JP2002332403A - 粉末化した増粘剤配合物 - Google Patents

粉末化した増粘剤配合物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、水性塗料や水性ラッカーなどの水
性系中に良好に混和しうるような粉末化した増粘剤配合
物を提供することを、その課題とする。 【解決手段】 本発明は、粉末化した増粘剤配合物であ
って、当該増粘剤配合物は、(a)少なくとも1つのウ
レタン基含有水溶性または水分散性増粘剤、(b)少な
くとも1つの室温で固体の物質、(c)所望による、非
イオン性の芳香族乳化剤または脂肪族乳化剤、および
(d)所望による、他の助剤物質を含んでなる混合物の
溶液、懸濁液または溶融体を形成し、次いで得られた生
成物を、乾燥または粉砕処理して、粉末形態に変換する
ことによって製造することを特徴とする配合物を、その
解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(発明の属する技術分野)本発明は、ポリ
ウレタンをベースとする、粉末化した増粘剤配合物に関
する。この配合物は、水性塗料や水性ラッカーなどの水
性系中に良好に混和することができる。また、本発明
は、当該増粘剤配合物についての、増粘用(好適には水
性系増粘用)レオロジー添加剤としての使用に関する。
【0002】(従来の技術)水性系に使用されるポリウ
レタン系増粘剤は、種々の特許文献に開示されている
〔例えば、DE-A 1 444 243、DE-A 3 630 319、EP-A-0 0
31 777、EP-A-0 307 775、EP-A-0 495 373、US-A-4,07
9,028、US-A-4,155,892、US-A-4,499,233、US-A5,023,3
09等、参照〕。
【0003】従来技術の増粘剤について、共通の特徴
は、次のような物質が同時に存在することである。 (i)少なくとも50重量%の親水性セグメント (ii)10重量%以下の疎水性セグメント、および (iii)ウレタン基 かかる親水性セグメントなる用語は、特に、少なくとも
5つの結合体を有するポリエーテル鎖を意味し、このア
ルキレンオキシド単位は、少なくとも60 mol%のエチレ
ンオキシド単位を有する。またかかる疎水性セグメント
は、特に、少なくとも炭素数6の炭化水素セグメントを
意味する。
【0004】このようなポリウレタン増粘剤は、水性系
のレオロジー特性を調節するための助剤物質として適し
ており、かかる水性系として、自動車用ラッカーや工業
用ラッカー、スタッコなどの塗料材料、印刷インクや繊
維製品用染料、印刷用顔料ペースト、医薬品または化粧
品、植物保護剤、充填材分散体などが例示される。
【0005】既知のポリウレタン増粘剤は、汎用されて
いるものの、ある種の欠点を有する。大半の市販製品
は、液体配合物の形態で販売されているため、かかる増
粘剤が添加されるラッカーや塗料は、希釈されてしま
う。予め希釈した増粘剤を添加した場合には特に、塗料
固形分などの特性に対し悪影響を与える。加えて、液体
増粘剤を正確に計量して一般に濃度<20%にすること
は、多くの製造プラントで困難であるか、複雑な技術手
段よらなければ可能にならない。
【0006】液体増粘剤組成物、特に約50%濃度の増粘
剤組成物は、別の欠点として、供給された製品自体にと
って所定の空間が必要であり、特に、予め希釈した混合
物(一般に1:9に希釈した混合物)にとって所定の空間
が必要である。加えて、既知のポリウレタン増粘剤は、
一般に溶剤や乳化剤を含むため、これらの物質は、最新
の低-VOC塗料にとって不利な材料であって、また、かか
る物質の大気中への放出によって、環境悪化の危険を引
き起こしうる。
【0007】増粘剤100%からなる既知の粉末化製品で
も、理想的な増粘剤とは言えない。粉末化した増粘剤
は、しばしば、ラッカーや塗料中に混和するのが困難で
あって、ラッカー混合物において、塊を形成しうる。加
えて、粉末化増粘剤は、その増粘作用が不充分である。
固体形態の増粘剤は、その活性物質の成分が通常室温で
ロウ状であるため、固体増粘剤の製造が困難なものとな
り、その結果、長い製品寿命を有する自由流動性の粉末
は、その製造が不可能である。
【0008】(発明が解決しようとする技術的課題)本
発明が解決しようとする課題は、粉末化形態で自由流動
性で長い製品寿命を有する、新規な粉末化ポリウレタン
系増粘剤であって、ラッカーおよび/または塗料中に容
易に混和でき、当該ラッカーおよび/または塗料に対し
良好なレオロジー特性を付与しうるような粉末化ポリウ
レタン系増粘剤を開発することである。
【0009】(発明の開示)かかる課題は、室温で固体
の支持体と、塗料および/またはラッカーおよび他の水
性系中に容易に混和できかつこれら水性系に対し優れた
レオロジー特性を付与しうる自由流動性の粉末が得られ
るような方法で、混合したポリウレタン系増粘剤を提供
することで、達成することができる。
【0010】したがって、本発明は、粉末化した増粘剤
配合物であって、当該増粘剤配合物は、 (a)少なくとも1つのウレタン基含有水溶性または水
分散性増粘剤 (b)少なくとも1つの室温で固体の物質 (c)所望による、非イオン性の芳香族乳化剤または脂
肪族乳化剤、および (d)所望による、他の助剤物質 を含んでなる混合物の溶液、懸濁液または溶融体を形成
し、次いで得られた生成物を、乾燥および所望により粉
砕処理して、粉末形態に変換することによって製造する
ことを特徴とする配合物を提供する。
【0011】本発明は、また、本発明の粉末化した増粘
剤配合物を製造する方法であって、 (a)少なくとも1つのウレタン基含有水溶性または水
分散性増粘剤 (b)少なくとも1つの室温で固体の物質 (c)所望による、非イオン性の芳香族乳化剤または脂
肪族乳化剤、および (d)所望による、他の助剤物質 を含んでなる混合物の溶液、懸濁液または溶融体を形成
し、次いで得られた生成物を、乾燥および所望により粉
砕処理して、粉末形態に変換することを特徴とする方法
を提供する。
【0012】本発明は、また、本発明の増粘剤配合物に
ついての、水性系のレオロジー特性を調節するための使
用を提供する。かかる水性系は、好適には、水性の自動
車用または工業用ラッカー、スタッコまたは他の塗料、
印刷インクまたは繊維製品用染料、印刷用顔料ペース
ト、水性の医薬品または化粧品、植物保護剤、充填材ま
たは顔料分散体、洗剤製品、接着剤、ワックスまたは艶
出剤、またはエキストラクト(petroleum extraction)
である。
【0013】(発明の詳説)好適な成分(a)には、親
水性および疎水性セグメント、およびウレタン基を有す
る既知のウレタン増粘剤が包含される。
【0014】好適な成分(b)には、室温で固体の水溶
性または水分散性物質であって、増粘される水性系(被
増粘水性系)に対し不活性な物質である。水分散性物質
には、特に、平均粒径<20μm、好適には平均粒径<10
μmの粉末化物質が包含される。しかしながら、本発明
の増粘剤配合物製造の間に、適切な粒径範囲に粉砕した
粗粒子の物質も、同様に使用することができる。
【0015】固体不活性物質である、成分(b)の例示
には、単独または混合物の形態で使用しうるもので、次
のような物質が包含される。充填材、例えばシリカ粉
末、白亜、タルク、カオリン、ベントナイトおよび他の
層状格子ケイ酸塩、顔料、例えば二酸化チタン、炭酸マ
グネシウム、有機顔料、および他の微粉化物質、例えば
熱分解法シリカ以上の成分は、また相互に混合した混合
物の形態で使用することができる。したがって、例え
ば、硫酸バリウム、二酸化チタンまたはタルクを、成分
(b)として使用することができる。
【0016】また、好適な成分(b)には、例えば、少
なくとも1つの室温で固体である水溶性物質が包含され
る。かかる物質は、水性系の特性に対し悪影響を与えな
いような水溶性物質とすることができる。本明細書で
は、室温で少なくとも10重量%の溶解度を有する化合物
を、水溶性物質と呼ぶ。20重量%またはそれ以上の溶解
度を有する化合物が、特に好適である。その例示には、
次のような物質が例示される。一価カチオンを有する無
機塩、例えば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カ
リウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、お
よび有機酸のアルカリ塩、例えばシュウ酸、コハク酸、
クエン酸、ポリアスパラギン酸、ホスホロブタン三カル
ボン酸、水溶性アルキッド樹脂、ポリ(メタ)アクリル
酸および、カルボキシル基/スルホニル基含有ポリマー
を一緒に含むコポリマー、およびこれらと、無機塩との
混合物水溶性で中性の有機化合物も好適であって、例え
ば、糖類、例えばショ糖、セルロース、グルコース、フ
ルクトースおよび他の糖類誘導体、尿素(誘導体)、他
の水溶性ポリマー、例えばポリエチレンオキシド、ポリ
ビニルピロリドンなどが挙げられる。これら物質の混合
物および、これらの物質と水不溶性物質との混合物も、
もちろん、使用することができる。
【0017】好適な成分(b)を選択する場合、成分
(b)は、外力(例えば、撹拌機)の作用によって変化
せずに、被増粘水性系に対し不活性のままとなるよう
に、確保すべきである。また、温度安定性も、従来から
採用されている製造および処理条件下に、確保すべきで
ある。
【0018】好適な成分(c)には、好適には、少なく
とも1つの式(I)、式(II)および式(III)の化合物
が包含される。
【0019】以下の式(I)の化合物は、成分(c)とし
て使用することができる。 R-[O-(Q')x-H]y (I) 上記式中、Rは、非置換または置換の炭素原子数6〜50の
芳香族および/またはアルキル芳香族炭化水素残基、好
適には、非置換または数個の芳香族環および/または不
活性置換基で置換された、炭素原子数6〜40の芳香族ま
たはアルキル芳香族炭化水素残基、Q'は、ヒドロキシ含
有出発分子と、C〜Cアルキレンオキシドとのアルコ
キシル化反応の間に形成される、アルキレンオキシド単
位、好適にはエチレンオキシドおよび/またはプロピレ
ンオキシド単位、xは、1〜300、好適には5〜100、より
好適には10〜30の数値、yは、1〜20、好適には1〜10、
より好適には1〜4の数値である。
【0020】以下の式(II)の化合物も、成分(c)と
して使用することができる。 R2-[EOx-POy]-H (II) 上記式中、R2は、炭化水素原子数6〜15の直鎖残基、EO
およびPOは、各々、エチレンオキシドおよびプロピレン
オキシド、xは、3〜20の数値、yは、0〜6の数値であ
る。
【0021】成分(c)は、既知の好適な出発物質と、
アルキレンオキシドとして特に好適なエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドまたは異性体ブチレンオキシド
とのアルコキシ化反応生成物である。
【0022】しかしながら、アルキレンオキシドは、好
適には、エチレンオキシドまたは、エチレンオキシドと
プロピレンオキシドとの混合物である。特に、異なるア
ルキレンオキシドを連続的に用いて、異なるポリエーテ
ルブロックを形成することができる。
【0023】好適な出発物質は、特に、R、xおよびyが
前記定義である、対応する単官能性および多官能性フェ
ノールであって、例えば、フェノールおよび以下の式
(IV)および式(V)で示される化合物である。
【0024】
【化1】 m=0.5〜2.8 R'=H、メチル
【化2】 p=0.5〜2.8(mおよびPは、統計学的平均値)
【0025】以下の式(III)の化合物も、成分(c)と
して使用することができる。 R2-[(Q2-)xH]y (III) 上記式中、R2は、適切なアルコール、アミン、カルボン
酸および/またはアミンから活性水素を除去して形成さ
れる残基、例えば、直鎖または分岐鎖および/または飽
和または不飽和のC〜C22、C〜C16、より好適にはC
〜C12脂肪族残基、および/または炭素原子数6〜10
の脂環式残基、および/または複素環の原子数5〜12、
好適には5〜7の複素環式残基、Q2は、ヒドロキシル基含
有出発物質と、C2〜C4アルキレンオキシドとのアルコキ
シル化反応の間に形成される、アルキレンオキシド単
位、xは、1〜30、好適には2〜20、より好適には4〜10の
数値、yは、1〜10、好適には1〜6、より好適には1およ
び2の数値である。
【0026】成分(c)の好適な出発分子には、次のよ
うな物質が包含される。 n-ヘキサノール n-オクタノール イソオクチルアルコール n-ノナノール イソノナノール n-デカノール イソシアネート-ウンデカノール ウンデカノール n-ドデカノール テトラデカノール ヘキサデカノール、およびそれらの混合物、例えば、工
業的合成過程または天然生成物から得られる混合物他の
例示は、次のとおりである。 シクロヘキサノール メチルシクロヘキサノール シクロヘキサノール メチルシクロヘキサノール ヒドロキシテトラリン n-ヘキシルアミン n-オクチルアミン n-ドデシルアミン ドデカノアミン、および カプロラクトン
【0027】所望により混和する成分である、好適な助
剤物質(d)は、例えば、多価アルコール、例えばプロ
ピレングリコール、所望により水との混合物であって、
特に、各成分を配合する際に使用しうるものである。共
溶媒、例えば、N-メチルピロリドンまたは溶媒/溶媒混
合物も、使用することができる。
【0028】本発明の増粘剤配合物において、成分
(a)は、混合物全量を基準に、0.5〜90、好適には5〜7
0、より好適には20〜60重量%であり、成分(b)は、混
合物全量を基準に、0.5〜90、好適には5〜60、より好適
には10〜40重量%である。ただし、成分(a)および
(b)の合計量は、混合物全量を基準に、少なくとも80
重量%、好適には少なくとも90重量%である。
【0029】前記したように、本発明にとって必須の成
分である各成分に加え、他の助剤成分(c)および(d)
を存在させることができる。しかしながら、これら助剤
成分の重量割合は、混合物全量を基準に、30重量%以下
である。
【0030】本発明の配合物の製造法 本発明の配合物の製造法は、常法に従い、実施すること
ができる。すなわち、成分(a)、(b)、(c)および
(d)を、まず、水性溶液または懸濁液に変換し、次い
でこれを、常法、例えば噴霧乾燥法/流動床乾燥法によ
って、本発明の配合物に変換することができる。しかし
ながら、成分(a)、(b)、(c)および(d)を、ミキ
サーによって、所望により高温で、緊密に混合し、次い
で粉砕または磨砕によって粉末の形態に変換することが
できる。本発明の成分の混合は、高温での混合が特に好
適である。
【0031】本発明のすぐに使用しうる配合物(即用配
合物)は、自由流動性の固体混合物であって、貯蔵の間
でも凝集化しない。本発明の配合物の寿命は、一般に少
なくとも、対応する液体配合物の寿命ほどに、長い。
【0032】本発明の配合物は、被増粘水性系に対し、
製造工程の前、製造工程の間または製造工程の後であれ
ば、いずれの時点でも、添加することができる。本発明
によれば、増粘剤の添加は、後の時期が、実用上、特に
有利である。
【0033】本発明の配合物は、別の利点として、被増
粘水性系、例えばエマルジョン塗料との相溶性を有する
ことであって、この相溶性により、本発明の増粘剤は、
容易に混和できると共に、得られる増粘した配合物のい
わゆる熟成期間、すなわち、可能な最高粘度が達成され
るまでの期間を、一般に、既知の100%固形分の増粘剤
に比し、著しく短縮させることができる。
【0034】本発明の配合物の増粘作用は、対応する液
体組成物に比し、何ら影響を受けないかまたはごく僅か
しか影響を受けないことが、観察され、この観察事実
が、特に注目される。
【0035】本発明の配合物は、水性系または主として
水を含む系の増粘に適しており、水性系として、例えば
塗料、印刷および顔料ペースト、充填材および顔料分散
体、繊維製品、レザーおよび紙類助剤、エキストラク
ト、洗剤製品、接着剤、ワックス、艶出剤、医薬品、獣
医学的目的の医薬品、植物保護剤、化粧品などが例示さ
れる。本発明のポリウレタン増粘剤を用いても、水自体
を、僅かしか増粘させないため、所望により、他の添加
剤をそこに添加できるか、またはそれ自体を水性配合物
に添加することができる。
【0036】本発明の増粘剤配合物は、純粋な水系の増
粘に適しているだけでなく、有機溶媒または他の揮発性
添加剤(例えば、多価アルコール)を含む水性系の増粘
にも適している。被増粘水性系は、もちろん、当該水性
系に汎用されている助剤物質および添加剤、例えば消泡
剤、流動促進剤、充填材、顔料などを含むことができ
る。
【0037】本発明の増粘剤によって増粘しうる水性系
は、例えば、水性ポリアクリレート分散体、オレフィン
系不飽和モノマーからなるコポリマーの水性分散体、水
性ポリ酢酸ビニル分散体、水性ポリウレタン分散体、水
性ポリエステル分散体、二液型塗料、特にこれら分散体
をベースとする前記したタイプの即用型配合物である。
【0038】本発明の配合物は、エマルジョン塗料の増
粘用に使用すれば、しばしば、かかる系の流動性を改善
し、かかるエマルジョン塗料から製造される最終の塗膜
特性を改善することができる。本発明配合物の別の利点
は、顔料添加または充填材添加エマルジョン塗料におい
て当該配合物を使用すると、しばしば、かかる固体の湿
潤性を改善でき、その結果、分散体の製造、すなわち即
用型のエマルジョン塗料の製造を容易にさせることがで
きるという、事実に基づく。また、本発明に従い増粘し
たエマルジョン塗料を用い、塗膜を形成すると、その光
沢が改善されるという、特徴がある。
【0039】(実施例)その1粉末化増粘剤配合物の製造 実施例 1 30 gの熱分解法シリカ(Sipernat(登録商標)50S)
を、プラスチックビーカーにおいて、90 gの予め希釈し
た増粘剤溶液〔2部のBorchigel(登録商標)L 76(Borc
hers GmbH、Monheim、Germany)(US-A 5,936,019の実
施例4に従い得られたポリウレタン増粘剤、この開示を
もって本明細書の記載とする。)/1部の水〕と共に、
木棒を用いて撹拌し、次いで実験用ミルで均一に混合し
た。この混合物を、真空乾燥オーブンにおいて、70℃で
恒量まで乾燥した。
【0040】実施例 2 333.3 gのBorchigen(登録商標)630(Borchers GmbH、
Monheim、Germany)(D,L-アスパラギン酸, N-(1,2-ジ
カルボキシエチル)-, 四ナトリウム塩、CAS-No. 14453
8-83-0)を、100 gのBorchigel(登録商標)L 76と混合
し、この混合物を、ロータリーエバポレーター(70℃)
によって、粘稠になるまで処理した。さらに水分を、ア
ルミニウム皿上、真空乾燥オーブン(70℃)によって、
得られる生成物が固くなって粘稠性を何ら示さなくなる
まで除去した。次いで、得られた生成物を、実験用ミル
で粉砕し、得られた顆粒をさらに恒量まで乾燥した。
【0041】実施例 3 50 gのPU増粘剤(EP-B 0 639 595 (US-A 5,594,08
7)、参照)および50 gの尿素を、130℃まで、500 ml容
のビーカーにおいて、均一な溶融体が形成されるまで約
15〜20分間、注意深く加熱した。この処理の間、温度が
133℃を超えないように確保して、尿素からのアンモニ
アの分離を防止または最小にした。次いで、溶融体を、
1〜2時間放冷して、固化させた。
【0042】固化ののち、この溶融体を、微粒子粉末
に、分析用ミル(タイプIKA M 20)によって粉砕した。
この処理の間、粉砕される溶融体を剪断力によって強熱
しないように注意を払った(<50℃)。最後に、得られ
た生成物を、微細メッシュのフルイ(メッシュ寸法1 m
m)に通して、存在する粗粒子部分を除去した。微粒子
で白色粉末の生成物を得た。融点:132〜133℃
【0043】また粉末化した活性増粘剤物質は、上記と
同様な方法に従い、室温で固体の水溶性物質(重量割
合、例えば25%または65%の固体ポリウレタン活性増粘剤
物質)についても製造することができる。
【0044】実施例 4 25 gのPU増粘剤(EP-B 0 639 595)を、250 ml容のビー
カーにおいて、50 gのアセトン中に、穏やかに加熱しな
がら(約40℃)溶解した。75 gのセルロースエーテル
を、この溶液に添加して、パルプ状物質を形成した。こ
の物質を、蒸発皿内に移し、約30分間、真空乾燥オーブ
ンによって乾燥した(100 mbar/60℃)。得られた固体
を、淡色ベージュの顆粒物質に変換し、これを、乳鉢で
粉砕して約65℃で軟化させた。異なる分子量を有する種
々のタイプのセルロースエーテルを、この実施例におい
て使用することができた。
【0045】実施例 5 35 gのPU増粘剤(EP-B 639 595 (US-A 5,594,087))
および65 gの尿素を、1L容の三口フラスコにおいて、20
0 mlのエタノール中に、KPG撹拌機および側面に付設し
た蒸留ブリッジを用いて懸濁化した。この混合物を、常
圧蒸留に付すと、当初懸濁液であってものが、沸点約80
℃に達する前に真溶液に変化した。エタノールを完全に
留去したのち、白色で脆い固体を得、これを、乳鉢によ
って粉砕した。得られた固体を、微細メッシュのフルイ
(メッシュ寸法1 mm)に通して、存在する粗粒子部分を
除去した。得られた生成物は、微粒子の白色粉末であ
る。軟化温度:約120℃
【0046】実施例 6 35 gのPU増粘剤(EP-B 639 595 (US-A 5,594,087))
および65 gの尿素を、250 ml容の三口フラスコにおい
て、50 gの水中に懸濁化して、白色がかった不透明な液
体混合物を得た。これを、1 L容の一口フラスコ中に移
し、利用可能な内面に、可能な限り均一に分布させた。
フラスコ中の混合物を、温度制御容器において、ドライ
アイス/アセトン混合物を用いて凍結させた。このよう
にして冷却した容器に対し、高い真空度(< 0.5 mba
r)を適用し、これにより、混合物中に含まれた水を、
昇華させて除去した。水を完全に除去したのち、白色で
脆い固体を得(PU割合35%)、これを、乳鉢によって粉
砕した。得られた固体を、微細メッシュのフルイ(メッ
シュ寸法1 mm)に通して、存在する粗粒子部分を除去し
た。得られた生成物は、微粒子の白色粉末である。軟化
温度:約120℃
【0047】実施例 7 実施例2記載の方法に従い、実験した。ただし、Borchig
en(登録商標)630および Borchigel(登録商標)L 76
(これらの比率=1 : 1(w/w)、固体を基準)を用い
た。
【0048】実施例 8 実施例2記載の方法に従い、実験した。ただし、Borchig
en(登録商標)630および Borchigel(登録商標)L 76
(これらの比率=3 : 1(w/w)、固体を基準)を用い
た。
【0049】実施例 9 実施例1記載の方法に従い、実験を行った。ただし、熱
分解法シリカに代えて、100 gの炭酸カルシウム(Omyac
arb Extra CL)および16.5 gのポリウレタン増粘剤(EP
-B 0 639 595 (US-A 5,594,087))、2.83 gの乳化剤W
N (Bayer AG)、5.67 gのLevalin(登録商標)FD (Ba
yer AG)および25 gの水を用いた。
【0050】実施例 10 実施例1記載の方法に従い、実験を行った。ただし、熱
分解法シリカに代えて、100 gの炭酸カルシウム(Omyac
arb Extra CL)および18.75 gのポリウレタン増粘剤(E
P-B 0 639 595 (US-A 5,594,087))、2.08 gの乳化剤
WN(Bayer AG)、4.17 gのLevalin(登録商標)FD (Ba
yer AG)および25 gの水を用いた。
【0051】実施例 11 実施例1記載の方法に従い、実験を行った。ただし、熱
分解法シリカに代えて、50 gのFinntalk M03および75 g
のBorchigel(登録商標)L 76ポリウレタン増粘剤を用
いた。
【0052】2つの生成物をプレミックスしたのちに、
この混合物を、まず乾燥オーブン(80℃)によって予備
乾燥すべきで、この処理の後に初めて粉砕することが推
奨される。
【0053】実施例 12 実施例1記載の方法に従い、実験を行った。ただし、熱
分解法シリカに代えて、100 gのブランク・フィックス
・マイクロ(blanc fixe micro)および50 gのBorchige
l(登録商標)L 76 ポリウレタン増粘剤を用いた。
【0054】実施例 13 実施例1記載の方法に従い、実験を行った。ただし、熱
分解法シリカに代えて、100 gのCalcigloss GUおよび50
gのBorchigel(登録商標)L 75 N(US-A 5,378,756の
実施例4に従い得られた、 US-A 5,378,756の実施例6の
ポリウレタン増粘剤)を用いた。
【0055】実施例 14 実施例2記載の方法に従い、実験を行った。ただし、Bor
chigen(登録商標)630、500 gのBorchigen(登録商
標)NA 20(アクリル酸アンモニウムをベースとするア
クリル系ポリマーの水溶液)および133 gのBorchigel
(登録商標)L 76 ポリウレタン増粘剤を用いた。
【0056】その2本発明の増粘剤配合物の用途試験 塗料の製造 ガラスビーズ(直径3 mm)100 g を有する1,000 ml容の
ボトルにおいて、以下の成分を、30分間、Skandexによ
り分散させた。 A. AMP (アミノメチルプロパノール)1.25 g Borchigen(登録商標)ND (25%、水中)6.8 g Neocryl AP 2860消泡剤(20%)1.6 g TiO2 RHD-2 (Tioxide)112.5 g メトキシブタノール8.5 g プロピレングリコール8.5 g ブチルジグリコール8.5 g H2O 22.35 g B. その後、以下の成分を添加。 H2O 50.0 g Neocryl XK 62 (42%)270.0 g
【0057】さらに30分間、分散した。ガラスビーズを
除いた塗料を、約12時間後の熟成期間の経過後に試験し
た。
【0058】本発明の増粘剤配合物は、混合物A中に量
り込むことができ、また、最終の塗料に対し撹拌しなが
ら添加することができた。後者の場合、撹拌は、標準的
な撹拌機により、回転数1,600 r.p.m.で、15分間行っ
た。
【0059】部分的溶液の割合(本発明の増粘剤配合物
の撹拌容易性)は、次の尺度規準により目視評価した。
尺度規準:1(非常に良好)〜5(非常に不良)。塗料の
粘度は、Haake VT 550, SV DIN測定装置(10.3 s-1)ま
たはRheostress RS1(プレート/プレート配置)(10,00
0 s-1)を用いて測定した。
【0060】以上の塗料についての、本発明の増粘剤配
合物の用途試験結果を、以下の表1に示す。表1に示す
ように、水性系の増粘に際し、新規配合物は、優れた特
性を有することができる。なお、表2には、比較例の試
験結果を示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】 (*)ラッカー100 g(成分A+B)を基準
【0063】以上、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
したが、これら実施例は、単に本発明の説明のために例
示したものであって、当業者ならば、本発明の精神を逸
脱することなく、本発明の技術的範囲内で種々の変形例
をなすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/34 C08K 3/34 3/36 3/36 5/21 5/21 C08L 1/00 C08L 1/00 5/00 5/00 33/02 33/02 C09D 7/12 C09D 7/12 175/04 175/04 201/00 201/00 (72)発明者 フランク・ザウアー ドイツ連邦共和国40764ランゲンフェルト、 クヴェーアシュトラーセ20番 (72)発明者 トーマス・シュタインホーフ ドイツ連邦共和国51377レーフェルクーゼ ン、テオドル−ホイス−リング3番 (72)発明者 ヤン・マツァネク ドイツ連邦共和国51061ケルン、レオポル ト−グメリン−シュトラーセ44番 (72)発明者 クリスティアン・ヴァムプレヒト ドイツ連邦共和国41472ノイス、レガッタ シュトラーセ20番 (72)発明者 クリステル・シュピンガー ドイツ連邦共和国51371レーフェルクーゼ ン、ラインドルファー・シュトラーセ77番 (72)発明者 ウヴェ・プリースニッツ ドイツ連邦共和国42657ゾーリンゲン、ゼ フェリンシュトラーセ60番 (72)発明者 ペーター・ハッペ ドイツ連邦共和国42655ゾーリンゲン、コ ッテン6番 Fターム(参考) 4F070 AA01 AA02 AA29 AA53 AC15 AC16 AC22 AC23 AC49 DA50 4J002 AB00X AB01X BG01X CK00W DE236 DG036 DJ016 DJ046 ET016 FD016 HA09 4J038 CG031 DG001 JB03 JB24 KA09 MA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末化した増粘剤配合物であって、 当該増粘剤配合物は、 (a)少なくとも1つのウレタン基含有水溶性または水
    分散性増粘剤 (b)少なくとも1つの室温で固体の物質 (c)所望による、非イオン性の芳香族乳化剤または脂
    肪族乳化剤、および (d)所望による、他の助剤物質 を含んでなる混合物の溶液、懸濁液または溶融体を形成
    し、次いで得られた生成物を、乾燥または粉砕処理し
    て、粉末形態に変換することによって製造することを特
    徴とする配合物。
  2. 【請求項2】 上記成分(b)は、平均粒径<20 μmの
    水不溶性物質である請求項1記載の配合物。
  3. 【請求項3】 上記成分(b)は、水溶性物質を含んで
    なる請求項1記載の配合物。
  4. 【請求項4】 上記成分(b)は、熱分解法シリカを含
    んでなる請求項1記載の配合物。
  5. 【請求項5】 上記成分(b)は、炭酸カルシウム、炭
    酸マグネシウムまたはそれらの混合物を含んでなる請求
    項1記載の配合物。
  6. 【請求項6】 上記成分(b)は、硫酸バリウム、二酸
    化チタンまたはタルクを含んでなる請求項1記載の配合
    物。
  7. 【請求項7】 上記成分(b)は、セルロース、糖類ま
    たは水溶性炭水化物を含んでなる請求項1記載の配合
    物。
  8. 【請求項8】 上記成分(b)は、アクリル酸、メタク
    リル酸またはアスパラギン酸の水溶性(コ)ポリマー塩
    を含んでなる請求項1記載の配合物。
  9. 【請求項9】 上記成分(b)は、尿素を含んでなる請
    求項1記載の配合物。
  10. 【請求項10】 水性系のレオロジー特性を調節する方
    法であって、 当該水性系に対し、請求項1記載の増粘剤配合物を添加
    することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の増粘剤配合物を含んで
    なることを特徴とする物質用の組成物。
  12. 【請求項12】 当該組成物は、水性の自動車用または
    工業用ラッカー、スタッコまたは他の塗料、印刷インク
    または繊維製品用染料、印刷用顔料ペースト、水性の医
    薬品または化粧品、植物保護剤、充填材または顔料分散
    体、洗剤製品、接着剤、ワックスまたは艶出剤、または
    エキストラクトである請求項11記載の組成物。
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