JP2002326960A - 組成物、その製造法および用途 - Google Patents

組成物、その製造法および用途

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JP2002326960A
JP2002326960A JP2001380955A JP2001380955A JP2002326960A JP 2002326960 A JP2002326960 A JP 2002326960A JP 2001380955 A JP2001380955 A JP 2001380955A JP 2001380955 A JP2001380955 A JP 2001380955A JP 2002326960 A JP2002326960 A JP 2002326960A
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JP2001380955A
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Hiroshi Suzuki
浩史 鈴木
Yoshio Hata
善夫 畑
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非ペプチド性GnRHのアゴニストまたはア
ンタゴニストの溶解度、融点および結晶性の有無に関わ
らずに高含量に配合した場合でも、生産性よく製造で
き、品質管理上も問題なく、長期にわたる安定した放出
速度を実現できる新規組成物を提供する。 【解決手段】 (i)非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出
ホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト、(ii)有機酸
またはその塩および(iii)生体内分解性ポリマーまたは
その塩を配合してなる組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ペプチド性性腺
刺激ホルモンのアゴニストまたはアンタゴニストの組成
物、その製造法および医薬などとしての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平7−97334号公報に
は、生理活性ペプチドまたはその塩と末端に遊離のカル
ボキシル基を有する生体内分解性ポリマーとからなる徐
放性製剤およびその製造法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶解度、融点および結
晶性の有無に関わらず、非ペプチド性性腺刺激ホルモン
放出ホルモン(以下、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを
GnRHと称する)のアゴニストまたはアンタゴニスト
を、高含量に配合した場合でも、生産性よく製造でき、
保存安定性などの品質管理上も問題なく、長期にわたる
安定した放出速度を実現できる新規組成物が切望されて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意研究の結果、組成物を形成させ
る際に生体内分解性ポリマーまたはその塩、非ペプチド
性性腺刺激ホルモンのアゴニストまたはアンタゴニスト
および有機酸またはその塩を共存させることにより、
(1)非ペプチド性性腺刺激ホルモンのアゴニストまた
はアンタゴニストの溶解度、融点および結晶性の有無に
関わらずに高含量で組成物中に取り込むこと、(2)製
造時の有機溶媒使用量および使用する有機溶媒の種類を
削減できることによる生産性の向上および保存安定性の
向上、(3)品質管理項目の削減によるコスト低減およ
び(4)生体内分解性ポリマーの特性や有機酸の種類お
よび添加量によって非ペプチド性性腺刺激ホルモンのア
ゴニストまたはアンタゴニストの放出速度を制御し、高
含量においても長期にわたる持続放出させることを可能
とすることができ、、さらに研究を重ねた結果、本発明
を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)(i)非ペプチ
ド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、(ii)有
機酸またはその塩および(iii)生体内分解性ポリマーま
たはその塩を配合してなる組成物、(2)非ペプチド性
GnRHアゴニストまたはアンタゴニストの分子量が約
1000以下である前記(1)記載の組成物、(3)非
ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニストを
組成物全量に対して15%(w/w)以上配合する前記
(1)記載の組成物、(4)非ペプチド性GnRHアゴ
ニストまたはアンタゴニストの塩基当量が生体内分解性
ポリマーの酸当量より多い前記(1)記載の組成物、
(5)生体内分解性ポリマーの酸当量当たり、非ペプチ
ド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニストを1ない
し100倍の塩基当量で配合する前記(4)記載の組成
物、(6)非ペプチド性GnRHアンタゴニストが、式
(A)
【化4】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
化合物またはその塩(以下、化合物(A)と略称する場合
がある。)である上記(1)記載の組成物、(7)非ペ
プチド性GnRHアンタゴニストが、式(I)
【化5】 〔式中、R1およびRは、それぞれ水素原子、ヒドロ
キシ基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシ−
カルボニル基または置換基を有していてもよいC 1−4
アルキル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロ
キシ基または置換基を有していてもよいC1−4アルコ
キシ基を示すか、または隣接する2つのRが連結して
1−4アルキレンジオキシ基を形成してもよく、R
は水素原子またはC1−4アルキル基を、Rは置換基
を有していてもよいC1−4アルキル基または式
【化6】 (式中、Rは水素原子を示すか、またはRとR
が連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、
およびnは0ないし5の整数を示す〕で表される化合物
またはその塩である前記(1)記載の組成物、(8)有
機酸が常温固体である前記(1)記載の組成物、(9)
有機酸が芳香族ヒドロキシカルボン酸である前記(1)
記載の組成物、(10)有機酸がサリチル酸、1−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸およびパモ酸から選ばれる1種または2種以上であ
る前記(1)記載の組成物、(11)生体内分解性ポリ
マーがα−ヒドロキシカルボン酸重合体である前記
(1)記載の組成物、(12)α−ヒドロキシカルボン
酸重合体が乳酸−グリコール酸重合体である前記(1
1)記載の組成物、(13)乳酸とグリコール酸の組成
モル%が100/0ないし40/60である前記(1
2)記載の組成物、(14)重合体の重量平均分子量が
約3,000ないし約100,000である前記(1
1)記載の組成物、(15)徐放性である前記(1)記
載の組成物、(16)マイクロスフェアである前記
(1)記載の組成物、(17)注射用である前記(1)
記載の組成物、(18)注射用徐放性マイクロスフェア
である前記(1)記載の組成物、(19)性ホルモン依
存性疾患の予防・治療剤である前記(1)記載の組成
物、(20)性ホルモン依存性ガン、性ホルモン依存性
ガンの骨転移、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、
子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、
月経困難症、多房性卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候群、
ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸
症候群またはホルモン非依存性でGnRH感受性である
良性または悪性腫瘍の予防・治療剤、生殖調節剤、避妊
薬、排卵誘発剤または性ホルモン依存性ガン術後再発予
防剤である前記(1)記載の組成物、(21)(i)非ペ
プチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、(i
i)有機酸またはその塩および(iii)生体内分解性ポリマ
ーまたはその塩を有機溶媒に溶解または分散し、該有機
溶媒を除去することを特徴とする前記(1)記載の組成
物の製造法、(22)有機酸またはその塩および/また
は生体内分解性ポリマーまたはその塩を用いることを特
徴とする非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタ
ゴニストの結晶化を防止または抑制する方法、などを提
供する。
【0006】さらに、本発明は、(23)芳香族ヒドロ
キシカルボン酸またはその塩を含む液を内水相とし、非
ペプチド性GnRHアンタゴニストおよび生体内分解性
ポリマーまたはその塩を含む有機溶媒溶液を油相とする
w/o型乳化物を製造し、次いで有機溶媒を除去すること
を特徴とする前記(1)記載の組成物の製造法、(2
4)非ペプチド性GnRHアンタゴニストを含む液を内
水相とし、芳香族ヒドロキシカルボン酸またはその塩お
よび生体内分解性ポリマーまたはその塩を含む有機溶媒
溶液を油相とするw/o型乳化物を製造し、次いで有機溶
媒を除去することを特徴とする前記(1)記載の組成物
の製造法、および(25)溶媒の除去法が水中乾燥法で
ある前記(23)または(24)のいずれかに記載の組
成物の製造法などを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる非ペプチド性
GnRHアゴニストまたはアンタゴニストは、フリー体
であっても塩であってもよい。該「塩」としては、例え
ば金属塩、無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸
との塩などの薬理学的に許容し得る塩が挙げられる。金
属塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウ
ム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;亜鉛塩な
どが挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例
えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩
が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例え
ばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ
酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸などとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸
との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グ
ルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0008】該非ペプチド性GnRHアゴニストまたは
アンタゴニストは、薬理学的に有用なものであればよ
く、好ましくは合成有機化合物などである。該「合成有
機化合物」としては、例えば主として第3級アミンを有
する親水性の部分と、鎖状または環状アルキル、芳香族
基などの疎水性の高い部分を持つ化合物またはその塩が
挙げられる。具体例としては、塩基性かつ両親媒性薬物
〔CAD(cationic amphiphilic drug;ファルマコロ
ジカル レビューズ(Pharmacological Reviews)、第
42巻、4号、327−354頁等〕などが挙げられ
る。
【0009】該「非ペプチド性GnRHアゴニストまた
はアンタゴニスト」としては、分子量が約1,000以
下、好ましくは約100以上900以下、さらに好まし
くは約100以上800以下、特に好ましくは約100
以上750以下の物質が好ましいが、そのプロドラッグ
でもよく、その溶解度、融点および結晶性の有無などの
特性は特に制限を受けない。「GnRHアンタゴニス
ト」としては、GnRH拮抗作用を有する化合物であれ
ばいずれでもよく、例えば、式
【化7】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
化合物またはその塩(化合物(A))が挙げられる。化
合物(A)として好ましい例としては、下記する例
〔I〕(化合物(I)またはその塩)、例〔II〕または例
〔III〕などが挙げられる。またGnRH拮抗作用を有
する化合物は前記の(A)に限定されず、例えば例〔I
V〕の化合物なども好ましい化合物として挙げられる。
【0010】例〔I〕
【化8】 〔式中、R1およびRは、それぞれ水素原子、ヒドロ
キシ基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシ−
カルボニル基または置換基を有していてもよいC 1−4
アルキル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロ
キシ基または置換基を有していてもよいC1−4アルコ
キシ基を示すか、または隣接する2つのRが連結して
1−4アルキレンジオキシ基を形成してもよく、R
は水素原子またはC1−4アルキル基を、Rは置換基
を有していてもよいC1−4アルキル基または式
【化9】 (式中、Rは水素原子を示すか、またはRとR
が連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、
およびnは0ないし5の整数を示す〕で表される化合物
またはその塩。R1またはRで示される「C1−4
ルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキ
シなどが挙げられる。このうち、C1−3アルコキシ基
が好ましい。さらに好ましくはメトキシである。R1
たはRで示される「C1−4アルコキシ−カルボニル
基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボ
ニルなどが挙げられる。このうち、C1−3アルコキシ
−カルボニル基が好ましい。さらに好ましくはメトキシ
カルボニルである。R1またはRで示される「置換基
を有していてもよいC1−4アルキル基」の「C1−4
アルキル基」としては、例えば直鎖状C1−4アルキル
基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、分
枝状C3−4アルキル基(例、イソプロピル、イソブチ
ル、sec-ブチル、tert-ブチルなど)などが挙げられ
る。このうち、C1−3アルキル基が好ましい。とりわ
け、エチルが好ましい。
【0011】R1またはRで示される「置換基を有し
ていてもよいC1−4アルキル基」の「置換基」として
は、例えば(i)ヒドロキシ、(ii)C1−7アシルオ
キシ(例、アセトキシ、プロピオニルオキシなどのC
1−6アルキル−カルボニルオキシなど)、(iii)ベ
ンゾイルオキシ、(iv)C1−6アルコキシ−カルボニ
ル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、te
rt−ブトキシカルボニルなど)、ベンジルオキシカルボ
ニル、C1−4アシル(例、アセチル、プロピオニルな
どのC1−3アルキル−カルボニルなど)、C1−4
ルキル(例、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)
およびC1−3アルキルスルホニル(例、メタンスルホ
ニルなど)などから選ばれる置換基を1または2個有し
ていてもよいアミノ基(例、アミノ、ジメチルアミノ、
メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミ
ノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシ
カルボニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニル
アミノなど)、(v)C1−1 アルコキシ(例、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなど)、
(vi)C3−7シクロアルキルオキシカルボニルオキシ
−C1−3アルコキシ(例、シクロヘキシルオキシカル
ボニルオキシ−1−エトキシなど)、(vii)C 1−3
アルコキシ−C1−3アルコキシ(例、メトキシメトキ
シ、メトキシエトキシなど)などが挙げられる。このう
ち、ヒドロキシが好ましい。R1またはRで示される
「置換基を有していてもよいC1−4アルキル基」の
「C1−4アルキル基」は、例えば前記置換基を、置換
可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有
していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基
は同一または異なっていてもよい。R1およびRは、
どちらか一方が水素原子、他方がC1−3アルコキシ基
が好ましい。
【0012】Rで示される「ハロゲン原子」として
は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ
る。このうち塩素が好ましい。Rで示される「置換基
を有していてもよいC1−4アルコキシ基」の「C
−4アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-
ブトキシなどが挙げられる。このうち、メトキシなどが
好ましい。Rで示される「置換基を有していてもよい
1−4アルコキシ基」の「置換基」としては、前記R
1またはRで示される「置換基を有していてもよいC
−4アルキル基」の「置換基」と同様のものが挙げら
れる。このうちC1−10アルコキシ基が好ましく、特
にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキ
シなどのC1−4アルコキシ基が好ましい。該C1−4
アルコキシ基は、例えば前記置換基を、置換可能な位置
に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していても
よく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一また
は異なっていてもよい。隣接する2つのRが連結して
形成する「C1−4アルキレンジオキシ基」としては、
例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシなどが挙げ
られる。Rは、水素原子が好ましい。
【0013】Rで示される「C1−4アルキル基」と
しては、例えば直鎖状C1−4アルキル基(例、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチルなど)、分枝状C3−4
アルキル基(例、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチ
ル、tert-ブチルなど)などが挙げられる。このうちC
1−3アルキル基が好ましい。とりわけ、メチルが好ま
しい。Rで示される「置換基を有していてもよいC
1−4アルキル基」としては、RまたはRで示され
る「置換基を有していてもよいC1−4アルキル基」と
同様のものが挙げられる。
【0014】RとRとが連結して形成される「複素
環」としては、5または6員含窒素複素環基が挙げられ
る。RとRとが連結するとき、式
【化10】 で表される基としては、例えば、式
【化11】 で表される基などが挙げられる。このうち、式
【化12】 で表される基が好ましい。
【0015】Rは、式
【化13】 〔式中、Rは前記と同意義を示す〕で表される基が好
ましい。RはC1−3アルキル基およびRは水素原
子が好ましい。nは0ないし2の整数が好ましい。
【0016】化合物(I)中、好ましい化合物として
は、R1がヒドロキシ基、メトキシ基またはC1−3
ルキル基;Rが水素原子またはC1−3アルキル基;
がC1−3アルキル基;Rがベンジル基;および
nが0である化合物またはその塩などが挙げられる。中
でも好ましくは、Rがメトキシ基;Rが水素原子;
がC1−3アルキル基;Rがベンジル基;および
nが0である化合物またはその塩などが挙げられる。化
合物(I)の具体例としては、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−ヒドロキシウレイド)フェ
ニル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
−2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−
N−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−6−[4−(3−メチルウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−エチルウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオンまたはこれらの塩などが挙
げられる。なかでも、5−(N−ベンジル−N−メチル
アミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジル)
−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニル]−3
−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1
H,3H)−ジオンまたはその塩などが好ましい。
【0017】化合物(I)の塩としては、生理学的に許
容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、
例えば無機酸(例、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リ
ン酸など)との塩、または有機酸(例、ギ酸、酢酸、ト
リフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレ
イン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸な
ど)との塩などが用いられる。化合物(I)が酸性基を
有している場合は、無機塩基(例、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属また
はアルカリ土類金属、アンモニアなど)または有機塩基
(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなど)と生理学的
に許容される塩を形成してもよい。
【0018】化合物(I)の製造法は特に限定されるも
のではないが、公知の方法、例えば、特開平9−169
768号公報、WO 96/24597号公報に記載の
方法またはこれらに準ずる方法または特開2001−2
78884号公報に記載の方法により製造することがで
きる。詳細には、以下の製造法1および製造法2により
製造しうる。反応式中の化合物は塩を形成している場合
も含み、該塩としては、例えば化合物(I)の塩と同様
のものなどが挙げられる。
【化14】 前記式中、Lは脱離基を、その他の各記号は前記と同意
義を示す。Lで示される「脱離基」としては、例えば1
−イミダゾリル、ハロゲン原子、置換基を有していても
よいアルコキシ基などが挙げられる。該「置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基」としては、1ないし3個の
ハロゲン原子(例、塩素、臭素等)を有していてもよい
1−4アルコキシ基(例、2,2,2−トリクロロエ
トキシ基)などが挙げられる。
【0019】化合物(II)は、例えば特開平9−169
768号公報に記載の方法またはこれに準ずる方法によ
り製造しうる。化合物(III)は、公知の方法により製
造しうる。化合物(II)とカルボニルジイミダゾール
(N,N'−カルボニルジイミダゾール;CDI)または
ホスゲン(二量体および三量体も含む)等とを反応さ
せ、化合物(IV)を得、次いで化合物(III)を反応さ
せ、化合物(I)を得る。化合物(IV)は単離せずに反
応を続けてもよく、また、単離して次工程に使用しても
よい。また、化合物(IV)は、化合物(II)とクロロぎ
酸エステル化合物(例、クロロぎ酸2,2,2−トリク
ロロエチル、クロロぎ酸1−クロロエチル等)などとを
反応させても得られる。
【0020】化合物(II)とカルボニルジイミダゾール
またはホスゲン等との反応において、カルボニルジイミ
ダゾールまたはホスゲン等の使用量は、化合物(II)1
モルに対し、それぞれ約1ないし3モルである。本反応
は、通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中で行わ
れる。該溶媒としては、例えば、エーテル類(例、エチ
ルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフランなど)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、
トルエンなど)、アミド類(例、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなど)、ハロゲン化炭化水素
類(例、クロロホルム、ジクロロメタンなど)等が用い
られる。反応温度は、通常、約0ないし約150℃、好
ましくは、室温下(約15ないし約25℃)である。反
応時間は通常約1ないし約36時間である。本反応は、
必要に応じ、塩基の存在下に行われる。該「塩基」とし
ては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化タリウムなどの無機塩基、ある
いはトリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用い
られる。該「塩基」の使用量は、化合物(II)1モルに
対し、約2モルないし20モル、好ましくは、約5モル
ないし12モルである。次いで行われる化合物(III)
との反応条件は、化合物(II)とカルボニルジイミダゾ
ールまたはホスゲンとを反応させる条件と同様に行えば
よい。化合物(III)の使用量は、化合物(II)または
化合物(IV)1モルに対し、約2ないし20モル、好ま
しくは、約5ないし10モルである。反応温度は、通
常、約0ないし150℃であり、好ましくは室温下(約
15ないし25℃)である。反応時間は、通常約1ない
し6時間である。また、カルボニルジイミダゾールまた
はホスゲンと化合物(III)とは、同時に化合物(II)
と反応させてもよい。
【0021】
【化15】 前記式中、Rは水素原子またはアルキル基を、R
アルキル基を、その他の各記号は前記と同意義を示す。
またはRで示される「アルキル基」としては、R
1またはRで示される「置換基を有していてもよいC
1−4アルキル基」の「C1−4アルキル基」と同様の
ものが挙げられる。
【0022】化合物(V)は、公知の方法、例えばp−
ニトロフェニルアセトン、シアノ酢酸エステル誘導体お
よび硫黄を反応させ(例、Chem. Ber., 99巻,94-100
頁,1966年等)、得られる2−アミノ−4−メチル−5
−(4−ニトロフェニル)チオフェンを、特開平9−1
69768号公報、WO 96/24597号公報等に
記載の方法またはこれに準ずる方法に付すことにより得
られる。
【0023】Rが水素原子の場合、化合物(V)
を、縮合試薬の存在下、式
【化16】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩(以下、化合物(VI)と略記する)と反
応させ、化合物(VII)を得、次いで閉環反応に付し、
化合物(I)を得る。該「縮合試薬」としては、例え
ば、ベンゾトリアゾ−ル−1−イルオキシトリピロリジ
ノホスフォニウム ヘキサフルオロホスフェート(benz
otriazol-1-yloxytripyrrolidinophosphonium hexafluo
rophosphate:PyBOP)などが挙げられる。該「縮合試
薬」の使用量は、化合物(V)1モルに対し、約1ない
し3モルである。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさ
ない適当な溶媒中で行われる。該溶媒としては、例え
ば、アルコール類(例、エタノール、メタノールな
ど)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエンな
ど)、アミド類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミドなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロ
ロホルム、ジクロロメタンなど)等が用いられる。反応
温度は、通常、約0ないし約150℃、好ましくは、室
温下(約15ないし約25℃)である。反応時間は通常
約1ないし約36時間である。生成物は反応液のまま、
あるいは粗製物として次の反応に用いることもできる
が、常法に従って反応混合物から単離することもでき
る。
【0024】化合物(VII)を塩基の存在下、閉環反応
に付すことにより化合物(I)を得ることができる。該
「塩基」としては、例えば、ナトリウムメトキシド、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化タリウムなどの無機塩基、あるいはトリエチルア
ミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられる。該「塩
基」の使用量は、化合物(VII)1モルに対し、約2モ
ルないし20モル、好ましくは、約5モルないし12モ
ルである。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない適
当な溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、アル
コール類(例、エタノール、メタノールなど)、芳香族
炭化水素類(例、ベンゼン、トルエンなど)、アミド類
(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
ど)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジク
ロロメタンなど)等が用いられる。反応温度は、通常、
約0ないし約150℃、好ましくは、室温下(約15な
いし約25℃)である。反応時間は通常約1ないし約3
6時間である。
【0025】Rがアルキル基の場合、化合物(V)
を活性化された化合物(VI)と反応させ、化合物(I)
を得る。活性化された化合物(VI)は、公知の方法に従
い製造でき、例えば、反応に悪影響を与えない適当な溶
媒中、有機アルミニウム試薬と化合物(VI)とを反応さ
せることにより得られる。該「有機アルミニウム試薬」
としては、例えば、トリメチルアルミニウム、ジメチル
アルミニウムクロライドなど、またはこれらを含有する
溶液などが挙げられる。該「有機アルミニウム試薬」の
使用量は、化合物(VI)1モルに対し、1ないし5モ
ル、好ましくは1モルである。該溶媒としては、例えば
ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメ
タンなど)が好ましい。反応温度は、通常、約0ないし
150℃、好ましくは室温下(約15ないし25℃)で
ある。反応時間は、通常約1ないし6時間である。化合
物(V)を活性化された化合物(VI)と反応させること
により、閉環反応が行われ、化合物(I)が得られる。
該「化合物(V)」の使用量は、化合物(VI)および有
機アルミニウム試薬の混合物に対し、約1/5量が好ま
しい。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない適当な
溶媒中で行われる。該溶媒としては、活性化された化合
物(VI)を得る反応に用いられた溶媒が好ましい。反応
温度は、通常、約0ないし150℃、好ましくは室温下
(約15ないし25℃)である。反応時間は、通常約1
ないし48時間である。
【0026】化合物(I)は、公知の分離手段、例えば
再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどにより単離、精
製することができる。化合物(I)が遊離体で得られた
場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法によっ
て目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られ
た場合には、公知の方法あるいはそれに準ずる方法によ
り、遊離体または、目的とする他の塩に変換することが
できる。化合物(I)は、水和物であってもよく、非水
和物であってもよい。該水和物としては、例えば、1水
和物、1.5水和物および2水和物などが挙げられる。
化合物(I)が光学活性体の混合物として得られる場合
には、公知の光学分割手段により目的とする(R)体ま
たは(S)体に分離することができる。化合物(I)は
同位元素(例、H、14C、35S)などで標識され
ていてもよい。
【0027】例〔II〕 式(VIII)
【化17】 〔式中、Rは置換基を有していてもよいC1−7アル
キル基、置換基を有していてもよいC3−7シクロアル
キル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ
アミノ基または置換基を有していてもよいヒドロキシア
ミノ基を、R10は置換基を有していてもよいC1−7
アルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基
をそれぞれ示し、Rが無置換のC1−7アルキル基で
ある場合、R10は置換されたC1−7アルキル基また
は置換されたフェニル基を示す〕で表される化合物また
はその塩〔以下、化合物(VIII)と略記することもあ
る〕。前記式中の各置換基の定義を以下に記す。R
示される「置換基を有していてもよいC1−7アルキル
基」の「C1− アルキル基」としては、例えば直鎖C
1−7アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなど)、分枝C
3−7アルキル基(例、イソプロピル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル
など)などが挙げられる。このうち、分枝C3−7アル
キル基が好ましい。とりわけ、イソプロピルが好まし
い。Rで示される「置換基を有していてもよいC
1−7アルキル基」の「置換基」としては、例えば
(i)ヒドロキシ基、(ii)C1−7アシルオキシ
(例、アセトキシ、プロピオニルオキシなどのC1−6
アルキル−カルボニルオキシ;ベンゾイルオキシな
ど)、(iii)C1−6アルコキシ−カルボニル(例、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブト
キシカルボニルなど)、ベンジルオキシカルボニル、C
1−3アシル(例、アセチル、プロピオニルなどのC
−2アルキル−カルボニルなど)、C1−3アルキルス
ルホニル(例、メタンスルホニルなど)およびC1−3
アルキル(例、メチル、エチルなど)などから選ばれる
置換基を1または2個有していてもよいアミノ(具体
例:アミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカル
ボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルベンジルオキ
シカルボニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニ
ルアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノなど)、(i
v)C3−7シクロアルキルオキシカルボニルオキシ
(例、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)お
よびC1− アルコキシ(例、メトキシ、エトキシな
ど)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよ
いC1−10(好ましくはC1−4)アルコキシ(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシ、シ
クロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エトキシ、
メトキシメトキシ、エトキシメトキシなど)、(v)C
1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルなど)
などが挙げられる。このうちヒドロキシ基が好ましい。
該「C1−7アルキル基」は、例えば前記置換基を、置
換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個
有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換
基は同一または異なっていてもよい。
【0028】Rで示される「置換基を有していてもよ
いC3−7シクロアルキル基」の「C3−7シクロアル
キル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ルなどが挙げられる。このうち、好ましくは、シクロプ
ロピルが挙げられる。Rで示される「置換基を有して
いてもよいC3−7シクロアルキル基」の「置換基」と
しては、前記Rで示される「置換基を有していてもよ
いC1−7アルキル基」の「置換基」と同様のものが1
ないし3個挙げられる。置換基数が2個以上の場合、各
置換基は同一または異なっていてもよい。Rで示され
る「置換基を有していてもよいC1−6アルコキシアミ
ノ基」の「C1−6アルコキシアミノ基」としては、例
えば、モノ−またはジ−C1−6アルコキシアミノ基
(例、メトキシアミノ、エトキシアミノ、ジメトキシア
ミノ、ジエトキシアミノ、エトキシメトキシアミノな
ど)が挙げられる。このうち、モノ−C1−3アルコキ
シアミノ基(例、メトキシアミノなど)が好ましい。R
で示される「置換基を有していてもよいC1−6アル
コキシアミノ基」の「置換基」としては、前記Rで示
される「置換基を有していてもよいC1−7アルキル
基」の「置換基」と同様のものが同個数挙げられる。置
換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっ
ていてもよい。該「置換基」は、C1− アルコキシア
ミノ基の「C1−6アルコキシ基」または「アミノ基」
を置換していてもよい。該「置換基を有していてもよい
1−6アルコキシアミノ基」の具体例としては、メト
キシアミノ、N−メチル−N−メトキシアミノ、N−エ
チル−N−メトキシアミノ、エトキシアミノ、ジメトキ
シアミノ、ジエトキシアミノ、エトキシメトキシアミノ
などのC1−3アルコキシアミノ基、N−C1−3アル
キル−N−C1−3アルコキシアミノ基などが挙げられ
る。
【0029】Rで示される「置換基を有していてもよ
いヒドロキシアミノ基」の「置換基」としては、ヒドロ
キシアミノ基の「ヒドロキシ基」または「アミノ基」を
置換していてもよく、該「ヒドロキシ基」上の置換基と
しては、(i)C1−7アシル基(例、アセチル、プロ
ピオニルなどのC1−6アルキル−カルボニル;ベンゾ
イルなど)、(ii)C1−6アルコキシ−カルボニル
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert
−ブトキシカルボニルなど)、ベンジルオキシカルボニ
ル、C1−3アシル(例、アセチル、プロピオニルなど
のC1−2アルキル−カルボニルなど)、C1−3アル
キルスルホニル(例、メタンスルホニルなど)およびC
1−3アルキル(例、メチル、エチルなど)などから選
ばれる置換基を1または2個有していてもよいアミノ基
(具体例:アミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキ
シカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、アセチルアミ
ノ、メタンスルホニルアミノ、メチルアミノ、ジメチル
アミノなど)、(iii)C3−7シクロアルキルオキシ
カルボニルオキシ(例、シクロヘキシルオキシカルボニ
ルオキシなど)およびC −3アルコキシ(例、メトキ
シ、エトキシなど)から選ばれる置換基を1ないし3個
有していてもよいC1−10(好ましくはC1−4)ア
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、tertブチ
ル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチ
ル、メトキシメチル、エトキシメチルなど)などが挙げ
られ、該「アミノ基」上の置換基としては、前記(i)
ないし(iii)記載の基などが挙げられる。ヒドロキシ
アミノ基の「ヒドロキシ基」または「アミノ基」の各置
換基は同一または異なっていてもよい。「置換基を有し
ていてもよいヒドロキシアミノ基」の好ましい例として
は、N−C1−6アルキル−N−ヒドロキシアミノ基
(例、N−メチル−N−ヒドロキシアミノ、N−エチル
−N−ヒドロキシアミノなど)などが挙げられる。さら
に好ましくはN−C1−3アルキル−N−ヒドロキシア
ミノ基などである。
【0030】R10で示される「置換基を有していても
よいC1−7アルキル基」の「C −7アルキル基」と
しては、例えば直鎖または分枝C1−7アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル
など)などが挙げられる。このうちC1−3アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど)
が好ましい。特に好ましくはイソプロピルである。R
10で示される「置換基を有していてもよいC1−7
ルキル基」の「置換基」としては、前記Rで示される
「置換基を有していてもよいC1−7アルキル基」の
「置換基」と同様のものが同個数挙げられる。置換基数
が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていて
もよい。R10で示される「置換基を有していてもよい
フェニル基」の「置換基」としては、例えばハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−3
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ルなど)、C1−3アルコキシ基(例えば、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)が挙げら
れる。中でもハロゲン(好ましくはフッ素)が好まし
い。該「フェニル基」は、例えば前記置換基を、置換可
能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有し
ていてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は
同一または異なっていてもよい。
【0031】Rは、好ましくは、置換された分枝C
3−7アルキル基または置換されたC 3−7シクロアル
キル基、さらに好ましくは、ヒドロキシ基で置換された
分枝C 3−7アルキル基またはヒドロキシ基で置換され
たC3−7シクロアルキル基である。このうち、ヒドロ
キシ基で置換されたC3−7シクロアルキル基が好まし
い。また、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC
1−3アルキル基、ヒドロキシ基で置換されていてもよ
いC3−7シクロアルキル基、モノ−C1−3アルコキ
シアミノ、N−C1−3アルキル−N−ヒドロキシアミ
ノ基、ヒドロキシアミノ基なども好ましい。Rは、特
に好ましくは、ヒドロキシ基で置換されていてもよいシ
クロプロピル基またはメトキシアミノ基などである。最
も好ましくは、ヒドロキシ基で置換されたシクロプロピ
ル基である。R10は、好ましくは、置換基を有してい
てもよいC1−7アルキル基である。さらに好ましく
は、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−3アル
キル基などである。特に好ましくはイソプロピルであ
る。また、フェニルも好ましい。化合物(VIII)の好ま
しい例としては、Rが、ヒドロキシ基で置換されてい
てもよいC1−3アルキル基、ヒドロキシ基で置換され
ていてもよいC3−7シクロアルキル基またはモノ−C
1−3アルコキシアミノ基;R10が、C1−3アルキ
ル基またはフェニル基である化合物またはその塩などが
挙げられる。さらに好ましくは、Rが(1)1または
2個のヒドロキシ基で置換されたC1−3アルキル基、
(2)ヒドロキシ基で置換されたC3−7シクロアルキ
ル基、または(3)C1−3アルコキシアミノ基;R
10がイソプロピル基またはフェニル基である化合物ま
たはその塩などが挙げられる。また、Rが(1)ヒド
ロキシ基、C1−3アルキル−カルボニルオキシ、アミ
ノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、C1−3アルコ
キシ、C1−3アルコキシ−C1−3アルコキシおよび
1−3アルコキシ−カルボニルから選ばれる置換基を
1ないし2個有していてもよいC1−7アルキル基、
(2)ヒドロキシ基またはC1−3アルキル−カルボニ
ルオキシで置換されていてもよいC3−7シクロアルキ
ル基、または(3)C1−3アルコキシアミノ基;R
10が(1)ヒドロキシ基で置換されていてもよいイソ
プロピル基または(2)フェニル基である化合物または
その塩も好ましい。
【0032】化合物(VIII)の好ましい具体例として
は、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−
4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−
ジフルオロベンジル)−2−(4−シクロプロパンカル
ボニルアミノフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−
b]ピリジン、5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−
N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−[4
−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)
フェニル]チエノ[2,3−b]ピリジン、5−(4−
フルオロベンゾイル)−3−(N−ベンジル−N−メチ
ルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−(4−シク
ロプロパンカルボニルアミノフェニル)チエノ[2,3
−b]ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7
−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−(3−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニ
ル]−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−
(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−
ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフルオ
ロベンジル)−2−(4−N'−メトキシウレイドフェ
ニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3
−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7
−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフル
オロベンジル)−2−[4−[(1−ヒドロキシシクロ
プロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキソ
チエノ[2,3−b]ピリジン、(R)−4,7−ジヒ
ドロ−2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
オニルアミノ)フェニル]−7−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメ
チル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3
−b]ピリジン、4,7−ジヒドロ−2−[4−(2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニ
ル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−(N
−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−イソブチ
リル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、4,
7−ジヒドロ−2−[4−(3−ヒドロキシ−3−メチ
ルブチリルアミノ)フェニル]−7−(2,6−ジフル
オロベンジル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノメチル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ
[2,3−b]ピリジン、(R)−4,7−ジヒドロ−
2−[4−(2,3−ジヒドロキシプロピオニルアミ
ノ)フェニル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)
−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5
−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
ジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)
−5−ベンゾイル−7−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−4,7−ジヒドロ−2−[4−[(1−ヒドロキ
シシクロプロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4
−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンまたはそれらの
塩などが挙げられる。
【0033】化合物(VIII)の塩としては、化合物
(I)の塩と同様のものが挙げられる。
【0034】化合物(VIII)は、公知の方法、例えば特
開2000−219690号公報に記載の方法またはこ
れに準ずる方法により製造することができる。
【0035】例〔III〕 式(IX)
【化18】 〔式中、R11は水素原子またはC1−3アルキル基、
12は水素原子、ヒドロキシ基またはC1−3アルコ
キシ基、R13は置換基を有していてもよいC3−7
枝アルキル基または置換基を有していてもよいC3−7
シクロアルキル基を示す〕で表される化合物〔以下、化
合物(IX)と略記することもある〕またはその塩。
【0036】式(IX)の式中の各置換基の定義を以下に
記す。R11で示される「C1−3アルキル基」として
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが挙げら
れる。このうち、メチル、エチルが好ましい。さらに好
ましくはメチルである。R12で示される「C1−3
ルコキシ基」としては、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシが挙げられる。このうち、メトキ
シ、エトキシが好ましい。さらに好ましくはメトキシで
ある。R13で示される「置換基を有していてもよいC
3−7分枝アルキル基」の「C3−7分枝アルキル基」
としては、例えばイソプロピル、イソブチル、1−メチ
ルペンチル、2−メチルペンチル、5−メチルヘキシ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシ
ル、2,4−ジメチル−3−ペンチルなどが挙げられ
る。このうち、イソプロピル、イソブチル、2,4−ジ
メチル−3−ペンチルなどが好ましい。さらに好ましく
はイソプロピルである。
【0037】R13で示される「置換基を有していても
よいC3−7分枝アルキル基」の「置換基」としては、
例えば(i)ヒドロキシ基、(ii)C1−7アシルオキ
シ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシなどのC
1−6アルキル−カルボニルオキシ;ベンゾイルオキシ
など)、(iii)C1−10アルコキシ基(例、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなど)
などが挙げられる。該「C3−7分枝アルキル基」は、
例えば前記置換基を、置換可能な位置に1ないし3個有
していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基
は同一または異なっていてもよい。R13で示される
「置換基を有していてもよいC3−7シクロアルキル
基」の「C3−7シクロアルキル基」としては、例え
ば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。こ
のうち、好ましくは、シクロヘキシルが挙げられる。R
13で示される「置換基を有していてもよいC3−7
クロアルキル基」の「置換基」としては、前記「置換
基」と同様のものが同個数挙げられる。置換基数が2個
以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよ
い。化合物(IX)の好ましい具体例としては、イソプロ
ピル {3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチ
ル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−2−[4−(3−メチルウレイド)フェニ
ル]−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カル
ボン酸エステル}またはその塩などが挙げられる。
【0038】化合物(IX)の塩としては、化合物(I)
の塩と同様のものが挙げられる。
【0039】化合物(IX)は、公知の方法、例えば、W
O 95/28405号公報に記載の方法またはこれに
準じる方法または特願2000−216030号公報に
記載の方法により製造することができる。具体例として
は、式(X)
【化19】 〔式中、R13は前記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩〔以下、化合物(X)と略記することも
ある〕とカルボニルジイミダゾール(N,N'−カルボニ
ルジイミダゾール;CDI)またはホスゲン(二量体お
よび三量体も含む)等を反応させ、次いで式(XI)
【化20】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表わされる化
合物(XI)を反応させ、化合物(IX)を得る。化合物
(X)および(XI)の塩としては、例えば化合物(IX)
の塩と同様のものなどが挙げられる。化合物(X)は、
WO95/28405号公報に記載の方法またはこれに
準じる方法により製造することができる。化合物(XI)
は、市販品を用いることができる。カルボニルジイミダ
ゾールまたはホスゲン等の使用量は、化合物(X)1モ
ルに対し、それぞれ約1ないし5モルである。化合物
(X)とカルボニルジイミダゾールまたはホスゲン等と
の反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中
で行われる。該溶媒としては、例えば、エーテル類
(例、エチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフランなど)、芳香族炭化水素類
(例、ベンゼン、トルエンなど)、アミド類(例、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ハロ
ゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン
など)等が用いられる。反応温度は、通常、約0ないし
50℃、好ましくは、約0ないし25℃である。反応時
間は通常約1ないし12時間である。
【0040】本反応は、必要に応じ、塩基の存在下に行
われる。該「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化タリ
ウムなどの無機塩基、あるいはトリエチルアミン、ピリ
ジンなどの有機塩基が用いられる。該「塩基」の使用量
は、化合物(X)1モルに対し、約1ないし5モル、好
ましくは、約1ないし3モルである。次いで行われる化
合物(XI)との反応条件は、化合物(X)とカルボニル
ジイミダゾールまたはホスゲン等とを反応させる条件と
同様に行えばよい。化合物(XI)の使用量は、化合物
(X)1モルに対し、約1ないし10モル、好ましく
は、約1ないし5モルである。反応温度は、通常、約0
ないし50℃であり、好ましくは約0ないし25℃であ
る。反応時間は、通常約1ないし12時間である。ま
た、カルボニルジイミダゾールまたはホスゲンと化合物
(XI)とは、同時に化合物(X)と反応させてもよい。
【0041】化合物(IX)は、公知の分離手段、例えば
再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどにより単離、精
製することができる。化合物(IX)が遊離体で得られた
場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法によっ
て目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られ
た場合には、公知の方法あるいはそれに準ずる方法によ
り、遊離体または、目的とする他の塩に変換することが
できる。化合物(IX)は、水和物であってもよく、非水
和物であってもよい。該水和物としては、例えば、1水
和物、1.5水和物および2水和物などが挙げられる。
化合物(IX)は同位元素(例、H、14C、35S)
などで標識されていてもよい。
【0042】例〔IV〕 式(XII)
【化21】 〔式中、AまたはDはいずれか一方が窒素原子で他方が
炭素原子または両方が窒素原子を、Bは窒素原子または
炭素原子を、mは0ないし3の整数を、R14、R15
およびR16はそれぞれ同一または異なって(i)水素
原子または(ii)炭素原子、窒素原子、酸素原子もしく
は硫黄原子を介して結合する基を、R17は炭素原子を
介して結合する基を、R18は水素原子、ハロゲンまた
は炭素原子もしくは酸素原子を介して結合する基を、R
19は水素原子または炭素原子を介して結合する基を、
20はそれぞれ置換基を有していてもよい同素環基ま
たは複素環基を、破線部分は単結合または二重結合をそ
れぞれ示す〕で表される化合物またはその塩(以下、化
合物(XII)またはその塩と略記することもある);
【0043】式(XII)の式中の各置換基の定義を以下
に記す。式中、炭素原子を介して結合する基としては、
(1)置換基を有していてもよい炭化水素基、(2)置換基
を有していてもよいアシル基、(3)置換基を有していて
もよい炭素原子に結合手を有する複素環基、(4)エステ
ル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル
基、または(5)シアノ基が挙げられる。式中、窒素原子
を介して結合する基としては、(1)ニトロ基、(2)式 −
NR 22〔式中、R21は水素、置換基を有して
いてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシ
ル基、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基
を有していてもよい複素環基または式 −S(O)t−R
25(式中、tは0ないし2の整数を、R25は水素原
子または置換基を有していてもよいC1−10炭化水素
基を示す)で表される基を、R22は水素、置換基を有
していてもよい炭化水素基または置換基を有していても
よいアシル基を示すか、R21とR22とが結合し隣接
する窒素原子とともに置換基を有していてもよい環状ア
ミノ基を形成していてもよい〕で表される基が挙げられ
る。式中、酸素原子を介して結合する基としては、置換
基を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。該置
換基を有していてもよいヒドロキシ基としては、式−O
−R26(式中、R26は水素原子または、それぞれ置
換基を有していてもよいC1−10炭化水素基、C
1−20アシル基、C1−20アルキルスルホニル基、
6−14アリールスルホニル基もしくは複素環基を示
す)で表される。式中、硫黄原子を介して結合する基と
しては、式 −S(O)t−R27(式中、tは0ないし
2の整数を、R27は水素原子または、それぞれ置換基
を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示
す)で表される基が挙げられる。
【0044】エステル化されていてもよいカルボキシル
基としては、式 −COO−R34(式中、R34は水
素原子または置換基を有していてもよいC1−10炭化
水素基を示す。)で表される基が挙げられる。アミド化
されていてもよいカルボキシル基としては、式 −CO
−NR28 29〔式中、R28は、水素原子、置換基
を有していてもよい炭化水素基またはアルコキシ基を示
す。R29は水素原子または置換基を有していてもよい
炭化水素基を示す。R28とR29とは、隣接する窒素
原子と共に置換基を有していてもよい環状アミノ基を形
成してもよい。〕で表される基が挙げられる。該アミド
化されていてもよいカルボキシル基としては、例えば
−CONH で示される基、またはモノ−もしくはジ
−C1−15アルキルカルバモイル基、好ましくはモノ
−もしくはジ−C1−10アルキルカルバモイル基(例
えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ヘキ
シルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、メチルエチ
ルカルバモイル等)などが好ましく挙げられる。
【0045】置換基を有していてもよい炭化水素基にお
ける炭化水素基としては、例えばC 1−20炭化水素基
(好ましくは、C1−10炭化水素基)が好ましい。該
−20炭化水素基の例としては、例えば、(1)C
1−15アルキル基(例として、メチル、エチル、n-プ
ロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル等が挙げられ、なかでも、C
1−10アルキルが好ましく、特にC1−6アルキル基
が好ましい)、(2)C 3−10シクロアルキル基(例と
して、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ
ル、シクロノニル等が挙げられ、なかでもC3−6シク
ロアルキル基が好ましい)、(3)C2−10アルケニル
基(例として、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−
ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、ブタジエニ
ル、2−メチルアリル、ヘキサトリエニル、3−オクテ
ニル等が挙げられ、なかでもC2−6アルケニル基が好
ましい)、(4)C2−10アルキニル基(例として、エ
チニル、2−プロピニル、イソプロピニル、ブチニル、
t−ブチニル、3−ヘキシニルなどが挙げられ、なかで
もC2−6アルキニル基が好ましい)、(5)C3−10
シクロアルケニル(例として、シクロプロペニル、シク
ロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙げられ、なかで
もC3−6シクロアルケニル基が好ましい)、(6)C
6−14アリール基(例として、フェニル、ナフチル、
アントリル、フェナントリル、アセナフチル、アントラ
セニル等が挙げられ、なかでも、フェニル,ナフチルが
好ましい)、および(7)C7−20アラルキル基(例と
して、ベンジル、フェネチル、ベンツヒドリル等のC
6−14アリール−C1−6アルキル基が挙げられ、な
かでもベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−6
アルキル基が好ましい)などが挙げられる。
【0046】炭化水素基は、置換可能な任意の位置に1
ないし6個、好ましくは1ないし5個、さらに好ましく
は1ないし3個の置換基を有していてもよい。該置換基
としては、例えば、(1)ハロゲン、(2)ニトロ、(3)ニト
ロソ、(4)シアノ、(5)置換基〔例、(i)C1−6アルキ
ル(該C1−6アルキルは、ヒドロキシ基、C1−6
ルコキシ、C1−3アルコキシ−C1−3アルコキシ、
1−3アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−3アルコキ
シ、C1−6アルキル−カルボニル、カルボキシ、カル
バモイル、C1−6アルキル−カルバモイル、5ないし
8員複素環基(下記の「炭素原子以外に酸素原子、硫黄
原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4
個含む5ないし8員複素環基」と同様のもの)またはハ
ロゲンを置換基として1ないし3個有していてもよ
い)、(ii)C1−4アシル(C1−4アルカノイル、C
2−4アルケノイル等)、(iii)C7−20アラルキル
(該C 7−20アラルキル基はC6−14アリール−C
1−6アルキルであり、ハロゲン、C1−3アルコキシ
またはC1−4アルキルを1ないし3個、好ましくは1
個、置換基として有していてもよい)、(iv)C6−14
アリール(該C6−14アリールは、ハロゲンを1ない
し3個、好ましくは1個、置換基として有していてもよ
い)、(v)C2−6アルケニル、(vi)C3−7シクロア
ルキル、(vii)C −3アルコキシ−カルボニル、(vii
i)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ、(ix)C
2−6アルケニルアミノ、(x)C1−3アルコキシ−カ
ルボニル、(xi)C1−6アルキル−カルボニル、または
(xii)C3−6シクロアルキルオキシ−カルボニル〕を
有していてもよいヒドロキシ、(6)式 −S(O)t−R
30〔式中、tは0ないし2の整数を、R30は水素原
子または置換可能な任意の位置に1ないし3個、好まし
くは1個の置換基(例、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒ
ドロキシ、オキソ、チオキソ、カルボキシ、シアノ−C
6−14アリール、ハロゲノC6−14アリール等)を
有していてもよい炭化水素基を示し、該炭化水素基とし
ては、C1−20炭化水素基、特に、C1−6アルキ
ル、C6−14アリール、C7−20アラルキルが好ま
しい)〕で表される基、(7)置換基を有していてもよい
アミノ基〔例、式 −NR3132〔式中、R31
よびR32は、同一または異なって、水素原子、C
1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C 1−6
ルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、C
3−7シクロアルキル、フェニル、フェニル−C1−6
アルキル、C1−6アルカノイル、C −6アルケノイ
ル、C4−7シクロアルキル−カルボニル、フェニル−
1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−
カルボニル、フェニル−C1−6アルコキシ−カルボニ
ルまたは5ないし8員複素環基(下記の「炭素原子以外
に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ
原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基」と同様
のもの)を示す〕で表される基〕、(8)式 −CO−R
33〔式中、R33は、(i)水素原子、(ii)ヒドロキ
シ、(iii)C1−10アルキル、(iv)C1−6アルコキ
シ(このアルコキシは、ハロゲンやニトロなどの置換基
を置換可能な任意の位置に1ないし3個、好ましくは1
個有していてもよいC6−14アリールで置換されてい
てもよい)、(v)C3−6シクロアルキル、(vi)C
6−14アリール、(vii)C6−14アリールオキシ、
(viii)C7−20アラルキル、(ix)式−NR2324
(式中、R23は水素またはそれぞれ置換基を有してい
てもよいC1−10炭化水素基、C1−20アシル基、
ヒドロキシ基、複素環基もしくは式 −S(O)t−R25
(式中、tは0ないし2の整数を、R 25は水素原子、
置換基を有していてもよいC1−10炭化水素基または
複素環基を示す)で表される基を、R24は水素または
1−10炭化水素基を示すか、R23とR24とが隣
接する窒素原子とともに置換基を有していてもよい環状
アミノ基を形成していてもよい)で表される置換基を有
していてもよいアミノ基または(x)5ないし8員複素環
基(下記の「炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素
原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5な
いし8員複素環基」と同様のもの)を示す〕で表される
基(例えば、C1−6アルカノイル、C −6アルケノ
イル、C1−6アルコキシ−カルボニルなどが好まし
い)、(9)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれ
る1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし8員の
複素環基、(10)スルホ、(11)C6−14アリール、(12)
3− シクロアルキル、(13)C1−6アルキレンジオ
キシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロ
ピレンジオキシ、2,2−ジメチレンジオキシ等)、(1
4)オキソ、(15)チオキソ、(16)C2−4アルキニル、(1
7)C3−10シクロアルキル、(18)C2−10アルケニ
ル(好ましくは、C2−6アルケニル基)、(19)C
7−20アラルキル(例、C6−14アリール−C
1−6アルキル)、(20)アミジノおよび(21)アジドなど
が挙げられる。
【0047】置換基を有している炭化水素基上の置換基
のうち、(9)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ば
れる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし8員
の複素環基、(11)C6−14アリール、(12)C3−7
クロアルキル、(16)C2−4アルキニル、(17)C
3−10シクロアルキル基、(18)C2−10アルケニル
基、および(19)C7−20アラルキルなどは、置換可能
な任意の位置にさらに1ないし4個、好ましくは1ない
し3個の置換基を有してもよい。該さらに有していても
よい置換基としては、例えば、(1)ヒドロキシ、(2)アミ
ノ、(3)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(4)C1−4
ルコキシ、(5)ハロゲン、(6)ニトロおよび(7)C1−6
アルキル等から選ばれる1ないし3個の基、さらに好ま
しくは1ないし2個の基が挙げられる。例えば、該炭化
水素基がシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール
またはアラルキル基である場合は、置換基としてC
1−6アルキルを1ないし3個有していてもよく、この
1−6アルキルは、さらに、1ないし3個のヒドロキ
シ、オキソ、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチ
オ、ハロゲン、カルバモイル等で置換されていてもよ
い。該置換されているC1−6アルキルとして、ホルミ
ル(メチルがオキソにより置換されたもの)、カルボキ
シル(メチルがオキソおよびヒドロキシにより置換され
たもの)、C1−6アルコキシカルボニル(メチルがオ
キソおよびアルコキシにより置換されたもの)(例、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、t-ブトキシカ
ルボニル等のC1−6アルコキシカルボニル)、ヒドロ
キシC1−6アルキル(例、ヒドロキシメチル、ヒドロ
キシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシプロピル
等)、C1−3アルコキシ−C1−6アルキル(例、メ
トキシメチル、エトキシメチル、エトキシブチル、プロ
ポキシメチル、プロポキシヘキシル等)などが挙げられ
る。前記における置換基の数は1ないし6個であるが、
1ないし5個が好ましく、とりわけ1ないし3個が好ま
しく、1ないし2個が最も好ましい。置換基がさらに有
していてもよい置換基の数としては、1ないし4個が好
ましく、とりわけ1ないし3個が好ましく、1ないし2
個が最も好ましい。
【0048】炭素原子を介して結合する基、R21およ
びR22の一例として例示した前記の置換基を有してい
てもよいアシル基におけるアシル基としては、C
1−20アシル基が挙げられ、例えば、ホルミル、C
1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、エチルカ
ルボニル、プロピルカルボニル、tert-プロピルカルボ
ニル等)、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシ
カルボニル等)、C6−14アリール−カルボニル
(例、ベンゾイル、ナフトイル等)、C6−14アリー
ルオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル
等)、C7−15アラルキル−カルボニル(例、ベンジ
ルカルボニル等のC6−14アリール−C1−6アルキ
ル−カルボニル)、C7− 19アラルキルオキシ−カル
ボニル(例、ベンジルオキシカルボニル等のC6− 14
アリール−C1−6アルコキシ−カルボニル)、C
2−4アルケニル−カルボニル(例、2−プロペニルカ
ルボニル等)、C3−6シクロアルキル−カルボニル
(例、シクロプロピルカルボニル等)、三環性C
9−10架橋環式炭化水素−カルボニル(例、アダマン
チルカルボニル等)などが挙げられる。該置換基を有し
ていてもよいアシル基における置換基としては、前記の
置換基を有していてもよい炭化水素基における置換基と
して例示したものと同様のものが挙げられる。
【0049】式中、複素環基または置換基を有していて
もよい複素環基における複素環基としては、炭素原子以
外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテ
ロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基、それ
らの複素環基同志が同一または異なって2個または3個
縮合して形成される2環性もしくは3環性縮合複素環
基、およびその複素環基とベンゼン環が1個または2個
縮合して形成される2環性もしくは3環性縮合複素環基
等が挙げられる。該複素環基の具体例としては、例え
ば、(1)チエニル、フリル、ピロリル、ピロリニル、
オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリ
ル、イミダゾリニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリ
ル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジ
アゾリル、フラザニル、1,2,4−チアジアゾリル、
1,2,3−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、トリアジニル、トリアゾリジニル、1H−または2
H−テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原
子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個
含む5員複素環基;(2)ピリジル、ピリミジニル、チ
オモルホリニル、モルホリニル、トリアジニル、ピロリ
ジニル、ピペリジニル、ピラニル、チオピラニル、1,
4−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,3−チアジ
ニル、ピペラジニル、トリアジニル、オキソトリアジニ
ル、ピリダジニル、ピラジニル等の炭素原子以外に酸素
原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を
1ないし4個含む6員複素環基などが挙げられる。(3)
2環性または3環性縮合複素環基としては、ベンゾフリ
ル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、テトラゾ
ロ〔1,5−b〕ピリダジニル、トリアゾロ〔4,5−
b〕ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イ
ソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニ
ル、キノキサリニル、インドリジニル、インドリル、キ
ノリジニル、1,8−ナフチリジニル、プリニル、プテ
リジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジ
ニル、フェナントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサ
ジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサ
ジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原
子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む2環性
または3環性縮合複素環基等が挙げられる。
【0050】該複素環基に置換していてもよい置換基の
例としては、例えば(1)C1−6アルキル、(2)C2−6
アルケニル、(3)C2−6アルキニル、(4)C3−6シク
ロアルキル、(5)C5−7シクロアルケニル、(6)C
7−11アラルキル(ベンジル、フェネチルなどのC
6−10アリール−C1−5アルキル、好ましくは、ベ
ンジル)、(7)C6−14アリール(フェニル、ナフチ
ル、アントリル、フェナントリル、アセナフチル、アン
トラセニル等、好ましくは、フェニル)、(8)C −6
アルコキシ、(9)C6−14アリールオキシ(例、フェ
ノキシ等)、(10)C 1−6アルカノイル(例、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、iso-ブチリ
ル等)、(11)C6−14アリール−カルボニル(例、ベ
ンゾイル等)、(12)C1−6アルカノイルオキシ(例、
ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキ
シ、n-ブチリルオキシ、iso-ブチリルオキシ等)、(13)
6−14アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイ
ルオキシ等)、(14)カルボキシル、(15)C1−6アルコ
キシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、n-プロポキシカルボニル、iso-プロポキシ
カルボニル、n-ブトキシカルボニル、イソブトキシカル
ボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、(16)カルバモ
イル、(17)N−モノ−C1−4アルキルカルバモイル
(例、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、
N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイ
ル、N-ブチルカルバモイル等)、(18)N,N−ジ−C
1−4アルキルカルバモイル(例、N,N-ジメチルカルバ
モイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカ
ルバモイル、N,N-ジブチルカルバモイル等)、(19)3な
いし6員環状アミノカルボニル(例、1-アジリジニルカ
ルボニル、1-アゼチジニルカルボニル、1-ピロリジニル
カルボニル、1-ピペリジニルカルボニル、N-メチルピペ
ラジニルカルボニル、モルホリノカルボニル等)、(20)
ハロゲン、(21)モノ−,ジ−またはトリ−ハロゲノ−C
1−4アルキル(例、クロロメチル、ジクロロメチル、
トリフルオロメチル、トリフルオロエチル等)、(22)オ
キソ、(23)アミジノ、(24)イミノ、(25)アミノ、(26)モ
ノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ(例、メチルア
ミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルア
ミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチ
ルアミノ等)、(27)炭素原子と1個の窒素原子以外に酸
素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子
を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状ア
ミノ基(例、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニ
ル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、ジヒ
ドロピリジル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラ
ジニル等)、(28)C1−6アルカノイルアミノ(例、ホ
ルムアミド、アセタミド、トリフルオロアセタミド、プ
ロピオニルアミド、ブチリルアミド、イソブチリルアミ
ド等)、(29)ベンズアミド、(30)カルバモイルアミノ、
(31)N−C1−4アルキルカルバモイルアミノ(例、N-
メチルカルバモイルアミノ、N-エチルカルバモイルアミ
ノ、N-プロピルカルバモイルアミノ、N-イソプロピルカ
ルバモイルアミノ、N-ブチルカルバモイルアミノ等)、
(32)N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイルアミノ
(例、N,N-ジメチルカルバモイルアミノ、N,N-ジエチル
カルバモイルアミノ、N,N-ジプロピルカルバモイルアミ
ノ、N,N-ジブチルカルバモイルアミノ等)、(33)C
1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エ
チレンジオキシ等)、(34)−B(OH)、(35)ヒドロキ
シ、(36)エポキシ(−O−)、(37)ニトロ、(38)シア
ノ、(39)メルカプト、(40)スルホ、(41)スルフィノ、(4
2)ホスホノ、(43)スルファモイル、(44)C1−6アルキ
ルスルファモイル(例、N-メチルスルファモイル、N-エ
チルスルファモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イ
ソプロピルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル
等)、(45)ジC1−6アルキルスルファモイル(例、N,
N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイ
ル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスル
ファモイル等)、(46)C1−6アルキルチオ(例、メチ
ルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ
オ、n-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ
等)、(47)フェニルチオ、(48)C1−6アルキルスルフ
ィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニ
ル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等)、
(49)フェニルスルフィニル、(50)C1−6アルキルスル
ホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プ
ロピルスルホニル、ブチルスルホニル等)および(51)フ
ェニルスルホニルなどが挙げられる。該複素環基に置換
していてもよい置換基の数は1ないし6個、好ましくは
1ないし3個、さらに好ましくは1ないし2個である。
【0051】該置換基を有していてもよい炭素原子に結
合手を有する複素環基における複素環基としては、炭素
原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれ
るヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環
基、それらの複素環基同志が同一または異なって2個ま
たは3個縮合して形成される2環性もしくは3環性縮合
複素環基、およびその複素環基とベンゼン環が1個また
は2個縮合して形成される2環性もしくは3環性縮合複
素環基等であって、該複素環を構成する炭素原子に結合
手を有する複素環基が挙げられる。該炭素原子に結合手
を有する複素環基の具体例としては、例えば、(1)チ
エニル(例、2−または3−チエニル)、フリル(例、
2−または3−フリル)、ピロリル(例、2−または3
−ピロリル)、オキサゾリル(例、2−,4−または5
−オキサゾリル)、チアゾリル(例、2−,4−または
5−チアゾリル)、ピラゾリル(例、3−,4−または
5−ピラゾリル)、ピロリジニル(例、2−または3−
ピロリジニル)、イミダゾリル(例、2−,4−または
5−イミダゾリル)、イミダゾリニル(例、2−イミダ
ゾリニル、2−イミダゾリジニル)、イソオキサゾリル
(例、3−,4−または5−イソオキサゾリル)、イソ
チアゾリル(例、3−,4−または5−イソチアゾリ
ル)、オキサジアゾリル〔例、3−または5−(1,2,
4−オキサジアゾリル)、2−,5−または6−(1,3,
4−オキサジアゾリル)〕、チアジアゾリル〔例、3−
または5−(1,2,4−チアジアゾリル)、2−または5
−(1,3,4−チアジアゾリル)、4−または5−(1,
2,3−チアジアゾリル)、3−または4−(1,2,5−
チアジアゾリル)〕、トリアゾリル〔例、2−または5
−(1,2,3−トリアゾリル)、3−または5−(1,2,
4−トリアゾリル)〕、テトラゾリル〔例、5−(1H−
または2H−テトラゾリル)〕等の炭素原子以外に酸素
原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を
1ないし4個含む5員複素環基;(2)ピリジル(例、
2−,3−または4−ピリジル)、ピリミジニル(例、
2−,4−または5−ピリミジニル)、チオモルホリニ
ル(例、2−または3−チオモルホリニル)、モルホリ
ニル(例、2−または3−モルホリニル)、トリアジニ
ル(例、3−または6−トリアジニル)、ピペリジニル
(例、2−,3−または4−ピペリジニル)、ピラニル
(例、2−または3−ピラニル)、チオピラニル(例、
2−または3−チオピラニル)、オキサジニル〔例、2
−または3−(1,4−オキサジニル)〕、チアジニル
〔例、2−または3−(1,4−チアジニル)、1−また
は4−(1,3−チアジニル)〕、ピペラジニル(例、2
−または3−ピペラジニル)、トリアジニル(例、3−
または6−トリアジニル)、ピリダジニル(例、3−ま
たは4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−または
3−ピラジニル)、ピリダジニル(例、3−または4−
ピリダジニル)等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原
子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個
含む6員複素環基;(3)ベンゾフリル、ベンゾチアゾ
リル、ベンゾオキサゾリル、テトラゾロ〔1,5−b〕
ピリダジニル、トリアゾロ〔4,5−b〕ピリダジニ
ル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、シ
ンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリ
ニル、インドリジニル、インドリル、キノリジニル、
1,8−ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、ジ
ベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナ
ントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサジニル、フェ
ナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等の炭
素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ば
れるヘテロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性
縮合複素環基の炭素原子に結合手を有する基等が挙げら
れる。炭素原子に結合手を有する複素環基に置換してい
てもよい基としては、前記の置換基を有していてもよい
複素環基において例示した置換基と同様のものが挙げら
れる。
【0052】環状アミノ基および置換基を有していても
よい環状アミノ基における環状アミノ基としては、酸素
原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれた原子をさら
に1個有していてもよい5ないし7員の含窒素環状基が
挙げられる。その例としては、例えば、ピロリジニル、
ピロリニル、ピロリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニ
ル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、
イミダゾリル、1,2,3−トリアジニル、1,2,3−ト
リアゾリジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3,
4−テトラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼ
ピニル、ヘキサメチレンイミノ、オキサゾリジノ、モル
ホリノ、チアゾリジノまたはチオモルホリノが挙げられ
る。なかでも、5ないし6員のものが好ましく、例え
ば、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピペリ
ジニル、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノが
好ましい。該環状アミノ基は、置換可能な任意の位置に
1ないし3個の置換基を有していてもよく、該置換基と
しては、例えば、(1)C1−6アルキル、(2)C6−14
アリール、(3)C7−10アラルキル(フェニルC
1−4アルキル)、(4)ベンツヒドリル、(5)C1−6
ルキル−カルボニル、(6)C6−14アリール−カルボ
ニル、および(7)C1−6アルコキシ−カルボニルなど
が挙げられる。好ましい置換基としては、C1−6アル
キルが挙げられ、なかでもC1−3アルキルがさらに好
ましい。
【0053】置換基を有していてもよい同素環基におけ
る同素環基としては、例えばC6− 10アリール基
(例、フェニル、ナフチルなど)、C3−7シクロアル
キル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等)、C
3−7シクロアルケニル(例、シクロプロぺニル、シク
ロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シ
クロヘプテニル等)等の縮合していてもよい3ないし7
員炭素環状基等が用いられる。該同素環基は、置換可能
な任意の位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3
個、さらに好ましくは1ないし2個の置換基を有してい
てもよい。該置換基としては、例えば(1)1ないし3
個、好ましくは1ないし2個のハロゲンで置換されてい
てもよいC1−15アルキル(好ましくは、ハロゲンで
置換されていてもよいC1−6アルキル)、(2)C
3−10シクロアルキル、(3)C2−10アルケニル、
(4)C2−10アルキニル、(5)C3−10シクロアルケ
ニル、(6)C6−1 アリール、(7)C7−20アラルキ
ル、(8)ニトロ、(9)ヒドロキシ、(10)メルカプト、(11)
オキソ、(12)チオキソ、(13)シアノ、(14)カルバモイ
ル、(15)カルボキシル、(16)C1−6アルコキシ−カル
ボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
等)、(17)スルホ、(18)ハロゲン、(19)C1−6アルコ
キシ、(20)C6−10アリールオキシ(例、フェノキシ
等)、(21)C1−6アシルオキシ(例、アセトキシ、プ
ロピオニルオキシ等のC1−6アルカノイルオキシ)、
(22)C1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチ
オ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチル
チオ、t−ブチルチオ等)、(23)C6−10アリールチ
オ(例、フェニルチオ等)、(24)C1−6アルキルスル
フィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニ
ル等)、(25)C6−10アリールスルフィニル(例、フ
ェニルスルフィニル等)、(26)C1−6アルキルスルホ
ニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、
(27)C6−10アリールスルホニル(例、フェニルスル
ホニル等)、(28)アミノ、(29)C1−6アシルアミノ
(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ等のC
1−6アルカノイルアミノ等)、(30)モノ−またはジ−
1−4アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルア
ミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−
ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、
(31)C3−8シクロアルキルアミノ(例、シクロプロピ
ルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミ
ノ、シクロヘキシルアミノ等)、(32)C6−10アリー
ルアミノ(例、アニリノ等)、(33)C1−6アルカノイ
ル(例、ホルミル、アセチル、ヘキサノイル等)、(34)
6−10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル
等)、および(35)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、
窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む
5ないし6員複素環基〔例、チエニル(例、2−または
3−チエニル)、フリル(例、2−または3−フリ
ル)、ピラゾリル(例、3−,4−または5−ピラゾリ
ル)、チアゾリル(例、2−,4−または5−チアゾリ
ル)、イソチアゾリル(例、3−,4−または5−イソ
チアゾリル)、オキサゾリル(例、2−,4−または5
−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−,4−
または5−イソオキサゾリル)、イミダゾリル(例、2
−,4−または5−イミダゾリル)、トリアゾリル
(例、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル)、テ
トラゾリル(例、1Hまたは2H−テトラゾリル)、ピ
リジル(例、2−,3−または4−ピリジル)、ピリミ
ジニル(例、2−,4−または5−ピリミジル)、ピリ
ダジニル(例、3−または4−ピリダニジル)、キノリ
ル、イソキノリル、インドリル等〕などが挙げられる。
21またはR23で示される置換基を有していてもよ
いヒドロキシ基としては、前記の式 −OR26〔式
中、R26は前記と同意義を示す〕で表される基が挙げ
られる。
【0054】式中、R14、R15およびR16として
は、それぞれ同一または異なって(i)水素または(i
i)前記の炭素原子、窒素原子または酸素原子を介して
結合する基が好ましい。なかでも好ましくは、R
14が、それぞれ置換基を有していてもよいC1−15
アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C2−10
アルケニル基、C2−10アルキニル基、C3−10
クロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−20
アラルキル基もしくはC1−20アシル基、ニトロ基、
式 −NR2324(式中、R23およびR24は前
記と同意義)で表される基、または式 −O−R26
〔式中、R26は水素原子または、それぞれ置換基を有
していてもよいC1−10炭化水素基、C1−20アシ
ル基、C1−20アルキルスルホニル基、C6−14
リールスルホニル基もしくは5ないし8員複素環基(前
記の「炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等
から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8
員複素環基」と同様のもの)を示す〕で表される基であ
り、R15またはR16の少なくとも一方が水素で他方
は前記の炭素原子、窒素原子または酸素原子を介して結
合する基(好ましくはR15およびR16が共に水素)
である。R14として好ましくは、1ないし3個、好ま
しくは1個のヒドロキシ基で置換されていてもよいC
1−10アルキル基(好ましくは、C1−6アルキル
基)、ニトロ基、アミノ基、式 −NR2324 (た
だし、R23は水素、R24は1ないし3個、好ましく
は1個のヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−
アルキル−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−カル
ボニル、C6−14アリールアミノ−カルボニルを示
す)、または式 −O−R26(ただし、R26は水
素、1ないし3個、好ましくは1個のヒドロキシ基で置
換されていてもよいC1−10アルキル、C3−10
クロアルキルもしくは1ないし3個、好ましくは1個の
ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル
−カルボニル、C1−6アルキルスルホニル基、C
6−10アリールスルホニル基)である。
【0055】式中、R17としては、(1)置換基を有し
ていてもよいC1−20炭化水素基、(2)置換基を有し
ていてもよいC1−20アシル基、(3)置換基を有して
いてもよい炭素原子に結合手を有する複素環基、(4)エ
ステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシ
ル基、または(5)シアノ基が好ましい。中でも好ましく
は、R17は、それぞれ置換基を有していてもよいC
1−15アルキル基、C 3−10シクロアルキル基、C
2−10アルケニル基、C2−10アルキニル基、C
3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基ま
たはC7−20アラルキル基である。さらに好ましくは
置換基を有していてもよいC1−6アルキル基(例え
ば、置換基を有していてもよいアミノアルキル基など)
である。R17として好ましい例としては、式 −(CH
)r−NR2324 〔式中、rは1ないし3の整数
を、R23は水素、置換基を有していてもよいC
1−10炭化水素基、置換基を有していてもよいC
1−20アシル基、置換基を有していてもよいヒドロキ
シ基(前記の式 −O−R26で表される基)、置換基
を有していてもよい複素環基または式 −S(O)t−R
25(式中、tは0ないし2の整数を、R25は水素原
子または置換基を有していてもよいC1−10炭化水素
基を示す)で表される基を、R24は水素またはC
1−10炭化水素基を示すか、R23とR24とが隣接
する窒素原子とともに置換基を有していてもよい環状ア
ミノ基を形成していてもよい〕が挙げられる。R
17は、より好ましくは、ハロゲン原子、C1−20
シル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、またはC
1−1 アルキルおよび/またはC6−14アリール−
1−10アルキルで置換されていてもよいアミノ基で
置換されていてもよいC1−3アルキル基である。特に
好ましくは、N−C1−6アルキル−N−ベンジルアミ
ノメチルである。
【0056】式中、R18で示されるハロゲンとして
は、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げ
られる。R18として好ましくは、水素、置換基を有し
ていてもよいC1−15アルキル基、置換基を有してい
てもよいC3−10シクロアルキル基、置換基を有して
いてもよいC2−10アルケニル基、置換基を有してい
てもよいC2−10アルキニル基、置換基を有していて
もよいC3−10シクロアルケニル基、置換基を有して
いてもよいC6−14アリール基、置換基を有していて
もよいC7−20アラルキル基、置換基を有していても
よいC1−20アシル基、エステル化もしくはアミド化
されていてもよいカルボキシル基、または式 −O−R
26 (式中、R26は水素原子または、それぞれ置換
基を有していてもよいC1−15アルキル基、C
3−10シクロアルキル基、C2−10アルケニル基、
2−10アルキニル基、C3−10シクロアルケニル
基、C6−14アリール基、C7−2 アラルキル基、
1−20アシル基、C1−20アルキルスルホニル
基、C −14アリールスルホニル基もしくは複素環基
を示す)が挙げられる。中でもR 18として好ましく
は、水素、または、1ないし3個、好ましくは1個のC
6− 14アリールもしくはC1−6アルコキシ基で置換
されていてもよいC1−15アルキル基、1ないし3
個、好ましくは1個のヒドロキシ基で置換されていても
よいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキ
シカルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、t-ブトキシカルボニル等)、C6−14アリー
ル−カルボニル(例、ベンゾイル等)、C6−14アリ
ールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル
等)、C7−15アラルキル−カルボニル(例、ベンジ
ルカルボニル等)、C7−19アラルキルオキシ−カル
ボニル(例、ベンジルオキシカルボニル等)、N−C
1−10アルキル−N−(C1−10アルコキシ)アミ
ノ−カルボニル(例、N−メチル−N−メトキシアミノ
−カルボニル等)、C1−15アルキルオキシおよびC
1−20アリールスルホニル基などが挙げられる。さら
に好ましくは、R18は、(1)C1−6アルコキシ−
カルボニル基、(2)ハロゲンまたはC1−6アルコキ
シで置換されていてもよいC6−14アリール基または
(3)フェニル−C1−3アルキル基である。式中、R
19としては、水素、または、それぞれ置換基を有して
いてもよいC 1−15アルキル基、C3−10シクロア
ルキル基、C2−10アルケニル基、C2−10アルキ
ニル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14
リール基もしくはC7−20アラルキル基が好ましい。
中でもR19として好ましくは、水素またはC1−10
アルキル基、さらに好ましくは水素またはC1−6アル
キル基が挙げられる。
【0057】式中、R20としては、それぞれ置換基を
有していてもよい同素環基または複素環基、好ましくは
置換基を有していてもよいC6−14アリール基が挙げ
られる。R20としてさらに好ましくは、1ないし3
個、好ましくは1ないし2個のハロゲン原子またはC
1−6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基
が挙げられる。特に好ましくは1ないし2個のハロゲン
原子で置換されていてもよいフェニル基である。前記の
式(XII)において、mは0ないし3、好ましくはmは
0ないし2、さらに好ましくはmは0または1である。
前記の式において、rは1ないし3の整数、好ましくは
rは1または2、さらに好ましくはrは1である。
【0058】前記の式(XII)において、AまたはDは
いずれか一方が窒素原子で他方が炭素原子または両方が
窒素原子を、Bは窒素原子または炭素原子を示す。従っ
て、式(XII)で表される化合物としては、例えば、式
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
合物が挙げられる(好ましくは、式(a)、(b)、(c)、
(d)、(e)または(g)で表される化合物)。中でも好まし
くは、式(XII)においてBが窒素原子である化合物、
とりわけ式(c)または(e)で表される化合物、最も好まし
くは式(e)で表される化合物が挙げられる。化合物(XI
I)中、一般式
【化26】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合
物が好ましい。中でも、R14が(1)(i)C1−6
ルキルまたはC1−6アルコキシで置換されていてもよ
いカルバモイルまたは(ii)C1−6アルキル−カルボ
ニルで置換されていてもよいアミノ基または(2)C
3−6シクロアルキルで置換されていてもよいC1−6
アルコキシ基;R17がN−C1−6アルキル−N−ベ
ンジルアミノメチル基;R18が(1)C1−6アルコ
キシ−カルボニル基、(2)ハロゲンまたはC1−
ルコキシで置換されていてもよいC6−14アリール基
または(3)フェニル−C1−3アルキル基;およびR
19が水素原子である化合物がさらに好ましい。また、
14が(1)ニトロ基、(2)(i)ヒドロキシで置換
されていてもよいC1−6アルキル、(ii)ヒドロキ
シ、ハロゲンまたはチエニルで置換されていてもよいC
1−6アルキル−カルボニル、(iii)C1−6アルキ
ル、C1−6アルコキシまたはハロゲンで置換されてい
てもよいC6−10アリール−カルボニル、(iv)C
3−6シクロアルキル−カルボニル、(v)C2−4
ルケニル−カルボニル、(vi)C1−6アルコキシ−カ
ルボニル、(vii)C1−6アルキルアミノ−カルボニ
ル、(viii)C1−6アルコキシアミノ−カルボニル、
(ix)フェニルアミノカルボニル、(x)C1−6アル
キル、ニトロおよびC1−6アルコキシから選ばれる置
換基を1または2個それぞれ有していてもよいイソオキ
サゾリルカルボニル、チエニルカルボニル、チアゾリル
カルボニル、ピラゾリルカルボニルまたはフリルカルボ
ニル、(xi)ピリジルカルボニル、(xii)C1−6
ルキルスルホニル、(xiii)チエニルスルホニルおよび
(xiv)C1−6アルキルで置換されていてもよいフェ
ニルスルホニルから選ばれる置換基を1または2個有し
ていてもよいアミノ基、(3)ピロリル基、または(4)
1−6アルキル、C3−6シクロアルキル−C1−3
アルキルまたはC 1−6アルキル−カルボニルで置換さ
れていてもよいヒドロキシ基;R17が、(1)ハロゲ
ン、(2)ヒドロキシおよび(3)C1−6アルキル、フ
ェニル−C1−3アルキルおよびジ−C1−6アルキル
アミノ−C1−3アルキルから選ばれる置換基を1また
は2個有していてもよいアミノから選ばれる置換基を1
または2個有していてもよいC1−6アルキル基;R
18が、(1)ハロゲン、(2)ハロゲンまたはC1−6
アルキルで置換されていてもよいフェニル基、または
(3)(i)C1−6アルキル、(ii)C1−6アルキル
およびC1−6アルコキシで置換されたアミノまたは
(iii)C1−6アルコキシで置換されたカルボニル
基;およびR19が水素原子またはC1−3アルキル基
である場合も好ましい。化合物(XII)の具体例として
は、8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジ
ヒドロ−2−[4−(エチルアミノカルボニルアミノ)
フェニル]−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメ
チル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン
−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2,6−ジフ
ルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−[4−(メ
トキシアミノカルボニルアミノ)フェニル)]−3−
(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキ
ソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸
イソプロピルエステル、8−(2,6−ジフルオロベン
ジル)−5,8−ジヒドロ−2−[4−(エチルアミノ
カルボニルアミノ)フェニル)]−3−(N−メチル−
N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ
[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸イソプロピ
ルエステルまたはこれらの塩などが挙げられる。
【0059】化合物(XII)またはその塩は、公知の方
法、例えば特開平11−315079号公報に記載の方
法あるいはそれに準ずる方法により製造することができ
る。
【0060】さらに、前記〔I〕ないし〔IV〕に示した
化合物はそのプロドラッグであっても本発明の組成物に
好ましく使用される。
【0061】本発明に用いられる有機酸としては、L−
アスコルビン酸、酢酸、コハク酸、安息香酸、アスパラ
ギン酸、クエン酸、グルタミン酸、シュウ酸、トリクロ
ロ酢酸、乳酸、ジクロロ酢酸、フマル酸、マレイン酸、
リンゴ酸、マロン酸、ベンゼンスルホン酸、イソプロピ
ルアシッドホスフェート、サリチル酸、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、
パモ酸等が挙げられる。中でも常温固体の有機酸または
その塩が好ましい。ここで常温とは日本薬局方第14改
正で定めるところの約15℃ないし25℃を意味する。
有機酸またはその塩としては前記したなかでもサリチル
酸、ヒドロキシナフトエ酸(例、1−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)および
パモ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸またはその塩
が好ましい。特に、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、パモ酸
が好ましい。
【0062】前記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、例え
ばベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどの環構成炭
素の異なる炭素に1つのヒドロキシ基と1つのカルボキ
シル基が結合したものである。従って、例えばナフタレ
ンの場合は、カルボキシル基の置換位置がナフタレン環
の1位と2位であるそれぞれに対してヒドロキシ基の置
換位置が異なる合計14種の異性体が存在する。そして
この中の任意の異性体を用いてよく、またこれら異性体
の任意の割合の混合物を用いてもよい。後述するが、酸
解離定数の大きなものが好ましく、あるいはpKa(p
Ka=−log 10Ka、Kaは酸解離定数を表す)の
小さいものが好ましい。前記のヒドロキシナフトエ酸異
性体のpKaとしては、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸の値(pKa=2.708、化学便覧 基礎編II、日
本化学会、昭和44年9月25日発行)のみが知られて
いるが、ヒドロキシ安息香酸の3種の異性体のpKaを
比較することによって有用な知見が得られる。すなわち
m−ヒドロキシ安息香酸とp−ヒドロキシ安息香酸のp
Kaが4以上であるのに対してo−ヒドロキシ安息香酸
(サリチル酸)のpKa(=2.754)は極端に小さ
い。従って、前記14種の異性体のなかでも、例えばナ
フタレン環の隣接する炭素原子にカルボキシル基とヒド
ロキシ基が結合した、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸および2−ヒドロ
キシ−1−ナフトエ酸などが好ましい。さらには、ナフ
タレンの3位の炭素にヒドロキシ基が、2位の炭素にカ
ルボキシル基が結合した3−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸が好適である。有機酸は塩であってもよい。かかる塩
としては、例えば、無機塩基(例、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のア
ルカリ土類金属など)や有機塩基(例、トリエチルアミ
ン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸類
等)などとの塩、または遷移金属(例,亜鉛,鉄,銅な
ど)との塩および錯塩などが挙げられる。
【0063】「有機酸またはその塩」は、公知の方法ま
たはこれに準ずる方法により製造される。
【0064】本発明に用いられる生体内分解性ポリマー
としては、例えば、α−ヒドロキシモノカルボン酸類
(例、グリコール酸、乳酸等)、α−ヒドロキシジカル
ボン酸類(例、リンゴ酸)、α−ヒドロキシトリカルボ
ン酸(例、クエン酸)等のα−ヒドロキシカルボン酸類
の1種以上から合成され、遊離のカルボキシル基を有す
る重合体、共重合体、またはこれらの混合物;ポリ(α
−シアノアクリル酸エステル);ポリアミノ酸(例、ポ
リ(γ−ベンジル−L−グルタミン酸)等);無水マレ
イン酸系共重合体(例、スチレン−マレイン酸共重合体
等)などが用いられる。
【0065】モノマーの結合様式としては、ランダム、
ブロック、グラフトのいずれでもよい。また、前記α−
ヒドロキシモノカルボン酸類、α−ヒドロキシジカルボ
ン酸類、α−ヒドロキシトリカルボン酸類が分子内に光
学活性中心を有する場合、D−、L−、DL−体のいず
れを用いてもよい。これらの中でも、乳酸−グリコール
酸重合体(以下、ポリ(ラクチド−co−グリコリ
ド)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)あるいは乳酸
−グリコール酸共重合体と称することもあり、特に明示
しない限り、乳酸、グリコール酸のホモポリマー(重合
体)及びコポリマー(共重合体)を総称する。また乳酸
ホモポリマーは乳酸重合体、ポリ乳酸、ポリラクチドな
どと、またグリコール酸ホモポリマーはグリコール酸重
合体、ポリグリコール酸、ポリグリコリドなどと称され
る場合がある)、ポリ(α−シアノアクリル酸エステ
ル)などが好ましい。さらに好ましくは、乳酸−グリコ
ール酸重合体であり、より好ましくは、末端に遊離のカ
ルボキシル基を有する乳酸−グリコール酸重合体であ
る。生体内分解性ポリマーは塩であってもよい。塩とし
ては、例えば、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカ
リ土類金属など)や有機塩基(例、トリエチルアミン等
の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸類等)
などとの塩、または遷移金属(例,亜鉛,鉄,銅など)
との塩および錯塩などが挙げられる。生体内分解性ポリ
マーとして乳酸−グリコール酸重合体を用いる場合、そ
の組成比(モル比)は約100/0ないし約40/60
が好ましく、約100/0ないし約50/50がより好
ましい。また、乳酸ホモポリマーも好ましく用いられ
る。
【0066】該「乳酸−グリコール酸重合体」の最小繰
り返し単位の一つである乳酸の光学異性体比は、D−体
/L−体(モル/モル%)が約75/25ないし約25
/75の範囲のものが好ましい。このD−体/L−体
(モル/モル%)は、特に約60/40ないし約30/
70の範囲のものが汎用される。該「乳酸−グリコール
酸重合体」などのα−ヒドロキシカルボン酸重合体の重
量平均分子量は、通常、約3,000ないし約100,
000、好ましくは約3,000ないし約60,00
0、さらに好ましくは約3,000ないし約50,00
0、特に好ましくは約3,000ないし約40,000
のものが用いられる。また、分散度(重量平均分子量/
数平均分子量)は、通常約1.2ないし約4.0が好ま
しく、さらには約1.5ないし3.5が特に好ましい。
本明細書における重量平均分子量、数平均分子量および
分散度とは、重量平均分子量が1,110,000、7
07,000、354,000、189,000、9
8,900、37,200、17,100、9,83
0、5,870、2,500、1,050、659、5
40、422、303の15種類の単分散ポリスチレン
を基準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量お
よび算出した分散度をいう。測定は、高速GPC装置
(東ソー製、HLC−8120GPC、検出方式は示差
屈折率による)、GPCカラムKF804L×2(昭和
電工製)を使用し、移動相としてクロロホルムを用い
る。流速は1ml/minでおこなう。
【0067】「生体内分解性ポリマーまたはその塩」
は、公知の方法またはこれに準ずる方法により製造され
る。例えば、生体内分解性ポリマーは重縮合法、開環重
合法、アニオン重合法、ラジカル重合法などにより製造
される。一方、生体内分解性ポリマーの塩は、例えばイ
オン交換法などにより製造される。
【0068】本発明の組成物中の「非ペプチド性GnR
Hアゴニストまたはアンタゴニスト」の含有量は、例え
ば約0.1ないし約90%(w/w)、好ましくは約
0.5ないし約85%(w/w)、より好ましくは約1
0ないし約80%(w/w)であるが、本発明の優れた
特徴としては本発明の組成物を下記するマイクロスフェ
ア(例、徐放性マイクロスフェア)などに製剤化する場
合、該組成物中に非ペプチド性GnRHアゴニストまた
はアンタゴニストを例えば組成物全量に対して15%以
上(例えば15%以上80%以下、好ましくは15%以
上70%以下、より好ましくは20%以上60%以下)
の高含量で配合させ製剤化することを可能ならしめるも
のである。非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアン
タゴニストと生体内分解性ポリマーの酸塩基当量比は1
/1以上であってもよい。例えば、数平均分子量が約3
500であり末端に遊離のカルボキシル基を1つ有する
ポリ乳酸を組成物中に配合する場合は、分子量が約70
0であり例えばアミノ基等のカチオン部位を1つ有する
「非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニス
ト」を組成物中(有機酸またはその塩を除く)に16.
7%以上含有することが可能である。つまり、配合する
生体内分解性ポリマー1モル中の酸当量と配合する「非
ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト」
1モル中の塩基当量によって計算される。
【0069】非ペプチド性GnRHアゴニストまたはア
ンタゴニストと有機酸またはその塩との量比は、例えば
非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト
1モルに対して、有機酸またはその塩が約1/20ない
し約20モル、好ましくは約1/10ないし約15モ
ル、より好ましくは約1/5ないし約10モルである。
【0070】本発明の組成物がマイクロスフェア(例、
徐放性マイクロスフェア)である場合、非ペプチド性G
nRHアゴニストまたはアンタゴニストと生体内分解性
ポリマーの酸塩基当量比は好ましくは1/10以上10
0/1以下、より好ましくは1/1以上50/1以下、
さらに好ましくは1/1以上30/1以下である。すな
わち、非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴ
ニストの塩基当量は、生体内分解性ポリマーの酸当量よ
り多くなるように配合されてもよい。なお、本発明にお
いてマイクロスフェアとは、薬物が直径約300μm以
下の球状、好ましくは真球状の微粒子であるものをい
う。
【0071】「有機酸またはその塩」は前記した種々の
有機酸またはその塩は1種または2種以上(好ましくは
2種以上5種以下、より好ましくは2種以上3種以下)
用いることができる。例えば有機酸またはその塩として
「芳香族ヒドロキシカルボン酸またはその塩」を用いる
場合は、単独で用いてもよいが、複数種の芳香族ヒドロ
キシカルボン酸またはその塩を2種以上混合して用いる
ことができる。例えば、サリチル酸と3−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸、サリチル酸とパモ酸、3−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸とパモ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸とパモ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸とパ
モ酸、またはサリチル酸と3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸とパモ酸等の組合せが好ましい。配合する非ペプチ
ド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニストによって
好ましい組合せが選択される。本発明の組成物におい
て、有機酸(例、芳香族ヒドロキシカルボン酸)または
その塩は非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタ
ゴニストのマイクロスフェア製剤における高含量化の達
成への寄与のみならず、従来のマイクロスフェア製剤の
製造時に比べ有機溶媒の使用量を著しく低減できるとい
う観点から工業的に実施する上でも好ましい。
【0072】本発明の組成物は徐放性であるのが好まし
い。本発明の組成物は非ペプチド性GnRHアゴニスト
またはアンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体
内分解性ポリマーまたはその塩を有機溶媒に溶解または
分散し、該有機溶媒を除去することにより製造できる。
例えば、本発明の組成物は、非ペプチド性GnRHアゴ
ニストまたはアンタゴニスト、有機酸またはその塩およ
び生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有する組成物
を含む有機溶媒溶液あるいは分散液を(I)水中乾燥法、
(II)相分離法、(III)噴霧乾燥法またはこれらに準ずる
方法などを用いることで有機溶媒を除去することにより
製造できる。以下に、本発明の組成物がマイクロスフェ
アである場合の具体的な製造法について記述する。
【0073】まず、非ペプチド性GnRHアゴニストま
たはアンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体内
分解性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含む有
機溶媒溶液あるいは分散液の調製法について示す。
【0074】非ペプチド性GnRHアゴニストまたは
アンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体内分解
性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含む有機溶
媒溶液あるいは分散液の調整法−1 非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニス
ト、有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーま
たはその塩を有機溶媒に添加する。あるいは、非ペプチ
ド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸
またはその塩および生体内分解性ポリマーまたはその塩
をそれぞれ別々に有機溶媒に添加し、溶解または分散後
に混合してもよい。また3者の内いずれか2者と残りの
1者を別々に有機溶媒に添加し、溶解または分散後に混
合してもよい。該有機溶媒としては、沸点が約120℃
以下であるものが好ましく、例えば、ハロゲン化炭化水
素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエ
タン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、エーテル類
(例、エチルエーテル、イソプロピルエーテル等)、脂
肪酸エステル類(例、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳
香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン等)、アルコ
ール類(例えば、エタノール、メタノール等)、アセト
ニトリル、またはこれらの混合物などが用いられる。な
かでもハロゲン化炭化水素類が好ましく、ジクロロメタ
ンがさらに好ましい。該混合物としては、ハロゲン化炭
化水素とアルコール類との混液が好ましく、ジクロロメ
タンとメタノールあるいはエタノールとの混液が好適で
ある。該「非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアン
タゴニスト、有機酸またはその塩および生体内分解性ポ
リマーまたはその塩を含有する有機溶媒溶液あるいは分
散液」中の、非ペプチド性GnRHアゴニストまたはア
ンタゴニストの濃度は、かかる非ペプチド性GnRHア
ゴニストまたはアンタゴニストの分子量、有機溶媒の種
類によって異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶
媒として用いた場合、約0.001ないし約90重量
%、好ましくは約0.01ないし約80重量%、さらに
好ましくは約0.1ないし約70重量%である。該「非
ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、
有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーまたは
その塩を含有する有機溶媒溶液あるいは分散液」中の、
有機酸の濃度は、かかる有機酸の分子量、有機溶媒の種
類によって異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶
媒として用いた場合、約0.001ないし約80重量
%、好ましくは約0.005ないし約50重量%、さら
に好ましくは約0.01ないし約30重量%である。該
「非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニス
ト、有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーま
たはその塩を含有する有機溶媒溶液あるいは分散液」中
の、生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中の濃度は、
生体内分解性ポリマーの分子量、有機溶媒の種類によっ
て異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶媒として
用いた場合、一般的には約0.5ないし約70重量%、
より好ましくは約1ないし約60重量%、特に好ましく
は約2ないし約50重量%から選ばれる。有機溶媒を攪
拌、振とうあるいは超音波処理し、非ペプチド性GnR
Hアゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸またはその
塩および生体内分解性ポリマーまたはその塩を溶解また
は分散させる。
【0075】また、有機酸またはその塩が該有機溶媒に
分散しにくい場合には下記する「非ペプチド性GnR
Hアゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸またはその
塩および生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有する
組成物を含む有機溶媒溶液あるいは分散液の調整法−
2」によって製造してもよい。また、非ペプチド性Gn
RHアゴニストまたはアンタゴニストが該有機溶媒に分
散しにくい場合は、下記する「非ペプチド性GnRH
アゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸またはその塩
および生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有する組
成物を含む有機溶媒溶液あるいは分散液の調整法−3」
によって製造してもよい。さらには非ペプチド性GnR
Hアゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸またはその
塩および生体内分解性ポリマーまたはその塩の3者のう
ち1つ以上が該有機溶媒中で酸塩基の解離が不十分であ
る場合には「非ペプチド性GnRHアゴニストまたは
アンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体内分解
性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含む有機溶
媒溶液あるいは分散液の調整法−2」または「非ペプ
チド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、有機
酸またはその塩および生体内分解性ポリマーまたはその
塩を含有する組成物を含む有機溶媒溶液あるいは分散液
の調整法−3」によって製造してもよい。
【0076】非ペプチド性GnRHアゴニストまたは
アンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体内分解
性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含む有機溶
媒溶液あるいは分散液の調整法−2 非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト
および生体内分解性ポリマーまたはその塩を有機溶媒溶
液に添加し溶解または分散させる。該有機溶媒および該
「非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニス
トおよび生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有する
有機溶媒溶液あるいは分散液」中の、非ペプチド性Gn
RHアゴニストまたはアンタゴニストおよび生体内分解
性ポリマーの濃度は、「非ペプチド性GnRHアゴニ
ストまたはアンタゴニスト、有機酸またはその塩および
生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を
含む有機溶媒溶液あるいは分散液の調整法−1」に記載
の通りである。これを油相とする。一方、有機酸または
その塩を含水溶液に添加し溶解または分散させる。該含
水溶液としては、水、水とアルコール類(例、メタノー
ル、エタノール等)などとの混液である。これを内水相
とする。該「有機酸またはその塩を含有する含水水溶液
あるいは分散液」中の、有機酸の濃度は、「非ペプチ
ド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸
またはその塩および生体内分解性ポリマーまたはその塩
を含有する組成物を含む有機溶媒溶液あるいは分散液の
調整法−1」に記載の通りである。このようにして得ら
れた内水相と油相とをホモジナイザーまたは超音波等の
公知の方法で乳化し、W/Oエマルションを形成させ
る。混合する油相の体積は内水相の体積に対し、約1な
いし約1000倍、好ましくは約2ないし100倍、よ
り好ましくは約3ないし10倍である。
【0077】非ペプチド性GnRHアゴニストまたは
アンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体内分解
性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含む有機溶
媒溶液あるいは分散液の調整法−3 有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーまたは
その塩を有機溶媒溶液に添加し溶解または分散させる。
該有機溶媒および該「有機酸またはその塩および生体内
分解性ポリマーまたはその塩を含有する有機溶媒溶液あ
るいは分散液」中の、有機酸および生体内分解性ポリマ
ーの濃度は、「非ペプチド性GnRHアゴニストまた
はアンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体内分
解性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含む有機
溶媒溶液あるいは分散液の調整法−1」に記載の通りで
ある。これを油相とする。一方、非ペプチド性GnRH
アゴニストまたはアンタゴニストを含水溶液に添加し溶
解または分散させる。該含水溶液としては、水、水とア
ルコール類(例、メタノール、エタノール等)などとの
混液である。これを内水相とする。該「非ペプチド性G
nRHアゴニストまたはアンタゴニストを含有する含水
水溶液あるいは分散液」中の、非ペプチド性GnRHア
ゴニストまたはアンタゴニストの濃度は、「非ペプチ
ド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸
またはその塩および生体内分解性ポリマーまたはその塩
を含有する組成物を含む有機溶媒溶液あるいは分散液の
調整法−1」に記載の通りである。このようにして得ら
れた内水相と油相とをホモジナイザーまたは超音波等の
公知の方法で乳化し、W/Oエマルションを形成させ
る。混合する油相の体積は内水相の体積に対し、約1な
いし約1000倍、好ましくは約2ないし100倍、よ
り好ましくは約3ないし10倍である。
【0078】前記の「非ペプチド性GnRHアゴニス
トまたはアンタゴニスト、有機酸またはその塩および生
体内分解性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含
む有機溶媒溶液あるいは分散液の調整法−1」ないし
「非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニ
スト、有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマー
またはその塩を含有する組成物を含む有機溶媒溶液ある
いは分散液の調整法−3」で得られた「非ペプチド性G
nRHアゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸または
その塩および生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有
する組成物を含む有機溶媒溶液あるいは分散液」を用い
て、 (I)水中乾燥法、(II)相分離法、(III)噴霧乾燥法
またはこれらに準ずる方法などに従い、本発明の組成物
を製造することができる。
【0079】(I)水中乾燥法 非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニス
ト、有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーま
たはその塩を含有する組成物を含む有機溶媒溶液あるい
は分散液を水相中に加え、O(油相)/W(水相)エマ
ルションを形成させた後、油相中の溶媒を蒸発させ、マ
イクロスフェアを調製する。この際の水相体積は、一般
的には油相体積の約1倍ないし約10,000倍、好ま
しくは約3倍ないし約5,000倍、さらに好ましくは
約6倍ないし約2,000倍である。前記の外水相中に
は乳化剤を加えてもよい。該「乳化剤」は、一般に安定
なO/Wエマルションを形成できるものであればいずれ
でもよい。具体例として、アニオン性界面活性剤(例、
オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウ
リル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性界面活性剤
(例、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
〔ツイーン(Tween)80、ツイーン(Twee
n)60、アトラスパウダー社〕、ポリオキシエチレン
ヒマシ油誘導体〔HCO−60、HCO−50、日光ケ
ミカルズ〕など)、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、
ゼラチン、ヒアルロン酸などが挙げられる。これら乳化
剤は単独でまたは二種以上を混合して使用してもよい。
該「乳化剤」の外水相中の濃度は、例えば約0.005
ないし10重量%、好ましくは約0.05ないし約5重
量%である。
【0080】前記の外水相中には、浸透圧調節剤を加え
てもよい。該「浸透圧調節剤」としては、水溶液とした
場合に浸透圧を示すものであればよく、例えば、多価ア
ルコール類、一価アルコール類、単糖類、二糖類、オリ
ゴ糖およびアミノ酸類またはそれらの誘導体などが挙げ
られる。該「多価アルコール類」としては、例えば、グ
リセリン等の三価アルコール類、アラビトール、キシリ
トール、アドニトール等の五価アルコール類、マンニト
ール、ソルビトール、ズルシトール等の六価アルコール
類などが挙げられる。なかでも、六価アルコール類が好
ましく、マンニトールがさらに好ましい。該「一価アル
コール類」としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどが挙げられ、このうち
エタノールが好ましい。該「単糖類」としては、例え
ば、アラビノース、キシロース、リボース、2−デオキ
シリボース等の五炭糖類、ブドウ糖、果糖、ガラクトー
ス、マンノース、ソルボース、ラムノース、フコース等
の六炭糖類が挙げられ、このうち六炭糖類が好ましい。
該「オリゴ糖」としては、例えば、マルトトリオース,
ラフィノース糖等の三糖類、スタキオース等の四糖類な
どが挙げられ、このうち三糖類が好ましい。該単糖類、
二糖類およびオリゴ糖の「誘導体」としては、例えば、
グルコサミン、ガラクトサミン、グルクロン酸、ガラク
ツロン酸などが用いられる。該「アミノ酸類」として
は、L−体のものであればいずれも用いることができ、
例えば、グリシン、ロイシン、アルギニンなどが挙げら
れる。このうちL−アルギニンが好ましい。これらの浸
透圧調節剤は単独でまたは二種以上を混合して使用して
もよい。該「浸透圧調節剤」は、外水相の浸透圧が、生
理食塩水の浸透圧の約1/50ないし約5倍、好ましく
は約1/25ないし約3倍となる濃度で用いられる。
【0081】有機溶媒を除去する方法としては、公知の
方法またはそれに準じる方法が用いられる。例えば、プ
ロペラ型撹拌機またはマグネチックスターラーなどで撹
拌しながら常圧もしくは徐々に減圧にして有機溶媒を蒸
発させる方法、ロータリーエヴァポレーターなどを用い
て真空度を調節しながら有機溶媒を蒸発させる方法など
が挙げられる。かくして得られたマイクロスフェアは、
遠心分離または濾過して分取した後、マイクロスフェア
の表面に付着している遊離の非ペプチド性GnRHアゴ
ニストまたはアンタゴニスト、乳化剤などを蒸留水で数
回繰り返し洗浄し、再び蒸留水などに分散して凍結乾燥
する。
【0082】前記製造工程中、粒子同士の凝集を防ぐた
めに凝集防止剤を加えてもよい。該「凝集防止剤」とし
ては、例えば、マンニトール、ラクトース、ブドウ糖、
デンプン類(例、コーンスターチ等)などの水溶性多
糖、グリシンなどのアミノ酸、フィブリン、コラーゲン
などのタンパク質などが用いられる。なかでも、マンニ
トールが好ましい。凍結乾燥後、必要に応じ、減圧下、
マイクロスフェア同士が融着しない条件内で加温し、マ
イクロスフェア中の水分および有機溶媒の除去を行って
もよい。好ましくは、毎分10ないし20℃の昇温速度
の条件下加温する。加温時間はマイクロスフェアの量な
どにより異なるものの、一般的にはマイクロスフェア自
体が所定の温度に達した後、約12時間ないし約168
時間、好ましくは約24時間ないし約120時間、特に
好ましくは約48時間ないし約96時間である。加温方
法は、マイクロスフェアの集合が均一に加温できる方法
であれば特に限定されず、例えば、恒温槽、流動槽、移
動槽またはキルン中で加温乾燥する方法、マイクロ波で
加温乾燥する方法などが用いられる。このなかで恒温槽
中で加温乾燥する方法が好ましい。
【0083】(II)相分離法 非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニス
ト、有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーま
たはその塩を含有する組成物を含む有機溶媒溶液あるい
は分散液に、コアセルベーション剤を、撹拌下、徐々に
加えてマイクロスフェアを析出、固化させる。該「コア
セルベーション剤」としては、有機溶媒と混和する高分
子系、鉱物油系または植物油系の化合物等で生体内分解
性ポリマーを溶解しないものであれば特に限定はされな
い。具体例としては、シリコン油、ゴマ油、大豆油、コ
ーン油、綿実油、ココナッツ油、アマニ油、鉱物油、n
-ヘキサン、n-ヘプタンなどが挙げられる。これらのコ
アセルベーション剤の一種または二種以上の混合物が用
いられる。該「コアセルベーション剤」の使用量は、油
相体積の約0.01ないし1,000倍、好ましくは約
0.05ないし500倍、特に好ましくは約0.1ない
し200倍である。かくして得られたマイクロスフェア
を分取した後、(i)ヘプタン等で繰り返し洗浄し、非
ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、
有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーまたは
その塩を含有する組成物以外の成分(コアセルベーショ
ン剤等)を除去し、減圧乾燥するか、または、(ii)蒸
留水で数回繰り返し洗浄し、再び蒸留水などに分散して
凍結乾燥、さらには加温乾燥する。
【0084】(III)噴霧乾燥法 非ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニス
ト、有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーま
たはその塩を含有する組成物を含む有機溶媒溶液または
分散液を、ノズルを用いてスプレードライヤー(噴霧乾
燥器)の乾燥室内に噴霧し、極めて短時間内に微粒化液
滴内の有機溶媒を揮発させ、マイクロスフェアを調製す
る。該ノズルとしては、例えば、二流体ノズル型,圧力
ノズル型,回転ディスク型等がある。この後、必要であ
れば、前記(I)の水中乾燥法で記載と同様の方法で洗
浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥してもよ
い。
【0085】また、本発明の組成物の製造法は一般に非
ペプチド性生理活性物質にも応用可能である。
【0086】本発明の組成物が、例えば微粒子(マイク
ロパーティクル)である場合の製造法の例示を以下に記
述する。前記の「非ペプチド性GnRHアゴニストま
たはアンタゴニスト、有機酸またはその塩および生体内
分解性ポリマーまたはその塩を含有する組成物を含む有
機溶媒溶液あるいは分散液の調整法−1」ないし「非
ペプチド性GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、
有機酸またはその塩および生体内分解性ポリマーまたは
その塩を含有する組成物を含む有機溶媒溶液あるいは分
散液の調整法−3」で得られた非ペプチド性GnRHア
ゴニストまたはアンタゴニスト、有機酸またはその塩お
よび生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有する組成
物を含む有機溶媒溶液または分散液を、例えば、ロータ
リーエヴァポレーターなどを用いて真空度を調節しなが
ら有機溶媒および水を蒸発させて乾固した後、ジェット
ミルなどで粉砕して微粒子(マイクロパーティクル)を
得る。さらには、粉砕した微粒子を、遠心分離または濾
過して分取した後、微粒子の表面に付着している遊離の
GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、乳化剤など
を蒸留水で数回繰り返し洗浄し、凍結乾燥、さらには加
温乾燥してもよい。また、本発明の組成物はマイクロカ
プセルであってもよい。
【0087】本発明の徐放性組成物の粒子径は、例えば
懸濁注射剤として使用する場合、その分散度および通針
性を満足する範囲であればよく、例えば、平均粒子径と
して、約0.1ないし300μm、好ましくは約0.5
ないし150μm、さらに好ましくは約1ないし100
μmである。該平均粒子径は、例えばレーザー解析式粒
度分布測定装置(SALD2000A:島津)などを用
いて、公知の方法により測定することが可能である。本
発明の組成物は、そのまま、あるいは原料物質として種
々の剤形に製剤化し、筋肉内、皮下、臓器などへの注射
剤または埋め込み剤、鼻腔、直腸、子宮などへの経粘膜
吸収剤、経口剤〔例、カプセル剤(例、硬カプセル剤、
軟カプセル剤等〕、顆粒剤、散剤等の固形製剤、シロッ
プ剤、乳剤、懸濁剤等の液剤等)などとする。このうち
好ましくは注射剤である。例えば、本発明の(徐放性)
組成物が注射剤(注射用)である場合、(徐放性)組成
物をヒドロキシポリマー〔ヒアルロン酸、カルボキシメ
チルセルロース、アルギン酸ナトリウム等〕、界面活性
剤(例、ツイーン(Tween)80、HCO−60
等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン
など)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,マンニトー
ル,ソルビトール,ブドウ糖,プロリンなど)などと共
に水性懸濁剤とするか、またはゴマ油、コーン油などの
植物油と共に分散して油性懸濁剤として注射剤とする。
好ましい投与形態は水性懸濁剤である。本発明の(徐放
性)組成物を無菌製剤とするためには、製造全工程を無
菌にする方法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加
する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
【0088】本発明の(徐放性)組成物は、低毒性であ
るので、哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネコ、マウ
ス、ラット、ウサギ等)に対して安全な医薬などとして
用いることができる。本発明の(徐放性)組成物は、性
ホルモン依存性疾患の予防および(または)治療に有用
である。例えば、性ホルモン依存性ガン(例、前立腺ガ
ン、子宮ガン、乳ガン、下垂体腫瘍等)、性ホルモン依
存性ガンの骨転移、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜
症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候
群、月経困難症、多房性卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候
群、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病(アルツハイマ
ー病、アルツハイマー型老年期痴呆症およびそれらの混
合型)などの予防および(または)治療に有用である。
また、本発明の(徐放性)組成物は、雄性および雌性に
おける生殖の調節(例、妊娠調節剤、月経周期調節剤
等)にも有用である。本発明の(徐放性)組成物は、さ
らに男性および女性の避妊薬として、さらに女性の排卵
誘発剤として使用することができる。本発明の(徐放
性)組成物は、その休薬後のホルモン分泌の回復を利用
して、不妊症の治療に使用することができる。また、性
ホルモン非依存性でLH−RH感受性である良性または
悪性腫瘍などの予防・治療剤としても用いることができ
る。また、本発明の(徐放性)組成物は過敏性腸症候群
の予防・治療剤および性ホルモン依存性ガン術後再発予
防剤(前立腺ガン術後再発予防剤、閉経前および閉経後
における乳ガンまたは卵巣ガン術後再発予防剤など、特
に好ましくは閉経前における乳ガンまたは卵巣ガン術後
再発予防剤)としても用いることができる。さらに、本
発明の(徐放性)組成物は畜産分野において動物の発情
の調節、食肉用の肉質の改善、動物の成長促進などにも
有用である。本発明の(徐放性)組成物は、魚類の産卵
促進剤としても有用である。
【0089】本発明の(徐放性)組成物がGnRHアン
タゴニストを含有するときは、酢酸リュープロレリンな
どのGnRH超作動薬の投与時に認められる、一過性の
血中テストステロン(雄性の場合)濃度の上昇(フレア
ー現象)を抑制するために用いることができる。本発明
の(徐放性)組成物は、酢酸リュープロレリン(Leupro
relin)、ゴナドレリン(Gonadrelin)、ブセレリン(B
userelin)、トリプトレリン(Triptorelin)、ゴセレ
リン(Goserelin)、ナファレリン(Nafarelin)、ヒス
トレリン(Histrelin)、デスロレリン(Desloreli
n)、メテレリン(Meterelin)、レシレリン(Lecireli
n)などのGnRH超作動薬(好ましくは酢酸リュープ
ロレリン)と併用して用いることができる。また、本発
明の(徐放性)組成物は、ステロイド性または非ステロ
イド性の抗アンドロゲン剤または抗エストロゲン剤、化
学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクタ
ーゼ阻害薬、α−受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、
17β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害薬、副腎
系アンドロゲン産生阻害薬、りん酸化酵素阻害薬、ホル
モン療法剤、細胞増殖因子またはその受容体の作用を阻
害する薬剤などの少なくとも一種と併用することも有効
である。
【0090】該「化学療法剤」としては、イホスファミ
ド(Ifosfamide)、UFT、アドリアマイシン(Adriam
ycin)、ペプロマイシン(Peplomycin)、シスプラチン
(Cisplatin)、シクロフォスファミド(Cyclophospham
ide)、5−FU、UFT、メトレキセート(Methotrex
ate)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、マイトキサ
ントロン(Mitoxantrone)、タキソール(Taxotere)など
があげられる。該「ペプチド性GnRH拮抗薬」として
は、セトロレリクス(Cetrorelix)、ガニレリクス(Ga
nirelix)、アバレリクス(Abarelix)などの非経口投
与ペプチド性GnRH拮抗薬があげられる。該「副腎系
アンドロゲン産生阻害薬」としては、例えばリアーゼ
(C17,2 −lyase)阻害薬などがあげられる。該
「りん酸化酵素阻害薬」としては、例えばチロシンりん
酸化酵素などがあげられる。該「ホルモン療法剤」とし
ては、抗エストロゲン剤、黄体ホルモン剤(例、MPA
など)、アンドロゲン剤、エストロゲン剤、抗アンドロ
ゲン剤などがあげられる。
【0091】該「細胞増殖因子(growth factors)」と
は、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなもの
でもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチド
で、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因
子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal g
rowth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有す
る物質(例、EGF、ハレグリン(HER2リガンド)
など)、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一
の活性を有する物質(例、インシュリン、IGF(insu
lin-like growth factor)−1、IGF−2など)、
(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれ
と実質的に同一の活性を有する物質(例、aFGF、bF
GF、KGF(Keratinocyte Growth Factor)、HGF
(Hepatocyte Growth Factor)、FGF-10など)、
(4)その他の細胞増殖因子(例、CSF(colony stim
ulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−
2(interleukin-2)、NGF(nerve growth factor)、
PDGF(platelet-derived growth factor)、TGF
β(transforming growth factorβ)など)などがあげ
られる。該「細胞増殖因子の受容体」としては、前記の
細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなる
ものであってもよく、具体的には、EGF受容体、ハレ
グリン受容体(HER2)、インシュリン受容体−1、
インシュリン受容体−2、IGF受容体、FGF受容体
−1またはFGF受容体−2などがあげられる。前記細
胞増殖因子の作用を阻害する薬剤としては、ハーセプチ
ン(HER2レセプター抗体)などがあげられる。前記
細胞増殖因子またはその受容体の作用を阻害する薬剤と
しては、例えば、ハービマイシン、PD153035
(Science 265 (5175) p1093, (1994))などがあげられ
る。
【0092】また、細胞増殖因子またはその受容体の作
用を阻害する薬剤としてHER2阻害剤もあげられる。
HER2阻害剤としては、HER2の活性(例、リン酸
化活性)を阻害する物質であれば、抗体、低分子化合物
(合成化合物、天然物)、アンチセンス、HER2リガ
ンド、ハレグリンまたはこれらの構造を一部修飾、改変
したものの何れであってもよい。また、HER2レセプ
ターを阻害することによりHER2活性を阻害する物質
(例、HER2レセプター抗体)であってもよい。HE
R2阻害作用を有する低分子化合物としては、例えば、
WO98/03505号公報に記載の化合物、具体的に
は1−[3−[4−[2−((E)−2−フェニルエテ
ニル)−4−オキサゾリルメトキシ]フェニル]プロピ
ル]−1,2,4−トリアゾールなどがあげられる。前
立腺肥大症に対しては、GnRH超作動薬、抗アンドロ
ゲン剤、抗エストロゲン剤、ペプチド性GnRH拮抗
薬、5α−レダクターゼ阻害薬、α−受容体阻害薬、ア
ロマターゼ阻害薬、17β−ヒドロキシステロイド脱水
素酵素阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬、りん酸
化酵素阻害薬などの薬剤と本発明の徐放性組成物との併
用が挙げられる。
【0093】前立腺癌に対しては、GnRH超作動薬、
抗アンドロゲン剤、抗エストロゲン剤、化学療法剤
〔例、イホスファミド(Ifosfamide)、UFT、アドリ
アマイシン(Adriamycin)、ペプロマイシン(Peplomyc
in)、シスプラチン(Cisplatin)など〕、ペプチド性
GnRH拮抗薬、アロマターゼ阻害薬、17β−ヒドロ
キシステロイド脱水素酵素阻害薬、副腎系アンドロゲン
産生阻害薬、りん酸化酵素阻害薬、ホルモン療法剤
〔例、エストロゲン剤(例、DSB、EMPなど)、抗
アンドロゲン剤(例、CMAなど)など〕、細胞増殖因
子またはその受容体の作用を阻害する薬剤などの薬剤と
本発明の(徐放性)組成物との併用が挙げられる。乳癌
に対しては、GnRH超作動薬、抗エストロゲン剤、化
学療法剤〔例、シクロフォスファミド(Cyclophosphami
de)、5−FU、UFT、メトレキセート(Methotrexa
te)、アドリアマイシン(Adriamycin)、マイトマイシ
ンC(Mitomycin C)、マイトキサントロン(Mitoxantr
one)など〕、ペプチド性GnRH拮抗薬、アロマター
ゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬、りん酸化酵
素阻害薬、ホルモン療法剤〔例、抗エストロゲン剤
〔例、タモキシフェン(Tamoxifen)など〕)、黄体ホ
ルモン剤(例、MPAなど)、アンドロゲン剤、エスト
ロゲン剤など〕、細胞増殖因子またはその受容体の作用
を阻害する薬剤などの薬剤と本発明の(徐放性)組成物
との併用が挙げられる。前記の薬剤は、本発明の(徐放
性)組成物と同時にまたは時間差をおいて同一対象に投
与してもよい。さらに、本発明の(徐放性)組成物は、
酢酸リュープロレリンなどのGnRH超作動薬の投与前
に投与して、フレアーを起こさずに治療を行うことも可
能である。
【0094】本発明の(徐放性)組成物の投与量は、G
nRHアゴニストまたはアンタゴニストの種類と含量、
剤形、GnRHアゴニストまたはアンタゴニストの放出
の持続時間、対象疾病、対象動物などによって種々異な
るが、GnRHアゴニストまたはアンタゴニストの有効
量であればよい。GnRHアゴニストまたはアンタゴニ
ストの1回当たりの投与量としては、例えば、(徐放
性)組成物が1カ月製剤である場合、成人(体重60k
g)一人当たり、約0.01mgないし20mg/kg
体重、好ましくは約0.05mgないし5mg/kg体
重である。本発明の(徐放性)組成物の1回当たりの投
与量は、成人(体重60kg)1人当たり、約0.05
mgないし50mg/kg、好ましくは約0.1mgな
いし30mg/kgである。投与回数は、数週間に1
回、1ヶ月に1回、または数か月(例、3ヶ月、4ヶ
月、6ヶ月など)に1回など、GnRHアゴニストまた
はアンタゴニストの種類と含量、剤形、GnRHアゴニ
ストまたはアンタゴニストの放出の持続時間、対象疾
病、対象動物などによって適宜選ぶことができる。本発
明の(徐放性)組成物からのGnRHアゴニストまたは
アンタゴニストの放出期間は、GnRHアゴニストまた
はアンタゴニストの種類、組成物の剤型、投与量または
投与部位により変わるため特に限定されないが、例え
ば、12時間ないし1年、好ましくは24時間ないし8
ヶ月、さらに好ましくは1週間ないし4ヶ月である。
【0095】
【実施例】以下に、参考例、実施例および実験例を挙げ
て本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を
限定するものではない。H−NMRスペクトルは内部
基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンGEM
INI 200(200MHz)型スペクトルメータ
ー、日本電子(JEOL)LAMBDA300(300
MHz)型スペクトルメーターあるいはブルッカ AM
500(500MHz)型スペクトルメーターで測定
し、全δ値をppmで示す。本明細書中で用いる記号は
次のような意味を示す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット dt:ダブルトリプレット m:マルチプレット br:幅広い 室温下とは、約15ないし25℃の範囲を示すが、特に
厳密に限定されるものではない。
【0096】参考例1 2−アミノ−4−メチル−5−(4−ニトロフェニル)
チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル 4−ニトロフェニルアセトン(35.0g,195mm
ol)、シアノ酢酸エチル(23.8g,195mmo
l)、酢酸アンモニウム(3.1g,40mmol)お
よび酢酸(9.1ml,159mmol)の混合物を、
ディーンスターク装置で生成する水を除きながら、24
時間加熱還流した。冷後、反応液を減圧下濃縮し、残さ
をジクロロメタンと重曹水で分配した。有機層を食塩水
で洗浄し乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に留去し
た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
した。得られた油状物をエタノールに溶解させ、硫黄
(5.0g,160mmol)およびジエチルアミン
(16.0ml,160mmol)を加え60−70℃
で2時間撹拌した。冷後、反応液を減圧下濃縮し、残さ
をジクロロメタンと重曹水で分配した。有機層を食塩水
で洗浄し乾燥(MgSO )後、溶媒を減圧下に留去し
た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、エーテル−へキサンから結晶化させて赤色板状晶の
標題化合物(22.2g,52%)を得た。 mp:168−170℃ (エーテル−へキサンより再
結晶). H−NMR(200MHz,CDCl)δ:1.3
9(3H,t,J=7.1Hz),2.40(3H,
s),4.34(2H,q,J=7.1Hz),6.2
7(2H,br),7.48(2H,d,J=8.7H
z),8.23(2H,d,J=8.7Hz). IR(KBr):3446,3324,1667,15
80,1545,1506,1491,1475,14
10,1332cm−1
【0097】参考例2 5−メチル−6−(4−ニトロフェニル)−3−フェニ
ルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3
H)−ジオン 参考例1で得られた化合物(5.00g,16.32m
mol)のピリジン(30ml)溶液に、フェニルイソ
シアネート(2.66ml,24.48mmol)を加
え、45℃で6時間撹拌後、反応液を減圧下濃縮して得
られた残さをエタノール(6ml)溶液とした。この溶
液に28%ナトリウムメトキシド(7.86g,40.
80mmol)を加え、反応液を室温で2時間撹拌した
後、2N塩酸(25ml,50mmol)を加えエタノ
ール溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをろ過して
水−エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥後エタノールか
ら再結晶して、黄色粉末の標題化合物(6.09g,9
8%)を得た。 mp:>300℃. 元素分析値 C1913S・0.3HOとして C(%) H(%) N(%) 計算値: 59.30; 3.56; 10.92 実測値: 59.56; 3.52; 10.93 H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:
2.50(3H,s),7.31−7.46(5H,
m),7.78(2H,d,J=8.8Hz),8.3
2(2H,d,J=8.8Hz),12.50(1H,
s). IR(KBr):1715,1657,1593,15
10cm−1
【0098】参考例3 1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−メチル−6
−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルチエノ〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例2で得られた化合物(52.54g,0.131
mol)のジメチルホルムアミド(1.0l)溶液に、
炭酸カリウム(19.00g,0.138mol)、ヨ
ウ化カリウム(22.90g,0.138mol)、
2,6−ジフルオロベンジルクロリド(22.40g,
0.138mol)を加え室温で2時間撹拌した。反応
液を濃縮して得られた残渣をクロロホルムと食塩水で分
配した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液をあわせ
て食塩水で洗浄し乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下
に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製して淡黄色結晶の標題化合物(61.
50g,93%)を得た。 mp:280−282℃. H−NMR(300MHz,CDCl)δ:2.5
7(3H,s),5.38(2H,s),6.94(2
H,d,J=8.1Hz),7.42−7.58(8
H,m),8.29(2H,d,J=8.8Hz). IR(KBr):1719,1669,1524,14
73cm−1
【0099】参考例4 5−ブロモメチル−1−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−6−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルチエ
ノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−
ジオン 参考例3で得られた化合物(30.34g,0.060
mol)、N−ブロモこはく酸イミド(12.81g,
0.072mol)、α,α’−アゾビスイソブチロニ
トリル(1.15g,0.007mol)およびクロロ
ベンゼン(450ml)の混合物を85℃で3時間撹拌
した。冷後反応液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO
後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを酢酸エチ
ルから再結晶して黄色針状晶の標題化合物(80.21
g,100%)を得た。 mp:228−229℃. H−NMR(300MHz,CDCl)δ:4.7
7(2H,s),5.38(2H,s),6.96(2
H,t,J=8.1Hz),7.29−7.58(6
H,m),7.79(2H,d,J=8.5Hz),
8.35(2H,d,J=8.5Hz). IR(KBr):1721,1680,1524,14
73,1348cm−1. FAB−Mass m/z 584(MH)
【0100】参考例5 5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−
(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−ニトロフ
ェニル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例4で得られた化合物(80.00g,0.119
mol)のジメチルホルムアミド(600ml)溶液
に、氷冷下、エチルジイソプロピルアミン(27.00
ml,0.155mol)およびベンジルメチルアミン
(18.45ml,0.143mol)を加えた。室温
で2時間撹拌した後、反応液を濃縮して得られる残渣を
酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。水層を酢酸エチル
で抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO)後、溶
媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状物(74.
90g,100%)を得、酢酸エチルから再結晶して黄
色針状晶の標題化合物を得た。 mp:173−174℃. 元素分析値 C3426SF・0.5HOとして C(%) H(%) N(%) 計算値: 64.45; 4.29; 8.84 実測値: 64.50; 4.24; 8.82 H−NMR(300MHz,CDCl)[フリーア
ミン]δ:1.31(3H,s),3.60(2H,
s),3.96(2H,s),5.39(2H,s),
6.95(2H,t,J=8.2Hz),7.18−
7.55(11H,m),8.02(2H,d,J=
9.0Hz),8.26(2H,d,J=9.0H
z).IR(KBr)[塩酸塩]:1719,167
8,1597,1520cm−1
【0101】参考例6 6−(4−アミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例5で得られた化合物(3.00g,4.80mm
ol)のギ酸(30ml)溶液に、氷冷下、1M塩化水
素−エーテル(14.4ml,14.4mmol)およ
び10%パラジウム炭素粉末(300mg)を加え、常
温常圧で2時間にわたり撹拌し水素添加した。反応液を
セライトろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をジ
クロロメタンおよび飽和重曹水で分配した。水層をジク
ロロメタンで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO
)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色結晶の
標題化合物(2.41g,84%)を得た。 mp:205−207℃. 元素分析値 C3428SF・0.1AcOEt・1.2HOと して C(%) H(%) N(%) 計算値: 66.09; 5.03; 8.96 実測値: 66.93; 4.94; 8.67 H−NMR(300MHz,CDCl)δ:2.0
5(3H,s),3.56(2H,s),3.83(2
H,br),3.88(2H,s),5.36(2H,
s),6.70(2H,d,J=8.8Hz),6.8
8−6.94(2H,m),7.21−7.31(8
H,m),7.41−7.53(5H,m). IR(KBr):1715,1657,1628,15
37cm−1
【0102】参考例7 5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−
(2,6−ジフルオロベンジル)−6−[4−(3−メ
トキシウレイド)フェニル]−3−フェニルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジ
オン 参考例6で得られた化合物(5.0g,8.41mmo
l)のジクロロメタン(120ml)溶液に、氷冷下、
トリエチルアミン(2.34ml,16.82mmo
l)を加え撹拌した。この反応液に、氷冷下、N,N’
−カルボニルジイミダゾール(2.73g,16.82
mmol)を加え、氷冷下から室温に戻して42時間撹
拌した。再度氷冷下に戻し、O−メチルヒドロキシルア
ミン塩酸塩(7.02g,84.08mmol)および
トリエチルアミン(11.7ml,84.08mmo
l)を加えた。反応液は氷冷下から室温に戻して3時間
撹拌した。反応液をクロロホルムと飽和重曹水で分配し
た。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液をあわせて食
塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製して淡黄色固体を得、クロロホルム−エ
ーテルから再結晶して白色結晶(4.52g,80%)
の標題化合物を得た。 mp:204−205℃. H−NMR(300MHz,CDCl)δ:2.0
5(3H,s),3.57(2H,s),3.82(3
H,s),3.90(2H,s),5.37(2H,
s),6.92(2H,d,J=8.2Hz),7.1
6−7.31(9H,m),7.42−7.57(5
H,m),7.63(1H,s),7.73(2H,
d,J=8.8Hz). IR(KBr):3338,3064,1717,16
69,1628,1591,1531,1470cm
−1
【0103】参考例8 7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−ヒドロキシ
−2−フェニル−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリ
ジン−5−カルボン酸エチルエステル
【化27】 WO 95/28405号公報に記載の方法で製造した
4−ヒドロキシ−2−フェニル−3−メチルチエノ
〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステ
ル(31.3g,100mmol)のDMF溶液(10
0ml)に、炭酸カリウム(13.8g,100mmo
l)とよう化カリウム(8.30g,50mmol)を
加え、これに氷冷下で、2,6−ジフルオロベンジルク
ロライド(17.9g,110mmol)のDMF溶液
を滴下して加えた。室温で一晩攪拌した後、反応液を水
にあけ、クロロホルムで2回抽出した。有機層をあわせ
て乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に留去した。得
られた残さをクロロホルム−酢酸エチル−エーテルから
再結晶して表題化合物を無色針状晶(39.4g,90
%)として得た。 mp:171−173℃. H−NMR(200MHz,CDCl)δ:1.4
1(3H,t,J=6.9Hz),2.68(3H,
s),4.40(2H,q,J=6.9Hz),5.2
6(2H,s),7.00(2H,t,J=10.8H
z),7.34−7.48(6H,m),8.39(1
H,s).
【0104】参考例9 3−メチル−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフル
オロベンジル)−2−フェニル−4−オキソチエノ
〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸イソプロピル
エステル
【化28】 参考例8で得られた化合物(65.9g,150mmo
l)のジクロロメタン溶液(200ml)に、イソプロ
ピルアルコール(200ml)を加え、これにオルトチ
タン酸テトライソプロピル(5.68g,50mmo
l)を加えた。70℃で1時間攪拌した後、反応液を水
にあけ、クロロホルムで2回抽出した。有機層をあわせ
て乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に留去した。得
られた残さをクロロホルム−酢酸エチル−エーテルから
再結晶して表題化合物を淡黄色針状晶(61.3g,9
0%)として得た。 mp:202−204℃. H−NMR(200MHz,CDCl)δ:1.3
8(6H,d,J=6.2Hz),2.68(3H,
s),5.17−5.31(1H,m),5.25(2
H,s),6.99(2H,t,J=8.0Hz),
7.33−7.48(6H,m),8.34(1H,
s).
【0105】参考例10 3−ブロモメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−
ジフルオロベンジル)−2−フェニル−4−オキソチエ
ノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸イソプロピ
ルエステル
【化29】 参考例9で得られた化合物(61.2g,135mmo
l)、N−ブロモコハク酸イミド(28.8g,162
mmol)およびα,α’−アゾビスイソブチロニトリ
ル(1.64g,10mmol)の酢酸エチル(600
ml)混合物を2時間加熱還流した。冷却後不溶物をろ
去し、ろ液をクロロホルムで希釈した。有機層を食塩水
で洗浄し乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に留去し
た。得られた残渣をクロロホルム−酢酸エチルから再結
晶して表題化合物を無色針状結晶(64.9g,90
%)として得た。 mp:168−170℃. H−NMR(200MHz,CDCl)δ:1.3
8(6H,d,J=6.2Hz),5.05(2H,
s),5.18−5.31(1H,m),5.27(2
H,s),7.01(2H,t,J=8.0Hz),
7.36−7.54(4H,m),7.63(2H,d
d,J=8.0Hz,1.8Hz),8.34(1H,
s).
【0106】参考例11 3−ブロモメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−
ジフルオロベンジル)−2−(4−ニトロフェニル)−
4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボ
ン酸イソプロピルエステル
【化30】 参考例10で得られた化合物(63.9g,120mm
ol)のメタンスルホン酸溶液(360ml)に、氷冷
下、硝酸ナトリウム(10.7g,126mmol)を
加えた。10℃で2時間撹拌した後、反応液を氷水にあ
けクロロホルムで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で
洗浄し乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に留去し
た。得られた残さをエーテルで結晶化し、表題化合物を
黄色粉末(55.4g,80%)として得た。 mp:145−147℃. H−NMR(200MHz,CDCl)δ:1.3
8(6H,d,J=6.2Hz),5.03(2H,
s),5.18−5.29(1H,m),5.29(2
H,s),7.04(2H,t,J=8.0Hz),
7.38−7.53(1H,m),7.85(2H,
d,J=9.2Hz),8.36(2H,d,J=9.
2Hz),8.41(1H,s).
【0107】参考例12 3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,
7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−
2−(4−ニトロフェニル)−4−オキソチエノ〔2,
3−b〕ピリジン−5−カルボン酸イソプロピルエステ
【化31】 参考例11で得られた化合物(55.4g,80mmo
l)のジメチルホルムアミド(400ml)溶液に、氷
冷下、ジイソプロピルエチルアミン(11.4g,88
mmol)およびN−メチルベンジルアミン(10.2
g,88mmol)を加えた。室温で18時間攪拌した
後、反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルと飽和
重曹水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層
をあわせて乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に留去
した。得られた残さをエーテルから再結晶し、表題化合
物を黄色粉末結晶として得た。 mp:146−148℃. 元素分析値 C3329SF 0.25HO として C(%) H(%) N(%) 計算値: 63.70 ; 4.78 ; 6.75 実測値: 63.63 ; 4.85 ; 6.50 H−NMR(200MHz,CDCl)δ:1.3
7(6H,d,J=6.2Hz),2.18(3H,
s),3.67(2H,s),4.21(2H,s),
5.18−5.31(1H,m),5.28(2H,
s),7.03(2H,t,J=8.0Hz),7.1
2−7.26(5H,m),7.36−7.51(1
H,m),8.09(2H,d,J=8.8Hz),
8.26(2H,d,J=8.8Hz),8.33(1
H,s).
【0108】参考例13 3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,
7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−
2−(4−アミノフェニル)−4−オキソチエノ〔2,
3−b〕ピリジン−5−カルボン酸イソプロピルエステ
【化32】 参考例12で得られた化合物(30.9g,50mmo
l)のイソプロピルアルコール(50ml)混合液に、
水(1ml)を加え、1滴の濃塩酸を滴下して均一溶液
とした。これに鉄粉(11.2g,200mmol)お
よび濃塩酸(50ml,6.00mmol)を滴下しな
がら加えた。滴下終了後、1時間氷冷下で撹拌した。得
られた残渣を氷水にあけ重曹で中和し、酢酸エチルを加
えて攪拌し、セライトろ過した。有機層を分取し、食塩
水で洗浄し、乾燥(MgSO)後、溶媒を減圧下に留
去した。得られた残さをクロロホルム−エーテルで結晶
化して、表題化合物を黄色粉末結晶(28.6g,97
%)として得た。 mp:106−108℃. H−NMR(300MHz,CDCl)δ:1.3
6(6H,d,J=6.2Hz),2.10(3H,
s),3.65(2H,s),3.84(2H,s),
4.14(2H,s),5.17−5.30(1H,
m),5.24(2H,s),6.72(2H,d,J
=8.4Hz),7.00(2H,t,J=8.0H
z),7.12−7.26(5H,m),7.30−
7.48(1H,m),7.62(2H,d,J=7.
8Hz),8.28(1H,s).
【0109】参考例14 3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,
7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−
2−[4−(3−メチルウレイド)フェニル]−4−オ
キソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸イ
ソプロピルエステル
【化33】 参考例13で得られた化合物(27.8g,48mmo
l)およびトリエチルアミン(10.1g,100mm
ol)を含むジクロロメタン(200ml)溶液に、
N,N’−カルボニルジイミダゾール(11.7g,7
2mmol)を加え氷冷下、攪拌した。室温に戻し更に
8時間攪拌後、再度氷冷し、2N−メチルアミン テト
ラヒドロフラン溶液(60ml,120mmol)を加
えた。室温に戻しながら1時間攪拌した後、反応液を水
(400ml)で希釈後、クロロホルム(400ml)
で抽出した。水層は、再度クロロホルム(100ml)
で抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥
(MgSO)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた
残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、
得られた残さをクロロホルム−イソプロパノールより再
結晶し、表題化合物を無色針状結晶(24.9g,80
%)として得た。 mp:204−206℃. H−NMR(300MHz,CDCl)δ:1.3
3(6H,d,J=6.2Hz),1.95(3H,
s),2.83(3H,d,J=4.4Hz),3.4
7(2H,s),4.04(2H,s),5.16−
5.29(1H,m),5.25(2H,s),6.3
2−6.48(1H,br),6.98(2H,t,J
=8.0Hz),6.97−7.12(5H,m),
7.32−7.47(1H,m),7.49(2H,
d,J=8.4Hz),7.60(2H,d,J=8.
4Hz),8.36(1H,s),8.40(1H,
s).
【0110】参考例15 D−マンニトール(和光純薬(株))20g、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム塩(ハーキュレス社製)
2g、0.1%ポリソルベート80 0.4gを蒸留水
250mLに添加し、120℃1.5気圧にて1時間オ
ートクレーブ処理し0.5%カルボキシメチルセルロー
ス水溶液を調製した。
【0111】以下の実施例等において、化合物1は3−
(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,7−
ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−
[4−(3−メチルウレイド)フェニル]−4−オキソ
チエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸イソプ
ロピルエステル、
【化34】 化合物2は5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチ
ル)−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−[4
−(3−メトキシウレイド)フェニル]−3−フェニル
チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3
H)−ジオン、
【化35】 化合物3は、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメ
チル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7
−ジヒドロ−5−イソブチリル−2−(4−N’−メチ
ルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−
b]ピリジン、
【化36】 を示す。
【0112】実施例1 化合物1(720mg)、3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸(210mg)およびポリ乳酸(重量平均分子量
9,800,数平均分子量4,800)(270mg)
を、ジクロロメタン(1.2ml)に添加し溶解させ
た。この有機溶媒溶液を、あらかじめ16℃に調節して
おいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(PV
A)(300ml)に注入し、タービン型ホモミキサー
を使用してo/w型エマルションとした。このo/w型
エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散さ
せ、マイクロスフェアを調製した。得られたマイクロス
フェアを遠心分離操作(約2500rpm)により分取
した。次いで蒸留水(300ml)を用いて2回洗浄
後、D−マンニトール(120mg)を添加後、凍結乾
燥し、粉末状のマイクロスフェア(900mg)を得
た。
【0113】実施例2 化合物1(720mg)、3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸(200mg)およびポリ乳酸(重量平均分子量
9,800,数平均分子量4,800)(280mg)
を、ジクロロメタン(1.2ml)に添加し溶解させ
た。この有機溶媒溶液を、あらかじめ16℃に調節して
おいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(PV
A)(300ml)に注入し、タービン型ホモミキサー
を使用してo/w型エマルションとした。このo/w型
エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散さ
せ、マイクロスフェアを調製した。得られたマイクロス
フェアを遠心分離操作(約2500rpm)により分取
した。次いで蒸留水(300ml)を用いて2回洗浄
後、D−マンニトール(120mg)を添加後、凍結乾
燥し、粉末状のマイクロスフェア(1060mg)を得
た。
【0114】実施例3 化合物1(840mg)、サリチル酸(180mg)お
よびポリ乳酸(重量平均分子量9,800,数平均分子
量4,800)(380mg)を、ジクロロメタン
(1.2ml)に添加し溶解させた。この有機溶媒溶液
を、あらかじめ16℃に調節しておいた0.1%(w/
v)ポリビニルアルコール(PVA)(300ml)に
注入し、タービン型ホモミキサーを使用してo/w型エ
マルションとした。このo/w型エマルションを室温で
撹拌し、ジクロロメタンを揮散させ、マイクロスフェア
を調製した。得られたマイクロスフェアを遠心分離操作
(約2500rpm)により分取した。次いで蒸留水
(300ml)を用いて2回洗浄後、D−マンニトール
(140mg)を添加後、凍結乾燥し、粉末状のマイク
ロスフェア(880mg)を得た。
【0115】実施例4 化合物2(1240mg)、3−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸(350mg)およびポリ乳酸(重量平均分子量
5,200,数平均分子量3,100)(480mg)
を、ジクロロメタン(2.4ml)に添加し溶解させ
た。この有機溶媒溶液を、あらかじめ16℃に調節して
おいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(PV
A)(500ml)に注入し、タービン型ホモミキサー
を使用してo/w型エマルションとした。このo/w型
エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散さ
せ、マイクロスフェアを調製した。得られたマイクロス
フェアを遠心分離操作(約2500rpm)により分取
した。次いで蒸留水(500ml)を用いて2回洗浄
後、D−マンニトール(140mg)を添加後、凍結乾
燥し、粉末状のマイクロスフェア(880mg)を得
た。
【0116】実施例5 化合物2(480mg)、3−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸(140mg)およびポリ乳酸(重量平均分子量
5,200,数平均分子量3,100)(590mg)
を、ジクロロメタン(1.4ml)に添加し溶解させ
た。この有機溶媒溶液を、あらかじめ16℃に調節して
おいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(PV
A)(300ml)に注入し、タービン型ホモミキサー
を使用してo/w型エマルションとした。このo/w型
エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散さ
せ、マイクロスフェアを調製した。得られたマイクロス
フェアを遠心分離操作(約2500rpm)により分取
した。次いで蒸留水(300ml)を用いて2回洗浄
後、D−マンニトール(120mg)を添加後、凍結乾
燥し、粉末状のマイクロスフェア(1,200mg)を
得た。
【0117】実施例6 化合物3(240mg)、およびポリ乳酸(重量平均分
子量9,800,数平均分子量4,800)(560m
g)を、ジクロロメタン(1.2ml)と酢酸(0.0
22ml)の混合液に添加し溶解させた。この有機溶媒
溶液を、あらかじめ16℃に調節しておいた0.1%
(w/v)ポリビニルアルコール(PVA)(300m
l)に注入し、タービン型ホモミキサーを使用してo/
w型エマルションとした。このo/w型エマルションを
室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散させ、マイクロス
フェアを調製した。得られたマイクロスフェアを遠心分
離操作(約2500rpm)により分取した。次いで蒸
留水(300ml)を用いて2回洗浄後、D−マンニト
ール(80mg)を添加後、凍結乾燥し、粉末状のマイ
クロスフェア(680mg)を得た。
【0118】実施例7 化合物3の酢酸塩(300mg)およびポリ乳酸(重量
平均分子量9,800,数平均分子量4,800)(7
00mg)を、ジクロロメタン(1.5ml)に添加し
溶解させた。この有機溶媒溶液を、あらかじめ16℃に
調節しておいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコー
ル(PVA)(300ml)に注入し、タービン型ホモ
ミキサーを使用してo/w型エマルションとした。この
o/w型エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタン
を揮散させ、マイクロスフェアを調製した。得られたマ
イクロスフェアを遠心分離操作(約2,500rpm)
により分取した。次いで蒸留水(300ml)を用いて
2回洗浄後、D−マンニトール(100mg)を添加
後、凍結乾燥し、粉末状のマイクロスフェア(830m
g)を得た。
【0119】比較例1 化合物1(600mg)およびポリ乳酸(重量平均分子
量9,800,数平均分子量4,800)(400m
g)を、ジクロロメタン(2ml)とベンジルアルコー
ル(1ml)の混合液に添加し溶解させた。この有機溶
媒溶液を、あらかじめ16℃に調節しておいた0.1%
(w/v)ポリビニルアルコール(PVA)(300m
l)に注入し、タービン型ホモミキサーを使用してo/
w型エマルションとした。このo/w型エマルションを
室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散させ、マイクロス
フェアを調製した。得られたマイクロスフェアを遠心分
離操作(約2500rpm)により分取した。次いで蒸
留水(300ml)を用いて2回洗浄後、D−マンニト
ール(100mg)を添加後、凍結乾燥し、粉末状のマ
イクロスフェア(820mg)を得た。
【0120】比較例2 化合物2(3,600mg)およびポリ乳酸(重量平均
分子量5,200,数平均分子量3,100)(5,4
00mg)を、ジクロロメタン(25ml)とベンジル
アルコール(9ml)の混合液に添加し溶解させた。こ
の有機溶媒溶液を、あらかじめ16℃に調節しておいた
0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(PVA)
(2,000ml)に注入し、タービン型ホモミキサー
を使用してo/w型エマルションとした。このo/w型
エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散さ
せ、マイクロスフェアを調製した。得られたマイクロス
フェアを遠心分離操作(約2500rpm)により分取
した。次いで蒸留水(2,000ml)を用いて2回洗
浄後、D−マンニトール(900mg)を添加後、凍結
乾燥し、粉末状のマイクロスフェア(8,900mg)
を得た。
【0121】比較例3 化合物3(300mg)およびポリ乳酸(重量平均分子
量5,200,数平均分子量3,100)(700m
g)を、ジクロロメタン(1.5ml)に添加し溶解さ
せた。この有機溶媒溶液を、あらかじめ16℃に調節し
ておいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(P
VA)(300ml)に注入し、タービン型ホモミキサ
ーを使用してo/w型エマルションとした。このo/w
型エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散
させ、マイクロスフェアを調製した。得られたマイクロ
スフェアを遠心分離操作(約2500rpm)により分
取した。次いで蒸留水(300ml)を用いて2回洗浄
後、D−マンニトール(100mg)を添加後、凍結乾
燥し、粉末状のマイクロスフェア(920mg)を得
た。
【0122】実験例1 実施例1、2、3および比較例1で得られたマイクロス
フェアを化合物1として25mgに相当する量を秤量
し、参考例15で作製した分散媒0.2mlに分散し、
6週齢雄性SDラットの後頭部皮下に、20G注射針で
投与した。投与から所定の時間後にラットを屠殺して投
与部位に残存する各マイクロスフェアを取り出し、この
中の化合物1を定量し、その初期含量で除して求めた残
存率(%)を表1に示す。また1gあたりの組成物を得
る際に要した有機溶媒量を表2に示す。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】 表1の結果から、有機酸を添加して得た実施例1,2,
3の組成物は、有機酸を添加しない比較例1の組成物に
比較して放出速度が促進されていることが明らかとなっ
た。表2の結果から、有機酸を添加して得た実施例1,
2,3の組成物は、有機酸を添加しない比較例1の組成
物に比較して1gあたりの組成物を得る際に要する有機
溶媒量を削減可能であることが明らかとなった。
【0125】実験例2 実施例4,5および比較例2で得られたマイクロスフェ
アを、化合物2として10mgに相当する量を秤量し、
参考例15で作製した分散媒0.2mlに分散し、6週
齢雄性SDラットの後頭部皮下に、20G注射針で投与
した。投与から所定の時間後にラットを屠殺して投与部
位に残存する各マイクロスフェアを取り出し、この中の
化合物2を定量し、その初期含量で除して求めた残存率
(%)を表3に示す。また1gあたりの組成物を得る際
に要した有機溶媒量を表4に示す。
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】 表3の結果から、有機酸を添加して得た実施例4,5の
組成物は、有機酸を添加しない比較例2の組成物に比較
して放出速度が促進されていることが明らかとなった。
表4の結果から、有機酸を添加して得た実施例4,5の
組成物は、有機酸を添加しない比較例2の組成物に比較
して1gあたりの組成物を得る際に要する有機溶媒量を
削減可能であることが明らかとなった。
【0128】実験例3 実施例6,7および比較例3で得られたマイクロスフェ
アを化合物3として25mgに相当する量を秤量し、参
考例15で作製した分散媒0.2mlに分散し、6週齢
雄性SDラットの後頭部皮下に、20G注射針で投与し
た。投与から所定の時間後にラットを屠殺して投与部位
に残存する各マイクロスフェアを取り出し、この中の化
合物3を定量し、その初期含量で除して求めた残存率
(%)を表5に示す。
【0129】
【表5】 表5の結果から、有機酸を添加または有機酸塩として配
合して得た実施例6,7の組成物は、有機酸を添加しな
い比較例3の組成物に比較して放出速度が促進されてい
ることが明らかとなった。
【0130】
【発明の効果】本発明の組成物は、非ペプチド性GnRHア
ンタゴニストまたはアゴニストの溶解度および結晶性の
有無に関わらずに、高含量化を達成できる。製造時の有
機溶媒使用量および使用する有機溶媒の種類を削減でき
ることによる生産性の向上および保存安定性の向上、か
つ品質管理項目を削減できることによるコスト低減が可
能である。また、非ペプチド性GnRHアンタゴニストまた
はアゴニストの放出を制御あるいは加速することによ
り、医薬として確実な薬理効果を発現することができ
る。特に本発明の組成物は、薬物投与量が多いときに徐
放性に優れており、また皮下投与で効果的に医薬として
の効果を示すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/12 A61K 47/12 A61P 1/00 A61P 1/00 5/24 5/24 13/08 13/08 15/00 15/00 15/08 15/08 15/18 15/18 17/10 17/10 17/14 17/14 25/28 25/28 35/00 35/00 Fターム(参考) 4C076 AA31 AA94 BB11 CC01 CC17 CC18 CC27 DD38 DD43B EE24B FF31 GG02 4C084 AA27 MA05 MA44 MA66 NA12 ZA162 ZA732 ZA812 ZA862 ZA892 ZB262 ZC112 4C086 AA01 CB29 MA03 MA05 MA44 MA66 NA12 ZA16 ZA73 ZA81 ZA86 ZA89 ZB26 ZC11

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出
    ホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト、(ii)有機酸
    またはその塩および(iii)生体内分解性ポリマーまたは
    その塩を配合してなる組成物。
  2. 【請求項2】 非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホル
    モンアゴニストまたはアンタゴニストの分子量が約10
    00以下である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホル
    モンアゴニストまたはアンタゴニストを組成物全量に対
    して15%(w/w)以上配合する請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホル
    モンアゴニストまたはアンタゴニストの塩基当量が生体
    内分解性ポリマーの酸当量より多い請求項1記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 生体内分解性ポリマーの酸当量当たり、
    非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト
    またはアンタゴニストを1ないし100倍の塩基当量で
    配合する請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモ
    ンアンタゴニストが、式 【化1】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩である請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホル
    モンアンタゴニストが、式(I) 【化2】 〔式中、R1およびRは、それぞれ水素原子、ヒドロ
    キシ基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシ−
    カルボニル基または置換基を有していてもよいC 1−4
    アルキル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロ
    キシ基または置換基を有していてもよいC1−4アルコ
    キシ基を示すか、または隣接する2つのRが連結して
    1−4アルキレンジオキシ基を形成してもよく、R
    は水素原子またはC1−4アルキル基を、Rは置換基
    を有していてもよいC1−4アルキル基または式 【化3】 (式中、Rは水素原子を示すか、またはRとR
    が連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、
    およびnは0ないし5の整数を示す〕で表される化合物
    またはその塩である請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 有機酸が常温固体である請求項1記載の
    組成物。
  9. 【請求項9】 有機酸が芳香族ヒドロキシカルボン酸で
    ある請求項1記載の組成物。
  10. 【請求項10】 有機酸がサリチル酸、1−ヒドロキシ
    −2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸お
    よびパモ酸から選ばれる1種または2種以上である請求
    項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキ
    シカルボン酸重合体である請求項1記載の組成物。
  12. 【請求項12】 α−ヒドロキシカルボン酸重合体が乳
    酸−グリコール酸重合体である請求項11記載の組成
    物。
  13. 【請求項13】 乳酸とグリコール酸の組成モル比が1
    00/0ないし40/60である請求項12記載の組成
    物。
  14. 【請求項14】 重合体の重量平均分子量が約3,00
    0ないし約100,000である請求項11記載の組成
    物。
  15. 【請求項15】 徐放性である請求項1記載の組成物。
  16. 【請求項16】 マイクロスフェアである請求項1記載
    の組成物。
  17. 【請求項17】 注射用である請求項1記載の組成物。
  18. 【請求項18】 注射用徐放性マイクロスフェアである
    請求項1記載の組成物。
  19. 【請求項19】 性ホルモン依存性疾患の予防・治療剤
    である請求項1記載の組成物。
  20. 【請求項20】 性ホルモン依存性ガン、性ホルモン依
    存性ガンの骨転移、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜
    症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候
    群、月経困難症、多房性卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候
    群、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏
    性腸症候群またはホルモン非依存性でGnRH感受性で
    ある良性または悪性腫瘍の予防・治療剤、生殖調節剤、
    避妊薬、排卵誘発剤または性ホルモン依存性ガン術後再
    発予防剤である請求項1記載の組成物。
  21. 【請求項21】 (i)非ペプチド性性腺刺激ホルモン放
    出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト、(ii)有機
    酸またはその塩および(iii)生体内分解性ポリマーまた
    はその塩を有機溶媒に溶解または分散し、該有機溶媒を
    除去することを特徴とする請求項1記載の組成物の製造
    法。
  22. 【請求項22】 有機酸またはその塩および/または生
    体内分解性ポリマーまたはその塩を用いることを特徴と
    する非ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニ
    ストまたはアンタゴニストの結晶化を防止または抑制す
    る方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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