JP2002327759A - ころがり軸受および潤滑グリース - Google Patents
ころがり軸受および潤滑グリースInfo
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Abstract
も安価でケミカルアタック性のない潤滑グリースおよび
この潤滑グリースが封入されたころがり軸受を提供す
る。 【解決手段】 同心に配置される内輪および外輪と、こ
の内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、この転
動体の周囲に封入される潤滑グリースとを備え、電子写
真装置の軸受部に用いられるころがり軸受であって、上
記潤滑グリースが基油を異にする複数のグリースが混合
されている。
Description
潤滑グリースに関し、特に低価格および高温度で使用で
きる潤滑グリース、ならびに電子写真装置に用いられる
ころがり軸受に関する。
印刷機(プリンター)などの定着部には、定着ローラな
どを回転自在に支持するためにロール用ころがり軸受が
多用されている。この定着部は、紙に帯電して付着した
トナーを最高 250℃程度の高温で加圧することによっ
て、紙に定着させる部位であり、定着部のロール支持こ
ろがり軸受は高温で使用されることが多い。特に、ヒー
トロールは中空軸の内側にヒータを入れ、内側から熱す
るために、軸受も 200℃をこえる温度で使用されること
がある。また、ヒートロール支持ころがり軸受は軸受部
の温度を下げるため樹脂製の断熱スリーブを介して使用
されることもあるが、それでも輻射熱で軸受端面の温度
は 200℃近くになることがある。従来、このような高温
条件で使用されるころがり軸受の封入グリースには、高
温での劣化が少なく、長い寿命が得られるフッ素系グリ
ースが一般に使用されている。
子写真装置の需要が増えるにつれ、そのコストダウンが
緊急の課題となっているが、フッ素系グリースは高価で
あり、電子写真装置の定着ローラに使用されるころがり
軸受のコストダウンの妨げになっているという問題があ
る。
ために、成形性と耐熱性を兼ね備えたポリカーボネート
樹脂など非結晶性の樹脂製部品が多用されるようになっ
てきたが、これらの樹脂は封入グリースに用いられてい
る油脂類により、いわゆるケミカルアタックと呼ばれる
現象が生じやすい。このため、ころがり軸受に使用され
るグリース類によりポリカーボネート樹脂が破損を起こ
しやすいという問題がある。特にフッ素系グリースに次
ぐ高温用グリースとして、かつフッ素系グリースよりも
安価なグリースとして、高粘度エステル油を基油とした
ウレアグリースが使用されることもあるが、このウレア
グリースはポリカーボネート樹脂に対してケミカルアタ
ックを起こしやすいという問題がある。また、コストダ
ウンを目的に、フッ素系グリースに高粘度エステル油な
どを添加すると、滴点が低下するという問題がある。
になされたもので、優れた耐熱性を有し、フッ素系グリ
ースよりも安価でケミカルアタック性のない潤滑グリー
スが封入された電子写真装置用ころがり軸受、および該
特性を有する潤滑グリースを提供することを目的とす
る。
は、同心に配置される内輪および外輪と、この内輪およ
び外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体の周囲
に封入される潤滑グリースとを備え、電子写真装置の軸
受部に用いられるころがり軸受であって、上記潤滑グリ
ースは基油を異にする複数のグリースが混合されている
ことを特徴とする。また、上記電子写真装置の軸受部が
定着ローラを支持する軸受部であることを特徴とする。
また、上記複数のグリースを構成する一つのグリースA
がパーフルオロポリエーテル油を基油とし、フッ素樹脂
粉を増ちょう剤とするグリースであることを特徴とす
る。また、グリースAに、グリースBおよびグリースC
からなる群から選ばれた少なくとも一つのグリースを混
合してなり、グリースBは、ポリオレフィン油を基油と
し、ウレア化合物、シリカ粉およびベントナイト粉から
なる群から選ばれた少なくとも一つを増ちょう剤とする
グリースであり、グリースCは、アルキルジフェニルエ
ーテル油を基油とし、ウレア化合物、シリカ粉およびベ
ントナイト粉からなる群から選ばれた少なくとも一つを
増ちょう剤とするグリースであることを特徴とする。ま
た、グリースAが潤滑グリース全体に対して 30〜70 体
積%混合されてなることを特徴とする。
複数のグリースを混合することで、特にパーフルオロポ
リエーテル油を基油とし、フッ素樹脂粉を増ちょう剤と
するグリースAを必須成分とすることで、ケミカルアタ
ックを受けやすい樹脂製部品をころがり軸受と併用して
も、その樹脂製部品が破損することがなくなり、電子写
真装置等のコストダウンが図れる。
グリースBおよびグリースCからなる群から選ばれた少
なくとも一つのグリースを混合してなる潤滑グリースで
あって、グリースAがパーフルオロポリエーテル油を基
油としフッ素樹脂粉を増ちょう剤とするグリースであ
り、グリースBがポリオレフィン油を基油とし、ウレア
化合物、シリカ粉およびベントナイト粉からなる群から
選ばれた少なくとも一つを増ちょう剤とするグリースで
あり、グリースCがアルキルジフェニルエーテル油を基
油とし、ウレア化合物、シリカ粉およびベントナイト粉
からなる群から選ばれた少なくとも一つを増ちょう剤と
するグリースであることを特徴とする。
て 30〜70 体積%混合されてなることを特徴とする。ま
た、支点間距離 100mmの位置に支持された厚さ 6.5mmの
ポリカーボネート樹脂板表面に潤滑グリースを塗布し
て、前記ポリカーボネート樹脂板の中心部に、垂直長さ
3.5mmの撓み量を与えて雰囲気温度 75℃で 3 時間保持
したときに、ポリカーボネート樹脂板表面に少なくとも
微小亀裂が生じないことを特徴とする。ここで、微小亀
裂とはポリカーボネート樹脂板表面層に生成して光の乱
反射を生じるような微小筋をいい、いわゆるクレージン
グやヘヤークラックと称される。この微小筋が成長する
と亀裂になり、最後にはポリカーボネート樹脂板の破損
にいたる。合成樹脂板に塗布された潤滑グリースにより
微小亀裂が生じる現象をケミカルアタックと称する。
ッ素樹脂粉を増ちょう剤とするグリースAを必須成分と
して、他の非フッ素系グリース類を混合することで、す
なわちグリース同士の混合とすることで、(イ)目的と
する特性に応じた潤滑グリースが混合のみで得られ製造
工程が簡略となる、(ロ)グリースAにオレフィン油お
よび/またはアルキルジフェニルエーテル油を混合する
場合にみられる滴点の低下現象が抑えられる。その結
果、ケミカルアタックを受けやすく、多くの異なった特
性を併せて要求される電子写真装置等の事務機器に用い
られる軸受部用グリースとして好適である。
パーフルオロポリエーテル油を基油としフッ素樹脂粉を
増ちょう剤とするグリースである。パーフルオロポリエ
ーテル油は、脂肪族炭化水素ポリエーテルの水素原子を
フッ素原子で置換した化合物であれば使用できる。その
ようなパーフルオロポリエーテル油を例示すれば、以下
の化1および化2で示される側鎖を有するパーフルオロ
ポリエーテルと、化3から化5で示される直鎖状のパー
フルオロポリエーテルとがある。これらは単独でもまた
混合しても使用できる。n、mは整数である。化1の市
販品としてはフォンブリンY(モンテジソン社商品名)
を、化2の市販品としてはクライトックス(デュポン社
商品名)やバリエルタJオイル(クリーバー社商品名)
を、化3の市販品としてはフォンブリンZ(モンテジソ
ン社商品名)を、化4の市販品としてはフォンブリンM
(モンテジソン社商品名)を、化5の市販品としてはデ
ムナム(ダイキン社商品名)等をそれぞれ例示できる。
フルオロポリエーテル油と親和性が高く、高温安定性、
耐薬品性を有する粉末が使用できる。フッ素樹脂を例示
すれば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのパ
ーフルオロ系フッ素樹脂が好ましく、特にポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)が高温安定性、耐薬品性が
優れているため好ましい。
て、パーフルオロポリエーテル油を 70 〜90 体積%、
フッ素樹脂粉を 10〜30 体積%配合することが好まし
い。この範囲の配合とすることにより、軸受封入グリー
スとして洩れが少なく、長時間トルクを下げられる好ま
しいちょう度に調整できる。
示される液状のポリオレフィンが使用できる。
る。
〜3 の整数、pはポリオレフィン油の粘度により異なる
整数である。
動粘度が100mm2/s (40℃)以上のものが好ましい。100
mm2/s 未満の動粘度であると潤滑グリースとした場合に
蒸発損失が大きく長時間での潤滑性が期待できない。
化8で示されるモノアルキルジフェニルエーテル油、お
よび/または化9で示されるジアルキルジフェニルエー
テル油が使用できる。
ル側鎖であり、一つのフェニル環に結合しているか、あ
るいは二つのフェニル環にそれぞれ結合している。これ
らの中で、耐熱性、蒸発特性を考慮するとアルキル側鎖
R2およびR3を有するジアルキルジフェニルエーテル油
が好ましい。
ェニルエーテル油に配合される増ちょう剤について説明
する。ウレア化合物は尿素結合を分子内に 2 個有する
ジウレアが好ましく、以下の化10で示される。
たは芳香族基をそれぞれ表す。R4およびR5が脂環族基
および/または芳香族基である脂環族ウレア、芳香族ウ
レアが優れた高温性を有するため好ましい。なお、ウレ
ア化合物の製造方法の一例としては、ジイソシアナート
化合物にイソシアナート基当量のアミン化合物を反応さ
せて得られる。
明においては四塩化ケイ素の高温気相加水分解によって
生成する煙状のSiO2を捕捉採集した微粉末状のシリ
カ粉が好ましい。
酸塩の一種でモンモリロナイトとも称される粘土を水を
用いて分級し微粉のみとして、さらに有機アミン類で表
面を処理して親油性にした微粉末が用いられる。
て、ポリオレフィン油を 70〜90 体積%、増ちょう剤を
10〜30 体積%配合することが好ましい。この範囲の配
合とすることにより、軸受封入グリースとして好ましい
ちょう度に調整できる。また、グリースCは、グリース
C全体量に対して、アルキルジフェニルエーテル油を 7
0〜90 体積%、増ちょう剤を 10〜30 体積%配合するこ
とが好ましい。この範囲の配合とすることにより、軸受
封入グリースとして好ましいちょう度に調整できる。
きる。例えば、上記基油に上記増ちょう剤を加えて撹拌
した後、ロールミル等を通して半固形状のグリースが得
られる。また上記グリースには、後に示すベンディング
試験でポリカーボネートを損傷しないものであれば、必
要に応じて公知の添加剤を含有させることができる。こ
の添加剤として、例えば、アミン系、フェノール系、イ
オウ系、ジチオりん酸亜鉛などの酸化防止剤、塩素系、
イオウ系、りん系、ジチオりん酸亜鉛、有機モリブデン
などの極圧剤、石油スルホネート、ジノニルナフタレン
スルホネート、ソルビタンエステルなどの防錆剤、ベン
ゾトリアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポ
リメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレンな
どの粘度指数向上剤、摩耗抑制剤、清浄分散剤などが挙
げられ、これらを単独または 2 種類以上組み合わせて
添加できる。
リースBまたはグリースCを混合するか、あるいはグリ
ースAにグリースBおよびグリースCを混合して得られ
る。好適な潤滑グリースは、グリースAにグリースBま
たはグリースCを混合した潤滑グリースであり、より好
適な潤滑グリースは、グリースAにグリースBを混合し
た潤滑グリースである。グリースAにグリースBを混合
することにより、優れた耐熱性を維持してケミカルアタ
ック性を抑えてコストダウンを図った潤滑グリースが得
られる。
び/またはグリースCが混合される潤滑グリース全体に
対して 30〜70 体積%である。グリースAの混合割合が
70体積%をこえるとコストダウンの効果が低くなる。
30 体積%未満であると耐熱性の低下が大きくなる。
性に優れる。ケミカルアタック性は、潤滑グリースが表
面に塗布されたポリカーボネート樹脂板に機械的応力を
加えた後の樹脂板表面を観察するベンディング試験法に
より評価できる。ベンディング試験法について説明す
る。 (1)試験条件 曲げ試験片: 127mm(長さ)× 12.7mm(幅)× 6.5mm
(板厚) 試験片支持点距離: 100mm 試験片撓み量(支持点間距離の中心部の撓み量): 3.5
mm 試験温度: 75℃ 保持時間: 3 時間 試験片材質:ユーピロン S2000R(三菱エンジニ
アリングプラスチックス社製) (2)試験方法 三点曲げ試験による。 120℃で 2 時間アニール処理を
した曲げ試験片の表面に潤滑グリースを塗布し、上記支
持点距離で支持して塗布面の裏面より撓み量を与えて 7
5℃× 3 時間空気中にて保持する。保持後のクラック有
無を目視で確認する。
す。図1は電子写真装置の定着ローラを支持する小径こ
ろがり軸受の断面図である。ころがり軸受1は、外周面
に内輪転走面を有する内輪2と内周面に外輪転走面を有
する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面と外輪転走
面との間に介在される複数個の転動体4および図示を省
略した保持器およびシール部材とにより構成される。少
なくとも転動体4の周囲に潤滑グリース5が封入され
る。潤滑グリース5は、基油を異にする複数のグリース
を混合して得られる。特に上記グリースAを必須成分と
する。また、電子写真装置の定着ローラを支持する軸受
部に用いられる。
リースBを混合した潤滑グリース、グリースAにグリー
スCを混合した潤滑グリース、グリースAにグリースB
およびグリースCを混合した潤滑グリースを封入するこ
とができる。その結果、ケミカルアタックを受けやすい
樹脂製部品と併用しても該樹脂製部品を破損することが
ないので、樹脂製部品を多用することによりコストダウ
ンを図ろうとする電子写真装置に配設される定着ローラ
用ころがり軸受に好適である。
着部には用紙の通過による静電気が発生する。このた
め、ロールに設けたアース機構により静電気を逃がすよ
うにしているが、一方でアースを軸受にて行なう場合が
ある。この用途においては、本発明の潤滑グリースに導
電性カーボンを適量添加して導電性を付与することが好
ましい。この導電性が付与された潤滑グリースを封入し
たころがり軸受を電子写真装置に配設される定着ローラ
に用いることで電子写真装置の部品点数を削減できる。
なお、グリースA、B、Cにそれぞれ導電性カーボンを
添加した後に混合しても、また、混合された潤滑グリー
スに導電性カーボンを添加してもよい。
(デュポン社製商品名、クライトックス240AC) 8
0 体積%に、フッ素樹脂粉(デュポン社製商品名、バイ
ダックス) 20 体積%を加え撹拌した後、ロールミルに
通しグリースAである半固形状のグリース1を得た。
共重合オリゴマーであるポリオレフィン油(三井化学社
製商品名、ルーカントHC−20、動粘度 155mm2/s(at
40℃)) 85 体積%に、脂環族ウレア(化10におい
て、R4およびR5がシクロヘキシル基、R6がジフェニ
ルメタン基である脂環族ウレア) 15 体積%を加え撹拌
した後、ロールミルに通しグリースBである半固形状の
グリース2を得た。 参考例3:グリース3の作製 グリース全体に対して、参考例2と同一のポリオレフィ
ン油 90 体積%に、シリカ粉(日本アエロジル社製商品
名、R972) 10 体積%を加え撹拌した後、ロールミ
ルに通しグリースBである半固形状のグリース3を得
た。
(松村石油社製商品名、モレスコLB100、動粘度 9
7mm2/s(at40℃)) 10 体積%に、芳香族ウレア(化10
において、R4およびR5がフェニル基、R6がジフェニ
ルメタン基である芳香族ウレア) 20 体積%を加え撹拌
した後、ロールミルに通しグリースCである半固形状の
グリース4を得た。 参考例5:グリース5の作製 グリース全体に対して、参考例5で用いたアルキルジフ
ェニルエーテル油 90体積%に、参考例3で用いたシリ
カ粉 10 体積%を加え撹拌した後、ロールミルに通しグ
リースCである半固形状のグリース5を得た。 参考例6:グリース6の作製 グリース全体に対して、高粘度エステル油(アクゾノー
ベル社製商品名、KL215、動粘度 120mm2/s(at40
℃)) 85 体積%に、参考例2で用いた脂環族ウレア 15
体積%を加え撹拌した後、ロールミルに通し半固形状
のグリース5を得た。なお、グリース2〜グリース6の
コストはグリース1のコストを 1.00 としたときそれぞ
れ 0.25 であり、グリース2〜グリース6の比重はグリ
ース1の比重を 1.8 としたときそれぞれ 1.0 であっ
た。
ス2〜グリース5をそれぞれ混合撹拌して潤滑グリース
を得た。配合比率はグリース全体に対する体積%であ
る。得られた潤滑グリースの滴点、比重、ベンディング
試験結果を表1に示す。ころがり軸受には空間容積を規
定して一定量の潤滑グリースを封入するが、潤滑グリー
スの比重を低くするとコストダウンになる。このため、
グリース1単独に対する比重比を同時に求め、表1に示
した。また、軸受6305ZZに静止空間容積の 25 %
の上記潤滑グリースを封入してころがり軸受を作製し
た。得られたころがり軸受を寿命試験にて評価した。寿
命試験は、ラジアル荷重 150kgf、回転数 100rpm、雰囲
気温度 200℃にて軸受を回転させ、過負荷により駆動モ
ータが停止するまでの時間を測定した。結果を表1に示
す。
オレフィン油単独(比較例1)、参考例4と同一のアル
キルジフェニルエーテル油単独(比較例2)をそれぞれ
混合して潤滑グリースを得た。配合比率はグリース全体
に対する体積%である。得られた潤滑グリースの評価を
実施例と同一の方法で行なった。結果を表1に示す。
混合撹拌して潤滑グリースを得た。得られた潤滑グリー
スの評価を実施例と同一の方法で行なった。結果を表1
に示す。
た。結果を表1に示す。
も滴点の低下がなく、寿命、ケミカルアタック性に優
れ、また比重で比較したコストダウン性に優れている。
一方、比較例1および比較例2は滴点が低下した。この
ため、ころがり軸受の寿命試験は中止した。グリース1
の混合比率が 70 体積%をこえる比較例3はコストダウ
ンの効果が少なく、 30 体積%未満の比較例4は寿命が
低下する。アルキルジフェニルエーテル油を基油とする
比較例5はケミカルアタック性が低下した。
に封入される潤滑グリースが基油を異にする複数のグリ
ースを混合してなるので、特にパーフルオロポリエーテ
ル油を基油とし、フッ素樹脂粉を増ちょう剤とするグリ
ースを必須成分とするので、ケミカルアタックを受けや
すい樹脂製部品をころがり軸受と併用しても、その樹脂
製部品が破損することがなくなり、電子写真装置等のコ
ストダウンが図れる。また、耐熱性に優れるので、電子
写真装置の定着ローラを支持する軸受部に好適である。
リエーテル油を基油としフッ素樹脂粉を増ちょう剤とす
るグリースを必須成分として、ポリオレフィン油または
アルキルジフェニルエーテル油を基油として、ウレア化
合物、シリカ粉およびベントナイト粉からなる群から選
ばれた少なくとも一つを増ちょう剤とするグリースを混
合するので、目的とする特性に応じた潤滑グリースが混
合のみで得られ製造工程が簡略となり、また優れた滴点
を維持でき、ケミカルアタック性に優れる。特に上記必
須成分となる潤滑グリースを潤滑グリース全体に対して
30〜70 体積%混合するので、潤滑グリースのコストダ
ウンを図り、優れた耐熱性を維持できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 同心に配置される内輪および外輪と、こ
の内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、この転
動体の周囲に封入される潤滑グリースとを備え、電子写
真装置の軸受部に用いられるころがり軸受であって、 前記潤滑グリースが基油を異にする複数のグリースを混
合してなることを特徴とするころがり軸受。 - 【請求項2】 前記電子写真装置の軸受部が定着ローラ
を支持する軸受部であることを特徴とする請求項1記載
のころがり軸受。 - 【請求項3】 前記複数のグリースを構成する一つのグ
リースAがパーフルオロポリエーテル油を基油とし、フ
ッ素樹脂粉を増ちょう剤とするグリースであることを特
徴とする請求項1記載のころがり軸受。 - 【請求項4】 前記グリースAに、グリースBおよびグ
リースCからなる群から選ばれた少なくとも一つのグリ
ースを混合してなり、 前記グリースBは、ポリオレフィン油を基油とし、ウレ
ア化合物、シリカ粉およびベントナイト粉からなる群か
ら選ばれた少なくとも一つを増ちょう剤とするグリース
であり、 前記グリースCは、アルキルジフェニルエーテル油を基
油とし、ウレア化合物、シリカ粉およびベントナイト粉
からなる群から選ばれた少なくとも一つを増ちょう剤と
するグリースであることを特徴とする請求項3記載のこ
ろがり軸受。 - 【請求項5】 前記グリースAが潤滑グリース全体に対
して 30〜70 体積%混合されてなることを特徴とする請
求項3記載のころがり軸受。 - 【請求項6】 グリースAに、グリースBおよびグリー
スCからなる群から選ばれた少なくとも一つのグリース
を混合してなる潤滑グリースであって、 前記グリースAは、パーフルオロポリエーテル油を基油
とし、フッ素樹脂粉を増ちょう剤とするグリースであ
り、 前記グリースBは、ポリオレフィン油を基油とし、ウレ
ア化合物、シリカ粉およびベントナイト粉からなる群か
ら選ばれた少なくとも一つを増ちょう剤とするグリース
であり、 前記グリースCは、アルキルジフェニルエーテル油を基
油とし、ウレア化合物、シリカ粉およびベントナイト粉
からなる群から選ばれた少なくとも一つを増ちょう剤と
するグリースであることを特徴とする潤滑グリース。 - 【請求項7】 前記グリースAが潤滑グリース全体に対
して 30〜70 体積%混合されてなることを特徴とする請
求項6記載の潤滑グリース。 - 【請求項8】 支点間距離 100mmの位置に支持された厚
さ 6.5mmのポリカーボネート樹脂板表面に潤滑グリース
を塗布して、前記ポリカーボネート樹脂板の中心部に垂
直長さ 3.5mmの撓み量を与えて雰囲気温度 75℃で 3 時
間保持したときに、前記ポリカーボネート樹脂板表面に
少なくとも微小亀裂が生じないことを特徴とする請求項
6または請求項7記載の潤滑グリース。
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