JP2002332231A - γ−CEHC送達剤 - Google Patents
γ−CEHC送達剤Info
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Abstract
で高いバイオアベイラビリティーを示すγ−CEHC送
達剤を提供することにある。 【解決手段】 一般式(I)で表される水溶性6−クロ
マノール誘導体を含み、体内で2,7,8-trimethyl-(β-ca
rboxyethyl)-6-hydroxychromane (γ−CEHC)を放
出するγ−CEHC送達剤。 【化1】 (式中R1は窒素置換基を有するカルボン酸残基を意味
する。R2は式IIで示される残基である。) 【化2】
Description
剤、特に体内でγ−CEHCを放出する送達剤の改良に
関する。
α)は尿毒症患者の尿から単離精製されたナトリウム利
尿因子の一つである(Murry E.D.Jr, Kantoci D.,DeWind
S.A., Bigornia A.E.,D’Amico D.C.,King J.G.,Pham
T., Levine B.H.,Jung M.E., Wechter W.J., Life Sci.
57, 2145-2161(1995))が、γ−トコフェロール代謝物
である2,7,8-trimethyl-(β-carboxyethyl)-6-hydroxyc
hromane (γ−CEHC:式II)と同一化合物であるこ
とが明らかにされた(Wechter W.J.,Kantoci D.,Murray
E.D. Jr, D’Amico D.C.,Jung M.E.,Wang W-H., Proc.N
atl. Acad. Sci. USA 93,6002-6007(1996))。
ンプ、平均動脈圧、糸球体ろ過速度に影響を与えず、N
a+/K+−ATPaseのアイソザイムを阻害しない
でヘンレ係蹄の上行脚の70pSカリウムチャンネルの
みに対して可逆的な阻害を示すことからナトリウム利尿
因子と考えられている。従って、LLU−αにはカリウ
ム移動に伴う心筋などへの副作用の少ない利尿剤として
期待が持たれている。LLU−αは2位に不斉炭素をも
ち、S−LLU−αとR−LLU−αが存在するが、S
−LLU−αが最もカリウムチャンネル阻害作用が強
く、S−LLU−αは2位がR体のd−γ−トコフェロ
ールの主要代謝物である。
X−2)の阻害効果を有することが明らかになり(Jiang
Q.,Elson-Schwab I., Courtemanche C., Ames B.N., P
roc.Natl. Acad. Sci. USA 97, 11494-11499(2000))、
副作用の少ない抗炎症剤、抗がん剤として期待されてい
る。また、γ−CEHCはクロマノール構造を有するた
め優れた抗酸化剤としても機能できる。
る天然型d−γ−トコトリエノールはラット体内でS−
γ−CEHCに効率よく代謝されることが明らかにされ
ている(Hattori A., Fukushima T., Yoshimura H., Abe
K., Imai K., Biol. PharmBull., 23, 1395-1397(200
0))。
HCの利尿剤、抗炎症剤、抗がん剤、抗酸化剤としての
機能を効率よく発揮させるためには、γ−CEHCの速
度論的バイオアベイラビリティと量的バイオアベイラビ
リティの確保が必須である。
法が考えられる。しかし、ラセミ体のγ−CEHCをS
Dラットに静脈内投与した場合、血漿中の生物学的半減
期はS−γ−CEHCで2分以内、R−γ−CEHCで
約1時間であり、特に活性の高いS−γ−CEHCは非
常に短いことが明らかになっている(Hattori A.,Fukush
ima T., Hamamura K.,Kato M., Imai K.,Biomed.Chroma
togr., in press)。従って、γ−CEHC自体を用いて
γ−CEHCのバイオアベイラビリティを確保すること
は非常に困難である。
コフェロールはγ−CEHCに体内で効率よく代謝され
ることから、γ−トコトリエノールおよびγ−トコフェ
ロールの体内レベルを確保することで、γ−CEHCの
バイオアベイラビリティを確保する方法が考えられる。
γ−トコフェロールを用いてLLU−α(γ−CEH
C)の薬物送達を行う方法としては、米国特許6,04
8,891などがある。しかし、γ−トコトリエノール
とγ−トコフェロールは、どちらも酸化に対して不安定
であり、粘性の高い油状物質で水に全く溶解しない化合
物であるため、これらの物理化学的性質が注射投与を不
可能としている。また、製剤化上、取り扱いが困難で、
保存安定性に問題がある。このため、トコトリエノール
の水溶性製剤または水性化粧品の調製には大量の非イオ
ン性界面活性剤の添加による可溶化方法が検討されてい
るが、大量の界面活性剤はアナフィラキシーショック等
の重篤な問題を生じる場合がある。従って、γ−トコト
リエノールおよびγ−トコフェロールのバイオアベイラ
ビリティを確保することは困難であり、結果としてγ−
CEHCのバイオアベイラビリティを確保することも困
難である。
たものであり、その目的は高い水溶性を有するととも
に、生体内でγ−CEHCを生成し得る6−クロマノー
ルカルボン酸エステル誘導体を含むγ−CEHC送達剤
を提供することにある。
に本発明者等が鋭意検討を行った結果、特定の6−クロ
マノールカルボン酸エステルがγ−CEHCのバイオア
ベイラビリティ確保を可能とし得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。
達剤は、一般式(I)で表される水溶性6−クロマノー
ル誘導体を含み、体内で2,7,8-trimethyl-(β-carboxye
thyl)-6-hydroxychromane (γ−CEHC)を放出する
ものである。
する。R2は化5で示される残基である。)
ン酸残基が、アミノ酸、N−アシルアミノ酸、N−アル
キルアミノ酸、N,N−ジアルキルアミノ酸、ピリジン
カルボン酸及びそれらのハロゲン化水素酸塩またはアル
キルスルホン酸塩の残基からなる群より選択される少な
くとも一種であることが好適である。
ノールカルボン酸エステル誘導体がトコトリエノール誘
導体である場合には、クロマノール骨格の2位に不斉炭
素を有するので、d,dl体などの立体異性体が存在す
るが、本発明はこれらの異性体を包含するものである。
ついて説明する。本発明において、窒素置換基を有する
カルボン酸残基は、窒素原子に対し水素原子ないし、1
または2のアルキル基、アシル基が結合したものが好適
である。このアルキル基としては、炭素数1〜6の直
鎖、もしくは分枝のアルキル基、例えばメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、
1−メチルプロピル基、tert−ブチル基、1−エチルプ
ロピル基、イソアミル基などを例示することが可能であ
り、特にメチル基、エチル基が好ましい。また、アシル
基を有する場合の炭化水素鎖も同様に定義可能である。
は炭素数1〜7の直鎖、分枝または環状のアルキレン基
で結合される。分枝状のアルキレン基とは、例えばイソ
プロピル、イソブチル、tert−ブチル、1−エチルプロ
ピルなどのアルキル基から誘導されたアルキレン基を意
味する。環状アルキレン基とは、シクロペンタン環、シ
クロヘキサン環、あるいはメチルシクロヘキサン環など
を構造中に含むアルキレン基を意味する。アルキレン基
として特に好ましいのは、メチレン基あるいはエチレン
基である。
HBr塩などが好ましい。本発明において、ハロゲン化
水素酸塩は結晶化ないし固形化する場合が多く、製剤に
あたっての取り扱いが容易になるという利点がある。ま
た、アルキルスルホン酸塩としては、メタンスルホン酸
等が例示される。このアルキルスルホン酸塩とした場合
には、吸湿性の低い固形化が可能である。
してγ−CEHCを生じる水溶性6−クロマノールカル
ボン酸エステル誘導体としては、特開平2−14957
6、特開平2−149577、特開平1−12128
4、あるいは特開平1−121285に示されるものが
例示される。しかし、これらの文献では、γ−CEHC
のバイオアベイラビリティー確保についてはまったく検
討されていない。また、本発明において、体内でトコト
リエノールを生じる6−クロマノールカルボン酸エステ
ル誘導体の製造方法としては、以下のようなものが例示
される。
類と、窒素置換基を有するカルボン酸、もしくはその反
応性酸誘導体、またはこれらのハロゲン化水素酸塩と
を、常法によりエステル化反応を行うことにより、本発
明の目的物質(I)を得ることができる。
法に従うが、1級、2級アミノ基あるいは側鎖に水酸
基、チオール基を有するアミノ酸のエステル化を行う際
は、tert-ブトキシカルボニル基(以下、t−BOC基
という)、ベンジルオキシカルボニル基(以下、Z基と
いう)などの適切な保護基で保護して用いることが好ま
しい。
ゲン化水素酸塩を用いて、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(以下、DCCという)、N,N−ジサクシニミド
オキザレート(以下、DSOという)などの活性エステ
ル化試薬の存在下に反応を行うことが好ましい。この際
の溶媒としては、無水ピリジンが好ましい。
酸ハロゲナイト、特に酸クロリドを用いる方法が好まし
い。この際の溶媒としては、無水ベンゼン−無水ピリジ
ン混合物が好ましい。ハロゲン化水素酸塩及びアルキル
スルホン酸塩は、常法により遊離のアミノ酸エステルと
ハロゲン化水素酸またはアルキルスルホン酸を反応させ
て製造する。また、N−アシルアミノ酸エステルを製造
した後、常法によりハロゲン化水素酸で脱保護基化する
ことによって、ハロゲン化水素酸塩を製造することがで
きる。なお、本発明にかかる6−クロマノールカルボン
酸エステル誘導体は、胆汁酸塩とすることも可能であ
る。
ロコール酸、グリココール酸、コール酸、タウロデオキ
シコール酸、デオキシコール酸、タウロケノデオキシコ
ール酸、グリコケノデオキシコール酸、ウルソデオキシ
コール酸の塩等をいう。そして、前記トコトリエノール
カルボン酸エステルとこれらの胆汁酸を反応させて胆汁
酸塩を得ることができる。例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノールなどの低級アルコール系の溶媒を用
い、反応終了後、溶媒を減圧下で留去することにより6
−クロマノールカルボン酸エステル胆汁酸塩を得ること
ができる。
内に広範囲に存在する加水分解酵素で容易に加水分解さ
れてトコトリエノールないしトコフェロールを経てγ−
CEHCを生成する。また、ハロゲン化水素酸塩及びア
ルキルスルホン酸塩は結晶性の粉末であり、製剤技術
上、取り扱いが容易且つ簡便であり、比較的高い水溶性
を有する。従って、静脈内投与可能な製剤、点眼剤、経
口投与剤、水性塗布剤として有用である。
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
テル誘導体として特に好適なトコトリエノールカルボン
酸エステル誘導体の調製例を示す。実施例1〜18 下記製造方法A〜Dに示す方法により表1、表3に示す
トコトリエノール誘導体を製造した。また、表1に示す
化合物の1H−NMRスペクトルを表2に示す。
水−ジオキサン(1:1,v/v)100mlに溶解し、ト
リエチルアミン30mlを加え、さらにジ−tert−ブチル
ジカルボネートを徐々に加え、30分間室温で攪拌す
る。減圧下ジオキサンを留去し、炭酸水素ナトリウム水
溶液(0.5M)50mlを加え、酢酸エチル100mlで
洗う。酢酸エチル層を50mlの炭酸水素ナトリウム液で
洗い、水層を合わせて氷冷下でクエン酸水溶液(0.5
M)を加えて酸性(pH3)とし、塩化ナトリウムを飽
和させた後、酢酸エチルで抽出する(100ml×3
回)。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下に
溶媒を留去し、油状残渣をイソプロピルエーテルを加え
るか、または冷却にて結晶化させてN−t−BOCアミ
ノ酸を得る。
ル5mmol,N−t−BOCアミノ酸5mmol、DCC5mm
olを無水ピリジン30mlに加え室温で20時間攪拌す
る。溶媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加えて可
溶性画分を抽出する(100ml×2回)。抽出液を減圧
下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離溶媒;n−ヘキサン−酢酸エチル=9:1)で分
離精製し、トコトリエノールN−t−BOC−アミノ酸
エステルを得る。
酸エステルを少量のアセトンに溶解し、塩酸−ジオキサ
ン(2.5〜4.0N)を塩酸量がエステルの20倍モ
ル量に相当する量加え、1時間攪拌後、減圧下溶媒を留
去する。残渣をアセトン−メタノール系または酢酸エチ
ル−メタノール系で再結晶して、トコトリエノールアミ
ノ酸の塩酸塩を得る。
の塩酸塩3mmolを水150mlに加え、炭酸水素ナトリウ
ムを加えて溶液のpHを7〜8にした後に、酢酸エチル
で抽出する(100ml×3回)。抽出液を無水硫酸ナト
リウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、油状のトコトリエ
ノールアミノ酸を得る。
トコトリエノール5mmol、塩酸N,N−ジアルキルアミ
ノ酸5mmol、DCC5mmolを無水ピリジン30mlに加
え、室温で20時間攪拌する。溶媒を減圧下留去し、残
渣を蒸留水に懸濁させ炭酸水素ナトリウムを加えて溶液
のpHを7〜8にした後、酢酸エチルで抽出する(10
0ml×3回)。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減
圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル=8:
2)で分離精製し、トコトリエノールN,N−ジアルキ
ルアミノ酸を得る。
またはトコトリエノールN,N−ジアルキルアミノ酸2
mmolをアセトン20mlに溶解し、塩酸−ジオキサン
(2.5〜4.0N)を塩酸量がエステルの10倍モル
量に相当する量、またはアルキルスルホン酸2mmolを加
え、減圧下溶媒を留去する。残渣をアセトン−メタノー
ル系または酢酸エチル−メタノール系で再結晶して、ト
コトリエノールアミノ酸またはトコトリエノールN,N
−ジアルキルアミノ酸の塩酸塩を得る。
式及びその物性、製造方法について、表1,3に示す。
なお、実施例1〜3については、質量分析(m/z,F
AB−MS)及び核磁気共鳴スペクトル(1H−NM
R,δppm,内部標準TMS)を表2に示す。
の高い油状物質であり、正確な秤量を含め、取り扱いが
困難である。これに対し、本発明のトコトリエノールカ
ルボン酸エステル誘導体のハロゲン化水素塩は、前記実
施例1〜3のように結晶ないし固形となり、取り扱いが
極めて簡便となる利点を有する。この点、前記従来のト
コトリエノールコハク酸エステルなどは、油状ないしワ
ックス状であり、取り扱いは一般のトコトリエノール類
と同様困難であり、ハロゲン化水素塩は本発明の特に好
ましい形態として特筆される。
アミノアセテート塩酸塩(実施例1:以下、d−γ−
T3AA)、d−γ−トコトリエノール N−メチルア
ミノアセテート塩酸塩(実施例2:以下、d−γ−T3
MA)、d−γ−トコトリエノール N,N−ジメチル
アミノアセテート塩酸塩(実施例3:以下、d−γ−T
3DMA)のそれぞれ0.250mmolをメスフラスコに
とり、蒸留水を加えて5mlとし、20℃、24時間攪拌
後、溶液中の各添加化合物濃度を高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)で測定した。
で、溶解度は測定できなかった。d−γ−T3AA,d
−γ−T3MA,d−γ−T3DMAはいずれも溶液と
なり、溶解度は50mM以上であった。
ン酸緩衝液に、d−γ−トコトリエノール N,N−ジ
メチルアミノアセテート塩酸塩(実施例3:以下、d−
γ−T3DMA)、d−γ−トコトリエノール N−メ
チルアミノアセテート塩酸塩(実施例2:以下、d−γ
−T3MA)、d−γ−トコトリエノールアミノアセテ
ート塩酸塩(実施例1:以下、d−γ−T3AA)を添
加し、37℃で経時的に反応溶液中に生成するd−γ−
トコトリエノールを高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)で測定した。
ノールコハク酸エステル(以下、d−γ−T3S)につ
いて加水分解実験を行った。HPLC条件:カラムはC
APCELL PAK UG120、移動相はメタノー
ル−アセトニトリル(5:5v/v)、流速0.7ml/m
in、検出は283nmの吸光度と蛍光光度(励起298n
m、蛍光325nm)で行った。
γ−トコトリエノールの生成のMichaelis-Mentenモデル
に従った速度論パラメータを表4及び表5に示した。
ルボン酸エステルはトコトリエノールコハク酸エステル
に比較して速やかにトコトリエノールを生成した。この
加水分解反応はエステラーゼ阻害剤で強く阻害される
(図1参照)ことから、エステラーゼで触媒されること
が明らかになった。本発明化合物は、従来のコハク酸エ
ステルに比較してトコトリエノールの優れた誘導体であ
ることが理解される。
chloride(γ−T3DMA)のラット静脈内投与による
γ−CEHCのバイオアベイラビリティの確保SD系雄
性ラット7週令を用いた。γ−T3DMA投与液はd−
γ−トコトリエノール当量25mg/ml水溶液とした。軽
度エーテル麻酔下左大腿静脈から静脈内投与し、ヘパリ
ン処理したツベルクリン用注射器で経時的に外頚静脈か
ら採血し、遠心後血漿を採取した。血漿はHPLC測定
まで−80℃で保存した。血漿中のγ−CEHCレベル
は光学異性体S−γ−CEHCとR−γ−CEHCの分
別定量が可能なHPLC法(Hattori A., Fukushima T.,
Imai K., Anal.Biochem.,281,209-215(2000))で行っ
た。図2にγ−T3DMA静脈内投与後の血漿中S−γ
−CEHC動態を示した。投与後の血漿中にはR−γ−
CEHCは検出されず、S−γ−CEHCのみが検出さ
れ、γ−T3DMAはS−γ−CEHCに代謝されるこ
とが明らかになった。ここで、ラセミγ−CEHC投与
後のS−γ−CEHCレベルはラセミγ−CEHC 1
mg/kg時の値である。表6にγ−T3DMA投与群
のS−γ−CEHCのファルマコキネティクパラメータ
をラセミγ−CEHC投与後のS−γ−CEHCのデー
タとともに示した。γ−T3DMA投与後血漿中S−γ
−CEHCは急速に高くなり、投与1時間でCmaxと
なった。ラセミγ−CEHC投与時のS−γ−CEHC
を基準とするγ−T3DMA投与群の量的バイオアベイ
ラビリティ(F)は、78.6%であり、効率よくS−
γ−CEHCの体内レベルを高めることが示された。γ
−T3DMA投与群の平均滞留時間(MRT)は6.6
4hrであり、ラセミγ−CEHC投与群のMRT1.
00hrに比較して約7倍の値となった。以上のことか
ら、γ−T3DMAは体内のS−γ−CEHCレベルを
高めることができ、更に長時間継続してS−γ−CEH
Cレベルを維持できることが理解される。
4匹の平均値と標準偏差を表す。投与量はγ−T3当量
25mg/kgである。また、F(%)は下記式1で求め
た。
hloride (γ−TDMA)のラット静脈内投与によるγ
−CEHCのバイオアベイラビリティの確保実験例1と
同様の実験方法で、γ−TDMA水溶液をラットに静脈
内投与し、血漿中γ−CEHC動態を検討した。血漿中
のγ−CEHCはすべてS−γ−CEHCであり、R−
γ−CEHCは検出されなかった。図3に投与後のS−
γ−CEHCの血漿中動態を、前記表6にファルマコキ
ネティクパラメータを示した。血漿中レベルは投与後急
速に高くなり、1hrでCmaxとなり、明らかにS−
γ−CEHCレベルを高くした。ラセミγ−CEHC投
与時のS−γ−CEHCを基準とするγ−TDMA投与
群の量的バイオアベイラビリティ(F)は102%であ
り、ラセミγ−CEHC投与群と同程度であり、効率よ
くS−γ−CEHCの体内レベルを高めることが示され
た。γ−TDMA投与群の平均滞留時間(MRT)は
8.19hrであり、ラセミγ−CEHC投与群のMR
T1.00hrに比して約8倍の値となった。この結果
から、γ−TDMAは体内のS−γ−CEHCレベルを
高めることができ、長時間継続してS−γ−CEHCレ
ベルを維持できることが理解される。
剤によれば、窒素置換基を有する6−クロマノールカル
ボン酸エステルとすることにより、水溶性が向上し、し
かも生体内で高いバイオアベイラビリティーでγ−CE
HCの放出がなされる。
加水分解反応に対するエステラーゼ阻害剤の影響の説明
図である。
与した場合のラット体内動態を検討した結果の説明図で
ある。
した場合のラット体内動態を検討した結果の説明図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(I)で表される水溶性6−クロ
マノール誘導体を含み、体内で2,7,8-trimethyl-(β-ca
rboxyethyl)-6-hydroxychromane (γ−CEHC)を放
出するγ−CEHC送達剤。 【化1】 (式中R1は窒素置換基を有するカルボン酸残基を意味
する。R2は化2で示される残基である。) 【化2】 - 【請求項2】 請求項1記載の送達剤において、窒素置
換基を有するカルボン酸残基が、アミノ酸、N−アシル
アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、N,N−ジアルキル
アミノ酸、ピリジンカルボン酸及びそれらのハロゲン化
水素酸塩またはアルキルスルホン酸塩の残基からなる群
より選択される少なくとも一種であることを特徴とする
γ−CEHC送達剤。
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---|---|---|---|
JP2001083540A JP2002332231A (ja) | 2001-03-06 | 2001-03-22 | γ−CEHC送達剤 |
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JP2001062479 | 2001-03-06 | ||
JP2001083540A JP2002332231A (ja) | 2001-03-06 | 2001-03-22 | γ−CEHC送達剤 |
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