JP2002332408A - シリコーンゴム用組成物 - Google Patents

シリコーンゴム用組成物

Info

Publication number
JP2002332408A
JP2002332408A JP2001139169A JP2001139169A JP2002332408A JP 2002332408 A JP2002332408 A JP 2002332408A JP 2001139169 A JP2001139169 A JP 2001139169A JP 2001139169 A JP2001139169 A JP 2001139169A JP 2002332408 A JP2002332408 A JP 2002332408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
glass
silicone rubber
parts
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001139169A
Other languages
English (en)
Inventor
Nina Moriichi
にな 森市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fine Rubber Kenkyusho KK
Original Assignee
Fine Rubber Kenkyusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fine Rubber Kenkyusho KK filed Critical Fine Rubber Kenkyusho KK
Priority to JP2001139169A priority Critical patent/JP2002332408A/ja
Publication of JP2002332408A publication Critical patent/JP2002332408A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強い紫外線に直接曝されるような条件下でも
使用できるような、高度の耐紫外線性を有するシリコー
ンゴムを提供できるシリコーンゴム用組成物を提供す
る。 【解決手段】 (A)平均単位式RaSiO(4-a)/2(式
中Rは置換または非置換の一価炭化水素基、a=1.9
5〜2.05)を有するオルガノポリシロキサン100
質量部、(B)シリカ系充填材5〜100質量部、
(C)硬化剤、(D)ベンガラ10〜50質量部、
(E)ガラス10〜50質量部を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐紫外線性及び耐候
性に優れたシリコーンゴムの原料となるシリコーンゴム
用組成物に関し、より詳細には、殺菌や光触媒の活性化
に用いる紫外線ランプのホルダー等に用いることができ
るシリコーンゴムを提供できるシリコーンゴム用組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、ゴムは紫外線に対して劣化し易いが、シリコーンゴ
ムは、酸素、オゾン、紫外線に対して、他の有機合成ゴ
ムよりも優れたゴム、すなわち長時間屋外に放置して
も、クラックを生じたり、粘着性を帯びたりすることが
ないゴムとして知られている。
【0003】近年、殺菌や光触媒の活性化に用いる紫外
線ランプのホルダー等には、衝撃吸収性に優れていると
いう観点から、ゴムやエラストマーが好ましく用いられ
る。
【0004】シリコーンゴムは、他の有機合成ゴムと比
べて耐紫外線性に優れているとはいうものの、図1に示
すように、強い紫外線ランプ1と直接接触する部分に取
り付けられているホルダー2に用いた場合、紫外線によ
る劣化が激しい。
【0005】現在、紫外線を吸収あるいは遮断する充填
材として知られている、カーボンブラック、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化セリウム、ベンゾトリアゾールを、
シリコーンゴムに添加することにより耐紫外線性を増大
させたシリコーンゴムが用いられているが、やはり2〜
3日間程度でクラックが発生し始め、強度が低下するた
め実用的でない。このため、紫外線ランプ用ホルダーと
しては高価なフッ素ゴムが用いられている。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、強い紫外線に直
接曝されるような条件下でも使用できるような、高度の
耐紫外線性を有するシリコーンゴムを提供できるシリコ
ーンゴム用組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコーンゴム
用組成物は、(A)平均単位式RaSiO(4-a)/2(式中
Rは置換または非置換の一価炭化水素基、a=1.95
〜2.05)を有するオルガノポリシロキサン、(B)
シリカ系充填材、(C)硬化剤、(D)ベンガラ、及び
(E)ガラスを含有するシリコーンゴム用組成物であっ
て、前記(A)成分100質量部に対して、(B)シリ
カ系充填材5〜100質量部、(D)ベンガラ10〜5
0質量部、(E)ガラス10〜50質量部を含有する。
【0008】前記硬化剤が有機過酸化物の場合には、
(A)成分100質量部に対して、0.01〜5質量部
を含有する。(A)成分がアルケニル基を有するオルガ
ノポリシロキサンの場合には、該(A)成分100質量
部に対してオルガノハイドロジエンポリシロキサンを
0.5〜5質量部含有し、及び前記白金系化合物を白金
量(質量)として(A)成分に対して5〜500ppm
含有する。
【0009】(D)成分たるベンガラと(E)成分たる
ガラスは、ベンガラ:ガラス(質量比)が0.8:1〜
2:1であることが好ましい。
【0010】さらに、前記ガラスは、径3〜20μmで
長さ50〜150μmのガラス繊維、粒径10〜300
μmのガラス粒子、及び150メッシュ以下のガラス粉
末からなる群より選択される少なくとも1種であること
が好ましく、前記ベンガラは、粒径0.2〜50μmで
あることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のシリコーンゴム用組成物
は、(A)平均単位式RaSiO(4-a)/2(式中Rは置換
または非置換の一価炭化水素基、a=1.95〜2.0
5)を有するオルガノポリシロキサン、(B)シリカ系
充填材、(C)硬化剤、(D)ベンガラ、(E)ガラス
を含有するものである。
【0012】本発明の組成物で(A)成分として使用さ
れるポリオルガノシロキサンは、平均単位式RaSiO
(4-a)/2で示される。式中、Rは、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜10、好
ましくは1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブ
テニル基等の炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8の
アルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;
アルキル基、アルケニル基、アリール基の炭素原子に結
合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換し
たクロロメチル基、クロロプロピル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;ア
ルキル基、アルケニル基、アリール基の炭素原子に結合
した水素原子の一部又は全部をシアノ基に置換した2−
シアノエチル基等のシアノ置換炭化水素基などから選択
される置換又は非置換の炭素原子数1〜10の炭化水素
基である。式中、aは1.95〜2.05である。具体
的には、下記化学式(1)で表わされる直鎖状のジオル
ガノシロキサンを主体とし、aが上記範囲を満足する範
囲で、下記化学式(2)式のように分岐があったり、下
記化学式(3)式のように末端がシロキサン結合で環状
となっているものであってもよい。
【0013】
【化1】
【0014】好ましい繰り返し単位は、Rの50%以
上、より好ましくは98%以上がメチル基であるジメチ
ルシロキサンである。重合度nは3000〜10000
であることが好ましい。
【0015】本発明の組成物における(B)成分として
のシリカ系充填材は、シリコーンゴムの補強、増粘、加
工性向上、増量などの目的で添加される。具体的には、
ヒュームドシリカ、湿式シリカ、表面を疎水化処理した
ヒュームドシリカや湿式シリカ、けいそう土などが用い
られる。シリカ系充填材としては、比表面積が1m2
g以上、好ましくは50m2/g以上のものが好ましく
用いられる。
【0016】本発明の組成物における(B)成分の含有
量は、(A)成分たるポリオルガノシロキサン100質
量部に対して5質量部以上、好ましくは25質量部以上
であり、その上限は100質量部以下、好ましくは75
質量部以下である。5質量部未満では、補強効果が充分
でないため、得られるシリコーンゴムの強度が弱くなる
からである。100質量部超では、得られるシリコーン
ゴムが硬くなりすぎて弾性が不足し、ゴムとしての用途
に適しないからである。
【0017】(C)成分たる硬化剤は、ポリオルガノシ
ロキサンの架橋硬化に用いられるもので、具体的には有
機過酸化物、金属脂肪酸塩、金属アルコラート、アミン
化合物や、オルガノハイドロジエンポリシロキサンと白
金系化合物の組み合わせなどが用いられる。
【0018】有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオ
キサイド、モノクロルベンゾイルパーオキサイド、p−
メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエー
ト、ジクミルパーオキサイド、2,5−ビス−(t−ブ
チルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5
−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチル
ヘキシンやジミリスチルパーオキシカーボネート、ジシ
クロドデシルパーオキシジカーボネート等のジカーボネ
ート類、t−ブチルモノパーオキシカーボネート類など
が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の組み合
わせが用いられる。(A)成分としてのポリオルガノポ
リシロキサン100質量部に対して、有機過酸化物0.
01〜5質量部含有することが好ましい。
【0019】(A)成分がアルケニル基を有するオルガ
ノポリシロキサンの場合には、このアルケニル基と付加
反応するケイ素結合水素原子を1分子に2個以上含有す
るオルガノハイドロジエンポリシロキサンと硬化触媒と
しての白金系化合物の組み合わせを用いることができ
る。
【0020】オルガノハイドロジエンポリシロキサンと
しては、例えば、下記一般式で示されるオルガノハイド
ロジエンポリシロキサンが挙げられる。 R2 bcSiO(4-b-c)/2 (式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価
の炭化水素基、b,cはそれぞれ正の数で、かつb+c
は1.0〜3.0を示す)で表わされる分子中に少なく
とも2個のケイ素−水素結合を有するオルガノハイドロ
ジエンポリシロキサン(R2はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ト
リル基などのアリール基であることが好ましい)が挙げ
られる。重合度は300以下が好ましく、線状、環状、
分岐鎖状構造のいずれでもよい。このようなオルガノハ
イドロジエンポリシロキサンに含まれる少なくとも2個
のケイ素−水素結合(=Si−H)が、(A)成分であ
るオルガノポリシロキサン中のアルケニル基と反応し
て、架橋硬化することができる。オルガノハイドロジエ
ンシロキサンは、ケイ素−水素結合(=Si−H)のモ
ル数が、(A)成分のアルケニル基量(モル数)に対し
て50〜300%となる量で含有することが好ましい。
具体的には、(A)成分100質量部に対して、オルガ
ノハイドロジエンポリシロキサンを0.5〜5質量部と
することが好ましい。
【0021】白金系化合物は、(A)成分中のアルケニ
ル基とオルガノハイドロジエンポリシロキサンの反応の
触媒として含有されるもので、塩化白金酸;塩化白金酸
とオレフィン又はビニルシロキサンとの錯塩、塩化白金
酸のアルコール溶液などが用いられる。白金系化合物
は、白金量(質量)として、A成分に対して5〜500
ppm含有することが好ましく、より好ましくは2〜2
00ppmである。
【0022】(D)成分たるベンガラは、(E)成分た
るガラスとの組み合わせで耐紫外線性を上げるために添
加される。
【0023】使用するベンガラの種類は特に限定ない
が、粒径0.02〜50μm、比表面積50〜150m
2/gのものが好ましく用いられる。工業用ベンガラと
しては、透明配合用の顔料であるCAPELLE社製C
appoxyt Red 4435B、大日精化社製ト
ランスオキサイドレッド(TOR)などが用いられる。
また、三重カラーテクノ社製弁柄隆華や、結晶水を有し
一般に鉄黄と呼ばれる大日精化社製トランスオキサイド
イエロー(TOY)、Bayer社製バイフェロックス
なども同様の効果が得られる。
【0024】本発明の組成物におけるベンガラの含有量
は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対し、10
質量部以上、好ましくは30質量部以上で、50質量部
以下、好ましくは40質量部以下である。10質量部未
満ではベンガラによる耐紫外線性向上効果が充分ではな
いからである。一方、ベンガラはガラス、シリカと同様
に充填材としても機能するため、多量に配合しすぎると
伸び、引張強度等のゴム物性の低下を招くからである。
【0025】(E)成分たるガラスは、(D)成分とと
もにシリコーンゴムの耐紫外線性を向上させるために添
加される。(D)成分たるベンガラは、ラジカル捕捉剤
としてシリコーンゴムの架橋の進行による硬化劣化を抑
制する作用と、触媒としてポリシロキサン主鎖を切断す
る作用とを有することが知られている。一方、(E)成
分たるガラスだけの添加では耐紫外線性向上効果はない
が、上記作用を有するベンガラとの相乗作用により優れ
た耐紫外線性効果を示す。具体的には、得られるシリコ
ーンゴム表面のクラック発生及び発生したクラックの成
長を遅延化し、その結果、ゴム弾性、ゴム強度を長期間
維持することができる。
【0026】(E)成分に用いられるガラスは、ケイ酸
塩を主成分とするものであればよく、石英ガラスの他、
ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、アル
ミノケイ酸ガラス、アルカリガラスなど種々のガラスを
用いることができる。また、ガラスの形状も特に限定は
なく、径3〜20μmで長さ50〜150μmのガラス
繊維;粒径10〜300μmのガラス粒子;板ガラスや
空き瓶のカレットを粉砕したガラスパウダーで150メ
ッシュ以下のガラス粉末が用いられる。具体的には、井
尾ガラス社製カレット粉砕品無色、茶色、緑色、ユニチ
カグラスファイバー社製EGP70M−01N、東芝バ
ロティーニ社製MB−10、J120、GB731など
を用いることができる。
【0027】組成物におけるガラスの含有量は、オルガ
ノポリシロキサン100質量部に対し、10質量部以
上、好ましくは30質量部以上で、50質量部以下、好
ましくは40質量部以下である。かかる範囲内で、ベン
ガラの配合量に応じて選択することが好ましい。特に、
ベンガラとガラスの配合比(質量比)が、ベンガラ:ガ
ラスが0.8:1〜2:1とすることが好ましく、より
好ましくは1:1である。ベンガラ/ガラス(質量比)
が0.8未満では、ベンガラによる耐紫外線向上効果が
得られないからである。
【0028】本発明のシリコーンゴム用組成物は、上記
(A)〜(E)成分の他、必要に応じて、末端に水酸基
を有するジメチルシロキサン、ジフェニルシランジオー
ル、アルコキシシランなどの低分子量の有機ケイ素化合
物を配合しても良い。
【0029】本発明のシリコーンゴム用組成物を用いれ
ば、耐紫外線、耐候性に優れたシリコーンゴムが得られ
る。すなわち、ベンガラとガラスの相乗作用により、紫
外線照射によっても表面における深いクラックの発生が
緩やかで、引張強度、伸びといったゴム物性の低下が少
ない。従って、紫外線ランプと直接接触するような用
途、さらには紫外線ランプホルダーのように、紫外線照
射下でもゴム物性の確保が要求される用途に好ましく用
いることができる。また、紫外線による劣化と類似の機
構で劣化すると考えられる屋外暴露に対しても耐性を有
する。
【0030】シリコーンゴムの製造方法は特に限定しな
いが、一般に、まず上記(A)成分及び(B)成分を、
2本ロールやニーダーミキサーなどで均一に混合した
後、100〜400℃で数秒間から数時間の熱処理を経
てベースコンパウンドとする。このベースコンパウンド
に、(C)〜(E)成分を配合した後、2本ロール等を
用いて均一に混練し、型に入れて加硫成形する。加硫成
型条件は、使用する組成物の組成及び得ようとするシリ
コーンゴムの硬さに応じて適宜設定すればよい。具体的
には、160〜170℃でプレス加硫成形した後、20
0℃程度で2〜24時間二次加硫する。
【0031】
【実施例】〔耐紫外線性の測定評価方法〕ゴム試験片
を、254nmの紫外線を5時間照射する前と後の引張
強さ、伸びの変化率を、下記評価方法で調べた。
【0032】硬さ(度) 製造直後のゴムのJIS−A硬さを、JIS−K625
3に準じて測定した。
【0033】引張強さ 耐紫外線性試験試験を行う前と後について、引張強さ
(MPa)を、JIS−K6253に準じて測定した。
また、試験による引張強さの変化率(%)を求めた。
【0034】伸び(%) 耐紫外線性試験試験を行う前と後について、伸び(%)
を、JIS−K6253に準じて測定した。また、試験
による伸びの変化率(%)を求めた。
【0035】〔配合組成と耐紫外線性〕ジメチルシロキ
サン単位99.775モル%、メチルビニルシロキサン
単位0.2モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.
025モル%からなる平均重合度が5000のガム状オ
ルガノポリシロキサン100質量部に、分散剤としての
ジフェニルシランジオール3質量部及びジメチルジメト
キシシラン5部、補強剤としてヒュームドシリカを40
質量部(日本シリカ社製ニプシルVN3LPを20質量
部と日本アエロジル社製アエロジル200を20質量
部)を混合し、均質に混練りした後、150℃で4時間
加熱処理してベースコンパウンドを作った。
【0036】ベースコンパウンドに、硬化剤として2,
5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン(東レ・ダゥコーニングシリコーン社製RC−4
(50P))、及びベンガラ(CAPELLE社製Ca
ppoxyt Red 4435B:粒径0.1〜0.
02μm)、ガラス繊維(ユニチカグラスファイバー社
製のEGP70M−01N:径9μmで平均繊維長70
μm)及びカーボンブラック(Ashland社製のT
hermax N−990)を表1に示す量だけ添加
し、2本ロールで均一に混練りした後、175℃で10
分プレス加硫を行い、さらに200℃で4時間の二次加
硫を行なって、表1に示すような硬さ、伸び、引張強さ
を有するシリコーンゴムシートNo.1〜10を得た。
【0037】また、上記で調製したベースコンパウンド
100質量部に、25℃における粘度が10cStであ
るメチルハイドロジエンポリシロキサン0.5質量部、
塩化白金酸の1%ブタノール溶液0.06質量部(オル
ガノポリシロキサンに対する白金量で150ppmに該
当)、ベンガラ(CAPELLE社製Cappoxyt
Red 4435B:粒径0.1〜0.02μm)、
及びガラス繊維(ユニチカグラスファイバー社製のEG
P70M−01N:径9μmで平均繊維長70μm)を
表2に示す量だけ添加し、2本ロールで均一に混練りし
た後、175℃で10分プレス加硫を行い、さらに20
0℃で4時間の二次加硫を行なって、表2に示すような
硬さ、伸び、引張強さを有するシリコーンゴムシートN
o.11〜15を得た。
【0038】得られたシリコーンゴムシートNo.1〜
15について、硬さ、引張強さ、伸びを測定した。表1
及び表2中、「初期」で示される。さらに、254nm
の紫外線ランプを1cm離したところ(強度20mW/
cm2に該当)から5時間照射した後の引張強さ、伸び
を測定して、紫外線照射試験前後の変化又は変化率を求
めた。No.1〜10の結果を表1に、No.11〜1
5の結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】ベースコンパウンドを硬化剤で硬化しただ
けのシリコーンゴム(No.1)及びガラス繊維だけを
配合した場合(No.4)は、表面にクラックが発生
し、引張試験及び伸び試験を行うことができなかった。
【0042】No.2、3、6の比較から、硬度が同程
度となるように充填材を添加した場合において、ベンガ
ラとガラスの双方を添加した場合が最も耐紫外線性を有
することがわかる。
【0043】ベンガラとガラスの双方を添加した場合で
あっても、ベンガラ及びガラスの含有量が10質量部の
場合には耐紫外線効果が小さく(No.5)、50質量
部の場合には伸びに対する効果が低下した(No.
8)。従って、ベンガラ及びガラスの含有量は30〜4
0質量部とすることが好ましい(No.6,7)。さら
に、No.7とNo.8の比較、No.6とNo.10
の比較から、同程度の硬度を達成するために充填材とし
てベンガラ及びガラスを添加する場合、ベンガラとガラ
スの含有比率、すなわちベンガラ:ガラス(質量比)は
1:1が好ましいことがわかる。ガラスの含有割合が大
きすぎると耐紫外線向上効果は認められず(No.
9)、ベンガラの含有率が多すぎる場合には、ガラスと
の相乗効果が得られず、耐紫外線向上効果が低下するか
らである。
【0044】No.11とNo.12〜15との比較か
ら、硬化剤としてメチルハイドロジエンポリシロキサン
と白金系化合物の組み合わせを用いた場合であっても、
ベンガラ及びガラス繊維の添加により、耐紫外線性が向
上していることがわかる。また、No.12〜15の比
較から、ベンガラ及びガラス繊維の配合量が20〜40
質量部の場合に、耐紫外線性がより向上することがわか
る。
【0045】〔ガラスの種類と耐紫外線性〕上記で調製
したベースコンパウンドに、硬化剤として2,5−ジメ
チル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(東
レ・ダゥコーニングシリコーン社製RC−4(50
P))0.5質量部を添加し、さらにベンガラ(CAP
ELLE社製Cappoxyt Red 4435
B)、ガラス繊維(ユニチカグラスファイバー社製のE
GP70M−01N:径9μmで繊維長70mm)、ガ
ラスビーズ(東芝バロティーニ社製GB731:粒径3
0μm)、不定形ガラス(井尾ガラス社製カレット無
色、茶色、緑色:200メッシュ以下)を表3に示す量
だけ添加し、2本ロールで均一に混練りした後、175
℃で10分プレス加硫を行い、さらに200℃で4時間
の二次加硫を行なって、シリコーンゴムシートNo.2
1〜26を得た。尚、上記ガラス繊維及びガラスビーズ
はEガラスに該当し、カレットはアルカリガラスに該当
する。
【0046】得られたシリコーンゴムシートNo.21
〜24について、硬さ、引張強さ、伸びを測定し、さら
に254nmの紫外線ランプを1cm離したところ(強
度20mW/cm2に該当)から5時間照射した後の引
張強さ、伸びを測定して、紫外線照射試験前後の変化又
は変化率を求めた。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】ガラスとベンガラの双方を含むNo.21
〜24は、いずれも紫外線照射試験前後での引張強さ変
化率、伸び変化率は同程度であった。このことから、耐
紫外線性の向上のためには、ガラスの形状は球状であっ
ても、繊維状であっても、不定形であってもよいことが
わかる。また、ガラスの種類においても、Eガラスであ
っても、アルカリガラスであってもよいことがわかる。
【0049】〔ベンガラの種類と耐紫外線性〕上記で調
製したベースコンパウンドに、硬化剤として2,5−ジ
メチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
(東レ・ダゥコーニングシリコーン社製RC−4(50
P))0.5質量部を添加し、さらにガラス繊維(ユニ
チカグラスファイバー社製のEGP70M−01N)
0.5質量部とベンガラを0.5質量部を添加し、2本
ロールで均一に混練りした後、175℃で10分プレス
加硫を行い、さらに200℃で4時間の二次加硫を行な
って、シリコーンゴムシートNo.31〜34を得た。
【0050】ベンガラとしては、透明配合用のベンガラ
であるCAPELLE社製Cappoxyt Red
4435B(平均粒径0.1〜0.02μm)及び大日
精化社製のTOR(平均粒径0.1〜0.02μm)、
一般に鉄赤とよばれる三重カラーテクノ社製隆華100
(平均粒径0.5μm)、そして結晶水を有し一般に鉄
黄と呼ばれるBayer社製バイフェロックス915
(平均粒径0.5μm)のいずれかを用いた。
【0051】得られたシリコーンゴムシートNo.31
〜34について、硬さ、引張強さ、伸びを測定し、さら
に254nmの紫外線ランプを1cm離したところ(強
度20mW/cm2に該当)から5時間照射した後の引
張強さ、伸びを測定して、紫外線照射試験前後の変化又
は変化率を求めた。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】表4から、No.31〜34のいずれも、
引張強さ変化率、伸び変化率は同程度であった。いずれ
のベンガラも耐紫外線性付与効果を有することがわか
る。
【0054】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴム用組成物は、耐
紫外線性、耐候性に優れたシリコーンゴムを提供でき
る。特に、近距離から紫外線を照射するという厳しい条
件下でも、長期間ゴム弾性、強度を維持できるシリコー
ンゴムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線ランプホルダーの構成を説明するための
模式図である。
【符号の説明】
1 紫外線ランプ 2 ホルダー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)平均単位式RaSiO(4-a)/2(式
    中Rは置換または非置換の一価炭化水素基、a=1.9
    5〜2.05)を有するオルガノポリシロキサン、
    (B)シリカ系充填材、(C)硬化剤、(D)ベンガ
    ラ、及び(E)ガラスを含有するシリコーンゴム用組成
    物であって、 前記(A)成分100質量部に対して、(B)シリカ系
    充填材5〜100質量部、(D)ベンガラ10〜50質
    量部、(E)ガラス10〜50質量部を含有するシリコ
    ーンゴム用組成物。
  2. 【請求項2】 前記硬化剤は有機過酸化物であって、
    (A)成分100質量部に対して、0.01〜5質量部
    を含有する請求項1に記載のシリコーンゴム用組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分がアルケニル基を有するオル
    ガノポリシロキサンであり、 (C)成分がオルガノハイドロジエンポリシロキサンと
    白金系化合物であって、 該(A)成分100質量部に対してオルガノハイドロジ
    エンポリシロキサンを0.5〜5質量部含有し、及び前
    記白金系化合物を白金量(質量)として(A)成分に対
    して5〜500ppm含有する請求項1に記載のシリコ
    ーンゴム用組成物。
  4. 【請求項4】 前記(D)ベンガラと(E)ガラスは、
    ベンガラ:ガラス(質量比)が0.8:1〜2:1であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーンゴム用組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記ガラスは、径3〜20μmで長さ5
    0〜150μmのガラス繊維、粒径10〜300μmの
    ガラス粒子、及び150メッシュ以下のガラス粉末から
    なる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜
    4のいずれか記載のシリコーンゴム用組成物。
  6. 【請求項6】 前記ベンガラは、粒径0.2〜50μm
    である請求項1〜5のいずれかに記載のシリコーンゴム
    用組成物。
JP2001139169A 2001-05-09 2001-05-09 シリコーンゴム用組成物 Pending JP2002332408A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001139169A JP2002332408A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 シリコーンゴム用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001139169A JP2002332408A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 シリコーンゴム用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002332408A true JP2002332408A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18985985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001139169A Pending JP2002332408A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 シリコーンゴム用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002332408A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018193705A1 (ja) * 2017-04-18 2018-10-25 信越化学工業株式会社 高誘電絶縁性シリコーンゴム組成物及び電界緩和層

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60173051A (ja) * 1984-02-17 1985-09-06 Toshiba Silicone Co Ltd ポリオルガノシロキサン組成物
JPH07310069A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Arai Pump Mfg Co Ltd シール用シリコーンゴム組成物
JPH08104812A (ja) * 1994-09-30 1996-04-23 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd シリコーンゴム組成物
JPH08120177A (ja) * 1994-10-20 1996-05-14 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd シリコーンゴム組成物
JPH08127716A (ja) * 1994-10-31 1996-05-21 Shin Etsu Chem Co Ltd 耐火性シリコーンゴム組成物
JPH10231427A (ja) * 1996-12-20 1998-09-02 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム組成物
JP2002309087A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Fine Rubber Kenkyusho:Kk 耐熱性シリコーンゴム用組成物及びこれを用いたシリコーンゴム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60173051A (ja) * 1984-02-17 1985-09-06 Toshiba Silicone Co Ltd ポリオルガノシロキサン組成物
JPH07310069A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Arai Pump Mfg Co Ltd シール用シリコーンゴム組成物
JPH08104812A (ja) * 1994-09-30 1996-04-23 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd シリコーンゴム組成物
JPH08120177A (ja) * 1994-10-20 1996-05-14 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd シリコーンゴム組成物
JPH08127716A (ja) * 1994-10-31 1996-05-21 Shin Etsu Chem Co Ltd 耐火性シリコーンゴム組成物
JPH10231427A (ja) * 1996-12-20 1998-09-02 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム組成物
JP2002309087A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Fine Rubber Kenkyusho:Kk 耐熱性シリコーンゴム用組成物及びこれを用いたシリコーンゴム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018193705A1 (ja) * 2017-04-18 2018-10-25 信越化学工業株式会社 高誘電絶縁性シリコーンゴム組成物及び電界緩和層
CN110520481A (zh) * 2017-04-18 2019-11-29 信越化学工业株式会社 高介电绝缘性硅橡胶组合物和电场缓和层
JPWO2018193705A1 (ja) * 2017-04-18 2020-01-16 信越化学工業株式会社 高誘電絶縁性シリコーンゴム組成物及び電界緩和層
US11434345B2 (en) 2017-04-18 2022-09-06 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. High dielectric insulating silicone rubber composition and electric field relaxation layer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2802903T3 (es) Composición de caucho de silicona resistente al calor
JP4209608B2 (ja) 室温硬化性シリコーンゴム組成物
JP2897098B2 (ja) シリコーンゴム組成物
JP2009073980A (ja) シリコーンゴム組成物
JP4780256B2 (ja) ポリマー碍子用シール材及びポリマー碍子用補修材
JP6848760B2 (ja) 冷却液用シール材
JPH06329909A (ja) シリコーンゴムロール
JPH03115358A (ja) 熱硬化型シリコーンゴム組成物
JP4704987B2 (ja) 押出成型用シリコ−ンゴム組成物
TW201821546A (zh) 耐熱性混煉型矽橡膠組合物
JPH11152408A (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子
JP6957960B2 (ja) 透明性を有するシリコーンゴム組成物及びその硬化物
JP5527309B2 (ja) ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物の製造方法
JP5553076B2 (ja) シリコーンゴム組成物
JP6079607B2 (ja) フロロシリコーンゴム組成物
JP6830879B2 (ja) シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴム
JP2002332408A (ja) シリコーンゴム用組成物
JPH10245487A (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びその製造方法
JP2000186210A (ja) 中空フィラ―含有シリコ―ンゴム組成物
JP4567232B2 (ja) 耐熱性シリコーンゴム組成物の硬化物
JP3959366B2 (ja) 室温硬化性シリコーンゴム組成物
JP2005325158A (ja) 付加硬化型シリコーンゴム組成物
JP2016002103A (ja) 医療用バルーンカテーテル製造用付加硬化性シリコーンゴム組成物
TW202309198A (zh) 氟矽橡膠組成物及硬化成型物
JPH11116806A (ja) シリコーンゴム組成物及び定着ロール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080423

A977 Report on retrieval

Effective date: 20101220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111227

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130312

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02