JP2002326979A - ニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物、その製造方法、および5−ニトロ−1−テトラロン化合物の製造方法 - Google Patents
ニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物、その製造方法、および5−ニトロ−1−テトラロン化合物の製造方法Info
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- JP2002326979A JP2002326979A JP2001136544A JP2001136544A JP2002326979A JP 2002326979 A JP2002326979 A JP 2002326979A JP 2001136544 A JP2001136544 A JP 2001136544A JP 2001136544 A JP2001136544 A JP 2001136544A JP 2002326979 A JP2002326979 A JP 2002326979A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】5-ニトロ-1-テトラロン化合物の安全、且つ、
異性体の生成を伴わない合成方法の開発。 【解決手段】新規なニトロベンゼンカルボン酸アミド化
合物を見出し、この化合物から5-ニトロ-1-テトラロン
化合物を安全、且つ異性体の生成を伴わずに合成出来る
ことを見出した。 【効果】5-ニトロ-1-テトラロン化合物を安全、且つ異
性体の生成を伴わずに合成出来る
異性体の生成を伴わない合成方法の開発。 【解決手段】新規なニトロベンゼンカルボン酸アミド化
合物を見出し、この化合物から5-ニトロ-1-テトラロン
化合物を安全、且つ異性体の生成を伴わずに合成出来る
ことを見出した。 【効果】5-ニトロ-1-テトラロン化合物を安全、且つ異
性体の生成を伴わずに合成出来る
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なニトロベン
ゼンカルボン酸アミド化合物およびその製造法に関す
る。本発明の新規なニトロベンゼンカルボン酸アミド化
合物は、そのままでも種々の有機合成中間体又は原料物
質として有用であるが、酸触媒および/または脱水剤の
存在下に加熱すると環化し、5-ニトロ-1-テトラロン化
合物に変換することが出来るために、染料、樹脂原料、
医農薬などの原料に利用される。
ゼンカルボン酸アミド化合物およびその製造法に関す
る。本発明の新規なニトロベンゼンカルボン酸アミド化
合物は、そのままでも種々の有機合成中間体又は原料物
質として有用であるが、酸触媒および/または脱水剤の
存在下に加熱すると環化し、5-ニトロ-1-テトラロン化
合物に変換することが出来るために、染料、樹脂原料、
医農薬などの原料に利用される。
【0002】
【従来の技術】5-ニトロ-1-テトラロン化合物は、テト
ラリン環を脱水素しその後、還元を行うことにより、5-
アミノ-1-ナフトールに容易に変換することができる
等、染料、樹脂原料、医農薬原料として、有用な化合物
である。しかし、この化合物を安全、且つ異性体の生成
を伴わずに選択的に合成することは極めて困難である。
例えば、5-ニトロ-1-テトラロンの製法については、薬
学雑誌61,292(1940)、J.Med.Chem.,19,472(1976)および
J.Am.Chem.Soc.,93,5816(1971)は、5-ニトロテトラリ
ンを氷酢酸中、無水クロム酸で酸化すると、5-ニトロ-1
-テトラロンが得られることを報告している。しかし、
同時に異性体である5-ニトロ-4-テトラロンが生成す
る。このため、分離に手が掛かるという欠点がある。ま
た、無水クロム酸を両論量使用する反応は環境面からも
問題である。また、Chem.Pharm.Bull.,36,481(1988)で
は、1-(N,N-ジメチルアミノ)-4-ニトロ-1,3-ブタジエン
と2-シクロヘキセン-1-オンをキシレン中で24時間還流
攪拌することにより、5-ニトロ-1-テトラロンが収率36.
4%で得られることを報告している。しかし、この方法で
は、用いる原料が脂肪族ニトロ化合物であるために、原
料合成を含め、安全性に問題がある。
ラリン環を脱水素しその後、還元を行うことにより、5-
アミノ-1-ナフトールに容易に変換することができる
等、染料、樹脂原料、医農薬原料として、有用な化合物
である。しかし、この化合物を安全、且つ異性体の生成
を伴わずに選択的に合成することは極めて困難である。
例えば、5-ニトロ-1-テトラロンの製法については、薬
学雑誌61,292(1940)、J.Med.Chem.,19,472(1976)および
J.Am.Chem.Soc.,93,5816(1971)は、5-ニトロテトラリ
ンを氷酢酸中、無水クロム酸で酸化すると、5-ニトロ-1
-テトラロンが得られることを報告している。しかし、
同時に異性体である5-ニトロ-4-テトラロンが生成す
る。このため、分離に手が掛かるという欠点がある。ま
た、無水クロム酸を両論量使用する反応は環境面からも
問題である。また、Chem.Pharm.Bull.,36,481(1988)で
は、1-(N,N-ジメチルアミノ)-4-ニトロ-1,3-ブタジエン
と2-シクロヘキセン-1-オンをキシレン中で24時間還流
攪拌することにより、5-ニトロ-1-テトラロンが収率36.
4%で得られることを報告している。しかし、この方法で
は、用いる原料が脂肪族ニトロ化合物であるために、原
料合成を含め、安全性に問題がある。
【0003】このように、5-ニトロ-1-テトラロン化合
物を安全、且つ異性体の生成を伴わずに合成することは
極めて困難であり、安全、且つ異性体の生成を伴わずに
合成する方法が望まれている。
物を安全、且つ異性体の生成を伴わずに合成することは
極めて困難であり、安全、且つ異性体の生成を伴わずに
合成する方法が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なニト
ロベンゼンカルボン酸アミド化合物、その製造法および
安全、且つ異性体の生成を伴わない5-ニトロ-1-テトラ
ロン化合物の製造方法を提供する。
ロベンゼンカルボン酸アミド化合物、その製造法および
安全、且つ異性体の生成を伴わない5-ニトロ-1-テトラ
ロン化合物の製造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、5-ニトロ
-1-テトラロン化合物を安全、且つ異性体の生成を伴わ
ずに合成する方法を鋭意検討した結果、一般式(1)で
示される新規なニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物
を見出し、この化合物から5-ニトロ-1-テトラロン化合
物を安全、且つ異性体の生成を伴わずに合成出来ること
を見出した。
-1-テトラロン化合物を安全、且つ異性体の生成を伴わ
ずに合成する方法を鋭意検討した結果、一般式(1)で
示される新規なニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物
を見出し、この化合物から5-ニトロ-1-テトラロン化合
物を安全、且つ異性体の生成を伴わずに合成出来ること
を見出した。
【0006】すなわち、本発明は、 [1]一般式(1)で示されるニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物。
酸アミド化合物。
【0007】
【化5】 (式中、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [2]一般式(1)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物。 [3]一般式(2)で示されるニトロベンゼンニトリル
化合物を酸性条件下で水と反応させることを特徴とする
一般式(1)で示されるニトロベンゼンカルボン酸アミ
ド化合物の製造方法。
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [2]一般式(1)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物。 [3]一般式(2)で示されるニトロベンゼンニトリル
化合物を酸性条件下で水と反応させることを特徴とする
一般式(1)で示されるニトロベンゼンカルボン酸アミ
ド化合物の製造方法。
【0008】
【化6】 (式中、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [4]一般式(2)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物の製造
方法。 [5]一般式(3)で示されるニトロベンゼンカルボン
酸化合物および/またはその誘導体化合物を原料とする
ことを特徴とする一般式(1)で示されるニトロベンゼ
ンカルボン酸アミド化合物の製造方法。
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [4]一般式(2)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物の製造
方法。 [5]一般式(3)で示されるニトロベンゼンカルボン
酸化合物および/またはその誘導体化合物を原料とする
ことを特徴とする一般式(1)で示されるニトロベンゼ
ンカルボン酸アミド化合物の製造方法。
【0009】
【化7】 (式中、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [6]一般式(3)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物の製造
方法。 [7]一般式(1)で示されるニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物を原料とすることを特徴とする一般式
(4)で示される5-ニトロ-1-テトラロン化合物の製造
方法。
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [6]一般式(3)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物の製造
方法。 [7]一般式(1)で示されるニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物を原料とすることを特徴とする一般式
(4)で示される5-ニトロ-1-テトラロン化合物の製造
方法。
【0010】
【化8】 (式中、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [8]一般式(1)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素である5-ニトロ-1-テトラロン化合物の製造方法であ
る。
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) [8]一般式(1)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が全て水
素である5-ニトロ-1-テトラロン化合物の製造方法であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物とは、一般式(1)で示される化合物を
意味する。ここで、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ
水素、炭素数1から4のアルキル基、または、ハロゲン
原子を示す。アルキル基は、メチル基、エチル基、n-プ
ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、
あるいは、t-ブチル基を意味し、ハロゲン原子はフッ素
原子、塩素原子、臭素原子、あるいはヨウ素原子を意味
する。
酸アミド化合物とは、一般式(1)で示される化合物を
意味する。ここで、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ
水素、炭素数1から4のアルキル基、または、ハロゲン
原子を示す。アルキル基は、メチル基、エチル基、n-プ
ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、
あるいは、t-ブチル基を意味し、ハロゲン原子はフッ素
原子、塩素原子、臭素原子、あるいはヨウ素原子を意味
する。
【0012】本発明のニトロベンゼンカルボン酸アミド
化合物を例示すると、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミ
ド、4-(2-ニトロベンゼン)-2-メチル酪酸アミド、4-(2-
ニトロベンゼン)-3-メチル酪酸アミド、4-(2-ニトロベ
ンゼン)-3-エチル酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-3
-クロロ酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-ヘプタン酸
アミド、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン) 酪酸ア
ミド、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪酸アミド、4-
(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニ
トロ-5-メチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-
メチルベンゼン)酪酸アミド、4-(2-ニトロ-3-メチルベ
ンゼン)-2-メチル酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-メチルベ
ンゼン)-吉草酸アミド等である。特に、4-(2-ニトロベ
ンゼン)酪酸アミドは、用途の多い5-ニトロ-1-テトラロ
ンに変換できることから好ましい。
化合物を例示すると、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミ
ド、4-(2-ニトロベンゼン)-2-メチル酪酸アミド、4-(2-
ニトロベンゼン)-3-メチル酪酸アミド、4-(2-ニトロベ
ンゼン)-3-エチル酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-3
-クロロ酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-ヘプタン酸
アミド、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン) 酪酸ア
ミド、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪酸アミド、4-
(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニ
トロ-5-メチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-
メチルベンゼン)酪酸アミド、4-(2-ニトロ-3-メチルベ
ンゼン)-2-メチル酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-メチルベ
ンゼン)-吉草酸アミド等である。特に、4-(2-ニトロベ
ンゼン)酪酸アミドは、用途の多い5-ニトロ-1-テトラロ
ンに変換できることから好ましい。
【0013】本発明のニトロベンゼンニトリル化合物と
は、一般式(2)で示される化合物を意味する。ここ
で、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素数1
から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示す。ア
ルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、あるいは、t-ブ
チル基を意味し、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、あるいはヨウ素原子を意味する。
は、一般式(2)で示される化合物を意味する。ここ
で、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素数1
から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示す。ア
ルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、あるいは、t-ブ
チル基を意味し、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、あるいはヨウ素原子を意味する。
【0014】本発明のニトロベンゼンニトリル化合物を
例示すると、4-(2-ニトロベンゼン)ブチロニトリル、4-
(2-ニトロベンゼン)-2-メチルブチロニトリル、4-(2-ニ
トロベンゼン)-3-メチルブチロニトリル、4-(2-ニトロ
ベンゼン)-3-エチルブチロニトリル、4-(2-ニトロベン
ゼン)-3-クロロブチロニトリル、4-(2-ニトロベンゼン)
ヘプタノニトリル、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼ
ン) ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-3-n-ブチルベンゼ
ン) ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼ
ン) ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)
ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン) ブチ
ロニトリル、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メチル
ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)ペン
タノニトリル等である。特に、4-(2-ニトロベンゼン)ブ
チロニトリルは、用途の多い5-ニトロ-1-テトラロンに
変換できることから好ましい。
例示すると、4-(2-ニトロベンゼン)ブチロニトリル、4-
(2-ニトロベンゼン)-2-メチルブチロニトリル、4-(2-ニ
トロベンゼン)-3-メチルブチロニトリル、4-(2-ニトロ
ベンゼン)-3-エチルブチロニトリル、4-(2-ニトロベン
ゼン)-3-クロロブチロニトリル、4-(2-ニトロベンゼン)
ヘプタノニトリル、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼ
ン) ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-3-n-ブチルベンゼ
ン) ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼ
ン) ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)
ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン) ブチ
ロニトリル、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メチル
ブチロニトリル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)ペン
タノニトリル等である。特に、4-(2-ニトロベンゼン)ブ
チロニトリルは、用途の多い5-ニトロ-1-テトラロンに
変換できることから好ましい。
【0015】本発明のニトロベンゼンカルボン酸の誘導
体化合物とは、一般式(3)で示されるニトロベンゼン
カルボン酸の誘導体を意味する。ここで、R1、R2,R3,
R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素数1から4のアルキル
基、または、ハロゲン原子を示す。アルキル基は、メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、i-ブチル基、あるいは、t-ブチル基を意味し、
ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ある
いはヨウ素原子を意味する。
体化合物とは、一般式(3)で示されるニトロベンゼン
カルボン酸の誘導体を意味する。ここで、R1、R2,R3,
R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素数1から4のアルキル
基、または、ハロゲン原子を示す。アルキル基は、メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、i-ブチル基、あるいは、t-ブチル基を意味し、
ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ある
いはヨウ素原子を意味する。
【0016】本発明のニトロベンゼンカルボン酸化合物
を例示すると、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸、4-(2-ニト
ロベンゼン)-2-メチル酪酸、4-(2-ニトロベンゼン)-3-
メチル酪酸、4-(2-ニトロベンゼン)-3-エチル酪酸、4-
(2-ニトロベンゼン)-3-クロロ酪酸、4-(2-ニトロベンゼ
ン)-ヘプタン酸、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼ
ン) 酪酸、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪酸、4-(2
-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-5-メ
チルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)
酪酸、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メチル酪酸、
4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)吉草酸等である。特
に、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸は、用途の多い5-ニトロ
-1-テトラロンに変換できることから好ましい。
を例示すると、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸、4-(2-ニト
ロベンゼン)-2-メチル酪酸、4-(2-ニトロベンゼン)-3-
メチル酪酸、4-(2-ニトロベンゼン)-3-エチル酪酸、4-
(2-ニトロベンゼン)-3-クロロ酪酸、4-(2-ニトロベンゼ
ン)-ヘプタン酸、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼ
ン) 酪酸、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪酸、4-(2
-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-5-メ
チルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)
酪酸、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メチル酪酸、
4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)吉草酸等である。特
に、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸は、用途の多い5-ニトロ
-1-テトラロンに変換できることから好ましい。
【0017】ニトロベンゼンカルボン酸の誘導体化合物
としては、エステル化合物、酸ハロゲン化物等、アンモ
ニアとの反応により、カルボン酸アミドを生成する化合
物を意味する。メチルエステル、エチルエステル、フェ
ニルエステル、ベンジルエステル、酸クロリド、酸ブロ
ミドが例示される。
としては、エステル化合物、酸ハロゲン化物等、アンモ
ニアとの反応により、カルボン酸アミドを生成する化合
物を意味する。メチルエステル、エチルエステル、フェ
ニルエステル、ベンジルエステル、酸クロリド、酸ブロ
ミドが例示される。
【0018】本発明の5-ニトロ-1-テトラロン化合物と
は、一般式(4)で示される化合物を意味する。ここ
で、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素数1
から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示す。ア
ルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、あるいは、t-ブ
チル基を意味し、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、あるいはヨウ素原子を意味する。
は、一般式(4)で示される化合物を意味する。ここ
で、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素数1
から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示す。ア
ルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、あるいは、t-ブ
チル基を意味し、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、あるいはヨウ素原子を意味する。
【0019】本発明の5-ニトロ-1-テトラロン化合物を
例示すると、5-ニトロ-1-テトラロン、5-ニトロ-2-メチ
ル-1-テトラロン、5-ニトロ-3-メチル-1-テトラロン、5
-ニトロ-3-エチル-1-テトラロン、5-ニトロ-3-クロロ-1
-テトラロン、5-ニトロ-4-プロピル-1-テトラロン、5-
ニトロ-6-イソプロピル-1-テトラロン、5-ニトロ-6-ブ
チル-1-テトラロン、5-ニトロ-7-t-ブチル-1-テトラロ
ン、5-ニトロ-8-メチル-1-テトラロン、5-ニトロ-6-ブ
ロモ-1-テトラロン、5-ニトロ-2,6-ジメチル-1-テトラ
ロン、5-ニトロ-4,8-ジメチル-1-テトラロン等である。
特に、5-ニトロ-1-テトラロンは、用途が多いことから
好ましい。
例示すると、5-ニトロ-1-テトラロン、5-ニトロ-2-メチ
ル-1-テトラロン、5-ニトロ-3-メチル-1-テトラロン、5
-ニトロ-3-エチル-1-テトラロン、5-ニトロ-3-クロロ-1
-テトラロン、5-ニトロ-4-プロピル-1-テトラロン、5-
ニトロ-6-イソプロピル-1-テトラロン、5-ニトロ-6-ブ
チル-1-テトラロン、5-ニトロ-7-t-ブチル-1-テトラロ
ン、5-ニトロ-8-メチル-1-テトラロン、5-ニトロ-6-ブ
ロモ-1-テトラロン、5-ニトロ-2,6-ジメチル-1-テトラ
ロン、5-ニトロ-4,8-ジメチル-1-テトラロン等である。
特に、5-ニトロ-1-テトラロンは、用途が多いことから
好ましい。
【0020】本発明の一般式(1)で示されるニトロベ
ンゼンカルボン酸アミド化合物は、どのような方法で合
成してもかまわないが、特に、一般式(2)で示される
ニトロベンゼンニトリル化合物を酸性条件下で水と反応
させるか、あるいは、一般式(3)で示されるニトロベ
ンゼンカルボン酸化合物および/またはその誘導体化合
物を原料とすると容易に合成できるので、好ましい。
ンゼンカルボン酸アミド化合物は、どのような方法で合
成してもかまわないが、特に、一般式(2)で示される
ニトロベンゼンニトリル化合物を酸性条件下で水と反応
させるか、あるいは、一般式(3)で示されるニトロベ
ンゼンカルボン酸化合物および/またはその誘導体化合
物を原料とすると容易に合成できるので、好ましい。
【0021】一般式(2)で示されるニトロベンゼンニ
トリル化合物を酸性条件下で水と反応させる場合に用い
る酸化合物としては、ニトリル基にプロトンが付加する
酸で有れば、どのような酸を使用してもかまわない。硫
酸、p-トルエンスルホン酸、クロロスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸化合物が例示さ
れるが、硫酸が安価であり、入手も容易なので好まし
い。使用する酸の量は、ニトロベンゼンニトリル化合物
に対して、1当量以上必要である。前記反応は、まずニ
トロベンゼンニトリル化合物を無水条件下で酸と接触さ
せることにより行う。接触温度及び接触時間は、酸の種
類及び量によって異なるが、例えば、硫酸を20当量使
用する場合には、100℃、4時間の処理でほぼ終了す
る。この際溶媒を使用してもかまわないが、反応に不活
性なものを使用する。反応圧力は反応温度を保持できれ
ば、常圧、加圧、減圧のいずれでもかまわない。
トリル化合物を酸性条件下で水と反応させる場合に用い
る酸化合物としては、ニトリル基にプロトンが付加する
酸で有れば、どのような酸を使用してもかまわない。硫
酸、p-トルエンスルホン酸、クロロスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸化合物が例示さ
れるが、硫酸が安価であり、入手も容易なので好まし
い。使用する酸の量は、ニトロベンゼンニトリル化合物
に対して、1当量以上必要である。前記反応は、まずニ
トロベンゼンニトリル化合物を無水条件下で酸と接触さ
せることにより行う。接触温度及び接触時間は、酸の種
類及び量によって異なるが、例えば、硫酸を20当量使
用する場合には、100℃、4時間の処理でほぼ終了す
る。この際溶媒を使用してもかまわないが、反応に不活
性なものを使用する。反応圧力は反応温度を保持できれ
ば、常圧、加圧、減圧のいずれでもかまわない。
【0022】この後、酸とニトロベンゼンニトリル化合
物の混合物に水を反応させると、ニトロベンゼンカルボ
ン酸アミドを得ることが出来る。使用する水の量は、ニ
トロベンゼンニトリル化合物に対して、1当量以上必要
である。反応温度は酸の種類により異なるが、低温の方
が有利である。ここで、温度が高いと、ニトロベンゼン
カルボン酸アミド化合物が更に、ニトロベンゼンカルボ
ン酸化合物にまで加水分解される。反応温度は、50〜
200℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。ま
た、反応時間は極めて短く、5分以下で充分である。反
応時間が長いと、反応温度が高いときと同様に、ニトロ
ベンゼンカルボン酸化合物まで加水分解される。このよ
うに、反応温度と反応時間については充分に注意が必要
である。また、水に塩基性化合物を添加してもよい。塩
基性化合物を含んだ水を加えても良いし、水を加えた後
塩基性化合物または、塩基性化合物を含んだ水を加えて
も良い。塩基性化合物を添加しているときには、反応温
度を高めたり、反応時間を長くしてもニトロベンゼンカ
ルボン酸化合物への加水分解を抑えることができる。
物の混合物に水を反応させると、ニトロベンゼンカルボ
ン酸アミドを得ることが出来る。使用する水の量は、ニ
トロベンゼンニトリル化合物に対して、1当量以上必要
である。反応温度は酸の種類により異なるが、低温の方
が有利である。ここで、温度が高いと、ニトロベンゼン
カルボン酸アミド化合物が更に、ニトロベンゼンカルボ
ン酸化合物にまで加水分解される。反応温度は、50〜
200℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。ま
た、反応時間は極めて短く、5分以下で充分である。反
応時間が長いと、反応温度が高いときと同様に、ニトロ
ベンゼンカルボン酸化合物まで加水分解される。このよ
うに、反応温度と反応時間については充分に注意が必要
である。また、水に塩基性化合物を添加してもよい。塩
基性化合物を含んだ水を加えても良いし、水を加えた後
塩基性化合物または、塩基性化合物を含んだ水を加えて
も良い。塩基性化合物を添加しているときには、反応温
度を高めたり、反応時間を長くしてもニトロベンゼンカ
ルボン酸化合物への加水分解を抑えることができる。
【0023】ニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物
は、その融点が高い場合、あるいは結晶性がよい場合に
は、水と反応させた時点で結晶が得られる。結晶は、水
で洗浄して酸、塩、及び/または、塩基性化合物を洗い
流す。必要に応じ、再結晶等の精製処理を行う。融点が
低く、水と反応させても、結晶で得られない場合には、
抽出操作を行い、その後、定法に従い濃縮した後、蒸
留、再結晶などにより、単離することが出来る。これら
処理、反応は、液相で実施することが好ましく、また、
回分式で行っても良く、連続的に行っても良い。
は、その融点が高い場合、あるいは結晶性がよい場合に
は、水と反応させた時点で結晶が得られる。結晶は、水
で洗浄して酸、塩、及び/または、塩基性化合物を洗い
流す。必要に応じ、再結晶等の精製処理を行う。融点が
低く、水と反応させても、結晶で得られない場合には、
抽出操作を行い、その後、定法に従い濃縮した後、蒸
留、再結晶などにより、単離することが出来る。これら
処理、反応は、液相で実施することが好ましく、また、
回分式で行っても良く、連続的に行っても良い。
【0024】一般式(3)で示されるニトロベンゼンカ
ルボン酸化合物および/またはその誘導体化合物を原料
とする方法は、ニトロベンゼンカルボン酸化合物をその
まま、あるいは、ニトロベンゼンカルボン酸のエステル
化合物や酸ハロゲン化物等を用いることが出来る。単独
で用いても良いが、混合して使用してもかまわない。
ルボン酸化合物および/またはその誘導体化合物を原料
とする方法は、ニトロベンゼンカルボン酸化合物をその
まま、あるいは、ニトロベンゼンカルボン酸のエステル
化合物や酸ハロゲン化物等を用いることが出来る。単独
で用いても良いが、混合して使用してもかまわない。
【0025】ニトロベンゼンカルボン酸化合物をそのま
まアンモニアと反応させる際には、脱水剤として作用す
る化合物を添加しても良いし、DCCなどの縮合剤を利
用してもかまわない。縮合剤を添加しない反応では、加
熱する必要がある。反応は液相で行っても気相で行って
もかまわないが、液相で行う方が容積効率の点から好ま
しい。溶媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを
用いて、アンモニアを液化して溶媒としても良いし、反
応に不活性な溶媒を添加してもかまわない。反応温度、
反応時間は添加する脱水剤、縮合剤の種類により異な
る。反応圧力は常圧以上であることが好ましい。
まアンモニアと反応させる際には、脱水剤として作用す
る化合物を添加しても良いし、DCCなどの縮合剤を利
用してもかまわない。縮合剤を添加しない反応では、加
熱する必要がある。反応は液相で行っても気相で行って
もかまわないが、液相で行う方が容積効率の点から好ま
しい。溶媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを
用いて、アンモニアを液化して溶媒としても良いし、反
応に不活性な溶媒を添加してもかまわない。反応温度、
反応時間は添加する脱水剤、縮合剤の種類により異な
る。反応圧力は常圧以上であることが好ましい。
【0026】ニトロベンゼンカルボン酸化合物のエステ
ル化合物をアンモニアと反応させる場合には、触媒を添
加しても良い。触媒を添加しない場合には、加熱する必
要がある。反応は液相で行っても気相で行ってもかまわ
ないが、液相で行う方が容積効率の点から好ましい。溶
媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを用いて、
アンモニアを液化させて溶媒としても良いし、反応に不
活性な溶媒を添加してもかまわない。反応温度、反応時
間は添加する触媒の種類により異なる。反応圧力は常圧
以上であることが好ましい。
ル化合物をアンモニアと反応させる場合には、触媒を添
加しても良い。触媒を添加しない場合には、加熱する必
要がある。反応は液相で行っても気相で行ってもかまわ
ないが、液相で行う方が容積効率の点から好ましい。溶
媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを用いて、
アンモニアを液化させて溶媒としても良いし、反応に不
活性な溶媒を添加してもかまわない。反応温度、反応時
間は添加する触媒の種類により異なる。反応圧力は常圧
以上であることが好ましい。
【0027】ニトロベンゼンカルボン酸化合物の酸ハロ
ゲン化物をアンモニアと反応させる際には、触媒を添加
しても良いし、脱塩剤を添加しても良いし、過剰のアン
モニアを使用してアンモニア自体を脱塩剤として使用し
ても良い。反応は液相で行っても気相で行ってもかまわ
ないが、液相で行う方が容積効率の点から好ましい。溶
媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを用いて、
アンモニアを液化して溶媒としても良いし、反応に不活
性は溶媒を添加してもかまわない。反応温度、反応時間
は添加する触媒、脱塩剤の種類により異なる。反応圧力
は常圧以上であることが好ましい。これら反応は回分式
で行っても良く、連続的行っても良い。
ゲン化物をアンモニアと反応させる際には、触媒を添加
しても良いし、脱塩剤を添加しても良いし、過剰のアン
モニアを使用してアンモニア自体を脱塩剤として使用し
ても良い。反応は液相で行っても気相で行ってもかまわ
ないが、液相で行う方が容積効率の点から好ましい。溶
媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを用いて、
アンモニアを液化して溶媒としても良いし、反応に不活
性は溶媒を添加してもかまわない。反応温度、反応時間
は添加する触媒、脱塩剤の種類により異なる。反応圧力
は常圧以上であることが好ましい。これら反応は回分式
で行っても良く、連続的行っても良い。
【0028】一般式(1)で示されるニトロベンゼンカ
ルボン酸アミド化合物を強酸性の化合物及び/または脱
水剤と接触することにより一般式(4)で示される5-ニ
トロ-1-テトラロン化合物に安全、且つ異性体の生成を
伴わずに転換できる。
ルボン酸アミド化合物を強酸性の化合物及び/または脱
水剤と接触することにより一般式(4)で示される5-ニ
トロ-1-テトラロン化合物に安全、且つ異性体の生成を
伴わずに転換できる。
【0029】強酸性の化合物としては、ハメット値で-1
5以下の酸が好ましく、トリフルオロメタンスルホン
酸、フッ化スルホン酸が例示される。また、プロトン酸
はルイス酸を共存させることにより酸強度を高められる
ことが知られており、これを利用し、例えば、SbF5など
のルイス酸を添加しても良い。また、脱水剤としては、
酸性の脱水剤が好ましく使用することが出来、例えば、
ポリリン酸、酸化リンが例示される。脱水剤は単独で使
用することも出来るが、強酸化合物と組み合わせて使用
しても良い。反応温度、反応時間は酸や脱水剤の種類に
より異なるが、温度が高すぎると、反応生成物が分解す
るために好ましくないので、200℃以下で行う必要が
ある。反応圧力は反応温度を保持できれば、常圧、加
圧、減圧を問わない。反応溶媒は使用しても良いが、反
応に不活性であり、水含量の少ないものが好ましい。反
応は液相で行うことが好ましく、回分式で行っても良
く、連続的行っても良い。
5以下の酸が好ましく、トリフルオロメタンスルホン
酸、フッ化スルホン酸が例示される。また、プロトン酸
はルイス酸を共存させることにより酸強度を高められる
ことが知られており、これを利用し、例えば、SbF5など
のルイス酸を添加しても良い。また、脱水剤としては、
酸性の脱水剤が好ましく使用することが出来、例えば、
ポリリン酸、酸化リンが例示される。脱水剤は単独で使
用することも出来るが、強酸化合物と組み合わせて使用
しても良い。反応温度、反応時間は酸や脱水剤の種類に
より異なるが、温度が高すぎると、反応生成物が分解す
るために好ましくないので、200℃以下で行う必要が
ある。反応圧力は反応温度を保持できれば、常圧、加
圧、減圧を問わない。反応溶媒は使用しても良いが、反
応に不活性であり、水含量の少ないものが好ましい。反
応は液相で行うことが好ましく、回分式で行っても良
く、連続的行っても良い。
【0030】
【実施例】以下に具体例によってさらに本発明を説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】(実施例1)冷却器、温度計を付した50
mlの3つ口フラスコに4-(2-ニトロベンゼン)ブチロニ
トリル0.19gと濃硫酸1.96gを加え、スターラーチップで
攪拌しながら100℃で3時間加熱した。加熱終了後、
氷水50mlに加熱攪拌物を加え、酢酸エチル20ml
で3回抽出した。有機相を同量の水で水洗し、同量のNa
HCO3飽和水溶液で洗浄した後、更に、同量の水で2回洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、抽出溶媒を留
去し、分取用TLCで4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミド
0.14gを分取した(展開溶媒:酢酸エチル)。
mlの3つ口フラスコに4-(2-ニトロベンゼン)ブチロニ
トリル0.19gと濃硫酸1.96gを加え、スターラーチップで
攪拌しながら100℃で3時間加熱した。加熱終了後、
氷水50mlに加熱攪拌物を加え、酢酸エチル20ml
で3回抽出した。有機相を同量の水で水洗し、同量のNa
HCO3飽和水溶液で洗浄した後、更に、同量の水で2回洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、抽出溶媒を留
去し、分取用TLCで4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミド
0.14gを分取した(展開溶媒:酢酸エチル)。
【0032】分析結果は以下の通りである。1 H-NMR(CDCl3):7.90ppm(1H,d-d,J=1.1Hz,8.1Hz,Ar-
H)、7.53ppm(1H,m,Ar-H)、7.37ppm(2H,m,Ar-H)、5.40(2
H,b-s,NH2)、2.94ppm(2H,d-d,J=7.6Hz,10Hz,CH2)、2.33
ppm(2H,t,J=7.4Hz,CH2)、2.03ppm(2H,m,CH2) IR(KBr):3402、3210、1650、1522、1336(cm-1) FD−MS:M/Z=209
H)、7.53ppm(1H,m,Ar-H)、7.37ppm(2H,m,Ar-H)、5.40(2
H,b-s,NH2)、2.94ppm(2H,d-d,J=7.6Hz,10Hz,CH2)、2.33
ppm(2H,t,J=7.4Hz,CH2)、2.03ppm(2H,m,CH2) IR(KBr):3402、3210、1650、1522、1336(cm-1) FD−MS:M/Z=209
【0033】(実施例2)冷却管を付した10mlフラスコ
に4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミド0.11gとフッ化スル
ホン酸1.5gを加え、スターラーピースで攪拌しながら1
00℃で1時間加熱した。反応混合物を氷水20mlに開
け、NaHCO3を固体のままpH8になるまで添加し、酢酸エ
チル10mlで3回抽出した。30mlの水で2回洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した
後、分取用TLCで5-ニトロ-1-テトラロン0.02gを分取
した(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)。ニトロ
基の置換位置が異なる様な異性体は生成していなかっ
た。
に4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミド0.11gとフッ化スル
ホン酸1.5gを加え、スターラーピースで攪拌しながら1
00℃で1時間加熱した。反応混合物を氷水20mlに開
け、NaHCO3を固体のままpH8になるまで添加し、酢酸エ
チル10mlで3回抽出した。30mlの水で2回洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した
後、分取用TLCで5-ニトロ-1-テトラロン0.02gを分取
した(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)。ニトロ
基の置換位置が異なる様な異性体は生成していなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】新規なニトロベンゼンカルボン酸アミド
化合物を見出し、これを原料に用いることにより安全、
且つ異性体の生成を伴わないで5-ニトロ-1-テトラロン
化合物を合成することが可能となる。
化合物を見出し、これを原料に用いることにより安全、
且つ異性体の生成を伴わないで5-ニトロ-1-テトラロン
化合物を合成することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (8)
- 【請求項1】一般式(1)で示されるニトロベンゼンカ
ルボン酸アミド化合物。 【化1】 (式中、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) - 【請求項2】一般式(1)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が
全て水素である請求項1記載のニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物。 - 【請求項3】一般式(2)で示されるニトロベンゼンニ
トリル化合物を酸性条件下で水と反応させることを特徴
とする一般式(1)で示されるニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物の製造方法。 【化2】 (式中、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) - 【請求項4】一般式(2)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が
全て水素である請求項3記載のニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物の製造方法。 - 【請求項5】一般式(3)で示されるニトロベンゼンカ
ルボン酸化合物および/またはその誘導体化合物を原料
とすることを特徴とする一般式(1)で示されるニトロ
ベンゼンカルボン酸アミド化合物の製造方法。 【化3】 (R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素数1か
ら4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示す。) - 【請求項6】一般式(3)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が
全て水素である請求項5記載のニトロベンゼンカルボン
酸アミド化合物の製造方法。 - 【請求項7】一般式(1)で示されるニトロベンゼンカ
ルボン酸アミド化合物を原料とすることを特徴とする一
般式(4)で示される5-ニトロ-1-テトラロン化合物の
製造方法。 【化4】 (式中、R1、R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ水素、炭素
数1から4のアルキル基、または、ハロゲン原子を示
す。) - 【請求項8】一般式(1)のR1、R2,R3,R4,R5,R6が
全て水素である請求項7記載の5-ニトロ-1-テトラロン
化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001136544A JP2002326979A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | ニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物、その製造方法、および5−ニトロ−1−テトラロン化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001136544A JP2002326979A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | ニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物、その製造方法、および5−ニトロ−1−テトラロン化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002326979A true JP2002326979A (ja) | 2002-11-15 |
Family
ID=18983802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001136544A Pending JP2002326979A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | ニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物、その製造方法、および5−ニトロ−1−テトラロン化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002326979A (ja) |
-
2001
- 2001-05-07 JP JP2001136544A patent/JP2002326979A/ja active Pending
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Legal Events
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---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
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