JP3283246B2 - パルプシートの製造方法 - Google Patents

パルプシートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩、白色度や不透
明度のような光学的特性が向上したパルプシートを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境保護の面から、パルプの使用量
削減が求められ、その結果、紙の軽量化と古紙パルプの
増配合が求められている。しかしながら、単に紙中のパ
ルプ量を削減して得られる紙は、紙が薄くなることによ
る不透明度低下が起こり品質の劣るものとなる。また、
紙中のパルプ量を低減させる軽量化では、板紙のように
厚さの三乗に比例する剛度を要求される紙では、剛度が
低下し望ましくない。一方、古紙パルプの配合比率を高
めると、古紙パルプ中の残インキ等による白色度の低下
や、リサイクル過程でパルプ自体が細くなること等によ
り紙厚が低下し不透明度低下が起こる。従って、紙中の
パルプ量を削減すると共に古紙パルプの配合比率を高く
すると、得られる紙の不透明度及び白色度が一段と低下
する。また、白色度の低下をもたらす古紙パルプを脱墨
や漂白により白色度を高めると得られた紙の不透明度は
更に減少し好ましくない。
【0003】軽量化による厚さの低下を防止することを
目的として、従来より種々の嵩向上方法が試みられてき
た。例えば、プレス圧を低くする製造方法は、平滑性が
低下し印刷適性が劣るという問題がある。また、架橋パ
ルプを用いる(特開平4-185792号等)、合成繊維と混抄
する(特開平3-269199号等)、パルプ繊維間に無機物等
の充填物を満たす(特開平3-124895号等)、空隙をもた
らす(特開平5-230798号等)等の方法も挙げることがで
きるが、パルプのリサイクルが不可能であったり、紙の
平滑度が損なわれたりする。また、紙用嵩高剤として
は、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキ
レン付加物(W098/03730号)が知られている。更に嵩高
剤として市販されている脂肪酸ポリアミドポリアミン型
の性能は十分でない。
【0004】一方、不透明度、白色度を向上させるため
に、炭酸カルシウム、カオリン、ホワイトカーボン等の
無機填量を多量(例えば5〜20重量%)に添加する方法
が当業界で実施されている。しかしながら、単に無機填
量を多量に添加すると紙の重量増加が著しい。たとえパ
ルプ量を削減して無機填量を添加しても、紙の軽量化を
達成できない。特に古紙パルプに無機填量を添加する場
合は多量必要となり、紙の軽量化は益々困難となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、紙の
軽量化と古紙パルプの増量に伴う前記諸問題を解決する
ことであり、具体的には、パルプ表面を改質すること
で、嵩向上、白色度向上及び不透明度向上の少なくとも
2つが達成されたパルプシートを得ることができる方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記に定義す
る離水度が4%以上となる化合物を抄紙工程以前でパル
プスラリーに内添し、下記(1)〜(3)の何れか2つ
以上を満たす改質されたパルプシートを製造する方法及
びパルプシートの改質方法を提供する。また、本発明は
該方法によって得られたパルプシートを提供する。
【0007】離水度(%)=(α0−α)/α0×100 α:当該化合物をパルプ100重量部に対し5重量部添加
して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α0:当該化合物をパルプに添加しないで抄紙して得た
湿潤シートの含水率 (1)嵩向上度が0.02g/cm3以上 (2)白色度向上度が0.5ポイント以上 (3)不透明度向上度が0.5ポイント以上。
【0008】この(1)〜(3)は、ぞれぞれ、抄紙の
際に当該化合物を添加しないブランクに対しての向上度
をいう。ここで、嵩は、パルプシートの坪量(g/m2
と厚み(mm)から計算され、下記計算式により求まる緊
度(g/cm3)と同義である。 緊度=(坪量)/(厚み)×0.001 また、白色度はJIS P 8123ハンター白色度により、不透
明度はJIS P 8138A法により測定されたものである。
【0009】更に、本発明における離水度の測定方法を
詳述する。 〔離水度の測定方法〕 (A)使用パルプ JIS P 8209のパルプ試験用手すき紙の調製法により調製
した手すきパルプシートのハンター白色度(JIS P 812
3)が80±5%であるブナ由来の広葉樹晒しパルプ(以
後、LBKPという)を使用する。 (B)離水度の測定 LBKPを、25±3℃で一定量をビーターにて離解そ
してカナダ標準濾水度(JIS P 8121)で460±10mlに叩
解してパルプ濃度が1.0重量%のLBKPスラリーを得
る。
【0010】このパルプスラリーを抄紙後のシートのL
BKP分の坪量が80±2g/m2になるように量り取って
から、硫酸アルミニウムでpHを4.5に調製した後、当該
化合物の1.0重量%のエタノール溶液をパルプ100重量部
に対して5重量部(純分)添加し、丸型タッピ抄紙機にて
150メッシュワイヤー(面積200cm2)で抄紙し湿潤シー
トを得る。湿潤シートの上に坪量320±20g/m2のろ紙
(直径185mm)2枚を重ね、更にその上にコーチプレー
トを重ねコーチングした後、湿潤シートを取り出す。次
いで湿潤シートを前記のろ紙2枚で上下をはさみ、圧力
340±10kPaで5分間プレスする。プレス後、速やかに湿
潤シートの重量w(g)を秤量する。
【0011】次に105±3℃、60分間乾燥し、得られた
乾燥シートの重量Wd(g)を秤量する。上記で求め
たW、Wdから、(1)式により含水率α(%)を求め
る。
【0012】 α(%)=(W−Wd)/W×100 (1) また、当該化合物を添加しないで同様にシートを調製
し、同様にして求めた含水率をα0とする。上記で求
めた含水率α、α0から、下式(2)より離水度を求め
る。
【0013】 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 (2)。
【0014】このように、所定の方法により1.0重量%
のLBKPスラリーを調製し、対パルプ5重量%の添加
で離水度を測定することにより、本発明の化合物は容易
に特定される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で定義する離水度が4%以
上となる化合物は、パルプスラリー中に添加されパルプ
に定着すると、パルプ表面を疎水化するので、パルプと
水溶液の界面張力が増大し、抄紙時パルプ間に空隙が多
くなり、嵩高いパルプシートが得られたり、光学的にも
反射率が大きくなることにより、白色度や不透明度が向
上したパルプシートが得られるものと考えられる。ま
た、前記化合物の少量添加時のようにパルプ表面の一部
しか疎水化されず、パルプ間の空隙が増大せず、嵩高性
の発現が少ない場合でも、パルプ間の水素結合数が減少
することでパルプ表面積が増大し、光学的に反射率が大
きくなり、白色度や不透明度の向上が発現するものと考
えられる。なお、白色度は明度(L値)とb値から算出
され、L値が大きいほどb値が小さいほど大きくなる
が、本発明による白色度向上効果はL値が増大すること
により起こると考えられる。従来、パルプ表面の疎水性
と嵩高性及び光学的特性との関係については知られてい
なかったが、本発明者はこの両者に相関があることを見
出した。更に上記で規定する離水度が4%以上、好まし
くは5%以上となる化合物を用いた場合に、少量添加で
も嵩、白色度、不透明度が向上したパルプシートが得ら
れることを見出した。なお、パルプシートとはJIS P 00
01に記す紙及び板紙を総称していう。
【0016】本発明において、離水度が4%以上となる
化合物は、パルプ表面に吸着するための親水基とパルプ
表面を疎水化するための疎水基を有する有機化合物が好
ましく、(A)オルガノシロキサン、(B)グリセリルエーテ
ル、(C)アミド、(D)アミン、(E)アミン酸塩、(F)4級ア
ンモニウム塩、(G)イミダゾール、(H)多価アルコールと
脂肪酸のエステル、及び(I)多価アルコールと脂肪酸の
エステルであって、当該エステル1モル当たり平均で0
モル超12モル未満の炭素数2〜4のアルキレンオキサイ
ド基を有するアルキレンオキサイド付加エステルからな
る群から、選定することができる。
【0017】(A)オルガノシロキサンは、25℃の粘度が1
0〜1,000,000mPa・sのメチルポリシロキサン、グリフ
ィン法によるHLBが1〜14のポリオキシエチレンメチ
ルポリシロキサン共重合体、HLBが1〜14のポリ(オ
キシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサ
ン共重合体等が挙げられる。
【0018】(B)グリセリルエーテルは下記一般式(a)で
示される化合物等が挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】(式中、R1は炭素数8〜35のアルキル基、
アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基である。) (C)アミド、(D)アミン、(E)アミン酸塩、(F)4級アンモ
ニウム塩、(G)イミダゾールは下記一般式(b)〜(j)で示
される化合物等が挙げられる。なお、アミン酸塩はイオ
ン化したものも、イオン化してないものも含む。
【0021】
【化2】
【0022】〔式中、Y1,Y2:互いに同一又は相異なっ
て、水素原子、R4、R6CO-、-(AO)n-COR3又は-(AO)n-H AO:炭素数2〜4のアルキレンオキサイド Y3:水素原子又は-COR6
【0023】
【化3】
【0024】R1:前記一般式(a)と同じ R2,R3,R6,R9:炭素数7〜35のアルキル基、アルケニル
基又はβ−ヒドロキシアルキル基 R4,R5:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基 R7,R8:炭素数1〜3のアルキル基 R10:水素原子又はR9 n:1〜20の数で平均モル数X-:陰イオン〕。
【0025】また、(H)、(I)の化合物を構成する多価ア
ルコールは、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2
〜24の2〜14価アルコールが好ましく、2〜8価アルコ
ールがより好ましく、3〜6価アルコールが特に好まし
い。2価アルコールとしては、エーテル基を含んでいて
もよい総炭素数2〜10のもの、例えばプロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、
ジブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ
る。3価以上のアルコールとしては、エーテル基を有し
ていてもよい総炭素数3〜24のアルコールで、1分子中
の総水酸基数/総炭素数=0.4〜1であるもの、例えば
グリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜5)、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、アラビ
トール、ソルビトール、スタキオース、エリトリット、
アラビット、マンニット、グルコース、ショ糖等が挙げ
られる。特に好ましくはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、エーテル基を有
していてもよい総炭素数3〜12のアルコールで、1分子
中の水酸基数/総炭素数=0.5〜1である3価以上のア
ルコールである。更に好ましくはグリセリン、ポリグリ
セリン(平均縮合度2〜4)、ペンタエリスリトールで
ある。
【0026】また、これらのエステルを構成する脂肪酸
は、炭素数1〜24、好ましくは炭素数10〜22の脂肪酸が
挙げられ、飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでもよ
く、特に直鎖脂肪酸が好ましい。更に好ましくは、ラウ
リン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミ
リスチン酸、ベヘン酸である。
【0027】これらのエステルは、公知のエステル化反
応及びアルキレンオキサイド付加反応を行うことで得る
ことができる。例えば、脂肪酸と多価アルコールの混合
物に要すればエステル化触媒を添加し、150〜250℃で反
応させることによりエステルが得られ、更にアルカリ触
媒等の存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを
付加することにより、アルキレンオキサイド付加エステ
ルが得られる。また、脂肪酸あるいは多価アルコールに
アルキレンオキサイドを付加後、エステル化してもよ
い。更に脂肪酸にアルキレンオキサイド付加のみを行っ
て得られる場合もある。
【0028】このエステルのエステル平均置換度は、好
ましくは1モルの多価アルコール当たり、アルコール中
のOHが10〜95当量%置換されたものであり、特に好まし
くは1モルの多価アルコール当たり1〜2モルのエステ
ル基を有するものである。
【0029】アルキレンオキサイド付加エステルを用い
る場合、AOの付加モル数は、エステル1モル当たり平均
で0モル超12モル未満であり、0.1〜6モルが好まし
い。なお、エチレングリコール等のようにAO基となり得
る多価アルコールを使用した場合においては、それらも
AO基の数に算入する。アルキレンオキサイドはエチレン
オキサイド(以後、EOという)、プロピレンオキサイド
(以後、POという)が好ましい。これらはEO、POの単独
あるいはEOとPOの混合の何れでもよい。本発明では、AO
基を含まない多価アルコールと脂肪酸のエステルを用い
ることが特に好ましい。
【0030】本発明で用いられる化合物は、液体品はそ
のままで添加してもよいが、固体品は粉砕後あるいは加
熱溶融して又は水等で希釈して添加してもよい。また、
要すればノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性系
の界面活性剤を、当該化合物の乳化剤もしくは分散剤と
して使用してもかまわない。好ましくはアニオン界面活
性剤又はカチオン界面活性剤界面活性剤であり、更に好
ましくは、下記のものである。 ・高級脂肪酸塩 例えばステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリ
スチン酸、ラウリン酸、ロジン酸及びトール油脂肪酸の
ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩等。 ・高級アルコール硫酸エステル塩 例えばラウリル硫酸エステル、ミリスチル硫酸エステ
ル、パルミチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル
及びオレイル硫酸エステルのナトリウム塩、カリウム
塩、及びアンモニウム塩。 ・アルキルベンゼンスルフォン酸塩 例えば直鎖ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム及
び分岐鎖ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等。 ・スルホコハク酸ジエステル塩 例えばスルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステル
ナトリウム塩、スルホコハク酸ジイソトリデシルエステ
ルナトリウム塩及びスルホコハク酸ジシクロヘキシルス
ルホコハク酸等。 ・ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物 ・ポリカルボン酸塩 例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びポリマレ
イン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及び
アンモニウム塩、あるいはアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸及びスチレンの群から選ばれる2種以上から
なる共重合物のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩及びアンモニウム塩等。 ・第4級アンモニウム塩 ラウリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルア
ンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム及びジ
ステアリルジメチルアンモニウムの塩酸塩等。
【0031】その際の本発明の化合物と界面活性剤との
比率は、本発明の化合物/界面活性剤=99.9/0.1〜70
/30(重量比)、好ましくは99.8/0.2〜80/20であ
る。
【0032】本発明の化合物は、サーモメカニカルパル
プ(TMP)等の機械パルプ、LBKP等の化学パルプ
等のヴァージンパルプ、古紙パルプ等のパルプ原料に広
く適用できる。古紙パルプを配合する場合は、その配合
量は原料パルプ中10重量%以上が好ましく、30重量%以
上がより好ましい。
【0033】本発明の化合物は、抄紙工程以前の何れか
において添加される(内添)。その添加場所としては、
パルプ原料の稀薄液が金網上を進む間に濾水されて紙層
を形成する抄紙工程以前で、パルパーやリファイナー等
の離解機や叩解機、マシンチェストやヘッドボックスや
白水タンク等のタンク、あるいはこれらの設備と接続さ
れた配管中に添加してもよいが、リファイナー、マシン
チェスト、ヘッドボックスで添加する等、均一にパルプ
原料にブレンドできる場所が望ましい。本発明の化合物
は、パルプ原料に添加後、そのまま抄紙されパルプシー
ト中に大部分残存することが好ましい。
【0034】なお、抄紙時にはサイズ剤、填料、歩留り
向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤等を添加してもよ
い。特に、本発明の化合物がその機能を発現するために
は、パルプに定着することが重要であり、そのために定
着を促進する剤を添加することが好ましい。定着を促進
する剤としては、硫酸アルミニウム、カチオン化デンプ
ン、アクリルアミド基を有する化合物、ポリエチレンイ
ミン等が挙げられる。定着を促進する剤の添加量はパル
プ原料100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
【0035】本発明の化合物は、パルプ原料100重量部
に対して0.01〜5重量部の添加、特に0.1〜2重量部の
少量添加でも、パルプシートの嵩高効果、白色度又は不
透明度等の光学的特性のうち少なくとも2つが向上す
る。
【0036】本発明の化合物を用いて得られたパルプシ
ートは、無添加シートに比べて、嵩高さの指標である緊
度が0.02g/cm3以上、好ましくは0.03g/cm3以上低
く、白色度は0.5ポイント以上、好ましくは0.7ポイント
以上高く、不透明度は0.5ポイント以上、好ましくは0.7
ポイント以上高い。
【0037】また、本発明の化合物を用いて得られたパ
ルプシートは、紙パルプ技術便覧(紙パルプ技術協会発
行、455〜460頁、1992年)に記載された品目分類の中の
新聞巻取紙、印刷・情報用紙、包装用紙等の紙、又は板
紙に好適に用いられる。
【0038】
【実施例】例中、特記しない限り「部」は重量部であ
り、「%」は重量%である。 〔実施例で用いた化合物〕表1〜6に用いた化合物とそ
の離水度を示した。なお、離水度の測定時にはアドバン
テック東洋(株)生産用ろ紙No.26(直径185mm、坪量32
0g/m2)を用いた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】F−1:ペンタエリスリトールモノステア
レート4.5gとドデシル硫酸ナトリウム0.5gとを、70℃
の温水95g中に添加し、攪拌均一化した後、1時間25℃
で放置して調製した有効分5%の分散液。 F−2:ペンタエリスリトールモノステアレート4.0g
とセチルトリメチルアンモニウム塩酸塩1.0gとを、70
℃の温水95g中に添加し、攪拌均一化した後、1時間25
℃で放置して調製した有効分5%の分散液。 〔パルプ原料〕パルプ原料としては下記に示される古紙
パルプ及びヴァージンパルプを用いた。 <古紙パルプ>古紙パルプは市中回収された原料古紙
(新聞紙/チラシ=70/30%)100部に対し、60℃の温
水及び水酸化ナトリウム1部、珪酸ソーダ3部、30%過
酸化水素水3部、脱墨剤として、牛脂/グリセリン(1
/1重量比)EOPOブロック付加物(平均付加モル数=EO
70モル、PO10モル)0.3部を加え、離解後フロテーショ
ン処理、水洗、濃度調整を行い得た1%の脱墨パルプス
ラリーを用いた。このもののカナダ標準濾水度(JIS P81
21)は220mLであった。 <ヴァージンパルプ> ・化学パルプ:LBKP(広葉樹晒パルプ)を、25℃で
叩解機にて離解、叩解して1%のLBKPスラリーとし
たものを用いた。このもののカナダ標準濾水度(JIS P81
21)は420mLであった。 ・機械パルプ:TMP(サーモメカニカルパルプ)を90
℃の温水で離解して1%のTMPスラリーとしたものを
用いた。このもののカナダ標準濾水度(JIS P 8121)は10
0mLであった。 〔抄紙方法−1〕古紙パルプスラリー及びLBKPパル
プスラリーをそれぞれ抄紙後のシートのパルプの坪量が
60g/m2になるように量り取ってから硫酸アルミニウム
でpHを4.5に調整した。次いで表1〜6に示す種々の
化合物をパルプ100部当たり0.5部添加し、角型タッピ抄
紙機にて80メッシュワイヤー(面積200cm2)で抄紙しシ
ートを得た。抄紙後のシートは、3.5kg/cm2で2分間プ
レス機にてプレスし、鏡面ドライヤーを用い105℃で1
分間乾燥した。乾燥されたシートを20℃、湿度65%の条
件で1日間調湿してから紙の緊度、白色度及び不透明度
を以下の方法で測定した。測定値は10回の平均値であ
る。結果を表7、8に示す。 <評価項目・方法> ・緊度 調湿されたシートの坪量(g/m2)と厚み(mm)を測定
し、下記計算式により緊度(g/cm3)を求めた。
【0046】緊度=(坪量)/(厚み)×0.001 緊度は小さいほど嵩が高く、また緊度の0.02の差は有意
差として十分に認識されるものである。 ・白色度 JIS P 8123ハンター白色度による。白色度の0.5ポイン
トの差は有意差として十分に認識されるものである。 ・不透明度 JIS P 8138A法による。不透明度の0.5ポイントの差は
有意差として十分に認識されるものである。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】〔抄紙方法−2〕古紙パルプスラリー及び
LBKPパルプスラリーをそれぞれ抄紙後のシートの坪
量が60g/m2になるように量り取ってから前記A-5、F-
1、F-2又はE-1の化合物をパルプ100部当たり0.5部添加
し、角型タッピ抄紙機にて80メッシュワイヤー(面積20
0cm2)で抄紙しシートを得た。抄紙後のシートは、3.5kg
/cm2で2分間プレス機にてプレスし、鏡面ドライヤー
を用い105℃で1分間乾燥した。乾燥されたシートを20
℃、湿度65%の条件で1日間調湿してから紙の緊度、白
色度及び不透明度を前記の方法で測定した。測定値は10
回の平均値である。結果を表9に示した。
【0050】
【表9】
【0051】〔抄紙方法−3〕古紙パルプスラリー及び
TMPパルプスラリーを重量比で50/50で混合したパル
プスラリーを用いて、化合物をパルプ100部当たり0.3〜
0.8部添加し、抄紙方法−1に準じてシートの調製及び
各項目について評価した。結果を表10に示した。
【0052】
【表10】
【0053】表7〜10より、本発明の化合物によれば、
古紙パルプ、ヴァージンパルプ(LBKP)、古紙パル
プとヴァージンパルプ(TMP)との混合パルプの何れ
においても、嵩、白色度、不透明度が向上したパルプシ
ートが得られることがわかる。また、実施例31、実施例
37と実施例40では、白色度及び不透明度が向上したパル
プシートが得られた。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、少量添加でも紙の軽量
化と古紙パルプの増配合で要望される嵩向上、白色度向
上や不透明度向上等の少なくとも2つが達成されたパル
プシートが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 広通 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 平11−269799(JP,A) 特開2001−81687(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に定義する離水度が4%以上となる
    化合物を抄紙工程以前でパルプスラリーに内添し、下記
    (1)〜(3)の何れか2つ以上を満たす改質されたパ
    ルプシートを製造する方法。 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 α:当該化合物をパルプ100重量部に対し5重量部添加
    して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α0:当該化合物をパルプに添加しないで抄紙して得た
    湿潤シートの含水率 (1)嵩向上度が0.02g/cm3以上 (2)白色度向上度が0.5ポイント以上 (3)不透明度向上度が0.5ポイント以上
  2. 【請求項2】 下記に定義する離水度が4%以上となる
    化合物を抄紙工程以前でパルプスラリーに内添し、下記
    (1)〜(3)の何れか2つ以上をパルプシートに付与
    するパルプシートの改質方法。 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 α:当該化合物をパルプ100重量部に対し5重量部添加
    して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α0:当該化合物をパルプに添加しないで抄紙して得た
    湿潤シートの含水率 (1)嵩向上度が0.02g/cm3以上 (2)白色度向上度が0.5ポイント以上 (3)不透明度向上度が0.5ポイント以上
  3. 【請求項3】 下記に定義する離水度が4%以上となる
    化合物を抄紙工程以前でパルプスラリーに内添して得ら
    れる、下記(1)〜(3)の何れか2つ以上を満たす改
    質されたパルプシート。 離水度(%)=(α0−α)/α0×100 α:当該化合物をパルプ100重量部に対し5重量部添加
    して抄紙して得た湿潤シートの含水率 α0:当該化合物をパルプに添加しないで抄紙して得た
    湿潤シートの含水率 (1)嵩向上度が0.02g/cm3以上 (2)白色度向上度が0.5ポイント以上 (3)不透明度向上度が0.5ポイント以上
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