JP2002327918A - 親子ダンパの圧力制御方法 - Google Patents

親子ダンパの圧力制御方法

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JP2002327918A
JP2002327918A JP2001131873A JP2001131873A JP2002327918A JP 2002327918 A JP2002327918 A JP 2002327918A JP 2001131873 A JP2001131873 A JP 2001131873A JP 2001131873 A JP2001131873 A JP 2001131873A JP 2002327918 A JP2002327918 A JP 2002327918A
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Shintaro Harada
新太郎 原田
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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダンパのどのレンジを使用しても適切な応答性
を得られるような親子ダンパの制御方法を提供する。 【解決手段】燃焼排ガスまたは燃焼空気の圧力制御に親
子ダンパを用い、PID制御により親子ダンパにダンパ
開度指令を出力する親子ダンパの圧力制御方法であっ
て、ダンパCv値特性、配管系統固有の抵抗係数、ブロ
ワー性能に基づいて算出した前記親子ダンパでの圧力降
下量、あるいは実設備において実測した前記親子ダンパ
での圧力降下量に基づいて、前記親子ダンパ開度の単位
操作量あたりの圧力降下の変化量を算出し、該圧力降下
の変化量が均一になるように変換するダンパ開度補正関
数を予め求めておき、操業時において前記PID制御に
より親子ダンパへ出力される開度指令に対し、前記ダン
パ開度補正関数により補正を加えることを特徴とする親
子ダンパの圧力制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターンダウン率が
小さく、圧力制御に親子ダンパを用いる、例えばラジア
ントチューブバーナー加熱炉の燃焼排ガス系統の圧力制
御用親子ダンパの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鋼板の連続処理設備に設けられる
加熱炉においては、ラジアントチューブバーナーという
管状バーナーを用いる場合がある。具体的には、図13
に示すようにラジアントチューブバーナー1の入り側に
おいて、燃料流量調整弁15,エア流量調整弁16によ
り各々流量を調整しながら燃焼ガス(例えばコークス炉
ガスと燃焼用空気)を供給し、該ラジアントチューブバ
ーナー1内で燃焼ガスを燃焼させることにより熱を発生
し、炉内を加熱する。
【0003】かかる設備において、多数のラジアントチ
ューブバーナー1が複数の燃焼ゾーン1〜Nに分割設置
され、ラジアントチューブバーナー1内で燃焼した排ガ
スは、各々排ガス配管18を通ってプレナムチャンバ2
へと流出される。プレナムチャンバ2には排ガスブロワ
ー9によって負圧が印加されているので、ラジアントチ
ューブバーナー1で生成された排ガスはプレナムチャン
バ2に流れ込む。それと同時にプレナムチャンバ2の上
流側である排ガス配管18には、負圧により希釈空気が
流入し、排ガスを冷却し配管を保護し、また排ガス中の
未燃ガスの燃焼に役立つ。プレナムチャンバ2に集めら
れた排ガスは、排ガス配管19を通り、圧力制御親子ダ
ンパ20(親ダンパ6,子ダンパ7)、排熱回収装置
8、排ガスブロワ9を経て煙突10に導かれる。
【0004】ところで、この種の加熱設備においては、
燃焼状態は通板鋼種、操業条件によって広い範囲で変化
しうる。従って燃焼量が少ない時には、排ガスと混合さ
れる希釈空気の吸込量が増大し、過冷却となり、排ガス
温度が下がり過ぎ、例えば排ガス経路に設けられる排熱
回収装置8の効率が低下する。また、必要以上の希釈空
気を吸い込むため、排ガスブロワー9が無駄なエネルギ
ーを消費することになる。また、排ガス経路の負圧が大
きすぎると、バーナーのラジアントチューブ内の負圧も
大きくなり、バーナーの燃焼が不安定になり、失火する
危険がある等の問題がある。
【0005】これらの問題の対策として、特開平6−2
57712号0号公報に、燃焼量に応じてプレナムチャ
ンバ2内の圧力設定値を定める方法がある。この方法を
適用した圧力損失変化の一例を図14に示す。図14に
示すように、低燃焼時はプレナムチャンバ2の圧力が高
く、最大燃焼時はプレナムチャンバ内の圧力が低くなる
ように、燃焼量に応じてプレナムチャンバ2の圧力を制
御することによって、希釈空気吸込口の圧力を適正に制
御でき、排ガス量と希釈空気量との比率変化を抑制し、
排ガス冷却能力を過冷却なく適正に維持できる。また、
ラジアントチューブバーナー1における負圧を適正範囲
に維持することによって、パイロットバーナーの燃焼が
不安定になるのを防止し得るとともに、未燃ガスの滞留
や逆流を避けることができる。
【0006】上記で定めたプレナムチャンバの圧力設定
値を実現するために、圧力制御ダンパを用いPID制御
を行っている。即ち、図13に示すように圧力調節計
(PIC)4には、圧力変換器(PT)3から取り込ま
れたプレナムチャンバ2の圧力実績値と、目標圧力決定
装置17からのプレナムチャンバ2の圧力設定値とが入
力され、この実績値と設定値とを比較し、親ダンパ6と
子ダンパ7のダンパ開度の制御を行うことで、プレナム
チャンバ2における負圧が常に適正範囲になるように維
持している。尚、プレナムチャンバ2の圧力設定値は、
ラジアントチューブバーナー1入側の燃料流量および燃
焼用空気量によってプロセスコンピュータから設定され
るか、または人のマニュアル操作によって設定される。
【0007】しかし、実際には図3に示した各ダンパの
開度と流量の関係(Cv値特性)からもわかるように、
各ダンパには制御性の悪い範囲が存在する。バーナーの
ターンダウン率が小さい場合には、特に小流量域でのダ
ンパ開度制御が必要となるため、このCv特性値が要因
となり、1つのダンパでの適正な圧力制御を行うことは
非常に困難となる。従って、例えば図15に示すよう
に、1つの子ダンパ7と3つの親ダンパ6からなる親子
ダンパ20を用いて、親ダンパの制御性の悪い範囲を子
ダンパで補うことにより少量流量域の制御を行ってい
る。
【0008】図16は従来の親子ダンパを使用しPID
制御方法を示す図である。図16に示すように、圧力変
換器(PT)3から取り込まれたプレナムチャンバ2の
圧力実績値が、圧力調節計(PIC)4に入り、PID
制御により、バーナー入側の燃料流量および燃焼用空気
量により設定された圧力設定値と圧力実績値との偏差、
偏差の時間積分、偏差の微分値の各々に比例した操作量
Mを算出する。そして現在の開度MVnow に操作量Mを
加算することにより、目標とする開度指令MVaim を決
定する。
【0009】演算装置5には、例えば図2に示すような
PIC出力と各ダンパ開度指令の関数が組み込まれてお
り、各ダンパの開度を、例えば先ず子ダンパ7が開き、
子ダンパ7の開度が60%になった時点で親ダンパ6を
開き始めるように、目標開度MVaim を親子ダンパ20
に振り分ける。これによって親ダンパの開度はMVm、
子ダンパの開度はMVs となり、各ダンパヘの開度指令
となる。ここで、親子ダンパの開度指令に重なりをもた
せることにより、各ダンパの制御性の悪い範囲を補完し
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−257
712号公報のごとく、燃焼量に応じてプレナムチャン
バ内圧力設定値を自動で設定する制御をしても、実際に
その設定圧になるまでの応答が遅ければ、上記制御のメ
リットが軽減する。また、応答が早すぎるとハンチング
に至ったり、操業状態や燃焼系統の制御応答性との関係
で、逆効果となるケースも考えられる。当然適正な応答
性能を求めてPIDの調整を行うが、燃焼状態によって
バランスしている排ガス流量、排ガス温度、ダンパ開度
が異なるため、全使用レンジに対して所定の性能を満足
するPID制御の係数設定値を決定するのに多大な労力
を要する。また、上記を満足する設定値を決定しても、
ダンパ使用レンジが変わればダンパCv値特性等によっ
て応答性能が変わるという不都合を残してしまう。
【0011】しかしながら、従来の親子ダンパの制御で
は、親子ダンパの開度指令に重なりをもたせて、各ダン
パの制御性の悪い範囲を補完するのみであり、単にダン
パが効かない範囲を減らしているに過ぎず、これらの課
題の根本的な解決にはならない。そこで本発明は、ダン
パのどのレンジを使用しても適切な応答性を得られるよ
うな親子ダンパの制御方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、燃焼排ガスまたは燃焼空気の圧力制御に
親子ダンパを用い、PID制御により親子ダンパにダン
パ開度指令を出力する親子ダンパの圧力制御方法であっ
て、ダンパCv値特性、配管系統固有の抵抗係数、ブロ
ワー性能に基づいて算出した前記親子ダンパでの圧力降
下量、あるいは実設備において実測した前記親子ダンパ
での圧力降下量に基づいて、前記親子ダンパ開度の単位
操作量あたりの圧力降下の変化量を算出し、該圧力降下
の変化量が均一になるように変換するダンパ開度補正関
数を予め求めておき、操業時において前記PID制御に
より親子ダンパヘ出力される開度指令に対し、前記ダン
パ開度補正関数により補正を加えることを特徴とする。
さらに、上記方法において、前記ダンパ開度補正関数
は、親子ダンパ開度の単位操作量に対し、下記式で求め
る係数ζを乗じた値を、親子ダンパ開度の全操作域に亘
って算出し、これに基づき設定することを特徴とする。 ζ=dPO/dP ここで、ζ :基準圧力変化量と圧力変化量との比 dPO:基準圧力変化量 dP :配管系に与えられる圧力変化量
【0013】
【発明の実施の形態】実施例として、図13に示す設備
に本発明を適用した例を以下に示す。図13は鋼板の連
続焼鈍設備に設けられるラジアントチューブバーナー加
熱炉の例である。ラジアントチューブバーナー1の入側
において、燃料流量調整弁15、エア流量調整弁16に
より流量を調整しながら燃料、空気を供給し、該ラジア
ントチューブバーナー1内で燃焼させることにより熱を
発生し、間接的に炉内を加熱する。多数のラジアントチ
ューブバーナー1が複数の燃焼ゾーン1〜Nに分割設置
されており、各ゾーンの各ラジアントチューブバーナー
1内で燃焼した排ガスは、それぞれ排ガス配管18を通
ってプレナムチャンバ2へと流れ込む。
【0014】プレナムチャンバ2には、排ガスブロワー
9により負圧が印加されており、プレナムチャンバ2に
集められた排ガスは、排ガス配管19を通り、圧力制御
親子ダンパ20(親ダンパ6,子ダンパ7)を経て、排
熱回収装置8で排熱回収された後、排ガスブロワー9、
煙突10に導かれ、大気中に排気される。17は、バー
ナーの燃料流量に基づきプレナムチャンバ2内の圧力目
標値を設定する目標圧力決定装置であり、ここで決定さ
れた圧力目標値は圧力調整計(PIC)4に入力され
る。圧力調整計(PIC)4では、この圧力目標値と、
圧力変換器3を経由して圧力調節計(PIC)4に入力
されるプレナムチャンバ2の圧力実績値とを比較し、こ
の偏差に基づいて圧力制御親子ダンパ20の開度調整を
行っている。
【0015】次に、本発明を適用した圧力制御方法につ
いて、図1を参照しながら詳細に説明する。図1は圧力
調節計(PIC)4から親子ダンパ20に開度指令が出
力されるまでのフローを示したものである。圧力変換器
(PT)3から取り込まれたプレナムチャンバ2の圧力
実績値が、圧力調節計(PIC)4に入り、PID制御
により、バーナー入側の燃料流量により設定された設定
値との偏差、偏差の時間積分、偏差の微分値の各々に比
例した操作量Mを算出する。そして、現在の開度MVno
w に操作量Mを加算することにより、目標とする開度指
令MVaim を決定する。
【0016】演算装置5には、例えば図2に示すような
PIC出力と各ダンパ開度指令の関数が組み込まれてお
り、各ダンパの開度を、例えば先ず子ダンパ7が開き、
子ダンパ7の開度が60%になった時点で親ダンパ6を
開き始めるように、目標開度MVaim を親ダンパ6と子
ダンパ7に振り分ける。これによって、親ダンパ6の開
度はMVm 、子ダンパ7の開度はMVs となり、各ダン
パヘの開度指令となる。
【0017】ここまでは従来技術と同様であるが、本発
明では、さらに図1に示す演算装置5から出力される親
ダンパヘの開度指令MVm 、子ダンパヘの開度指令MV
s に補正を加えるための親ダンパ開度補正演算装置1
1、子ダンパ開度補正演算装置12を、それぞれ演算装
置5と親子ダンパ6,7の間に設けている。この開度補
正演算装置11,12には、ダンパ開度により異なる単
位操作量あたりの圧力降下の変化量を均一にするための
補正関数が設定されており、演算装置5から出力される
開度指令MVm,MVs を該開度補正演算装置11,12
に通すことにより、親子各ダンパヘの補正された開度指
令MVm rev,MVs rev を決定し、各ダンパヘの開度指
令とする。
【0018】次に、開度補正演算装置11,12に設定
されている開度補正関数の決定方法を下記に示す。この
関数は対象とする配管系統の流体種、流体比重、流量範
囲、ダンパCv値特性、配管系の流体抵抗特性、ブロワ
ー性能により異なるため、対象とする配管、ダクトの系
統に応じて事前に計算を行い、本関数を決定しなければ
ならない。もしくは実設備の流量及び圧力の実測値から
算出しても良い。また、本実施例では関数で与えている
が、同じ効果を狙った補正をMVm 対MVm rev 、MV
s 対MVs rev の関係を数値で記述したテーブルで与え
ることも可能である。
【0019】ここでは、前述のラジアントチューブバー
ナー式加熱炉設備において、計算によりダンパ開度補正
関数を決定した一例について説明する。前述した設備の
親子ダンパ20のCv値特性を図3に、親子ダンパ開度
指令を図2に示す。また図2と図3から、各PIC出力
(MVaim)における親ダンパ開度指令(MVm),子ダン
パ開度指令(MVs)と、その開度における親ダンパCv
値(Cvm)、子ダンパCv値(Cvs ) を求め、親子ダ
ンパのCv値(Cvms=Cvm +Cvs)を求めて作成し
たグラフを図4に示す。親子ダンパ20の開度指令は、
当該ダンパの制御性の悪いレンジを補完するために、子
ダンパ7の最大開度付近と親ダンパの最小開度付近をラ
ップさせている。
【0020】まず、最小から最大までの範囲のラジアン
トチューブバーナー燃焼量と、排ガスブロワーを通過す
る燃焼排ガス温度、燃焼排ガス量の関係を、加熱炉の伝
熱および熱収支計算により求めておく。ある任意の燃焼
量における親子ダンパ20の圧力降下量(PD)は、下
式により与えられる。 PD=Pblower−P loss |PC| ・・・・(1) ここで、PD :親子ダンパでの圧力降下量(図14
A−B間での圧力降下値) P loss :排ガス系の圧力降下量(図14B−C間での
圧力降下値)で、下式により求まる。 P lossP=φ(γ/2g)Q2 φ:排ガス系、図14のB−C間の抵抗係数 g:重力加速度 γ:燃焼排ガスの密度 Q:燃焼排ガス量(燃焼量から求まる) PC :プレナムチャンバの圧力制御量 Pblower:ブロワー昇圧力(図14のC−D間での圧力
上昇値で、図6のブロワー性能図により定まる)
【0021】また、親子ダンパ20での圧力降下量(P
D)とダンパCv値(Cvms) との関係は次式で与えら
れる。
【数1】
【0022】従って、ある任意の燃焼量における親子ダ
ンパ20の圧力降下量(PD)及びCv値(Cvms) が
定まり、図4から任意の燃焼量におけるPIC出力(M
vaim)が定まる。こうしてPIC出力(Mvaim)と親子
ダンパ20の圧力降下量(PD)の関係を、燃焼量を最
小から最大の範囲まで連続的に計算して求めた結果を図
8に示す。
【0023】次に、上記で求めたある任意の燃焼量にお
ける親子ダンパ20のCv値(Cvms) から、図4を用
いてPIC出力を単位操作量(dPIC)だけ変位させ
たときのCv値の変化量(dCvms)、及びその時の親
子ダンパ20のCv値(Cvms’)を求める。図5は、
PIC出力の単位操作量(dPIC)とCv値変化量
(dCvms)の関係を示す図である。
【0024】CvmsからCvms’にCv値が変化した時
の親子ダンパ20での圧力降下量をPD’とすると、上
記(2)式のCvmsをCvms’、PDをPD’に置き換
えることによりPD’が求まる。従ってある任意の燃焼
量、即ちある任意の燃焼排ガス量Qにおいて、PIC出
力を単位操作量(dPIC)だけ変化させた時の親子ダ
ンパ20での圧力降下の変化量dPDは、 dPD=|PD−PD’| ・・・・(3) で求まる。
【0025】図7は、配管系の風量−圧力損失特性
(A,B)とブロワー性能とのバランス点を示す図であ
る。Aは親子ダンパCv値=Cvmsにおける配管系全体
の圧力損失カーブ、Bは親子ダンパCv値=Cvms’に
おける配管系全体の圧力損失カーブを表している。また
Pは配管系全体の圧力損失、C及びC’は定数である。
この圧力降下の変化量dPDは、燃焼排ガス量Q(一定
と仮定する)における親子ダンパ20での変化量である
から、これを図6のブロワー性能曲線の風量Qにおける
ブロワー昇圧力をP+dPDだけ変化させて、ブロワー
性能曲線と配管系の圧力損失カーブがバランスする点を
求めることにより、配管系に与えられる圧力変化量dP
を求めることができる。
【0026】こうして燃焼量を最小から最大まで連続的
に変化させ、各燃焼量におけるPIC出力とその時のダ
ンパCv値、PICの単位操作量におけるダンパCv値
変化量を求め、配管系に与えられる圧力変化量(dP)
を、基準圧力変化量(dPO)を100%として求めた
結果を図9に示す。
【0027】基準圧力変化量を100%としてみた場
合、操作域によって効き方が大きく変わることがわか
る。そこでこの圧力変化量に基づいて、親子ダンパそれ
ぞれについて、圧力変化を均一にする方向に変換する関
数、即ち親子ダンパ開度補正関数13と子ダンパ開度補
正関数14を予め算出する。今、基準圧力変化量(dP
O)と圧力変化量(dP)との比を、 ζ=dPO/dP ・・・・(4) とする。
【0028】PICの単位操作量あたりのダンパ開度操
作量を、親ダンパ関数指令Mvm あるいは、子ダンパ開
度指令Mvs に対し、ζを乗ずることにより、配管系に
与えられる圧力変化量dPをPICOから100%の全
領域で一定に補正することができる。 MVs rev =MVs ×ζ ・・・・(5) MVm rev =MVm ×ζ ・・・・(6) を燃焼量の最小から最大の全領域で計算により求める。
この計算に基づき、図10に示すような子ダンパ開度補
正関数、図11に示すような親ダンパ開度補正関数を得
ることができる。尚、ここではダンパCv値特性、配管
系固有の抵抗係数、ブロワー性能に基づいて親子ダンパ
の圧力降下量を算出したが、実設備の操業実績データか
らこの圧力降下量を算出してもかまわない。
【0029】この親ダンパ開度補正関数13を親ダンパ
開度補正演算装置11に、子ダンパ開度補正関数14を
子ダンパ開度補正演算装置12に予め設定しておき、操
業時において演算装置5から出力される開度指令MVm
、MVs に対して補正を加え、補正された開度指令M
Vm rev 、MVs rev を各ダンパヘの開度指令とする。
【0030】尚、本関数はダンパのCv値特性を打ち消
しただけのように見て取れるが、ダンパのCv値特性
(図3参照)を線形に補正するだけのものでは効果が薄
く、前述のとおり配管系固有の抵抗係数やブロワー性能
を加味した関数とすることが重要である。またここで、
図10、図11で親ダンパ6と子ダンパ7で関数の傾向
が違うのは、親タンパ6が開いているときは必ず子ダン
パ7が開いていることによる影響である。従って、親子
ダンパで同傾向の曲線、即ち片方の開度補正関数が他方
の開度補正関数の定数倍として、上記影響を補正する他
の関数を片方に付加してもよい。さらに、親子ダンパへ
の開度を振り分ける演算装置5と開度補正演算装置1
1,12を統合し、PIC出力MVaim とMVm rev 及
びMVs rev の関係を与える関数としても同等の効果を
生みうる。
【0031】図12は、本発明の開度補正関数により演
算装置5からの開度指令MVm 、MVs に補正を加えた
MVm rev 、MVs rev とした場合の、PIC出力と単
位操作量あたりの圧力変化を示したものであり、単位操
作量あたりの基準圧力降下量を100%としている。本
発明の開度補正関数により開度指令の補正を行った図1
2では、全範囲において一律100%になっている。一
方、補正を行わない場合は、図9に示すように、操作範
囲により単位操作あたり圧力変化量が基準値の数%から
400%にまで変動したままである。
【0032】尚、本実施例では厳密に計算しているた
め、完全に均一化しているが、簡易な近似曲線で該補正
関数を設定しても充分に効果がある。本補正関数の導入
という比較的簡易な制御を追加することにより、子ダン
パ7、親ダンパ6と順次開閉する場合の、操作域による
制御性の変動が大きく押さえらることがわかる。
【0033】このように、従来であれば圧力制御親子ダ
ンパの操作量とそれによる圧力変化量の関係は、操作域
によって大きく異なっていたが、本発明によって、操作
域による圧力変化量の変化を平滑化する方向に補正する
ことができる。これにより、適正なPID制御の係数設
定が容易になると共に、設備の能力をより引き出す方向
の制御とすることにつながる。
【0034】また、本実施例では鋼板処理設備の連続焼
鈍炉の加熱設備に適用した例を示したが、本発明は使用
流量変化の大きな燃焼設備の燃焼制御や排ガス制御であ
れば、何れにも適用可能である。適用の方法は前述の実
施例と同様に、配管系統の圧力バランス計算に基づき開
度補正関数を決定するか、実設備の実績から開度補正関
数を求める。あるいは演算装置を予め組み込んでおき、
対象設備の応答性能を見ながら設定しても同等の効果を
得られる。
【0035】
【発明の効果】本発明により、ダンパCv値特性、配管
系統固有の抵抗係数、ブロワー性能に基づいて前記親子
ダンパでの圧力降下量を事前に計算、あるいは操業実績
から圧力降下量を事前に実測することで、これに基づき
各ダンパの単位操作量あたりの圧力降下量が均一になる
ような親子ダンパの開度補正関数を予め求めておき、P
ID制御によって圧力調節計(PIC)から親子ダンパ
に出力される各ダンパの開度指令に補正を加える。従っ
て、この開度補正を付加しておくことで、親子ダンパの
どの操作域(開度)でPID制御の係数設定を行って
も、全ての操作域に対応した設定ができることになると
同時に、全ての操作域の応答性の変動を平滑化する圧力
制御が可能となり、適正な圧力に制御することが可能と
なる。また、バーナーのターンダウン率が小さい、即ち
通過流量変化の大きな配管系統に親子ダンパを用いて圧
力をPID制御する場合に、適正なPID制御の係数設
定値を決定することに、従来のような多大な時間と労力
を必要とせず、作業効率が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明圧力制御方法を適用した例のフローチャ
ートである。
【図2】PIC出力と各ダンパ開度指令例を示すグラフ
である。
【図3】各ダンパのCv値特性例を示すグラフである。
【図4】図上11と図12から定まるPIC出力と親子
ダンパCv値(Cvms)の関係を示す図である。
【図5】PICの出力の単位操作量(dPIC)とCv
値変化量(dvms)の関係を示す図である。
【図6】ブロワーの風量と圧力の関係を示す図である。
【図7】配管系の風量−圧力損失特性とブロワー性能と
のバランス点を示す図である。
【図8】PIC出力と親子ダンパ部圧力降下量の関係を
示すグラフである。
【図9】本発明のダンパ開度補正を行わない場合の、各
操作域の応答性を示すグラフである。
【図10】子ダンパ開度補正関数を表すグラフである。
【図11】親ダンパ開度補正関数を表すグラフである。
【図12】本発明のダンパ開度補正を行った場合の、各
操作域の応答性を示すグラフである。
【図13】ラジアントチューブバーナー加熱炉設備の構
成を示すブロック図である。
【図14】ラジアントチューブバーナー加熱炉設備にお
ける圧力損失分布の一例を示すグラフである。
【図15】親子ダンパ構成図例である。
【図16】従来の親子ダンパ制御方法を示す図である。
【符号の説明】
1:ラジアントチューブバーナー 2:プレナムチャンバ 3:圧力変換器( Pressure Transmitter ) 4:圧力調節計( Pressure Indicating Contro11er ) 5:PIC出力を各ダンパに振り分ける演算装置(P
Y) 6:親ダンパ 7:子ダンパ 8:排熱回収装置 9:排ガスブロワー 10:煙突 11:親ダンパ開度補正演算装置 12:子ダンパ開度補正演算装置 13:親ダンパ開度補正関数 14:子ダンパ開度補正関数 15:燃料流量調整弁 16:エア流量調整弁 17:目標圧力決定装置 18:排ガス配管 19:排ガス配管 20:圧力制御親子ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05B 11/36 507 G05B 11/36 507F G05D 16/20 G05D 16/20 A // C21D 1/52 C21D 1/52 P Fターム(参考) 4K056 DC15 FA01 5H004 GA02 GA14 GB04 HA03 HB03 KA43 KB02 KB04 KB06 LA19 LB10 MA60 5H316 AA03 BB02 CC04 CC08 DD03 EE02 EE15 ES02 FF01 FF02 HH04 HH08 HH10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼排ガスまたは燃焼空気の圧力制御に
    親子ダンパを用い、PID制御により親子ダンパにダン
    パ開度指令を出力する親子ダンパの圧力制御方法であっ
    て、ダンパCv値特性、配管系統固有の抵抗係数、ブロ
    ワー性能に基づいて算出した前記親子ダンパでの圧力降
    下量、あるいは実設備において実測した前記親子ダンパ
    での圧力降下量に基づいて、前記親子ダンパ開度の単位
    操作量あたりの圧力降下の変化量を算出し、該圧力降下
    の変化量が均一になるように変換するダンパ開度補正関
    数を予め求めておき、操業時において前記PID制御に
    より親子ダンパヘ出力される開度指令に対し、前記ダン
    パ開度補正関数により補正を加えることを特徴とする親
    子ダンパの圧力制御方法。
  2. 【請求項2】 前記ダンパ開度補正関数は、親子ダンパ
    開度の単位操作量に対し、下記式で求める係数ζを乗じ
    た値を、親子ダンパ開度の全操作域に亘って算出し、こ
    れに基づき設定することを特徴とする請求項1記載の親
    子ダンパの圧力制御方法。 ζ=dPO/dP ここで、ζ :基準圧力変化量と圧力変化量との比 dPO:基準圧力変化量 dP :配管系に与えられる圧力変化量
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111780565B (zh) * 2020-06-10 2021-11-09 鞍钢集团工程技术有限公司 一种加热炉燃气主管道压力控制方法

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