JP6224323B2 - 印刷用紙及び印刷用紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は印刷用紙に関する。
一般に、コミック用紙、更紙、新聞用紙等の印刷用紙は、取り扱い性の改善、輸送コスト低減等のためにその軽量化が大きな流れになっていることから、一定の坪量で厚みがあり、密度が小さいこと、即ち嵩高となることが要求されている。一方、印刷用紙の原料パルプとして、資源の有効利用や環境保護への関心の高まりから、古紙パルプが多く用いられるようになっている。特に、コミック紙、更紙、新聞用紙等の印刷用紙においては、新聞古紙を主原料とした古紙パルプが用いられている。しかし、古紙パルプを主に含む印刷用紙を低坪量とすると、古紙パルプは幾度となく繰り返される再生処理により、得られた古紙パルプが脆くなるとともに、パルプ繊維同士の絡み合いに必要なフィブリルが少なくなり、充分な嵩が得られ難くなるという不都合がある。また、新聞古紙に混在するチラシ等の塗工紙類の量は増加傾向にあり、塗工紙に由来する持込灰分の増加によって、さらに嵩が低下する問題や紙の不透明度が低下し易いという不都合もある。
上記不都合に対して、印刷用紙の嵩高化の方法として、紙の主原料である製紙用パルプに繊維が剛直な機械パルプを多く配合することが考えられる。しかし、機械パルプは木材又はチップを機械的に摩砕して製造するものであり、製造に多大なエネルギーを消費するため、こうした機械パルプを多く配合することは省資源化、環境保護に逆行することとなる。また、機械パルプと雑誌古紙とを含む古紙パルプを特定量含み、さらに紙用嵩高剤を配合した雑誌古紙配合更紙の技術が開発されている(特開2004−270055公報)。しかし、上記雑誌古紙配合更紙は、古紙パルプを高配合した場合には十分な嵩高効果が得られない問題がある。さらに、上記不都合に対して、古紙パルプとして分級処理後の長繊維分のみを用い、篩い分け試験における42メッシュ残の成分の割合が50%未満のオフセット印刷用印刷用紙が開発されている(特開2005−9057号公報及び特開2005−42265号公報参照)。しかし、上記印刷用紙は、紙が低坪量で、不透明性や引張強度に優れる場合であっても、その繊維長分布によっては、印刷用紙として使用し得るような十分な紙厚や嵩高さを有さないおそれがある。
特開2004−270055号公報 特開2005−9057号公報 特開2005−42265号公報
本発明は、上記のような不都合に鑑みてなされたものであり、全パルプ中の古紙パルプが75質量%以上と高配合で、低坪量であるにもかかわらず、嵩高で不透明度に優れた印刷用紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記不都合を解決するために鋭意検討を重ねた結果、印刷用紙を離解した離解パルプが特定の繊維長分布を有する場合、得られた紙は、古紙パルプの配合率が高く、低坪量であるにもかかわらず、嵩高で不透明度に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するためになされた発明は、
古紙パルプが75質量%以上の原料パルプを抄紙してなる印刷用紙であって、
坪量が41g/m以上47g/m以下であり、
JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下であることを特徴とする印刷用紙である。
当該印刷用紙は、長繊維分(C)を多く含むことで、古紙パルプを高配合とし低坪量であっても嵩高性を高めることができる。また、当該印刷用紙は、短繊維分(第4そう通過分(C))が少なく、長繊維分に次ぐ中繊維分(C)も比較的多く含むため、短繊維分が多く含まれる場合とは異なって、中繊維分が、長繊維分間の隙間に好適に入り込み、クッション材のような役割を果たすことで、上記の特性を維持しつつ、印刷用紙の不透明度を高めることもできる。その結果、本発明によれば、低坪量であるにもかかわらず、嵩高性、不透明度等に優れた印刷用紙を提供できる。さらに、原料パルプとして古紙パルプを75質量%以上含むため、環境面に配慮することもできる。
当該印刷用紙は、嵩高剤を原料パルプの絶乾重量に対して2kg/t以上10kg/t以下含有してなる紙料を抄紙して得られることが好ましい。当該印刷用紙は、印刷用紙中の繊維長分布を上記のように、長繊維分が多く、短繊維分が少ないものにし、さらに嵩高剤を添加しているので、印刷用紙中の繊維長分布が長繊維分が少ないものの場合に比べ、より効果的に嵩高剤の嵩高効果が得られ、さらに嵩高な印刷用紙を得ることができ好ましい。
当該印刷用紙の紙厚は74μm以上95μm以下であり、
白紙不透明度は92%以上98%以下であることが好ましい。当該印刷用紙は、このように低坪量かつ古紙パルプ含有量が高いにもかかわらず嵩高で、不透明度に優れた印刷用紙を提供することができる。
本発明の印刷用紙によれば、古紙パルプの配合率を高くしても、嵩高さと不透明度とを向上させることができる。
当該印刷用紙は、古紙パルプが75質量%以上の原料パルプを抄紙してなる印刷用紙であって、
坪量が41g/m以上47g/m以下であり、
JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下であることを特徴とする印刷用紙である。以下、当該印刷用紙について詳説する。
当該印刷用紙は原料パルプとして古紙パルプを75質量%以上含み、その他の非古紙パルプを任意に含むこともできる。また、当該印刷用紙は、嵩高剤や填料等のその他の製紙用薬剤を任意に含むこともできる。
<古紙パルプ>
当該印刷用紙は、原料パルプとして古紙パルプを75質量%以上含むため、資源の有効利用に寄与することができる。
原料パルプ中の古紙パルプの含有量は、75質量%以上であり、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。含有量を上記範囲とすることで、資源の有効利用、環境保護を図ることができる。
古紙パルプとしては、特に限定されず、例えば雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等が挙げられる。
これらの古紙パルプの中でも、雑誌古紙由来の雑誌古紙パルプ、新聞古紙由来の新聞古紙パルプが好ましく、雑誌古紙パルプを用いることがより好ましい。新聞及び雑誌は古紙の回収率が高く、新聞用紙及び雑誌用紙を構成する原料パルプ種や填料類が各製紙メーカーで近似していることから、新聞古紙パルプ及び雑誌古紙パルプは成分が安定している。特に、雑誌古紙には疲弊の少ない機械パルプが多く含まれている上、比較的灰分の含有量が少ないため、嵩や不透明度に優れる印刷用紙を得ることができ好ましい。なお、上記雑誌古紙とは、(公益財団法人)古紙再生促進センター「古紙の統計分類と主要銘柄」に準拠する家庭、会社及び官公庁等より発生する雑誌等の返本や残本を意味する。上記家庭、会社及び官公庁等より発生する雑誌等の返本や残本の中でも近年の古紙の集荷精度の向上により必要とする条件の古紙を選択的に集荷することが可能になっている。特に雑誌古紙の中でも、当該古紙をJIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して離解した離解パルプのうち、JIS−P8120(1998)「紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法」に準拠して測定した機械パルプの呈色を示すパルプの含有量が85質量%以上と高く、また、当該古紙をJIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して離解した離解パルプをNo.2濾紙(アドバンテック東洋株式会社製)で濾過し乾燥させたパルプをJIS−P8251(2003)に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した灰分率が18%以下と低い上記雑誌古紙を選択的に集荷することが可能になっており、これらを用いることが特に好ましい。具体的には、雑誌古紙の中でも、月刊誌や週刊誌等のコート紙が少なく、背表紙が針金や糊で綴じられている雑誌古紙を選択的に集荷したものである。
古紙パルプ以外の原料パルプとして、バージンパルプを用いることができる。バージンパルプとしては、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ(MP);ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造されたパルプ等が挙げられる。これらのバージンパルプの中でも、古紙パルプを用いる場合の嵩の低下を補完する効果の高い機械パルプ(MP)が好ましく、古紙パルプの調整に好適なサーモメカニカルパルプ(TMP)が特に好ましい。
原料パルプは、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
また、上記古紙パルプ中の雑誌古紙パルプの含有量としては80質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、100質量%が特に好ましい。上記古紙パルプ中の雑誌古紙パルプの含有量が上記下限未満の場合、当該印刷用紙の嵩や不透明度が低下するおそれがある。
当該印刷用紙は、JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して当該印刷用紙を離解した離解パルプのJIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠して、第1そうのふるい網の目開きが710μm、第2そうのふるい網の目開きが355μm、第3そうのふるい網の目開きが180μm、第4そうのふるい網の目開きが106μmの場合におけるふるい分け度(質量%)の第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)が15質量%以上25質量%以下であり、第1そう残(C)の割合が26質量%以上34質量%以下、第2そう残(C)の割合が18質量%以上24質量%以下、第4そう通過分(C)が16質量%以上24質量%以下であることがより好ましい。第1そう残(C)の割合を上記範囲内とすることで、当該印刷用紙の嵩高さを確保できる。第1そう残(C)の割合が上記上限を超えると、印刷用紙に大きな空隙が発生し易くなり、当該印刷用紙の不透明度が低下するおそれがある。第1そう残(C)の割合が上記下限未満であると、当該印刷用紙の嵩高さが低下するおそれがある。また、上記離解パルプのふるい分け試験における第2そう残(C)の割合が上記下限未満の場合、当該新聞用紙の嵩及び不透明度が低下するおそれがある。上記ふるい分け度は、例えば古紙パルプの原料である古紙の種類、配合量やパルプの叩解の程度等により調節することができる。特に、上記古紙パルプ中の雑誌古紙パルプの含有量を80質量%以上とすることにより、上記ふるい分け度の数値範囲とすることができ、好ましい。
また、当該印刷用紙のパルプに含まれる機械パルプの割合としては、特に限定されないが、当該印刷用紙をJIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して離解した離解パルプのうち、JIS−P8120(1998)「紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法」に準拠して測定した機械パルプの呈色を示すパルプの含有量が75質量%以上95質量%以下であることが好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、85質量%以上93質量%が特に好ましい。機械パルプの呈色を示すパルプの含有量が上記上限を超えると、当該印刷用紙の表面強度が低下するおそれがある。一方、機械パルプの呈色を示すパルプの含有量が上記下限未満の場合は、当該印刷用紙の嵩や不透明度が低下するおそれがある。上記機械パルプの割合は、例えば古紙パルプの原料である古紙の種類、配合量や機械パルプの配合量で調節することができる。特に、上記古紙パルプ中の雑誌古紙パルプの含有量を80質量%以上とすることにより上記機械パルプ配合量とすることができ、好ましい。
<嵩高剤>
当該印刷用紙は、JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して当該印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下であることに加え、嵩高剤を含むことが好ましい。本発明者らは、長繊維分が比較的少ない新聞古紙を多く含む古紙パルプを75質量%以上高配合すると、嵩高剤を添加しても嵩の向上があまりみられず、一方、当該印刷用紙を離解した離解パルプの第1そう残(C)の割合を、用いる古紙の種類配合を調整して25質量%以上とし、原料パルプ中の長繊維分を多くしても得られる印刷用紙の嵩の向上は頭打ち傾向となるが、上記ふるい分け度を有する原料パルプと嵩高剤を組み合わせることにより、古紙パルプ中の長繊維による嵩高効果がより発揮されるようになることも知見した。従って、上記ふるい分け度を有する原料パルプに嵩高剤を添加することがより好ましく、当該印刷用紙は、古紙パルプを高配合とし、低坪量であるにもかかわらず、嵩高さを十分かつ確実に確保することができ好ましい。
嵩高剤としては、特に限定されず、例えばノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、特に限定されず、例えば油脂系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、高級アルコールあるいは高級脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、脂肪酸ポリアミドアミン等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、特に限定されず、例えばカルボン酸塩系、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、燐酸エステル塩系等の界面活性剤が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、例えば第4級アンモニウム塩、アミン塩やそれらのアミン、ヒドロキシ基を有するアミン等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、特に限定されず、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する第2級又は第3級アミンの脂肪族誘導体、複素環式第2級又は第3級アミンの脂肪族誘導体等が挙げられる。
これらの中では、古紙パルプを75質量%以上と高配合とし、JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して当該印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下である繊維長分布を有する印刷用紙への嵩高性の付与が大きいカチオン系界面活性剤が好ましく、ヒドロキシ基を有するアミンがより好ましい。
ヒドロキシ基を有するアミンとしては、特に限定されず、例えばエポキシアルカンと1級アルキルアミンとの反応物やそのアルキレンオキシド付加体、エポキシアルカンとモノアルカノールアミンとの反応物やそのアルキレンオキシド付加体、エポキシアルカンとジアルカノールアミンとの反応物やそのアルキレンオキシド付加体等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するアミンは、公知の方法に従って製造することもできるが、ミヨシ油脂株式会社製、製品名「ペレミンB−320」として商業的に入手可能でもある。
上記嵩高剤の上記原料パルプに対する配合量は、好ましくは2kg/t以上10kg/t以下、より好ましくは3kg/t以上9kg/t以下である。配合量を上記範囲内とすることで、古紙パルプを75質量%以上と高配合とし、JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して当該印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下である繊維長分布を有する印刷用紙の嵩高さをより容易かつ確実に高めることができ好ましい。配合量が上記上限を超えると、製造コストの上昇を招くおそれがある。配合量が上記下限未満であると、印刷用紙の嵩高性が低下するおそれがある。なお、「kg/t」はパルプ固形分1tあたりの固形分での質量(kg)をいう。
嵩高剤は、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
当該印刷用紙は、本発明の効果を損なわない範囲で、製紙用薬剤を配合して得ることもできる。製紙用薬剤としては、特に限定されず、例えば界面活性剤、ワックス、サイズ剤、填料、防錆剤、導電剤、消泡剤、分散剤、粘性調整剤、凝集剤、凝結剤、紙力向上成分、歩留まり向上剤、紙粉脱落防止剤、嵩高剤、増粘剤、pH調整剤等が挙げられる。
<印刷用紙の製造方法>
当該印刷用紙は、特に限定されず、例えば公知の方法に従って製造することができる。
一例を挙げれば、当該印刷用紙の製造方法は、
原料パルプを脱墨処理する工程(脱墨処理工程)と、
脱墨処理後の原料パルプを抄紙する工程(抄紙工程)と
を有する。
(脱墨処理工程)
当該印刷用紙は、古紙パルプが75質量%以上であり、この古紙パルプには雑誌古紙パルプが多く含まれている。この雑誌古紙パルプの由来となる週刊誌や月刊誌は印刷面が多いため古紙パルプ製造工程の脱墨処理における脱墨性が低下しやすい。そのため、当該印刷用紙の製造方法では、フローテーション法で古紙の脱墨処理を行うことが好ましい。フローテーション法とは、パルパー等でアルカリ等と共に脱墨剤を作用させて古紙を離解し、パルプ繊維からインキを剥離させてパルプスラリーを製造し、このパルプスラリー中に空気を吹き込んで泡を形成し、この泡に剥離したインキを付着させて、泡とともにインキを除去する方法である。
脱墨処理で用いられる脱墨剤としては、特に限定されず公知の脱墨剤を用いることができ、このような脱墨剤としては、例えば脂肪酸系脱墨剤、高級アルコール系脱墨剤等が挙げられる。
脂肪酸系脱墨剤としては、例えばミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マリガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレイン酸、ステアロール酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、ブラシジン酸、エルカ酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、牛脂脂肪酸、なたね油脂肪酸、魚油脂肪酸等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
高級アルコール系脱墨剤に用いられる高級アルコールとしては、例えばイソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、キミルアルコール(グリセリルモノセチルエーテル)、コレステリール(コレステリン)、シトステロール(シトステリン)、ステアリルアルコール、セタノール(セチルアルコール、パルミチルアルコール)、セトステアリルアルコール、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、デシルテトラデカノール、バチルアルコール(グリセリルモノステアリルエーテル)、フィトステロール(フィトステリン)、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
上記脱墨剤の添加量としては、絶乾パルプに対し固形分で2.1kg/t以上3.3kg/t以下が好ましく、2.3kg/t以上3.1kg/t以下がより好ましい。脱墨剤の添加量が上記上限を超えると、発泡過剰となることにより歩留りが低下するおそれがあり、また製造コストも高くなってしまうおそれがある。一方、脱墨剤の添加量が上記下限未満の場合、十分な脱墨効果が得られず、古紙パルプの白色度が低下し、所望の白色度にするために漂白薬品の使用量が増加し、嵩の低下や不透明度が低下するおそれがある。また、雑誌等の背表紙に塗工される糊等の粘着異物を除去することができず、パルプの品質が低下するおそれがある。
上記脱墨剤として、脂肪酸系脱墨剤と高級アルコール系脱墨剤との併用が好ましく、含まれる脂肪酸系脱墨剤の割合としては15質量%以上45質量%以下が好ましく、20質量%以上30質量%以下がより好ましい。脱墨剤に含まれる脂肪酸系脱墨剤の割合が上記上限を超えると、剥離したインキの凝集効果は優れるもの、インキの剥離性が低下し、白色度が低下するおそれがある。一方、脱墨剤に含まれる脂肪酸系脱墨剤の割合が上記下限未満の場合、脂肪酸系脱墨剤による発泡を抑える効果が低下することにより、歩留まりが悪化するおそれや微細なインキが残り白色度が低下するおそれがある。特に、長繊維分の多い雑誌古紙の脱墨においては、用いる脱墨剤として上記のように脂肪酸系脱墨剤と高級アルコール系脱墨剤との併用が、脱墨効果を高め、苛性ソーダを含む漂白薬品の使用量を抑えることができ、パルプ繊維の嵩高性や不透明度の低下を防止できるため好ましい。
上記脱墨処理における離解パルプスラリーのpHとしては8.0以上9.5以下が好ましく、8.3以上9.2以下がより好ましい。離解パルプスラリーのpHが上記上限を超えると歩留りが低下すると共に、パルプに黄変が発生したり、パルプ繊維の嵩が低下するおそれがある。一方、離解パルプスラリーのpHが上記下限未満の場合、発泡性が低下することにより、インキが系外に排出されず、脱墨剤効果が低下し、古紙パルプの白色度が低下するおそれがある。
上記脱墨処理における離解パルプスラリーの濃度としては13質量%以上18質量%以下が好ましい。離解パルプスラリーの濃度が上記上限を超えると、離解性が低下し歩留まりが低下するおそれがある。一方、離解パルプスラリーの濃度が上記下限未満の場合、インキ剥離能力が低下することにより白色度が低下するおそれや、古紙パルプの夾雑物が増加するおそれがある。
上記脱墨処理における離解パルプスラリーの温度としては43℃以上47℃以下が好ましい。離解パルプスラリーの温度が上記上限を超えると、粘着性の異物が軟化し、粘着性異物の除去効率が低下するため、古紙パルプの品質が低下するおそれがある。一方、離解パルプスラリーの温度が上記下限未満の場合、発泡性が低下することにより脱墨効果が低下し、古紙パルプの白色度が低下するおそれがある。
上記脱墨処理では、離解パルプスラリーに上記脱墨剤の他に、例えば、苛性ソーダやケイ酸ソーダ等の公知のアルカリ薬剤;過酸化水素、次亜塩素酸塩、次亜硫酸塩等の漂白剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、硫酸エステル塩等の起泡剤;シリコーン油、鉱物油等の消泡剤;ピッチコントロール剤;EDTA、DTPA等の金属封鎖剤等を配合してもよい。
また、上記脱墨処理に使用される装置は、特に限定されず公知の装置を使用することができるが、特にタブ型の高濃度パルパーを使用すると、離解効率が高く、インクの剥離効果にも優れるため、特に印刷面の多い雑誌古紙の脱墨処理において、嵩高性、不透明度に優れた古紙パルプが得られ好ましい。
(抄紙工程)
当該工程では、脱墨処理後の原料パルプを抄紙することで、当該印刷用紙を得ることができる。具体的には、例えばワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤーパート、コーターパート、カレンダーパート、リールパート等を含む製紙システム等を用いることができる。また、それ以外にも抄紙機とコーターパートとを分離したオフマシンコーターからなる製紙システムを用いてもよく、抄紙機とソフトカレンダーを分離したオフマシンカレンダーからなる製紙システムを用いてもよい。
上記原料パルプは長繊維が多く、短繊維が少ない繊維長分布を有するため、プレスパートでの脱液性が向上し、プレス線圧を低下させることができ、より嵩高な印刷用紙を容易に得られる。また、カレンダーパートにおいて表裏差を少なくしつつ嵩高さを発現させることもできる。
他方、得られた印刷用紙表面に水溶性高分子を塗布することで、凸版印刷、オフセット印刷等での表面強度を高めることができる。水溶性高分子としては、特に限定されず、例えば酸化澱粉等が挙げられる。
<印刷用紙>
当該印刷用紙は以下の特性を示す。このため、当該印刷用紙は古紙パルプの配合率が高く、低坪量であるにもかかわらず、嵩高で不透明度に優れる。
当該印刷用紙は以下のような繊維長分布を有する。具体的には、JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(%)において、第1そう残(C)の割合は、25質量%以上35質量%以下であり、好ましくは26質量%以上34質量%以下、より好ましくは27質量%以上33質量%以下である。第1そう残(C)の割合を上記範囲内とすることで、当該印刷用紙の嵩高さを確保できる。第1そう残(C)の割合が上記上限を超えると、印刷用紙に大きな空隙が発生し易くなり、当該印刷用紙の不透明度が低下する。第1そう残(C)の割合が上記下限未満であると、当該印刷用紙の嵩高さが低下する。なお、第1そう残(C)から第4そう通過分(C)の合計割合が100質量%を超えることはない。
第2そう残(C)の割合は、17質量%以上25質量%以下であり、好ましくは18質量%以上24質量%以下、より好ましくは19質量%以上23質量%以下である。第2そう残(C)の割合を上記範囲内とすることで中繊維分が長繊維分間の隙間に適度に入り込み、当該印刷用紙は嵩高さを高めつつ、不透明度を併せて向上させることができる。第2そう残(C)の割合が上記上限を超えると、当該印刷用紙の嵩高さが低下する。第2そう残(C)の割合が上記下限未満であると、当該印刷用紙の不透明度が低下する。
第3そう残(C)の割合は、特に限定されず、通常17質量%以上25質量%以下であり、好ましくは18質量%以上24質量%以下である。第3そう残(C)の割合を上記範囲内とすることで、当該印刷用紙の不透明度が高まる傾向がある。第3そう残(C)の割合が上記上限を超えると、当該印刷用紙の嵩高さが低下するおそれがある。第3そう残(C)の割合が上記下限未満であると、当該印刷用紙の不透明度が低下するおそれがある。
第4そう残(C)の割合は、特に限定されず、通常5質量%以上10質量%以下であり、好ましくは6質量%以上9質量%以下である。第4そう残(C)の割合を上記範囲内とすることで、この場合も、当該印刷用紙の不透明度が高まる傾向がある。第4そう残(C)の割合が上記上限を超えると、印刷用紙の嵩高さが低下するおそれがある。第4そう残(C)の割合が上記下限未満であると、印刷用紙の不透明度が低下するおそれがある。
第4そう通過分(C)の割合は、15質量%以上25質量%以下であり、好ましくは16質量%以上24質量%以下、より好ましくは17質量%以上23質量%以下である。第4そう通過分(C)の割合を上記範囲内とすることで、短繊維分が少なくなり、印刷用紙の嵩高さを高めることができる。第4そう通過分(C)の割合が上記上限を超えると、印刷用紙の不透明度が低下する。第4そう通過分(C)の割合が上記下限未満であると、印刷用紙の嵩高さが低下する。
当該印刷用紙の坪量は、41g/m以上47g/mであり、好ましくは42g/m以上46g/m以下である。坪量を上記範囲内とすることで、印刷用紙は軽量でありながら、十分な嵩高さを有する。坪量が上記上限を超えると、印刷用紙の軽量化を図れない。坪量が上記下限未満であると、印刷用紙の不透明度が不十分となる。
当該印刷用紙の紙厚は、好ましくは74μm以上95μm以下、より好ましくは80μm以上93μm以下である。紙厚を上記範囲内とすることで、印刷用紙は十分な嵩高さと不透明度を有する傾向がある。紙厚が上記上限を超えると、印刷用紙の軽量化を図れないおそれがある。紙厚が上記下限未満であると、印刷用紙の嵩高性や不透明度が不十分となるおそれがある。特に、古紙パルプを75質量%以上含有し、坪量が41g/m以上47g/m以下であり、JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下であることに加え、当該印刷用紙の紙厚を74μm以上95μm以下とすることにより、全パルプ中の古紙パルプが75質量%以上と高配合で、低坪量であるにもかかわらず、より嵩高で不透明度に優れた印刷用紙となり好ましい。
当該印刷用紙の白紙不透明度は、好ましくは92%以上98%以下、より好ましくは93%以上97%以下である。白紙不透明度を上記範囲内とすることで、印刷用紙の不透明度が十分となる傾向がある。白紙不透明度が上記上限を超えると、印刷用紙の嵩高さが不十分となるおそれがある。白紙不透明度が上記下限未満であると、印刷時の裏抜けが発生するおそれがある。
当該印刷用紙の密度は、特に限定されず、通常0.43g/cm以上0.60g/cm以下であり、好ましくは0.48g/cm以上0.54g/cm以下である。密度を上記範囲内とすることで、印刷用紙の嵩高さが十分となる傾向がある。密度が上記上限を超えると、印刷用紙の嵩高さが不十分となるおそれがある。密度が上記下限未満であると、印刷用紙の不透明度が低下するおそれがある。
当該印刷用紙の白色度は、特に限定されず、通常51%以上であり、好ましくは51%以上58%以下、より好ましくは52%以上57%以下である。白色度を上記範囲内とすることで、印刷用紙の不透明度が十分となる傾向がある。白色度が上記上限を超えると不透明度が不十分となるおそれがある。白色度が上記下限未満であると、印刷用紙に印刷した際の印面の見栄えが低下するおそれがある。
<その他>
製造工程における温度、圧力、時間、設備等の工程条件は、特に限定されず、使用原料等に従って適宜設定される。製造工程の段階数も、特に限定されず、1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。原料や生成物の定量、定性は、NMR、IR、元素分析、マススペクトル等の公知の方法に従って行うことができる。また、使用する原料は、単独で用いてもよく、複数種の原料を組み合わせて使用してもよい。
当該印刷用紙は古紙パルプの配合率が高く、低坪量であるにもかかわらず、嵩高で不透明度に優れる。このため、当該印刷用紙は上記特性が求められる用途、特に週刊誌の本文用紙、コミック用紙等として好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
[ふるい分け度(単位:質量%)]
JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して印刷用紙を離解して得られる離解パルプについてJIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定した。
[機械パルプ含有量(単位:質量%)]
JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して印刷用紙を離解し、得られる離解パルプについて、機械パルプの呈色を示すパルプの質量割合をJIS−P8120(1998)に記載の「紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法」に準拠して測定した。
[坪量(単位:g/m)]
JIS−P8124(2011)に記載の「紙及び板紙−坪量の測定方法」に準拠して測定した。
[厚さ(単位:μm)]
JIS−P8118(1998)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[密度(単位:g/cm)]
JIS−P8118(1998)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[白色度(紙)(単位:%)]
JIS−P8148(2001)「紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定した。
[白紙不透明度(単位:%)]
JIS−P8149(2000)「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」に準拠して測定した。
(実施例1)
〔印刷用紙の製造〕
(脱墨処理工程)
雑誌古紙100%を配合した古紙原料を用いて、離解パルプスラリーの濃度が13質量%になるように温水を加え、下記の脱墨剤を絶乾パルプあたり固形分で下記の添加量を添加し、pH調整剤として苛性ソーダ及びケイ酸ソーダを添加した後、15分間離解処理を行った。このパルプスラリーのpHは8.7だった。なお、使用した「雑誌古紙」とは、(公益財団法人)古紙再生促進センター「古紙の統計分類と主要銘柄」に準拠して集荷された雑誌古紙の中でも、さらに、雑誌古紙をJIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して離解した離解パルプが、JIS−P8120(1998)「紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法」に準拠して測定した機械パルプの呈色を示すパルプの含有量が85質量%以上となり、かつJIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して離解した離解パルプをNo.2濾紙(アドバンテック東洋株式会社製)で濾過し乾燥させたパルプをJIS−P8251(2003)に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した灰分率が18%以下となるように選別した雑誌古紙である。具体的には、雑誌古紙の中でも、月刊誌や週刊誌等のコート紙が少なく、背表紙が針金や糊で綴じられている雑誌古紙を選択的に集荷したものである。用いた雑誌古紙の機械パルプ含有量は90質量%、灰分は10%であった。
(脱墨剤)
脂肪酸系脱墨剤:花王株式会社製、製品名「DI−254」、0.6kg/t
高級アルコール系脱墨剤:花王株式会社製、製品名「DI−7000D」、2.1kg/t
その後、離解パルプスラリーの濃度を1%まで稀釈し、IHIVOITH社製エコセル型フローテーターを用いてフローテーションを行ない、古紙パルプを得た。
(抄紙工程)
上記古紙パルプ100質量%からなるパルプスラリーに、嵩高剤(カチオン系界面活性剤)として「ペレミンB−320」(ミヨシ油脂株式会社製)を絶乾パルプあたり固形分で5kg/t添加して、ツインワイヤー抄紙機で原紙を抄紙した。
さらに、表面処理剤として酸化澱粉(日本食品加工株式会社製)を上記原紙の両面に乾燥質量で1.2g/m(片面あたりそれぞれ0.6g/m)塗工して実施例1の印刷用紙を得た。
得られた印刷用紙の坪量は44.0g/m、厚さは86.5μm、密度は0.51g/cm、白色度は52.5%、白紙不透明度は95.2%であった。
(実施例2から実施例12、比較例1から比較例3)
実施例2から実施例12、比較例1から比較例3は、実施例1の原料等を表1のようにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。なお、実施例4、5及び10では、フリーネス140mLのサーモメカニカルパルプを使用した。また、実施例6では嵩高剤(アニオン性界面活性剤として、「嵩高剤K−103」(花王株式会社製)を用いた。
実施例及び比較例の原料、生成物等を表1に示す。
Figure 0006224323
表1より実施例で得られた印刷用紙は、古紙パルプの配合率が高く、低坪量であるにもかかわらず、比較例で得られたものと比較して、嵩高で不透明度に優れることがわかる。
本発明によれば、古紙パルプの配合率が高く、低坪量であるにもかかわらず、嵩高で不透明度に優れる印刷用紙を提供することができる。従って、当該印刷用紙は上記特性が求められる用途、特に週刊誌の本文用紙、コミック用紙等として好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. 古紙パルプが75質量%以上の原料パルプを抄紙してなる印刷用紙であって、
    上記古紙パルプが雑誌古紙パルプを90質量%以上100質量%以下含有し、
    JIS−P8251(2003)「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した上記雑誌古紙パルプの灰分率が18%以下であり、
    JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記雑誌古紙を離解した離解パルプのうち、JIS−P8120(1998)「紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法」に準拠して測定した機械パルプの呈色を示すパルプの含有量が85質量%以上であり、
    カチオン系界面活性剤を含む嵩高剤を上記原料パルプの絶乾重量に対して2kg/t以上10kg/t以下含有してなる紙料を抄紙して得られ、
    坪量が41g/m以上47g/m以下であり、
    紙厚が74μm以上95μm以下であり、
    白紙不透明度が92%以上98%以下であり、
    JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下であることを特徴とする印刷用紙。
  2. 脱墨剤を用いるフローテーション法によって古紙パルプが75質量%以上の原料パルプを脱墨処理する工程と、
    上記脱墨処理後の原料パルプを抄紙する工程と
    を有する印刷用紙の製造方法であって、
    上記古紙パルプが雑誌古紙パルプを90質量%以上100質量%以下含有し、
    JIS−P8251(2003)「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した上記雑誌古紙パルプの灰分率が18%以下であり、
    JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記雑誌古紙を離解した離解パルプのうち、JIS−P8120(1998)「紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法」に準拠して測定した機械パルプの呈色を示すパルプの含有量が85質量%以上であり、
    上記脱墨処理における離解パルプスラリーのpHが8.0以上9.5以下であり、
    上記脱墨剤が脂肪酸系脱墨剤及び/又は高級アルコール系脱墨剤を含み、
    上記脱墨剤の添加量が、上記絶乾原料パルプに対し固形分で2.1kg/t以上3.3kg/t以下であり、
    上記抄紙工程において、上記原料パルプの絶乾重量に対して2kg/t以上10kg/t以下のカチオン系界面活性剤を含む嵩高剤を含有してなる紙料を抄紙し、
    上記印刷用紙が、坪量が41g/m以上47g/m以下であり、紙厚が74μm以上95μm以下であり、白紙不透明度が92%以上98%以下であり、JIS−P8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠して上記印刷用紙を離解した離解パルプを、JIS−P8207(2009)「パルプ−ふるい分け試験方法」に準拠し、第1そうのふるい網の目開きを710μm、第2そうのふるい網の目開きを355μm、第3そうのふるい網の目開きを180μm、第4そうのふるい網の目開きを106μmとして測定したふるい分け度(質量%)において、第1そう残(C)の割合が25質量%以上35質量%以下、第2そう残(C)の割合が17質量%以上25質量%以下、第4そう通過分(C)の割合が15質量%以上25質量%以下であることを特徴とする印刷用紙の製造方法。
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