JP2002327383A - 雑誌古紙再生紙およびその製造方法 - Google Patents

雑誌古紙再生紙およびその製造方法

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JP2002327383A
JP2002327383A JP2001127997A JP2001127997A JP2002327383A JP 2002327383 A JP2002327383 A JP 2002327383A JP 2001127997 A JP2001127997 A JP 2001127997A JP 2001127997 A JP2001127997 A JP 2001127997A JP 2002327383 A JP2002327383 A JP 2002327383A
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Ryuichi Kurata
竜一 蔵田
Tamiji Masatoki
民治 政時
Kenji Endo
憲司 遠藤
Shinya Koyama
慎也 小山
Katsuhiko Shimazaki
克彦 島崎
Michitoshi Ashizawa
通利 芦澤
Hideo Ishii
秀夫 石井
Kyohei Matsutake
恭平 松武
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SHIN FUJI PAPER CO Ltd
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SHIN FUJI PAPER CO Ltd
Sony Corp
Oji Paper Co Ltd
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料として利用度の低い雑誌古紙を簡単で且
つ自然環境に優しい処理によって利用度の高い古紙再生
紙にすること。 【解決手段】 原料の雑誌古紙を離解工程、除塵工程、
繊維化工程を経て古紙再生紙を製造する方法であって、
繊維化工程後に柔軟剤および紙力増強剤を添加し、脱墨
工程、漂白工程、および着色工程を施さない状態を維持
し、次の抄紙工程において複数層に積層して所定厚さの
板紙またはライナー紙に形成し、該板紙またはライナー
紙の表面側となる面に日焼け防止と白色度向上とを兼ね
た白色化物質の層を形成するものであって、特に、自然
環境に悪影響を及ぼす塩素・過酸化水素などの漂白剤お
よび蛍光増白剤などの化学薬品を使用しないので、有害
物の排水が抑制され水質汚染防止の増進につながるばか
りでなく、白色化物質の層を形成することにより、雑誌
古紙を原料とした古紙再生紙でも、日焼けせず且つ利用
度の高い略70%程度の白色度に向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、雑誌古紙
を再生資源として使用した包装材料用の古紙再生紙およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の雑誌古紙は再資源化率が略30
%程度であって、新聞古紙(略100%)や段ボール古
紙(略70%)に比べて著しく低く、低再生資源化率の
材料として取り扱われている。この雑誌古紙1トンは、
略成木20本に相当するものであり、これを再資源化の
材料として使用した再生紙の用途拡大は、森林資源の保
護に繋がり惹いては地球環境の保全に繋がるものであ
る。
【0003】雑誌古紙を再資源化の材料として使用する
場合に、再資源化処理のコストと環境汚染の面とを考慮
して、雑誌の成型に使用されていたホットメルトやホッ
チキス針等の異物を除去すると共に、雑誌の表紙印刷の
非繊維物質を分離除去する工程を行った後に、水洗いを
してそのまま、即ち、脱墨処理(フローテーション処
理)、漂白処理および着色処理等の工程(加工)を施さ
ない状態で、つまり、環境に影響を及ぼすような化学薬
品を用いて漂白したり、印刷インキを分離除去するよう
なことは行わず、無脱墨、無漂白、無着色の状態で使用
することが好ましいのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、雑誌古
紙の再生紙は、その原料である雑誌に使用される紙材は
低級のものが多いため原料となるパルプ中に含まれるリ
グニン(GP質)の成分が除去されていないのであり、
例えば、雑誌古紙100%で生成された再生紙には、リ
グニンが多量に含まれている。
【0005】このように再生紙中にリグニンが多量に含
まれていると、太陽光や紫外線によって日焼け(変色)
しやすく、ましてや無脱墨、無漂白、無着色であるため
包装用材料として使用した場合に、表面反射率が略50
%程度で白色度が低く灰色を呈しており、商品情報表示
のためにカラー印刷しても明彩度が低く表示効果や美粧
性に難点があることから、雑誌古紙の再生紙は、主とし
て板紙用紙の中層に、いわゆるアンコ材料として使用さ
れることが多くその用途に限界があるため、使用量を増
やすことができなかったのである。
【0006】また、雑誌古紙100%で生成された再生
紙は、短繊維を多く含んでいることから全体として引っ
張り強度に弱く、特に、包装用材料として板紙用紙に形
成した場合に、折り曲げ加工の際に折り曲げの外側にな
る部分が裂けてヒビが入るという問題点があり、それに
よっても使用量を増やすことができない要因になってい
る。
【0007】従って、雑誌古紙を再資源化の材料として
有効に使用するには、日焼けの抑制処理をすること、表
面反射率(白色度)を70%程度にまで向上させてカラ
ー印刷の美粧表示ができるようにすること、および折り
曲げ強度を向上させすることに解決課題を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記従来例の課題を解決
する具体的手段として本発明は、第1の発明として、雑
誌古紙を原料とし、離解・繊維化して無脱墨、無漂白、
無着色の状態で使用し、添加剤を添加し複数層に抄紙積
層して所定厚さの板紙またはライナー紙に形成した古紙
再生紙であって、該古紙再生紙の表面に日焼け防止と白
色度向上とを兼ねた白色化物質の層を形成したことを特
徴とする古紙再生紙、並びに第2の発明として、雑誌古
紙と段ポール古紙とを原料とし、離解・繊維化して無脱
墨、無漂白、無着色の状態で使用し、添加剤を添加し複
数層に抄紙積層して所定厚さの板紙またはライナー紙に
形成した古紙再生紙であって、雑誌古紙を少なくとも7
0%使用した混合材料で形成すると共に、複数層の内少
なくとも一層を雑誌古紙100%の単一材料で形成し、
該古紙再生紙の表面に日焼け防止と白色度向上とを兼ね
た白色化物質の層を形成したことを特徴とする古紙再生
紙を提供するものである。
【0009】上記第1の発明および第2の発明において
は、表面に所要の印刷を施した後に、UVカット成分を
含む塗布材を塗布したことを付加的な要件として含むも
のである。
【0010】更に、本発明においては、第3の発明とし
て、原料の雑誌古紙を離解工程、除塵工程、繊維化工程
を経て古紙再生紙を製造する方法であって、繊維化工程
後に柔軟剤および紙力増強剤を添加し、脱墨工程、漂白
工程、および着色工程を施さない状態を維持し、次の抄
紙工程において複数層に積層して所定厚さの板紙または
ライナー紙に形成し、該板紙またはライナー紙の表面側
となる面に日焼け防止と白色度向上とを兼ねた白色化物
質の層を形成することを特徴とする古紙再生紙の製造方
法、並びに第4の発明として、原料として雑誌古紙と段
ポール古紙とを使用し、離解工程、除塵工程、繊維化工
程を経て古紙再生紙を製造する方法であって、繊維化工
程後に柔軟剤および紙力増強剤を添加し、脱墨工程、漂
白工程、および着色工程を施さない状態を維持し、次の
抄紙工程において複数層に積層して所定厚さの板紙また
はライナー紙に形成し、該抄紙工程で雑誌古紙を少なく
とも70%使用した混合材料で複数層を形成すると共
に、該複数層の内少なくとも一層を雑誌古紙100%の
単一材料で形成し、該古紙再生紙の表面に日焼け防止と
白色度向上とを兼ねた白色化物質の層を形成したことを
特徴とする古紙再生紙の製造方法を提供するものであ
る。
【0011】上記第3の発明および第4の発明において
は、白色化物質の層は、乾燥工程後に形成すること;お
よび白色化物質の層は、白色化物質の塗工後にエアナイ
フまたはブレード手段によって形成されることを付加的
な要件として含むものである。
【0012】本発明は、原料として利用性が少なかった
雑誌古紙を使用して、しかも、環境問題を考慮して無脱
墨、無漂白、無着色の状態で抄紙し、表面に日焼け防止
と白色度向上とを兼ねた白色化物質の層を形成したこと
により、独特な風合いをもったライトグレーに仕上げる
ことができ、包装用材料として使用したときに、商品表
示のためにカラー印刷等の美粧印刷しても見栄えが良い
ばかりでなく、太陽光および紫外線等を受けても変色
(退色)しないものとなり、古紙再生紙としての利用度
が広がるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態について詳しく説明する。まず、図1に示した製造工
程図を参照しながら説明する。第1の実施の形態とし
て、雑誌古紙を100%使用する場合について説明する
と、第1のステップS1として古紙原料である雑誌古紙
等をバラバラにし、水に浸けた状態で例えばミキサー等
を使用するいわゆるパルパー(離解)工程によって全体
をドロドロの溶解状態にし、次の除塵工程において雑誌
の成型に使用されていたホットメルトやホッチキス針等
および塗工物質等の諸々の異物を比重差を利用して、ま
たはスクリーンを用いて除去する。但し、脱墨処理、漂
白処理および着色処理等の工程は行わない。
【0014】第2のステップS2として、溶解状態にあ
る古紙を水洗いした後にレファイナー(繊維化)し、所
要の添加剤、例えば、ラテックス等の柔軟剤と、クレ
ー、硫酸アルミ、サイズ剤等の内添剤、更にポリアクリ
ルアミド等の紙力増強剤等を選択的に添加し、全体を均
一に攪拌してから抄紙し、例えばロール等を用いて水絞
りを行う。この抄紙工程においては、複数層に積層させ
て抄紙するものであって、用途によって、例えば、3〜
5層の範囲で適宜選択できるのである。尚、第1のステ
ップS1と第2のステップS2までは、所定の添加剤を
添加することを除けば、従来行っている工程がそのまま
採用できる。
【0015】水絞りを行った抄紙は、第3のステップS
3として、半乾燥状態でその表面側となる面に白色化物
質の塗工後にエアナイフまたはブレード手段によって微
塗工を行う。この場合に使用される白色化物質は、例え
ば、二酸化チタン、クレー(カオリン)、炭酸カルシウ
ムなどであり、これらの一種または二種以上混合したも
のを、その特性に基づき適宜選択して使用することがで
きる。
【0016】これら白色化物質の特性について下記表に
示す。
【0017】第3ステップS3として、この種業界で一
般に使用されているような乾燥領域を通過させてドライ
パート(乾燥)工程を行う。また、第4ステップS4に
おいては、塗布した後にエアーで掻き落とすエアナイフ
と、掻き落とすブレード方法とがあり、白色化物質の特
性によって塗工手段が選択される。
【0018】即ち、図2に示したように、抄紙工程にお
いて複数層に抄紙した状態では、古紙再生紙1の表面が
荒れた状態になっていて微妙な凹凸面2があって、例え
ば、反射性能の低い白色化物質、即ち、カオリンまたは
炭酸カルシウムなどを使用する場合には、白色化物質の
塗布厚さが凹凸面2に沿って均一になるように、エアナ
イフによって白色化物質層3を形成する。特に、使用上
の粘度が低いことから、吹き付け塗装に適しているので
ある。
【0019】また、図3に示したように、反射性能の高
い白色化物質、即ち、二酸化チタンを使用する場合に
は、粘度が高いのでどちらかと云えばブレード方法に適
しているものであり、ブレードによって白色化物質層4
を形成する。この場合には、紙1の凹凸面2を埋めて白
色化物質層4の表面側が比較的平坦になり、凹凸面2の
山と谷とでは白色化物質層4の厚みに差が生ずるが、二
酸化チタンは反射性能が高いので、全体としては濃淡の
斑がなく略均一の美粧性に優れた色合いになるのであ
る。
【0020】これを仮に反射性能の低い白色化物質を使
用したとすると、凹凸面2の山と谷とで生ずる白色化物
質の厚みの差によって波状のまたは斑点状の斑が生じて
美粧性を欠如するものとなるのである。従って、白色化
物質は、その特性を生かした塗工手段を選択することに
より、紙としての品質が向上するのである。
【0021】第4ステップS4の微塗工に引き続き、更
に、第5のステップS5として、複数のロール間を通過
させるキャレンダー(平滑化)工程を経て第6ステップ
S6でリール状に巻き取られ、一応古紙再生紙として完
成するのである。
【0022】このように製造された古紙再生紙は、その
厚さによって、例えば、包装用容器(箱体)の材料、例
えば、板紙用紙として使用することもできるし、段ボー
ル用のライナー紙として使用することもできるのであ
る。いずれにしても、抄紙後のリール状に巻き取られた
古紙再生紙は、所定幅にするため両側の耳部を裁ち落と
して整揃しロール状態で出荷してもよいし、また、適宜
に裁断して出荷しても良いのである。
【0023】上記した第1の実施の形態では、雑誌古紙
100%使用したものであるが、用途によって、他の古
紙、例えば、段ボール古紙を雑誌古紙に混合して使用す
ることもできる。
【0024】この段ボール古紙を混合して使用する例を
第2の実施の形態として説明する。段ポール古紙の場合
は、繊維が比較的長いことから、雑誌古紙の紙質改善の
役目も果たすのであり、その混合の比率は、好ましく
は、雑誌古紙を70%以上使用し、段ボール古紙を30
%以下の割合で配合する。
【0025】そして、図1で示した工程と同様の工程を
もって古紙再生紙を製造するのであり、第1のステップ
S1において、重量比で雑誌古紙と段ボール古紙とを一
緒にしてパルパー(離解)と除塵を行うのである。次の
第2ステップS2においても同様に所要の添加剤を添加
し、略均等に攪拌した後に抄紙するのである。
【0026】この抄紙に際して、図4に示したように、
例えば、5層に抄紙する場合に、1層目から4層目まで
は雑誌古紙と段ボール古紙との混合材料5を積層し、5
層目は雑誌古紙100%の単一材料6を積層するように
することもでき、この混合材料5および単一材料6を含
めて古紙再生紙1となるものである。なお、用途によっ
ては、1層目と5層目を混合材料5を積層し、2層目〜
4層目に単一材料6を積層させても良いし、また、一層
おきに選択的に交互に混合材料5と単一材料6とを積層
させても良いのである。
【0027】このように混合材料5と単一材料6とを積
層させる場合には、予め第1のステップS1において、
両方の材料のものをそれぞれ別々に準備しておき、第2
ステップS2における抄紙の際に、別々の系統から混合
材料5と単一材料6とを供給することにより、簡単に異
なる材質のものを任意に積層できるのである。
【0028】そして、この実施の形態においても抄紙後
の工程は、第1図に示した第3のステップS3〜第6の
ステップS6の工程を経る点において、第1の実施の形
態と同じであり、その説明は重複するので省略する。
【0029】前述した実施の形態により製造された古紙
再生紙1は、その表面に白色化物質が塗布されているの
で、独特な風合いをもつライトグレーに視認され、包装
用容器として利用した場合に、その表面に包装されてい
る商品の形態・図柄または文字等をカラー印刷しても、
色彩のイメージが損なわれることはほとんどないのであ
る。
【0030】また、包装用容器として窓際等の日当たり
の良い場所に陳列された場合に、紫外線等による黄変化
を防止するために、その容器の加工時において、更に好
適な処理が行えるのであり、これを第3の実施の形態と
して説明する。
【0031】即ち、図5に示したように、包装用容器を
製造するために、まず、給紙ステップS7において古紙
再生紙1を供給し、印刷ステップS8において包装され
るべき商品についての形態・図柄または文字等を印刷す
る。
【0032】その印刷ステップS8の次に、インライン
コートステップS9による表面処理加工が施されてか
ら、スタックステップS10において所定の容器形成の
ための加工が施されて、裁断・出荷されるのである。
【0033】このインラインコートステップS9におい
ては、図6に示したように、古紙再生紙1の白色化物質
3(4)上に所定の印刷7が施された後に、その印刷7
の部分を全面的に覆うようにUVカット(吸収)成分を
約6%程度配合させた透明なニス等の塗布材8をオーバ
ープリント(塗布)するのである。
【0034】UVカット(吸収)成分としては、例え
ば、サリチュウ酸、2−ヒドロキベンゾセノン、アンソ
ク鉱酸、ケイビ酸、クマリン酸の各誘導体の一種または
二種以上が使用されるものである。
【0035】UVカット(吸収)成分のニスに対する配
合を約6%程度にすれば足りるのであって、その根拠に
ついては、下記のハンターLabの色差式による。 定義式: ΔL=L−Lt、 Δa=a−at、 Δb
=b−bt 但し、Lt、at、bt:基準(ハンター値)のデータ L、a、b :試料(ハンター値)のデータ Lab空間における上記の2つのデータ間の色差ΔEは
以下の式1によって得られる。
【式1】
【0036】因みに、成分試料の6%を配合して塗布し
た時に0.7g/m2 になり、その試料においてはΔL
=1.6、Δa=1.08、Δb=3.26であって、
前記式1を使用して計算したΔEの値は、
【式2】
【式3】 従って、ΔE=3.6±0.2の範囲になるようにUV
カット(吸収)成分を配合すれば良いのである。
【0037】このように少なくとも包装用容器(箱体)
の表示部分における印刷7部分をUVカット(吸収)成
分を配合させたニスで全面的に覆うことにより、日焼け
を防止して美粧性をより一層維持できるのである。
【0038】いずれにしても、原料として雑誌古紙を1
00%乃至は70%以上使用し、環境に悪影響を及ぼす
ような脱墨処理、漂白処理および着色処理等の工程は行
わないで抄紙し古紙再生紙としての包装用材料を生産す
るのであり、その包装用材料の表面を所要の加工をする
ことによって白色度が略70%程度のライトグレーに形
成でき、カラー印刷等の美粧印刷が可能で、且つ夏場の
合計1.5ヶ月相当の太陽光や紫外線を受けてもほとん
ど日焼け(退色)しないことが実験により確認されたの
であり、古紙再生紙を使用した包装容器を、そのまま店
頭に棒積みした状態で商品販売できるのである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の発
明に係る古紙再生紙は、雑誌古紙を原料とし、離解・繊
維化して無脱墨、無漂白、無着色の状態で使用し、添加
剤を添加し複数層に抄紙積層して所定厚さの板紙または
ライナー紙に形成した古紙再生紙であって、該古紙再生
紙の表面に日焼け防止と白色度向上とを兼ねた白色化物
質の層を形成したことにより、雑誌古紙を無脱墨、無漂
白、無着色の状態で使用しても、表面に白色化物質の層
が形成されていることから、長時間に渡る太陽光および
紫外線を受けても変色(退色)せず、しかも古紙再生紙
の表面の白色度が70%程度になり、モノクロ印刷のみ
ならずカラー印刷の色彩を損ねることなく綺麗に表示で
き、それによって包装用材料としての利用度が高まり、
雑誌古紙を原料として使用することにより、森林資源の
保護、省エネルギー、二酸化炭素の削減およびゼロエミ
ッション(廃棄物ゼロ)の増進につながるという優れた
効果を奏する。
【0040】また、本発明の第2の発明に係る古紙再生
紙は、雑誌古紙と段ポール古紙とを原料とし、離解・繊
維化して無脱墨、無漂白、無着色の状態で使用し、添加
剤を添加し複数層に抄紙積層して所定厚さの板紙または
ライナー紙に形成した古紙再生紙であって、雑誌古紙を
少なくとも70%使用した混合材料で形成すると共に、
複数層の内少なくとも一層を雑誌古紙100%の単一材
料で形成し、該古紙再生紙の表面に日焼け防止と白色度
向上とを兼ねた白色化物質の層を形成したことにより、
上記第1の発明で述べた効果の他に、段ボール古紙の有
する特性を利用して、強靱な板紙またはライナー紙とな
るのであり、その用途が更に増大するという優れた効果
を奏する。
【0041】更に、本発明の第3の発明に係る古紙再生
紙の製造方法は、原料の雑誌古紙を離解工程、除塵工
程、繊維化工程を経て古紙再生紙を製造する方法であっ
て、繊維化工程後に柔軟剤および紙力増強剤を添加し、
脱墨工程、漂白工程、および着色工程を施さない状態を
維持し、次の抄紙工程において複数層に積層して所定厚
さの板紙またはライナー紙に形成し、該板紙またはライ
ナー紙の表面側となる面に日焼け防止と白色度向上とを
兼ねた白色化物質の層を形成するものであって、特に、
自然環境に悪影響を及ぼす塩素・過酸化水素などの漂白
剤および蛍光増白剤などの化学薬品を使用しないので、
有害物の排水が抑制され水質汚染防止の増進につながる
ばかりでなく、白色化物質の層を形成することにより、
雑誌古紙を原料とした古紙再生紙でも、白色度が略70
%に向上するという優れた効果を奏する。
【0042】更にまた、本発明の第4の発明に係る古紙
再生紙の製造方法は、原料として雑誌古紙と段ポール古
紙とを使用し、離解工程、除塵工程、繊維化工程を経て
古紙再生紙を製造する方法であって、繊維化工程後に柔
軟剤および紙力増強剤を添加し、脱墨工程、漂白工程、
および着色工程を施さない状態を維持し、次の抄紙工程
において複数層に積層して所定厚さの板紙またはライナ
ー紙に形成し、該抄紙工程で雑誌古紙を少なくとも70
%使用した混合材料で複数層を形成すると共に、該複数
層の内少なくとも一層を雑誌古紙100%の単一材料で
形成し、該古紙再生紙の表面に日焼け防止と白色度向上
とを兼ねた白色化物質の層を形成したことにより、上記
第3の発明で述べた効果の他に、段ボール古紙の特性を
生かした古紙再生紙が製造でき、古紙再生紙としての用
途が拡大するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る製造方法をステップ
(工程)順に示したブロック図である。
【図2】同製造方法によって製造された古紙再生紙の第
1の実施の形態を拡大して示す略示的断面図である。
【図3】同製造方法によって製造された古紙再生紙の第
2の実施の形態を拡大して示す略示的断面図である。
【図4】同製造方法によって製造された古紙再生紙の第
3の実施の形態を拡大して示す略示的断面図である。
【図5】同製造方法によって製造された古紙再生紙を包
装用材料として使用する場合において、表示印刷後の表
面処理状況を示すブロック図である。
【図6】同表面処理された包装用材料を拡大して示す略
示的断面図である。
【符号の説明】
1 古紙再生紙、 2 凹凸面、 3、4 白色化物資
層、 5 混合材料、6 単一材料、 7 印刷、 8
塗布材、S1 第1のステップ、 S2 第2のステ
ップ、 S3 第3のステップ、S4 第4のステッ
プ、 S5 第5のステップ、 S6 第6のステッ
プ、S7 給紙ステップ、 S8 印刷ステップ、S9
インラインコートステップ、 S10 スタックステ
ップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000002886 大日本インキ化学工業株式会社 東京都板橋区坂下3丁目35番58号 (72)発明者 蔵田 竜一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 政時 民治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 遠藤 憲司 東京都中央区銀座4丁目7番5号 王子製 紙株式会社内 (72)発明者 小山 慎也 東京都中央区銀座4丁目7番5号 王子製 紙株式会社内 (72)発明者 島崎 克彦 静岡県富士市入山瀬1丁目1番1号 新富 士製紙株式会社内 (72)発明者 芦澤 通利 東京都中央区日本橋2丁目1番21号 新富 士製紙株式会社東京営業所内 (72)発明者 石井 秀夫 東京都板橋区坂下3丁目35番58号 大日本 インキ化学工業株式会社内 (72)発明者 松武 恭平 東京都板橋区坂下3丁目35番58号 大日本 インキ化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AA11 AC09 AG11 AG12 AG15 AG27 AH02 AH16 AH50 BD16 BE08 EA06 EA11 EA32 FA30 GA06 GA35

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雑誌古紙を原料とし、離解・繊維化して
    無脱墨、無漂白、無着色の状態で使用し、添加剤を添加
    し複数層に抄紙積層して所定厚さの板紙またはライナー
    紙に形成した古紙再生紙であって、 該古紙再生紙の表面に日焼け防止と白色度向上とを兼ね
    た白色化物質の層を形成したことを特徴とする古紙再生
    紙。
  2. 【請求項2】 表面に所要の印刷を施した後に、 UVカット成分を含む塗布材を塗布したことを特徴とす
    る請求項1に記載の古紙再生紙。
  3. 【請求項3】 雑誌古紙と段ポール古紙とを原料とし、
    離解・繊維化して無脱墨、無漂白、無着色の状態で使用
    し、添加剤を添加し複数層に抄紙積層して所定厚さの板
    紙またはライナー紙に形成した古紙再生紙であって、 雑誌古紙を少なくとも70%使用した混合材料で形成す
    ると共に、 複数層の内少なくとも一層を雑誌古紙100%の単一材
    料で形成し、 該古紙再生紙の表面に日焼け防止と白色度向上とを兼ね
    た白色化物質の層を形成したことを特徴とする古紙再生
    紙。
  4. 【請求項4】 表面に所要の印刷を施した後に、 UVカット成分を含む塗布材を塗布したことを特徴とす
    る請求項3に記載の古紙再生紙。
  5. 【請求項5】 原料の雑誌古紙を離解工程、除塵工程、
    繊維化工程を経て古紙再生紙を製造する方法であって、 繊維化工程後に柔軟剤および紙力増強剤を添加し、 脱墨工程、漂白工程、および着色工程を施さない状態を
    維持し、 次の抄紙工程において複数層に積層して所定厚さの板紙
    またはライナー紙に形成し、 該板紙またはライナー紙の表面側となる面に日焼け防止
    と白色度向上とを兼ねた白色化物質の層を形成すること
    を特徴とする古紙再生紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 白色化物質の層は、 乾燥工程前に形成することを特徴とする請求項5に記載
    の古紙再生紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 白色化物質の層は、 バーコータ手段によって形成されることを特徴とする請
    求項5または6に記載の古紙再生紙の製造方法。
  8. 【請求項8】 原料として雑誌古紙と段ポール古紙とを
    使用し、離解工程、除塵工程、繊維化工程を経て古紙再
    生紙を製造する方法であって、 繊維化工程後に柔軟剤および紙力増強剤を添加し、 脱墨工程、漂白工程、および着色工程を施さない状態を
    維持し、 次の抄紙工程において複数層に積層して所定厚さの板紙
    またはライナー紙に形成し、 該抄紙工程で雑誌古紙を少なくとも70%使用した混合
    材料で複数層を形成すると共に、 該複数層の内少なくとも一層を雑誌古紙100%の単一
    材料で形成し、 該古紙再生紙の表面に日焼け防止と白色度向上とを兼ね
    た白色化物質の層を形成したことを特徴とする古紙再生
    紙の製造方法。
  9. 【請求項9】 白色化物質の層は、 乾燥工程後に形成することを特徴とする請求項8に記載
    の古紙再生紙の製造方法。
  10. 【請求項10】 白色化物質の層は、 白色化物質の塗工後にエアナイフまたはブレード手段に
    よって形成されることを特徴とする請求項8または9に
    記載の古紙再生紙の製造方法。
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