子装置の小型化のためには、
フェースダウンボンディングの方が有利である。
【0005】フェースダウンボンディングを採用した従
来の電子装置の製造方法では、電子部品の接続電極と実
装基板の導体パターンとを電気的に接続した後、電子部
品と実装基板との間にアンダーフィル材を充填して、電
子部品の接続電極と実装基板の導体パターンとの電気的
接続部分を封止するのが一般的である。
【0006】しかしながら、電子部品が弾性表面波素子
である場合には、弾性表面波素子に特有の問題があるた
め、上述のような一般的な方法を用いることはではな
い。弾性表面波素子に特有の問題とは、弾性表面波素子
では、その表面に、櫛形電極が形成されており、この櫛
形電極に水分、塵埃等の異物が付着しないように弾性表
面波素子を封止する必要がある一方で、弾性表面波素子
の動作に影響を与えないように、弾性表面波素子の表面
における弾性表面波伝搬領域に封止用の樹脂等が接触し
ないようにする必要があることである。
【0007】そのため、従来は、電子部品が弾性表面波
素子である場合における電子装置の製造方法としては、
例えば、弾性表面波素子の接続電極と実装基板の導体パ
ターンとを電気的に接続した後、セラミックや金属等で
形成されたキャップのような構造体によって弾性表面波
素子を囲って、弾性表面波素子の保護および封止を行う
方法が用いられていた。電子部品が弾性表面波素子であ
る場合における電子装置のその他の製造方法としては、
弾性表面波素子の接続電極と実装基板の導体パターンと
を電気的に接続した後、弾性表面波素子の周囲をサイド
フィル材で囲って封止を行う方法がある。
【0008】また、従来、電子部品を電磁気的にシール
ドする場合には、金属等の導電性材料よりなるキャップ
を用いて、電子部品を囲うようにしていた。この場合の
キャップは、半田や導電性接着剤等を用いて、実装基板
に接合され、実装基板上に設けられた接地用導体部に電
気的に接続される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電子部品が弾性表面波
素子であって、且つ弾性表面波素子を電磁気的にシール
ドする場合における電子装置の製造方法としては、金属
等の導電性を有する材料よりなるキャップによって弾性
表面波素子を囲って、弾性表面波素子の保護、封止およ
びシールドを行う方法が考えられる。しかしながら、こ
の方法では、電子装置の小型化が困難であるという問題
点がある。また、この方法では、上記構造体は、弾性表
面波素子の接続電極と実装基板の導体パターンとの機械
的な接合には寄与しないため、弾性表面波素子の接続電
極と実装基板の導体パターンとの機械的な接合の強度や
接合の安定性の向上を図ることができないという問題点
がある。
【0010】また、電子部品が弾性表面波素子である場
合における電子装置の製造方法のうち、弾性表面波素子
の周囲をサイドフィル材で囲って封止を行う方法では、
サイドフィル材が弾性表面波素子の表面における弾性表
面波伝搬領域に入り込むおそれがあるという問題点があ
る。また、この方法では、弾性表面波素子を電磁気的に
シールドする場合には、金属等の導電性を有する材料よ
りなるキャップが必要になり、電子装置の小型化が困難
になるという問題点がある。
【0011】なお、弾性表面波素子に限らず、電子部品
が振動子や高周波回路部品の場合でも、電子部品の表面
に封止用の樹脂等が接触すると、電子部品の動作に影響
を与える場合がある。従って、上記の問題点は、電子部
品が弾性表面波素子である場合に限らず、例えば、電子
部品が振動子や高周波回路部品である場合についても同
様である。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、実装基板と、この実装基板に
実装された電子部品とを備えた電子装置であって、大き
な体積を必要とせず、且つ電子部品の動作に影響を与え
ることなく、電子部品の保護および電磁気的なシールド
を行うことができるようにした電子装置およびその製造
方法ならびに電子部品保護用キャップおよびその製造方
法を提供することにある。
【0013】本発明の第2の目的は、上記第1の目的に
加え、電子部品の接続電極と実装基板の導体パターンと
の機械的な接合の強度や接合の安定性の向上を図ること
ができるようにした電子装置およびその製造方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の電子装置は、一
方の面において露出する導体パターンを有する実装基板
と、一方の面において接続電極を有し、この接続電極を
有する面が実装基板の一方の面に対向するように配置さ
れ、接続電極が実装基板の導体パターンに電気的に接続
され且つ機械的に接合された電子部品と、電子部品を覆
い、実装基板に接着された樹脂フィルムと、樹脂フィル
ムの電子部品とは反対側の面を覆う導電膜とを備えたも
のである。
【0015】本発明の電子装置では、樹脂フィルムによ
って電子部品が保護され、導電膜によって電子部品が電
磁気的にシールドされる。
【0016】本発明の電子装置において、樹脂フィルム
は、電子部品の実装基板とは反対側の面に密着してもよ
い。また、本発明の電子装置において、樹脂フィルムは
電子部品を封止してもよい。また、本発明の電子装置に
おいて、電子部品の一方の面と実装基板の一方の面との
間には空間が形成されていてもよい。
【0017】また、本発明の電子装置において、実装基
板には接地用導体部が設けられ、導電膜は接地用導体部
に電気的に接続されていてもよい。この場合、樹脂フィ
ルムは、接地用導体部に対応する位置に設けられた孔を
有し、導電膜はこの孔を通して接地用導体部に電気的に
接続されていてもよい。
【0018】本発明の電子装置の製造方法は、一方の面
において露出する導体パターンを有する実装基板と、一
方の面において接続電極を有し、この接続電極を有する
面が実装基板の一方の面に対向するように配置され、接
続電極が実装基板の導体パターンに電気的に接続され且
つ機械的に接合された電子部品とを備えた電子装置を製
造する方法であって、電子部品の一方の面が実装基板の
一方の面に対向するように、電子部品と実装基板とを配
置し、電子部品の接続電極を実装基板の導体パターンに
電気的に接続し且つ機械的に接合する工程と、電子部品
を覆うように樹脂フィルムを配置し、樹脂フィルムを実
装基板に接着する工程と、樹脂フィルムの電子部品とは
反対側の面を覆うように導電膜を形成する工程とを備え
たものである。
【0019】本発明の電子装置の製造方法では、樹脂フ
ィルムによって電子部品が保護され、導電膜によって電
子部品が電磁気的にシールドされる。
【0020】本発明の電子装置の製造方法において、樹
脂フィルムは、電子部品の実装基板とは反対側の面に密
着してもよい。また、本発明の電子装置の製造方法にお
いて、樹脂フィルムは電子部品を封止してもよい。ま
た、本発明の電子装置の製造方法において、電子部品の
一方の面と実装基板の一方の面との間には空間が形成さ
れてもよい。
【0021】また、本発明の電子装置の製造方法は、更
に、導電膜を形成する前に、接地用導体部に対応する位
置において樹脂フィルムに孔を開ける工程を備え、導電
膜は、この孔を通して接地用導体部に電気的に接続され
てもよい。
【0022】本発明の電子部品保護用キャップは、実装
基板に実装された電子部品を保護すると共に電子部品を
電磁気的にシールドするためのものであって、電子部品
を覆う形状に成型された樹脂フィルムと、樹脂フィルム
の電子部品とは反対側の面を覆う導電膜とを備えたもの
である。電子部品保護用キャップは、樹脂フィルムによ
って電子部品を保護し、導電膜によって電子部品を電磁
気的にシールドする。
【0023】本発明の電子部品保護用キャップの製造方
法は、実装基板に実装された電子部品を保護すると共に
電子部品を電磁気的にシールドするための電子部品保護
用キャップを製造する方法であって、電子部品を覆う形
状に樹脂フィルムを成型する工程と、樹脂フィルムの電
子部品とは反対側の面を覆うように導電膜を形成する工
程とを備えたものである。この製造方法によって製造さ
れる電子部品保護用キャップは、樹脂フィルムによって
電子部品を保護し、導電膜によって電子部品を電磁気的
にシールドする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照し
て、本発明の一実施の形態に係る電子装置および電子部
品保護用キャップの構成について説明する。本実施の形
態に係る電子装置10は、一方の面11aにおいて露出
する導体パターン12を有する実装基板11と、一方の
面13aにおいて接続電極14を有し、この接続電極1
4を有する面13aが実装基板11の一方の面11aに
対向するように配置され、接続電極14が実装基板11
の導体パターン12に電気的に接続され且つ機械的に接
合された電子部品13と、電子部品13の実装基板11
とは反対側の面13bと電子部品13の周辺の部分にお
ける実装基板11の一方の面11aとに密着するように
電子部品13および実装基板11を覆い、実装基板11
に接着された樹脂フィルム15と、この樹脂フィルム1
5の電子部品13とは反対側の面を覆う導電膜40とを
備えている。
【0025】実装基板11は、ガラス、樹脂またはセラ
ミック等で形成されている。電子部品13は、例えば弾
性表面波素子、振動子、高周波回路部品等であるが、そ
の他の電子部品であってもよい。電子部品13は、前述
のように、接続電極14を有する面13aが実装基板1
1に向くように配置されるフェースダウンボンディング
によって、実装基板11に実装されている。電子部品1
3の一方の面13aと実装基板11の一方の面11aと
の間には空間16が形成されている。
【0026】電子部品13の実装基板11とは反対側の
面13bは、樹脂フィルム15によって隙間なく覆われ
ている。実装基板11の一方の面11aのうち、電子部
品13の周辺の部分も、隙間なく樹脂フィルム15によ
って覆われている。また、樹脂フィルム15は、電子部
品13の接続電極14と実装基板11の導体パターン1
2との電気的接続部分を含めて、電子部品13の全体を
封止している。
【0027】樹脂フィルム15は、例えば、エポキシ樹
脂等の熱硬化性の樹脂によって形成されている。樹脂フ
ィルム15の厚みは、例えば50〜150μmである。
【0028】実装基板11には接地用導体部12Gが設
けられている。この接地用導体部12Gは接地電位に保
持される。樹脂フィルム15には、接地用導体部に対応
する位置に孔37が設けられている。導電膜40は、孔
37を通して接地用導体部12Gに電気的に接続されて
いる。
【0029】導電膜40は、金属等の導電性の材料より
なる。この導電膜40は、電子部品13および実装基板
11上の導体パターン12を電磁気的にシールドする。
具体的には、導電膜40は、電子部品13を含む導電膜
40の内側の空間に、導電膜40の外側からの電磁波が
侵入することを阻止すると共に、電子部品13を含む導
電膜40の内側の空間で発生した電磁波が導電膜40の
外側に漏れることを阻止する。
【0030】樹脂フィルム15および導電膜40は、本
実施の形態に係る電子部品保護用キャップを構成する。
この電子部品保護用キャップは、実装基板11に実装さ
れた電子部品13を保護すると共に電子部品13を電磁
気的にシールドする。
【0031】次に、本実施の形態に係る電子装置10お
よび電子部品保護用キャップの製造方法の概略について
説明する。本実施の形態に係る電子装置10の製造方法
は、電子部品13の一方の面13aが実装基板11の一
方の面11aに対向するように、電子部品13と実装基
板11とを配置し、電子部品13の接続電極14を実装
基板11の導体パターン12に電気的に接続し且つ機械
的に接合する工程と、電子部品13の実装基板11とは
反対側の面13bと電子部品13の周辺の部分における
実装基板11の一方の面11aとに密着して電子部品1
3および実装基板11を覆うように樹脂フィルム15を
配置し、樹脂フィルム15を実装基板11に接着する工
程と、樹脂フィルム15の電子部品13とは反対側の面
を覆うように導電膜40を形成する工程とを備えてい
る。本実施の形態に係る電子部品保護用キャップの製造
方法は、電子部品13を覆う形状に樹脂フィルム15を
成型する工程と、樹脂フィルム15の電子部品13とは
反対側の面を覆うように導電膜40を形成する工程とを
備えている。樹脂フィルム15を成型する工程は、電子
装置10の製造方法における、樹脂フィルム15を配置
し、樹脂フィルム15を実装基板11に接着する工程に
含まれる。
【0032】次に、図2を参照して、本実施の形態にお
いて用いられる樹脂フィルム15の特性の一例を概念的
に説明する。図2において、白丸および実線は、樹脂フ
ィルム15の温度と任意の方向についての長さとの対応
関係を示している。また、図2において、黒丸および破
線は、樹脂フィルム15の特性との比較のために、BT
(Bismaleimide triazine)樹脂のように温度変化に対
して形状が安定している樹脂における温度と任意の方向
についての長さとの対応関係を示している。温度変化に
対して形状が安定している樹脂では、符号110で示し
たように、温度変化に対してほぼ直線的に長さが変化す
る。
【0033】樹脂フィルム15は、その温度が常温(室
温)RTのときにはフィルム形状を維持している。符号
101で示したように、樹脂フィルム15の温度を常温
RTからガラス転移温度TGまで上げて行くと、樹脂フ
ィルム15は徐々に軟化すると共に、温度変化に対して
ほぼ直線的に長さが変化するように膨張する。符号10
2で示したように、樹脂フィルム15の温度をガラス転
移温度TGから硬化開始温度HTまで上げて行くと、樹
脂フィルム15は流動性を有するようになると共に、急
激に膨張する。符号103で示したように、樹脂フィル
ム15の温度を硬化開始温度HT以上とすると、樹脂フ
ィルム15は硬化し始める。樹脂フィルム15の硬化が
終了すると、符号104で示したように、樹脂フィルム
15は収縮する。このとき、樹脂フィルム15には収縮
する方向の力(以下、収縮力と言う。)が生じる。樹脂
フィルム15の硬化が終了した後は、符号105で示し
たように、樹脂フィルム15は、温度を上げても再度、
軟化したり、流動性を有したりすることなく、温度変化
に対して形状が安定する。硬化開始温度HTは、樹脂フ
ィルム15の特性によって異なるが、例えば150〜2
00℃程度であり、エポキシ樹脂を用いて形成された樹
脂フィルム15の場合には150℃前後である。また、
樹脂フィルム15の硬化開始から硬化終了までに要する
時間も、樹脂フィルム15の特性によって異なる。
【0034】なお、図2に示した樹脂フィルム15の特
性は、あくまで概念的なものである。従って、例えば、
単位時間あたりの温度変化量が変われば樹脂フィルム1
5の特性も変化する。
【0035】本実施の形態に係る電子装置10の製造方
法では、例えば、樹脂フィルム15の温度を上げて樹脂
フィルム15を軟化させた状態で、樹脂フィルム15が
電子部品13の実装基板11とは反対側の面13bと電
子部品13の周辺の部分における実装基板11の一方の
面11aとに均一に密着して電子部品13および実装基
板11を覆うように、樹脂フィルム15の形状を変化さ
せる。その後、更に樹脂フィルム15の温度を上げて、
樹脂フィルム15が流動性を有するようにした後、樹脂
フィルム15を硬化させることによって、樹脂フィルム
15を実装基板11に接着すると共に、樹脂フィルム1
5の形状を固定する。樹脂フィルム15が硬化する際に
は、前述のように収縮力が発生する。この樹脂フィルム
15の収縮力は、電子部品13を実装基板11側に押し
付けるように作用する。これにより、電子部品13の接
続電極14と実装基板11の導体パターン12との機械
的な接合がより確実に補強される。また、樹脂フィルム
15が収縮することにより、樹脂フィルム15は、より
緊密に電子部品13および実装基板11に密着する。
【0036】なお、樹脂フィルム15が常温でも十分な
柔軟性を有する場合には、常温において樹脂フィルム1
5を変形させて、その形状を決定し、その後、樹脂フィ
ルム15の温度を上げて樹脂フィルム15を硬化させて
もよい。
【0037】また、ガラス転移温度以下の温度において
樹脂フィルム15を軟化させた状態で、樹脂フィルム1
5の形状を決定し、その後、ガラス転移温度以下の温度
において比較的長い時間をかけて樹脂フィルム15を硬
化させてもよい。
【0038】また、樹脂フィルム15が紫外線によって
軟化する樹脂によって形成されている場合には、樹脂フ
ィルム15の温度を上げて樹脂フィルム15を軟化させ
る代わりに、樹脂フィルム15に紫外線を照射して樹脂
フィルム15を軟化させてもよい。あるいは、樹脂フィ
ルム15の温度を上げると共に樹脂フィルム15に紫外
線を照射して樹脂フィルム15を軟化させてもよい。
【0039】また、樹脂フィルム15が紫外線によって
硬化する樹脂によって形成されている場合には、樹脂フ
ィルム15の温度を上げて樹脂フィルム15を硬化させ
る代わりに、樹脂フィルム15に紫外線を照射して樹脂
フィルム15を硬化させてもよい。あるいは、樹脂フィ
ルム15の温度を上げると共に樹脂フィルム15に紫外
線を照射して樹脂フィルム15を硬化させてもよい。
【0040】ところで、本実施の形態において、電子部
品13の接続電極14と実装基板11の導体パターン1
2との電気的接続および機械的接合の方法としては、種
々の方法を用いることができる。以下、電子部品13の
接続電極14と実装基板11の導体パターン12との電
気的接続および機械的接合の方法(以下、単に接合方法
と言う。)のいくつかの例について説明する。
【0041】まず、図3ないし図5を参照して、本実施
の形態との比較のために、従来の接合方法の例について
説明する。なお、図3ないし図5では、電子部品13の
接続電極14と実装基板11の導体パターン12との電
気的接続および機械的接合の部分を、他の部分に比べて
大きく描いている。
【0042】図3に示した例では、電子部品13の接続
電極14として、電子部品13の導体パターン17に接
続された、例えば金よりなるバンプ14Aが設けられて
いる。一方、実装基板11側には、導体パターン12の
一部をなす、例えば金よりなる接続部12Aが設けられ
ている。この例では、バンプ14Aと接続部12Aは金
属接合され、これにより、バンプ14Aと接続部12A
は電気的に接続されると共に機械的に接合される。
【0043】図4に示した例では、電子部品13の接続
電極14として、電子部品13の導体パターン17に接
続された、例えば金よりなるバンプ14Bが設けられて
いる。一方、実装基板11側には、導体パターン12の
一部をなす、例えば金よりなる接続部12Aが設けられ
ている。この例では、バンプ14Bと接続部12Aは、
導電性ペースト18によって電気的に接続される。その
後、電子部品13と実装基板11との間にはアンダーフ
ィル材19が充填され、このアンダーフィル材19の収
縮力によって、バンプ14B、導電性ペースト18およ
び接続部12Aの機械的接合が安定的に確保される。
【0044】図5に示した例では、電子部品13の接続
電極14として、電子部品13の導体パターン17に接
続された、例えば金よりなるバンプ14Aが設けられて
いる。一方、実装基板11側には、導体パターン12の
一部をなす、例えば金よりなる接続部12Aが設けられ
ている。この例では、バンプ14Aと接続部12Aは互
いに接するように配置され、これにより、バンプ14A
と接続部12Aは電気的に接続される。バンプ14Aお
よび接続部12Aの周囲における電子部品13と実装基
板11との間には、非導電性または異方性導電性の接合
用ペースト20が注入される。そして、この接合用ペー
スト20の収縮力によって、バンプ14Aと接続部12
Aとの機械的接合が安定的に確保される。
【0045】次に、図6ないし図8を参照して、本実施
の形態における接合方法の例について説明する。なお、
図6ないし図8では、電子部品13の接続電極14と実
装基板11の導体パターン12との電気的接続および機
械的接合の部分を、他の部分に比べて大きく描いてい
る。
【0046】図6に示した例では、図3に示した例と同
様に、電子部品13の接続電極14として、電子部品1
3の導体パターン17に接続された、例えば金よりなる
バンプ14Aが設けられている。一方、実装基板11側
には、導体パターン12の一部をなす、例えば金よりな
る接続部12Aが設けられている。バンプ14Aと接続
部12Aは金属接合され、これにより、バンプ14Aと
接続部12Aは電気的に接続されると共に機械的に接合
される。この例では、更に、本実施の形態における樹脂
フィルム15が設けられている。そして、この樹脂フィ
ルム15の収縮力によって、バンプ14Aと接続部12
Aとの機械的な接合が補強される。
【0047】図7に示した例では、図4に示した例と同
様に、電子部品13の接続電極14として、電子部品1
3の導体パターン17に接続された、例えば金よりなる
バンプ14Bが設けられている。一方、実装基板11側
には、導体パターン12の一部をなす、例えば金よりな
る接続部12Aが設けられている。バンプ14Bと接続
部12Aは、導電性ペースト18によって電気的に接続
される。この例では、更に、本実施の形態における樹脂
フィルム15が設けられている。そして、アンダーフィ
ル材19を用いることなく、樹脂フィルム15の収縮力
によって、バンプ14B、導電性ペースト18および接
続部12Aの機械的接合が安定的に確保される。
【0048】図8に示した例では、図5に示した例と同
様に、電子部品13の接続電極14として、電子部品1
3の導体パターン17に接続された、例えば金よりなる
バンプ14Aが設けられている。一方、実装基板11側
には、導体パターン12の一部をなす、例えば金よりな
る接続部12Aが設けられている。バンプ14Aと接続
部12Aは互いに接するように配置され、これにより、
バンプ14Aと接続部12Aは電気的に接続される。バ
ンプ14Aおよび接続部12Aの周囲における電子部品
13と実装基板11との間には、非導電性または異方性
導電性の接合用ペースト20が注入される。そして、こ
の接合用ペースト20の収縮力によって、バンプ14A
と接続部12Aとの機械的接合が安定的に確保される。
この例では、更に、本実施の形態における樹脂フィルム
15が設けられている。そして、この樹脂フィルム15
の収縮力によって、バンプ14Aと接続部12Aとの機
械的な接合が補強される。
【0049】なお、本実施の形態における接合方法は、
図6ないし図8に示したものに限らず、フェースダウン
ボンディングにおける従来の接合方法をほとんど利用す
ることができる。
【0050】次に、図9を参照して、電子部品13とし
ての弾性表面波素子13Aの一例について説明する。図
9に示した弾性表面波素子13Aは、圧電基板21と、
この圧電基板21の一方の面に形成された櫛形電極22
および導体パターン23と、導体パターン23の端部に
形成された接続電極24とを有している。接続電極24
は、図1等における接続電極14に対応する。弾性表面
波素子13Aは、櫛形電極22によって発生される弾性
表面波を基本動作に使用する素子であり、本実施の形態
ではバンドパスフィルタとしての機能を有する。
【0051】図9において、記号“IN”を付した接続
電極24は入力端子であり、記号“OUT”を付した接
続電極24は出力端子であり、記号“GND”を付した
接続電極24は接地端子である。また、図9において、
符号25で示す破線で囲まれた領域は、弾性表面波伝搬
領域を含み、その内側に封止材等が入り込まないように
する必要のある領域である。
【0052】次に、図10ないし図17を参照して、本
実施の形態に係る電子装置10の製造方法および電子部
品保護用キャップの製造方法について詳しく説明する。
本実施の形態では、電子装置10を1個ずつ製造しても
よいし、複数の電子装置10を同時に製造してもよい。
以下では、複数の電子装置10を同時に製造する場合に
ついて説明する。
【0053】本実施の形態に係る電子装置の製造方法で
は、まず、図10に示したように、電子部品13の一方
の面13aが実装基板11の一方の面11aに対向する
ように、実装基板11の上に電子部品13を配置し、電
子部品13の接続電極14を実装基板11の導体パター
ン12に電気的に接続し且つ機械的に接合する。次に、
実装基板11の一方の面11aの形状とほぼ同じ平面形
状に形成された樹脂フィルム15を、電子部品13およ
び実装基板11を覆うように配置する。
【0054】なお、図10における実装基板11は、複
数の電子部品13に対応する部分を含んだものである。
そして、この実装基板11上には、複数の電子部品13
が配置される。
【0055】実装基板11には、各電子部品13が配置
される矩形の領域の周辺部において、複数の孔31が形
成されている。孔31は、例えば、電子部品13の配置
領域の中心位置を中心として互いに反対側の2箇所に設
けられていてもよいし、電子部品13の配置領域の4つ
の側部の外側の4個所に設けられていてもよいし、ある
いはそれよりも多くの個所に設けられていてもよい。
【0056】次に、図11に示したように、樹脂フィル
ム15を加熱して樹脂フィルム15を軟化させた状態
で、実装基板11の孔31を通して、実装基板11の電
子部品13とは反対側から電子部品13側の気体を吸引
する。ここでいう気体は、処理を行う際の雰囲気によっ
て異なるが、空気、窒素ガス、不活性ガス等である。こ
れにより、樹脂フィルム15が電子部品13の実装基板
11とは反対側の面13bと電子部品13の周辺の部分
における実装基板11の一方の面11aとに均一に密着
して電子部品13および実装基板11を覆うように、樹
脂フィルム15の形状を変化させる。このときの樹脂フ
ィルム15の温度は、樹脂フィルム15が硬化する温度
よりも低くなるようにする。このように、実装基板11
の孔31を通して、実装基板11の電子部品13とは反
対側から電子部品13側の気体を吸引して樹脂フィルム
15の形状を変化させることにより、樹脂フィルム15
の形状を容易に決定することができる。また、樹脂フィ
ルム15を軟化させた状態で、樹脂フィルム15の形状
を変化させることにより、樹脂フィルム15の形状をよ
り容易に決定することができる。なお、樹脂フィルム1
5が常温でも十分な柔軟性を有する場合には、樹脂フィ
ルム15を加熱せずに、上述の吸引のみで樹脂フィルム
15の形状を変化させてもよい。
【0057】なお、樹脂フィルム15が紫外線によって
軟化する樹脂によって形成されている場合には、樹脂フ
ィルム15の温度を上げて樹脂フィルム15を軟化させ
る代わりに、樹脂フィルム15に紫外線を照射して樹脂
フィルム15を軟化させてもよい。あるいは、樹脂フィ
ルム15の温度を上げると共に樹脂フィルム15に紫外
線を照射して樹脂フィルム15を軟化させてもよい。
【0058】本実施の形態では、樹脂フィルム15を加
熱する手段および実装基板11の電子部品13とは反対
側から電子部品13側の気体を吸引する手段として、減
圧可能な加熱炉32を用いている。しかし、加熱する手
段や気体を吸引する手段としては他の手段を用いてもよ
い。加熱炉32は、実装基板11が載置されるヒーター
33を有している。ヒーター33は、実装基板11およ
び樹脂フィルム15を加熱する。ヒーター33には、実
装基板11の孔31に連通する孔34が形成されてい
る。加熱炉32内の気体を排出して加熱炉32内を減圧
すると、ヒーター33の孔34と実装基板11の孔31
を通して、実装基板11の電子部品13とは反対側から
電子部品13側の気体が吸引される。
【0059】次に、図12に示したように、ヒーター3
3によって実装基板11および樹脂フィルム15を加熱
して、樹脂フィルム15の形状を安定化させると共に樹
脂フィルム15を暫定的に実装基板11に接着させる。
ただし、この時点では、樹脂フィルム15を完全には実
装基板11に接着させず、且つ樹脂フィルム15を完全
には硬化させない。なお、樹脂フィルム15が紫外線に
よって硬化する樹脂によって形成されている場合には、
樹脂フィルム15の温度を上げる代わりに樹脂フィルム
15に紫外線を照射して、樹脂フィルム15の形状を安
定化させると共に樹脂フィルム15を暫定的に実装基板
11に接着させてもよい。
【0060】次に、図13に示したように、治具36を
用いて、接地用導体部12Gに対応する位置において樹
脂フィルム15に孔37を開ける。治具36は、樹脂フ
ィルム15に孔37を開けるための複数の刃部36a
と、この刃部36aを保持する保持部36bとを有して
いる。刃部36aの形状は、円錐状、角錐状、くさび状
等である。なお、図13は、図12とは異なる断面を表
している。
【0061】次に、図14に示したように、再び、ヒー
ター33によって実装基板11および樹脂フィルム15
を加熱して、樹脂フィルム15の温度を樹脂フィルム1
5が硬化する温度以上とする。これにより、樹脂フィル
ム15を、流動性を有するようにした後、硬化させて、
樹脂フィルム15を実装基板11に完全に接着すると共
に、電子部品13を覆う形状に樹脂フィルム15を成型
し、その形状を固定する。
【0062】なお、樹脂フィルム15が紫外線によって
硬化する樹脂によって形成されている場合には、樹脂フ
ィルム15の温度を上げて樹脂フィルム15を硬化させ
る代わりに、樹脂フィルム15に紫外線を照射して樹脂
フィルム15を硬化させてもよい。あるいは、樹脂フィ
ルム15の温度を上げると共に樹脂フィルム15に紫外
線を照射して樹脂フィルム15を硬化させてもよい。
【0063】次に、樹脂フィルム15の電子部品13と
は反対側の面を覆うように導電膜40を形成する。導電
膜40の形成方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、
化学的気相成長(CVD)法等の周知の薄膜形成方法を
用いることができる。図15には、一例として、スパッ
タ装置を用いて、スパッタ法によって導電膜40を形成
する例を示している。この例におけるスパッタ装置は、
チャンバ51と、このチャンバ51内に設けられた基板
ホルダ52と、チャンバ51内において基板ホルダ52
と対向するように設けられたターゲットホルダ53とを
備えている。ターゲットホルダ53は陰極を兼ねてい
る。ターゲットホルダ53には、導電膜40を形成する
ための材料よりなるターゲット54が取り付けられる。
基板ホルダ52には、樹脂フィルム15がターゲット5
4に対向するように、実装基板11から樹脂フィルム1
5までの積層体が取り付けられる。
【0064】図15に示したスパッタ装置を用いて導電
膜40を形成する方法では、ターゲット54より放出さ
れた材料が樹脂フィルム15の表面に堆積して、図16
に示したように導電膜40が形成される。導電膜40
は、孔37を通して接地用導体部12Gに電気的に接続
される。
【0065】次に、図16において符号41で示した切
断位置で、実装基板11、樹脂フィルム15および導電
膜40を切断して、個々の電子装置10を完成させる。
図17は、図16に示した切断工程の前における実装基
板11、電子部品13、樹脂フィルム15および導電膜
40を示す平面図である。電子装置10を1個ずつ製造
する場合における製造方法は、上述の実装基板11、樹
脂フィルム15および導電膜40を切断する工程が不要
になること以外は、複数の電子装置10を同時に製造す
る場合と同様である。
【0066】以上説明したように、本実施の形態に係る
電子装置10およびその製造方法ならびに電子部品保護
用キャップおよびその製造方法では、樹脂フィルム15
によって電子部品13が保護され、導電膜40によって
電子部品13が電磁気的にシールドされる。また、本実
施の形態では、電子部品13と実装基板11との間にア
ンダーフィル材は充填されない。従って、本実施の形態
によれば、大きな体積を必要とせず、且つ電子部品13
の動作に影響を与えることなく、電子部品の保護および
電磁気的なシールドを行うことができる。
【0067】また、本実施の形態では、樹脂フィルム1
5が、電子部品13の実装基板11とは反対側の面13
bと電子部品13の周辺の部分における実装基板11の
一方の面11aとに密着するように電子部品13および
実装基板11を覆い、実装基板11に接着される。そし
て、この樹脂フィルム15によって、電子部品13の接
続電極14と実装基板11の導体パターン12との機械
的な接合が補強される。従って、本実施の形態によれ
ば、簡単な構成および簡単な工程で、電子部品13の動
作に影響を与えることなく、電子部品13の接続電極1
4と実装基板11の導体パターン12との機械的な接合
の強度や接合の安定性の向上を図ることができる。
【0068】特に、樹脂フィルム15を接着する工程に
おいて、樹脂フィルム15を加熱して、樹脂フィルム1
5が流動性を有するようにした後に樹脂フィルム15を
硬化させることによって、樹脂フィルム15を実装基板
11に接着するようにした場合には、樹脂フィルム15
の硬化時の収縮力により、電子部品13の接続電極14
と実装基板11の導体パターン12との機械的な接合の
強度や接合の安定性をより確実に向上させることができ
る。
【0069】また、本実施の形態によれば、樹脂フィル
ム15によって電子部品13が封止されるので、簡単な
構成および簡単な工程で、電子部品13の動作に影響を
与えることなく、電子部品13を封止することができ
る。これにより、環境等に対する電子装置10の耐性を
確保することができる。
【0070】また、本実施の形態では、実装基板11の
孔31は、樹脂フィルム15を実装基板11に接着する
工程において、樹脂フィルム15によって塞がれる。従
って、本実施の形態では、孔31を塞がなくとも、確実
に封止状態を保つことができる。
【0071】また、本実施の形態によれば、電子部品1
3の一方の面13aと実装基板11の一方の面11aと
の間に空間16が形成されているので、電子部品13の
一方の面13aが他の物に接触することによって電子部
品13の動作が影響を受けることを防止することができ
る。これは、特に、電子部品13が弾性表面波素子や振
動子や高周波回路部品の場合に有効である。
【0072】これらのことから、本実施の形態によれ
ば、電子装置10の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、樹脂フィルム15を用い
て電子部品13の封止を行うと共に、導電膜40を用い
て電子部品13のシールドを行うので、金属製のキャッ
プのような構造体を用いて電子部品13の封止およびシ
ールドを行う場合に比べて、電子装置10の小型化、軽
量化、薄型化が可能になる。また、本実施の形態によれ
ば、樹脂フィルム15を用いて電子部品13の封止を行
うので、低コストで上述の各効果を得ることができる。
【0073】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変更が可能である。例えば、実装基板11に
おける孔31は、吸引用に特別に設けたものに限らず、
スルーホール等の既存の孔であってもよい。また、本発
明において、一つの電子装置は複数の電子部品を含んで
いてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし6
のいずれかに記載の電子装置、請求項7ないし12のい
ずれかに記載の電子装置の製造方法、請求項13記載の
電子部品保護用キャップ、もしくは請求項14記載の電
子部品保護用キャップの製造方法によれば、樹脂フィル
ムによって電子部品を保護し、導電膜によって電子部品
を電磁気的にシールドすることができる。従って、本発
明によれば、大きな体積を必要とせず、且つ電子部品の
動作に影響を与えることなく、電子部品の保護および電
磁気的なシールドを行うことができるという効果を奏す
る。
【0075】また、請求項2記載の電子装置または請求
項8記載の電子装置の製造方法によれば、樹脂フィルム
は電子部品の実装基板とは反対側の面に密着するので、
電子部品の接続電極と実装基板の導体パターンとの機械
的な接合の強度や接合の安定性の向上を図ることができ
るという効果を奏する。
【0076】また、請求項3記載の電子装置または請求
項9記載の電子装置の製造方法によれば、樹脂フィルム
によって電子部品が封止されるので、電子部品の動作に
影響を与えることなく、電子部品を封止することができ
るという効果を奏する。
【0077】また、請求項4記載の電子装置または請求
項10記載の電子装置の製造方法によれば、電子部品の
一方の面と実装基板の一方の面との間に空間が形成され
ているので、電子部品の一方の面が他の物に接触するこ
とによって電子部品の動作が影響を受けることを防止す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子装置の断面図
である。
【図2】本発明の一実施の形態において用いられる樹脂
フィルムの特性の一例を概念的に示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態との比較のために従来の
接合方法の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態との比較のために従来の
接合方法の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態との比較のために従来の
接合方法の更に他の例を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態における接合方法の一例
を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態における接合方法の他の
例を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態における接合方法の更に
他の例を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態における電子部品として
弾性表面波素子の一例を示す平面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る電子装置の製造
方法における一工程を示す説明図である。
【図11】図10に続く工程を示す説明図である。
【図12】図11に続く工程を示す説明図である。
【図13】図12に続く工程を示す説明図である。
【図14】図13に続く工程を示す説明図である。
【図15】図14に続く工程を示す説明図である。
【図16】図15に続く工程を示す説明図である。
【図17】図16に示した切断工程の前における実装基
板、電子部品および樹脂フィルムを示す平面図である。
【符号の説明】
10…電子装置、11…実装基板、12…導体パター
ン、12G…接地用導体部、13…電子部品、14…接
続電極、15…樹脂フィルム、16…空間、37…孔、
40…導電膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒沢 文勝 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 田島 盛一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 4M109 AA02 BA03 CA24 EE07 GA10 5E321 AA01 AA22 BB23 CC16 GG05 5F061 AA02 BA03 CA24 CB07 FA06 5J097 AA17 AA24 AA29 HA04 JJ01 JJ07 KK10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面において露出する導体パターン
    を有する実装基板と、 一方の面において接続電極を有し、この接続電極を有す
    る面が前記実装基板の一方の面に対向するように配置さ
    れ、前記接続電極が前記実装基板の導体パターンに電気
    的に接続され且つ機械的に接合された電子部品と、 前記電子部品を覆い、前記実装基板に接着された樹脂フ
    ィルムと、 前記樹脂フィルムの前記電子部品とは反対側の面を覆う
    導電膜とを備えたことを特徴とする電子装置。
  2. 【請求項2】 前記樹脂フィルムは、前記電子部品の実
    装基板とは反対側の面に密着することを特徴とする請求
    項1記載の電子装置。
  3. 【請求項3】 前記樹脂フィルムは、前記電子部品を封
    止することを特徴とする請求項1または2記載の電子装
    置。
  4. 【請求項4】 前記電子部品の一方の面と前記実装基板
    の一方の面との間には空間が形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子装置。
  5. 【請求項5】 前記実装基板には接地用導体部が設けら
    れ、前記導電膜は前記接地用導体部に電気的に接続され
    ていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
    記載の電子装置。
  6. 【請求項6】 前記樹脂フィルムは、前記接地用導体部
    に対応する位置に設けられた孔を有し、前記導電膜は、
    前記孔を通して前記接地用導体部に電気的に接続されて
    いることを特徴とする請求項5記載の電子装置。
  7. 【請求項7】 一方の面において露出する導体パターン
    を有する実装基板と、一方の面において接続電極を有
    し、この接続電極を有する面が前記実装基板の一方の面
    に対向するように配置され、前記接続電極が前記実装基
    板の導体パターンに電気的に接続され且つ機械的に接合
    された電子部品とを備えた電子装置の製造方法であっ
    て、 前記電子部品の一方の面が前記実装基板の一方の面に対
    向するように、前記電子部品と実装基板とを配置し、前
    記電子部品の接続電極を前記実装基板の導体パターンに
    電気的に接続し且つ機械的に接合する工程と、 前記電子部品を覆うように樹脂フィルムを配置し、前記
    樹脂フィルムを前記実装基板に接着する工程と、 前記樹脂フィルムの前記電子部品とは反対側の面を覆う
    ように導電膜を形成する工程とを備えたことを特徴とす
    る電子装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記樹脂フィルムは、前記電子部品の実
    装基板とは反対側の面に密着することを特徴とする請求
    項7記載の電子装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記樹脂フィルムは、前記電子部品を封
    止することを特徴とする請求項7または8記載の電子装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電子部品の一方の面と前記実装基
    板の一方の面との間には空間が形成されることを特徴と
    する請求項7ないし9のいずれかに記載の電子装置の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記実装基板には接地用導体部が設け
    られ、前記導電膜は前記接地用導体部に電気的に接続さ
    れることを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに
    記載の電子装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 更に、前記導電膜を形成する前に、前
    記接地用導体部に対応する位置において前記樹脂フィル
    ムに孔を開ける工程を備え、前記導電膜は、前記孔を通
    して前記接地用導体部に電気的に接続されることを特徴
    とする請求項11記載の電子装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 実装基板に実装された電子部品を保護
    すると共に前記電子部品を電磁気的にシールドするため
    の電子部品保護用キャップであって、 前記電子部品を覆う形状に成型された樹脂フィルムと、 前記樹脂フィルムの前記電子部品とは反対側の面を覆う
    導電膜とを備えたことを特徴とする電子部品保護用キャ
    ップ。
  14. 【請求項14】 実装基板に実装された電子部品を保護
    すると共に前記電子部品を電磁気的にシールドするため
    の電子部品保護用キャップの製造方法であって、 前記電子部品を覆う形状に樹脂フィルムを成型する工程
    と、 前記樹脂フィルムの前記電子部品とは反対側の面を覆う
    ように導電膜を形成する工程とを備えたことを特徴とす
    る電子部品保護用キャップの製造方法。
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