JP2002327396A - パルプシートの製造方法 - Google Patents
パルプシートの製造方法Info
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Abstract
たパルプシートを製造できる方法を提供する。 【解決手段】 特定方法により測定される離水度が4%
以上となる化合物であって、且つ(i)標準嵩向上度が0.0
2g/cm3以上、(ii)標準白色度向上度が0.5ポイント以
上及び(iii)標準不透明度向上度が0.5ポイント以上の何
れか1つ以上を満たす化合物を、添加直後のパルプ濃度
が0.9重量%以下となるようにパルプスラリーに添加し
て、パルプシートを製造する。
Description
明度のような光学的特性を向上させることのできるパル
プシートの製造方法に関する。
削減が求められ、その結果、紙の軽量化と古紙パルプの
増配合が求められている。しかしながら、単に紙中のパ
ルプ量を削減して得られる紙は、紙が薄くなることによ
る不透明度低下が起こり品質の劣るものとなる。また、
紙中のパルプ量を低減させる軽量化では、板紙のように
厚さの三乗に比例する剛度を要求される紙では、剛度が
低下し望ましくない。一方、古紙パルプの配合比率を高
めると、古紙パルプ中の残インキ等による白色度の低下
や、リサイクル過程でパルプ自体が細くなること等によ
り紙厚が低下し不透明度低下が起こる。従って、紙中の
パルプ量を削減すると共に古紙パルプの配合比率を高く
すると、得られる紙の不透明度及び白色度が一段と低下
する。また、白色度の低下をもたらす古紙パルプを脱墨
や漂白により白色度を高めると得られた紙の不透明度は
更に減少し好ましくない。
目的として、従来より種々の嵩向上方法が試みられてき
た。例えば、プレス圧を低くする製造方法は、平滑性が
低下し印刷適性が劣るという問題がある。また、架橋パ
ルプを用いる(特開平4-185792号等)、合成繊維と混抄
する(特開平3-269199号等)、パルプ繊維間に無機物等
の充填物を満たす(特開平3-124895号等)、空隙をもた
らす(特開平5-230798号等)等の方法も挙げることがで
きるが、パルプのリサイクルが不可能であったり、紙の
平滑度が損なわれたりする。
に、炭酸カルシウム、カオリン、ホワイトカーボン等の
無機填料を多量(例えば5〜20重量%)に添加する方法
が当業界で実施されている。しかしながら、単に無機填
料を多量に添加すると紙の重量増加が著しい。たとえパ
ルプ量を削減して無機填料を添加しても、紙の軽量化を
達成できない。特に古紙パルプに無機填料を添加する場
合は多量必要となり、紙の軽量化は益々困難となる。こ
れらの問題を解決する化合物として、特定のアルコール
及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物(W098/037
30号)や、特定のエステル及び/又はそのポリオキシア
ルキレン付加物(特開平11-350380号)が知られてい
る。
軽量化と古紙パルプの増量に伴う前記諸問題に対して、
W098/03730号や特開平11-350380号等の化合物の効果が
より顕著になり、嵩向上、白色度向上、不透明度向上な
どの光学的特性が更に向上するパルプシートの製造方法
を提供することである。
した手すきパルプシートのハンター白色度(JIS P 812
3)が80±5%であるブナ由来の広葉樹晒しパルプ(以
後、LBKPという)を使用する。 (B)離水度の測定 LBKPを、25±3℃で一定量をビーターにて離解そ
してカナダ標準濾水度(JIS P 8121)で460±10mlに叩
解してパルプ濃度が1.0重量%のLBKPスラリーを得
る。
BKP分の坪量が80±2g/m2になるように量り取って
から、硫酸アルミニウムでpHを4.5に調製した後、化合
物(A)の1.0重量%のエタノール溶液をパルプ100重量部
に対して5重量部(純分)添加し、丸型タッピ抄紙機に
て150メッシュワイヤー(面積200cm2)で抄紙し湿潤シ
ートを得る。湿潤シートの上に坪量320±20g/m2のろ
紙(直径185mm)2枚を重ね、更にその上にコーチプレ
ートを重ねコーチングした後、湿潤シートを取り出す。
次いで湿潤シートを前記のろ紙2枚で上下をはさみ、圧
力340±10kPaで5分間プレスする。プレス後、速やかに
湿潤シートの重量w(g)を秤量する。
乾燥シートの重量Wd(g)を秤量する。 上記で求めたW、Wdから、(1)式により含水率α
(%)を求める。 α(%)=(W−W)/W×100 (1) また、化合物(A)となる化合物を添加しないで同様にシ
ートを調製し、同様にして求めた含水率をα0とする。 上記で求めた含水率α、α0から、下式(2)より離
水度を求める。 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 (2) 〔標準嵩向上度の測定方法〕 上記「離水度の測定方法」の(B)のと同様に、但
し、化合物(A)の1.0重量%のエタノール溶液をパルプ10
0重量部に対して0.5重量部(純分)添加して、プレスま
で行い、プレス後、シートのみ鏡面ドライヤーを用い10
5±3℃で2分間乾燥する。乾燥されたシートを20±1
℃、湿度65±2%の条件で5時間調湿する。 調湿されたシートの重量を測定し、下記計算式(3)
により坪量(g/m2)を求める。 坪量(g/m2)=シート重量/0.02 (3) 次に調湿されたシートの厚さを、紙用マイクロメータを
用いて圧力54±5kPaで、10カ所測定し、得られる平均
値を厚さ(mm)とする。 上記で得られた坪量と厚さから緊度d(g/cm3)を下
式(4)により求める。 d=(坪量)/(厚さ)×0.001 (4) また、化合物(A)となる化合物を添加しないで同様にシ
ートを調製し、同様にして求めた緊度をd0とする。 上記で求めた緊度d、d0から、下式(5)より標準
嵩向上度を求める。 標準嵩向上度(g/cm3)=d0−d (5) 〔標準白色度向上度の測定方法〕 標準嵩向上度の測定方法のと同じ。 調湿されたシートはJIS P 8123、ハンター白色度によ
り白色度Bを測定する。また、化合物(A)となる化合物
を添加しないで同様にシートを調製し、同様にして得ら
れた白色度をB0とする。 上記で求めた白色度B、B0から、下式(6)より標
準白色度向上度を求める。 標準白色度向上度(ポイント)=B−B0 (6) 〔標準不透明度向上度の測定方法〕 標準嵩向上度の測定方法のと同じ。 調湿されたシートはJIS P 8138Aにより不透明度Pを
測定する。
いで同様にシートを調製し、同様にして得られた不透明
度をP0とする。 上記で求めた不透明度P、P0から、下式(7)によ
り標準不透明度向上度を求める。 標準不透明度向上度(ポイント)=P−P0 (7) このように、所定の方法により1.0重量%のLBKPス
ラリーを調製し、対パルプ5重量%の添加で離水度を
測定する、対パルプ0.5重量%の添加で標準嵩向上
度、標準白色度向上度、標準不透明度向上度を測定する
ことにより、本発明で用いる化合物(A)は容易に特定さ
れる。
は、1種又は複数のパルプと水とを主体とするスラリー
を所定濃度に希釈したものが抄紙工程に供される。本発
明では、抄紙工程で用いるパルプスラリーとして、化合
物(A)の添加直後のパルプ濃度が0.9重量%以下、好まし
くは0.7重量%以下となるものを用いる。パルプ濃度の
下限は、0.01重量%以上、更に0.02重量%以上が好まし
い。従って、本発明では化合物(A)の添加直後のパルプ
濃度は、0.01重量%以上0.9重量%以下、好ましくは0.0
2重量%以上0.7重量%以下である。
のパルプ濃度が上記の範囲となれば何れの方法でも添加
されてもよく、パルプ濃度が0.9重量%以下のパルプス
ラリーに化合物(A)を添加してもよいし、所定パルプ濃
度のパルプスラリーを、化合物(A)が配合された水やマ
シン白水(抄紙後のろ液)で希釈して、パルプ濃度0.9
重量%以下のパルプスラリーを調製してもよい。好まし
くは、化合物(A)の添加直後から抄紙の間で常にパルプ
スラリー中のパルプ濃度が0.9重量%以下にあることで
ある。更に好ましくは0.01重量%以上0.9重量%以下、
特に好ましくは0.02重量%以上0.7重量%以下である。
リーはパルプ濃度0.9重量%以下であり、化合物(A)の添
加後のパルプスラリーは、更にこれを希釈して抄紙に用
いることができる。
が金網上等を進む間に濾水されて紙層を形成する抄紙工
程以前で行われ、パルパーやリファイナー等の離解機や
叩解機、マシンチェストやヘッドボックスや白水タンク
等のタンク、あるいはこれらの設備と接続された配管中
に添加してもよいが、リファイナー、マシンチェスト、
ヘッドボックスで添加する等、均一にパルプ原料に混合
できる場所で行うことがが望ましい。本発明では、化合
物(A)は、パルプ原料に添加後、そのまま抄紙されパル
プシート中に大部分残存することが好ましい。
ラリーに添加することにより、化合物(A)は、パルプス
ラリー中のパルプ100重量部に対して0.01〜5重量部の
添加、特に0.1〜2重量部の少量添加でも、嵩高効果、
白色度又は不透明度等の光学的特性のうち少なくとも1
つが向上したパルプシートが得られる。
化合物は、パルプスラリー中に添加されパルプに定着す
ると、パルプ表面を疎水化するので、パルプと水溶液の
界面張力が増大し、抄紙時パルプ間に空隙が多くなり、
嵩高いパルプシートが得られたり、光学的にも反射率が
大きくなることにより、白色度や不透明度が向上したパ
ルプシートが得られるものと考えられる。パルプ間の空
隙が増大せず、嵩高性の発現が少ない場合でも、パルプ
間の水素結合数が減少することでパルプ表面積が増大
し、光学的に反射率が大きくなり、白色度や不透明度の
向上が発現するものと考えられる。その際、パルプの濃
度が低いとパルプの広がりが良く、表面積が大きくなる
ので、化合物(A)が定着しやすいと考えられる。なお、
白色度は明度(L値)とb値から算出され、L値が大き
いほどb値が小さいほど大きくなるが、本発明による白
色度向上効果はL値が増大することにより起こると考え
られる。更に上記で規定する離水度が4%以上、好まし
くは5%以上となる化合物を、添加直後のパルプ濃度が
0.9重量%以下となるようにパルプスラリー中に添加し
た場合に、前記化合物の効果がより顕著になり、嵩、白
色度、不透明度が更に向上したパルプシートが得られる
ことを見出した。なお、本発明において、パルプシート
とはJIS P 0001に記す紙及び板紙を総称していう。
は、本発明で定義する(i)標準嵩向上度が0.02g/cm3以
上、好ましくは0.025g/cm3以上、更に好ましくは0.03
g/cm3以上、(ii)標準白色度向上度が0.5ポイント以
上、好ましくは0.7ポイント以上、更に好ましくは0.9ポ
イント以上、及び(iii)標準不透明度向上度が0.5ポイン
ト以上、好ましくは0.7ポイント以上、更に好ましくは
0.9ポイント以上の(i)〜(iii)の何れか1つ以上を満た
すものであり、好ましくは2つ以上、より好ましくは3
つを満たす化合物である。
化合物は、パルプ表面に吸着するための親水基とパルプ
表面を疎水化するための疎水基を有する有機化合物が好
ましく、(A1)オルガノシロキサン、(A2)グリセリルエー
テル、(A3)アミド、(A4)アミン、(A5)アミン酸塩、(A6)
4級アンモニウム塩、(A7)イミダゾール、(A8)多価アル
コールと脂肪酸のエステル、(A9)多価アルコールと脂肪
酸のエステルであって、当該エステル1モル当たり平均
で0モル超12モル未満の炭素数2〜4のアルキレンオキ
サイド基を有するアルキレンオキサイド付加エステル、
及び(A10)下記一般式(1)で示される化合物からなる群か
ら選定することができる。
ル基もしくはアルケニル基又は炭素数4〜20のアルキル
基を有するアルキルアリール基を示し、Eはエチレン
基、Pはプロピレン基を示し、m,nは平均付加モル数であ
り、mは0≦m≦20の範囲の数であり、nは0≦n≦50の範
囲の数である。なお、(EO)m(PO)nは、ブロックまたはラ
ンダムのいずれでもよく、EOとPOのいずれが先でもよ
い。〕 (A1)オルガノシロキサンは、25℃の粘度が10〜1,000,00
0mPa・sのメチルポリシロキサン、グリフィン法による
HLBが1〜14のポリオキシエチレンメチルポリシロキ
サン共重合体、HLBが1〜14のポリ(オキシエチレン
・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等
が挙げられる。
で示される化合物等が挙げられる。
アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基である。) (A3)アミド、(A4)アミン、(A5)アミン酸塩、(A6)4級ア
ンモニウム塩、(A7)イミダゾールは下記一般式(b)〜
(j)で示される化合物等が挙げられる。なお、アミン酸
塩はイオン化したものも、イオン化してないものも含
む。
O-、-(AO)n-COR3又は-(AO)n-H AO:炭素数2〜4のアルキレンオキサイド Y3:水素原子又は-COR6
基又はβ−ヒドロキシアルキル基 R4,R5:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基 R7,R8:炭素数1〜3のアルキル基 R10:水素原子又はR9 n:1〜20の数で平均モル数 X-:陰イオン〕 また、(A8)、(A9)の化合物を構成する多価アルコール
は、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2〜24の2
〜14価アルコールが好ましく、2〜8価アルコールがよ
り好ましく、3〜6価アルコールが特に好ましい。2価
アルコールとしては、エーテル基を含んでいてもよい総
炭素数2〜10のものが挙げられる。3価以上のアルコー
ルとしては、エーテル基を有していてもよい総炭素数3
〜24のアルコールで、1分子中の総水酸基数/総炭素数
=0.4〜1であるものが挙げられる。より好ましい化合
物として、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、エーテル基を有していても
よい総炭素数3〜12のアルコールで、1分子中の水酸基
数/総炭素数=0.5〜1である3価以上のアルコールが
挙げられる。特に好ましくはグリセリン、ポリグリセリ
ン(平均縮合度2〜4)、ペンタエリスリトールであ
る。
は、炭素数1〜24、好ましくは炭素数10〜22の脂肪酸が
挙げられ、飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでもよ
く、特に直鎖脂肪酸が好ましい。更に好ましくは、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ベヘン酸、オレイン酸である。特にステアリン酸が好ま
しい。
応及びアルキレンオキサイド(以下、AOと表記する)付
加反応を行うことで得ることができる。例えば、脂肪酸
と多価アルコールの混合物に要すればエステル化触媒を
添加し、150〜250℃で反応させることによりエステルが
得られ、更にアルカリ触媒等の存在下に炭素数2〜4の
AOを付加することにより、AO付加エステルが得られる。
また、脂肪酸あるいは多価アルコールにAOを付加後、エ
ステル化してもよい。更に脂肪酸にAO付加のみを行って
得られる場合もある。
ましくは1モルの多価アルコール当たり、アルコール中
のOHが10〜95当量%置換されたものであり、特に好まし
くは1モルの多価アルコール当たり1〜2モルのエステ
ル基を有するものである。
ル数は、エステル1モル当たり平均で0モル超12モル未
満であり、0.1〜6モルが好ましい。なお、エチレング
リコール等のようにAO基となり得る多価アルコールを使
用した場合においては、それらもAO基の数に算入する。
AOはエチレンオキサイド(以後、EOという)、プロピレ
ンオキサイド(以後、POという)が好ましい。これらは
EO、POの単独あるいはEOとPOの混合の何れでもよい。本
発明では、AO基を含まない多価アルコールと脂肪酸のエ
ステルを用いることが特に好ましい。
ルコールやアルキルフェノール等にEO、PO等のAOを付加
したものであるが、本発明では、特にEOの平均付加モル
数mが0≦m≦20の範囲にあるものが好ましく使用され
る。平均付加モル数mは好ましくは0≦m≦10、更に好ま
しくは0≦m≦5の範囲である。mが20を超えると紙に対
する嵩高付与効果が低下する。また、POの平均付加モル
数nは0≦n≦50の範囲にあるものが好ましく使用され、
より好ましくは0≦n≦20の範囲である。nが50を超えて
も、性能の低下は少ないが、経済的に不利である。
鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基又
は炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルアリール
基であるが、Rとしては、炭素数8〜18の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
炭素数2、3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、
具体的にはエチレン、プロピレンが挙げられる。一般式
(1)中の(EO)m(PO)n基がポリオキシエチレンとポリオキ
シプロピレンの混合形態の場合、C2H4O基とC3H6O基の付
加形態はランダムでもブロックでもよい。その場合、好
ましくはポリオキシプロピレン基(C3H6O基)を全平均付
加モル数中の50モル%以上、特に好ましくは70モル%以
上含むものが良い。なお、R基に結合するアルキレンオ
キシド基は、EO、POのいずれが先であってもよい。
そのままで添加してもよいが、固体品は粉砕後あるいは
加熱溶融して又は水等で希釈して添加してもよい。ま
た、要すればノニオン系(ただし前記(A10)のものを除
く)、アニオン系、カチオン系、両性系の界面活性剤や
保護コロイド能を有するポリマー等を、化合物(A)の乳
化剤もしくは分散剤として使用してもかまわない。好ま
しくはアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤又は保
護コロイド能を有するポリマーであり、更に好ましく
は、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルフォン酸塩、スルホコハク酸ジエス
テル塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮
合物、ポリカルボン酸塩、第4級アンモニウム塩、カゼ
インや澱粉及びこれらの変性物等が挙げられる。
化合物(A)と界面活性剤や上記ポリマーとの比率は、好
ましくは化合物(A)/(界面活性剤及び/又は上記ポリ
マー)=99.9/0.1〜70/30(重量比)、より好ましく
は99.8/0.2〜80/20である。
(TMP)等の機械パルプ、NBKP、LBKP等の化学パルプ等の
ヴァージンパルプ、古紙パルプ(DIP)等のパルプ原料に
広く適用できる。古紙パルプを配合する場合は、その配
合量は原料パルプ中10重量%以上が好ましく、30重量%
以上がより好ましい。
ートは、添加直後のパルプ濃度が0.9重量%を超えるよ
うに化合物(A)をパルプスラリーに添加して得られたシ
ートに比べて、嵩高さの指標である緊度が0.01g/cm3
以上、好ましくは0.015g/cm3以上低いことが好まし
く、白色度は0.5ポイント以上、好ましくは0.7ポイント
以上高いことが好ましく、不透明度は0.5ポイント以
上、好ましくは0.7ポイント以上高いことが好ましい。
ルプシートは、紙パルプ技術便覧(紙パルプ技術協会発
行、455〜460頁、1992年)に記載された品目分類の中の
新聞巻取紙、印刷・情報用紙、包装用紙等の紙、又は板
紙に好適に用いられる。
ら、表6のパルプ濃度のパルプスラリーを調製し、抄紙
後のシートの坪量が60g/m2になるように量り取って
から、攪拌しながら表1〜5の化合物(A)0.5重量%(対
パルプ重量)を添加し、角型タッピ抄紙機にて150メッ
シュワイヤーで抄紙しシートを得た。抄紙後のシート
は、3.5kg/cm2で2分間プレス機にてプレスし、鏡面ド
ライヤーを用い105℃で1分間乾燥した。乾燥されたシ
ートを20℃、湿度65%の条件で1日間調湿してから紙の
嵩高性として紙の緊度を測定した。緊度の数値が小さい
ほど嵩高な紙であることを意味する。10回の測定値の平
均値を表6に示す。
物(A)の単独添加ではなく、化合物(A)と分散剤の混合分
散液を用いた。この分散液は、化合物(A)としてペンタ
エリスリトールステアレート(エステル平均置換度45当
量%、表3の化合物(A)NO.29)4.5gと表7の分散剤0.5
gとを、80℃の温水95g中に添加し、攪拌均一化した
後、1時間、25℃で放置して調製した有効分5重量%の
分散液である。パルプスラリー濃度は表7に示す通りで
ある。結果を表7に示す。
(エステル平均置換度45当量%、表3の化合物(A)NO.2
9)4.9gとカチオン化澱粉(CATO302、日本エヌエヌシ
ー社)0.1gとを80℃の温水95g中に添加し、攪拌均一
化した後25℃まで急冷却した分散液から、化合物(A)の
濃度が表8の数値となるようなパルプ希釈用水を調製し
た。
ルプ組成:DIP40重量%、LBKP60重量%)を、抄紙後の
シートの坪量が60g/m2になるように量り取ってか
ら、攪拌しながら上記希釈用水でパルプ濃度が表8の数
値となるように希釈した。その際、希釈用水は、化合物
(A)の添加量がパルプ重量に対して0.5重量%となるよう
に用いた。該希釈スラリーから、角型タッピ抄紙機にて
150メッシュワイヤーで抄紙しシートを得た。以下、実
施例1と同様の処理を施し、緊度の試験を行った。その
結果を表8に示す。
を配合した混合パルプから、パルプ濃度が0.8重量%又
は2重量%のパルプスラリーを調製し、抄紙後のシート
の坪量が60g/m2になるように量り取ってから、攪拌
しながら化合物(A)としてペンタエリスリトールステア
レート(エステル平均置換度45当量%、表3の化合物
(A)NO.29)0.5重量%(対パルプ重量)、硫酸アルミニ
ウム4重量%(対パルプ重量)、ロジンサイズ剤サイズ
パインN-773(荒川化学社)0.3重量%(対パルプ重量)
を添加し、角型タッピ抄紙機にて150メッシュワイヤー
で抄紙しシートを得た。以下、実施例1と同様の処理を
施し、緊度の試験を行った。その結果、パルプ濃度2重
量%のスラリーを用いた場合は緊度が0.425(g/cm3)、
パルプ濃度0.8重量%のスラリーを用いた場合は緊度が
0.407(g/cm3)であった。 実施例5 混合パルプをTMP10重量%、DIP40重量%、NBKP50重量%
とし、化合物(A)以外の添加化合物及びその量を硫酸ア
ルミニウム1.5重量%(対パルプ重量)、炭酸カルシウ
ム10重量%(対パルプ重量)、ポリアクリルアミド系歩
留向上剤パーコール47(アライドコロイド社製)150ppm
(対パルプ重量)とした以外は実施例4と同様にシート
を得、同様の処理を施し、緊度の試験を行った。その結
果、パルプ濃度2重量%のスラリーを用いた場合は緊度
が0.551(g/cm3)、パルプ濃度0.8重量%のスラリーを
用いた場合は緊度が0.534(g/cm3)であった。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記に定義する離水度が4%以上となる
化合物であって、且つ下記(i)〜(iii)の何れか1つ以上
の紙質を向上させる効果をもたらす化合物〔以下、化合
物(A)という〕を、添加直後のパルプ濃度が0.9重量%以
下となるようにパルプスラリーに添加する工程を有す
る、パルプシートの製造方法。 (i)標準嵩向上度が0.02g/cm3以上 (ii)標準白色度向上度が0.5ポイント以上 (iii)標準不透明度向上度が0.5ポイント以上 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 α:化合物(A)となる化合物をパルプ100重量部に対し5
重量部添加して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α0:化合物(A)となる化合物をパルプに添加しないで抄
紙して得た湿潤シートの含水率 - 【請求項2】 化合物(A)が、(A1)オルガノシロキサ
ン、(A2)グリセリルエーテル、(A3)アミド、(A4)アミ
ン、(A5)アミン酸塩、(A6)4級アンモニウム塩、(A7)イ
ミダゾール、(A8)多価アルコールと脂肪酸のエステル、
(A9)多価アルコールと脂肪酸のエステルであって、当該
エステル1モル当たり平均で0モル超12モル未満の炭素
数2〜4のアルキレンオキサイド基を有するアルキレン
オキサイド付加エステル、及び(A10)下記一般式(1)で示
される化合物からなる群から選ばれる請求項1記載のパ
ルプシートの製造方法。 RO(EO)m(PO)nH (1) 〔式中、Rは炭素数6〜22の直鎖または分岐鎖のアルキ
ル基もしくはアルケニル基又は炭素数4〜20のアルキル
基を有するアルキルアリール基を示し、Eはエチレン
基、Pはプロピレン基を示し、m,nは平均付加モル数であ
り、mは0≦m≦20の範囲の数であり、nは0≦n≦50の範
囲の数である。なお、(EO)m(PO)nは、ブロックまたはラ
ンダムのいずれでもよく、EOとPOのいずれが先でもよ
い。〕 - 【請求項3】 化合物(A)の添加直後から抄紙の間で常
にパルプスラリー中のパルプ濃度が0.9重量%以下であ
る請求項1又は2記載のパルプシートの製造方法。 - 【請求項4】 化合物(A)の添加量が、パルプスラリー
中のパルプ100重量部に対して0.01〜5重量部である請
求項1〜3の何れか1項記載のパルプシートの製造方
法。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の方法に
より製造されるパルプシート。
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JP2006161192A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 嵩高紙および嵩高紙の製造方法 |
JP2006183188A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Kao Corp | パルプシートの製造方法 |
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