JP3443542B2 - パルプモールド - Google Patents
パルプモールドInfo
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Description
として使用されるパルプモールド及びその製造方法に関
する。
の中にパルプスラリーを流し込み、搾水してパルプ成形
品を形成させ、それを乾燥させて製品としている。ま
た、その用途はその成形性と緩衝機能を生かし、各種梱
包基材、卵ケース等に広く使用されている。パルプモー
ルドは、抄紙機のような連続したパルプマット形成方法
を採らず、型枠で1個ずつ漉き取る不連続な方法で製造
されるため、1個当たりの成形に要する時間を短縮し生
産効率を向上させるために、より強力な吸引による脱水
や加圧をより強化した搾水等によりこの目的を達成する
ことがなされている。
梱包材として要求される剛度の維持の関係から、個々の
重量に加えて厚さに関しても基準値を取り決めて製造さ
れることが多い。しかし、前述の脱水、加圧強化による
効率向上を目指すと、その影響で厚さが損なわれる傾向
がある。これに加えて古紙回収率の向上から繊維の再々
使用率(繰り返し使われる回数)が増加する傾向にあ
り、繊維自体の損耗、劣化からますます厚さの確保が難
しくなってきている。
プの付け量、すなわち個体の重量を増加させる方法が簡
単ではあるが、原料パルプの消費量が増加するためコス
トアップを招き、同時に搾水量も増加し生産効率の低下
につながる。
プの付け量を増やさず、且つ生産効率(生産速度)を損
なわずに所望の厚さが確保できるパルプモールドを提供
することである。
有するパルプスラリーを原料として用いてなるパルプモ
ールド、及び嵩高剤を含有するパルプスラリーを搾水成
型して乾燥するパルプモールドの製造方法を提供する。
ラシ、上質コート紙、段ボール等の一般古紙を離解機に
より再生パルプスラリーとし、そのパルプスラリーを精
選工程(異物を除去する工程)と洗浄工程(汚れを洗い
流す工程)を通し、湿式吸引成型法により、成型、熱風
及び遠赤外線等による乾燥処理を施して製造される。本
発明のパルプモールドもこれに準じて製造されるが、本
発明のパルプモールドは、嵩高剤を含有するパルプスラ
リーから製造される。該嵩高剤は、パルプモールドの原
質工程(成型する前の工程)で添加され、好ましくは上
記精選工程及び/又は洗浄工程の後に添加される。更に
好ましくは漉き取り後の濾水を使って原料パルプを希釈
する前に嵩高剤を添加することである。嵩高剤とパルプ
原料とは十分に均一撹拌する。
することにより、紙厚、白色度及び不透明度の一つ以上
が向上する抄紙用薬剤を言う。嵩高剤としては、下記に
定義する離水度が4%以上となる化合物が挙げられる。 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 α:嵩高剤となる化合物をパルプ100重量部に対し5重
量部添加して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α0:嵩高剤となる化合物をパルプに添加しないで抄紙
して得た湿潤シートの含水率。
〜(iii)の何れか1つ以上、より好ましくは2つ以上の
紙質向上効果をもたらす化合物が好ましい。 (i)標準嵩向上度が0.02g/cm3以上 (ii)標準白色度向上度が0.5ポイント以上 (iii)標準不透明度向上度が0.5ポイント以上。
向上度及び標準不透明度向上度の測定方法を詳述する。 〔離水度の測定方法〕 (A)使用パルプ JIS P 8209のパルプ試験用手すき紙の調製法により調製
した手すきパルプシートのハンター白色度(JIS P 812
3)が80±5%であるブナ由来の広葉樹晒しパルプ(以
後、LBKPという)を使用する。 (B)離水度の測定 LBKPを、25±3℃で一定量をビーターにて離解す
る。そしてカナダ標準濾水度(JIS P 8121)で460±10m
lに叩解してパルプ濃度が1.0重量%のLBKPスラリー
を得る。
BKP分の坪量が80±2g/m2になるように量り取って
から、硫酸アルミニウムでpHを4.5に調製した後、嵩高
剤の1.0重量%のエタノール溶液をパルプ100重量部に対
して5重量部(純分)添加し、丸型タッピ抄紙機にて15
0メッシュワイヤー(面積200cm2)で抄紙し湿潤シート
を得る。湿潤シートの上に坪量320±20g/m2のろ紙
(直径185mm)2枚を重ね、更にその上にコーチプレー
トを重ねコーチングした後、湿潤シートを取り出す。次
いで湿潤シートを前記のろ紙2枚で上下をはさみ、圧力
340±10kPaで5分間プレスする。プレス後、速やかに湿
潤シートの重量w(g)を秤量する。
乾燥シートの重量Wd(g)を秤量する。
より含水率α(%)を求める。 α(%)=(W−Wd)/W×100 (1) また、嵩高剤となる化合物を添加しないで同様にシート
を調製し、同様にして求めた含水率をα0とする。
(2)より離水度を求める。 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 (2)。
してカナダ標準濾水度(JIS P 8121)で460±10mlに叩
解してパルプ濃度が1.0重量%のLBKPスラリーを得
る。
BKP分の坪量が80±0.5g/m2になるように量り取っ
てから、硫酸アルミニウムでpHを4.5に調製した後、嵩
高剤の1.0重量%のエタノール溶液をパルプ100重量部に
対して0.5重量部(純分)添加し、丸型タッピ抄紙機に
て150メッシュワイヤー(面積200cm2)で抄紙し湿潤シ
ートを得る。湿潤シートの上に坪量320±20g/m2のろ
紙(直径185mm)2枚を重ね、更にその上にコーチプレ
ートを重ねコーチングした後、湿潤シートを取り出す。
次いで湿潤シートを前記のろ紙2枚で上下をはさみ、圧
力340±10kPaで5分間プレスする。プレス後、シートの
み鏡面ドライヤーを用い105±3℃で2分間乾燥する。
乾燥されたシートを20±1℃、湿度65±2%の条件で5
時間調湿する。
計算式(3)により坪量(g/m2)を求める。 坪量(g/m2)=シート重量/0.02 (3) 次に調湿されたシートの厚さを、紙用マイクロメータを
用いて圧力54±5kPaで、10カ所測定し、得られる平均
値を厚さ(mm)とする。
(g/cm3)を下式(4)により求める。 d=(坪量)/(厚さ)×0.001 (4) また、嵩高剤となる化合物を添加しないで同様にシート
を調製し、同様にして求めた緊度をd0とする。
(5)より標準嵩向上度を求める。 標準嵩向上度(g/cm3)=d0−d (5)。
り白色度Bを測定する。また、嵩高剤となる化合物を添
加しないで同様にシートを調製し、同様にして得られた
白色度をB0とする。 上記で求めた白色度B、B0から、下式(6)より標
準白色度向上度を求める。 標準白色度向上度(ポイント)=B−B0 (6)。
測定する。また、嵩高剤となる化合物を添加しないで同
様にシートを調製し、同様にして得られた不透明度をP
0とする。 上記で求めた不透明度P、P0から、下式(7)によ
り標準不透明度向上度を求める。 標準不透明度向上度(ポイント)=P−P0 (7)。
加されパルプに定着すると、パルプ表面を疎水化するの
で、パルプと水溶液の界面張力が増大し、抄紙時パルプ
間に空隙が多くなり、嵩高いパルプモールドが得られた
り、光学的にも反射率が大きくなることにより、白色度
が向上したパルプモールドが得られるものと考えられ
る。また、嵩高剤の少量添加時のようにパルプ表面の一
部しか疎水化されず、パルプ間の空隙が増大せず、嵩高
性の発現が少ない場合でも、パルプ間の水素結合数が減
少することでパルプ表面積が増大し、光学的に反射率が
大きくなり、白色度の向上が発現するものと考えられ
る。なお、白色度は明度(L値)とb値から算出され、
L値が大きいほどb値が小さいほど大きくなるが、本発
明による白色度向上効果はL値が増大することにより起
こると考えられる。従来、パルプ表面の疎水性と嵩高性
及び光学的特性との関係については知られていなかった
が、本発明者はこの両者に相関があることを見出した。
離水度が4%以上となる化合物である。更には、本発明
で定義する(i)標準嵩向上度が0.02g/cm3以上、好まし
くは0.025g/cm3以上、更に好ましくは0.03g/cm3以
上、(ii)標準白色度向上度が0.5ポイント以上、好まし
くは0.7ポイント以上、更に好ましくは0.9ポイント以
上、及び(iii)標準不透明度向上度が0.5ポイント以上、
好ましくは0.7ポイント以上、更に好ましくは0.9ポイン
ト以上の(i)〜(iii)の何れか1つ以上を満たすものが好
ましく、特に好ましくは2つ以上を満たすものであり、
最も好ましくは3つを満たす化合物である。
化合物は、パルプ表面に吸着するための親水基とパルプ
表面を疎水化するための疎水基を有する有機化合物が好
ましく、(A)オルガノシロキサン、(B)グリセリルエーテ
ル、(C)アミド、(D)アミン、(E)アミン酸塩、(F)4級ア
ンモニウム塩、(G)イミダゾール、(H)アルコール又はそ
のアルキレンオキサイド付加物、(I)多価アルコールと
脂肪酸のエステル、及び(J)多価アルコールと脂肪酸の
エステルであって、当該エステル1モル当たり平均で0
モル超12モル未満の炭素数2〜4のアルキレンオキサイ
ド基(以下AO基という)を有するアルキレンオキサイド
付加エステルからなる群から、選定することができる。
0〜1,000,000mPa・sのメチルポリシロキサン、グリフ
ィン法によるHLBが1〜14のポリオキシエチレンメチ
ルポリシロキサン共重合体、HLBが1〜14のポリ(オ
キシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサ
ン共重合体等が挙げられる。
示される化合物等が挙げられる。
アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基である。) (C)アミド、(D)アミン、(E)アミン酸塩、(F)4級アンモ
ニウム塩、(G)イミダゾールは下記一般式(b)〜(j)で示
される化合物等が挙げられる。なお、アミン酸塩はイオ
ン化したものも、イオン化してないものも含む。
O-、-(AO)n-COR3又は-(AO)n-H AO:炭素数2〜4のアルキレンオキサイド Y3:水素原子又は-COR6
基又はβ−ヒドロキシアルキル基 R4,R5:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基 R7,R8:炭素数1〜3のアルキル基 R10:水素原子又はR9 n:1〜20の数で平均モル数 X-:陰イオン〕。
イド付加物としては、下記一般式で示される化合物が挙
げられる。 RO(XO)aH 式中、Rは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキ
ル基もしくはアルケニル基又は炭素数4〜20のアルキル
基を有するアルキルアリール基を示し、Xは同一又は異
なった炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を
示し、aは平均付加モル数であり、0≦a≦20の範囲の数
である。
(1)である。 RO(EO)m(PO)nH (1) 式中、Rは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキ
ル基もしくはアルケニル基又は炭素数4〜20のアルキル
基を有するアルキルアリール基を示し、Eはエチレン
基、Pはプロピレン基を示し、m,nは平均付加モル数であ
り、0≦m≦20の範囲の数であり、nは0≦n≦50の範囲
の数である。なお、(EO)m(PO)nは、ブロック又はランダ
ムのいずれでもよく、EOとPOのいずれが先でもよい。
8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であ
る。
Hの混合物にEO及びPOのいずれか又は双方を付加して得
たものも含む。また、ROHのアルコールも含む。
〜C22高級アルコールやアルキルフェノール等にエチレ
ンオキサイド(以下EOという)、プロピレンオキサイド
(以下POという)等のアルキレンオキサイドを付加した
ものであるが、本発明では、特にEOの平均付加モル数m
が0≦m≦20の範囲にあるものが使用される。平均付加
モル数mは好ましくは0≦m≦10、更に好ましくは0≦m
≦5の範囲である。mが20以下であると紙に対する嵩高
付与効果がより良好となる。又、POの平均付加モル数n
は0≦n≦50の範囲にあるものが使用され、好ましくは
0≦n≦20の範囲である。nが50以下であると経済的に有
利である。
直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基
又は炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルアリー
ル基であるが、Rとしては、炭素数8〜18の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。Rがアル
キル基又はアルケニル基の場合、炭素数が6〜22の範囲
であると、またアルキルアリール基の場合は炭素数4〜
20のアルキル基を有するアルキルアリール基であると、
紙に対する嵩高付与効果がより良好となる。
れ、炭素数2,3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
し、具体的にはエチレン、プロピレンが挙げられる。一
般式(1)中の(EO)m(PO)n基がポリオキシエチレンとポ
リオキシプロピレンの混合形態の場合、C2H4O基とC3H6O
基の付加形態はランダムでもブロックでもよい。その場
合、好ましくはポリオキシプロピレン基(C3H6O基)を全
平均付加モル数中の50モル%以上、特に好ましくは70モ
ル%以上含むものが良い。なお、R基に結合するAO基
は、EO、POのいずれが先であってもよい。
ルコールは、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2
〜24の2〜14価アルコールが好ましく、2〜8価アルコ
ールがより好ましく、3〜6価アルコールが特に好まし
い。2価アルコールとしては、エーテル基を含んでいて
もよい総炭素数2〜10のもの、例えばプロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、
ジブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ
る。3価以上のアルコールとしては、エーテル基を有し
ていてもよい総炭素数3〜24のアルコールで、1分子中
の総水酸基数/総炭素数=0.4〜1であるもの、例えば
グリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜5)、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、アラビ
トール、ソルビトール、スタキオース、エリトリット、
アラビット、マンニット、グルコース、ショ糖等が挙げ
られる。特に好ましくはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、エーテル基を有
していてもよい総炭素数3〜12のアルコールで、1分子
中の水酸基数/総炭素数=0.5〜1である3価以上のア
ルコールである。更に好ましくはグリセリン、ポリグリ
セリン(平均縮合度2〜4)、ペンタエリスリトールで
ある。
は、炭素数1〜24、好ましくは炭素数10〜22の脂肪酸が
挙げられ、飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでもよ
く、特に直鎖脂肪酸が好ましい。更に好ましくは、ラウ
リン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミ
リスチン酸、ベヘン酸である。
応及びアルキレンオキサイド付加反応を行うことで得る
ことができる。例えば、脂肪酸と多価アルコールの混合
物に要すればエステル化触媒を添加し、150〜250℃で反
応させることによりエステルが得られ、更にアルカリ触
媒等の存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを
付加することにより、アルキレンオキサイド付加エステ
ルが得られる。また、脂肪酸あるいは多価アルコールに
アルキレンオキサイドを付加後、エステル化してもよ
い。更に脂肪酸にアルキレンオキサイド付加のみを行っ
て得られる場合もある。
ましくは1モルの多価アルコール当たり、アルコール中
のOHが10〜95当量%置換されたものであり、特に好まし
くは1モルの多価アルコール当たり1〜2モルのエステ
ル基を有するものである。
る場合、AOの付加モル数は、エステル1モル当たり平均
で0モル超12モル未満であり、0.1〜6モルが好まし
い。なお、エチレングリコール等のようにAO基となり得
る多価アルコールを使用した場合においては、それらも
AO基の数に算入する。アルキレンオキサイドはEO、POが
好ましい。これらはEO、POの単独あるいはEOとPOの混合
の何れでもよい。本発明では、AO基を含まない多価アル
コールと脂肪酸のエステルを用いることが特に好まし
い。
及び多価アルコールと脂肪酸のエステルであって、当該
エステル1モル当たり平均で0モル超12モル未満の炭素
数2〜4のAO基を有するアルキレンオキサイド付加エス
テル化合物から選ばれる融点が100℃以下のエステル化
合物(K)が挙げられる。該エステル化合物(K)となるエス
テル化合物は、前記のエステル化合物(I)及び(J)から選
定することができる。
肪酸のエステル及び(J)多価アルコールと脂肪酸のエス
テルであって、当該エステル1モル当たり平均で0モル
超12モル未満の炭素数2〜4のAO基を有するアルキレン
オキサイド付加エステルからなる群から選ばれる化合物
が好ましい。
10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、
0.1〜2重量%が特に好ましい。
加してもよいが、固体品は粉砕後あるいは加熱溶融して
又は水等で希釈して添加してもよい。また、要すればノ
ニオン系、アニオン系、カチオン系、両性系の界面活性
剤を、抄紙用紙質向上剤の乳化剤もしくは分散剤として
使用してもかまわない。好ましくはアニオン界面活性剤
又はカチオン界面活性剤である。
に、凝集剤を併用できる。凝集剤としては、ポリアクリ
ルアミド(PAM)、ポリエチレンイミン(PEI)、でんぷ
ん、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられ、
好ましくは分子量100万〜1000万の高分子量PAMである。
凝集剤の添加量は、対パルプ原料で0.001〜5重量%、
更に0.01〜1重量%、特に0.01〜0.5重量%が好まし
い。
あり、且つ生産効率よく製造できる。また、パルプモー
ルドの厚さが増加するため、包装材料としてのクッショ
ン性の向上が期待でき、厚さを現行品と同等とした場合
は包装基材の軽量化が可能となる。
古紙パルプ(パルプフリーネス280ml)を重量比で等量
混合した古紙より濃度4重量%のパルプスラリーを調製
し、表1に示す嵩高剤をパルプ100重量部当たり1.0重量
部の割合で添加し、スターラーで十分に撹拌した。得ら
れたパルプスラリーを濃度1重量%とし、JIS P 8209に
規定の手抄きシートマシンにて、目標坪量640g/m2の
ハンドシートを作成した。その際生産性の指標として濾
水時間を測定した。濾水時間は手抄きシートマシンの標
線からワイヤまで排水する所要時間である。得られたハ
ンドシートを105℃で2時間乾燥した後、20±1℃、湿
度65%±2%の条件で一日以上調湿した後、シートの重
量と厚さを測定し、密度を求めた。結果を表1に示す。
軽くて厚い、すなわち密度の小さいパルプモールドを製
造できることがわかる。なお、表1中の化合物A、B、
Cは以下の化合物である。
該嵩高剤の添加後に表2の凝集剤を添加(添加量は何れ
も対パルプ重量あたり)し、それ以外は同様にしてハン
ドシートを作成し、同様の評価を行った。結果を示す。
ト:離水度5.6%、標準嵩向上度0.028g/cm3、標準白
色度向上度1.6ポイント、標準不透明度向上度1.1ポイン
ト表2から、嵩高剤と凝集剤を併用することにより、軽
くて厚いパルプモールドを生産効率良く製造できること
がわかる。 実施例3 新聞古紙パルプ(パルプフリーネス200ml)より濃度4
重量%のパルプスラリーを調製し、表3に示す嵩高剤と
凝集剤を添加(添加量は何れも対パルプ重量あたり)
し、充分に撹拌した。得られたパルプスラリーを濃度1
重量%とし、アドヴァンテック社製No.2濾紙を用いて
吸引濾過を行い、パルプシートを作製した。得られたシ
ートを105℃で2時間乾燥し。20±1℃、湿度65±2%
の条件で1日調湿した後、シートの重量と厚さを測定
し、密度を求めた。結果を表3に示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)オルガノシロキサン、(B)グリセリル
エーテル、(C)アミド、(D)アミン、(E)アミン酸塩、(F)
4級アンモニウム塩、(G)イミダゾール、(H)アルコール
又はそのアルキレンオキサイド付加物、(I)多価アルコ
ールと脂肪酸のエステル、(J)多価アルコールと脂肪酸
のエステルであって、当該エステル1モル当たり平均で
0モル超12モル未満の炭素数2〜4のアルキレンオキサ
イド基を有するアルキレンオキサイド付加エステル、並
びに(K)多価アルコールと脂肪酸のエステル及び多価ア
ルコールと脂肪酸のエステルであって、当該エステル1
モル当たり平均で0モル超12モル未満の炭素数2〜4の
アルキレンオキサイド基を有するアルキレンオキサイド
付加エステル化合物から選ばれる融点が100℃以下のエ
ステル化合物からなる群から選ばれる化合物であって、
下記に定義する離水度が4%以上であり、且つ下記(i)
〜(iii)の何れか1つ以上の紙質向上効果をもたらす化
合物からなる嵩高剤を含有するパルプスラリーを原料と
して用いてなるパルプモールド。<離水度> 離水度(%)=(α 0 −α)/α 0 ×100 α:嵩高剤となる化合物をパルプ100重量部に対し5重
量部添加して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α 0 :嵩高剤となる化合物をパルプに添加しないで抄紙
して得た湿潤シートの含水率 <紙質向上効果> (i)標準嵩向上度が0.02g/cm 3 以上 (ii)標準白色度向上度が0.5ポイント以上 (iii)標準不透明度向上度が0.5ポイント以上 - 【請求項2】 前記パルプスラリーが凝集剤を含有する
請求項1記載のパルプモールド。 - 【請求項3】 (A)オルガノシロキサン、(B)グリセリル
エーテル、(C)アミド、(D)アミン、(E)アミン酸塩、(F)
4級アンモニウム塩、(G)イミダゾール、(H)アルコール
又はそのアルキレンオキサイド付加物、(I)多価アルコ
ールと脂肪酸 のエステル、(J)多価アルコールと脂肪酸
のエステルであって、当該エステル1モル当たり平均で
0モル超12モル未満の炭素数2〜4のアルキレンオキサ
イド基を有するアルキレンオキサイド付加エステル、並
びに(K)多価アルコールと脂肪酸のエステル及び多価ア
ルコールと脂肪酸のエステルであって、当該エステル1
モル当たり平均で0モル超12モル未満の炭素数2〜4の
アルキレンオキサイド基を有するアルキレンオキサイド
付加エステル化合物から選ばれる融点が100℃以下のエ
ステル化合物からなる群から選ばれる化合物であって、
下記に定義する離水度が4%以上であり、且つ下記(i)
〜(iii)の何れか1つ以上の紙質向上効果をもたらす化
合物からなる嵩高剤を含有するパルプスラリーを搾水成
型して乾燥するパルプモールドの製造方法。<離水度> 離水度(%)=(α 0 −α)/α 0 ×100 α:嵩高剤となる化合物をパルプ100重量部に対し5重
量部添加して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α 0 :嵩高剤となる化合物をパルプに添加しないで抄紙
して得た湿潤シートの含水率 <紙質向上効果> (i)標準嵩向上度が0.02g/cm 3 以上 (ii)標準白色度向上度が0.5ポイント以上 (iii)標準不透明度向上度が0.5ポイント以上
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