JP3854648B2 - 縮合チオフェン誘導体、その製造法及び用途 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、縮合二環化合物を含有する性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)拮抗剤、チエノ〔2,3−b〕ピリジン誘導体、チエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下垂体前葉ホルモンの分泌は、それぞれのホルモンの標的臓器から分泌される末梢ホルモン及び下垂体前葉の上位中枢である視床下部から分泌される分泌促進あるいは分泌抑制ホルモン(以下、本明細書においては、これらホルモン群を視床下部ホルモンと総称する。)の調節を受けている。現在までのところ、視床下部ホルモンとして例えば甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)あるいは性腺刺激ホルモン放出ホルモン{GnRH(Gonadotropin releasing hormone):黄体形成ホルモン放出ホルモン〔LH−RH(Luleinizing hormone releasing hormone)〕とも呼ばれる}など9種の存在が確認されている(入来正躬、外山敬介編、生理学2、文光堂、P610-618、1986年)。これら視床下部ホルモンは下垂体前葉に存在すると考えられている受容体を介して、そのホルモン作用等を現すと推定されており(同)、ヒトの場合もふくめこれらに特異的な受容体遺伝子の解析が進められている(井村裕夫、他編、レセプター基礎と臨床、朝倉書店、p297-304、1993年)。従って、これら受容体に対する特異的かつ選択的な拮抗薬あるいは作動薬は、視床下部ホルモンの作用を調節し下垂体前葉ホルモンの分泌を制御することになる。この結果として、こうした下垂体前葉ホルモン依存性の疾患に対してその予防あるいは治療を期待することが出来る。
視床下部ホルモンのひとつである性腺刺激ホルモン放出ホルモン(以下GnRHと略称することもある)〔シャリー・エー・ブイ(Schally A. V.)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biological Chemistry),246巻、7230-7236頁、1971年およびブルガス・アール(Burgus, R.)ら、プロシーデイング・オブ・ナチュラル・アカデミック・サイエンス・ユー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sci.USA)、69巻、278-282頁、1972年〕の高活性誘導体である酢酸リュープロレリン〔藤野ら、バイオケミカル・アンド・バイオフイジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications),60巻、406-413頁,1974年、およびオリバー・アール・ティー・デー(Oliver, R. T. D.)ら、ブリティシュ・ジーナル・オブ・キヤンサー(Br. J. Cancer),59巻、823頁、1989年および戸口ら,ジャーナル・オブ・インターナショナル・メディカル・リサーチ(J.Int.Med.Res.),18巻、35-41頁、1990年〕は、反復投与することにより、下垂体における性腺刺激ホルモンの放出・産生を低下させ、精巣および卵巣における性腺刺激ホルモンに対する反応性の低下を起こし、テストステロンおよびエストロゲンの分泌を抑制する。その結果、こうしたホルモン依存性の癌例えば前立腺癌に対して抗腫瘍活性を示すことが知られており臨床応用されている。酢酸リュープロレリンは、また、子宮内膜症や、思春期早発症などの治療薬としても臨床で広く用いられている。酢酸リュープロレリンの高い抗癌活性は、天然型GnRHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、またGnRH受容体に対する親和性が高くレセプター数の減少によるGnRHの反応性の低下(desensitization)を起こすことに起因すると推定されている。しかしながら、酢酸リュープロレリンは、GnRH受容体に対する超作動薬であるため、初回投与直後に下垂体−性腺刺激作用(急性作用)による血清テストステロン濃度の上昇を伴った一過性の増悪が認められることが知られている。
このような背景のもとに、同様の治療効果を有し、しかも上記の一過性の下垂体−性腺刺激作用(急性作用)を起こさないと期待されるGnRH拮抗薬が望まれている。このようなGnRH拮抗作用を有する化合物としては、GnRHの誘導体である直鎖状ペプチド(米国特許第 5140009 号,同 5171835 号)、環状ヘキサペプチド誘導体(特開昭61-191698)や2環性ペプチド誘導体〔ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、36巻、3265-3273頁、1993年〕など数多く知られているが、これらの化合物はすべてペプチド性であることから、投与形態、薬剤の安定性、作用の持続性、代謝に対する安定性等の多くの問題点が残されている。これらの点を解決するために、経口性のGnRH拮抗薬、特に非ペプチド性の拮抗薬が強く要望されている。しかし現状では、非ペプチド性GnRH拮抗薬の報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する新規化合物ならびに優れた性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した事情に鑑み、GnRH拮抗剤として用いることのできる新規化合物を見いだすべく鋭意研究の結果、チエノ[2,3−b]ピリジン誘導体及びチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体が優れたGnRH拮抗作用を有することを見いだした。本発明者らは、この知見に基づいてさらに研究した結果、本発明を完成した。
【0005】
即ち本発明は、
(1)一般式
【化11】
〔式中、R1及びR2はそれぞれ水素、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基を、R3は置換されていてもよい同素又は複素環基を、R4は水素、ホルミル基、シアノ基、硫黄原子を介する基もしくは置換されていてもよい水酸基で置換された低級アルキル基、置換されていてもよい炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基又はエステル化もしくはアミド化されたカルボキシル基を、R5は水素又は炭素原子を介する基を、nは0〜3の整数を示す。但し、R3が有していてもよい置換基がヨーロッパ特許公開公報第443568号及び同第520423号に記載された一般式
【化12】
(式中、R6は置換されていてもよい、環を形成し得る基,カルボニル,チオカルボニル,酸化されていてもよい硫黄原子もしくはそれらに変換し得る基を有する5ないし7員の複素環基、アニオン形成基又はアニオンに変換し得る基を、Z環はヘテロ原子が含まれていてもよい芳香族炭化水素残基又は複素環基を、Vは化学結合又は介在基を示す)で表される基である場合を除く〕で表される化合物又はその塩、
(2)R3が一般式
【化13】
〔式中、R7は水素、ハロゲン、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基を、R8は水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、又は酸素,窒素もしくは硫黄原子を介する置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基を示す〕で表される基である上記(1)記載の化合物、
(3)R1又はR2の一方が一般式
R9−(CH2)m−
〔式中、R9は窒素原子を介する基を、mは0〜3の整数を示す〕で表される基で、他方が一般式
R10−A−
〔式中、R10は置換されていてもよいフェニル基を、Aは化学結合又は介在基を示す〕で表される基である上記(2)記載の化合物、
(4)一般式(II)
【化14】
{式中、R11は水素、低級アルキル基または式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qはハロゲン,ニトロ,シアノ,アミノ,置換されていてよいカルボキシル基,低級アルキレンジオキシ基または式−A−R15(式中、Aは化学結合もしくは介在基を、R15はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基または置換されていてもよい複素環基を示す〕で表される基を、R12は水素またはアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基または置換されていてもよいシクロアルキル基を、R13は置換されていてもよいアミノを、R14は置換されていてもよいアリール基を、rは0〜3の整数を示す}で表される化合物またはその塩、
(5)R11が式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qはハロゲン,ニトロ,シアノ,アミノ,置換されていてもよいカルボキシル基,低級アルキレンジオキシ基または式−A−R15(式中、Aは化学結合もしくは介在基を、R15はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基を示す〕で表される基である上記(4)記載の化合物、
(6)Qがハロゲンで置換されていてもよいアリールである上記(5)記載の化合物、
(7)R13が置換されていてもよいモノアラルキルアミノである上記(4)記載の化合物、
(8)R13が置換されていてもよいベンジルアミノである上記(4)記載の化合物、
(9)R14が置換されていてもよいフェニルである上記(4)記載の化合物、
(10)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル又はその塩、
(11)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル又はその塩、
(12)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−アセチルアミノフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル又はその塩、
(13)化合物2,4(1H,3H)-ジオキソ-5-ベンジルメチルアミノメチル-1-(2-クロロ-6-フルオロベンジル)-6-(4-メトキシフェニル)-3-フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン又はその塩、
(14)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩、
(15)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩、
(16)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩、
(17)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩、
(18)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−イソプロピル)カルボキサミド又はその塩、
(19)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−イソプロピル−N−メチル)カルボキサミド又はその塩、
(20)化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−ベンジル−N−メチル)カルボキサミド又はその塩、
(21)一般式(III)
【化15】
〔式中、R4は水素、ホルミル、シアノ基、硫黄原子を介する基もしくは置換されていてもよい水酸基で置換された低級アルキル基、置換されていてもよい炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基又はエステル化もしくはアミド化されたカルボキシル基を、R5は水素又は炭素原子を介する基を、R7は水素、ハロゲン又は炭素,窒素もしくは硫黄原子を介する基を、R8は水素、ハロゲン、シアノ、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基を、R10は置換されていてもよいフェニルを、Aは化学結合又は介在基を、Xは脱離基を、mは0〜3の整数を、nは0〜3の整数を示す〕で表される化合物又はその塩と、一般式
R9H
〔式中、R9は窒素原子を介する基を示す〕で表される化合物又はその塩とを反応させることを特徴とする上記(3)記載の化合物又はその塩の製造法、
(22)一般式(IV)
【化16】
{式中、R11'は式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qはハロゲン,ニトロ,シアノ,アミノ,置換されていてもよいカルボキシル基,低級アルキレンジオキシ基または式−A−R15(式中、Aは化学結合もしくは介在基を、R15はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基を示す〕で表される基を、R12'はアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基を、R14は置換されていてもよいアリール基を、Xは脱離基を、rは0〜3の整数を示す}で表される化合物又はその塩と、一般式
R13H
〔式中、R13は置換されていてもよいアミノを示す〕で表される化合物又はその塩とを反応させることを特徴とする上記(5)記載の化合物又はその塩の製造法、
(23)置換されていてもよい、同素または複素5ないし7員環と同素または複素5ないし7員環との縮合二環化合物またはその塩を含有してなる性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(24)縮合二環化合物が一般式(V)
【化17】
〔式中、W環は置換されていてもよい同素または複素5ないし7員環基を、R16は置換されていてもよい炭化水素残基を、R17は水素、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基を、oは1〜2の整数を示す〕で表される化合物である上記(23)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(25)W環が一般式(VI)
【化18】
〔式中、R1及びR2はそれぞれ水素、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基を示す〕で表される基である上記(24)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(26)縮合二環化合物が一般式(VII)
【化19】
〔式中、Y環は置換されていてもよい、複素5ないし7員環基を、R18およびR19は同一または異なって置換されていてもよい炭化水素残基を示す〕で表される化合物である上記(23)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(27)Y環が一般式(VIII)
【化20】
〔式中、R20及びR21はそれぞれ水素、又は置換されていてもよい炭化水素残基を示す〕で表される環基である上記(26)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(28)性ホルモン依存性疾病の予防又は治療剤である上記(23)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(29)性ホルモン依存性ガン、前立腺肥大症又は子宮筋腫の予防又は治療剤である上記(23)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(30)性ホルモン依存性ガンが前立腺ガン、子宮ガン、乳ガン、下垂体腫瘍である上記(29)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(31)性ホルモン依存性疾病が前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、思春期早発症である上記(28)記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤、
(32)上記(23)記載の化合物又はその塩を含有してなる妊娠調節剤、
(33)上記(23)記載の化合物又はその塩を含有してなる月経周期調節剤、
及び
(34)避妊用である上記(32)記載の妊娠調節剤に関する。
【0006】
上記R1,R2,R5,R7及びR17で表される炭素原子を介する基としては、例えばそれぞれ置換されていてもよい、脂肪族炭化水素基〔例、アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC1-6アルキル)、シクロアルキル(例、シクロプロピル,シクロペンチル,シクロヘキシル等のC3-6シルロアルキル)、アルコキシアルキル(例、メトキシメチル,エトキシメチル,エトキシブチル,プロポキシメチル,プロポキシヘキシル等のC1-3アルコキシC1-6アルキル)、ヒドロキシアルキル(例、ヒドロキシメチル,ヒドロキシエチル,ヒドロキシブチル,ヒドロキシプロピル等のC1-6アルキル)、アルケニル(例、ビニル,ブタジエニル,ヘキサトリエニル等のC2-6アルケニル等)、ホルミル、カルボキシル、アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,t-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシカルボニル)など〕、シアノ、アミド、モノ,ジアルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,ヘキシルカルバモイル,ジメチルカルバモイル,メチルエチルカルバモイル等のモノ,ジC1-6アルキルカルバモイル)、アミジノ、脂肪族芳香族基〔例、アリール(例、フェニル,ナフチル,アントラセニル等のC6-14アリール)、アラルキル(例、ベンジル,ベンツヒドリール,トリチル等のC7-20アラルキル)など〕、炭素原子に結合手を有する複素環基(例、2−または3−チエニル,2−または3−フリル,2−または3−ピロリル,2−,3−または4−ピリジル,2−、4−または5−オキサゾリル,2−,4−または5−チアゾリル,3−,4−または5−ピラゾリル,2−,4−または5−イミダゾリル,3−,4−または5−イソオキサゾリル,3−,4−または5−イソチアゾリル,3−または5−(1,2,4−オキサジアゾリル),1,3,4−オキサジアゾリル,3−または5−(1,2,4−チアジアゾリル),1,3,4−チアジアゾリル,4−または5−(1,2,3−チアジアゾリル),1,2,5−チアジアゾリル,1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル,1H−または2H−テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基;N−オキシド−2−,3−または4−ピリジル,2−,4−または5−ピリミジニル,N−オキシド−2−,4−または5−ピリミジニル,2−または3−チオモルホリニル,2−または3−モルホリニル,オキソイミダジニル,ジオキソトリアジニル,ピロリジニル,ピペリジニル,ピラニル,チオピラニル,1,4−オキサジニル,1,4−チアジニル,1,3−チアジニル,2−または3−ピペラジニル,トリアジニル,オキソトリアジニル,3−または4−ピリダジニル,ピラジニル,N−オキシド−3−または4−ピリダジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員環基;ベンゾフリル,ベンゾチアゾリル,ベンゾオキサゾリル,テトラゾロ〔1,5−b〕ピリダジニル,トリアゾロ〔4,5−b〕ピリダジニル,ベンゾイミダゾリル,キノリル,イソキノリル,シンノリニル,フタラジニル,キナゾリニル,キノキサリニル,インドリジニル,キノリジニル,1,8−ナフチリジニル,プリニル,プテリジニル,ジベンゾフラニル,カルバゾリル,アクリジニル,フェナントリジニル,クロマニル,ベンゾオキサジニル,フェナジニル,フェノチアジニル,フェノキサジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性縮合環基等の炭素原子以外に例えば酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員環またはその縮合環等)などが挙げられる。
【0007】
該置換基としては、例えば(a)ヒドロキシル、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキシ等)および(e)ハロゲン(フッ素,塩素,臭素, よう素)等から選ばれた1ないし4個で置換されていてもよいC6-14アリール(例、フェニル,ナフチル等);モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等);C1-4アシルアミノ(例、ホルミルアミノ,アセチルアミノ等);ヒドロキシル;カルボキシル;ニトロ;C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等);C1-6アルキル-カルボニルオキシ(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)及びハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素,よう素)、後述の置換されていてもよい窒素原子を介する基などが挙げられる。置換の数は1ないし6、好ましくは1ないし3である。
上記R1,R2,R7,R9及びR17で表される窒素原子を介する基としては、例えばアミノ、それぞれ置換されていてもよい、−NR22R23〔式中、R22は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、複素環基、−SOp−(pは1〜2の整数を示す)を、R23は水素、アルキルを示す〕で表される基、窒素原子に結合手を有する複素環基(例、1H−1−ピロリル,1−イミダゾリル,ピラゾリル,インドリル,1H−1−インダゾリル,7−プリニル,1−ピロリジニル,1−ピロリニル,1−イミダゾリジニル,ピラゾリジニル,ピペラジニル,ピラゾリニル,1−ピペリジニル,4−モルフォリニル,4−チオモルフォリニル等)などが挙げられる。該アルキル、シクロアルキル、アリール、複素環基は上記と同意義を有する。
【0008】
該置換基としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル等)、C2-6アルケニル(例、ビニル,1-メチルビニル,1-プロペニル,アリル等)、C2-6アルキニル(例、エチニル,1-プロピニル,プロパルギル等)、C3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル等)、C5-7シクロアルケニル(例、シクロペンテニル,シクロヘキセニル等)、C7-11アラルキル(例、ベンジル,α-メチルベンジル,フェネチル等)、C6-14アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,iso-プロポキシ,n-ブトキシ,iso-ブトキシ,sec-ブトキシ,tert-ブトキシ等)、C6-14アリールオキシ(例、フェノキシ等)、C1-6アルカノイル(例、ホルミル,アセチル,プロピオニル,n-ブチリル,iso-ブチリル等)、C6-14アリール-カルボニル(例、ベンゾイル等)、C1-6アルカノイルオキシ(例、ホルミルオキシ,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,n-ブチリルオキシ,iso-ブチリルオキシ等)、C6-14アリール-カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ等)、カルボキシル、C1-6アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,n-プロポキシカルボニル,iso-プロポキシカルボニル,n-ブトキシカルボニル,イソブトキシカルボニル,tert-ブトキシカルボニル等)、カルバモイル基、N−モノ−C1-4アルキルカルバモイル(例、N-メチルカルバモイル,N-エチルカルバモイル,N-プロピルカルバモイル,N-イソプロピルカルバモイル,N-ブチルカルバモイル等)、N,N−ジ−C1-4アルキルカルバモイル(例、N,N-ジ メチルカルバモイル,N,N-ジエチルカルバモイル,N,N-ジプロピルカルバモイル,N,N-ジブチルカルバモイル等)、環状アミノカルボニル(例、1-アジリジニルカルボニル,1-アゼチジニルカルボニル,1-ピロリジニルカルボニル,1-ピペリジニルカルボニル,N-メチルピペラジニルカルボニル,モルホリノカルボニル等)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、よう素)、モノ−,ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル(例、クロロメチル,ジクロロメチル,トリフルオロメチル,トリフルオロエチル等)、オキソ基、アミジノ、イミノ基、アミノ、モノ−又はジC1-4アルキルアミノ(例、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,イソプロピルアミノ,ブチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,ジプロピルアミノ,ジイソプロピルアミノ,ジブチルアミノ等)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基(例、アジリジニル,アゼチジニル,ピロリジニル,ピロリニル,ピロリル,イミダゾリル,ビラゾリル,イミダゾリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,ジヒドロピリジル,ピリジル,N-メチルピペラジニル,N-エチルピペラジニル等)、C1-6アルカノイルアミノ(例、ホルムアミド,アセタミド,トリフルオロアセタミド,プロピオニルアミド,ブチリルアミド,イソブチリルアミド等)、ベンツアミド,カルバモイルアミノ、N−C1-4アルキルカルバモイルアミノ(例、N-メチルカルバモイルアミノ,N-エチルカルバモイルアミノ,N-プロピルカルバモイルアミノ,N-イソプロピルカルバモイルアミノ,N-ブチルカルバモイルアミノ等)、N,N−ジ−C1-4アルキルカルバモイルアミノ(例、N,N-ジメチルカルバモイルアミノ,N,N-ジエチルカルバモイルアミノ,N,N-ジプロピルカルバモイルアミノ,N,N-ジブチルカルバモイルアミノ等)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ,エチレンジオキシ等)、-B(OH)2、ヒドロキシル、エポキシ(−O−)、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフイノ、ホスホノ、ジヒドロキシボリール、スルファモイル、C1-6アルキルスルファモイル(例、N-メチルスルファモイル,N-エチルスルファモイル,N-プロピルスルファモイル,N-イソプロピルスルファモイル,N-ブチルスルファモイル等)、ジC1-6アルキルスルファモイル(例、N,N-ジメチルスルファモイル,N,N-ジエチルスルファモイル,N,N-ジプロピルスルファモイル,N,N-ジブチルスルファモイル等)、C1-6アルキルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,n-ブチルチオ,sec-ブチルチオ,tert-ブチルチオ等)、フェニルチオ、C1-6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル,エチルスルフィニル,プロピルスルフィニル,ブチルスルフィニル等)、フェニルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル,ブチルスルホニル等)、フェニルスルホニルなどが挙げられる。置換の数は1ないし6、好ましくは1ないし3である。
【0009】
上記R1,R2,R7及びR17で表される酸素原子を介する基としては、例えばヒドロキシル、それぞれ置換されていてもよい、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、複素環オキシ基などが挙げられる。該それぞれ置換されていてもよい、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、複素環オキシ基におけるアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基は上記と同意義を有する。
該置換基は、上記窒素原子を介する基における置換基と同意義を有する。
【0010】
上記R1,R2,R7及びR12で表される硫黄原子を介する基としては、例えばメルカプト、それぞれ置換されていてもよい、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、複素環チオ基などが挙げられる。該それぞれ置換されていてもよい、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、複素環チオ基におけるアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基は上記と同意義を有する。
該置換基は、上記窒素原子を介する基における置換基と同意義を有する。
【0011】
上記R3で表される置換されていてもよい同素環基における同素環基としては、例えばベンゼン、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の炭素数3ないし7のシクロアルカン、 例えばシクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン等の炭素数3ないし7のシクロアルケン等の炭素原子のみからなる3ないし7員の環状炭化水素等が用いられる。
該同素環が有していてもよい置換基としては、例えばC1-15アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,s−ブチル,t−ブチル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシル,ウンデシル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル,ペンタデシル等)、C3-10シクロアルキル(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル等)、C2-10アルケニル(例、ビニル,アリル,2−メチルアリル,2−ブテニル,3−ブテニル,3−オクテニル等)、C2-10アルキニル(例、エチニル,2−プロピニル,3−ヘキシニル等)、C3-10シクロアルキル(例、シクロプロペニル,シクロペンテニル,シクロヘキセニル等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C1-19アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル,トリチル等)、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、オキソ、チオキソ、シアノ、カルバモイル、カルボキシル、C1-5アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル等)、スルホ、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、よう素)、C1-6アルコシキ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,s−ブトキシ,t−ブトキシ等)、C6-10アリールオキシ(例、フェノキシ等)、C1-6アルキルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,t−ブチルチオ等)、C6-10アリールチオ(例、フェニルチオ等)、C1-6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル,エチルスルフィニル等)、C6-10アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル等)、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル,エチルスルホニル等)、C6-10アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル等)、アミノ、C1-6アシルアミノ(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ等)、モノ−またはジ−C1-4アルキルアミノ(例、メチルアミノ,エチルアミノ,n−プロピルアミノ,イソプロピルアミノ,n−ブチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ等)、C3-8シクロアルキルアミノ(例、シクロプロピルアミノ,シクロブチルアミノ,シクロペンチルアミノ,シクロヘキシルアミノ等)、C6-10アリールアミノ(例、アニリノ等)、C1-6アラルキル(例、ホルミル,アセチル,ヘキサノイル等)、C6-10アリール-カルボニル(例、ベンゾイル等)、炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし6員複素環基(例、2−または3−チエニル,2−または3−フリル,3−,4−または5−ピラゾリル,2−,4−または5−チアゾリル,3−,4−または5−イソチアゾリル,2−,4−または5−オキサゾリル,3−,4−または5−イソオキサゾリル,2−,4−または5−イミダゾリル,1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル,1Hまたは2H−テトラゾリル,2−、3−または4−ピリジル,2−,4−または5−ピリミジル,3−または4−ピリダニジル,キノリル,イソキノリル,インドリル等)などが挙げられる。置換の数は1ないし6、好ましくは1ないし3である。
上記R3で表される置換されていてもよい複素環基としては、例えば2−または3−チエニル、2−または3−フリル、2−または3−ピロリル、2−,3−または4−ピリジル、2−,4−または5−オキサゾリル、2−,4−または5−チアゾリル、3−,4−または5−ピラゾリル、2−,4−または5−イミダゾリル、3−,4−または5−イソオキサゾリル、3−,4−または5−イソチアゾリル、3−または5−(1,2,4−オキサジアゾリル)、1,3,4−オキサジアゾリル、3−または5−(1,2,4−チアジアゾリル)、1,3,4−チアジアゾリル、4−または5−(1,2,3−チアジアゾリル)、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1H−または2H−テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基、例えばN−オキシド−2−,3−または4−ピリジル、2−,4−または5−ピリミジニル、N−オキシド−2−,4−または5−ピリミジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、オキソイミダジニル、ジオキソトリアジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラニル、チオピラニル、1,4−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,3−チアジニル、ピペラジニル、トリアジニル、オキソトリアジニル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、N−オキシド−3−または4−ピリダジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員環基、例えばベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル、トリアゾロ[4,5−b]ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、1,8−ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性縮合環基等の炭素原子以外に例えば酸素原子,硫黄原子,窒素原子などのヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員環またはその縮合環等が挙げられる。
【0012】
該複素環基が有していてもよい置換基としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル等)、C2-6アルケニル(例、ビニル,1-メチルビニル,1-プロペニル,アリル等)、C2-6アルキニル(例、エチニル,1-プロピニル,プロパルギル等)、C3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル等)、C5-7シクロアルケニル(例、シクロペンテニル,シクロヘキセニル等)、C7-11アラルキル(例、ベンジル,α-メチルベンジル,フェネチル等)、C6-14アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,iso-プロポキシ,n-ブトキシ,iso-ブトキシ,sec-ブトキシ,tert-ブトキシ等)、C6-14アリールオキシ(例、フェノキシ等)、C1-6アルカノイル(例、ホルミル,アセチル,プロピオニル,n-ブチリル,iso-ブチリル等)、C6-14アリール-カルボニル(例、ベンゾイル等)、C1-6アルカノイルオキシ(例、ホルミルオキシ,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,n-ブチリルオキシ,iso-ブチリルオキシ等)、C6-14アリール-カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ等)、カルボキシル、C1-6アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,n-プロポキシカルボニル,iso-プロポキシカルボニル,n-ブトキシカルボニル,イソブトキシカルボニル,tert-ブトキシカルボニル等)、カルバモイル基、N−モノ−C1-4アルキルカルバモイル(例、N-メチルカルバモイル,N-エチルカルバモイル,N-プロピルカルバモイル,N-イソプロピルカルバモイル,N-ブチルカルバモイル等)、N,N−ジ−C1-4アルキルカルバモイル(例、N,N-ジ メチルカルバモイル,N,N-ジエチルカルバモイル,N,N-ジプロピルカルバモイル,N,N-ジブチルカルバモイル等)、環状アミノカルボニル(例、1-アジリジニルカルボニル,1-アゼチジニルカルボニル,1-ピロリジニルカルボニル,1-ピペリジニルカルボニル,N-メチルピペラジニルカルボニル,モルホリノカルボニル等)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、よう素)、モノ−,ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル(例、クロロメチル,ジクロロメチル,トリフルオロメチル,トリフルオロエチル等)、オキソ基、アミジノ、イミノ基、アミノ、モノ−又はジC1-4アルキルアミノ(例、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,イソプロピルアミノ,ブチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,ジプロピルアミノ,ジイソプロピルアミノ,ジブチルアミノ等)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基(例、アジリジニル,アゼチジニル,ピロリジニル,ピロリニル,ピロリル,イミダゾリル,ビラゾリル,イミダゾリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,ジヒドロピリジル,ピリジル,N-メチルピペラジニル,N-エチルピペラジニル等)、C1-6アルカノイルアミノ(例、ホルムアミド,アセタミド,トリフルオロアセタミド,プロピオニルアミド,ブチリルアミド,イソブチリルアミド等)、ベンツアミド,カルバモイルアミノ、N−C1-4アルキルカルバモイルアミノ(例、N-メチルカルバモイルアミノ,N-エチルカルバモイルアミノ,N-プロピルカルバモイルアミノ,N-イソプロピルカルバモイルアミノ,N-ブチルカルバモイルアミノ等)、N,N−ジ−C1-4アルキルカルバモイルアミノ(例、N,N-ジメチルカルバモイルアミノ,N,N-ジエチルカルバモイルアミノ,N,N-ジプロピルカルバモイルアミノ,N,N-ジブチルカルバモイルアミノ等)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ,エチレンジオキシ等)、-B(OH)2、ヒドロキシル、エポキシ(−O−)、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフイノ、ホスホノ、ジヒドロキシボリール、スルファモイル、C1-6アルキルスルファモイル(例、N-メチルスルファモイル,N-エチルスルファモイル,N-プロピルスルファモイル,N-イソプロピルスルファモイル,N-ブチルスルファモイル等)、ジC1-6アルキルスルファモイル(例、N,N-ジメチルスルファモイル,N,N-ジエチルスルファモイル,N,N-ジプロピルスルファモイル,N,N-ジブチルスルファモイル等)、C1-6アルキルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,n-ブチルチオ,sec-ブチルチオ,tert-ブチルチオ等)、フェニルチオ、C1-6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル,エチルスルフィニル,プロピルスルフィニル,ブチルスルフィニル等)、フェニルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル,ブチルスルホニル等)、フェニルスルホニルなどが挙げられる。置換の数は1ないし6、好ましくは1ないし3である。
【0013】
上記R4で表されるエテル化されたカルボキシル基におけるエステル基としては、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基等が挙げられ、これらは前記と同意義を有する。
上記R4で表されるアミド化されたカルボキシル基としては、例えば−CONR22R23(式中、R22及びR23は前記と同意義を有する)で表される基が挙げられる。
上記R4で表される置換されていてもよい水酸基で置換された低級アルキル基、上記R4で表される硫黄原子を介する基で置換された低級アルキル基における低級アルキル基としては、例えばメチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,S-ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC1-6アルキル基が挙げられる。置換されていてもよい水酸基における該置換基としては、例えばハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,tert−ブチル等)、ハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル等)、C1-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等);ハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル,ナフチルメチル等);ホルミル、ハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいC1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル,プロピオニル等);ハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC6-10アリールオキシ−カルボニル(例、フェニルオキシカルボニル,ナフチルオキシカルボニル等);ハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC6-10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル,ナフチルカルボニル等);ハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC7-12アラルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニル,フェネチルカルボニル等);ハロゲン(例、塩素,臭素,フッ素等)、C1-6アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル等)、C6-10アリール(例、フェニル,ナフチル等)、C7-12アラルキル(例、ベンジル,フェニルエチル等)及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいピラニルまたはフラニル、トリ(C1-4アルキル)シリル(例、トリメチルシリル,トリエチルシリル等)などが用いられる。該硫黄原子を介する基は前記と同意義を有する。
上記R4で表される置換されていてもよい炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基における炭化水素残基としては、例えば飽和あるいは不飽和の炭素数25までの炭化水素残基が挙げられる。好ましい具体例としては、例えばアルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC1-8アルキル)、シクロアルキル(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル)、アルコキシアルキル(例、メトキシメチル,エトキシメチル,エトキシブチル,プロポキシヘキシル等のC1-3アルコキシC1-6アルキル)、アルケニル(例、ビニル,ブテニル,ブタジエニル,ヘキサトリエニル等のC2-6アルケニル)、アリール(例、フェニル,ナフチル,アントラセニル等のC6-14アリール)、アラルキル(例、ベンジル,ベンツヒドリール,トリチル等のC7-20アラルキル)などが挙げられる。該置換基としては、前記炭素原子を介する基における置換基ど同意義を有する。
上記R6で表される5ないし7員の置換されていてもよい複素環基としては、窒素,硫黄,酸素原子のうち1個または2個以上を含む5〜7員(好ましくは5〜6員)の単環状の置換されていてもよい複素環基(好ましくは、プロトン化しうる水素原子を有する含窒素複素環基)またはそれに変じ得る基が挙げられる。上記R6で表されるアニオン形成基又はアミノに変換し得る基としては、例えばカルボキシル、C1-4アルコキシカルボニル、シアノ、テトラゾリル、トリフルオロメタンスルホン酸アミド、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
上記Z環で表されるヘテロ原子が含まれていてもよい芳香族炭化水素残基または複素環基としては、フェニル等の芳香族炭化水素残基、ピリジル,ピリミジニル,ピリダジニル,ピラジニル,チエニル,フリル,ピロリル,イミダゾリル,ピラゾリル,イソチアゾリル,イソオキサゾリル,ベンゾフラニル,イソベンゾフラニル,インドリジニル,イソインドリル,3H−インドリル,インドリル,1H−インダゾリル,プリニル,4H−キノリジニル,イソキノリル,キノリル,フタラジニル,ナフチリジニル,キノキサリニル,キナゾリニル,シンノリニル,プテリジニルなどの窒素,硫黄,酸素原子のうち1個または2個以上を含む4〜7員の単環状あるいは縮合環状の複素環基(好ましくはフェニル)が挙げられる。
上記Vで表される介在基としては、例えばC1-4アルキレン、-(C=O)-、-O-、-S-、-NH-、-(C=O)-NH-、-O-CH2-、-S-CH2-、-CH=CH-等が挙げられる。
【0014】
上記R11で表されるアリール基、R12及びR14で表される置換さてれいてもよいアリール基におけるアリール基としては、例えば単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられる。好ましい具体例としては、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルなどのC6-14アリール基などが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
該置換の数は1個以上、好ましくは1〜3個である。該置換基としては、例えば炭素数1〜3のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピルなど)、炭素数2〜4のアルケニル基(例、ビニル基、アリル、2-ブテニルなど)、炭素数3〜4の低級アルキニル基(例、プロパルギル、2-ブチニルなど)、炭素数3〜7のシクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、アリール基(例、フェニル、ナフチルなど)、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし9員の芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジルなど)、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし9員の非芳香族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルなど)、炭素数7〜10個のアラルキル基(例、ベンジル、フェニルエチルなど)、アミノ基、N-モノ置換アミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノなど炭素数1〜6個のモノアルキルアミノ基など)、N,N-ジ置換アミノ基(例、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの炭素数1〜6個のアルキル基で置換されたN,N-ジ置換アミノ基など)、アミジノ基、アシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ブチリルなどの炭素数1〜8個のアルキルカルボニル基、例えばベンゾイルなどの炭素数6〜14個のアリールカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどの炭素数7〜8個のアラルキルカルボニル基など)、カルバモイル基、N-モノ置換カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイルなどの炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基など)、N,N-ジ置換カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイルなどの炭素数1〜6個のアルキル基で置換されたN,N-ジ置換カルバモイル基など)、スルファモイル基、N-モノ置換スルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、プロピルスルファモイル基などの炭素数1〜6個のアルキル基を有するN-アルキルスルファモイル基など)、N,N-ジ置換スルファモイル基(例えばジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイルなどの炭素数1〜6個のアルキル基で置換されたN,N-ジ置換スルファモイル基など)、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、ヒドロキシル基、置換基(例、炭素数1〜3の低級アルキル基、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキルチオ、水酸基など)を有していてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基(例、ビニルオキシ、アリルオキシなど)、シクロアルキルオキシ基(例えばシクロプロピルオキシ、シクロエチルオキシなどの炭素数3〜7個のアラルキルオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えばベンジルオキシなど炭素数7〜10個のアラルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)、メルカプト基、炭素数1〜3のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオなど)、アラルキルチオ基(例えばベンジルチオなどの炭素数7〜10個のアラルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオなど)、炭素数1〜3の低級アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、よう素)などが挙げられる。
【0015】
上記R12で表される置換されていてもよいアラルキル基におけるアラルキル基としては、例えばアリール−アルキル基が挙げられる。該アリールとしては、上記R12で表される置換されていてもよいアリール基におけるアリール基と同意義を有する。該アルキルとしては、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC1-6アルキル基が挙げられる。該置換基は、上記R12で表される置換されていてもよいアリール基における置換基と同意義を有する。
上記R11及びR12で表される置換基されていてもよいシクロアルキル基におけるシクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜10個のシクロアルキル基や炭素数3〜10個のビシクロアルキル基が挙げられる。それらの具体例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル、ビシクロ〔2,2,2〕オクチル、ビシクロ〔3,2,1〕オクチル、ビシクロ〔3,2,1〕ノニル、ビシクロ〔4,2,1〕ノニル、ビシクロ〔4,3,1〕デシルなどが挙げらる。なかでも、シクロペンチル、シクロヘキシルが好適である。
該シクロアルキル基の置換基は、前記のR12で表されアリール基における置換基と同意義を有する。
【0016】
上記R11で表される置換基されていてもよい複素環基における複素環基としては、例えば環系を構成する原子(環原子)として、酸素(O)、硫黄(S)、及び窒素(N)から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を有する5ないし13員環の芳香族複素環基、または飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)などが挙げられる。
芳香族複素環基の好適なものとして、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2-ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2-ベンゾイソチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α-カルボリニル、β-カルボリニル、γ-カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2-b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリミジニル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-a〕ピリジル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
非芳香族複素環基として好適には、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルなどが挙げられる。
また、該複素環基は適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、該置換基は前記のR12で表される置換されていてもよいアリール基における置換基と同意義を有する。
【0017】
上記Qにおける置換基を有していてもよいカルボキシル基における置換基としては、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基等が挙げられ、これらは前記と同意義を有する。
上記Qにおける低級アルキレンジオキシとしては、例えばC1-6アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ,エチレンジオキシ,プロピレンジオキシ,2,2−ジメチルメチレンジオキシ等)が挙げられる。
上記R11表される低級アルキルとしては、例えばC1-6アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチル,ペンチル,ヘキシル等)が挙げられる。
上記R13で表される置換されていてもよいアミノ基としては、例えば、−NR22'R23'(式中、R22'はそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基,シクロアルキル基,アリール基,複素環基を、R23'は水素、置換されていてもよいアルキル基を示す)で表される基が挙げられる。該置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよい複素環基は前記と同意義を有する。
上記Aで表される介在基としては、例えばC1-4アルキレン(例、メチレン,エチレン等)、C1-6アルケニレン(例、ビニレン,ブタジエニレン等)、−(CH2)cNR24−〔式中、cは0〜3の整数を、R24は水素またはC1-6アルキル(例、メチル,エチル,ブチル等)を示す〕で表される基、−CO−、−CONR22−(式中、R22は前記と同意義を有する)で表される基、−O−、−S−、−NR22S(O)e−(式中、eは0〜2の整数を示し、R22は前記と同意義を有する)で表される基などが挙げられる。
【0018】
上記置換されていてもよい、同素もしくは複素5ないし7員環基(W'環基)と同素または複素5ないし7員環基(Y'環基)との縮合二環化合物における、W'環基としては同素または複素5ないし6員環基が好ましく、複素5ないし6員環基が特に好ましい。W'環基の好ましい具体例としては、例えば式
【化21】
で表される環基が挙げられる。これらの中で式
【化22】
で表される環基が好ましい。さらに式
【化23】
で表される環基が特に好ましい。
該置換されていてもよいW'環の最も好ましい具体例としては、例えば一般式
【化24】
〔式中、R1及びR2は前記と同意義を有する〕で表される環基である。
上記置換されていてもよい、同素もしくは複素5ないし7員環基(W'環基)と同素または複素5ないし7員環基(Y'環基)との縮合二環化合物における、Y'環基としては複素ないし同素6員環基が好ましく、複素6員環基が特に好ましい。Y'環基の好ましい具体例としては、例えば式
【化25】
で表される環基が挙げられる。これらの中で式
【化26】
で表される環基が好ましい。さらに式
【化27】
で表される環基が特に好ましい。
該置換されていてもよいY'環の最も好ましい具体例としては、例えば一般式
【化28】
〔式中、R16は置換されていてもよい炭化水素残基を、R17は水素、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基を、oは1又は2の整数を示す〕で表される環基または一般式
【化29】
〔式中、R20及びR21はそれぞれ、水素、又は置換されていてもよい炭化水素残基を示す〕で表される環基である。
該縮合二環化合物が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン、炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基が挙げられ、これらは前記と同意義を有する。
【0019】
上記R16、R20及びR21で表される置換されていてもよい炭化水素残基における炭化水素残基としては、例えば前述のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル等が挙げられる。
該炭化水素残基が有していてもよい置換基としては、例えばニトロ、ヒドロキシル、オキソ、チオキソ、シアノ、カルバモイル、カルボキシル、C1-4アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル等)、スルホ、ハロゲン(フッ素,塩素,臭素,よう素)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,s−ブトキシ,t−ブトキシ等)、C6-12アリールオキシ(例、フェノキシ等)、ハロゲノC6-16アリール(例、o−,m−またはp−クロロフェノキシ,o−,m−またはp−ブロモフェノキシ等)、C1-6アルキルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,t−ブチルチオ等)、C6-12アリールチオ(例、フェニルチオ等)、C1-6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル,エチルスルフィニル等)、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル,エチルスルホニル等)、アミノ、C1-6アシルアミノ(例、ホルミルアミノ,アセチルアミノ,プロピオニルアミノ等)、モノ-またはジ-C1-4アルキルアミノ(例、メチルアミノ, エチルアミノ, n−プロピルアミノ,イソプロピルアミノ, n−ブチルアミノ, ジメチルアミノ,ジエチルアミノ等)、C1-6アシル(例、ホルミル,アセチル,ヘキサノイル等)、C6-12アリール-カルボニル(例、ベンゾイル等)、(a)ハロゲン(例、フッ素,臭素,塩素,よう素),(b)C1-4アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル等)及び(c)ハロゲノフェノキシ(例、o−,m−またはp−クロロフェノキシ,o−,m−またはp−ブロモフェノキシ等)などから選ばれた1ないし4個の置換基を有していてもよい例えば2−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−、4−または5−ピラゾリル,2−,4−または5−チアゾリル,3−,4−または5−イソチアゾリル,2−,4−または5−オキサゾリル,3−,4−または5−イソオキサゾリル,2−,4−または5−イミダゾリル,1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル,1Hまたは2H−テトラゾリル,2−、3−または4−ピリジル,2−、4−または5−ピリミジル,3−または4−ピリダニジル,キノリル,イソキノリル,インドリル等の炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員複素環基、及びC1-10ハロアルキル(例、ジフルオロメチル,トリフルオロメチル,トリフルオロエチル,トリクロロエチル等)などから選ばれた1ないし5個の置換基を有していてもよいほか、炭化水素基がシクロアルキル、シクロアルケニル、アリールまたはアラルキル基である場合はC1-6アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル等)などが挙げられる。置換の数は1ないし6、好ましくは1ないし3である。
R17で表される炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基は前記と同意義を有する。
【0020】
R1及びR2は、一方が一般式
R9−(CH2)m−
〔式中、R9は置換されていてもよい窒素原子を介する基を、mは0〜3の整数を示す〕で表される基で、他方が一般式
R10−A−
〔式中、R10は置換されていてもよいフェニル基を、Aは介在基を示す〕で表される基であることが好ましい。
上記R9で表される置換されていてもよい窒素原子を介する基は、前記と同意義を有する。
上記R10で表される置換されていてもよいフェニル基における置換基としては、例えばハロゲン(フッ素,塩素、臭素、よう素)、ハロゲン(フッ素,塩素、臭素、よう素)で1ないし3個置換されていてもよいC1-8アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル等)、ハロゲン(フッ素,塩素,臭素,よう素)で1ないし3個置換されていてもよいC1-8アルコキシ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ等)、ハロゲン(フッ素,塩素,臭素,よう素)で1ないし3個置換されていてもよいC1-8アルキルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオ,イソブチルチオ,sec−ブチルチオ,tert−ブチルチオ,ペンチルチオ,イソペンチルチオ,ネオペンチルチオ等)、C1-6アラルキルオキシ(例、ホルミルオキシ,アセトキシ,プロピオニルオキシ等)、ヒドロキシル、カルボキシル、C1-6アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,t-ブトキシカルボニル等)、シアノ、ニトロ、アミド、モノ−又はジ−C1-6アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,ジメチルカルバモイル等)などが挙げられる。置換の数は1ないし5、好ましくは1ないし3である。
上記Aで表される介在基としては、前記と同意義を有する。
【0021】
R3は一般式
【化30】
〔式中、R7は水素、ハロゲン、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基を、R8は水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、又は酸素,窒素もしくは硫黄原子を介する置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基を示す〕で表される基であることが好ましい。
上記R7で表される置換されていてもよい炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基は、前記と同意義を有する。
上記R8で表される酸素,窒素もしくは硫黄原子を介する置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基における、置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基としては、例えばC1-15アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,s−ブチル,t−ブチル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシル,ウンデシル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル,ペンタデシル等)、C3-8シクロアルキル(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル等)、C2-10アルケニル(例、ビニル,アリル,2−メチルアリル,2−ブテニル,3−ブテニル,3−オクテニル等)、C2-10アルキニル(例、エチニル,2−プロピニル,3−ヘキシニル等)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ等)が挙げられる。 該炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えばニトロ、ヒドロキシル、オキソ、チオキソ、シアノ、カルバモイル、カルボキシル、C1-4アルコシキ-カルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル等)、スルホ、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、よう素)、C1-4アルコキシ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,s−ブトキシ,t−ブトキシ等)、C1-4アルキルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,t−ブチルチオ等)、アミノ、C1-6アルカノイルアミノ(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ等)、モノ-またはジ-C1-4アルキルアミノ(例、メチルアミノ, エチルアミノ, n−プロピルアミノ,イソプロピルアミノ, n−ブチルアミノ, ジメチルアミノ,ジエチルアミノ等)、C1-4アルカノイル(例、ホルミル,アセチル,プロピオニル等)、(a)ハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素,よう素);(b)C1-4アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル等)等から選ばれた1ないし4個の置換基を有していてもよい例えば2−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−イミダゾリル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル、1Hまたは2H−テトラゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−ピリミジル、3−または4−ピリダニジル、キノリル、イソキノリル、インドリル等の炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員複素環基、C1-6ハロアルキル(例、ジフルオロメチル,トリフルオロメチル,トリフルオロエチル,トリクロロエチル等)などが挙げられる。置換の数は1ないし4、好ましくは1ないし3である。
【0022】
R11は、式−(CH2)pQ'〔式中、pは1〜3の整数を、Q'はハロゲン,ニトロ,シアノ,アミノ,置換されていてもよいカルボキシル基,低級アルキルレンジオキシまたは式−A−R15(式中、Aは化学結合もしくは介在基を、R15は低級アルキルを示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基を示す〕で表される基であることが好ましい。
Q'で表される置換されていてもよいカルボキシル基,低級アルキルレンジオキシまたは式−A−R15(式中、Aは化学結合もしくは介在基を、R15は低級アルキルを示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基は前記と同意義を有する。
Q'はハロゲン(例、フッ素,臭素,塩素等)で置換されていてもよいアリール基が好ましい。
R13は置換されていてもよいモノアラルキルアミノであることが好ましい。
該置換されていてもよいアラルキルは、前記と同意義を有する。該アラルキルはベンジルであることが好ましい。
R14は置換されていてもよいフェニルであることが好ましい。
該置換されていてもよいフェニルは前記を同意義を有する。
【0023】
置換されていてもよい、同素もしくは複素5ないし7員環基と同素または複素5ないし7員環基との縮合二環化合物は、一般式(V)
【化31】
〔式中、W環は置換されていてもよい同素または複素5ないし7員環基を、R16は置換されていてもよい炭化水素残基を、R17は水素、又は炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基を、oは1〜2の整数を示す〕で表される化合物及び一般式(VII)
【化32】
〔式中、Y環は置換されていてもよい複素5ないし7員環基を、R18及びR19は同一又は異なって置換されていてもよい炭化水素残基を示す〕で表される化合物が好ましい。
上記、W環で表される置換されていてもよい同素または複素5ないし7員環基、R16,R18及びR19で表される置換されていてもよい炭化水素残基、R17で表される炭素,窒素,酸素もしくは硫黄原子を介する基、Y環で表される置換されていてもよい複素5ないし7員環基はそれぞれ前記と同意義を有する。Y環は置換されていてもよい、4−ピリドン環基以外の複素5ないし7員環基が好ましい。
W環は、一般式(VI)
【化33】
〔式中、R1及びR2は前記と同意義を有する〕で表される基が好ましい。
Y環は、一般式(VIII)
【化34】
〔式中、R20及びR21はそれぞれ水素又は置換されていてもよい炭化水素残基を示す〕で表される基が好ましい。該置換されていてもよい炭化水素残基は、前記を同意義を有する。
【0024】
本発明の化合物(I),(II),(VII)及びそれらの塩は、 自体公知の方法により容易に製造できる。該方法の具体例として、例えば以下の製造方法1〜16が挙げられる。前記の置換されていてもよい、同素または複素5ないし7員環と同素または複素5ないし7員環との縮合二環化合物またはその塩も製造法1〜16もしくはこれらに準じた製造法で製造することができる。
〔製造方法1〕
活性なメチレン基を持つ適当なケトンあるいはアルデヒド(i)を、カール・ゲバルトらの方法〔K.Gewald, E.Schinke and H.Bφttcher, Chem. Ber., 99, 94-100 (1966)〕に従い、 シアノ酢酸エステル誘導体と硫黄と反応させ2−アミノチオフェン誘導体(ii)へと変換する。 即ち、ケトン(R1'≠H)の場合、酢酸と酢酸アンモニウムの存在下、シアノ酢酸エステル誘導体と適当な溶媒中、例えばトルエン中加熱還流して、一旦アルキリデンシアノ酢酸エステル誘導体とした後、硫黄と塩基の存在下、適当な溶媒中、例えばエタノール中加熱して2−アミノチオフェン誘導体(ii)を得る。また、アルデヒド(R1'=H)の場合、シアノ酢酸エステル誘導体、硫黄と塩基の存在下、適当な溶媒中、例えばジメチルホルムアミド中加熱して2−アミノチオフェン誘導体(ii)とする。得られる化合物(ii)を桑田らの方法〔ドイツ特許2,435,025号〕に従い、 エトキシメチレンマロン酸ジエチルと加熱下反応させ付加体(iii)を得、 これを反応に悪影響を及ぼさない溶媒中(例、エタノール,メタノール等のアルコール類など)、塩基(例、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属など)の存在下、約10〜70℃かくはんして、カルボン酸(iv)とした後、 得られるカルボン酸(iv)をポリリン酸エステル(PPE)中、加熱閉環させて、チエノ〔2,3−b〕ピリジン誘導体(v)を得る。該化合物(v)をハロゲン化アラルキル誘導体と塩基(例、ピリジン,トリエチルアミン等の有機塩基など)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして、式(Ia)で示される 4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エステル誘導体を得る。 次いで、 該化合物(Ia)を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、四塩化炭素,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)中、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル存在下、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)と約30〜100℃でかくはんして、化合物(Ib)を得た。さらに、該化合物(Ib)を塩基存在下、各種アミンと反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセタミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル、エタノール等のアルコール類)中、約10〜100℃でかくはんして、化合物(I''')を製造した。以上の製造方法1を〔数1〕に示す。
【数1】
〔式中、R1'は水素又はアルキル基を、R'はアルキル基を、Xは脱離基を、Xaはハロゲンを、R2,R4,R5,R7,R8,R9,m及びnは前記を同意義を有する〕
上記R1'及びR'で表されるアルキル基は前記と同意義を有する。
Xで表される脱離基としては、例えば求核剤〔例、陰電荷を帯びたヘテロ原子(例、酸素原子,硫黄原子,窒素原子など)を有する炭化水素残基など〕により、容易に置換反応を受け得る基が挙げられる。具体的には、例えばハロゲン原子(よう素,臭素,塩素等)、アルカノイルオキシ(例、アセトキシ等)、アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ等)、アルキル-アリールスルホニルオキシ(例、p-トルエンスルホニルオキシ等)などが挙げられる。
Xaで表されるハロゲンは、フッ素,臭素,塩素,よう素、好ましくは臭素である。
【0025】
〔製造方法2〕
カール・ゲバルトらの方法〔K.Gewald, Chem. Ber., 98, 3571-3577 (1965);K.Gewaldand E.Schinke, Chem. Ber., 99, 2712-2715 (1966)〕により合成できる5位無置換の2−アミノチオフェン誘導体(vi)を上記製造方法1と同様にして、桑田らの方法〔ドイツ特許2,435,025号〕に従い、 エトキシメチレンマロン酸ジエチルと加熱下反応させ付加体(vii)とした後、 これを反応に悪影響を及ぼさない溶媒中(例、エタノール,メタノール等のアルコール類など)中、適当な塩基(例、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属など)の存在下、約10〜60℃でかくはんして、カルボン酸(viii)を得る。得られた(viii)を各種親電子置換反応に付し、場合により適当な官能基変換を行い、R2で示される置換基を導入し、次いでポリリン酸エステル(PPE)中、加熱閉環させて、チエノ〔2,3−b〕ピリジン誘導体(ix)を得る。該化合物(ix)をハロゲン化アラルキル誘導体と塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして、式(Ia)で示される4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エステル誘導体を得る。 親電子置換反応としては、例えばニトロ化(発煙硝酸−濃硫酸、硝酸ナトリウム−濃硫酸)、アシル化(酸クロリド−塩化アルミニウム)、ホルミル化(オキシ塩化リン−ジメチルホルムアミドあるいはN−メチルホルムアニリド)、ブロム化(N−ブロモこはく酸イミド、臭素−ピリジン)などが挙げられる。以下、 該化合物(I')を上記製造方法1と同様にして、化合物(Ib)及び(I)を製造することができる。以上の製造方法2を〔数2〕に示す。
【数2】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕
【0026】
〔製造方法3〕
アラントニル酸誘導体(x)を、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等のエーテル類など)中、化合物(x)と当量又は過剰量のトリホスゲンを加え、約30〜110℃でかくはんし、イサト酸無水物誘導体(xi)とする。ついで式(xii)で表されるハロゲン化誘導体を、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシド類など)中、塩基(例、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、水素化ナトリム,水素化カリウム等の水素化アルカリ金属、カリウム−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドなど)の存在下、約40〜130℃でかくはんし、置換誘導体(xiii)とする。該誘導体(xiii)を、塩基(例、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、水素化ナトリム,水素化カリウム等の水素化アルカリ金属、カリウム−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドなど)の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシド類など)中、40〜110℃で、化合物(xiii)と当量又は小過剰(例、約1.1〜1.5当量)のβ−ケト酸エステル誘導体(xiv)と反応させることにより、化合物(Va)を製造することができる。以上の製造方法3を〔数3〕に示す。
【数3】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕
【0027】
〔製造方法4〕
ピリジン誘導体(xv)を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等のエーテル類など)中、化合物(xv)と当量又は過剰量のトリホスゲンを加え、約30〜110℃でかくはんし、酸無水物誘導体(xvi)とする。ついで式(xii)で表されるハロゲン化誘導体を、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシド類など)中、塩基(例、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、水素化ナトリム,水素化カリウム等の水素化アルカリ金属、カリウム−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドなど)の存在下、約40〜130℃でかくはんし、置換誘導体(xvii)とする。該誘導体(xvii)を、塩基(例、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、水素化ナトリム,水素化カリウム等の水素化アルカリ金属、カリウム−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドなど)の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシド類など)中、40〜110℃で、化合物(xvii)と当量又は小過剰(例、約1.1〜1.5当量)のβ−ケト酸エステル誘導体(xiv)と反応させることにより、化合物(Vb)を製造することができる。以上の製造方法4を〔数4〕に示す。
【数4】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕
【0028】
〔製造法5〕
4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エステル誘導体(va)を、反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類)中、適当な還元剤(例、水素化リチウムアルミニウム)を加え約0〜80℃でかくはんし、還元誘導体(vb)を得る。該化合物(vb)をハロゲン化アラルキル誘導体と塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして、式(Ic)で示される4,7−ジヒドロ−チエノ〔2,3−b〕ピリジン−4−オン誘導体を得る。該誘導体を適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)中適当な酸化剤(例えば、二酸化マンガン)と約10〜80℃でかくはんして、5位ホルミル誘導体を得る。得られた誘導体(Id)を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等のエーテル類)中、グリニヤール試薬と約0〜80℃でかくはんして、対応する2級アルコール誘導体(Ie)を得、適当な溶媒(例、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)中適当な酸化剤(例、二酸化マンガン等の金属酸化物)と約10〜80℃でかくはんして、5位カルボニル誘導体(If)を得る。以上の製造法5を〔数5〕に示す。
【数5】
〔式中、R25は炭化水素残基を示し、他の各記号は前記と同意義を有する〕
上記R25で表される炭化水素残基は、前記R4で表される炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基における炭化水素残基と同意義を有する。
【0029】
〔製造法6〕
4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エステル誘導体(Ia')を、あらかじめ反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジオキサン等のエーテル類)中、適当なアルミニウム試薬(例、トリメチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)など)とアミン類とから製造したアルミニウムアミド誘導体と約10〜100℃でかくはんして、4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸アミド誘導体(Ia'')とする。該誘導体を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなど)中、グリニヤール試薬と約−78〜80℃でかくはんして、対応するケトン誘導体(If)を得る。以上の製造法6を〔数6〕に示す。
【数6】
〔式中、R26はアルキル又はアリールを、R27及びR28はそれぞれ水素又は炭化水素残基を示し、他の各記号は前記と同意義を有する〕
上記R26で表されるアルキル及びアリールは前記と同意義を有する。
上記R27及びR28で表される炭化水素残基は、前記R4で表される炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基における炭化水素残基と同意義を有する。
【0030】
〔製造法7〕
4,7−ジヒドロ−5−ヒドロキシメチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−4−オン誘導体(Ia''')を、あらかじめ反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジオキサン等のエーテル類、ピリジン)中、適当なハロゲン化試薬(例、塩化チオニル、塩化メタンスルホニルなど)と約0〜100℃でかくはんして、4,7−ジヒドロチエノ〔2,3−b〕ピリジン−4−オン誘導体(Ig)とする。該誘導体を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、テトラヒドロフラン,エチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類)中、適当な求核試薬と約0〜100℃でかくはんして、対応する5位置換誘導体(Ih)を製造する。以上の製造法7を〔数7〕に示す。
【数7】
〔式中、X'は脱離基を、Zは酸素原子,硫黄原子又は炭化水素残基で置換されていてもよい窒素原子を示す示し、他の各記号は前記と同意義を有する〕
上記X'で表される脱離基としては、例えば求核剤〔例、上記-ZR27等で表される陰電荷を帯びたヘテロ原子(例、酸素原子,硫黄原子,窒素原子など)を有する炭化水素残基など〕により、容易に置換反応を受け得る基が挙げられる。具体的には、例えばハロゲン原子(よう素,臭素,塩素等)、アラルキルオキシ(例、アセトキシ等)、アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ等)、アルキル-アリールスルホニルオキシ(例、p-トルエンスルホニルオキシ等)などが挙げられる。
上記炭化水素残基で置換されていてもよい窒素原子における炭化水素残基としては、前記R4で表される炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基における炭化水素残基と同意義を有する。
【0031】
〔製造法8〕
4,7−ジヒドロ−5−ホルミルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−4−オン誘導体(Ih)を、あらかじめ反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジオキサン等のエーテル類、ピリジン)適当なウィッティヒ(Wittig)試薬と約0〜100℃でかくはんして、4,7−ジヒドロチエノ〔2,3−b〕ピリジン−4−オン誘導体(Ij)とする。該誘導体を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、エチルアルコール等のアルコール類、酢酸エチルエステル等のエステル類、テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジメチルホルムアミド等のエーテル類など)中、適当な還元試薬〔例、水素気流下、触媒(例、パラジウム炭素触媒)を用いる水素添加など〕と約10〜100℃でかくはんして、対応する5位置換誘導体(Ik)を得る。以上の製造法8を〔数8〕に示す。
【数8】
〔式中、R29及びR30はそれぞれ水素又は炭化水素残基を示し、他の各記号は前記と同意義を有する〕
上記R29及びR30で表される炭化水素残基としては、前記R4で表される炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基における炭化水素残基と同意義を有する。
【0032】
〔製造法9〕
4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エステル誘導体(Ia')を、あらかじめ反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類、エチルアルコール等のアルコール類など)中、酸(例、塩酸等の無機酸)あるいはアルカリ水溶液(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属の1〜4N水溶液など)を加えて、約10〜100℃にてかくはんし加水分解する。得られた5位カルボン酸誘導体(Im)を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、ジフェニルエーテル等のエーテル類、トルエン等の芳香族炭化水素類など)中、約50〜200℃で加熱して、対応する脱炭酸誘導体(In)を得る。以上の製造法9を〔数9〕に示す。
【数9】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕
【0033】
〔製造法10〕
2−アミノチオフェン誘導体(ii)から、例えば次のAまたはB法により尿素誘導体(II)を製造した。
1.A法:製造法1に記載の方法により製造される2−アミノチオフェン誘導体(ii)またはその塩とイソシアナート誘導体とを反応させる。該イソシアナート誘導体は、例えば式R12−NCO(式中、R12は前記と同意義を有する。)で表される誘導体が挙げられる。化合物(ii)およびそれらの塩とイソシアナート誘導体との反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジオキサン、ベンゼン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、キシレン)中、約15〜130℃で行われる。イソシアナート誘導体は、化合物(ii)1当量に対し、約1〜5当量、好ましくは約1.1〜2.5当量を用いる。反応時間は、数分から数日、好ましくは約15分〜約2日である。
2.B法:2−アミノチオフェン誘導体(ii)またはその塩とホスゲンあるいはその等価体〔例、ビス(トリクロロメチル)カーボネート等のジホスゲン、トリクロロメチルクロロフォルメート等のトリホスゲンなど〕と反応させて製造されるイソシアナート誘導体にアミン〔例、式R12−NH2(式中、R12は前記と同意義を有する。)で表される化合物など〕を付加する。化合物(ii)またはその塩とホスゲンあるいはその等価体との反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム)中、約40〜120℃で行われる。ホスゲンあるいはその等価体は、化合物(ii)1当量に対し、約0.5〜2当量、好ましくは約0.9〜1.1当量を用いる。反応時間は、数分から数日、好ましくは約15分〜約2日である。アミンの付加反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、キシレン)中、約15〜130℃で行われる。アミンは、化合物(ii)1当量に対し、約1〜5当量、好ましくは約1.1〜3当量を用いる。反応時間は、数分から数日、好ましくは約15分〜約2日である。
得られた化合物(xv)またはその塩を、塩基で処理することにより閉環反応を行い、チエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体(xvi)を得る。閉環反応は反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール等のアルコール類、ジオキサン,テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
塩基としては、例えばナトリウムメチラート,ナトリウムエチラート,ナトリウムイソプロポキシド等のアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属が用いられる。
使用する塩基の量は、化合物(xv)1当量に対し約1.1〜5当量、好ましくは約1.5〜3当量を用いる。
反応温度は、約10℃〜使用溶媒の沸騰点温度、好ましくは約25℃〜使用溶媒の沸騰点温度である。
反応時間は、数分から数日、好ましくは約10分〜2日である。
化合物(xvi)をハロゲン化アラルキル誘導体と塩基(例、ピリジン,トリエチルアミン等の有機塩基など)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして、2,4−ジオキソチエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体(IIa)を得る。 次いで、 該化合物(IIa)を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、四塩化炭素,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)中、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル存在下、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)と約30〜100℃でかくはんして、化合物(IIb)を得た。さらに、該化合物を塩基存在下、各種アミンと反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセタミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル、エタノール等のアルコール類)中、約10〜100℃でかくはんして、化合物(II)を製造した。必要ならば、該化合物は適当な酸(例、塩酸、しゅう酸)により塩にする。
以上の製造法10を〔数10〕に示す。
【数10】
〔式中、各記号は前記を同意義を有する〕
【0034】
〔製造法11〕
2−アミノチオフェン誘導体(xvii)のアミノ基を保護(例、Boc)し、T.ヒロハシらの方法[Ger.Pat.,2155403(1972)他]あるいはM.ナカニシらの方法[Jap.Pat.,73,01664(1973)他]に従いハロゲン化アシル誘導体と塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約0〜100℃でかくはんして、誘導体(xviii)を得、適当な溶媒(例、アセトン、メチルエチルケトン)中、適当な塩(例、よう化リチウム)と撹拌して誘導体(xix)とし、適当なアミン(例、アンモニア)を置換して誘導体(xx)とし、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、トルエン、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール等)中、必要ならば適当な触媒(例、ナトリウムエトキシド、トルエンスルホン酸、等)存在下約30〜120℃でかくはんして、脱水閉環反応により誘導体(VIIa)を得る。該化合物をハロゲン化アラルキル誘導体と塩基(例、炭酸カリウム、ピリジン,トリエチルアミン等の有機塩基など)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして、 2−オキソチエノ〔2,3−e〕アゼピン誘導体(VIIb)を得る。 次いで、該化合物(VIIb)を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、四塩化炭素,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)中、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル存在下、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)と約30〜100℃でかくはんして、化合物(VIIc)を得る。さらに、該化合物を塩基存在下、各種アミンと反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセタミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル、エタノール等のアルコール類)中、約10〜100℃でかくはんして、化合物(VIId)を製造する。必要ならば、該化合物は適当な酸(例、塩酸、しゅう酸)により塩にする。以上の製造方法2を〔数11〕に示す。
【数11】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕
【0035】
〔製造法12〕
製造法1に記載の方法により製造される2−アミノチオフェン誘導体(ii)のアミノ基を保護(例、Boc)し、ハロゲン化アラルキル誘導体と塩基(例、炭酸カリウム、ピリジン,トリエチルアミン等の有機塩基など)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして誘導体(xxi)を得、適当な溶媒(例、メタノール、テトラヒドロフラン)中、適当なアルカリ(例、水酸化ナトリウム等)でアルカリ加水分解後、得られた誘導体を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド、エタノール)中、DPPAと約0〜100℃でかくはんし、適当なアルコール(例、エタノール)でカルバミン酸エステル誘導体(xxii)とする。該誘導体を塩基(例、ナトリウムエトキシド)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等)中、約0〜100℃でかくはんして、チエノ〔2,3−d〕イミダゾール−2−オン誘導体(VIIe)を得る。該化合物を、ハロゲン化アルキル誘導体と塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約0〜100℃でかくはんして、化合物(VIIf)を得る。次いで、 該化合物(VIIf)を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、四塩化炭素,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)中、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル存在下、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)と約30〜100℃でかくはんして、化合物(VIIg)を得る。さらに、該化合物を塩基存在下、各種アミンと反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセタミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル、エタノール等のアルコール類)中、約10〜100℃でかくはんして、化合物(VIIh)を製造する。必要ならば、該化合物は適当な酸(例、塩酸、しゅう酸)により塩にする。以上の製造法12を〔数12〕に示す。
【数12】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕
【0036】
〔製造法13〕
製造法1に記載の方法により製造される2−アミノチオフェン誘導体(ii)またはその塩から、J.M.ベーカーらの方法[J.M.Barker, J.Chem.Res.(M), 1980, 113; J.M.Barker, J. Chem. Res.(s), 6(1980)]により4,5−ジヒドロ−7−ヒドロキシ−5−オキソチエノ〔3,2−b〕ピリジン−6−カルボン酸エチル誘導体(VIIj)を製造する。すなわち、2−アミノチオフェン誘導体(ii)またはその塩をマロン酸エステルと反応させ、化合物(xxiii)とし、適当な塩基(例、水素化ナトリウム)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして製造する。該誘導体(VIIj)を、ハロゲン化アラルキル誘導体と塩基(例、炭酸カリウム、ピリジン,トリエチルアミン等の有機塩基など)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして誘導体(VIIk)を得、 該誘導体を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、四塩化炭素,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)中、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル存在下、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)と約30〜100℃でかくはんして、化合物(VIIm)を得る。さらに、該化合物を塩基存在下、各種アミンと反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセタミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル、エタノール等のアルコール類)中、約10〜100℃でかくはんして、化合物(VIIn)を製造する。必要ならば、該化合物は適当な酸(例、塩酸、しゅう酸)により塩にする。以上の製造法13を〔数13〕に示す。
【数13】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕
【0037】
〔製造法14〕
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エステル誘導体(Va')を、あらかじめ反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジオキサン等のエーテル類)中、適当なアルミニウム試薬(例、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)など)とアミン類とから製造するアルミニウムアミド誘導体と約10〜100℃でかくはんして、1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸アミド誘導体(Va'')とする。該誘導体を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなど)中、グリニヤール試薬と約0〜80℃でかくはんして、対応するケトン誘導体(Vc)を得る。以上の製造法14を〔数14〕に示す。
【数14】
〔式中、R26はアルキル又はアリールを、R27及びR28はそれぞれ水素又は炭化水素残基を示し、他の各記号は前記と同意義を有する〕
上記R26で表されるアルキル及びアリールは前記と同意義を有する。
上記R27及びR28で表される炭化水素残基は、前記R’で表される炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基における炭化水素残基と同意義を有する。
【0038】
〔製造法15〕
1,4−ジヒドロ−4−オキソピリド[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸エステル誘導体(Vd)を、あらかじめ反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジオキサン等のエーテル類)中、適当なアルミニウム試薬(例、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)など)とアミン類とから製造するアルミニウムアミド誘導体と約10〜100℃でかくはんして、1,4−ジヒドロ−4−オキソピリド[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド誘導体(Vd')とする。該誘導体を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなど)中、グリニヤール試薬と約0〜80℃でかくはんして、対応するケトン誘導体(Ve)を得る。以上の製造法15を〔数15〕に示す。
【数15】
〔式中、R26はアルキル又はアリールを、R27及びR28はそれぞれ水素又は炭化水素残基を示し、他の各記号は前記と同意義を有する〕
上記R26で表されるアルキル及びアリールは前記と同意義を有する。
上記R27及びR28で表される炭化水素残基は、前記R’で表される炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基における炭化水素残基と同意義を有する。
【0039】
〔製造法16〕
4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン誘導体(Ip)を、あらかじめ反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類、エチルアルコール等のアルコール類など)に溶解させ、等量から過剰(2〜10等量)の適当な塩基(例、炭酸ナトリウム)存在下適当なアリールほう酸誘導体(例えば、フェニルほう酸、3−メトキシフェニルほう酸、4−エトキシカルボニルフェニルほう酸など)を加え、不活性ガス(例えば、アルゴンガス)気流下、適当な触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム金属など)を加えて、約10〜100℃にて数分から数時間かくはんする。不溶物を除けば目的とする誘導体(Iq)を得る。以上の製造法16を〔数16〕に示す。
【数16】
〔式中、R30は置換されていてもよいアリール基を示し、他の各記号は前記と同意義を有する〕
【0040】
このようにして得られる本発明の化合物の塩としては、生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば無機酸(例、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、あるいは有機酸(例、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩などが用いられる。さらに本発明の化合物(I)が−COOHなどの酸性基を有している場合、例えば化合物(I),(II),(V)または(VII)は、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属、アンモニアなど)又は有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなど)と塩を形成してもよい。
【0041】
このようにして得られる本発明の化合物の塩としては、生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば無機酸(例、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、あるいは有機酸(例、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩などが用いられる。さらに本発明の化合物が−COOHなどの酸性基を有している場合、本発明の化合物は、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属、アンモニアなど)又は有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなど)と塩を形成してもよい。
【0042】
本発明の化合物又はその塩の特に好適な例として、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−アセチルアミノフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、2,4(1H,3H)−ジオキソ−5−ベンジルメチルアミノメチル−1−(2−クロロ−6−フルオロ)−6−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−イソプロピル)カルボキサミド、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−イソプロピル−N−メチル)カルボキサミド、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−ベンジル−N−メチル)カルボキサミド、5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)チエノ〔2,3−b〕ピリジン、5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−2−(4−エタンスルホンアミドフェニル)−4−オキソ−チエノ〔2,3−b〕ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4−オキソ−チエノ〔2,3−b〕ピリジン、5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−(4−N−プロピルアミノカルボキシフェニル)チエノ〔2,3−b〕ピリジン又はそれらの塩を挙げることができる。
【0043】
かくして得られる本発明の化合物又はその塩は、例えば再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により単離、精製することができる。かくして本発明の縮合二環化合物〔例、化合物(I),(II),(V)又は(VII)等〕が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体又は、他の塩に変換することができる。
本発明の化合物又はその塩が光学活性体である場合は、通常の光学分割手段によりd体、l体に分離することができる。
【0044】
本発明の化合物は、GnRH拮抗作用を有し、毒性は低いので、温血哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)において、GnRH受容体拮抗作用により性腺刺激ホルモンの分泌を抑制し、血中の性ホルモン濃度を制御することによって、雄性ホルモンまたは雌性ホルモン依存性の疾病の治療およびこれらホルモンの過剰に起因する疾病の治療に安全に用い得る。すなわち、本発明の化合物は、性ホルモン依存性ガン(例、前立腺ガン,子宮ガン,乳ガン,下垂体腫瘍等)、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、多房性卵巣症候群、ニキビなどの治療に有用である。また、本発明の化合物は雄性および雌性における生殖の調節(例、妊娠調節剤,月経周期調節剤等)にも有用である。本発明の化合物は、さらに男性もしくは女性の避妊薬として、また女性の排卵誘発剤として使用することができる。本発明の化合物は、その休薬後のリバウンド効果を利用して、不妊症の治療に使用することができる。さらに、本発明の化合物は畜産分野において動物の発情の調節、食肉用の肉質の改善や動物の成長促進にも有用である。本発明の化合物は、また魚類の産卵促進剤としても有用である。本発明の化合物は単独でも使用し得るが、ステロイド性もしくは非ステロイド性の抗アンドロゲン剤または抗エストロゲン剤と併用することも有効である。また、本発明の化合物は酢酸リュープロレリンなどの超作動薬の投与時に認められる、一過性の血中テストステロン濃度の上昇(フレアー現象)を抑制するために用いることができる。また本発明の化合物を癌の化学療法剤と併用してもよい。該併用の好ましい具体例としては、例えば前立腺癌に対しては、イホスファミド(Ifosfamide)、UTF、アドリアマイシン(Adriamycin)、ペプロマイシン(Peplomycin)、シスプラチン(Cisplatin)などの化学療法剤と本発明の化合物とを併用することができる。また、乳癌に対しては、シクロフォスファミド(Cyclophospamide)、5−FU、UFT、メトレキセート(Methotrexate)、アドリアマイシン(Adriamycin)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、マイトキサントロン(Mitoxantrone)などの化学療法剤と本発明の化合物とを併用することができる。
本発明の化合物を上記の疾病に対して予防・治療薬として又は畜産もしくは水産分野で使用する場合は、自体公知の方法に従い、経口投与もしくは非経口投与のいずれも可能であり、薬学的に許容される担体と混合し、通常、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤など固形製剤として経口投与されるか、静脈内、皮下、筋肉内などに注射剤、坐薬若しくは舌下錠などとして非経口投与される。また、舌下錠、マイクロカプセル等の徐放製剤として、舌下,皮下および筋肉内などに投与してもよい。一日投与量は、症状の程度;投与対象の年齢、性別、体重、感受性差;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、通常、温血哺乳動物1kg体重あたり約0.01〜10mg、好ましくは約0.02〜2mgであり、更に好ましくは0.1〜1mgであり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。畜産もしくは水産分野で使用する場合の投与量も上記に準ずるが、投与対象生物1kg体重あたり約0.001〜5mg、好ましくは薬0.002〜2mgを、通常一日1〜3回に分けて投与する。
【0045】
上記薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化 剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘 味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
上記賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。上記滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。上記結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ チルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。上記崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。上記溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。上記溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。上記等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。上記緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。上記防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。上記抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0046】
本発明の化合物に、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等脹化剤、保存剤などを添加し、自体公知の方法により静脈、皮下、筋肉内注射剤とする。その際必要により自体公知の方法により凍結乾燥物とすることも可能である。 本発明の化合物またはその塩を例えばヒトに投与する場合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物として経口的または非経口的に安全に投与することができる。
上記医薬組成物としては、経口剤(例、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤)、注射剤、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)などが挙げられる。
これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
本発明の化合物またはその塩は分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HOC 60(日光ケミカルズ製)ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどに溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。
【0047】
経口投与製剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明に化合物(I)またはその塩をたとえば賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール 6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。そのコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン 80、ブルロニック F 68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)および色素(例、ベンガラ,二酸化チタン等)などが用いられる。腸溶性製剤とする場合、腸溶相と薬剤含有相との間に両相の分離を目的として、自体公知の方法により中間相を設けることが好ましい。
【0048】
外用剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明の化合物またはその塩を固状、半固状または液状の外用投与剤とすることができる。たとえば、上記固状のものとしては、本発明の化合物またはその塩をそのまま、あるいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを添加、混合して粉状の組成物とする。上記液状のものとしては、注射剤の場合とほとんど同様で、油性あるいは水性懸濁剤とする。半固状の場合は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これらはいずれも、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを加えてもよい。
たとえば坐剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明の化合物またはその塩を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記組成物に用いる油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下に参考例、実施例、試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
1H-NMRスペクトルは内部基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンGEMINI 200(200MHz)型スペクトルメーター、日本電子(JEOL)LAMBDA300(300MHz)型スペクトルメーターあるいはブルッカ AM 500(500MHz)型スペクトルメーターで測定し、全δ値をppmで示した。
また、本明細書中で用いる記号は次のような意味を有する。
s:シングレット,d:ダブレット,t:トリプレット,dt:ダブルトリプレット,m:マルチプレット,br:幅広い
参考例1
2−アミノ−5−フェニルチオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
シアノ酢酸エチル(6.1g,50mmol)、硫黄(1.61g,50mmol)、トリエチルアミン(3.5ml,25mmol)、ジメチルホルムアミド(10ml)の混合物に、45℃でかくはんしながら、 フェニルアセトアルデヒド(50%ジエチルフタレート溶液; 12.05g,50mmol)を20分間で滴下した。45℃で9時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、 エーテル-へキサンから結晶化させて微黄色板状晶(5.55g,45%)を得た。
mp 124.5-125.5℃ (文献値; 123-124℃).
元素分析値 C13H13NO2Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.37 (3H, t, J=7.1Hz), 4.30 (2H, d, J=7.1Hz),
5.97 (2H, br), 7.17-7.46 (6H, m).
IR (KBr): 3448, 3320, 1667, 1590, 1549 cm-1.
【0050】
参考例2
2−アミノ−4−メチル−5−(4−メトキシフェニル)チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
4-メトキシフェニルアセトン(16.5g,0.10mol)、 シアノ酢酸エチル(12.2g,0.10mol)、酢酸アンモニウム(1.55g,20mmol)、 酢酸(4.6ml,80mmol)およびベンゼン(20ml)の混合物を、 ディーンスターク装置で生成する水を除きながら、 24時間加熱還流した。 冷後、 反応液を減圧下濃縮し、 残さをジクロルメタンと重曹水で分配した。 有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残さのエタノール(30ml)溶液に、 硫黄(3.21g,0.10mol)とジエチルアミン(10.4ml,0.10mol)を加え、50~60℃で2時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルで抽出した。 抽出液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、 エーテル-へキサンから結晶化させて、 淡黄色板状晶(11.5g,40%)を得た。
mp 79-80℃.
元素分析値 C15H17NO3Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.37 (3H, t, J=7.1Hz), 2.28(3H, s), 3.83 (3H, s), 4.31 (2H, q, J=7.1Hz), 6.05 (2H, brs), 6.91 (2H, d, J=8.8Hz), 7.27 (2H, d, J=8.8Hz).
IR (KBr): 3426, 3328, 1651, 1586, 1550, 1505, 1485 cm-1.FAB-MS m/z: 291 (M+).
【0051】
参考例3
参考例2に記載した方法と同様にして、4-メトキシフェニルアセトンの代わりに種々のアセトン誘導体を用い〔表1〕に示す化合物を製造した。
【表1】
【0052】
参考例4
{3−エトキシカルボニル−5−(4−メトキシフェニル)−4−メチルチオフェン−2−イル}アミノメチレンマロン酸ジエチルエステル
参考例2で得られた化合物(10g,34.3mmol)にエトキシメチレンマロン酸ジエチルエステル(7.45g,34.5mmol)を加え、 120℃で2時間かくはんした。 冷後、 反応液から析出した結晶にエーテルを加えてろ取し、 再度エーテルで洗い、 五酸化リン上で減圧下に乾燥し黄色結晶(14.2g,90%)を得た。
mp 122-123℃.
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.32 (3H, t, J=7.1Hz), 1.38 (3H, t, J=7.2Hz), 1.41 (3H, t, J=7.2Hz), 2.34 (3H, s), 3.85 (3H, s), 4.25 (2H, q, J=7.1Hz), 4.38 (2H, q, J=7.2Hz), 4.45 (2H, q, J=7.2Hz), 6.95 (2H, d, J=8.8Hz), 7.31 (2H, d, J=8.8Hz), 8.22 (1H, d, J=13.4Hz), 12.74 (1H, d, J=13.1Hz).IR (KBr): 2984, 1720, 1707, 1688, 1653, 1599, 1518, 1499 cm-1.
【0053】
参考例5
参考例3で得られた化合物あるいは市販の各種チオフェン化合物を原料として、 参考例4に記載した方法と同様の方法で、〔表2〕に示す化合物を製造した。
【表2】
【0054】
参考例6
{3−カルボキシ−5−(4−メトキシフェニル)−4−メチルチオフェン−2−イル}アミノメチレンマロン酸ジエチルエステル
参考例4で得られた化合物(7.0g,15.2mmol)のジオキサン(20ml)溶液に、 60-70℃に加熱かくはん下、 水酸化カリウム(5.0g,75.7mmol)のエタノール(30ml)溶液を加えた。 同温で1時間かくはんした後、 室温で1時間放置した。反応液に氷冷下、 2N塩酸(40ml,80mmol)を加え、 反応液を減圧下濃縮した。 黄色析出物をろ取し、冷却した水−エタノールで洗浄し、五酸化リン上で減圧下に乾燥し黄色粉末(6.1g,93%)を得た。
mp 184-187℃.
1H-NMR (200MHz, DMSO-d6) δ: 1.24 (3H, t, J=7.1Hz), 1.28 (3H, t, J=7.2Hz), 2.30 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.15 (2H, q, J=7.1Hz), 4.24 (2H, q, J=7.2Hz), 7.03 (2H, d, J=8.7Hz), 7.37 (2H, d, J=8.7Hz), 8.08 (1H, d, J=13.6Hz), 12.41 (1H, d, J=13.6Hz).
IR (KBr): 3422, 2980, 1719, 1653, 1607, 1551, 1512 cm-1.
【0055】
参考例7
参考例5で得られた化合物を原料として、 参考例6に記載した方法と同様の方法で、〔表3〕に示す化合物を製造した。
【表3】
【0056】
参考例8
4−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
120℃に加熱かくはん下、 ポリリン酸エステル(PPE)(90ml)に参考例6で得られた化合物(6.0g,13.8mmol)を少量ずつ加えた。 同温で30分間かくはん後、 反応液を氷水にあけ、 酢酸エチルで抽出した。 抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色粉末(3.65g,77%)を得た。 元素分析用のサンプルとして、 得られた粉末をエタノールから再結晶して黄色結晶を得た。
mp 162-163℃.
元素分析値 C18H17NO4Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.47 (3H, t, J=7.1Hz), 2.63 (3H, s), 4.87 (3H, s), 4.49 (2H, q, J=7.1Hz), 6.99 (2H, d, J=8.8Hz), 7.44 (2H, d, J=8.8Hz), 8.84 (1H,s), 12.11 (1H, s).
IR (KBr): 3434, 2992, 1692, 1601, 1582, 1535, 1504 cm-1.FAB-MS m/z: 344 (MH+).
【0057】
参考例9
参考例7で得られた化合物を原料として、 参考例8に記載した方法と同様の方法で、〔表4〕に示す化合物を製造した。
【表4】
【0058】
参考例10
4−ヒドロキシ−2−(4−ニトロフェニル)−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
参考例9で得られた化合物1(3.76g,12.0mmol)の濃硫酸溶液(10ml)に、氷冷下硝酸ナトリウム(1.27g, 15.0mmol)の濃硫酸溶液(5ml)を滴下した。同温度で30分間撹拌した後、反応液を氷水にあけクロロホルムで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色粉末を得、エタノールから再結晶して黄色結晶(1.75g, 41%)を得た。
mp 260-261℃.
元素分析値 C17H14N2O5Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.49 (3H, t, J=7.1Hz), 2.70 (3H, s), 4.51 (2H, q, J=7.1Hz), 7.70 (2H, d, J=8.8Hz), 8.34 (2H, d, J=8.8Hz), 8.89 (1H,s), 12.27 (1H, s).
IR (KBr): 3002, 1692, 1605, 1514, 1350, 1290 cm-1.FAB-MS m/z: 358 (MH+).
【0059】
参考例11
4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン
水素化リチウムアルミニウム(0.0326g, 0.87mmol)の無水テトラヒドロフラン懸濁液(6ml)に、参考例8で得られた化合物(0.20g,0.58mmol)の同溶液(3ml)を室温(15〜35℃、以下同様)下滴下した。滴下後室温で30分間撹拌した後、ロシェル塩水溶液を加え析出した沈殿を濾過した。このさい必要ならば反応を完結するために加熱還流した。残渣をエチルアルコール及びクロロホルムで洗い、濾液と合わせ減圧下濃縮した。得られた残さを酢酸エチルと食塩水とに分配し、有機層を乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去して白色結晶(0.13g, 74%)を得た。
mp >300℃.
1H-NMR (200MHz, DMSO-d6) δ: 2.55 (3H, s), 3.81(3H, s), 4.41 (2H, s), 7.03 (2H, d, J=8.8Hz), 7.40 (2H, d, J=8.8Hz), 7.75 (1H,s).
IR (KBr): 3210, 2930, 1613, 1506, 1255 cm-1.
FAB-MS m/z: 302 (MH+).
【0060】
参考例12
2−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
参考例7で得られた化合物3(5.0g, 15.3mmol)と無水塩化アルミニウム(8.6g, 64.5mmol)のニトロメタン(100ml)の混合物に、氷冷窒素気流下、塩化ベンゾイル(3.6ml, 31.0mmol)を徐々に滴下した。室温で1時間ついで50℃で14時間撹拌した後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた茶褐色粉末の残さ(7.58g)を、120℃に加熱撹拌下ポリリン酸エステル(PPE)(100ml)に少量ずつ加えた。同温度で1時間半撹拌後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色粉末(0.82g,16%)を得た。 元素分析用のサンプルとして、 得られた粉末をクロロホルム−メタノールから再結晶して黄色結晶を得た。
mp 241-243℃.
元素分析値 C18H15NO4S・0.25H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3-CD3OD) δ: 1.49 (3H, t, J=7.1Hz), 2.71 (3H, s), 4.53 (2H, q, J=7.1Hz), 7.49-7.70(3H, m), 8.96 (1H,s).
IR (KBr): 3004, 1692, 1638, 1603, 1582, 1537, 1431 cm-1.
【0061】
参考例13
2−フェニルアセチル−4−ヒドロキシ−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
参考例7で得られた化合物3(10.0g, 30.55mmol)を原料に塩化ベンゾイルの代わりに塩化フェニルアセチルを用い参考例12に記載した方法と同様にして、上記化合物(1.47g, 14%)を合成した。
mp 208-214℃.
元素分析値 C19H17NO4S・0.1EtOAcとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3-CD3OD) δ: 1.47 (3H, t, J=7.1Hz), 2.99 (3H, s), 4.20 (2H, s), 4.49(2H, q, J=7.1Hz), 7.26-7.41(5H, m), 8.96 (1H,s), 12.50(1H, s).
IR (KBr): 3424, 2986, 1694, 1601, 1580. 1535, 1495,1439 cm-1.
【0062】
参考例14
2−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
参考例7で得られた化合物3(17.8g, 54.4mmol)とピリジン(22ml, 0.272mmol)のクロロホルム(120ml)溶液に、臭素(3.4ml, 66.0mmol)のクロロホルム(30ml)溶液を徐々に滴下した。室温で40分間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣に希塩酸を加えて析出した結晶をろ取し、水と少量の冷エーテルで洗浄後、五酸化リン上で減圧下乾燥させて、茶褐色粉末(20g)を得た。この粉末を、120℃に加熱撹拌下ポリリン酸エステル(PPE)(100ml)に少量ずつ加えた。同温度で1時間半撹拌後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色粉末(9.93g,58%)を得た。
元素分析用のサンプルとして、 得られた粉末をクロロホルム−メタノールから再結晶して無色針状晶を得た。
mp 214-216℃.
元素分析値 C11H10NO3SBrとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3-CD3OD) δ: 1.47 (3H, t, J=7.1Hz), 2.60 (3H, s), 4.50 (2H, q, J=7.1Hz), 8.82 (1H,s).
IR (KBr): 2990, 1694, 1605, 1578, 1533 cm-1.
【0063】
参考例15
2−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−メチルチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(参考例14化合物の別途製造法)
参考例9で得られた化合物3(0.24g,1.01mmol)とN−ブロモこはく酸イミド(0.198g, 1.11mmol)とクロロホルム(10ml)の混合物を3時間加熱還流した。冷後、反応液を食塩水にあけクロロホルムで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色粉末を得、クロロホルム−メタノールから再結晶して無色針状晶(0.29g, 91%)を得た。
mp 214-216℃.
【0064】
参考例16
7−ベンゾイル−4,7−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル参考例8で得られた化合物(5g,14.6mmol)のピリジン(100ml)溶液に 、氷冷下、ベンゾイルクロリド(1.78ml,15.3mmol)を加えた。室温で2時間半かくはんした後 、エタノール(1ml)を加え、反応液を減圧下濃縮した。残さをジクロロメタンと飽和食塩水で分配し、水層をジクロロメタンで抽出した後、有機層を合わせて水洗し乾燥(MgSO4)した。溶媒を留去後、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、得られた残さをエタノールから結晶化して、白色結晶(6.41g,98%)を得た。
mp 110-112℃.
元素分析値 C25H21NO5Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.14(3H,t,J=7.7Hz),2.42(3H,s),3.85(3H,s),4.26(2H,q,J=7.2Hz), 6.98 (2H,d,J=6.7Hz), 7.40 (2H,d,J=8.9Hz), 7.57 (2H,t,J=7.6Hz), 7.70 (1H,t,J=5.9Hz), 8.27 (2H,d,J=7.0Hz), 9.14 (1H,s).
IR (KBr): 2972,1717,1607,1580,1522,1502 cm-1.
【0065】
参考例17
7−ベンゾイル−3−ブロモメチル−4,7−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
参考例16で得られた化合物(6.39g,14.3mmol)、N-ブロモこはく酸イミド(2.67g,15mmol)、α,α'-アゾビスイソブチロニトリル(0.47g,2.86mmol)および四塩化炭素(100ml)の混合物を1時間加熱還流した。冷後、不溶物をろ去し、ろ液をクロロホルムで希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下留去した。得られた残さを酢酸エチルから結晶化し、無色針状晶(7.02g,93%)を得た。
mp 124-126°C
元素分析値 C25H20NO5SBr
1H-NMR(200MHz,CDCl3) δ: 1.14 (3H,t,J=7.2Hz), 3.88 (3H,s), 4.26 (2H,q、J=7.2Hz), 4.68 (2H,s), 7.04 (2H,d,J=8.8Hz), 7.53-7.75 (5H,m), 8.35 (2H,d,J=7.0Hz), 9.20 (1H,s)
IR(KBr): 2984,1717,1605,1502cm-1.
【0066】
参考例18
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)−チエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
参考例17で得られた化合物(6.73g,12.8mmol)、N-エチルジイソロピルアミン(2.30ml,13.4mmol)、N-ベンジルメチルアミン(1.73ml,13.4mmol)およびジメチルホルムアミド(100ml)の混合物を室温で40分かくはんした。溶媒を減圧下留去した後、ジクロロメタンと飽和食塩水で分配し、有機層を水洗後、乾燥(MgSO4)した。減圧下溶媒を留去した後、残さをジクロロメタン(100ml)とエタノール(50ml)に溶解し、氷冷下、ナトリウムエチラート(0.88g,13mmol)のエタノール(50ml)溶液を加え、室温で4時間かくはんした。反応液を酢酸で中和した後、溶媒を減圧下留去し、ジクロロメタンと水で分配した。有機層を水洗し、乾燥(MgSO4)後、減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた残さをエタノールから結晶化し、無色針状晶(4.32g,73%)を得た。
mp 175-177℃.
元素分析値 C26H26N2O4Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.45 (3H,t,J=7.2Hz), 2.35(3H,s), 3.75(2H,brs), 3.89 (3H,s), 3.92 (2H,s), 4.44 (2H,q,J=7.2Hz), 7.01 (2H,d,J=6.7Hz), 7.21-7.37 (7H,m), 8.87 (1H,s).
IR(KBr): 3424, 3000, 1686, 1607, 1504 cm-1
【0067】
参考例19
2−アミノ−4−メチル−5−(4−ニトロフェニル)チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
参考例1に記載した方法と同様にして、 4-メトキシフェニルアセトンの代わりに4-ニトロフェニルアセトン(35.0g,195mmol)を用い、シアノ酢酸エチル(23.8g,195mmol)、酢酸アンモニウム(3.1g,40mmol)、酢酸(9.1ml,159mmol)、硫黄(5.0g,160mmol)およびジエチルアミン(16.0ml,160mmol)から、無色結晶(22.2g,52%)を得た。
mp 168-170℃ (エーテル-ヘキサンより再結晶).
元素分析値 C14H14N2O4Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.39 (3H, t, J=7.1Hz), 2.40 (3H, s), 4.34 (2H, q, J=7.1Hz), 6.27 (2H, brs), 7.48(2H, d, J=8.7Hz), 8.23(2H, d, J=8.7Hz).
IR (KBr): 3446, 3324, 1667, 1580, 1545, 1506, 1491, 1475, 1410, 1332 cm- 1.
【0068】
参考例20
2,4(1H,3H)−ジオキソ−5−メチル−6−(4−メトキシフェニル)−チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステル
参考例1で得られた化合物(5.00g,17.20mmol)のピリジン(5ml)溶液に、イソシアナト酢酸エチルエステル(2.90ml,25.80mmol)を加え、45℃で6時間撹拌後、減圧濃縮して得られた残渣をエタノール(6ml)溶液とした。この溶液にナトリウムエトキシド〔エタノール(30ml),ナトリウム(0.79g,34.30mmol)から調製〕を加え、反応液を室温で2時間撹拌した後、2N塩酸 18ml,36mmol)を加えエタノール溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を濾過して水-エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥後エタノールから再結晶して白色針状晶(5.70g,89%)を得た。
mp 164-165℃
元素分析値 C18H18N205S
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.30 (3H, t, J=7.2Hz), 2.45 (3H,s), 3.85 (3H,s), 4.26 (2H, q, J=7.2Hz), 4.78 (2H,s), 6.95 (2H, d, J=8.8Hz), 7.31 (2H,d, J=8.8Hz), 10.58 (1H, s).
IR (KBr): 2914, 1742, 1713, 1655, 1605, 1568, 1528, 1499 cm-1.
【0069】
参考例21
参考例2、3、19で得られた化合物を原料として参考例20に記載した方法に従い、〔表5〕に列挙した化合物を調製した。
【表5】
【0070】
参考例22
2,4(1H,3H)−ジオキソ−6−(4−ニトロフェニル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステル
参考例21で得られた化合物1(2.20g,6.39mmol)に濃硫酸(12ml)を加え、氷冷下硝酸ナトリウム(550mg,6.47mmol)の濃硫酸溶液を滴下した。滴下終了後も氷冷下1時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、酢エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色固体(1.30g,52%)を得た。得られた固体を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して黄色結晶を得た。
mp 277-280℃
元素分析値 C17H15N3O6S・0.4H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.33 (3H, t, J=7.2Hz), 2.56 (3H,s), 4.28 (2H, q, J=7.2Hz), 4.79 (2H,s), 7.57 (2H, d, J=8.8Hz), 8.30 (2H, d, J=8.8Hz), 10.30 (1H, s).
IR (KBr): 1748, 1719, 1663, 1522, 1460 cm-1.
【0071】
参考例23
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−ニトロフェニル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステル
参考例22で得られた化合物(700mg,1.80mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、炭酸カリウム(372mg,2.70mmol)、ヨウ化カリウム(299mg,1.80mmol)、2-フルオロベンジルクロリド(0.43ml,3.60mmol)を加え室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと食塩水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色粉末(500mg,56%)を得た。
mp 155-158℃.
元素分析値 C24H20N3O6SF・0.5H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.32 (3H, t, J=7.2Hz), 3.84 (3H, s), 4.27 (2H, q, J=7.2Hz), 4.84 (2H, s), 5.30 (2H, s), 7.06-7.33 (4H, m), 7.54 (2H, d, J=8.9Hz), 7.27 (2H, d, J=8.9Hz).
IR (KBr): 1748, 1711, 1673, 1520, 1491 cm-1.
【0072】
参考例24
参考例21で得られた化合物を原料として参考例23に記載した方法に従い、〔表6〕に列挙した化合物を調製した。
【表6】
【0073】
参考例25
5−ブロモメチル−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−ニトロフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−3−酢酸エチルエステル
参考例23で得られた化合物(0.300g,0.603mmol)、 N-ブロモこはく酸イミド(0.107g,0.603mmol)、 α,α'-アゾビスイソブチロニトリル(10mg,0.060mmol)および四塩化炭素(15ml)の混合物を2時間加熱還流した。冷後不溶物をろ去し、 ろ液をクロロホルムで希釈した。有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを酢酸エチルから再結晶して無色針状晶(0.284g,82%)を得た。
mp 165-167℃.
元素分析値 C24H19N3O6SBrF
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.31 (3H, t, J=7.1Hz), 4.26 (2H, q, J=7.1Hz), 4.78 (2H, s), 4.86 (2H, s), 5.30 (2H, s), 7.07-7.37 (4H, m), 7.75 (2H, d, J=8.8Hz), 8.33 (2H, d, J=8.8Hz) .
IR (KBr): 1713, 1673, 1524, 1477 cm-1.
【0074】
参考例26
参考例24で得られた化合物を原料として参考例25に記載した方法に従い、〔表7〕に列挙した化合物を調製した。
【表7】
【0075】
参考例27
5−ベンジルメチルアミノメチル−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−ニトロフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステル塩酸塩
参考例25で得られた化合物(0.270g,0.470mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、氷冷下、 エチルジイソプロピルアミン(0.12ml,0.710mmol)とベンジルメチルアミン (0.07ml,0.560mmol)を加えた。室温で20時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物(0.297g,100%)を得た。 この油状物の酢酸エチル(4ml)溶液に、 氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.5ml)を加え、 同温で10分間かくはんした。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、 塩酸塩(0.084g)を白色結晶として得た。
mp [塩酸塩] 120-128℃.
元素分析値 C32H29N4O6SF・HCl・H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) [フリーアミン] δ: 1.31 (3H, t, J=7.1Hz), 2.16 (3H, s),3.61 (2H, s), 3.97 (2H, s), 4.27 (2H, q, J=7.1Hz),4.87 (2H, s), 5.31 (2H, s), 7.10-7.35 (9H, m), 7.97 (2H, d, J=8.8Hz), 8.23 (2H, d, J=8.8Hz).
IR (KBr) [塩酸塩] : 1711, 1665, 1522, 1493 cm-1.
【0076】
実施例1
4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
水素化ナトリウム(60%油状物;123mg,3.08mmol)のジメチルホルムアミド(3ml)懸濁液に氷冷窒素気流下、 参考例8で得られた化合物(1.0g,2.91mmol)のジメチルホルムアミド(20ml)溶液を滴下した。 同温で30分間かくはんした後、 2-メトキシベンジルクロリド(0.92g,5.87mmol)のジメチルホルムアミド(3ml)溶液を滴下した。 反応液を室温で23時間、 70℃で2時間かくはん後、 反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液で分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色アモルファス(0.95g,70%)を得た。元素分析用のサンプルとして、 得られた粉末をジクロルメタン−エーテルから再結晶して黄色柱状晶を得た。
mp 165-167℃.
元素分析値 C26H25NO5S・0.5H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.41 (3H, t, J=7.1Hz), 2.65 (3H, s), 3.85 (3H, s), 3.86 (3H, s), 4.39 (2H, q, J=7.1Hz), 5.16 (2H, s), 6.92-7.00 (4H, m), 7.21-7.41 (4H, m), 8.41 (1H, s).
IR (KBr): 2980, 1727, 1684, 1609, 1590, 1497, 1464 cm-1.
【0077】
実施例2
参考例8で得られた化合物を原料として、 実施例1に記載した方法と同様の方法で、〔表8〕に示す化合物を製造した。
【表8】
【0078】
実施例3
参考例9,10で得られた化合物を原料として、 実施例1に記載した方法と同様の方法で、〔表9〕に示す化合物を製造した。
【表9】
【0079】
実施例4
4,7−ジヒドロ−5−ヒドロキシルメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
参考例11で得られた化合物(0.12g, 0.40mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、炭酸カリ(0.083g, 0.60mmol),2-メトキシベンジルクロリド(0.094g, 0.60mmol)及びよう化カリ(0.033g, 0.20mmol)を室温下加えた。室温下1.5時間撹拌後50℃で2時間した。反応液を濃縮して得られる残さをジクロロメタンと水に分配した。 水層をジクロロメタンで抽出し、 抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色アモルファスを得、酢酸エチルから再結晶して無色結晶を得た。
mp 153-156℃.
元素分析値 C24H23NO4Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 2.67 (3H, s), 3.85 (3H, s), 3.86 (3H, s), 4.59 (2H, s), 5.12 (2H, s), 6.90-7.00 (4H, m), 7.15(1H, d), 7.3-7.4(3H, m),7.45 (1H, s).
IR (KBr): 3400, 2936, 2838, 1618, 1547, 1504, 1249 cm-1.
【0080】
実施例5
4,7−ジヒドロ−5−アセトキシメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
実施例4で得られた化合物(0.400g, 0.96mmol)のピリジン(16ml)溶液に、無水酢酸(1.78g, 19.0mmol)を室温下加えた。室温下1時間撹拌後、反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルと稀塩酸とに分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色アモルファスを得、エチルエーテルから再結晶して無色結晶(0.46g, 100%)を得た。
mp 158-159℃.
元素分析値 C26H25NO5Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 2.07 (3H, s), 2.67 (3H, s), 3.84 (3H, s), 3.86 (3H, s), 5.11 (2H, s), 5.12 (2H, s), 6.90-7.00 (4H, m), 7.18(1H, d, J=7.7Hz), 7.3-7.4(3H, m), 7.69 (1H, s).
IR (KBr): 1752, 1626, 1578, 1506, 1255 cm-1.
【0081】
実施例6
3−ブロモメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例1で得られた化合物(0.35g,0.755mmol)、 N-ブロモこはく酸イミド(0.135g,0.758mmol)、 α,α'-アゾビスイソブチロニトリル(13mg,0.079mmol)および四塩化炭素(5ml)の混合物を2時間加熱還流した。冷後不溶物をろ去し、 ろ液をクロロホルムで希釈した。有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを酢酸エチルから再結晶して無色針状晶(0.272g,66%)を得た。
mp 200-201℃.
元素分析値 C26H24NO5SBrとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.40 (3H, t, J=7.1Hz), 3.86 (6H, s), 4.40 (2H, q, J=7.1Hz), 5.05 (2H, s), 5.16 (2H, s), 6.92-7.04 (4H, m), 7.23-7.28 (1H, m), 7.34-7.43 (1H, m), 7.57 (2H, d, J=8.9Hz), 8.46 (1H, s).
IR (KBr): 2980, 1725, 1607, 1588, 1497 cm-1.
【0082】
実施例7
実施例3,4,19,65,66で得られた化合物を原料として、 実施例6に記載した方法と同様の方法で、〔表10〕に示す化合物を製造した。
【表10】
【0083】
実施例8
3−ベンジルアミノメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
実施例6で得られた化合物(0.245g,0.452mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下、 トリエチルアミン(0.10ml,0.717mmol)とベンジルアミン(80μl,0.732mmol)を加えた。室温で1時間半かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物(0.135g,53%)を得た。 この油状物のエタノール(4ml)溶液に、 氷冷下、10Nエタノール性塩酸(0.2ml)を加え、同温で10分間かくはんした。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、 塩酸塩(0.113g)を白色結晶として得た。
mp 〔塩酸塩〕 118-119℃.
元素分析値 C33H32N2O5S・HCl・0.9H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) 〔フリーアミン〕 δ: 1.40 (3H, t, J=7.1Hz), 2.05 (1H, br),3.81 (3H, s), 3.86 (3H, s), 3.87 (2H, s), 3.94 (2H, s), 4.40 (2H, q, J=7.1Hz),5.18 (2H, s), 6.80 (2H, d, J=8.8Hz), 6.91-6.99 (2H, m), 7.20-7.42 (9H, m), 8.45 (1H, s).
IR (KBr) 〔塩酸塩〕 : 3422, 2938, 1719, 1605, 1560, 1545, 1502, 1460 cm-1.
【0084】
実施例9
実施例6で得られた化合物を原料として、実施例8に記載した方法と同様にして、〔表11〕に示す化合物を製造した。
【表11】
【0085】
実施例10
実施例7で得られた化合物を原料として、実施例8に記載した方法と同様にして、〔表12〕に示す化合物を製造した。
【表12】
【0086】
実施例11
4、7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−N−ベンジルピペラジニル−5−カルボキサミド
1−ベンジルピペラジン(0.77g,4.37mmol)に水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)のトルエン溶液(1.5規定、2.9ml,4.37mmol)を氷冷下滴下した。滴下終了後、室温に戻しさらに0.5時間かくはんした。この溶液に実施例1で得られた化合物(0.50g,1.08mmol)のトルエン溶液(5ml)を室温下加えた。更に15時間室温下かくはん後、塩化メチレン(30ml)を加え、水洗後硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を濃縮して固体(1.03g)を得た。塩化メチレン−n−ヘキサンより再結晶して、上記誘導体(0.48g, 78%)を得た。
mp 233-235℃.
元素分析値 C35H35N3O4S・1/2H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 2.45-2.55(4H, m), 2.63(3H, s), 3.43-3.49(2H, m), 3.55(2H, s), 3.73-3.82(2H, m), 3.84(6H, s), 5.11(2H, s), 6.89-6.98(4H, m), 7.21-7.40(9H, m), 7.79(1H, s).
【0087】
実施例12
実施例1,2,3で得られた化合物を原料として、 実施例11に記載した方法と同様にして、〔表13〕に列挙した化合物を調製した。
【表13】
【0088】
実施例13
3−(N−メチル-N-(2−メトキシベンジル)アミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
実施例9で得られた化合物12(0.30g,0.52mmol)のエチルアルコール(5ml)溶液に、トリエチルアミン(0.21g,2.1mmol)と2−メトキシベンジルクロリド(0.16g,1.0mmol)を室温下加えた。室温で60時間かくはんした後、反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層をあわせて乾燥(Na2SO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状物(0.23g,72%)を得た。この油状物(0.07g, 0.10mmol)の酢酸エチル(5ml)溶液に、氷冷下1N塩化水素エーテル溶液(0.2ml,0.20mmol)を5分間で加えた。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、塩酸塩(0.07g,100%)を白色結晶として得た。
mp 107-109℃.
元素分析値 C35H36N2O6S・HCl・H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) [フリーアミン]δ: 1.39 (3H, t, J=7.2Hz), 2.38 (3H, s),3.71 (3H, s), 3.85 (3H, s), 3.87 (3H, s), 3.88 (2H, s), 4.30 (2H, s), 4.39 (2H, q, J=7.2Hz), 5.21 (2H, s), 6.77-7.70 (12H, m), 8.44 (1H, s).
IR (KBr) 〔塩酸塩〕 : 3422, 2944, 1721, 1605, 1499, 1464, 1383, 1294, 1253 cm-1.
FAB-Mass m/z 613(MH)+
【0089】
実施例14
実施例9で得られた化合物12を原料として、実施例13に記載した方法と同様にして、〔表14〕に列挙した化合物を塩酸塩として調製した。
【表14】
【0090】
実施例15
3−(N−メチル-N-ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−アミノフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例10で得られた化合物1(0.60g,1.00mmol)のメチルアルコール(10ml)溶液に、鉄粉(0.22g,4.0mmol)を加え、氷冷下激しく撹拌した後、反応液を氷水にあけ重曹で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、クロロホルム−エーテルから結晶化させて、 黄色針状晶(0.40g,71%)を得た。
mp 120-122℃.
元素分析値 C33H33N3O4S・3/2H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) [フリーアミン]δ: 1.38 (3H, t, J=7.2Hz), 2.14 (3H, s),3.68 (3H, s), 3.87 (3H, s), 4.17 (2H, s), 4.39 (2H, q, J=7.2Hz), 5.21 (2H, s), 6.72 (2H, d), 6.96 (2H, t), 7.20 (4H, m), 7.35 (1H, t), 7.64(2H, d), 8.37 (1H, s).
IR (KBr) 〔塩酸塩〕 : 3454, 1690, 1603, 1499, 1386, 1317 cm-1.FAB-Mass m/z 568(MH)+
【0091】
実施例16
4,7−ジヒドロ−5−ヒドロキシメチル−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン塩酸塩
実施例10で得られた化合物2(0.390g,0.67mmol)のメタノール(40ml)溶液に、炭酸カリ水溶液〔炭酸カリ(0.185g, 1.34mmol)と水(8ml)より調整〕を加え、30分間室温で撹拌した後、 反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去して、淡黄色油状物(0.36g, 100%)を得た。 この油状物(0.10g)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、 氷冷下、1N 塩化水素エーテル溶液(0.37ml, 0.37mmol)を加え、 同温で10分間かくはんした。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さをエーテルから結晶化させて、 塩酸塩(0.105g, 100%)を白色結晶として得た。
mp 〔塩酸塩〕 135-140℃.
元素分析値 C32H33N2O4SClとして
1H-NMR (500MHz, CDCl3) 〔フリーアミン〕 δ: 2.76 (3H, s), 3.86(3H, s), 3.89(3H, s), 4.37(2H, s), 4.45(1H, br s), 4.55(1H, br s), 4.77(2H, s), 5.53(2H, s),6.94 (2H, d, J=8.2Hz), 6.98 (1H, t, J=7.4Hz), 7.06 (2H, br d),7.3-7.45(7H, m), 7.50 (1H, m), 8.27 (1H, s).
IR (KBr) 〔塩酸塩〕 : 3388, 1607, 1499, 1460, 1253 cm-1.
FAB-Mass m/z 541(MH)+
【0092】
実施例17
4、7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド塩酸塩
-78℃で無水アンモニア(2ml)をトルエン(5ml)に溶解させ、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)のトルエン溶液(1.5規定、0.8ml, 1.28mmol)を-78℃で加えた。滴下終了後、室温に戻しさらに0.5時間かくはんした。この溶液に実施例9で得られた化合物15(0.25g,0.425mmol)のトルエン溶液(4ml)を室温下加えた。更に1時間室温下かくはん後、ジクロロメタンと水とに分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水で水洗後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を濃縮して残さを得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色結晶を得た。この固体(0.130g, 0.23mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、 氷冷下、1N 塩化水素エーテル溶液(0.46ml, 0.46mmol)を加え、 同温で10分間かくはんした。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さをエーテルから結晶化させて、 塩酸塩(0.143g, 100%)を白色結晶として得た。
mp 152-157℃.
元素分析値 C32H32N3O4SClとして
1H-NMR (500MHz, CDCl3)[フリーアミン] δ: 2.84(3H, s), 3.87(3H, s), 3.88(3H, s), 4.35(1H, q, J=4.8Hz), 4.6-4.8(3H, m), 5.31(2H, s), 6.09(1H, s), 6.95(1H, t, J=7.6Hz), 6.99(1H, t, J=7.6Hz), 7.03(2H, d, J=8.0Hz), 7.30-7.36(4H, m), 7.40-7.50(5H, m), 8.94(1H, s), 9.70(1H, br), 11.61(1H, br).
IR (KBr) 〔塩酸塩〕 : 1663, 1605, 1578, 1502, 1255 cm-1.
FAB-Mass m/z 554(MH)+
【0093】
実施例18
実施例9で得られた化合物15を原料として、 実施例17に記載した方法と同様にして、種々のアミン誘導体との反応を行い〔表15〕に列挙した化合物を調製した。
【表15】
【0094】
実施例19
4、7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例3で得られた化合物7(0.615g, 1.41mmol),3−メトキシフェニルほう酸(9.321g, 2.11mmol),2M炭酸ナトリウム(3.53ml, 7.06mmol),および,1,2-ジメトキシエタン(30ml)の混合物に、アルゴン気流下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.163g, 0.141mmol)を加えた後、2時間加熱還流した。冷後、反応液に酢酸エチルを加え、不溶物をセライトろ過した。ろ液を酢酸エチルと食塩水とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水で水洗後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を濃縮して残さを得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色アモルファス(0.446g, 68%)を得た。
元素分析値 C26H25NO5S・0.5H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3)δ: 1.41 (3H, t, J=7.1Hz), 2.69(3H, s), 3.84(3H, s), 3.87(3H, s), 4.39(2H, q, J=7.1Hz), 5.16 (2H, s), 6.87-7.02 (5H, m), 7.22-7.42 (3H, m), 8.42 (1H, s).
IR (KBr) : 3440, 2938, 1727, 1688, 1607, 1493, 1465 cm-1.
【0095】
実施例20
3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メチルチオベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
参考例18で得られた化合物(0.12g,0.26mmol)、K2CO3(54mg,0.39mmol)、2-メチルチオベンジルクロリド(54mg,0.31mmol)、KI(18mg,0.1mmol)およびジメチルホルムアミド(3ml)の混合物を50°Cで2時間かくはんした。冷後、減圧下溶媒を留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、得られた残さを酢酸エチル(20ml)溶液とし、1N HClのエーテル溶液(0.33ml)を加え、減圧下濃縮した。残さをエーテルから結晶化させて、塩酸塩を淡黄色結晶(0.1g,64%)として得た。
mp 118-120℃.
元素分析値 C34H34N2O4S2・HCl・0.4H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.38(3H,t,J=7.1Hz), 2.52(3H,s), 2.94(3H,s), 3.88(3H,s), 4.38(3H,q like,J=7.1Hz), 4.60(1H,brs), 4.75(2H,brs), 5.39(2H,s), 7.04(2H,d,J=8.7Hz), 7.23-7.53(11H,m), 8.39(1H,s), 11.82(1H,brs).
IR(KBr):3406, 2980, 1719, 1605, 1502 cm-1
【0096】
実施例21
参考例18で得られた化合物を原料として、 実施例20に記載した方法と同様にして、種々のハロゲン化合物との反応を行い〔表16〕に列挙した化合物を調製した。
【表16】
【0097】
実施例22
3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−ホルミル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
実施例16で得られた化合物(0.054g,0.10mmol)のクロロホルム(10ml)溶液に、活性二酸化マンガン(0.27g)を加え、1時間室温で撹拌した。 反応液をセライト濾過し、クロロホルムで洗った。濾液を合わせ濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた黄色固体を酢酸エチル-エーテルから結晶化させて、白色結晶(0.014g, 25%)を得た。
mp 181-185℃.
元素分析値 C32H30N2O4S・0.8SiO2として
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 2.40 (3H, s), 3.85(3H, s), 3.87(3H, s), 3.8-4.0 (2H, br), 4.33(2H, s), 5.23(2H, s), 6.9-7.1 (5H, m), 7.2-7.4 (7H, m), 7.64(1H, d, J=7.9Hz), 8.31(1H, s), 10.45(1H, s).
IR (KBr): 2934, 1688, 1603, 1502, 1386, 1255 cm-1.
FAB-Mass m/z 539(MH)+
【0098】
実施例23
2−(4−アセチルアミノフェニル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−3−(N−メチル-N-ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例15で得られた化合物(0.11g,0.20mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液に、氷冷下無水酢酸(1ml)とピリジン(0.29g, 10.0mmol)を加え、室温で8時間撹拌した後、反応液を飽和重曹水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エーテルより再結晶して、白色粉末状晶(0.07g,58%)を得た。
mp 161-163℃.
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6) δ: 1.35 (3H, t, J=7.2Hz), 2.10 (3H, s), 2.58 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.2-4.4(4H, m), 4.42(1H, d), 4.58(1H, d), 5.51(2H, s), 6.70(1H, t), 7.05 (1H, d), 7.1-7.3(1H, m), 7.3-7.5(7H, m), 7.68(1H, s), 7.78(2H, d), 8.88(1H, s), 10.33(1H, s).
IR (KBr) : 3258,1717, 1686, 1605, 1495, 1317, 1253 cm-1.
FAB-Mass m/z 610(MH)+
【0099】
実施例24
4,7−ジヒドロ−2−(4−ホルミルアミノフェニル)−7−(2−メトキシベンジル)−3−(N−メチル-N-ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例15で得られた化合物(0.23g,0.40mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に、氷冷下酢酸−ギ酸無水物〔無水酢酸(0.41g, 4.00mmol)にギ酸(99%,0.27g, 6.00mmol)を氷冷下加え、次いで60℃で2時間撹拌して調整した〕を加え、室温で8時間撹拌した。
反応液を飽和重曹水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、クロロホルム-エーテルより再結晶して、白色針状晶(0.17g,72%)を得た。
mp 185-187℃.
元素分析値 C34H33N3O5S・0.5H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.38 (3H, t, J=7.2Hz), 2.13 (3H, s), 3.65 (2H, s), 3.87 (3H, s), 4.17(2H, s), 4.38(2H, q), 5.18(2H, s), 6.97(1H, t), 7.1-7.3 (8H, m), 7.38(1H, t), 7.5-7.7(2H, m), 7.8-7.9(2H, m), 8.40(1H, s), 8.44(1H, s).
IR (KBr) : 3336,2978, 1723, 1605, 1495, 1439, 1305 cm-1.FAB-Mass m/z 596(MH)+
【0100】
実施例25
参考例11で得られた化合物を原料として、実施例4に記載した方法と同様の方法で〔表17〕に示す化合物を製造した。
【表17】
【0101】
実施例26
実施例7で得られた化合物を原料として、実施例8に記載した方法と同様の方法で〔表18〕に示す化合物を製造した。
【表18】
【0102】
実施例27
実施例26で得られた化合物を原料として、実施例15に記載した方法と同様の方法で〔表19〕に示す化合物を製造した。
【表19】
【0103】
実施例28
4,7−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−ホルミル−7−(2−フルオロベンジル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジンの製造:
実施例25で得られた化合物(4.10g)を二酸化マンガン(20.5g)と共にクロロホルム(120ml)中、1時間室温下撹拌した。反応液をセライト濾過後、ろ液を濃縮乾固し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、塩化メチレン−酢酸エチルから再結晶して無色結晶(3.72g,収率 83%)を得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:2.66(3H, s), 3.85(3H, s), 5.26(2H, s), 6.96(2H, d), 7.1-7.4(6H, m), 8.17(1H, s), 10.44(1H, s).
【0104】
実施例29
4,7−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(1−ヒドロキシエチル)−7−(2−フルオロベンジル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジンの製造:
実施例28で得られた化合物(1.0g)を無水テトラヒドロフラン(50ml)に溶解させ、臭化メチルマグネシウム(0.35g)を氷冷下加え、室温にもどし更に3時間かくはんした。ろ液を濃縮乾固し得られた残さに飽和塩化アンモニウム溶液(20ml)と酢酸エチルエステル(20ml)を加え撹拌した。水層を酢酸エチルエステル(20ml)で抽出し、有機層を合わせて乾燥した。溶媒を減圧下に溜去して得られる残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色アモルファス(1.10g,収率100%)を得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.55(3H, d), 2.66(3H, s), 3.84(3H, s), 4.94(1H, q), 5.20(2H, s), 6.95(2H, d), 7.1-7.2(3H, m), 7.3-7.4(3H, m), 7.44(1H, s).
【0105】
実施例30
実施例28で得られた化合物を、実施例29に記載した方法と同様にして臭化メチルマグネシウムの代わりに種々のグリニヤー試薬との反応を行い〔表20〕に列挙した化合物を製造した。
【表20】
【0106】
実施例31
5−アセチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジンの製造:
実施例29で得られた化合物(0.50g)を二酸化マンガン(2.5g)と共にクロロホルム(50ml)中、3時間40℃で撹拌した。反応液をセライト濾過後、ろ液を濃縮乾固し、得られた残さをヘキサン−酢酸エチルから再結晶して無色結晶(0.35g,収率 70%)を得た。
mp 215-216℃
元素分析値 C24H20NO3SFとして
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:2.66(3H, s), 2.78(3H, s), 3.85(3H, s), 5.25(2H, s), 6.96(2H, d), 7.1-7.5(6H, m), 8.37(1H, s).
FAB-Mass m/z 422(MH)+
【0107】
実施例32
実施例30で得られた化合物に、実施例31に記載した方法と同様にして〔表21〕に列挙した化合物を製造した。
【表21】
【0108】
実施例33
5−アセチル−3−臭化メチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジンの製造:
実施例31で得られた化合物(0.32g)を四塩化炭素(60ml)に溶解させ、N-ブロモこはく酸イミド(0.144g)及びα,α'-アゾビスイソブチロニトリル(0.013g)と共に2時間加熱還流した。冷後反応液にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)で洗い、有機層を合わせて乾燥した。溶媒を減圧下に溜去して得られる残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色アモルファスを得た。クロロホルム−イソプロピルエーテル−酢酸エチルから再結晶して無色針状結晶(0.29g,収率 75%)を得た。
mp 226-228℃
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:2.81(3H, s), 3.86(3H, s), 5.03(2H, s), 5.26(2H, s), 7.03(2H, d), 7.1-7.5(4H, m), 7.55(2H, d), 8.38(1H, s).
【0109】
実施例34
実施例32で得られた化合物を原料として、実施例33に記載した方法と同様にして〔表22〕に列挙した化合物を製造した。
【表22】
【0110】
実施例35
3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−5−アセチル−7−(2−フルオロベンジル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジンの製造:
実施例33で得られた化合物(0.25g)をジメチルホルムアミド(20ml)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(0.079g)及びN−ベンジルメチルアミン(0.074g)を室温で加えた。室温下1.5時間かくはんした。反応液を減圧下乾固し、残さを酢酸エチル(100ml)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)とに分配した。水層を酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を合わせて乾燥した。溶媒を減圧下に溜去して得られる残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色アモルファス(0.27g)を得た。該アモルファスを塩化メチレン(5ml)に溶解させ、氷冷下1N 塩化水素エーテル溶液(1ml)を加え、析出した結晶をろ取(0.22g,収率 77%)した。
mp 185-193℃
元素分析値 C32H30N2O3SClF・2H2Oとして
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ:2.80(3H, s), 2.87(3H, s), 3.88(3H, s), 4.3-4.4(1H, m), 4.6-4.8(3H, m), 5.35(2H, s), 7.03(2H, d), 7.2-7.5(11H, m), 8.48(1H, s), 11.8(1H, br s).
FAB-Mass m/z 541(MH)+
【0111】
実施例36
実施例34で得られた化合物を原料として、実施例35に記載した方法をと同様にして、〔表23〕に列挙した化合物を製造した。
【表23】
【0112】
実施例37
3−(N−メチル-N-ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−N'−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルの製造:
実施例26で得られた化合物(0.11g,0.20mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、ピリジン(0.5ml)を加え、氷冷下イソシアン酸メチル(0.064ml)を滴下した。室温で4時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残さをクロロホルムに溶解し、食塩水で洗浄し乾燥(Na2SO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エタノール−酢酸エチルより再結晶して、 白色針状晶(0.09g,73%)を得た。
mp 216-220℃.
元素分析値 C34H33N4O4SF・2H2Oとして
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6) δ: 1.44 (3H, t), 2.25 (3H, br s), 2.84 (3H, br s), 4.35 (2H,br s), 4.43(2H, q), 4.90(2H, br s), 5.62(2H, s), 7.20-7.32(7H, m), 7.45-7.60(6H, m), 8.85(1H, s).
IR (KBr) : 3308,1698, 1605, 1499, 1319, 1236,1183 cm-1.
Mass m/z 613(MH)+
【0113】
実施例38
実施例27で得られた化合物を原料として、 実施例23、24、37に記載した方法と同様にして、〔表24〕に列挙した化合物を塩酸塩として調製した。
【表24】
【0114】
実施例39
2,4(1H,3H)−ジオキソ−6−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−1−(2−フルオロベンジル)−5−ベンジルメチルアミノメチル チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩
参考例29で得られた化合物15(0.150g,0.310mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、氷冷下、 エチルジイソプロピルアミン(0.08ml,0.460mmol)とメチルベンジルアミン (0.05ml,0.370mmol)を加えた。 室温で2時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物(0.159g,97%)を得た。 この油状物の酢酸エチル(4ml)溶液に、 氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.3ml)を加え、 同温で10分間かくはんした。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、 塩酸塩(0.144g)を白色結晶として得た。
mp 〔塩酸塩〕 140-143℃.
元素分析値 C35H30N3O3SF・HCl・H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) 〔フリーアミン〕 δ: 2.07 (3H, s),3.57 (2H, s), 3.86 (3H, s), 3.90 (3H, s), 5.30 (2H, s), 6.94(2H, d, J=8.8Hz), 7.05-7.60 (14H, m), 7.66 (2H, d, J=8.8Hz).
IR (KBr) 〔塩酸塩〕 : 1711, 1665, 1543, 1477 cm-1.
【0115】
実施例40
参考例28で得られた化合物を原料として実施例39に記載した方法に従い、〔表25〕に列挙した化合物を塩酸塩として調製した。
【表25】
【0116】
実施例41
3−シアノメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例7(化合物番号10)で得られた化合物(0.80g, 1.51mmol)のジメチルスルホキシド(DMSO)けん濁液(3ml)にシアン化ナトリウム(0.084g, 1.66mmol)を室温下加えた。反応液を60度Cに加温して、更に4時間撹拌した。反応液を室温に戻し、水にあけ酢酸エチルで抽出(50mlX2)し、水洗後乾燥して濾液を減圧乾固し淡黄色油状物を得た(0.77g)。本化合物は精製せず、次に示す実施例に用いた。
【0117】
実施例42
3−エトキシカルボニルメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例41で得られた化合物(0.77g)の無水エタノール溶液(250ml)に濃硫酸(50滴)を注意して室温下滴下した。滴下終了後反応液を15時間加熱還流した。冷後、反応液を氷冷下、過剰の炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し酢酸エチル(500mlX3)で抽出、水洗乾燥後溶媒を減圧下濃縮して褐色固体(0.72g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して結晶を得、酢酸エチル−ヘキサンより再結晶して無色結晶(0.28g,通算35%)を得た。
mp199-201℃ .
元素分析値 C28H26NO6SF・0.7H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.38(3H, t, J=7.2Hz), 2.68 (3H, t, J=7.2Hz), 3.84(3H, s), 4.04 (2H, s), 4.16(2H, q, J=7.2Hz), 4.37(2H, q, J=7.2Hz), 5.23(2H, s), 6.92-7.42(8H, m), 8.36(1H, s).
IR (KBr): 3430,1727, 1611, 1502, 1255, 1183, 1033, 762, 520 cm-1.
【0118】
実施例43
3−ヒドロキシエチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例42で得られた化合物(0.21g)の無水テトラヒドロフラン(THF)溶液(20ml)に氷冷下水素化リチウムアルミニウム(LAH)を加えた。反応液を室温に戻し、更に1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液にあけて酢酸エチル(100mlX3)で抽出した。抽出液を再度飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで水洗し乾燥後、濾液を減圧下濃縮して固体を得た。。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色アモルファス(0.16g, 66%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.90(3H, t, J=7.2Hz), 1.70(1H, br s), 3.29(2H, t, J=6.0Hz), 3.84(3H, s), 4.20-4.23(2H, m), 4.37(2H, q, J=7.2Hz), 5.29(2H, s), 6.93-7.34(8H, m), 8.45(1H, s).
FAB-Mass m/z 482(MH)+.
【0119】
実施例44
4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノエチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例43で得られた化合物(0.08g, 0.67mmol)の塩化メチレン溶液(5ml)に氷冷下過剰の三臭化りん(0.5ml)を加えた。反応液を室温に戻し、更に1時間撹拌した後、酢酸エチル(20ml)を加え、水洗乾燥後、濾液を減圧下濃縮して固体を得た。これをジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)に溶解させ、過剰のジイソプロピルエチルアミン(100mg)及びN−ベンジルメチルアミン(100mg)を加えた。反応液を更に1時間撹拌した後、酢酸エチル(20ml)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗い乾燥後、濾液を減圧下濃縮して固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色アモルファス(0.005g,4%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.40(3H, t, J=7.2Hz), 2.70 (3H, s), 3.30-3.60(4H, m), 3.83(3H, s), 4.06(2H, s), 4.40(2H, q, J=7.2Hz), 5.28(2H, s), 6.56-7.51(13H, m), 8.45(1H, s).
FAB-Mass m/z 585(MH)+.
【0120】
実施例45
5−(1−アセトキシエチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン
実施例29で得られた化合物(0.55g, 1.32mmol)のピリジン溶液(25ml)に氷冷下無水酢酸(2.69g, 26.3mmol)を加えた。反応液を室温に戻し、更に24時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(50ml)と1N塩酸(10ml)とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ飽和食塩水で洗い、乾燥後、濾液を減圧下濃縮して固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色固体(0.67g)を得、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して、無色針状晶(0.492g, 81%)を得た。
mp 145-146℃ .
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.56 (3H, d, J=6.5Hz), 2.07 (3H, s), 2.66(3H, s), 3.04(3H, s), 5.19(2H, s), 6.13(1H, q, J=6.5Hz), 6.94(2H, d, J=8.8Hz), 7.10-7.50(6H, m), 7.53(1H, s).
【0121】
実施例46
5−(1−アセトキシエチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン
実施例7で得られた化合物13(0.15g, 0.28mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(15ml)にエチルジイソプロピルアミン(0.094g, 0.34mmol)及びN−ベンジルメチルアミン(0.041g, 0.34mmol)を室温下加えた。反応液を1時間撹拌した後減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(50ml)と飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ飽和食塩水で洗い、乾燥後、濾液を減圧下濃縮して固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色固体(0.05g)を得、酢酸エチル−ジエチルエーテルから再結晶して、無色結晶(0.05g, 29%)を得た。
mp183-187 ℃ .
元素分析値 C34H33N2O4SF・2H2Oとして
1H-NMR (500MHz, CDCl3) δ: 1.59 (3H, d, J=6.9Hz), 2.09 (3H, s), 2.88 (3H, d, J=4.7Hz), 3.88(3H, s), 4.40(1H, m), 4.5-4.7(3H, m), 5.46(2H, s), 6.16(1H, m), 7.08(2H, d, J=7.2Hz), 7.16(1H, t, J=9.5Hz), 7.22(1H, t, J=7.6Hz), 7.3-7.4(3H, m), 7.4-7.5(6H, m), 7.97(1H, s).
FAB-Mass m/z 585(MH)+.
【0122】
実施例47
実施例7で得られた化合物を原料として、実施例46に記載した方法と同様の方法で、〔表26〕に示す化合物を製造した。
【表26】
【0123】
実施例48
3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン
実施例46で得られた化合物(0.15g, 0.28mmol)のメタノール溶液(5ml)に炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム0.012gを水1mlに溶解させて調整)を加えた。反応液を3時間撹拌した後減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(20ml)と飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ飽和食塩水で洗い、乾燥後、濾液を減圧下濃縮して固体(0.018g, 77%)を得た。
mp183-187 ℃ .
元素分析値 C32H31N2O3SF・H2Oとして
1H-NMR (500MHz, CDCl3) δ: 1.56 (3H, d, J=6.4Hz), 2.16 (3H, s), 3.68(2H, br), 3.86(3H, s), 4.17(2H, s), 4.7-4.9(1H, br s), 4.97(1H, q, J=6.4Hz), 5.22 (2H, s), 6.95(2H, d, J=6.9Hz), 7.1-7.3(5H, m), 7.13-7.18(3H,m), 7.37(1H, m), 7.46(1H, s), 7.74(2H, d, J=8.6Hz).
FAB-Mass m/z 543(MH)+.
【0124】
実施例49
実施例27で得られた化合物を原料として、実施例23、24、37に記載した方法と同様にして、〔表27〕に列挙した化合物を調製した。
【表27】
【0125】
実施例50
4、7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−ニトロフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−(N−イソプロピル)カルボキサミド
0℃でイソプロピルアミン(0.296g, 5mmol)の無水塩化メチレン(5ml)溶液にトリメチルアルミニウムのヘキサン溶液(15%、 2.41ml, 5.0mmol)を滴下した。滴下終了後、室温に戻しさらに1時間かくはんした。この溶液に実施例26で得られた化合物2(0.12g,0.25mmol)の無水塩化メチレン溶液(3ml)を30分以上かけて氷冷下(0℃)加えた。更に1時間室温下かくはん後、クロロホルム(50ml)を加え、水洗した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を濃縮して固体を得、クロロホルム−酢酸エチル−エチルエーテルで再結晶して無色結晶(0.096g, 70%)を得た。
mp 200-202 ℃.
1H-NMR (500MHz, CDCl3)[フリーアミン] δ: 1.30(6H, d, J=6.7Hz), 2.15(3H, s), 3.66(2H, s), 4.18(2H, s), 4.18-4.31(1H, m), 5.32(2H, s), 7.00(2H, t, J=7.26Hz), 7.13-7.25(5H, m), 7.42(1H, t, J=7.3Hz), 8.02(2H, d, J=8.9Hz), 8.26(2H, d, J=8.9Hz), 8.73(1H, s), 10.02(1H, d, J=9.1Hz).
IR (KBr) : 2974, 1661, 1597, 1547, 1497, 1346, 1212, 1035 cm-1
FAB-Mass m/z 617(MH)+
【0126】
実施例51
実施例26、27、37、38、49で得られた化合物を原料として、実施例50に記載した方法と同様にして、〔表28〕及び〔表29〕に列挙した化合物を調製した。
【表28】
【表29】
【0127】
実施例52
4、7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−ニトロフェニル)−5−ベンゾイル−3−メチル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン
実施例12で得られた化合物4(3.93g, 7.87mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(300ml)に少し加温して溶解させた。これを0℃に保ち、臭化フェニルマグネシウムのTHF溶液(1M,15.7ml, 15.7mmol)を10分間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間かくはんした。反応液を酢酸エチル(300ml)と水(50ml)とに分配し、水層は再度酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下溶媒を濃縮して残渣を得、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製し黄色結晶(3.00g, 74%)を得た。酢酸エチル-ヘキサンより再結晶した。mp114-116 ℃.
元素分析値 C28H18N2O4SF2・0.7H2Oとして
1H-NMR (500MHz, CDCl3) δ: 2.68(3H, s), 5.30(2H, s), 7.02(2H, t, J=8.1Hz), 7.43(3H, t, J=7.2Hz), 7.52-7.63(3H, m), 7.86(2H, d, J=7.5Hz), 7.99(1H, s), 8.30(2H, d, J=8.7Hz).
IR (KBr) : 3422, 3068, 1665, 1615, 1491, 1473, 1346, 853 cm-1.
FAB-Mass m/z 517(MH)+
【0128】
実施例53
実施例51で得られた化合物を原料として、実施例52に記載した方法と同様にして、〔表30〕に列挙した化合物を調整した。
【表30】
【0129】
実施例54
3−(N−メチル-N-ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−アミノフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
実施例47で得られた化合物1(0.30g, 0.47mmol)のエチルアルコール(6ml)混合液に水(2ml)を足し、1滴の濃塩酸を滴下して均一溶液とした。これに鉄粉(0.105g,2.0mmol)及び濃塩酸(0.39ml, 4.7mmol)を滴下しながら加えた。滴下終了後、5時間室温で撹拌し、セライト濾過した。少量のアンモニア水を加え、反応濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を氷水にあけ重曹で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、イソプロピルエーテルで再結晶して、 黄色針状晶(0.24g,84%)を得た。
mp 126-128℃.
元素分析値 C36H29N3O2SF2・1/2H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.13 (3H, s),3.65 (2H, s), 3.87 (2H, br s), 4.14(2H, s), 5.28(2H, s), 6.74(2H, d, J=8.7Hz), 7.00(2H, t, J=7.8Hz), 7.16-7.24(5H, m), 7.36-7.46(3H, m), 7.53(1H, t, J=7.2Hz), 7.62(2H, d, J=8.4Hz), 7.89(2H, d, J=7.2Hz), 7.94(1H, s).
IR (KBr) : 3358, 1607, 1495, 1473, 1035 cm-1.
FAB-Mass m/z 606(MH)+
【0130】
実施例55
2−(4−アミノフェニル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン
実施例47で得られた化合物2(0.25g,0.415mmol)のメタノール(5ml)溶液に、鉄粉(0.093g,1.66mmol)及び濃塩酸(0.8ml)を氷冷下滴下しながら加えた。滴下終了後、1時間室温で撹拌し、セライト濾過した。少量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加え、塩化メチレンで抽出(30mlX3)した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色アモルファス(0.203g,86%)を得た。
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.18(6H, d), 2.11(3H, s), 3.65(2H, s), 3.85(2H, br s), 4.17(2H, s), 4.18(1H, m), 5.25(2H, s), 6.73(2H, d), 6.95(2H, t), 7.10-7.26(5H, m), 7.42(1H, m), 7.58(2H, d), 8.27(1H, s).
【0131】
実施例56
5−ベンゾイル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−3−(N−メチル-N-ベンジルアミノメチル)−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
実施例54で得られた化合物 (0.14g, 0.23mmol)を無水塩化メチレン(2ml)に溶解させ、氷冷下(0℃)トリエチルアミン(0.038ml)を加えた。しばらく撹拌後、この溶液に塩化プロピオニル(0.021ml, 0.243mmol)を加えた。滴下後氷冷下(0℃)で更に、40分間撹拌した。反応液を塩化メチレン(25ml)と極薄い重層水(10ml)とに分配し、水層は再度塩化メチレン(25ml)で抽出した。有機層をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた固体を酢酸エチル−イソプロピルエーテルで再結晶して、 黄色針状晶(0.10g,65%)を得た。
mp 226-228℃.
元素分析値 C39H33N3O3SF2・0.7H2Oとして
本誘導体を酢酸エチルに溶解させ、等量から小過剰の塩化水素(HCl)飽和エーテル溶液を加え、析出した結晶をイソプロピルエーテルより再結晶して、淡黄色針状晶(0.095g, 61%)を得た。
mp 218-220℃.
元素分析値 C39H33N3O3SF2・HCl・3.5H2Oとして
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ: 1.11(3H, t, J=7.2Hz),1.93(3H, s),2.35(2H, q,J=7.5Hz), 3.44(2H, s), 4.00(2H, s), 5.62(2H, s), 7.11-7.25(6H, m), 7.43-7.72(10H, m), 7.79(2H, d, J=7.5Hz), 8.40(1H, s), 10.03(1H, s).
IR (KBr) : 3422, 3068, 1603, 1502, 1473, 1035 cm-1.
FAB-Mass m/z 662(MH)+
【0132】
実施例57
実施例54、55で得られた化合物を原料として、実施例56、及び実施例23、24、27、38 に記載した方法と同様の方法で、〔表31〕に示す化合物を製造した。
【表31】
【0133】
実施例58
3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−ニトロフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
実施例51で得られた化合物9(1.91g, 3.09mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(30ml)加温して溶解させ、氷冷下(0℃)フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液(1M,6.18ml, 6.2mmol)を10分かけて滴下した。氷冷下1時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(100ml)と塩酸水(0.5N, 100ml)とに分配し、有機は再度飽和食塩水(100ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色結晶(1.00g,51%)を得た。これをイソプロピルエーテルから再結晶して黄色針状晶を得た。
mp 197-199℃.
元素分析値 C36H27N3O4SF2・0.7H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.17(3H, s), 3.61(2H, s), 4.16(2H, s), 5.30(2H, s), 7.03(2H, t, J=8.1Hz), 7.19-7.25(5H, m), 7.40-7.47(3H, m), 7.56(1H, t, J=7.5Hz), 7.88(2H, d, J=6.9Hz), 7.96(1H, s), 8.10(2H, d, J=8.7Hz),
8.28(2H, d, J=8.7Hz).
IR (KBr) : 3430,1663, 1611, 1518, 1473, 1348, 853 cm-1.
FAB-Mass m/z 636(MH)+
【0134】
実施例59
実施例51で得られた化合物2、9、16を原料として、実施例58 に記載した方法と同様の方法で、〔表32〕に示す化合物を製造した。本法は、実施例56、57に示した化合物の別途合成法となる。
【表32】
【0135】
実施例60
6−(4−アミノフェニル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−3−フェニル−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン
実施例40で得られた化合物4(0.15g, 0.247mmol)をエタノール(15ml)に溶解させ10%パラジウム炭素(15mg)を加え、常温常圧で8時間にわたり撹拌し水素添加した。反応液をセライト濾過しろ液を減圧濃縮した。選られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色アモルファス結晶(0.046g,32%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.05(3H, s), 3.57(2H, s), 3.81(2H, br s), 3.89(2H, s), 5.29(2H, s), 6.69(2H, d, J=8.7Hz), 7.05-7.56(16H, m).
FAB-Mass m/z 577(MH)+
【0136】
実施例61
6−(4−アセチルアミノフェニル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
実施例60で得られた化合物(0.63g, 0.11mmol)を無水ピリジン(5ml)に溶解させ無水酢酸(0.01ml, 0.11mmol)を加え室温下2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を塩化メチレン(30ml)と飽和食塩水(10ml)とに分配し、水層は再度塩化メチレンで抽出(30ml)した。有機層を合わせ硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色固体(0.01g,15%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.06(3H, s), 2.19(3H, s), 3.57(2H, s), 3.90(2H, s), 5.30(2H, s), 7.04-7.57(16H, s), 7.70(2H, d, J=8.4Hz).
【0137】
実施例62
4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例65で得られた化合物3(1.30g, 2.70mmol)のテトラヒドロフラン溶液(80ml)に氷冷下1M塩化水素−エーテル(81ml, 81mmol)を加え、室温下60時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(100ml)と飽和食塩水(50ml)とに分配し、水層は再度酢酸エチルで抽出(50ml)した。有機層を合わせ硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた固体を酢酸エチル−エタノールから再結晶して白色結晶(0.81g, 69%)を得た。
mp 225-227℃.
元素分析値 C24H20NO4SF・0.1H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.30(3H, t, J=7.0Hz), 4.24(2H, q, J=7.0Hz), 5.52(2H, s), 6.84(2H, d, J=8.4Hz), 7.20-7.46(6H, m), 8.65(1H, s), 9.75(1H, s).
IR (KBr) : 3856,1711, 1611, 1589, 1510, 1493, 1448 cm-1.
FAB-Mass m/z 438(MH)+
【0138】
実施例63
4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例7で得られた化合物26(0.26g, 0.46mmol)を原料として実施例8に記載した方法と同様の方法で、N−メチルベンジルアミン(0.072ml,0.56mmol),N−エチルジイソプロピルアミン(0.12ml, 0.69mmol)を用いて、淡黄色アモルファス(0.24g)を得た。これをエタノール(6ml)に溶解させ、1規定塩酸(4ml, 4mmol)を加え室温で2時間撹拌後、更に1規定塩酸(8ml, 8mmol)を加え室温で19時間撹拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム(1.01g, 12.0mmol)を含む水溶液を加え酢酸エチル(30X3ml)で抽出した。有機層を合わせ硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状物(0.15g,58%)を得た。得られた油状物のエタノール溶液(3ml)に氷冷下1M塩化水素−エーテル(0.35ml, 0.35mmol)を加え同温で10分撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られる残渣をエーテルから結晶化させ塩酸塩を白色粉末(0.116g,通算収率41%)として得た。
mp 231-235℃.
元素分析値 C32H29N2O4SF・HCl・1.5H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.39(3H, t, J=7.1Hz), 2.53(3H, brs), 4.09(2H, br s), 4.38(2H, q, J=7.1Hz), 4.39(2H, br s), 5.46(2H, s), 7.05(2H, d, J=8.5Hz), 7.13-7.51(11H, m), 8.57(1H, s).
IR (KBr) : 3422, 2988, 1719, 1695, 1605, 1543, 1504, 1458 cm-1.
【0139】
実施例64
2−(4−n-ブトキシフェニル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−3−メチル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
実施例62で得られた化合物(0.30g, 0.686mmol)のDMF溶液(10ml)に氷冷下水素化ナトリウム(30mg, 0.75mmol)を加え、室温下1時間撹拌した。反応液によう化n-ブチル(0.19g, 1.03mmol)を加え室温下15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し得られた残渣を酢酸エチル(100ml)と飽和食塩水(50ml)とに分配し、水層は再度酢酸エチルで抽出(50ml)した。有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた固体を酢酸エチル−n-ヘキサンから再結晶して無色結晶(0.33g, 97%)を得た。
mp 119-121℃.
元素分析値 C28H28NO4SF・0.2H2Oとして
FAB-Mass m/z 494(MH)+
【0140】
実施例65
実施例3で得られた化合物7あるいは実施例53で得られた化合物3を原料として、実施例19に記載した方法と同様の方法で、〔表33〕に示す化合物を製造した。
【表33】
【0141】
実施例66
5−ベンゾイル−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N−エチルアミノカルボキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
実施例47で得られた化合物3(0.15g, 0.226mmol)のエタノール(3ml)とTHF(3ml)の混合溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(1.2ml, 1.2mmol)を加え、室温撹拌してエステルを加水分解した。得られたカルボン酸誘導体(0.127g)をTHF(5ml)に溶解させトリエチルアミン(0.084ml, 0.60mmol)およびクロロ炭酸イソブチル(0.033ml, 0.25mmol)を氷冷窒素気流下に加えた。同温で1時間更に室温下1時間半撹拌後、反応液を氷冷し70%エチルアミン水溶液(0.16ml, 2.48mmol)を滴下した。同温度で30分間次いで室温下2時間撹拌した。反応液を飽和食塩水(50ml)と酢酸エチル(50ml)とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出(50ml)し、有機層を合わせ硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して微黄色アモルファス(0.095g,63%)を得た。得られたアモルファスの塩化メチレン溶液(4ml)に氷冷下1M塩化水素−エーテル(0.29ml,0.29 mmol)を加え同温で10分撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られる残渣を塩化メチレン−酢酸エチル−エーテルから結晶化させ塩酸塩を微黄色粉末(0.088g,通算収率56%)として得た。
mp 156-160 ℃.
元素分析値 C39H33N3O3SF2・HCl・1.8H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3)[フリーアミン] δ: 1.28(3H, t, J=7.2Hz), 2.13(3H, br s), 3.49-3.58(2H, m), 3.62(2H, br s), 4.16(2H, br s), 5.30(2H, s), 6.23(1H, br s), 6.99-7.05(2H, m), 7.17-7.26(5H, m), 7.39-7.58(4H, m), 7.83-7.97(7H, m).
IR (KBr)[塩酸塩] :3386, 3064, 1655, 1630, 1605, 1543, 1508, 1497, 1473 cm-1. FAB-MS m/z: 662(MH)+.
【0142】
実施例67
実施例47で得られた化合物3,4を原料として、実施例66に記載した方法と同様の方法で、〔表34〕に示す化合物を製造した。
【表34】
【0143】
実施例68
4,7−ジヒドロ−5−エトキシメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン 塩酸塩
実施例25で得られた化合物2(0.23g, 0.435mmol)の無水THF溶液(5ml)に氷冷下水素化ナトリウム(19mg, 0.475mmol)を窒素気流下加え、0℃で30分間撹拌後、よう化エチル(0.038ml, 0.475mmol)を同温度で加え室温まで戻した。室温下2時間撹拌後、更によう化エチル(0.038ml, 0.475mmol)を追加し、更に19時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチル(30ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)とに分配し、水層は再度酢酸エチルで抽出(50ml)した。有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色固体(0.09g,37%)を得た。得られた固体の塩化メチレン溶液(4ml)に氷冷下1M塩化水素−エーテル(0.2ml, 0.2mmol)を加え同温で10分撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られる残渣を塩化メチレン−酢酸エチル−エーテルから再結晶し塩酸塩を白色粉末(0.058g)として得た。
mp 200-204℃.
元素分析値 C33H33N2O3SF・HCl・0.5H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.28(3H, t, J=7.0Hz), 2.15(3H, brs), 2.86(2H, br s), 3.68(2H, q, J=7.0Hz), 3.86(3H, s), 4.21(2H, br s), 4.57(2H, s), 5.31(2H, brs), 7.00-7.69(14H, m).
FAB-Mass m/z 557(MH)+
【0144】
実施例69
5−ベンジルオキシメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン 塩酸塩
実施例25で得られた化合物2を原料に実施例68と同様にして、よう化エチルの代わりに塩化ベンジルを用い上記塩酸塩を淡黄色粉末状晶として得た(0.10g, 79%)。
mp 77-83℃.
【0145】
実施例70
4,7−ジヒドロ−5−エチルチオメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン 塩酸塩
実施例25で得られた化合物2(0.15g, 0.284mmol)の無水THF溶液(10ml)にトリブチルホスフィン(0.36ml, 1.44mmol)とジエチルジスルフィド(0.18ml, 1.46mmol)を加えた。5時間加熱還流後、更にトリブチルホスフィン(0.72ml, 2.88mmol)とジエチルジスルフィド(0.36ml, 2.92mmol)を加え3日間加熱還流を続けた。冷後、反応液を飽和食塩水(50ml)と酢酸エチル(50ml)とに分配し、水層は再度酢酸エチルで抽出(50ml)した。有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色固体(0.124 g, 76%)を得た。得られた固体の塩化メチレン溶液(3ml)に氷冷下1M塩化水素−エーテル(0.45ml, 0.45mmol)を加え同温で10分撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られる残渣を塩化メチレン−酢酸エチル−エーテルから再結晶し塩酸塩を白色粉末(0.090g)として得た。
mp 213-217℃.
元素分析値 C33H33N2O2S2F・HCl・H2Oとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.27(3H, t, J=7.4Hz), 2.23(3H, brs), 2.56(2H, q, J=7.4Hz), 3.76(2H, s), 3.79(2H, br), 3.86(3H, s), 4.25(2H, br s), 5.25(2H, s), 6.97(2H, d, J=8.6Hz), 7.12-7.39(10H, m), 7.71(2H, br s).
IR (KBr) : 3480, 2966, 1609, 1520, 1502, 1458 cm-1.
FAB-Mass m/z 573(MH)+
【0146】
実施例71
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−6−イソブチル−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソ−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)チエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
実施例49で得られた化合物5(0.10g, 0.159mmol)およびよう化銅(0.095g, 0.5mmol)の混合物に臭化イソブチルマグネシウム(0.5ml, 1mmol)を氷冷下加えた。同温度で無水THF(20ml)を加え更に1時間撹拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ酢酸エチルで抽出(50mlX3)した。有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮し、褐色油状物を得た(0.124g)。この化合物を塩化メチレン(5ml)に溶解させ、DDQ(ジクロロジシアノキノン)(0.0207g, 0.091mmol)を加え、氷冷下2時間撹拌した。反応液をクロロホルム(50ml)と水(30ml)とに分配し、水層は再度クロロホルム(50ml)で抽出した。有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮し褐色油状物を得た(0.02g, 32%)。得られた固体を酢酸エチル−nヘキサンから再結晶し黒褐色結晶を得た。
mp 135-137℃.
元素分析値 C39H41N3O4SF2・C8H2Cl2N2O2・1.4NaClとして
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.07(6H, br s), 1.23(3H, br s), 1.46(3H, t, J=6.3Hz), 2.10(1H, br s), 2.30-2.96(7H, m), 4.30-4.53(6H, m), 5.55(2H, br s), 6.94-7.90(12H, m).
IR (KBr) : 3428, 2970, 2214, 1725, 1688, 1628, 1589, 1504, 1470, 1386, 1152, 1025, 789, 748, 700 cm-1.
FAB-Mass m/z 686(MH)+.
【0147】
実施例72
5−シアノ−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オクソチエノ〔2,3−b〕ピリジン
実施例12で得られた化合物6(0.435g, 1.03mmol)およびオキシ塩化リン(0.145ml, 1.56mmol)の混合物を1時間加熱還流した。冷後、反応液をクロロホルムと炭酸水素ナトリウム水溶液とで分配し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をシシカゲルを用いたクロマトグラフィーで精製し、さらに酢酸エチル−イソプロピルエーテルより再結晶することにより淡黄色結晶(0.225g, 70%)を得た。
mp 215-216℃.
【0148】
実施例73
5−エチルスルフィニルメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン 塩酸塩
実施例71で得られた化合物(0.15g, 0.26mmol)の塩化メチレン(4ml)溶液に1M塩酸エーテル溶液(0.29ml, 0.29mmol)を氷冷下に加え、混合物を氷冷下5分間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、黄色アモルファスを得た。このアモルファスの塩化メチレン(5ml)溶液にm-クロロ過安息香酸(45mg, 0.26mmol)を10分間にわたり加えた。0℃で1.5時間撹拌した後、室温で1.5時間撹拌した。反応液をクロロホルムと炭酸水素ナトリウム水溶液とで分配した。水層を分離し、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色のシロップ(60mg, 38.9%)を得た。このシロップ(50mg, 0.085mmol)の塩化メチレン(4ml)溶液を氷冷し、1M塩酸エーテル溶液(0.13ml, 0.13mmol)を加えた。混合液を氷冷下5分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をエーテルで再結晶することにより黄色粉末(37mg, 53%)を塩酸塩として得た。
mp 216-219℃.
【0149】
実施例74
6−(アミノフェニル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
実施例40で得られた化合物17を用い、実施例60と同様にして標記化合物を、結晶性アモルファス(65%)として得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.05(3H, s), 3.56(2H, s), 3.81(2H, br s), 3.88(2H, s), 5.36(2H, s), 6.71(2H, d, J=8.7 Hz), 6.91(2H, t, J=8.7 Hz), 7.21-7.53(13H, m).
【0150】
実施例75
実施例60で得られた化合物を用い、実施例61と同様にして次ぎの化合物を製造した。
実施例75,化合物番号1:2,4(2H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニル−6−(4−プロピオニルアミノフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩(収率:86%,mp 172-175℃)
実施例75,化合物番号2:2,4(2H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−イソブチリルアミノフェニル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩(収率:77%,mp 185-188℃)
実施例75,化合物番号3:2,4(2H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−メトキシアセチルアミノフェニル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩(収率:88%,mp 157-162℃)
【0151】
実施例76
実施例8で製造した化合物(100mg),ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニールアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例77
実施例8で製造した化合物(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例78
実施例9で製造した化合物15(100mg),ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニールアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例79
実施例9で製造した化合物15(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
【0152】
実施例80
実施例21で製造した化合物3(100mg),ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニールアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例81
実施例21で製造した化合物3(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例82
実施例23で製造した化合物(100mg),ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニールアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例83
実施例23で製造した化合物(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
【0153】
実施例84
実施例56で製造した化合物(100mg)、ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニルアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例85
実施例56で製造した化合物(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例86
実施例57で製造した化合物2(100mg)、ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニルアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例87
実施例57で製造した化合物2(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例88
実施例57で製造した化合物3(100mg)、ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニルアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例89
実施例57で製造した化合物3(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例90
実施例51で製造した化合物7(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例91
実施例51で製造した化合物8(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例92
(1)実施例56で製造した化合物 5g
(2)乳糖・結晶セルロース(粒) 330g
(3)D−マンニトール 29g
(4)抵置換度ヒドロキシプロピルセルロース 20g
(5)タルク 25g
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 50g
(7)アスパルテーム 3g
(8)グリチルリチン酸二カリウム 3g
(9)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 30g
(10)酸化チタン 3.5g
(11)黄色三二酸化鉄 0.5g
(12)軽質無水ケイ酸 1g
(1)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)および(8)を精製水に懸濁あるいは溶解し、(2)の核粒にコーティングし素細粒を作製した。この素細粒上に(9)−(11)をコーティングしコーティング細粒を作り、(12)と混合して化合物KM05283細粒1%、500gを作製した。これを500mgずつ分包した。
【0154】
試験例1 125I−リュープロレリンの調製
3x10-4M リュープロレリン水溶液10μl、及び0.01mg/mlラクトパーオキシダーゼ10μlをチューブにとり、Na125I溶液を10μl(37MBq)加え、撹拌後、0.001%H2O2 10μlを加えて、室温で20分間反応させた。0.05%TFA溶液を700μl加えて反応を停止し、逆相HPLCにより精製した。HPLCの条件を以下に示す。125I−リュープロレリンは保持時間26〜27分で溶出された。
【0155】
試験例2 ラットGnRHレセプターを含有する下垂体前葉膜画分の調製
ウイスターラット(8週令、雄性)40匹から下垂体前葉を摘出し、氷冷したホモジネートバッファー{25mM Tris〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン〕−HCl}、0.3M サッカロース、1mM EGTA(グリコールエーテルジアミン四酢酸)、0.25mM PMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)、10U/ml アプロチニン、1μg/ml ペプスタチン、20μg/ml ロイペプチン、100μg/ml フォスフォラミドン、0.03% アジ化ナトリウム、pH7.5)で洗浄した。ホモジネートバッファー2mlに下垂体を浮遊させ、ポリトロンホモジナイザーを用いてホモジネートした。700xgで15分遠心し、上清を超遠心管に採取し100,000xgで1時間遠心し、膜画分の沈澱物を得た。この沈澱物に2mlのアッセイバッファー(25mM Tris−HCl、1mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、0.1% BSA(ウシ血清アルブミン)、0.25mM PMSF、1μg/ml ペプスタチン、20μg/ml ロイペプチン、100μg/ml フォスフォラミドン、0.03% アジ化ナトリウム、pH7.5)を加えて懸濁し、100,000xgで1時間遠心した。沈澱物として回収された膜画分を再び10mlのアッセイバッファーに懸濁し、分注して、−80゜Cで保存し、使用の都度解凍して用いた。
【0156】
試験例3 ヒトGnRHレセプターを含有するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞膜画分の調製
ヒトGnRHレセプター発現CHO細胞(109個)を5mM EDTAを添加したリン酸緩衝生理食塩水(PBS−EDTA)に浮遊させ、100xgで5分間遠心した。細胞のペレットに細胞用ホモジネートバッファー(10mM NaHCO3、5mM EDTA、pH7.5)を10ml加え、ポリトロンホモジナイザーを用いてホモジネートした。400xgで15分遠心し、上清を超遠心管に取り100,000xgで1時間遠心し、膜画分の沈澱物を得た。この沈澱物を2mlのアッセイバッファーに懸濁し、100,000xgで1時間遠心した。沈澱物として回収された膜画分を再び20mlのアッセイバッファーに懸濁し、分注して、−80℃で保存し、使用の都度解凍して用いた。
【0157】
試験例4 125I−リュープロレリン結合阻害率の測定
試験例2、3で調製したラットおよびヒトの膜画分をアッセイバッファーで希釈して、200μg/mlとし、チューブに188μlずつ分注した。ラット下垂体前葉膜画分を使用した場合には、60%のDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解した0.1mMの化合物2μlと、38nMの125I−リュープロレリン10μlとを同時に添加した。ヒトGnRHレセプター発現CHO細胞膜画分を使用した場合には、60%のDMSOに溶解した2mMの化合物2μlと、38nMの125I−リュープロレリン10μlとを同時に添加した。最大結合量を測定するために、60%のDMSO2μlと、38nMの125I−リュープロレリン10μlとを添加した反応液を調製した。また、非特異的結合量を測定するために、60%のDMSOに溶解した100μMのリュープロレリン2μlと、38nMの125I−リュープロレリン10μlとを添加した反応液も同時に調製した。
ラット下垂体前葉膜画分を使用した場合には4゜Cで90分反応させ、ヒトGnRHレセプター発現CHO細胞膜画分を使用した場合には25゜Cで60分反応させた。反応後、ポリエチレンイミン処理したワットマングラスフィルター(GF−F)を用いて反応液を吸引ろ過した。ろ過後、γ−カウンターを用いてろ紙上に残った125I−リュープロレリンの放射活性を測定した。
(TB−SB)/(TB−NSB)×100(SB:化合物を加えたときの放射活性、TB:最大結合放射活性、NSB:非特異結合放射活性)を計算して、各被検物質の結合阻害率(%)を求めた。また、被検物質の濃度を変化させて阻害率を求め、50%結合を阻害する被検物質の濃度(IC50値)をHillプロットより算出した。結果を〔表35〕に示した。
【表35】
【0158】
試験例5 ラット下垂体初代培養細胞のLH/FSH分泌の抑制
ウイスターラット(8週齢、雄性)40匹から摘出した下垂体前葉を、緩衡液A(0.7mM リン酸水素2ナトリウム、137mM 塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、25mM HEPES、50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン)の入ったシャーレに移した。緩衡液Aで1回洗浄した後、下垂体前葉を4個に分割しさらに2回洗浄した。洗浄後の下垂体片を酵素液I(0.4% コラーゼ、0.4% BSA(ウシ血清アルブミン)、10μg/ml デオキシリボヌクレアーゼ、0.2% グルコースを含む緩衡液A)を入れた栓付き三角フラスコに入れ、震盪しながら37℃で1時間インキュベートした、駒込ピペットで吸入、排出を繰り返して組織片を分散させた後、遠心管に移し、400xgで6分間遠心し上清を除いた。酵素液II(10% パンクレアチンを含む酵素液A)を加えて、37℃で8分間インキュベートし、2mlのFCS(ウシ胎仔血清)を加えて混和した。再び480xgで6分間遠心し上清を除去した後、10mlの培養液I(10% FCS、20mM HEPES、50U/ml ペニシリンG、50μg/ml ストレプトマイシン、3.7g/l 炭酸水素ナトリウムを含むダルベッコモディファイドイーグルメヂウム)を加え懸濁しナイロンメッシュを用いてろ過した。さらに各10mlの培養液Iで2回洗浄後、細胞を5x105個/mlとなるように培養液Iに浮遊した。細胞浮遊液を1mlずつ24穴プレートの各穴に分注し、炭酸ガス培養器中で5%CO2−95%空気、37℃の条件下に3日間培養した後、2mlの培養液II(10%FCSを含まない培養液I)で細胞を洗浄し、2mlの培養液IIを加えて1時間培養後培養液を除去し、新たに培養液IIを800μlずつ24穴プレートの各穴に加えた。次いで、0.2%(v/v)のDMSO(ジメチルスルフォキシド)水溶液に溶解した20μMの実施例9で製造した化合物15の溶液(100μl)と、5nMのGnRH100μlとを同時に添加した。化合物無添加の培養を対照として用いた。37℃で3時間培養後、培養上清500μlを回収し、1000xgで10分間遠心して、上清を集めた。上清中のLHおよびFSHの濃度を、RIA(ラジオイムノアッセイ)キット(アマーシャム社)を用いて測定した。
100−(化合物添加時のLHもしくはFSHの濃度)/(対照のLHもしくはFSHの濃度)×100を計算して、各化合物のLHもしくはFSH分泌抑制率(%)を求めた。実施例9で製造した化合物15は、LHの分泌を28±9.0%抑制し(p<0.01、n=3)、FSHの分泌を20±10%抑制した(p<0.01 ,n=3)。
以上の結果、実施例9で製造した化合物15はGnRH拮抗作用を有することが示された。
【0159】
試験例6 ラット血中テストステロンの抑制
実施例9で製造した化合物15を7.5mg/mlの濃度となるように溶液I(20%プロピレングリコール−80%生理食塩水)に溶解し、雄性SD系ラット(8週齢、n=5)に単回、皮下投与した。投与量は、体重1kgあたり30mgとした。vehicleのみを投与した動物を対照群として用いた。投与24時間後にエーテル麻酔下に頸静脈より採血し、終濃度3mg/mlのEDTA(エチレンジアミン4酢酸)と終濃度300KIU/mlのアプロチニンとを直ちに添加した。3000xgで15分間遠心し、得られた血漿中のテストステロン濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した。
100−(化合物投与群の血中テストステロン濃度)/(対照群の血中テストステロン濃度)×100を計算して、化合物のテストステロン抑制率(%)を求めた。実施例9で製造した化合物15は、38±9.7%の抑制率を示した(p<0.05)。
【0160】
試験例7 マウス血中テストステロンの抑制
実施例56で塩酸塩として得られた化合物を3.0mg/mlの濃度となるように溶液II(0.5%メチルセルロース99.5%蒸留水)に溶解し、雄性ICRマウス(10週令、n=12)に体重1kgあたり30mgの割合で1日1回3日間連続して経口投与した。Vehicleのみを投与した動物を対照群(n=15)として用いた。最終投与の24時間後にエーテル麻酔下に頸静脈より採血し、終濃度3mg/mlのEDTA(エチレンジアミン4酢酸)と終濃度300KIU/mlのアプロチニンとを直ちに添加した。3000xgで15分間遠心し、得られた血漿中のテストステロン濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した。
100−(化合物投与群の血中テストステロン濃度)/(対照群の血中テストステロン濃度)x100を計算して、化合物のテストステロン抑制率(%)を求めた。実施例56化合物(塩酸塩)は、85±9.7%の抑制率を示した(p<0.05)。
【0161】
【発明の効果】
本発明の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤は、例えばホルモン依存性疾患の予防又は治療剤として用いることができる。具体的には、例えば医薬として性ホルモン依存性ガン(例、前立腺ガン,子宮ガン,乳ガン,下垂体腫瘍等)、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、思春期早発症、無月経症候群、多房性卵巣症候群、ニキビなどの予防または治療剤として、あるいは妊娠調節剤(例、避妊剤等)、不妊症治療剤、月経調節剤として有効であり、さらに、畜産分野で、動物の発情の調節、食肉用の肉質の改善、動物の成長調節、水産分野において魚類の産卵促進剤としても有効である。
Claims (25)
- 一般式
R1及びR2はそれぞれ以下の(i)〜(vi)から選ばれ:
(i)水素、
(ii)以下の(1)〜(17)から選ばれた炭素原子を介する基:
(1)C 1−6 アルキル、
(2)C 3−6 シクロアルキル、
(3)C 1−3 アルコキシ−C 1−6 アルキル、
(4)ヒドロキシ− C1−6 アルキル、
(5)C 2−6 アルケニル、
(6)ホルミル、
(7)カルボキシル、
(8)C 1−6 アルコキシ−カルボニル、
(9)シアノ、
(10)アミド、
(11)モノ−又はジ−C 1−6 アルキルカルバモイル、
(12)アミジノ、
(13)C 6−14 アリール、
(14)C 7−20 アラルキル、
(15)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員複素環基、
(16)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員複素環基、
(17)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は3環性縮合環基、
ここで、上記(1)〜(17)は、以下の(a)〜(k)から選ばれた置換基で置換されていてもよく:(a)ヒドロキシル、アミノ、モノ−又はジ−C 1−6 アルキルアミノ、C 1−6 アルコキシ及びハロゲンから選ばれた1ないし4個で置換されていてもよいC 6−14 アリール、(b)モノ−又はジ−C 1−6 アルキルアミノ、(c)C 1−4 アシルアミノ、(d)ヒドロキシル、(e)カルボキシル、(f)ニトロ、(g)C 1−6 アルコキシ、(h)C 1−6 アルキル−カルボニルオキシ、(i)ハロゲン、(j)−NR 22 R 23 〔式中、R 22 は水素、C 1−6 アルキル、C 3−6 シクロアルキル、C 6−14 アリール、上記(15)〜(17)で定義したいずれかの環基、インダニル、又は−SOp−(pは1〜2の整数を示す)を、R 23 は水素、又はC 1−6 アルキルを示す〕、1H−1−ピロリル、1−イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、1H−1−インダゾリル、7−プリニル、1−ピロリジニル、1−ピロリニル、1−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ピラゾリニル、1−ピペリジニル、4−モルフォリニル、4−チオモルフォリニル、及び、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリルから選ばれた窒素原子を介する基、ここで、該窒素原子を介する基はそれぞれ以下の(1”)〜(52”)から選ばれた1ないし6個の置換基を有していてもよい:(1”)C 1−6 アルキル、(2”)C 2−6 アルケニル、(3”)C 2−6 アルキニル、(4”)C 3−6 シク ロアルキル、(5”)C 5−7 シクロアルケニル、(6”)C 7−11 アラルキル、(7”)C 6−14 アリール、(8”)C 1−6 アルコキシ、(9”)C 6−14 アリールオキシ、(10”)C 1−6 アルカノイル、(11”)C 6−14 アリール−カルボニル、(12”)C 1−6 アルカノイルオキシ、(13”)C 6−14 アリール−カルボニルオキシ、(14”)カルボキシル、(15”)C 1−6 アルコキシ−カルボニル、(16”)カルバモイル、(17”)N−モノ−C 1−4 アルキルカルバモイル、(18”)N,N−ジ−C 1−4 アルキルカルバモイル、(19”)1−アジリジニルカルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニル、N−メチルピペラジニルカルボニル及びモルホリノカルボニルから選ばれた環状アミノカルボニル、(20”)ハロゲン、(21”)モノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノ−C 1−4 アルキル、(22”)オキソ、(23”)アミジノ、(24”)イミノ、(25”)アミノ、(26”)モノ−又はジ−C 1−4 アルキルアミノ、(27”)酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含む3ないし6員の環状アミノ基、(28”)C 1−6 アルカノイルアミノ、(29”)ベンズアミド、(30”)カルバモイルアミノ、(31”)N−C 1−4 アルキルカルバモイルアミノ、(32”)N,N−ジ−C 1−4 アルキルカルバモイルアミノ、(33”)C 1−3 アルキレンジオキシ、(34”)−B(OH) 2 、(35”)ヒドロキシル、(36”)エポキシ、(37”)ニトロ、(38”)シアノ、(39”)メルカプト、(40”)スルホ、(41”)スルフィノ、(42”)ホスホノ、(43”)ジヒドロキシボリール、(44”)スルファモイル、(45”)C 1−6 アルキルスルファモイル、(46”)ジ−C 1−6 アルキルスルファモイル、(47”)C 1−6 アルキルチオ、(48”)フェニルチオ、(49”)C 1−6 アルキルスルフィニル、(50”)フェニルスルフィニル、(51”)C 1−6 アルキルスルホニル、及び(52”)フェニルスルホニル;及び(k)ベンジル、エトキシカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ、フタルイミド、ベンズヒドリルアミノ、N−フェニル−N−ベンジルアミノ、N−ベンジル−N−メチルアミノ、メトキシベンジルアミノ、メチルベンジルアミノ、ジメトキシベンジルアミノ、N−ベンジル−N−ジメチルアンモニウム、N−メチル−N−(2,3,4−トリメトキシベンジル)アミノ、N−メチル−N−(N−メチルインドール−3−イル)エチルアミノ、N−メチル−N−フェニルプロピルアミノ、N−メチル−N−(2−チオメチルベンジル)アミノ、N−メチル−N−(3,5−トリフルオロメチルベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2,6−ジクロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−ニトロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−クロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(3−クロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(4−クロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−フルオロベンジル)アミノ、ジベンジルアミノ、N−ヒドロキシエチル−N−ベンジルアミノ、N−エトキシカルボニルエチル−N−ベンジルアミノ、N−ベンジル−N−アセトアミド、N−プロピル−N−ベンジルアミノ、N−ベンジル−N−フェネチルアミノ、N−メチル−N−(3−ニトロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(4−ニトロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−フェニルベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−メトキシベンジル)アミノ、−NR 40 R 41 (ここで、R 40 は、2−メチルベンジル、3−メトキシベンジル、4−メトキシベンジル、2,3−ジメトキシベンジル、2−ブロモベンジル、フェネチル、2−メトキシフェネチル、2’−シアノビフェニル−4−メチル、フェニルカルバモイル、3−フェニル−2−プロペニル、アリル、3−ピリジルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、α−メチルベンジル、2−ヒドロキシベンジル、2−メトキシカルボニルベンジル、2−トリフルオロメチルベンジル、又は2−テニルであり、R 41 は、メチル又はエチルである)、N−メチル−N−ベンジルアミノ、ベンゾイルアミノ、4−メタンスルフィンアミド、シアノ、エトキシカルボニル、N’−メチルチオウレイド、2−メトキシプロピオニルアミノ、バレリルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、N’−フェニルウレイド、エタンスルホンアミド、N,N’−ジメチルウレイド、N’−イソプロピルウレイド、ピロリジンカルボキシアミド、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボキサミド、 4−ニトロベンジルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシメトキシ、エチルアミノカルボキシ、ジエチルアミノカルボキシ、プロピルアミノカルボキシ、及びアリルアミノカルボキシから選ばれた基、
(iii)上記(ii)で定義した窒素原子を介する基、
(iv)以下の(a)〜(h)から選ばれた酸素原子を介する基:
(a)ヒドロキシル、
(b)C 1−6 アルコキシ、
(c)C 3−6 シクロアルコキシ、
(d)C 6−14 アリールオキシ、
(e)C 7−11 アラルキルオキシ、
(f)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員複素環基によって置換されたオキシ、
(g)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員複素環基によって置換されたオキシ、及び
(h)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は3環性縮合環基によって置換されたオキシ、
ここで、上記(b)〜(h)は、上記(ii)で定義した置換基(1”)〜(52”)から選ばれた1ないし6個の置換基を有していてもよい、
(v)以下の(a)〜(h)から選ばれた硫黄原子を介する基:
(a)メルカプト、
(b)C 1−6 アルキルチオ、
(c)C 3−6 シクロアルキルチオ、
(d)C 6−14 アリールチオ、
(e)C 7−20 アラルキルチオ、
(f)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員複素環基で置換されたチオ、
(g)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員複素環基で置換されたチオ、
(h)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は3環性縮合環基によって置換されたチオ、
ここで、上記(b)〜(h)はそれぞれ、上記(ii)で定義した置換基(1”)〜(52”)から選ばれた1ないし6個の置換基を有していてもよい、
(vi)臭素、
R3は以下の(i)〜(iv)から選ばれ:
(i)置換基を有していてもよい炭素原子のみからなる3ないし7員の環状炭化水素、ここで、該置換基は、C 1−6 アルコキシ、C 1−15 アルキル、C 1−6 アルキルチオ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アセトキシ、シアノフェニル、ブトキシカルボニルフェニル、フェニルビニル、フルオロベンジル、又はトリフルオロメチルである、
(ii)ナフチル、
(iii)スチリル、
(iv)C 1−6 アルキルを置換基として有していてもよい、炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし6員複素環基、
R4は以下の(i)〜(xi)から選ばれ:
(i)水素、
(ii)ホルミル基、
(iii)シアノ基、
(iv)エステル基として以下の(1)〜(7)から選ばれた基を有するエステル化されたカルボキシル基:
(1)C 1−6 アルキル、
(2)C 3−6 シクロアルキル、
(3)C 6−14 アリール、
(4)C 7−20 アラルキル、
(5)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員複素環基、
(6)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員複素環基、
(7)炭素原子に結合手を有し、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は3環性縮合環基、
(v)−CONR 22 R 23 (式中、R 22 及びR 23 は、上記で定義したとおりである)で表されるアミド化されたカルボキシル基、
(vi)−CONR 38 R 39 (式中、R 38 はメチルであり、R 39 はメトキシである)
(vii)−COR 42 (式中、R 42 は、N’−ベンジルピペラジノ、又はピペリジノである)
(viii)硫黄原子を介する基(C 1−6 アルキルチオ)もしくは置換されていてもよい水酸基で置換されたC 1−7 アルキル基、ここで、水酸基の置換基は、ハロゲン、C 6−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロから選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC 1−6 アルキル;ハロゲン、C 1−6 アルキル、C 1−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロから選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC 6−10 アリール;ハロゲン、C 1−6 アルキル、C 6−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロから選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC 7−12 アラルキル;ホルミル、ハロゲン、C 1−6 アルキル、C 6−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいC 1−6 アルキル−カルボニル;ハロゲン、C 1−6 アルキル、C 6−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロから選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC 6−10 アリールオキシ−カルボニル;ハロゲン、C 1−6 アルキル、C 6−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロから選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC 6−10 アリール−カルボニル;ハロゲン、C 1−6 アルキル、C 6−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロ等から選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいC 7−12 アラルキル−カルボニル;ハロゲン、C 1−6 アルキル、C 6−10 アリール、C 7−12 アラルキル及びニトロから選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよいピラニル又はフラニル;あるいはトリ(C 1−4 アルキル)シリルである、
(ix)−CH(OH)R’(式中、R’は、フェニル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、4−フルオロフェニル、ベンジル)
(x)C 1−8 アルキル、C 3−6 シクロアルキル、C 1−3 アルコキシC 1−6 アルキル、C 2−6 アルケニル、C 6−14 アリール、C 7−20 アラルキルから選ばれた炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基、ここで、該炭化水素残基は、R 1 及びR 2 の定義中の(a)〜(k)で定義した置換基で置換されていてもよい
(xi)N’,N’−ジメチルアミノ−1,3−プロピルアミノカルボニル及びエチルスルフィニルメチルから選ばれた基、
R5は水素又は上記で定義した炭素原子を介する基を示し、
nは0〜3の整数を示す。〕
で表される化合物又はその塩。 - R 3 が、置換基を有していてもよいフェニルであり、ここで、該置換基は、C 1−6 アルコキシ、C 1−15 アルキル、C 1−6 アルキルチオ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アセトキシ、シアノフェニル、ブトキシカルボニルフェニル、フェニルビニル、フルオロベンジル、又はトリフルオロメチルである、請求項1記載の化合物。
- R1又はR2の一方が一般式
R9−(CH2)m−
〔式中、R9は請求項1で定義した窒素原子を介する基を、mは0〜3の整数を示す〕で表される基で、他方が一般式
R10−A−
〔式中、
R10は置換されていてもよいフェニル基であり、ここで、置換基は、ハロゲン、ハロゲンで1ないし3個置換されていてもよいC 1−8 アルキル、ハロゲンで1ないし3個置換されていてもよいC 1−8 アルコキシ、ハロゲンで1ないし3個置換されていてもよいC 1−8 アルキルチオ、C 1−6 アラルキルオキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、C 1−6 アルコキシ−カルボニル、シアノ、ニトロ、アミド、モノ−又はジ−C 1−6 アルキルカルバモイルであり、
Aは、化学結合、C 1−4 アルキレン、C 1−6 アルケニレン、−(CH 2 )cNR 24 −〔式中、cは0〜3の整数を、R 24 は水素又はC 1−6 アルキルを示す〕で表される基、−CO−、−CONR 22 −(式中、R 22 は請求項1と同意義を有する)で表される基、−O−、−S−、又は−NR 22 S(O)e−(式中、eは0〜2の整数を示し、R 22 は請求項1と同意義を有する)で表される基を示す〕で表される基である請求項2記載の化合物。 - 一般式
R 1 は、以下の(a)〜(c)から選ばれた置換基で置換されていてもよいC 1−6 アルキル又はC 6−14 アリールであり:(a)ヒドロキシル、(b)ハロゲン、及び(c)−NR 22 R 23 〔式中、R 22 は水素、C 1−6 アルキル、C 6−14 アリール、インダニルを、R 23 は水素、又はC 1−6 アルキルを示す〕、1−イミダゾリル、ピペラジニル、1−ピペリジニル、及び、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリルから選ばれた窒素原子を介する基、ここで、該窒素原子を介する基はそれぞれ以下から選ばれた1ないし6個の置換基を有していてもよい:C 1−6 アルキル、C 6−14 アリール、エトキシカルボニル、フタルイミド、メトキシベンジルアミノ、メチルベンジルアミノ、ジメトキシベンジルアミノ、N−ベンジル−N−ジメチルアンモニウム、N−メチル−N−(2,3,4−トリメトキシベンジル)アミノ、N−メチル−N−(N−メチルインドール−3−イル)エチルアミノ、N−メチル−N−フェニルプロピルアミノ、N−メチル−N−(2−チオメチルベンジル)アミノ、N−メチル−N−(3,5−トリフルオロメチルベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2,6−ジクロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−ニトロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−クロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(3−クロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(4−クロロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−フルオロベンジル)アミノ、N−ヒドロキシエチル−N−ベンジルアミノ、N−エトキシカルボニルエチル−N−ベンジルアミノ、N−ベンジル−N−アセトアミド、N−メチル−N−(3−ニトロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(4−ニトロベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−フェニルベンジル)アミノ、N−メチル−N−(2−メトキシベンジル)アミノ、−NR 40 R 41 (ここで、R 40 は、2−メチルベンジル、3−メトキシベンジル、4−メトキシベンジル、2,3−ジメトキシベンジル、2−ブロモベンジル、2−メトキシフェネチル、2’−シアノビフェニル−4−メチル、フェニルカルバモイル、3−フェニル−2−プロペニル、アリル、3−ピリジルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、α−メチルベンジル、2−ヒドロキシベンジル、2−メトキシカルボニルベンジル、2−トリフルオロメチルベ ンジル、又は2−テニルであり、R 41 は、メチル又はエチルである)、及びシアノ、
R 2 は、臭素、あるいは、以下の(a)〜(i)から選ばれた置換基で置換されていてもよいC 1−6 アルキル、ホルミル又はC 6−14 アリールであり:(a)C 6−14 アリール、(b)モノ−又はジ−C 1−6 アルキルアミノ、(c)C 1−4 アシルアミノ、(d)ヒドロキシル、(e)ニトロ、(f)C 1−6 アルコキシ、(g)ハロゲン、及び(h)−NR 22 R 23 〔式中、R 22 は水素、C 1−6 アルキルを、R 23 は水素、又はC 1−6 アルキルを示す〕で示される窒素原子を介する基、ここで、該窒素原子を介する基はそれぞれC 6−14 アリール及びC 1−6 アルカノイルから選ばれた1ないし6個の置換基を有していてもよい;(i)ベンジル、エトキシカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ベンゾイルアミノ、メタンスルフィンアミド、N’−メチルウレイド、N’−メチルチオウレイド、2−メトキシプロピオニルアミノ、バレリルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、N’−フェニルウレイド、エタンスルホンアミド、N,N’−ジメチルウレイド、N’−イソプロピルウレイド、ピロリジンカルボキシアミド、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボキサミド、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシメトキシ、エチルアミノカルボキシ、ジエチルアミノカルボキシ、プロピルアミノカルボキシ、及び、アリルアミノカルボキシから選ばれた基、
R 3 は、以下の(i)〜(iv)から選ばれ:
(i)置換基を有していてもよい炭素原子のみからなる3ないし7員の環状炭化水素、ここで、該置換基は、C 1−6 アルコキシ、C 1−15 アルキル、C 1−6 アルキルチオ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アセトキシ、シアノフェニル、ブトキシカルボニルフェニル、フェニルビニル、フルオロベンジル、又はトリフルオロメチルである、
(ii)ナフチル、
(iii)スチリル、
(iv)C 1−6 アルキルを置換基として有していてもよい、炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし6員複素環基、
R 4 は、以下の(i)〜(xi)から選ばれ:
(i)水素、
(ii)ホルミル基、
(iii)シアノ基、
(iv)エステル基としてC 1−6 アルキルを有するエステル化されたカルボキシル基、
(v)−CONR 22 R 23 (式中、R 22 は、R 1 及びR 2 の定義中で定義したR 22 、R 23 は、R 1 及びR 2 の定義中で定義したR 23 と同意義である)で表されるアミド化されたカルボキシル基、
(vi)−CONR 38 R 39 (式中、R 38 はメチルであり、R 39 はメトキシである)
(vii)−COR 42 (式中、R 42 は、N’−ベンジルピペラジノ、又はピペリジノである)
(viii)C 1−6 アルキルチオもしくは置換されていてもよい水酸基で置換されたC 1−7 アルキル基であり、ここで、水酸基の置換基は、1ないし4個の置換基C 6−10 アリールを有していてもよいC 1−6 アルキル、又はC 1−6 アルキル−カルボニルであり、
(ix)−CH(OH)R’(式中、R’は、フェニル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、4−フルオロフェニル、ベンジル)
(x)C 1−8 アルキル及びC 6−14 アリールから選ばれた炭化水素残基で置換されていてもよいカルボニル基であり、ここで、該炭化水素残基は、ハロゲンで置換されていてもよい
(xi)N’,N’−ジメチルアミノ−1,3−プロピルアミノカルボニル及びエチルスルフィニルメチルから選ばれた基、
R 5 は水素又はC 1−6 アルキルを示し、
nは0〜3の整数を示す。〕
で表される化合物又はその塩。 - R 1 が、−NR 22 R 23 〔式中、R 22 及びR 23 は水素又はC 6−14 アリールで置換されていてもよいC 1−6 アルキルを示す〕で置換されていてもよいC 1−6 アルキルを示し、R 2 が、置換されていてもよいC 6−14 アリールを示し、ここで、C 6−14 アリールの置換基はC 1−6 アルコキシ又はC 1−4 アシルアミノであり、R 3 が、置換基を有していてもよいフェニルであり、ここで、フェニルの置換基は、C 1−6 アルコキシ又はハロゲンであり、R 5 が水素である、請求項4記載の化合物。
- R 1 が、−NR 22 R 23 〔式中、R 22 及びR 23 は水素又はC 6−14 アリールで置換されていてもよいC 1−6 アルキルを示す〕で置換されていてもよいC 1−6 アルキルを示し、R 2 が、置換されていてもよいC 6−14 アリールを示し、ここで、C 6−14 アリールの置換基はC 1−6 アルコキシ又はC 1−4 アシルアミノであり、R 3 が、置換基を有していてもよいフェニルであり、ここで、フェニルの置換基は、C 1−6 アルコキシ又はハロゲンであり、R 4 が、エステル基としてC 1−6 アルキルを有するエステル化されたカルボキシル基、C 6−14 アリールで置換されていてもよいカルボニル基であり、R 5 が水素である、請求項4記載の化合物。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−アセチルアミノフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−5−ベンゾイル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−イソプロピル)カルボキサミド又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−イソプロピル−N−メチル)カルボキサミド又はその塩。
- 化合物3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−N’−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ〔2,3−b〕ピリジン−5−(N−ベンジル−N−メチル)カルボキサミド又はその塩。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を含有してなる性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤。
- 性ホルモン依存性疾病の予防又は治療剤である請求項18記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤。
- 性ホルモン依存性ガン、前立腺肥大症又は子宮筋腫の予防又は治療剤である請求項18記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤。
- 性ホルモン依存性ガンが前立腺ガン、子宮ガン、乳ガン、下垂体腫瘍である請求項20記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤。
- 性ホルモン依存性疾病が前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、思春期早発症である請求項19記載の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を含有してなる妊娠調節剤。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を含有してなる月経周期調節剤。
- 避妊用である請求項23記載の妊娠調節剤。
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