JP2002329729A - 炭化珪素半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置及びその製造方法

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JP2002329729A JP2001130120A JP2001130120A JP2002329729A JP 2002329729 A JP2002329729 A JP 2002329729A JP 2001130120 A JP2001130120 A JP 2001130120A JP 2001130120 A JP2001130120 A JP 2001130120A JP 2002329729 A JP2002329729 A JP 2002329729A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャネル領域に伸びる空乏層幅を十分に縮め
られるようにし、チャネル抵抗低減を図る。 【解決手段】 第2ゲート領域7をチャネル層の上にヘ
テロエピタキシャル成長によって形成したAlXGa
(1-X)Nで構成する。このような構成とすれば、第2ゲ
ート領域7をSiCで構成した場合と比べると、バンド
オフセットが大きくなる分、すなわち0.3〜0.8V
の範囲でゲート制御電圧を大きくすることが可能とな
る。従って、第1、第2ゲート領域3、7から伸びる空
乏層幅を十分に縮めることができ、チャネル幅を十分に
とることができるため、チャネル抵抗低減を十分に図る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素(以下、
SiCという)半導体装置及びその製造方法に関するも
ので、特にJ−FETに適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】図9に、パワー素子として用いられるS
iC半導体装置の一例としてnチャネル型のJ−FET
の断面構成を示す。図9に示されるように、nチャネル
型のJ−FETは、SiCからなるn+型基板J1の上
にn-型エピ層J2を成長させた基板を用いて形成され
る。n-型エピ層J2の表層部にはp型の第1ゲート領
域J3がイオン注入によって形成されている。そして、
第1ベース領域J3上を含み、n-型エピ層J2の上に
チャネル層J4が形成されている。そして、このチャネ
ル層J4のうち第1ベース領域J3よりも上層に位置す
る領域にn+型ソース領域J5が形成されている。ま
た、第1ゲート領域J3のうちn+型ソース領域J5よ
りも突き出すように延設された部分とオーバラップする
ように、チャネル層J4の表面にはエピタキシャル成長
によるp型の第2ゲート領域J6が形成されている。そ
して、第1、第2ゲート領域J3、J6と接するように
第1、第2ゲート電極J7、J8が形成されていると共
に、n+型ソース領域J5と接するようにソース電極J
9が形成され、さらに、n+型基板J1と接するように
ドレイン電極J10が形成されて図9に示すJ−FET
が構成されている。
【0003】このような構成のJ−FETをノーマリオ
フ型とする場合には、第1、第2ゲート電極J7、J8
に対して電圧を印加していない際に、第1、第2ゲート
領域J3、J6からチャネル層J4に向けて伸びる空乏
層によってチャネル層J4がピンチオフされるように設
計する。そして、第1、第2ゲート領域J3、J6から
伸びる空乏層幅を制御することでチャネルを形成し、チ
ャネルを通じてソース−ドレイン間に電流を流すことで
動作するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のノーマリオ
フ型のJ−FETでは、第2ゲート領域J6、n+型ソ
ース領域J5および第1ゲート領域J3によって形成さ
れる寄生PNPバイポーラトランジスタが動作してしま
うことを防ぐために、各ゲートによるスイッチング動作
はPNジャンクションでのビルトインポテンシャル
(2.8V)で制御することが限界である。
【0005】しかし現状では、イオン注入によって形成
される第1ゲート領域J3とチャネル層J4とのPNジ
ャンクションでの欠陥あるいは再結合により、第1ゲー
ト領域J3からホールが発生し、バイポーラトランジス
タが動作してしまうことになる。このため、上記したS
iCの理論限界であるPNジャンクションのビルトイン
ポテンシャル(2.8V)までの使用ができなかった。
また、第2ゲート領域J6とチャネル層J4とのPNジ
ャンクションでの再結合によってもリーク電流が発生す
る。この場合にも第2ゲート領域J6からホールが発生
し、バイポーラトランジスタが動作してしまう。
【0006】このように、第1、第2ゲート領域J3、
J6の電圧を高くできなかったことから、第1、第2ゲ
ート領域J3、J6から伸びる空乏層幅を十分に縮める
ことができず、チャネル抵抗低減が十分に行えなかっ
た。
【0007】本発明は上記点に鑑みて、チャネル抵抗低
減を図れる炭化珪素半導体装置及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、第2ゲート領域は、チ
ャネル層の上にヘテロエピタキシャル成長によって形成
されたAlXGa(1-X)N(X=0〜1)で構成されてい
ることを特徴としている。例えば、請求項4に示すよう
に、第2ゲート領域をAlN、GaN、Al0.5Ga0.5
Nのいずれかで構成する。
【0009】このような構成とすることで、第2ゲート
領域をSiCで構成した場合と比べると、バンドオフセ
ットが大きくなる分、すなわち0.3〜0.8Vの範囲
でゲート制御電圧を大きくすることが可能となる。この
ため、第1、第2ゲート領域から伸びる空乏層幅を十分
に縮めることができ、チャネル幅を十分にとることがで
きるため、チャネル抵抗低減を十分に図ることができ
る。
【0010】請求項2に記載の発明は、トレンチゲート
型の炭化珪素半導体装置に対して、請求項1に記載の構
成を適用したものである。このようなトレンチゲート型
の炭化珪素半導体においても、請求項1と同様の効果を
得ることができる。
【0011】請求項5に記載の発明では、チャネル層に
おける第1導電型不純物の濃度が半導体層における第1
導電型不純物の濃度よりも低くなるようにすることを特
徴とする。このような構成とすることで、炭化珪素半導
体装置をノーマリオフ型にし易くすることができる。
【0012】請求項6乃至8に記載の発明は、請求項1
乃至5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法に関す
る。これらの製造方法により、請求項1乃至5に記載の
炭化珪素半導体装置を製造することが可能である。
【0013】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に、本発明
の第1実施形態における炭化珪素半導体装置として、ダ
ブルゲート駆動タイプのnチャネル型J−FETの断面
構造を示す。以下、図1に基づいてJ−FETの構成に
ついての説明を行う。
【0015】図1は、J−FETは1セル分の断面構成
を示したものである。炭化珪素からなるn+型基板1は
上面を主表面とし、主表面の反対面である下面を裏面と
している。このn+型基板1の主表面上には、基板1よ
りも低いドーパント濃度を有する炭化珪素からなるn-
型エピ層2がエピタキシャル成長されている。
【0016】n-型エピ層2の表層部における所定領域
には、紙面左右において略対称にp+型層からなる第1
ゲート領域3が形成されていると共に、第1ゲート領域
3上を含み、n-型エピ層2の表面にはn-型層で構成さ
れたチャネル層5がエピタキシャル成長されている。第
1ゲート領域3は、領域3a、3bにおいて部分的にチ
ャネル層4側に突出した構成となっており、これらの領
域3a、3bによってチャネル領域が設定されるように
なっている。以下、この部分をチャネル設定領域とい
う。
【0017】また、チャネル層5の表層部のうち第1ゲ
ート領域3の上に位置する領域にはn+型ソース領域6
が形成されており、また、チャネル層5の表面上におい
て、少なくとも第1ゲート領域3の上に位置する部位に
はp+型層からなる第2ゲート領域7が形成されてい
る。この第2ゲート領域7は、AlXGa(1-X)N(X=
0〜1)で構成されている。すなわち、AlXGa(1-X)
Nからなる第2ゲート領域7とSiCからなるチャネル
層5によってヘテロPNジャンクションを形成した構成
となっている。
【0018】また、チャネル層5には、n+型ソース領
域6の表面部や第1ゲート領域3の表面部まで達する凹
部8が形成されている。この凹部8の内には、n+型ソ
ース領域6に電気的に接続されたソース電極9が形成さ
れていると共に、第1ゲート領域3に電気的に接続され
た第1ゲート電極10が形成された構成となっている。
そして、第2ゲート領域7の上層部には、第2ゲート領
域7の電位を制御するための第2ゲート電極11が形成
され、ソース電極9、第1、第2ゲート電極10、11
それぞれがパッシベーション膜12によって絶縁分離さ
れた状態となっている。
【0019】さらに、n+型基板1の裏面側には、n+
基板1と電気的に接続されたドレイン電極13が形成さ
れている。このようにして、本実施形態におけるJ−F
ETが構成されている。
【0020】以上のように構成されたJ−FETは、ノ
ーマリオフ型で動作するように構成されている。すなわ
ち、第1、第2ゲート電極10、11に電圧を印加して
いない時には、チャネル層5が第1ゲート領域3のチャ
ネル設定領域3a、3bから伸びる空乏層と第2ゲート
領域7から伸びる空乏層とによってピンチオフされる。
そして、第1、第2ゲート電極10、11に所望の電圧
を印加すると、第1、第2ゲート領域3、7からの空乏
層の伸び量が小さくなり、チャネルが形成されて、ソー
ス電極9→n+型ソース領域6→チャネル層5→n-型エ
ピ層2→n+型基板1→ドレイン電極13の順で電流が
流れるようになっている。
【0021】このようなJ−FETにおいては、第2ゲ
ート領域7をAlXGa(1-X)Nで構成することにより、
第2ゲート領域7及びチャネル層5によってヘテロPN
ジャンクションを形成した構成となっている。このよう
なヘテロPNジャンクションによると、バンドギャップ
の状態が図2のように表されることになる。図2(a)
は第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)N(X=0.5)
で構成した場合の様子、図2(b)は第2ゲート領域7
をAlXGa(1-X)N(X=1)、すなわちAlNで構成
した場合の様子を示している。
【0022】図2(a)に示されるように、第2ゲート
領域7をAl0.5Ga0.5Nで構成した場合には、SiC
からなるチャネル層5とAl0.5Ga0.5Nからなる第2
ゲート領域7のそれぞれの価電子帯におけるバンドオフ
セットΔEvが0.5Vとなる。また、図2(b)に示
されるように、第2ゲート領域7をAlNで構成した場
合には、SiCからなるチャネル層5とAlNからなる
第2ゲート領域7のそれぞれの価電子帯におけるバンド
オフセットΔEvが0.8Vとなる。また、図示してい
ないが、第2ゲート領域7を構成するAlXGa(1-X)
におけるXの値を0とした場合、つまりGaNの場合に
は、バンドオフセットΔEvが0.3Vとなる。
【0023】これらから判るように、第2ゲート領域7
をSiCで構成した場合(従来構造)と比べると、バン
ドオフセットが大きくなる分、すなわち0.3〜0.8
Vの範囲でゲート制御電圧を大きくすることが可能とな
る。
【0024】以上説明したように、第2ゲート領域7を
AlXGa(1-X)Nで構成することにより、ゲート制御電
圧を大きくすることができる。このため、本実施形態に
示すJ−FETでは第1、第2ゲート領域3、7から伸
びる空乏層幅を十分に縮めることができ、チャネル幅を
十分にとることができるため、チャネル抵抗低減を十分
に図ることができる。
【0025】次に、図1に示すJ−FETの製造工程を
図3〜図6を用いて説明する。
【0026】〔図3(a)に示す工程〕まず、n型4
H、6H、3C又は15R−SiC基板、すなわちn+
型基板1を用意する。例えば、n+型基板1として、厚
さが400μm、主表面が(0001)Si面、又は、
(11−20)a面のものを用意する。そして、この基
板1の主表面に厚さ5μmのn-型エピ層2をエピタキ
シャル成長させる。この場合、n-型エピ層2は下地の
基板1と同様の結晶が得られ、n型4H、6H、3C又
は15R−SiC層となる。
【0027】〔図3(b)に示す工程〕n-型エピ層2
の上の所定領域にLTO(Low Temperature Oxide)膜
20を配置したのち、フォトリソグラフィによってLT
O膜20をパターニングして所定領域を開口させる。そ
して、LTO膜20をマスクとしてイオン注入を行う。
具体的には、第1ゲート領域3を形成する予定位置にp
型不純物としてボロンをイオン注入する。また、このと
き、必要に応じて第1ゲート領域3を形成する予定位置
の表面にコンタクト用にアルミニウムをイオン注入して
も良い。
【0028】この後、熱処理を施すことで注入されたイ
オンを活性化させ、第1ゲート領域3を形成する。な
お、この第1ゲート領域3の形成に際し、あまりp型不
純物を熱拡散させたくない場合には、熱拡散しにくいA
lを用いるか、もしくはボロンに対して炭素を一定割合
(好ましくはボロン:炭素=1:10)注入することで
熱拡散し難くするとよい。
【0029】〔図3(c)に示す工程〕LTO膜20を
除去したのち、第1ゲート領域3上を含むn-型エピ層
2の上に、エピタキシャル成長によってn-型層からな
るチャネル層5を形成する。このとき、よりノーマリオ
フ型のJ−FETとし易くするために、チャネル層5の
不純物濃度をn-型エピ層2よりも低濃度とすると良
い。
【0030】〔図4(a)に示す工程〕チャネル層5の
表面に第1のマスク材となるLTO膜21を成膜したの
ち、フォトリソグラフィによってLTO膜21をパター
ニングし、n+型ソース領域6の形成予定位置および第
2ゲート領域7のうちのチャネル設定領域7a、7bの
形成予定位置と対向する部位においてLTO膜21に開
口部を形成する。
【0031】〔図4(b)に示す工程〕LTO膜21上
を含み、チャネル層5の上に第2のマスク材となるポリ
シリコン膜22を積層したのち、フォトリソグラフィに
よってポリシリコン膜22をパターニングし、LTO膜
21に形成された開口部のうちn+型ソース領域6の形
成予定位置に形成された部分をポリシリコン膜22で覆
う。
【0032】そして、LTO膜21及びポリシリコン膜
22をマスクとしたイオン注入を行う。具体的には、p
型不純物であるボロン又はアルミニウムをイオン注入す
る。これにより、チャネル設定領域3a、3bの形成予
定位置にp型不純物が注入される。この後、熱処理によ
ってp型不純物を活性化させることでチャネル設定領域
3a、3bを形成する。なお、このチャネル設定領域3
a、3bの形成に際しても、あまりp型不純物を熱拡散
させたくない場合には、熱拡散しにくいAlを用いる
か、もしくはボロンに対して炭素を一定割合(好ましく
はボロン:炭素=1:10)注入することで熱拡散し難
くするとよい。
【0033】〔図4(c)に示す工程〕ポリシリコン膜
22を除去したのち、再び、第3のマスク材となるポリ
シリコン膜23を積層する。そして、フォトリソグラフ
ィによってポリシリコン膜23をパターニングし、LT
O膜21に形成された開口部のうちチャネル設定領域3
a、3bの形成予定位置に形成れた部分をポリシリコン
膜23で覆う。
【0034】そして、LTO膜21及びポリシリコン膜
23をマスクとしたイオン注入を行う。具体的には、n
型不純物である窒素又はリンをイオン注入する。これに
より、n+型ソース領域6を形成する予定位置にn型不
純物が注入される。この後、例えば1600〜1700
℃での熱処理によってn型不純物を活性化させることで
+型ソース領域6を形成する。
【0035】なお、図3(b)に示す工程と本工程とは
順番を入れ替えても良く、また、各工程における熱処理
による不純物の活性化を同時に行うようにしても良い。
【0036】〔図5(a)に示す工程〕ポリシリコン膜
23及びLTO膜21を除去した後、n+型ソース領域
6及びチャネル層5の表面上に、例えば1100〜12
00℃の温度下でp型不純物(例えばMa(マグネシウ
ム))を含んだAlXGa(1-X)Nをヘテロエピタキシャ
ル成長させることで第2ゲート領域7を形成する。
【0037】〔図5(b)に示す工程〕第2ゲート領域
7の表面にLTO膜24を成膜したのち、フォトリソグ
ラフィによってLTO膜24をパターニングすること
で、n+型ソース領域6上においてLTO膜24に開口
部を形成する。その後、LTO膜24をマスクとしたエ
ッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)を
施すことで、n+型ソース領域6の表面を露出させる。
【0038】〔図5(c)に示す工程〕LTO膜24を
除去したのち、再びLTO膜25を成膜し、フォトリソ
グラフィによってLTO膜25をパターニングする。こ
れにより、n+型ソース領域6上の所定領域においてL
TO膜25に開口部を形成する。その後、LTO膜25
をマスクとしたエッチング、例えば反応性イオンエッチ
ングを施すことで、n+型ソース領域6を貫通し、第1
ゲート領域3に達する凹部8を形成する。
【0039】〔図6(a)、(b)に示す工程〕LTO
膜25を除去した後、図6(a)に示すように、凹部8
内を含む基板表面側に層間絶縁膜12を形成する。そし
て、図6(b)に示すように、層間絶縁膜12をパター
ニングすることで第1、第2ゲート領域3、7やn+
ソース領域6と連通するコンタクトホールを形成したの
ち、層間絶縁膜12上に電極層を成膜し、さらに電極層
をパターニングすることでソース電極9および第1、第
2ゲート電極10、11を形成する。最後に、基板裏面
側にドレイン電極13を形成することで図1に示すJ−
FETが完成する。
【0040】(第2実施形態)図7に、本発明の第2実
施形態となるトレンチゲート型のJ−FETの断面構成
を示す。本実施形態では、このトレンチゲート型のJ−
FETに対して、本発明の一実施形態を適用する。以
下、このJ−FETの構成についての説明を行う。
【0041】炭化珪素からなるn+型基板31は上面を
主表面とし、主表面の反対面である下面を裏面としてい
る。このn+型基板31の主表面上には、基板31より
も低いドーパント濃度を有する炭化珪素からなるn-
エピ層32がエピタキシャル成長されている。このn-
型エピ層32の上にはp+型の第1ゲート領域33がエ
ピタキシャル成長されていると共に、第1ゲート領域3
3の所定領域にn+型ソース領域34が形成されてい
る。
【0042】そして、n+型ソース領域34およびp型
ベース領域33を貫通し、n-型エピ層32に達するよ
うなトレンチ35が形成され、このトレンチ35の内壁
にn-型チャネル層36が備えられていると共に、n-
チャネル層36の表面にAlXGa(1-X)N(X=0〜
1)からなるp+型の第2ゲート領域37が備えられて
いる。
【0043】また、基板表面には、第1、第2ゲート領
域33、37に電気的に接続される第1、第2ゲート電
極38、39とn+型ソース領域34に電気的に接続さ
れるソース電極40が形成され、これら各電極38〜4
0が層間絶縁膜41によって絶縁分離された構成となっ
ている。そして、n+型基板31の裏面側にドレイン電
極42が備えられている。このようにして、図7に示す
トレンチゲート型のJ−FETが構成されている。
【0044】このような構成のJ−FETにおいても第
1実施形態と同様の動作を行うことになるが、第2ゲー
ト領域をAlXGa(1-X)Nによって構成していることか
ら、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0045】なお、従来のトレンチゲート型のJ−FE
Tに関しては、SiCをエピタキシャル成長させること
によって第2ゲート領域を形成しているが、本実施形態
のJ−FETの場合には、SiCに代えてAlXGa
(1-X)Nをエピタキシャル成長させることで第2ゲート
領域37を形成すればよい。
【0046】また、図8に示すように、本実施形態のJ
−FETのトレンチ35の底部にp +型のボディブレー
ク領域43を形成したものに対しても、上記と同様に第
2ゲート領域37をAlXGa(1-X)N(X=0〜1)で
構成することにより、上記と同様の効果を得ることが可
能である。
【0047】(他の実施形態)上記各実施形態では、第
1、第2ゲート領域3、7、33、37における電位を
共に制御可能なダブルゲート構造のJ−FETについて
説明したが、第1、第2ゲート領域3、7、33、37
のいずれか一方のみの電位が制御可能なシングルゲート
構造のJ−FETに対しても上記各実施形態を適用する
ことができる。
【0048】その場合、第2ゲート領域7、37をAl
XGa(1-X)Nで構成していることから、第2ゲート領域
7、37への印加電圧を制御可能とした方が、第1ゲー
ト領域3、33とした場合よりも高い電圧での制御を行
うことが可能となる。なお、このようにシングルゲート
構造とする場合には、第1、第2ゲート電極10、11
のいずれか一方がソース電極9と接続された構成とな
る。
【0049】なお、方位を示す場合、本来ならば所望の
数字の上にバー(−)を付すべきであるが、表現の制約
上、所望の数字の前にバーを付して示すこととする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるJ−FETの断
面構成を示す図である。
【図2】(a)は第2ゲート領域7をAlXGa(1-X)
(X=0.5)で構成した場合の様子、(b)は第2ゲ
ート領域7をAlXGa(1-X)N(X=1)、すなわちA
lNで構成した場合の様子を示した図である。
【図3】図1に示すJ−FETの製造工程を示す図であ
る。
【図4】図3に続くJ−FETの製造工程を示す図であ
る。
【図5】図4に続くJ−FETの製造工程を示す図であ
る。
【図6】図5に続くJ−FETの製造工程を示す図であ
る。
【図7】本発明の第2実施形態におけるトレンチゲート
型のJ−FETの断面構成を示す図である。
【図8】第2実施形態の他の例におけるJ−FETの断
面構成を示す図である。
【図9】従来のJ−FETの断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…n+型基板、2…n-型エピ層、3…第1ゲート領
域、3a、3b…チャネル設定領域、5…チャネル層、
6…n+型ソース領域、7…第2ゲート領域、7a、7
b…チャネル設定領域、8…凹部、9…ソース電極、1
0、11…第1、第2ゲート電極、13…ドレイン電
極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F102 FA00 GB04 GC05 GC07 GC08 GD04 GJ02 GL02 GQ01 GR01 HC01 HC07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基
    板(1)と、 前記半導体基板の主表面上に形成され、該半導体基板よ
    りも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層
    (2)と、 前記半導体層の表層部の所定領域に形成され、所定深さ
    を有する第2導電型の第1ゲート領域(3)と、 前記半導体層及び前記第1ゲート領域の上に形成された
    炭化珪素からなる第1導電型のチャネル層(5)と、 前記チャネル層のうち前記第1ゲート領域の上に位置す
    る部位に形成された第1導電型のソース領域(6)と、 前記チャネル層の上において、前記第1ゲート領域と対
    向する部位を含むように形成された第2導電型の第2ゲ
    ート領域(7)と、 前記ソース領域に電気的に接続されたソース電極(9)
    と、 前記第1ゲート領域に電気的に接続された第1ゲート電
    極(10)と、 前記第2ゲート領域に電気的に接続された第2ゲート電
    極(11)と、 前記半導体基板の裏面側に形成されたドレイン電極(1
    3)とを有し、 前記第2ゲート領域は、前記チャネル層の上にヘテロエ
    ピタキシャル成長によって形成されたAlXGa(1-X)
    (X=0〜1)で構成されていることを特徴とする炭化
    珪素半導体装置。
  2. 【請求項2】 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基
    板(31)と、 前記半導体基板の主表面上に形成され、該半導体基板よ
    りも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層
    (32)と、 前記半導体層の表面上もしくは表層部の所定領域に形成
    され、所定深さを有する第2導電型の第1ゲート領域
    (33)と、 前記第1ゲート領域の表層部の所定領域に形成された第
    1導電型のソース領域(34)と、 前記ソース領域及び前記第1ゲート領域を貫通し、前記
    半導体層に達するトレンチ(35)と、 前記トレンチの内壁において、前記半導体層、前記第1
    ゲート領域及び前記ソース領域の表面上に形成された炭
    化珪素からなる第1導電型のチャネル層(36)と、 前記チャネル層の表面上に形成された第2導電型の第2
    ゲート領域(37)と、 前記ソース領域に電気的に接続されたソース電極(4
    0)と、 前記第1ゲート領域に電気的に接続された第1ゲート電
    極(38)と、 前記第2ゲート領域に電気的に接続された第2ゲート電
    極(39)と、 前記半導体基板の裏面側に形成されたドレイン電極(4
    2)とを有し、 前記第2ゲート領域は、前記チャネル層の上にヘテロエ
    ピタキシャル成長によって形成されたAlXGa(1-X)
    (X=0〜1)で構成されていることを特徴とする炭化
    珪素半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体層のうち前記トレンチの底部
    に位置する部位に第2導電型のボディブレーク領域(4
    3)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載
    の炭化珪素半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第2ゲート領域は、AlN、Ga
    N、Al0.5Ga0.5Nのいずれかで構成されていること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の炭
    化珪素半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記チャネル層における第1導電型不純
    物の濃度が前記半導体層における第1導電型不純物の濃
    度よりも低くなっていることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置。
  6. 【請求項6】 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基
    板(1)の主表面上に、この半導体基板よりも高抵抗な
    炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層(2)を形成す
    る工程と、 前記半導体層の表層部の所定領域に、所定深さを有する
    第2導電型の第1ゲート領域(3)を形成する工程と、 前記半導体層及び前記第1ゲート領域の上に第1導電型
    のチャネル層(5)を形成する工程と、 前記チャネル層のうち前記第1ゲート領域の上に位置す
    る部位に、第1導電型のソース領域(6)を形成する工
    程と、 前記チャネル層の表面上において、前記第1ゲート領域
    と対向する部位を含むように、第2導電型の第2ゲート
    領域(7)を形成する工程と、 前記ソース領域に電気的に接続されるソース電極
    (9)、前記第1ゲート領域に電気的に接続される第1
    ゲート電極(10)、前記第2ゲート領域に電気的に接
    続される第2ゲート電極(11)を形成する工程と、 前記半導体基板の裏面側にドレイン電極(13)を形成
    する工程とを有してなる炭化珪素半導体装置の製造方法
    であって、 前記第2ゲート領域を形成する工程では、前記チャネル
    層の上にAlXGa(1- X)N(X=0〜1)をヘテロエピ
    タキシャル成長することによって前記第2ゲート領域を
    形成することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第2ゲート領域を形成する工程で
    は、AlN、GaN、Al0.5Ga0.5Nのいずれかによ
    って前記第2ゲート領域を形成することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装
    置。
  8. 【請求項8】 前記チャネル層を形成する工程では、前
    記チャネル層における第1導電型不純物の濃度が前記半
    導体層における第1導電型不純物の濃度よりも低くなる
    ようにすることを特徴とする請求項6又は7に記載の炭
    化珪素半導体装置。
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