JP2002326808A - 炭素質物質の製造方法及び該製造方法により得られた炭素質物質 - Google Patents
炭素質物質の製造方法及び該製造方法により得られた炭素質物質Info
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- JP2002326808A JP2002326808A JP2001136426A JP2001136426A JP2002326808A JP 2002326808 A JP2002326808 A JP 2002326808A JP 2001136426 A JP2001136426 A JP 2001136426A JP 2001136426 A JP2001136426 A JP 2001136426A JP 2002326808 A JP2002326808 A JP 2002326808A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 PVA系炭素質物質を高収率かつ工業的に有
利な方法で得ることのできる炭素質物質の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 PVA系樹脂又はその成形物に熱処理
(前熱処理)を施した後、さらに金属ルイス酸の存在下
で熱処理(後熱処理)する。
利な方法で得ることのできる炭素質物質の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 PVA系樹脂又はその成形物に熱処理
(前熱処理)を施した後、さらに金属ルイス酸の存在下
で熱処理(後熱処理)する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素質物質の製造
方法及び該製造方法により得られた炭素質物質に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、ポリビニルアルコール
系樹脂又はその成形物に熱処理(前熱処理)を施した
後、さらに金属ルイス酸の存在下で熱処理(後熱処理)
する炭素質物質の製造方法及び該製造方法により得られ
た炭素質物質に関する。本発明の炭素質物質及び該炭素
質物質を賦活して得られる活性炭は、各種電極材料、断
熱材料、吸着材料、防炎材料などに好適に使用される。
方法及び該製造方法により得られた炭素質物質に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、ポリビニルアルコール
系樹脂又はその成形物に熱処理(前熱処理)を施した
後、さらに金属ルイス酸の存在下で熱処理(後熱処理)
する炭素質物質の製造方法及び該製造方法により得られ
た炭素質物質に関する。本発明の炭素質物質及び該炭素
質物質を賦活して得られる活性炭は、各種電極材料、断
熱材料、吸着材料、防炎材料などに好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール系樹脂もし
くはPVA系繊維を原料とした炭素繊維、又はこれらを
賦活した活性炭に関して多くの報告がなされている(以
下、ポリビニルアルコールをPVAと略す)。例えば、
PVA系繊維を原料とした炭素繊維の製法が、特開昭4
8−1423、同48−39724、同48−4104
1、同48−41042、同49−13430、同49
−24897、同50−35431、同50−5232
0、同50−52321、同51−38525、同52
−40622号各公報に記載されており、それらの要旨
は、脱水触媒を塗布又は含浸せしめたPVA系繊維を酸
化性ガスの雰囲気下180℃〜300℃で熱処理して炭
化し、必要であれば更に高温で処理してグラファイト化
を促進し、力学的物性を向上せしめる方法である。
くはPVA系繊維を原料とした炭素繊維、又はこれらを
賦活した活性炭に関して多くの報告がなされている(以
下、ポリビニルアルコールをPVAと略す)。例えば、
PVA系繊維を原料とした炭素繊維の製法が、特開昭4
8−1423、同48−39724、同48−4104
1、同48−41042、同49−13430、同49
−24897、同50−35431、同50−5232
0、同50−52321、同51−38525、同52
−40622号各公報に記載されており、それらの要旨
は、脱水触媒を塗布又は含浸せしめたPVA系繊維を酸
化性ガスの雰囲気下180℃〜300℃で熱処理して炭
化し、必要であれば更に高温で処理してグラファイト化
を促進し、力学的物性を向上せしめる方法である。
【0003】このうち、特開昭48−1423号及び同
48−41041号公報に開示された製造法では、炭素
繊維を製造するときに、原料PVAに混合して使用され
るポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンの分解に由来す
る大量の塩酸ガスが発生し、装置腐食等の問題が生じる
ことは容易に想像することができる。同様に、特開昭4
8−41042号公報に開示されている製造法について
も、付加反応に大量に使用する塩素又は臭素が装置腐食
の原因となり得るため、工業的に製造することは非常に
困難である。そして、上記何れの場合も、炭素繊維製造
時に大量の塩素が発生し、これが、近年、環境ホルモン
として大きな問題となっているダイオキシンの原因とな
り得ることも、工業化を妨げる大きな原因の一つとなっ
ていることは想像に難くない。
48−41041号公報に開示された製造法では、炭素
繊維を製造するときに、原料PVAに混合して使用され
るポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンの分解に由来す
る大量の塩酸ガスが発生し、装置腐食等の問題が生じる
ことは容易に想像することができる。同様に、特開昭4
8−41042号公報に開示されている製造法について
も、付加反応に大量に使用する塩素又は臭素が装置腐食
の原因となり得るため、工業的に製造することは非常に
困難である。そして、上記何れの場合も、炭素繊維製造
時に大量の塩素が発生し、これが、近年、環境ホルモン
として大きな問題となっているダイオキシンの原因とな
り得ることも、工業化を妨げる大きな原因の一つとなっ
ていることは想像に難くない。
【0004】特開昭49−13430号公報には、PV
A系繊維を疎水性有機溶剤で前処理した後炭素化する手
法が報告されているが、有機溶剤を使用するため防爆設
備が必要となるなど工程が煩雑となり、同公報で効果が
高いとされている含ハロゲン溶剤に関しては、近年、環
境への配慮から工業的に使用困難となっていることは周
知の事実である。また、特開昭51−38525号公報
には、PVA系繊維を膨潤させた状態で放射線処理した
後、焼成する炭素繊維の製造方法が提案されているが、
装置的にも処方的にも煩雑であり、しかも安全面から放
射線遮断設備が必須であるなど、到底工業的な製造方法
であるとはいい難い。
A系繊維を疎水性有機溶剤で前処理した後炭素化する手
法が報告されているが、有機溶剤を使用するため防爆設
備が必要となるなど工程が煩雑となり、同公報で効果が
高いとされている含ハロゲン溶剤に関しては、近年、環
境への配慮から工業的に使用困難となっていることは周
知の事実である。また、特開昭51−38525号公報
には、PVA系繊維を膨潤させた状態で放射線処理した
後、焼成する炭素繊維の製造方法が提案されているが、
装置的にも処方的にも煩雑であり、しかも安全面から放
射線遮断設備が必須であるなど、到底工業的な製造方法
であるとはいい難い。
【0005】特開昭49−24897号公報には、硫酸
水素ナトリウム又は硫酸水素カリウムを含有せしめたP
VA系繊維を酸化性ガス雰囲気にて220℃以下の温度
で加熱した後、非酸化性ガス雰囲気下で焼成し、100
0℃程度で炭素質製品を、2000℃程度で黒鉛質製品
とするPVA系炭素製品の製造法が記載されている。し
かしながら、この製造法を追試してみると、220℃以
下の温度で脱水処理して得られた繊維を、同公報で開示
されているような高温でいきなり焼成処理すると、焼成
処理時に目的とする炭化反応だけではなく、副反応であ
る熱分解反応が激しく進行し、結果として得られる炭素
繊維の重量収率が大きく低下することが判明した。
水素ナトリウム又は硫酸水素カリウムを含有せしめたP
VA系繊維を酸化性ガス雰囲気にて220℃以下の温度
で加熱した後、非酸化性ガス雰囲気下で焼成し、100
0℃程度で炭素質製品を、2000℃程度で黒鉛質製品
とするPVA系炭素製品の製造法が記載されている。し
かしながら、この製造法を追試してみると、220℃以
下の温度で脱水処理して得られた繊維を、同公報で開示
されているような高温でいきなり焼成処理すると、焼成
処理時に目的とする炭化反応だけではなく、副反応であ
る熱分解反応が激しく進行し、結果として得られる炭素
繊維の重量収率が大きく低下することが判明した。
【0006】特開昭48−39724号公報には、PV
A系炭素繊維の原料として高重合度PVA繊維を用いる
ことが提案されているが、これについて詳細に検討して
みると、炭素繊維に代表される炭素質製品の収率は、脱
水及び炭化反応の制御によって主として決定されるので
あり、重合度による影響はこれに比べると非常に小さい
ことが明らかとなった。
A系炭素繊維の原料として高重合度PVA繊維を用いる
ことが提案されているが、これについて詳細に検討して
みると、炭素繊維に代表される炭素質製品の収率は、脱
水及び炭化反応の制御によって主として決定されるので
あり、重合度による影響はこれに比べると非常に小さい
ことが明らかとなった。
【0007】特開昭50−35431、同50−523
20、同50−52321号各公報には、PVA系炭素
繊維を製造する際に、炭素化又は黒鉛化処理に先立って
特定の加熱脱水処理条件及び加熱処理条件を採用するこ
とが提案されている。そして、これらいずれの提案にお
いても、20〜35重量%脱水させた繊維が直接、炭素
化又は黒鉛化処理に必要な温度領域での熱処理に供され
ているが、この点についてさらに詳細に検討したとこ
ろ、この程度の脱水率では炭素化又は黒鉛化処理時の熱
に耐え得るのに必要な炭化反応が十分ではなく、目的と
する炭素化又は黒鉛化反応とは別に、副反応である熱分
解反応が併発し、その結果、最終的に得られる炭素繊維
の重量収率低下を引き起こすことが明らかとなった。
20、同50−52321号各公報には、PVA系炭素
繊維を製造する際に、炭素化又は黒鉛化処理に先立って
特定の加熱脱水処理条件及び加熱処理条件を採用するこ
とが提案されている。そして、これらいずれの提案にお
いても、20〜35重量%脱水させた繊維が直接、炭素
化又は黒鉛化処理に必要な温度領域での熱処理に供され
ているが、この点についてさらに詳細に検討したとこ
ろ、この程度の脱水率では炭素化又は黒鉛化処理時の熱
に耐え得るのに必要な炭化反応が十分ではなく、目的と
する炭素化又は黒鉛化反応とは別に、副反応である熱分
解反応が併発し、その結果、最終的に得られる炭素繊維
の重量収率低下を引き起こすことが明らかとなった。
【0008】さらに、特開昭52−40622号公報に
は、原繊維を、空気中、100〜300℃の温度にて耐
炎化処理して得られる高分子前駆体を活性雰囲気中で高
濃度で短時間熱処理する方法が報告されているが、高分
子前駆体の重量収率、さらには最終的に得られる炭素繊
維の重量収率に大きな影響を与える耐炎化処理の詳しい
条件については殆ど言及されていない。さらに、最終的
に得られる炭素繊維の重量収率についても言及されてい
ないが、活性雰囲気中で熱処理するため分解反応等の副
反応が併発し、その結果、炭素繊維の重量収率が低下す
ることは自明である。
は、原繊維を、空気中、100〜300℃の温度にて耐
炎化処理して得られる高分子前駆体を活性雰囲気中で高
濃度で短時間熱処理する方法が報告されているが、高分
子前駆体の重量収率、さらには最終的に得られる炭素繊
維の重量収率に大きな影響を与える耐炎化処理の詳しい
条件については殆ど言及されていない。さらに、最終的
に得られる炭素繊維の重量収率についても言及されてい
ないが、活性雰囲気中で熱処理するため分解反応等の副
反応が併発し、その結果、炭素繊維の重量収率が低下す
ることは自明である。
【0009】以上述べたように、PVAを原料とした炭
素繊維に関する報告は多くなされているにも関わらず、
現在のところ工業化には至っていない。これは、前記し
たように、工程が煩雑であること、安全性の問題がある
こと、最終的に得られる炭素繊維の重量収率が低いこと
などの問題に起因することが容易に推察される。
素繊維に関する報告は多くなされているにも関わらず、
現在のところ工業化には至っていない。これは、前記し
たように、工程が煩雑であること、安全性の問題がある
こと、最終的に得られる炭素繊維の重量収率が低いこと
などの問題に起因することが容易に推察される。
【0010】一方、特開昭53−37594、同53−
45685号各公報に、PVA系樹脂を原料とした活性
炭などの製法が開示されており、その要旨は、PVA系
樹脂を濃硫酸中で加熱処理した後に賦活又は適当なガス
中で熱処理する方法である。しかしながら、この方法は
濃硫酸、発煙硫酸といった強酸を大量に用いて処理する
ため危険であり、実際の工業化はかなり困難である。
45685号各公報に、PVA系樹脂を原料とした活性
炭などの製法が開示されており、その要旨は、PVA系
樹脂を濃硫酸中で加熱処理した後に賦活又は適当なガス
中で熱処理する方法である。しかしながら、この方法は
濃硫酸、発煙硫酸といった強酸を大量に用いて処理する
ため危険であり、実際の工業化はかなり困難である。
【0011】また、PVA系繊維を原料とした繊維状活
性炭の製法が、特開昭53−114925、同59−1
87624、同61−47827号各公報に開示されて
おり、その要旨は、PVA系繊維に脱水触媒を塗布又は
含浸せしめて熱処理した後、賦活する方法である。この
うち、特開昭53−114925号公報には、脱水反応
促進剤としてのリン酸アンモニウム化合物をPVA系繊
維に対して3〜15%添加して調製した紡糸原液を乾式
紡糸して得た原料繊維を、180〜340℃で重量収率
が65〜85%になるまで加熱脱水処理した後、賦活す
る繊維状活性炭の製造法が開示されている。しかしなが
ら、これを詳細に検討したところ、加熱脱水処理した繊
維を直接賦活処理に供すると、副反応である熱分解反応
に起因する重量減少が激しく、結果的に活性炭としての
重量収率が低くなることが判明した。
性炭の製法が、特開昭53−114925、同59−1
87624、同61−47827号各公報に開示されて
おり、その要旨は、PVA系繊維に脱水触媒を塗布又は
含浸せしめて熱処理した後、賦活する方法である。この
うち、特開昭53−114925号公報には、脱水反応
促進剤としてのリン酸アンモニウム化合物をPVA系繊
維に対して3〜15%添加して調製した紡糸原液を乾式
紡糸して得た原料繊維を、180〜340℃で重量収率
が65〜85%になるまで加熱脱水処理した後、賦活す
る繊維状活性炭の製造法が開示されている。しかしなが
ら、これを詳細に検討したところ、加熱脱水処理した繊
維を直接賦活処理に供すると、副反応である熱分解反応
に起因する重量減少が激しく、結果的に活性炭としての
重量収率が低くなることが判明した。
【0012】特開昭59−187624号公報には、脱
水剤を付着又は含有したPVA系繊維を重量減少が35
%以上になるまで加熱し、脱水と炭化反応を行なわせて
得た炭素質繊維を高温急速賦活する繊維状活性炭の製造
法が開示されている。しかしながら、これについて詳細
に検討してみると、炭化反応時の重量低下に伴って不可
避の副反応である熱分解反応が起こり、その結果、最終
的に活性炭の重量収率が低下することが判明した。
水剤を付着又は含有したPVA系繊維を重量減少が35
%以上になるまで加熱し、脱水と炭化反応を行なわせて
得た炭素質繊維を高温急速賦活する繊維状活性炭の製造
法が開示されている。しかしながら、これについて詳細
に検討してみると、炭化反応時の重量低下に伴って不可
避の副反応である熱分解反応が起こり、その結果、最終
的に活性炭の重量収率が低下することが判明した。
【0013】特開昭61−47827号公報には、PV
A系繊維表層に脱水剤を付着させた後、黒褐色又は黒色
になるまで熱処理し、さらに400〜1000℃まで5
分以内で昇温して乾留して賦活する中空状繊維状活性炭
の製造方法が開示されている。しかしながら、同公報で
は、炭素質物質の重量収率を向上させるための炭化反応
条件に関しては何ら言及されておらず、そもそも繊維中
心層を溶融除去して中空状にしているため、活性炭とし
ての総合収率は低いという問題点がある。
A系繊維表層に脱水剤を付着させた後、黒褐色又は黒色
になるまで熱処理し、さらに400〜1000℃まで5
分以内で昇温して乾留して賦活する中空状繊維状活性炭
の製造方法が開示されている。しかしながら、同公報で
は、炭素質物質の重量収率を向上させるための炭化反応
条件に関しては何ら言及されておらず、そもそも繊維中
心層を溶融除去して中空状にしているため、活性炭とし
ての総合収率は低いという問題点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、PVAを
原料とした炭素繊維又は活性炭に関する報告は多くなさ
れているが、上述したように、工程が煩雑、低収率など
の問題があり、PVAを原料とした炭素繊維又は活性炭
は未だ工業化されていないのが現状である。したがっ
て、本発明の目的は、収率が高く、かつ工業的に有利な
PVA系樹脂を原料とした炭素質物質の製造方法を提供
することにあり、また、該製造方法により得られる炭素
質物質を提供することにある。
原料とした炭素繊維又は活性炭に関する報告は多くなさ
れているが、上述したように、工程が煩雑、低収率など
の問題があり、PVAを原料とした炭素繊維又は活性炭
は未だ工業化されていないのが現状である。したがっ
て、本発明の目的は、収率が高く、かつ工業的に有利な
PVA系樹脂を原料とした炭素質物質の製造方法を提供
することにあり、また、該製造方法により得られる炭素
質物質を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PVA系
の炭素質物質を収率よく製造するには、従来報告されて
いるような脱水反応の制御だけでは不十分であり、炭素
の重量は保持したまま、炭素質物質もしくは炭素繊維、
又は活性炭としては不要な水分、酸素分、水素分を効率
よく除去するように炭化反応を行なうことが非常に重要
であることに着目して鋭意検討を重ねた結果、本発明に
到達した。
の炭素質物質を収率よく製造するには、従来報告されて
いるような脱水反応の制御だけでは不十分であり、炭素
の重量は保持したまま、炭素質物質もしくは炭素繊維、
又は活性炭としては不要な水分、酸素分、水素分を効率
よく除去するように炭化反応を行なうことが非常に重要
であることに着目して鋭意検討を重ねた結果、本発明に
到達した。
【0016】すなわち、本発明は、PVA系樹脂又はそ
の成形物に熱処理(前熱処理)を施した後、さらに金属
ルイス酸の存在下で熱処理(後熱処理)することを特徴
とする炭素質物質の製造方法である。本発明のもう一つ
の発明は、このような製造方法により得られた炭素質物
質である。そして、本発明のさらにもう一つの発明は、
このような炭素質物質を賦活して得た活性炭である。
の成形物に熱処理(前熱処理)を施した後、さらに金属
ルイス酸の存在下で熱処理(後熱処理)することを特徴
とする炭素質物質の製造方法である。本発明のもう一つ
の発明は、このような製造方法により得られた炭素質物
質である。そして、本発明のさらにもう一つの発明は、
このような炭素質物質を賦活して得た活性炭である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に使用するPVA系樹脂
は、通常PVAの製造に使用されるポリ酢酸ビニル又は
その共重合体をケン化して得られるものである。また、
ピバリン酸ビニル、蟻酸ビニルのごとき側鎖の嵩高いビ
ニルエステルもしくは極性の高いビニルエステル、又は
t−ブチルビニルエーテルやトリメチルシリルビニルエ
ーテル、ベンジルビニルエーテルのごときビニルエーテ
ルの単独重合体あるいは共重合体の分解によって得られ
るものでもよい。
は、通常PVAの製造に使用されるポリ酢酸ビニル又は
その共重合体をケン化して得られるものである。また、
ピバリン酸ビニル、蟻酸ビニルのごとき側鎖の嵩高いビ
ニルエステルもしくは極性の高いビニルエステル、又は
t−ブチルビニルエーテルやトリメチルシリルビニルエ
ーテル、ベンジルビニルエーテルのごときビニルエーテ
ルの単独重合体あるいは共重合体の分解によって得られ
るものでもよい。
【0018】ここで、共重合体のコモノマー単位は、ケ
ン化又は分解によってビニルアルコール単位を生成する
単位とそれ以外の単位とに分けることができるが、後者
のコモノマー単位は、主として変性を目的に共重合され
るものであり、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用さ
れる。このような単位としては、例えば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、
アクリル酸及びその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等の
アクリル酸エステル類、メタクリル酸及びその塩、メタ
クリル酸メチル、メ夕クリル酸エチル、メタクリル酸n
−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メ夕クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ドデシル、メ夕クリル酸オクタデシル等のメタクリ
ル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリル
アミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、ジアセ卜ンアクリルアミド、アクリル
アミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミド
プロピルジメチルアミン及びその塩と4級塩、N−メチ
ロールアクリルアミド及びその誘導体等のアクリルアミ
ド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチル
メタクリルアミド、ジアセ卜ンメタクリルアミド、メタ
クリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリ
ルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩と4級塩、
N−メチロールメタクリルアミド及びその誘導体等のメ
タクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プ
ロピルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t
−ブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ド
デシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のニトリル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、マレイ
ン酸及びその塩とエステル、イタコン酸及びその塩とエ
ステル、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化
合物、酢酸イソプロペニル等をあげることができる。
ン化又は分解によってビニルアルコール単位を生成する
単位とそれ以外の単位とに分けることができるが、後者
のコモノマー単位は、主として変性を目的に共重合され
るものであり、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用さ
れる。このような単位としては、例えば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、
アクリル酸及びその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等の
アクリル酸エステル類、メタクリル酸及びその塩、メタ
クリル酸メチル、メ夕クリル酸エチル、メタクリル酸n
−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メ夕クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ドデシル、メ夕クリル酸オクタデシル等のメタクリ
ル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリル
アミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、ジアセ卜ンアクリルアミド、アクリル
アミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミド
プロピルジメチルアミン及びその塩と4級塩、N−メチ
ロールアクリルアミド及びその誘導体等のアクリルアミ
ド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチル
メタクリルアミド、ジアセ卜ンメタクリルアミド、メタ
クリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリ
ルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩と4級塩、
N−メチロールメタクリルアミド及びその誘導体等のメ
タクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プ
ロピルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t
−ブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ド
デシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のニトリル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、マレイ
ン酸及びその塩とエステル、イタコン酸及びその塩とエ
ステル、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化
合物、酢酸イソプロペニル等をあげることができる。
【0019】PVA系樹脂のケン化度としては、70モ
ル%以上が好ましく、90〜99.99モル%がさらに
好ましい。ここで、ケン化度とは、酢酸ビニルの単独重
合体又は共重合体中のケン化によりビニルアルコール単
位に変換され得る単位に対するケン化後のビニルアルコ
ール単位の割合であり、残基は酢酸ビニル単位である。
PVA系樹脂の重合度は、好ましくは1000以上で
あり、さらに好ましくは1700以上である。但し、重
合度30000を超えるようなPVA系樹脂は一般的に
製造が困難であり、工業的生産という観点からは必ずし
も適したものとはいえない。
ル%以上が好ましく、90〜99.99モル%がさらに
好ましい。ここで、ケン化度とは、酢酸ビニルの単独重
合体又は共重合体中のケン化によりビニルアルコール単
位に変換され得る単位に対するケン化後のビニルアルコ
ール単位の割合であり、残基は酢酸ビニル単位である。
PVA系樹脂の重合度は、好ましくは1000以上で
あり、さらに好ましくは1700以上である。但し、重
合度30000を超えるようなPVA系樹脂は一般的に
製造が困難であり、工業的生産という観点からは必ずし
も適したものとはいえない。
【0020】本発明の第1の特徴は、PVA系樹脂又は
その成形物に先ず熱処理を施すことにある(以下、かか
る熱処理を前熱処理という)。PVA系樹脂又はその成
形物からなるPVA系原料(以下、単にPVA系原料と
いうことがある)は220〜240℃付近に軟化点を有
するため、いきなり高温で加熱処理すると、溶融、融
解、膠着現象が起きて炭素質物質としての性能に斑が生
じることがあるので、前熱処理は軟化点以下の温度で行
なうのが好ましい。この場合、溶融、融解、膠着現象を
避け得る条件であるならば、その温度にいきなり原料を
投入してもよく、より低い温度で投入して徐々に温度を
上昇させても一向に差し支えない。
その成形物に先ず熱処理を施すことにある(以下、かか
る熱処理を前熱処理という)。PVA系樹脂又はその成
形物からなるPVA系原料(以下、単にPVA系原料と
いうことがある)は220〜240℃付近に軟化点を有
するため、いきなり高温で加熱処理すると、溶融、融
解、膠着現象が起きて炭素質物質としての性能に斑が生
じることがあるので、前熱処理は軟化点以下の温度で行
なうのが好ましい。この場合、溶融、融解、膠着現象を
避け得る条件であるならば、その温度にいきなり原料を
投入してもよく、より低い温度で投入して徐々に温度を
上昇させても一向に差し支えない。
【0021】前熱処理の温度は、原料の形態、所望とす
る炭素質物質の重量減少率、触媒添加の有無、炭素質物
質の用途によって適宜選択されるが、150℃以上30
0℃以下とするのが好ましく、160℃以上290℃以
下とするのがより好ましく、180℃以上280℃以下
とするのがさらに好ましい。前熱処理は、1段階で実施
しても、2段階以上に分割して実施してもよい。
る炭素質物質の重量減少率、触媒添加の有無、炭素質物
質の用途によって適宜選択されるが、150℃以上30
0℃以下とするのが好ましく、160℃以上290℃以
下とするのがより好ましく、180℃以上280℃以下
とするのがさらに好ましい。前熱処理は、1段階で実施
しても、2段階以上に分割して実施してもよい。
【0022】前熱処理時間は、原料の形態、熱処理条
件、最終的に得られる炭素質物質の形態、用途等によっ
て適宜決定されるが、処理時間があまり短いと重量減少
が十分ではないことがあり、またあまり長いと、生産性
が低下するばかりでなく、重量減少に伴って副反応であ
る熱分解反応が併発し、結果として得られる炭素質物質
の重量収率が低下する傾向があり、さらには、該炭素質
物質を原料とした炭素繊維又は活性炭の収率が低下する
ことがあるので、20秒から2時間で実施するのが好ま
しい。1段目の前熱処理の雰囲気は、酸化性ガスの雰囲
気下でも非酸化性ガスの雰囲気下でもよい。本発明にお
いて、前熱処理を2段階以上、すなわち多段で熱処理す
る場合、酸化性ガスの雰囲気下で実施しても非酸化性ガ
スの雰囲気下で実施してもよい。
件、最終的に得られる炭素質物質の形態、用途等によっ
て適宜決定されるが、処理時間があまり短いと重量減少
が十分ではないことがあり、またあまり長いと、生産性
が低下するばかりでなく、重量減少に伴って副反応であ
る熱分解反応が併発し、結果として得られる炭素質物質
の重量収率が低下する傾向があり、さらには、該炭素質
物質を原料とした炭素繊維又は活性炭の収率が低下する
ことがあるので、20秒から2時間で実施するのが好ま
しい。1段目の前熱処理の雰囲気は、酸化性ガスの雰囲
気下でも非酸化性ガスの雰囲気下でもよい。本発明にお
いて、前熱処理を2段階以上、すなわち多段で熱処理す
る場合、酸化性ガスの雰囲気下で実施しても非酸化性ガ
スの雰囲気下で実施してもよい。
【0023】最初の重量減少反応を加速するため、PV
A系原料に各種酸性化合物を添加、混合、表面塗布する
ことも有効である。酸性化合物としては公知の化合物か
ら適宜選ぶことができ、このような化合物の具体例とし
ては、硫酸、硫酸塩、塩酸、塩酸塩、リン酸、リン酸塩
等を例示することができる。
A系原料に各種酸性化合物を添加、混合、表面塗布する
ことも有効である。酸性化合物としては公知の化合物か
ら適宜選ぶことができ、このような化合物の具体例とし
ては、硫酸、硫酸塩、塩酸、塩酸塩、リン酸、リン酸塩
等を例示することができる。
【0024】前熱処理は、重量収率が60〜85%、好
ましくは62〜82%、より好ましくは65〜80%に
なるように実施するのが好ましい。重量収率をあまり低
くすると副反応である熱分解反応が避け難くなり、結果
として得られる炭素質物質の重量収率が低下する傾向が
あり、さらに、該炭素質物質を原料とした炭素繊維又は
活性炭を製造する場合、それらの重量収率も低下するこ
とになる。一方、重量収率をあまり高くすると、反応を
停止させた場合、1段目の熱処理反応が十分進行してお
らず、その結果、後述する後熱処理反応でさらなる高温
まで熱処理した際に、容易に溶融、融解、膠着するとい
う問題が生じることがある。
ましくは62〜82%、より好ましくは65〜80%に
なるように実施するのが好ましい。重量収率をあまり低
くすると副反応である熱分解反応が避け難くなり、結果
として得られる炭素質物質の重量収率が低下する傾向が
あり、さらに、該炭素質物質を原料とした炭素繊維又は
活性炭を製造する場合、それらの重量収率も低下するこ
とになる。一方、重量収率をあまり高くすると、反応を
停止させた場合、1段目の熱処理反応が十分進行してお
らず、その結果、後述する後熱処理反応でさらなる高温
まで熱処理した際に、容易に溶融、融解、膠着するとい
う問題が生じることがある。
【0025】本発明において、前熱処理を施されたPV
A系原料は、次いで、金属ルイス酸の存在下で該前熱処
理温度よりもさらなる高温で熱処理を行う(以下、金属
ルイス酸の存在下における熱処理を後熱処理という)。
後熱処理の条件としては、目的とする炭素質物質を得る
ために必要な脱水反応、脱水素反応、架橋構造形成反
応、芳香環形成反応等を十分進行させる温度であれば特
に限定されないが、300〜650℃で実施するのが効
果が大きく好ましい。この場合、溶融、融解、膠着現象
を避け得る条件であるならば、その温度にいきなり原料
を投入しても、より低い温度で投入して徐々に温度を上
昇させてもよい。
A系原料は、次いで、金属ルイス酸の存在下で該前熱処
理温度よりもさらなる高温で熱処理を行う(以下、金属
ルイス酸の存在下における熱処理を後熱処理という)。
後熱処理の条件としては、目的とする炭素質物質を得る
ために必要な脱水反応、脱水素反応、架橋構造形成反
応、芳香環形成反応等を十分進行させる温度であれば特
に限定されないが、300〜650℃で実施するのが効
果が大きく好ましい。この場合、溶融、融解、膠着現象
を避け得る条件であるならば、その温度にいきなり原料
を投入しても、より低い温度で投入して徐々に温度を上
昇させてもよい。
【0026】また、より低い温度に投入した後、徐々に
所望の温度まで昇温し、次いでその温度にて10分〜3
時間保持するのも有効である。保持する温度は400℃
〜650℃で実施するのが好ましい。これら、後熱処理
工程は1段階で行なっても、2段階以上に分割して段階
的に実施しても構わない。後熱処理の雰囲気は、酸化性
ガスでも非酸化性ガスでもよい。
所望の温度まで昇温し、次いでその温度にて10分〜3
時間保持するのも有効である。保持する温度は400℃
〜650℃で実施するのが好ましい。これら、後熱処理
工程は1段階で行なっても、2段階以上に分割して段階
的に実施しても構わない。後熱処理の雰囲気は、酸化性
ガスでも非酸化性ガスでもよい。
【0027】本発明の第2の特徴は、後熱処理を金属ル
イス酸の存在下で実施することにある。本発明において
金属ルイス酸が効果的である理由を必ずしも明確に説明
することはできないが、本発明では、公知のPVA系樹
脂の金属架橋とは異なる機構により金属ルイス酸の効果
が発現するものと推測している。すなわち、公知のPV
A系樹脂の金属塩による架橋は、PVA系樹脂が有する
複数の水酸基と金属塩との相互作用によって生じるとさ
れているのに対し、本発明における後熱処理において添
加する金属ルイス酸は、原料に予め金属架橋を導入する
量よりも少量で熱処理時の融解、溶融、膠着防止効果を
発現することができる。これは、前熱処理によってPV
A系樹脂中に発生した二重結合、共役二重結合、環状不
飽和構造、芳香環構造等の不飽和構造と金属塩との何ら
かの相互作用によるものと推測される。あるいは、金属
塩がルイス酸として働く場合、不飽和構造同志が結合す
るような反応促進の触媒として働いているとも推測する
ことができる。
イス酸の存在下で実施することにある。本発明において
金属ルイス酸が効果的である理由を必ずしも明確に説明
することはできないが、本発明では、公知のPVA系樹
脂の金属架橋とは異なる機構により金属ルイス酸の効果
が発現するものと推測している。すなわち、公知のPV
A系樹脂の金属塩による架橋は、PVA系樹脂が有する
複数の水酸基と金属塩との相互作用によって生じるとさ
れているのに対し、本発明における後熱処理において添
加する金属ルイス酸は、原料に予め金属架橋を導入する
量よりも少量で熱処理時の融解、溶融、膠着防止効果を
発現することができる。これは、前熱処理によってPV
A系樹脂中に発生した二重結合、共役二重結合、環状不
飽和構造、芳香環構造等の不飽和構造と金属塩との何ら
かの相互作用によるものと推測される。あるいは、金属
塩がルイス酸として働く場合、不飽和構造同志が結合す
るような反応促進の触媒として働いているとも推測する
ことができる。
【0028】さらに、本発明において、該金属ルイス酸
は重量収率向上剤としても働くことが判明している。こ
の理由は明らかではないが、後熱処理工程において、重
量収率低下の主要因である熱分解反応を抑制しているこ
とが考えられる。
は重量収率向上剤としても働くことが判明している。こ
の理由は明らかではないが、後熱処理工程において、重
量収率低下の主要因である熱分解反応を抑制しているこ
とが考えられる。
【0029】本発明に使用される金属ルイス酸は、後熱
処理工程における熱処理時の融解、溶融、膠着を防止
し、かつ、熱分解反応を抑制する効果を十分発現するも
のであれば特に限定されないが、後述するように、例え
ば金属ハロゲン化物が好適に用いられる。
処理工程における熱処理時の融解、溶融、膠着を防止
し、かつ、熱分解反応を抑制する効果を十分発現するも
のであれば特に限定されないが、後述するように、例え
ば金属ハロゲン化物が好適に用いられる。
【0030】本発明で使用する金属ハロゲン化物は、例
えば、特開昭53−114925号、同59−1876
24号、同61−47827号公報などに記載されたも
のと同じものであるが、これらの公報に記載されている
ようなPVA系樹脂の脱水剤として使用されたものでは
なく、架橋構造導入剤や重量収率向上剤として使用され
たものである。実際、これらの公報の記載によると、金
属ハロゲン化物の使用量は約5〜10重量%程度であ
り、20重量%以上用いると紡糸性と得られる炭素繊維
の物性が低下し、好ましくないとされているのに対し、
PVA系原料に直接これらの金属ルイス酸を添加する
と、脱水剤としては有効であるが、この程度の添加量で
は架橋構造導入剤や収率向上剤としての効果を示さない
ことからも上記した作用効果が異なったものであること
が頷ける。
えば、特開昭53−114925号、同59−1876
24号、同61−47827号公報などに記載されたも
のと同じものであるが、これらの公報に記載されている
ようなPVA系樹脂の脱水剤として使用されたものでは
なく、架橋構造導入剤や重量収率向上剤として使用され
たものである。実際、これらの公報の記載によると、金
属ハロゲン化物の使用量は約5〜10重量%程度であ
り、20重量%以上用いると紡糸性と得られる炭素繊維
の物性が低下し、好ましくないとされているのに対し、
PVA系原料に直接これらの金属ルイス酸を添加する
と、脱水剤としては有効であるが、この程度の添加量で
は架橋構造導入剤や収率向上剤としての効果を示さない
ことからも上記した作用効果が異なったものであること
が頷ける。
【0031】すなわち、この程度の添加量では、後熱処
理において容易に溶融、融解、膠着するばかりでなく、
重量減少時の副反応を十分抑制することができず、その
結果、得られた炭素質物質の収率が低くなることがあ
る。本発明においては、金属ルイス酸の添加効果が発現
するに十分な量の二重結合、共役二重結合、環状不飽和
構造、芳香環構造等の不飽和構造等が予めPVA系原料
中に導入されるまで熱処理を施した後、金属ルイス酸を
添加することで初めて効果を発現するばかりでなく、非
常に少量の金属ルイス酸の添加で十分効果が発現する。
理において容易に溶融、融解、膠着するばかりでなく、
重量減少時の副反応を十分抑制することができず、その
結果、得られた炭素質物質の収率が低くなることがあ
る。本発明においては、金属ルイス酸の添加効果が発現
するに十分な量の二重結合、共役二重結合、環状不飽和
構造、芳香環構造等の不飽和構造等が予めPVA系原料
中に導入されるまで熱処理を施した後、金属ルイス酸を
添加することで初めて効果を発現するばかりでなく、非
常に少量の金属ルイス酸の添加で十分効果が発現する。
【0032】後熱処理で添加される金属ルイス酸の含有
量は、あまり少なすぎると高収率で炭素質物質を得るこ
とができないことがあり、また、熱処理工程時に融解、
溶融、融着を生じることがあり、一方、あまり多すぎる
と金属ルイス酸の含有量を増加させることによる効果は
少なく、薬剤費が高くなるばかりであり、またフィル
ム、繊維、ペーパー等の成形品を作る際、加工性が悪く
なり不利となるので、本発明では、PVA系原料100
重量部に対して金属ルイス酸は2〜50重量部、好まし
くは3〜40重量部、より好ましくは4〜30重量部添
加される。
量は、あまり少なすぎると高収率で炭素質物質を得るこ
とができないことがあり、また、熱処理工程時に融解、
溶融、融着を生じることがあり、一方、あまり多すぎる
と金属ルイス酸の含有量を増加させることによる効果は
少なく、薬剤費が高くなるばかりであり、またフィル
ム、繊維、ペーパー等の成形品を作る際、加工性が悪く
なり不利となるので、本発明では、PVA系原料100
重量部に対して金属ルイス酸は2〜50重量部、好まし
くは3〜40重量部、より好ましくは4〜30重量部添
加される。
【0033】本発明において、金属ルイス酸としては金
属ハロゲン化物が好ましい。金属ハロゲン化物として
は、金属塩化物、金属臭化物又は金属ヨウ化物が好まし
いが、なかでも金属塩化物は、金属臭化物、金属ヨウ化
物に比較して同一添加量での添加効果が高くなるので好
ましく、またコストの面でも好ましい。金属塩化物の中
でも、具体的には塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化鉄、塩
化コバルトが好ましい。これらの金属塩化物の添加効果
が高い理由は定かではないが、分解抑制効果が高いこと
が推察される。
属ハロゲン化物が好ましい。金属ハロゲン化物として
は、金属塩化物、金属臭化物又は金属ヨウ化物が好まし
いが、なかでも金属塩化物は、金属臭化物、金属ヨウ化
物に比較して同一添加量での添加効果が高くなるので好
ましく、またコストの面でも好ましい。金属塩化物の中
でも、具体的には塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化鉄、塩
化コバルトが好ましい。これらの金属塩化物の添加効果
が高い理由は定かではないが、分解抑制効果が高いこと
が推察される。
【0034】後熱処理を酸化性ガスの雰囲気下で行なう
ことも有効である。後熱処理の雰囲気を酸化性ガスとす
ることが効果的である理由は必ずしも明らかではない
が、導入された何らかの架橋構造と金属ルイス酸との相
乗効果が考えられる。酸化性ガスの雰囲気としては、炭
素質物質に十分な架橋構造を導入できる雰囲気であれば
特に限定されないが、通常酸素ガス含有雰囲気が好まし
く使用される。この場合、酸素濃度としては通常3〜3
0体積%、好ましくは5〜25体積%の中から適宜選択
される。
ことも有効である。後熱処理の雰囲気を酸化性ガスとす
ることが効果的である理由は必ずしも明らかではない
が、導入された何らかの架橋構造と金属ルイス酸との相
乗効果が考えられる。酸化性ガスの雰囲気としては、炭
素質物質に十分な架橋構造を導入できる雰囲気であれば
特に限定されないが、通常酸素ガス含有雰囲気が好まし
く使用される。この場合、酸素濃度としては通常3〜3
0体積%、好ましくは5〜25体積%の中から適宜選択
される。
【0035】PVA系樹脂の形状は使用される用途によ
って、粉末状、粒状、フィルム状、板状、繊維状、不織
布状、ペーパー状、布状などがあり、粉末状又は粒状の
PVAを使用する場合、これらのPVA系樹脂に金属ル
イス酸を添加するには種々の形態がある。このような形
態の例としては、例えば、固体と固体とを混合する、液
体と固体とを混合するなどの形態をあげることができる
が、金属ルイス酸の効果を損わない条件で実施しなけれ
ばならないことは勿論である。また、フィルム状、板
状、繊維状、不織布状、ペーパー状、布状のPVAを使
用する場合、金属ルイス酸を適当な有機溶剤又は水に溶
解させるか分散させ、これを前熱処理が終了したPVA
系樹脂の成形体表面に塗布する、又は該金属ルイス酸溶
液中を通過させることによって添加することができる。
って、粉末状、粒状、フィルム状、板状、繊維状、不織
布状、ペーパー状、布状などがあり、粉末状又は粒状の
PVAを使用する場合、これらのPVA系樹脂に金属ル
イス酸を添加するには種々の形態がある。このような形
態の例としては、例えば、固体と固体とを混合する、液
体と固体とを混合するなどの形態をあげることができる
が、金属ルイス酸の効果を損わない条件で実施しなけれ
ばならないことは勿論である。また、フィルム状、板
状、繊維状、不織布状、ペーパー状、布状のPVAを使
用する場合、金属ルイス酸を適当な有機溶剤又は水に溶
解させるか分散させ、これを前熱処理が終了したPVA
系樹脂の成形体表面に塗布する、又は該金属ルイス酸溶
液中を通過させることによって添加することができる。
【0036】PVA系樹脂の成形体が、フィルム状、繊
維状、不織布状、ペーパー状又は布状である場合、後熱
処理を緊張下で実施することも、溶融、融解、膠着防止
という点で有効である。この手法は、後熱処理の酸化性
ガスの雰囲気下での実施、PVA系原料への架橋構造導
入等の手法と併用するとさらに効果的である。
維状、不織布状、ペーパー状又は布状である場合、後熱
処理を緊張下で実施することも、溶融、融解、膠着防止
という点で有効である。この手法は、後熱処理の酸化性
ガスの雰囲気下での実施、PVA系原料への架橋構造導
入等の手法と併用するとさらに効果的である。
【0037】本発明で得られる炭素質物質はそれ自身で
も各種電極材料、導電材料、断熱材料、吸着材料、防炎
材料、帯電防止材料、耐熱材料、耐薬品材料等に好適に
使用される。さらに、該炭素質物質を非酸化性ガスの雰
囲気下で熱処理する又は賦活処理することによって炭素
繊維もしくは黒鉛材料、又は活性炭とすることもでき
る。例えば、PVA系原料を前熱処理及び後熱処理する
ことによって炭素質物質を得、該炭素質物質をさらに非
酸化性ガスの雰囲気下で熱処理することによって耐熱
性、断熱性、導電性等に優れた炭素材料や黒鉛材料とす
ることができ、前記該炭素質物質をさらに賦活すること
によって活性炭とすることができる。
も各種電極材料、導電材料、断熱材料、吸着材料、防炎
材料、帯電防止材料、耐熱材料、耐薬品材料等に好適に
使用される。さらに、該炭素質物質を非酸化性ガスの雰
囲気下で熱処理する又は賦活処理することによって炭素
繊維もしくは黒鉛材料、又は活性炭とすることもでき
る。例えば、PVA系原料を前熱処理及び後熱処理する
ことによって炭素質物質を得、該炭素質物質をさらに非
酸化性ガスの雰囲気下で熱処理することによって耐熱
性、断熱性、導電性等に優れた炭素材料や黒鉛材料とす
ることができ、前記該炭素質物質をさらに賦活すること
によって活性炭とすることができる。
【0038】本発明で原料として使用するPVA系樹脂
の成形体の形状としては、特に限定されず、前述したよ
うに、粉末状、粒状、フィルム状、繊維状、不織布状、
ペーパー状、布状などの形状から適宜選択されるが、工
業的に有用な炭素繊維又は繊維状活性炭を得るための好
適な原料の形態という観点から、繊維状、不織布状、ペ
ーパー状、布状物が好ましい。
の成形体の形状としては、特に限定されず、前述したよ
うに、粉末状、粒状、フィルム状、繊維状、不織布状、
ペーパー状、布状などの形状から適宜選択されるが、工
業的に有用な炭素繊維又は繊維状活性炭を得るための好
適な原料の形態という観点から、繊維状、不織布状、ペ
ーパー状、布状物が好ましい。
【0039】本発明において、PVA系樹脂の成形体で
あるPVA系繊維を使用する場合、その製造方法につい
ては特に限定されないが、公知の湿式紡糸法、乾湿式紡
糸法又は乾式紡糸法を採用することができる。湿式紡糸
法とは、PVA系樹脂を有機溶媒に溶解して得られるポ
リマー溶液又はPVA系樹脂を水に溶解して得られる水
溶液からなる紡糸原液を紡糸ノズルから直接固化浴に紡
出する方式であり、乾湿式紡糸法とは、紡糸ノズルと凝
固浴間に空気や不活性ガスなどの気体空間(エア−ギャ
ップ)を設け、該気体中を特定の距離走行させ、次いで
固化浴中へ紡出して行う紡糸方法である。走行させる距
離は、用いる固化浴の性状によって一概に決められない
が、通常1〜50m程度で実施される。
あるPVA系繊維を使用する場合、その製造方法につい
ては特に限定されないが、公知の湿式紡糸法、乾湿式紡
糸法又は乾式紡糸法を採用することができる。湿式紡糸
法とは、PVA系樹脂を有機溶媒に溶解して得られるポ
リマー溶液又はPVA系樹脂を水に溶解して得られる水
溶液からなる紡糸原液を紡糸ノズルから直接固化浴に紡
出する方式であり、乾湿式紡糸法とは、紡糸ノズルと凝
固浴間に空気や不活性ガスなどの気体空間(エア−ギャ
ップ)を設け、該気体中を特定の距離走行させ、次いで
固化浴中へ紡出して行う紡糸方法である。走行させる距
離は、用いる固化浴の性状によって一概に決められない
が、通常1〜50m程度で実施される。
【0040】紡糸ノズルを直接固化浴に接触させて紡出
を行う湿式紡糸法は、ノズル孔ピッチを狭くしても繊維
同士が膠着せずに紡糸できるため、多孔ノズルを用いた
紡糸に適しており、一方、固化浴と紡糸ノズルの間にエ
アギャップを設け、紡糸ノズルから気体中を経由して紡
出する乾湿式紡糸法の場合は、エアギャップ部での伸び
が大きいことより高速紡糸に適している。また、乾式紡
糸法とは、PVA系樹脂を水に溶解して得られる水溶液
などからなる紡糸原液を紡糸ノズルから直接気体中に紡
出するものであり、固化浴を必要としない紡糸方式であ
る。目的や用途に応じて以上述べたような紡糸方式を適
宜選択して採用すればよい。
を行う湿式紡糸法は、ノズル孔ピッチを狭くしても繊維
同士が膠着せずに紡糸できるため、多孔ノズルを用いた
紡糸に適しており、一方、固化浴と紡糸ノズルの間にエ
アギャップを設け、紡糸ノズルから気体中を経由して紡
出する乾湿式紡糸法の場合は、エアギャップ部での伸び
が大きいことより高速紡糸に適している。また、乾式紡
糸法とは、PVA系樹脂を水に溶解して得られる水溶液
などからなる紡糸原液を紡糸ノズルから直接気体中に紡
出するものであり、固化浴を必要としない紡糸方式であ
る。目的や用途に応じて以上述べたような紡糸方式を適
宜選択して採用すればよい。
【0041】前述したように、PVA系繊維を使用して
炭素質物質を製造する場合、得られた繊維状炭素質物質
は非酸化性ガスの雰囲気下で熱処理することによって耐
熱性、断熱性、導電性等に優れた炭素繊維とすることが
できる。熱処理条件は所望する炭素繊維の性能によって
適宜選択されるが、通常は不活性ガスの雰囲気下100
0℃〜1400℃にて処理される。さらに高温での熱処
理、いわゆる黒鉛化処理を施すことによって、炭素繊維
の引っ張り弾性率を著しく向上することもできる。黒鉛
化処理条件は通常、不活性ガスの雰囲気下1500℃か
ら3000℃で実施される。
炭素質物質を製造する場合、得られた繊維状炭素質物質
は非酸化性ガスの雰囲気下で熱処理することによって耐
熱性、断熱性、導電性等に優れた炭素繊維とすることが
できる。熱処理条件は所望する炭素繊維の性能によって
適宜選択されるが、通常は不活性ガスの雰囲気下100
0℃〜1400℃にて処理される。さらに高温での熱処
理、いわゆる黒鉛化処理を施すことによって、炭素繊維
の引っ張り弾性率を著しく向上することもできる。黒鉛
化処理条件は通常、不活性ガスの雰囲気下1500℃か
ら3000℃で実施される。
【0042】本発明における炭素質物質を適当な酸化性
ガスの雰囲気下にて熱処理する、いわゆる賦活処理を施
すことにより、活性炭を得ることができる。この場合、
原料として粉末状のPVA系樹脂を使用すると粉末状活
性炭を得ることができ、フィルム形状のPVA系樹脂を
使用するとフィルム状活性炭を得ることができる。ま
た、繊維状のPVA系樹脂を使用すると繊維状活性炭と
することができる。繊維状活性炭は、粒状や粉末状の活
性炭と比べてマクロ的な接触面積が著しく大きく、吸着
速度が速い他、粉塵の発生がなく、また圧力損失が低い
等の利点が多いため、例えば浄水器等などに有用であ
る。この場合、繊維状のPVA系樹脂を成型してなる不
織布状、ペーパー状、布状原料を使用することで、それ
ぞれ不織布状活性炭、ペーパー状活性炭、布状活性炭が
容易に得られる。
ガスの雰囲気下にて熱処理する、いわゆる賦活処理を施
すことにより、活性炭を得ることができる。この場合、
原料として粉末状のPVA系樹脂を使用すると粉末状活
性炭を得ることができ、フィルム形状のPVA系樹脂を
使用するとフィルム状活性炭を得ることができる。ま
た、繊維状のPVA系樹脂を使用すると繊維状活性炭と
することができる。繊維状活性炭は、粒状や粉末状の活
性炭と比べてマクロ的な接触面積が著しく大きく、吸着
速度が速い他、粉塵の発生がなく、また圧力損失が低い
等の利点が多いため、例えば浄水器等などに有用であ
る。この場合、繊維状のPVA系樹脂を成型してなる不
織布状、ペーパー状、布状原料を使用することで、それ
ぞれ不織布状活性炭、ペーパー状活性炭、布状活性炭が
容易に得られる。
【0043】賦活方法としては、効率的に比表面積を増
やすことのできる条件であれば特に限定されず、一般的
には、炭酸ガス、水蒸気、空気、窒素又はそれらの混合
ガスの雰囲気中で所定の温度で実施される。賦活処理の
温度、時間は所望する比表面積、雰囲気などにより適宜
決定すればよい。例えば、水蒸気又は炭酸ガス雰囲気下
で賦活する場合には、通常500〜1200℃、好まし
くは700℃〜1000℃で数分〜数時間処理すればよ
く、プロパンガスの燃焼ガスを使用する場合は800〜
1200℃で高温急速賦活することもできる。以下、本
発明を実施例にてさらに具体的に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
やすことのできる条件であれば特に限定されず、一般的
には、炭酸ガス、水蒸気、空気、窒素又はそれらの混合
ガスの雰囲気中で所定の温度で実施される。賦活処理の
温度、時間は所望する比表面積、雰囲気などにより適宜
決定すればよい。例えば、水蒸気又は炭酸ガス雰囲気下
で賦活する場合には、通常500〜1200℃、好まし
くは700℃〜1000℃で数分〜数時間処理すればよ
く、プロパンガスの燃焼ガスを使用する場合は800〜
1200℃で高温急速賦活することもできる。以下、本
発明を実施例にてさらに具体的に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0044】
【実施例】実施例1 重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVA粉末
100gを、空気雰囲気中、攪拌しながら200℃で1
時間保持し、その後300℃で攪拌しながら30分間保
持することにより前熱処理を施した。前熱処理後の粉末
は黒褐色であり、原料からの重量収率は85重量%であ
った。得られた黒褐色粉末50gに対して塩化亜鉛粉末
9gを加え十分攪拌混合した。ついで、窒素中で混合粉
末を攪拌しながら、50℃〜500℃まで直線的に5℃
/分の速度で昇温し、次いで窒素中で攪拌しながら50
0℃にて30分間保持することで後熱処理を行った。前
熱処理及び後熱処理において、粉末の融解、膠着、溶融
は全く見られなかった。最終的に得られた黒色粉末の原
料からの重量収率は40重量%であった。結果を表1に
示す。
100gを、空気雰囲気中、攪拌しながら200℃で1
時間保持し、その後300℃で攪拌しながら30分間保
持することにより前熱処理を施した。前熱処理後の粉末
は黒褐色であり、原料からの重量収率は85重量%であ
った。得られた黒褐色粉末50gに対して塩化亜鉛粉末
9gを加え十分攪拌混合した。ついで、窒素中で混合粉
末を攪拌しながら、50℃〜500℃まで直線的に5℃
/分の速度で昇温し、次いで窒素中で攪拌しながら50
0℃にて30分間保持することで後熱処理を行った。前
熱処理及び後熱処理において、粉末の融解、膠着、溶融
は全く見られなかった。最終的に得られた黒色粉末の原
料からの重量収率は40重量%であった。結果を表1に
示す。
【0045】実施例2〜5 塩化亜鉛の添加量を変えた以外は実施例1と同様の方法
で実施した。結果を表1に示す。なお、後熱処理後の状
態として、実施例3では僅かに溶融、実施例4及び5で
は粉末間で僅かに膠着と表現しているが、この程度では
実用上問題はなく、以後の実施例においても同様であ
る。
で実施した。結果を表1に示す。なお、後熱処理後の状
態として、実施例3では僅かに溶融、実施例4及び5で
は粉末間で僅かに膠着と表現しているが、この程度では
実用上問題はなく、以後の実施例においても同様であ
る。
【0046】
【表1】
【0047】実施例6〜10 後熱処理を、50℃〜350℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することによって行い、そのときの雰囲気を酸素
/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施した
以外は実施例1〜5と同様の方法で実施した(各々実施
例6〜10)。結果を表2に示す。
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することによって行い、そのときの雰囲気を酸素
/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施した
以外は実施例1〜5と同様の方法で実施した(各々実施
例6〜10)。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例11 重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVA粉末
150gを、硫酸水溶液(硫酸重量/水重量=5重量
%)中、室温にて30分攪拌した後、粉末を濾別し、硫
酸含有PVA粉末を得た。得られた粉末中の硫酸含有量
はPVA100重量部に対して3重量部であった。次い
で、得られた硫酸含有PVA粉末100gを、窒素ガス
雰囲気中、攪拌しながら50℃〜180℃まで直線的に
5℃/分の速度で昇温し、ついで180℃窒素ガス中で
攪拌しながら30分保持することで前熱処理を施した。
前熱処理後の粉末は黒褐色であり、前熱処理後の原料か
らの重量収率は67重量%であった。
150gを、硫酸水溶液(硫酸重量/水重量=5重量
%)中、室温にて30分攪拌した後、粉末を濾別し、硫
酸含有PVA粉末を得た。得られた粉末中の硫酸含有量
はPVA100重量部に対して3重量部であった。次い
で、得られた硫酸含有PVA粉末100gを、窒素ガス
雰囲気中、攪拌しながら50℃〜180℃まで直線的に
5℃/分の速度で昇温し、ついで180℃窒素ガス中で
攪拌しながら30分保持することで前熱処理を施した。
前熱処理後の粉末は黒褐色であり、前熱処理後の原料か
らの重量収率は67重量%であった。
【0050】得られた黒褐色粉末50gに対して塩化亜
鉛粉末11gを加え十分攪拌混合した。ついで、窒素ガ
ス中で混合粉末を攪拌しながら、50℃〜500℃まで
直線的に5℃/分の速度で昇温し、次いで窒素ガス中で
攪拌しながら500℃にて30分間保持することで後熱
処理を施した。前熱処理及び後熱処理において、粉末の
融解、膠着、溶融は全く見られなかった。最終的に得ら
れた黒色粉末の原料からの重量収率は47重量%であっ
た。
鉛粉末11gを加え十分攪拌混合した。ついで、窒素ガ
ス中で混合粉末を攪拌しながら、50℃〜500℃まで
直線的に5℃/分の速度で昇温し、次いで窒素ガス中で
攪拌しながら500℃にて30分間保持することで後熱
処理を施した。前熱処理及び後熱処理において、粉末の
融解、膠着、溶融は全く見られなかった。最終的に得ら
れた黒色粉末の原料からの重量収率は47重量%であっ
た。
【0051】実施例12〜15 添加した塩化亜鉛量を変えた以外は実施例11と同様の
方法で実施した。結果を表3に示す。
方法で実施した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】実施例16〜20 後熱処理を、50℃〜350℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することによって行い、そのときの雰囲気を酸素
/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施した
以外は実施例11〜15と同様の方法で実施した(各々
実施例16〜20)。結果を表4に示す。
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することによって行い、そのときの雰囲気を酸素
/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施した
以外は実施例11〜15と同様の方法で実施した(各々
実施例16〜20)。結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】比較例1 後熱処理時に塩化亜鉛を加えない以外は実施例1と同様
の方法で実施した。その結果、前熱処理後の、原料から
の重量収率は85重量%であり、得られた粉末の融解、
膠着、溶融は全く見られなかった。しかし、後熱処理工
程後の、原料からの重量収率は9重量%と低く、また、
後熱処理工程で激しく融解、融着したため、それ以降の
工程に供することができなかった。
の方法で実施した。その結果、前熱処理後の、原料から
の重量収率は85重量%であり、得られた粉末の融解、
膠着、溶融は全く見られなかった。しかし、後熱処理工
程後の、原料からの重量収率は9重量%と低く、また、
後熱処理工程で激しく融解、融着したため、それ以降の
工程に供することができなかった。
【0056】比較例2 後熱処理時に塩化亜鉛を加えない以外は実施例11と同
様の方法で実施した。その結果、前熱処理後の、原料か
らの重量収率は67重量%であり、得られた粉末の融
解、膠着、溶融は全く見られなかった。しかし、後熱処
理工程後の、原料からの重量収率は24重量%と低く、
また、後熱処理工程で激しく融解、融着したため、それ
以降の工程に供することができなかった。
様の方法で実施した。その結果、前熱処理後の、原料か
らの重量収率は67重量%であり、得られた粉末の融
解、膠着、溶融は全く見られなかった。しかし、後熱処
理工程後の、原料からの重量収率は24重量%と低く、
また、後熱処理工程で激しく融解、融着したため、それ
以降の工程に供することができなかった。
【0057】比較例3 塩化亜鉛を前熱処理時に加え、かつ、後熱処理時には塩
化亜鉛を加えない点以外は実施例1と同様の方法で実施
した。結果を表5に示す。
化亜鉛を加えない点以外は実施例1と同様の方法で実施
した。結果を表5に示す。
【0058】比較例4 塩化亜鉛を前熱処理時に加え、かつ、後熱処理時には塩
化亜鉛を加えない点以外は実施例6と同様の方法で実施
した。結果を表5に示す。
化亜鉛を加えない点以外は実施例6と同様の方法で実施
した。結果を表5に示す。
【0059】比較例5 前熱処理工程を省いた点以外は実施例1と同様の方法で
実施した。結果を表5に示す。
実施した。結果を表5に示す。
【0060】比較例6 前熱処理工程を省いた点以外は実施例6と同様の方法で
実施した。結果を表5に示す。
実施した。結果を表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】実施例21〜26 前熱処理条件あるいは金属ルイス酸の種類を変えた以外
は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表6に示
す。
は実施例1と同様の方法で実施した。結果を表6に示
す。
【0063】
【表6】
【0064】実施例27〜36 実施例1〜10で得られた粉末状の炭素質物質を、プロ
パンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により93
0℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理を
した。賦活後、粉末を流水で洗浄し、乾燥して粉末状活
性炭とした(各々実施例27〜36)。得られた活性炭
の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJI
S K1474に準拠して測定したI2吸着量を表7に
示す。
パンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により93
0℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理を
した。賦活後、粉末を流水で洗浄し、乾燥して粉末状活
性炭とした(各々実施例27〜36)。得られた活性炭
の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJI
S K1474に準拠して測定したI2吸着量を表7に
示す。
【0065】
【表7】
【0066】実施例37〜46 実施例11〜20で得られた粉末状の炭素質物質を、プ
ロパンの燃焼ガス(H 2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理
をした。賦活後、粉末を流水で洗浄し、乾燥して粉末状
活性炭とした(各々実施例37〜46)。得られた活性
炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJ
IS K1474に準拠して測定したI2吸着量を表8
に示す。
ロパンの燃焼ガス(H 2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理
をした。賦活後、粉末を流水で洗浄し、乾燥して粉末状
活性炭とした(各々実施例37〜46)。得られた活性
炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJ
IS K1474に準拠して測定したI2吸着量を表8
に示す。
【0067】
【表8】
【0068】比較例7〜10 比較例3〜6で得られた粉末状の炭素質物質を、プロパ
ンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により930
℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理をし
た。賦活後、粉末を流水で洗浄し、乾燥して粉末状活性
炭とした(各々比較例7〜10)。得られた活性炭の収
率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJIS
K1474に準拠して測定したI2吸着量を表9に示
す。
ンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により930
℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理をし
た。賦活後、粉末を流水で洗浄し、乾燥して粉末状活性
炭とした(各々比較例7〜10)。得られた活性炭の収
率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJIS
K1474に準拠して測定したI2吸着量を表9に示
す。
【0069】
【表9】
【0070】実施例47 重合度1700、ケン化度99.5モル%のPVAを水
に溶解して16重量%の溶液とし、該溶液をガラス板上
に流延し、室温下で1日乾燥した後、50℃熱風乾燥機
内で60分乾燥し、厚さ100μmの透明なフィルムを
得た。得られたフィルムを、空気雰囲気中、攪拌しなが
ら200℃で1時間保持し、その後300℃で攪拌しな
がら30分間保持することで前熱処理を施した。熱処理
後の粉末は黒褐色であり、前熱処理後にフィルムの融
解、溶融、あるいはフィルム間の膠着は全く見られなか
った。また、前熱処理後の原料からの重量収率は84重
量%であった。
に溶解して16重量%の溶液とし、該溶液をガラス板上
に流延し、室温下で1日乾燥した後、50℃熱風乾燥機
内で60分乾燥し、厚さ100μmの透明なフィルムを
得た。得られたフィルムを、空気雰囲気中、攪拌しなが
ら200℃で1時間保持し、その後300℃で攪拌しな
がら30分間保持することで前熱処理を施した。熱処理
後の粉末は黒褐色であり、前熱処理後にフィルムの融
解、溶融、あるいはフィルム間の膠着は全く見られなか
った。また、前熱処理後の原料からの重量収率は84重
量%であった。
【0071】得られた黒褐色フィルムの表面に、塩化亜
鉛水溶液(塩化亜鉛の重量/水の重量=20重量%)を
塗布し、80℃熱風乾燥機にて60分乾燥した。フィル
ム中の、PVA原料100重量部に対する塩化亜鉛含有
量は15重量部であった。次いで、得られた塩化亜鉛含
有フィルムを窒素中で50℃〜500℃まで直線的に5
℃/分の速度で昇温し、さらに窒素ガス中で500℃に
て30分間保持することで後熱処理を行った。後熱処理
工程中、フィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間の
膠着は全く見られなかった。最終的に得られた黒色フィ
ルムの原料からの重量収率は41重量%であった。結果
を表10に示す。
鉛水溶液(塩化亜鉛の重量/水の重量=20重量%)を
塗布し、80℃熱風乾燥機にて60分乾燥した。フィル
ム中の、PVA原料100重量部に対する塩化亜鉛含有
量は15重量部であった。次いで、得られた塩化亜鉛含
有フィルムを窒素中で50℃〜500℃まで直線的に5
℃/分の速度で昇温し、さらに窒素ガス中で500℃に
て30分間保持することで後熱処理を行った。後熱処理
工程中、フィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間の
膠着は全く見られなかった。最終的に得られた黒色フィ
ルムの原料からの重量収率は41重量%であった。結果
を表10に示す。
【0072】実施例48〜51 塩化亜鉛の添加量を変えた以外は実施例47と同様の方
法で実施した。結果を表10に示す。
法で実施した。結果を表10に示す。
【0073】
【表10】
【0074】実施例52〜56 後熱処理を、50℃〜350℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで行い、そのときの雰囲気を酸素/窒素
=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施した以外は
実施例47〜51と同様の方法で実施した(各々実施例
52〜56)。結果を表11に示す。
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで行い、そのときの雰囲気を酸素/窒素
=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施した以外は
実施例47〜51と同様の方法で実施した(各々実施例
52〜56)。結果を表11に示す。
【0075】
【表11】
【0076】実施例57 実施例47で使用したPVAフィルムを、硫酸水溶液
(硫酸重量/水重量=5重量%)中に浸漬し、室温にて
30分静置した後、フィルムを取り出し、室温下で1日
乾燥した後、50℃熱風乾燥機内で60分乾燥し、硫酸
含有PVAフィルムを得た。得られたフィルム中の硫酸
含量はPVA原料100重量部に対して3重量部であっ
た。次いで、得られた硫酸含有PVAフィルムを、窒素
ガス雰囲気中、50℃〜180℃まで直線的に5℃/分
の速度で昇温し、ついで180℃窒素中で30分保持す
ることにより前熱処理を施した。前熱処理後のフィルム
は黒色であり、前熱処理後にフィルムの融解、溶融、あ
るいはフィルム間の膠着は全く見られなかった。また、
前熱処理後の原料からの重量収率は66重量%であっ
た。
(硫酸重量/水重量=5重量%)中に浸漬し、室温にて
30分静置した後、フィルムを取り出し、室温下で1日
乾燥した後、50℃熱風乾燥機内で60分乾燥し、硫酸
含有PVAフィルムを得た。得られたフィルム中の硫酸
含量はPVA原料100重量部に対して3重量部であっ
た。次いで、得られた硫酸含有PVAフィルムを、窒素
ガス雰囲気中、50℃〜180℃まで直線的に5℃/分
の速度で昇温し、ついで180℃窒素中で30分保持す
ることにより前熱処理を施した。前熱処理後のフィルム
は黒色であり、前熱処理後にフィルムの融解、溶融、あ
るいはフィルム間の膠着は全く見られなかった。また、
前熱処理後の原料からの重量収率は66重量%であっ
た。
【0077】次いで、得られた黒色フィルムの表面に、
塩化亜鉛水溶液(塩化亜鉛重量/水重量=20重量%)
を塗布し、80℃の熱風乾燥機にて60分乾燥した。フ
ィルム中の、PVA原料100重量部に対する塩化亜鉛
含有量は15重量部であった。次いで、窒素ガス中で、
50℃〜500℃まで直線的に5℃/分の速度で昇温
し、次いで酸素ガス中で攪拌しながら500℃にて30
分間保持することで後熱処理を行った。前熱処理及び後
熱処理中、フィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間
の膠着は全く見られなかった。最終的に得られたフィル
ム状炭素質物質の原料からの重量収率は48重量%であ
った。結果を表12に示す。
塩化亜鉛水溶液(塩化亜鉛重量/水重量=20重量%)
を塗布し、80℃の熱風乾燥機にて60分乾燥した。フ
ィルム中の、PVA原料100重量部に対する塩化亜鉛
含有量は15重量部であった。次いで、窒素ガス中で、
50℃〜500℃まで直線的に5℃/分の速度で昇温
し、次いで酸素ガス中で攪拌しながら500℃にて30
分間保持することで後熱処理を行った。前熱処理及び後
熱処理中、フィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間
の膠着は全く見られなかった。最終的に得られたフィル
ム状炭素質物質の原料からの重量収率は48重量%であ
った。結果を表12に示す。
【0078】実施例58〜61 塩化亜鉛の添加量を変えた以外は実施例57と同様の方
法で実施した。結果を表12に示す。
法で実施した。結果を表12に示す。
【0079】
【表12】
【0080】実施例62〜66 後熱処理を、50℃〜350℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで後熱処理を行い、そのときの雰囲気を
酸素/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施
した以外は実施例57〜61と同様の方法で実施した
(各々実施例62〜66)。結果を表13に示す。
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで後熱処理を行い、そのときの雰囲気を
酸素/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施
した以外は実施例57〜61と同様の方法で実施した
(各々実施例62〜66)。結果を表13に示す。
【0081】
【表13】
【0082】比較例11 前熱処理後に、フィルム表面に塩化亜鉛を塗布せず、そ
れ以外は実施例47と同様の方法で実施した。前熱処理
後の、原料からの重量収率は84重量%であり、得られ
たフィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間の膠着は
全く見られなかったが、後熱処理工程後の、原料からの
重量収率は9重量%と低く、また、後熱処理工程で激し
く融解、融着したため、それ以降の工程に供することが
できなかった。
れ以外は実施例47と同様の方法で実施した。前熱処理
後の、原料からの重量収率は84重量%であり、得られ
たフィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間の膠着は
全く見られなかったが、後熱処理工程後の、原料からの
重量収率は9重量%と低く、また、後熱処理工程で激し
く融解、融着したため、それ以降の工程に供することが
できなかった。
【0083】比較例12 前熱処理後に、フィルム表面に塩化亜鉛を塗布しない以
外は実施例57と同様の方法で実施した。前熱処理後
の、原料からの重量収率は66重量%であり、得られた
フィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間の膠着は全
く見られなかったが、後熱処理工程後の、原料からの重
量収率は24重量%と低く、また、後熱処理工程で激し
く融解、融着したため、それ以降の工程に供することが
できなかった。
外は実施例57と同様の方法で実施した。前熱処理後
の、原料からの重量収率は66重量%であり、得られた
フィルムの融解、溶融、あるいはフィルム間の膠着は全
く見られなかったが、後熱処理工程後の、原料からの重
量収率は24重量%と低く、また、後熱処理工程で激し
く融解、融着したため、それ以降の工程に供することが
できなかった。
【0084】実施例67〜76 実施例47〜56で得られたフィルム状の炭素質物質
を、プロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)に
より930℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦
活処理をした。賦活後、フィルムを流水で洗浄し、乾燥
してフィルム状活性炭とした(各々実施例67〜7
6)。得られた活性炭の収率、窒素吸着量で測定したB
ET比表面積及びJIS K1474に準拠して測定し
たI2吸着量を表14に示す。
を、プロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)に
より930℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦
活処理をした。賦活後、フィルムを流水で洗浄し、乾燥
してフィルム状活性炭とした(各々実施例67〜7
6)。得られた活性炭の収率、窒素吸着量で測定したB
ET比表面積及びJIS K1474に準拠して測定し
たI2吸着量を表14に示す。
【0085】
【表14】
【0086】実施例77〜86 実施例57〜66で得られたフィルム状の炭素質物質
を、プロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)に
より930℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦
活処理をした。賦活後、フィルムを流水で洗浄し、乾燥
してフィルム状活性炭とした(各々実施例77〜8
6)。得られた活性炭の収率、窒素吸着量で測定したB
ET比表面積及びJIS K1474に準拠して測定し
たI2吸着量を表15に示す。
を、プロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)に
より930℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦
活処理をした。賦活後、フィルムを流水で洗浄し、乾燥
してフィルム状活性炭とした(各々実施例77〜8
6)。得られた活性炭の収率、窒素吸着量で測定したB
ET比表面積及びJIS K1474に準拠して測定し
たI2吸着量を表15に示す。
【0087】
【表15】
【0088】実施例87 重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVAを水
に投入し、窒素ガス気流下80℃で攪拌溶解し、PVA
濃度16重量%の紡糸原液を調製した。該紡糸原液を、
孔径0.12mm、孔数1000の紡糸ノズルを通して
30重量%の硫酸ナトリウム水溶液よりなる30℃の固
化浴中に紡出し、湿式紡糸した。得られたPVA繊維を
同じ固化浴に1分間浸漬して2.5倍延伸し、20℃の
35重量%硫酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬し、90
℃の飽和硫酸ナトリウム水溶液中で全延伸倍率が4.5
倍となるよう延伸し、同じ浴に30秒間定長で浸漬し
た。次いで10℃の水で2分間流水洗して硫酸ナトリウ
ムを洗滌除去した後、130℃の熱風で乾燥し、捲き取
った。
に投入し、窒素ガス気流下80℃で攪拌溶解し、PVA
濃度16重量%の紡糸原液を調製した。該紡糸原液を、
孔径0.12mm、孔数1000の紡糸ノズルを通して
30重量%の硫酸ナトリウム水溶液よりなる30℃の固
化浴中に紡出し、湿式紡糸した。得られたPVA繊維を
同じ固化浴に1分間浸漬して2.5倍延伸し、20℃の
35重量%硫酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬し、90
℃の飽和硫酸ナトリウム水溶液中で全延伸倍率が4.5
倍となるよう延伸し、同じ浴に30秒間定長で浸漬し
た。次いで10℃の水で2分間流水洗して硫酸ナトリウ
ムを洗滌除去した後、130℃の熱風で乾燥し、捲き取
った。
【0089】次いで、乾燥させたPVA繊維を170℃
の第1炉、235℃の第2炉からなる熱風炉中で全延伸
倍率が17倍となるよう熱延伸した。該繊維を空気雰囲
気中、200℃で1時間保持し、その後300℃で30
分間保持することで前熱処理を施した。得られた繊維は
黒褐色であり、前熱処理後の原料からの重量収率は83
重量%であった。
の第1炉、235℃の第2炉からなる熱風炉中で全延伸
倍率が17倍となるよう熱延伸した。該繊維を空気雰囲
気中、200℃で1時間保持し、その後300℃で30
分間保持することで前熱処理を施した。得られた繊維は
黒褐色であり、前熱処理後の原料からの重量収率は83
重量%であった。
【0090】次いで、得られた繊維表面に、塩化亜鉛水
溶液(塩化亜鉛重量/水重量=20重量%)を塗布し、
120℃熱風乾燥機にて10分乾燥した。繊維表面およ
び内部の、原料PVA100重量部に対する塩化亜鉛含
有量は15重量部であった。次いで、該塩化亜鉛含有繊
維を窒素中で50℃〜500℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、さらに窒素中で500℃にて30分間保
持することで後熱処理を行い、目的とする繊維状炭素質
物質を得た。前熱処理及び後熱処理中、繊維の融解、溶
融、あるいは繊維間の膠着は全く見られなかった。最終
的に得られた繊維状炭素質物質の原料からの重量収率は
41重量%であった。結果を表16に示す。
溶液(塩化亜鉛重量/水重量=20重量%)を塗布し、
120℃熱風乾燥機にて10分乾燥した。繊維表面およ
び内部の、原料PVA100重量部に対する塩化亜鉛含
有量は15重量部であった。次いで、該塩化亜鉛含有繊
維を窒素中で50℃〜500℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、さらに窒素中で500℃にて30分間保
持することで後熱処理を行い、目的とする繊維状炭素質
物質を得た。前熱処理及び後熱処理中、繊維の融解、溶
融、あるいは繊維間の膠着は全く見られなかった。最終
的に得られた繊維状炭素質物質の原料からの重量収率は
41重量%であった。結果を表16に示す。
【0091】実施例88〜91 繊維表面に塗布する塩化亜鉛水溶液濃度を変えた以外は
実施例87と同様の方法で実施した。結果を表16に示
す。
実施例87と同様の方法で実施した。結果を表16に示
す。
【0092】
【表16】
【0093】実施例92〜96 後熱処理を、50℃〜350℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで後熱処理を行い、そのときの雰囲気を
酸素/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施
した以外は実施例87〜91と同様の方法で実施した
(各々実施例92〜96)。結果を表17に示す。
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで後熱処理を行い、そのときの雰囲気を
酸素/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施
した以外は実施例87〜91と同様の方法で実施した
(各々実施例92〜96)。結果を表17に示す。
【0094】
【表17】
【0095】実施例97 重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVAを水
に投入し、窒素ガス気流下80℃で攪拌溶解し、PVA
濃度16重量%の紡糸原液を調製した。該紡糸原液を、
孔径0.12mm、孔数1000の紡糸ノズルを通して
30重量%の硫酸ナトリウム水溶液よりなる30℃の固
化浴中に紡出し、湿式紡糸した。得られたPVA繊維を
同じ固化浴に1分間浸漬して2.5倍延伸し、20℃の
35重量%硫酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬し、90
℃の飽和硫酸ナトリウム水溶液中で全延伸倍率が4.5
倍となるよう延伸し、同じ浴に30秒間定長で浸漬し
た。
に投入し、窒素ガス気流下80℃で攪拌溶解し、PVA
濃度16重量%の紡糸原液を調製した。該紡糸原液を、
孔径0.12mm、孔数1000の紡糸ノズルを通して
30重量%の硫酸ナトリウム水溶液よりなる30℃の固
化浴中に紡出し、湿式紡糸した。得られたPVA繊維を
同じ固化浴に1分間浸漬して2.5倍延伸し、20℃の
35重量%硫酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬し、90
℃の飽和硫酸ナトリウム水溶液中で全延伸倍率が4.5
倍となるよう延伸し、同じ浴に30秒間定長で浸漬し
た。
【0096】次いで10℃の水で2分間流水洗して硫酸
ナトリウムを洗滌除去した後、25℃、5重量%(硫酸
と水の総量に占める硫酸の割合)の硫酸水溶液浴へ導い
て1.5分滞留させ、PVA繊維表面及び内部に硫酸を
含浸させた後、100℃の熱風で乾燥し、捲き取った。
次いで、乾燥させたPVA繊維を170℃の第1炉、2
00℃の第2炉からなる熱風炉中で全延伸倍率が10倍
となるよう熱延伸した。繊維中の、PVA原料100重
量部に対する硫酸の含有量は3重量部であった。該繊維
を窒素下、50℃〜180℃まで直線的に5℃/分の速
度で昇温し、さらに180℃の温度で30分間保持する
ことで前熱処理を施した。得られた繊維は黒褐色であ
り、PVAを基準とした重量収率は68重量%であっ
た。
ナトリウムを洗滌除去した後、25℃、5重量%(硫酸
と水の総量に占める硫酸の割合)の硫酸水溶液浴へ導い
て1.5分滞留させ、PVA繊維表面及び内部に硫酸を
含浸させた後、100℃の熱風で乾燥し、捲き取った。
次いで、乾燥させたPVA繊維を170℃の第1炉、2
00℃の第2炉からなる熱風炉中で全延伸倍率が10倍
となるよう熱延伸した。繊維中の、PVA原料100重
量部に対する硫酸の含有量は3重量部であった。該繊維
を窒素下、50℃〜180℃まで直線的に5℃/分の速
度で昇温し、さらに180℃の温度で30分間保持する
ことで前熱処理を施した。得られた繊維は黒褐色であ
り、PVAを基準とした重量収率は68重量%であっ
た。
【0097】次いで、得られた繊維表面に、塩化亜鉛水
溶液(塩化亜鉛重量/水重量=20重量%)を塗布し、
120℃熱風乾燥機にて10分乾燥した。繊維表面およ
び内部の、原料PVA100重量部に対する塩化亜鉛含
有量は15重量部であった。次いで、該塩化亜鉛含有繊
維を窒素中で50℃〜500℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、さらに窒素中で500℃にて30分間保
持することで後熱処理を施した。前熱処理、および後熱
処理中、繊維の融解、溶融、あるいは繊維間の膠着は全
く見られなかった。最終的に得られた繊維状炭素質物質
の原料からの重量収率は48重量%であった。結果を表
18に示す。
溶液(塩化亜鉛重量/水重量=20重量%)を塗布し、
120℃熱風乾燥機にて10分乾燥した。繊維表面およ
び内部の、原料PVA100重量部に対する塩化亜鉛含
有量は15重量部であった。次いで、該塩化亜鉛含有繊
維を窒素中で50℃〜500℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、さらに窒素中で500℃にて30分間保
持することで後熱処理を施した。前熱処理、および後熱
処理中、繊維の融解、溶融、あるいは繊維間の膠着は全
く見られなかった。最終的に得られた繊維状炭素質物質
の原料からの重量収率は48重量%であった。結果を表
18に示す。
【0098】実施例98〜101 繊維表面に塗布する塩化亜鉛水溶液濃度を変えた以外は
実施例97と同様の方法で実施した。結果を表18に示
す。
実施例97と同様の方法で実施した。結果を表18に示
す。
【0099】
【表18】
【0100】実施例102〜106 後熱処理を、50℃〜350℃まで直線的に5℃/分の
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで後熱処理を施し、そのときの雰囲気を
酸素/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施
した以外は実施例97〜101と同様の方法で実施した
(各々実施例102〜106)。結果を表19に示す。
速度で昇温し、次いで攪拌しながら350℃にて30分
間保持することで後熱処理を施し、そのときの雰囲気を
酸素/窒素=5/95(体積比率)の混合ガス中で実施
した以外は実施例97〜101と同様の方法で実施した
(各々実施例102〜106)。結果を表19に示す。
【0101】
【表19】
【0102】比較例13 前熱処理後に、繊維表面に塩化亜鉛を塗布しない以外は
実施例87と同様の方法で実施した。前熱処理後の、原
料からの重量収率は83重量%であり、得られた繊維の
融解、溶融、あるいは繊維間の膠着は全く見られなかっ
たが、後熱処理工程後の、原料からの重量収率は10重
量%と低く、また、後熱処理工程で激しく融解、膠着し
たため、それ以降の工程に供することができなかった。
実施例87と同様の方法で実施した。前熱処理後の、原
料からの重量収率は83重量%であり、得られた繊維の
融解、溶融、あるいは繊維間の膠着は全く見られなかっ
たが、後熱処理工程後の、原料からの重量収率は10重
量%と低く、また、後熱処理工程で激しく融解、膠着し
たため、それ以降の工程に供することができなかった。
【0103】比較例14 前熱処理後に、繊維表面に塩化亜鉛を塗布しない以外は
実施例97と同様の方法で実施した。前熱処理後の、原
料からの重量収率は68重量%であり、得られた繊維の
融解、溶融、あるいは繊維間の膠着は全く見られなかっ
たが、後熱処理工程後の、原料からの重量収率は24重
量%と低く、また、後熱処理工程で融解、膠着したた
め、それ以降の工程に供することができなかった。
実施例97と同様の方法で実施した。前熱処理後の、原
料からの重量収率は68重量%であり、得られた繊維の
融解、溶融、あるいは繊維間の膠着は全く見られなかっ
たが、後熱処理工程後の、原料からの重量収率は24重
量%と低く、また、後熱処理工程で融解、膠着したた
め、それ以降の工程に供することができなかった。
【0104】比較例15 塩化亜鉛を前熱処理時に加え、かつ、後熱処理時には塩
化亜鉛を加えない点以外は実施例87と同様の方法で実
施した。結果を表20に示す。
化亜鉛を加えない点以外は実施例87と同様の方法で実
施した。結果を表20に示す。
【0105】比較例16 塩化亜鉛を前熱処理時に加え、かつ、後熱処理時には塩
化亜鉛を加えない点以外は実施例92と同様の方法で実
施した。結果を表20に示す。
化亜鉛を加えない点以外は実施例92と同様の方法で実
施した。結果を表20に示す。
【0106】比較例17 前熱処理工程を省いた点以外は実施例87と同様の方法
で実施した。結果を表20に示す。
で実施した。結果を表20に示す。
【0107】比較例18 前熱処理工程を省いた点以外は実施例92と同様の方法
で実施した。結果を表20に示す。
で実施した。結果を表20に示す。
【0108】
【表20】
【0109】実施例107〜110、比較例19〜22 実施例87、92、97、102及び比較例15〜18
で得られた繊維状の炭素質物質を、石英管中に入れ、窒
素ガスにて空気を置換した後、500℃まで50℃/1
時間の昇温速度で、その後1000℃まで100℃/1
時間で加熱して炭素繊維を得た(各々実施例107〜1
10及び比較例19〜22)。炭素繊維の原料からの収
率を表21に示す。
で得られた繊維状の炭素質物質を、石英管中に入れ、窒
素ガスにて空気を置換した後、500℃まで50℃/1
時間の昇温速度で、その後1000℃まで100℃/1
時間で加熱して炭素繊維を得た(各々実施例107〜1
10及び比較例19〜22)。炭素繊維の原料からの収
率を表21に示す。
【0110】
【表21】
【0111】比較例23 特開昭48−39724号公報の実施例1に準じて平均
重合度3280のPVAの13%水溶液を、水酸化ナト
リウム9.5モル/リットルの30℃からなる凝固浴中
に紡出し、常法の紡糸延伸、中和・湿熱処理、水洗、乾
燥、熱延伸を行なって繊度6デニールのPVA繊維を得
た。この繊維を210℃、15時間空気中で加熱不融化
した。次いで、得られた黒褐色繊維を石英管中に入れ、
窒素ガスにて空気を置換した後、500℃まで50℃/
1時間の昇温速度で、その後1000℃まで100℃/
1時間で加熱して炭素繊維を得た。炭素繊維の原料から
の収率は25重量%であった。
重合度3280のPVAの13%水溶液を、水酸化ナト
リウム9.5モル/リットルの30℃からなる凝固浴中
に紡出し、常法の紡糸延伸、中和・湿熱処理、水洗、乾
燥、熱延伸を行なって繊度6デニールのPVA繊維を得
た。この繊維を210℃、15時間空気中で加熱不融化
した。次いで、得られた黒褐色繊維を石英管中に入れ、
窒素ガスにて空気を置換した後、500℃まで50℃/
1時間の昇温速度で、その後1000℃まで100℃/
1時間で加熱して炭素繊維を得た。炭素繊維の原料から
の収率は25重量%であった。
【0112】比較例24 特開昭49−24897号公報の実施例1に従って、重
合度1700のPVA水溶液を芒硝飽和水溶液を凝固浴
として湿式紡糸し、ついで乾燥、熱延伸、熱処理して単
繊維繊度1dのフィラメントを得た。得られたフィラメ
ントを合糸して10000drの繊維束としてこれを3
%の硫酸水素カリウム水溶液に室温で15分間浸漬した
後脱液し、風乾後、減圧乾燥した。繊維に吸着含有され
た硫酸水素カリウム量は3重量%であった。
合度1700のPVA水溶液を芒硝飽和水溶液を凝固浴
として湿式紡糸し、ついで乾燥、熱延伸、熱処理して単
繊維繊度1dのフィラメントを得た。得られたフィラメ
ントを合糸して10000drの繊維束としてこれを3
%の硫酸水素カリウム水溶液に室温で15分間浸漬した
後脱液し、風乾後、減圧乾燥した。繊維に吸着含有され
た硫酸水素カリウム量は3重量%であった。
【0113】このように処理された繊維を空気中におい
て200℃で5時間加熱して黒褐色の不融化繊維を得
た。次いでこの不融化繊維を石英管中に入れ、窒素ガス
にて空気を置換した後、500℃まで50℃/1時間の
昇温速度で、その後1000℃まで100℃/1時間で
加熱して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の原料から
の収率は27重量%であった。
て200℃で5時間加熱して黒褐色の不融化繊維を得
た。次いでこの不融化繊維を石英管中に入れ、窒素ガス
にて空気を置換した後、500℃まで50℃/1時間の
昇温速度で、その後1000℃まで100℃/1時間で
加熱して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の原料から
の収率は27重量%であった。
【0114】比較例25 特開昭50−35431号公報の実施例1に従って、重
合度1200、ケン化度99.9モル%のPVAを30
%水溶液となるように加熱溶解して紡糸原液とし、ノズ
ルより150℃の加熱空気中に押出し、乾式紡糸法によ
り未延伸糸を紡糸した。得られた未延伸糸を200℃の
加熱空気中で8倍に延伸熱処理し、繊度250drの糸
状とした。該糸状を無緊張状態でHClガス中昇温速度
40℃/1時間で200℃に加熱昇温し、同温度で1時
間処理した。
合度1200、ケン化度99.9モル%のPVAを30
%水溶液となるように加熱溶解して紡糸原液とし、ノズ
ルより150℃の加熱空気中に押出し、乾式紡糸法によ
り未延伸糸を紡糸した。得られた未延伸糸を200℃の
加熱空気中で8倍に延伸熱処理し、繊度250drの糸
状とした。該糸状を無緊張状態でHClガス中昇温速度
40℃/1時間で200℃に加熱昇温し、同温度で1時
間処理した。
【0115】得られた黒褐色繊維を200℃に加熱され
た空気中で3時間酸化処理を行なった。次いで、この不
融化繊維を石英管中に入れ、窒素ガスにて空気を置換し
た後、500℃まで50℃/1時間の昇温速度で、その
後1000℃まで100℃/1時間で加熱して炭素繊維
を得た。炭素繊維の原料からの収率は26重量%であっ
た。
た空気中で3時間酸化処理を行なった。次いで、この不
融化繊維を石英管中に入れ、窒素ガスにて空気を置換し
た後、500℃まで50℃/1時間の昇温速度で、その
後1000℃まで100℃/1時間で加熱して炭素繊維
を得た。炭素繊維の原料からの収率は26重量%であっ
た。
【0116】比較例26 特開昭50−52320号公報の実施例1に従って、重
合度1200、ケン化度99.9モル%のPVAを30
%水溶液になるように加熱溶解し、同時にポリリン酸ア
ンモニウムをPVAに対して5重量%になるように添加
溶解して紡糸原液とした。該紡糸原液を乾式紡糸法によ
り延伸温度200℃、熱処理温度210℃、延伸倍率8
倍の条件で100dr/50fの糸状とした。該糸状を
無緊張で窒素ガス中昇温速度50℃/1時間で200℃
まで昇温加熱し、200℃にて1時間保持し、さらに2
00℃の加熱空気中で1時間酸化処理を行なった。
合度1200、ケン化度99.9モル%のPVAを30
%水溶液になるように加熱溶解し、同時にポリリン酸ア
ンモニウムをPVAに対して5重量%になるように添加
溶解して紡糸原液とした。該紡糸原液を乾式紡糸法によ
り延伸温度200℃、熱処理温度210℃、延伸倍率8
倍の条件で100dr/50fの糸状とした。該糸状を
無緊張で窒素ガス中昇温速度50℃/1時間で200℃
まで昇温加熱し、200℃にて1時間保持し、さらに2
00℃の加熱空気中で1時間酸化処理を行なった。
【0117】次いで、この不融化繊維を石英管中に入
れ、窒素ガスにて空気を置換した後、500℃まで50
℃/1時間の昇温速度で、その後1000℃まで100
℃/1時間で加熱して炭素繊維を得た。炭素繊維の原料
からの収率は26重量%であった。
れ、窒素ガスにて空気を置換した後、500℃まで50
℃/1時間の昇温速度で、その後1000℃まで100
℃/1時間で加熱して炭素繊維を得た。炭素繊維の原料
からの収率は26重量%であった。
【0118】比較例27 特開昭50−52321号公報の実施例1に従って、重
合度1200、ケン化度99.9モル%のPVAを30
%水溶液になるように加熱溶解し、同時にポリリン酸ア
ンモニウムをPVAに対して5重量%になるように添加
溶解して紡糸原液となし、通常の乾式紡糸法により10
00dr/50fの糸状とした。該糸状を空気中、無緊
張で昇温速度40℃/1時間で150℃まで昇温加熱
し、150℃にて5時間保持した。次いで、この不融化
繊維を石英管中に入れ、窒素ガスにて空気を置換した
後、500℃まで50℃/1時間の昇温速度で、その後
1000℃まで100℃/1時間で加熱して炭素繊維を
得た。炭素繊維の原料からの収率は27重量%であっ
た。
合度1200、ケン化度99.9モル%のPVAを30
%水溶液になるように加熱溶解し、同時にポリリン酸ア
ンモニウムをPVAに対して5重量%になるように添加
溶解して紡糸原液となし、通常の乾式紡糸法により10
00dr/50fの糸状とした。該糸状を空気中、無緊
張で昇温速度40℃/1時間で150℃まで昇温加熱
し、150℃にて5時間保持した。次いで、この不融化
繊維を石英管中に入れ、窒素ガスにて空気を置換した
後、500℃まで50℃/1時間の昇温速度で、その後
1000℃まで100℃/1時間で加熱して炭素繊維を
得た。炭素繊維の原料からの収率は27重量%であっ
た。
【0119】実施例111〜120 実施例87〜96で得られた繊維状の炭素質物質を、プ
ロパンの燃焼ガス(H 2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉の中に仕込み、30分間賦活
処理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊
維状活性炭とした(各々実施例111〜120)。得ら
れた活性炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面
積及びJIS K1474に準拠して測定したI2吸着
量を表22に示す。
ロパンの燃焼ガス(H 2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉の中に仕込み、30分間賦活
処理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊
維状活性炭とした(各々実施例111〜120)。得ら
れた活性炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面
積及びJIS K1474に準拠して測定したI2吸着
量を表22に示す。
【0120】
【表22】
【0121】実施例121〜130 実施例97〜106で得られた繊維状の炭素質物質を、
プロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により
930℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処
理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊維
状活性炭とした(各々実施例121〜130)。得られ
た活性炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積
及びJIS K1474に準拠して測定したI2吸着量
を表23に示す。
プロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により
930℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処
理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊維
状活性炭とした(各々実施例121〜130)。得られ
た活性炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積
及びJIS K1474に準拠して測定したI2吸着量
を表23に示す。
【0122】
【表23】
【0123】比較例28〜31 比較例15〜18で得られた繊維状の炭素質物質を、プ
ロパンの燃焼ガス(H 2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理
をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊維状
活性炭とした(各々比較例28〜31)。得られた活性
炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJ
IS K1474に準拠して測定したI2吸着量を表2
4に示す。
ロパンの燃焼ガス(H 2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉に投入し、30分間賦活処理
をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊維状
活性炭とした(各々比較例28〜31)。得られた活性
炭の収率、窒素吸着量で測定したBET比表面積及びJ
IS K1474に準拠して測定したI2吸着量を表2
4に示す。
【0124】
【表24】
【0125】比較例32 特開昭53−114925号公報の実施例1に従い、平
均重合度1200のPVAに脱水反応促進剤としてリン
酸水素2アンモニウムとリン酸1水素アンモニウムを
1:1の割合で混合したものをPVA100重量部に対
して7重量部添加し、濃度33重量%の紡糸原液を調製
した。この原液を乾式紡糸法により糸状とし200℃で
8倍延伸後、230℃で1分熱処理して繊度120d/
30fの原料繊維とした。この繊維を220℃の加熱空
気中で3時間処理して繊維状炭素質物質を得た。
均重合度1200のPVAに脱水反応促進剤としてリン
酸水素2アンモニウムとリン酸1水素アンモニウムを
1:1の割合で混合したものをPVA100重量部に対
して7重量部添加し、濃度33重量%の紡糸原液を調製
した。この原液を乾式紡糸法により糸状とし200℃で
8倍延伸後、230℃で1分熱処理して繊度120d/
30fの原料繊維とした。この繊維を220℃の加熱空
気中で3時間処理して繊維状炭素質物質を得た。
【0126】次いで、得られた繊維状炭素質物質を、プ
ロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉の中に仕込み、30分間賦活
処理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊
維状活性炭とした。得られた活性炭の原料繊維に対する
重量収率は10重量%、窒素吸着量で測定したBET比
表面積は1550m2/g、JIS K1474に準拠
して測定したI2吸着量は1630mg/gであった。
ロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉の中に仕込み、30分間賦活
処理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊
維状活性炭とした。得られた活性炭の原料繊維に対する
重量収率は10重量%、窒素吸着量で測定したBET比
表面積は1550m2/g、JIS K1474に準拠
して測定したI2吸着量は1630mg/gであった。
【0127】比較例33 特開昭59−187624号公報の実施例1に従い、重
合度1700のPVAを通常の湿式紡糸法により紡糸
し、1800d/1000fの糸状となした。次いで、
該繊維を、脱水剤として硫酸アンモニウムと硫酸水素2
アンモニウムを各50gを1000gの水に溶解した水
溶液中に5秒間滞留させた後、絞液し、105℃乾燥機
中で3分間乾燥した。脱水剤の付着量は、PVA繊維1
00重量部に対して5重量部であった。この、脱水剤付
着PVA繊維を210℃の加熱空気中で30分間熱風式
乾燥機内で、空気中無緊張下にて30分加熱した。得ら
れた黒褐色のPVA繊維を、さらに空気中無緊張下にて
300℃で60分間熱処理することで黒色の繊維状炭素
質物質を得た。
合度1700のPVAを通常の湿式紡糸法により紡糸
し、1800d/1000fの糸状となした。次いで、
該繊維を、脱水剤として硫酸アンモニウムと硫酸水素2
アンモニウムを各50gを1000gの水に溶解した水
溶液中に5秒間滞留させた後、絞液し、105℃乾燥機
中で3分間乾燥した。脱水剤の付着量は、PVA繊維1
00重量部に対して5重量部であった。この、脱水剤付
着PVA繊維を210℃の加熱空気中で30分間熱風式
乾燥機内で、空気中無緊張下にて30分加熱した。得ら
れた黒褐色のPVA繊維を、さらに空気中無緊張下にて
300℃で60分間熱処理することで黒色の繊維状炭素
質物質を得た。
【0128】次いで、得られた繊維状炭素質物質を、プ
ロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉の中に仕込み、30分間賦活
処理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊
維状活性炭とした。得られた活性炭の、原料繊維に対す
る重量収率は11重量%、窒素吸着量で測定したBET
比表面積は1460m2/g、JIS K1474に準
拠して測定したI2吸着量は1530mg/gであっ
た。以上の実施例及び比較例の結果から本発明の効果は
明らかである。
ロパンの燃焼ガス(H2O、CO2が主成分)により9
30℃に調整された賦活炉の中に仕込み、30分間賦活
処理をした。賦活後、繊維を流水で洗浄し、乾燥して繊
維状活性炭とした。得られた活性炭の、原料繊維に対す
る重量収率は11重量%、窒素吸着量で測定したBET
比表面積は1460m2/g、JIS K1474に準
拠して測定したI2吸着量は1530mg/gであっ
た。以上の実施例及び比較例の結果から本発明の効果は
明らかである。
【0129】
【発明の効果】本発明により、PVA系樹脂又はその成
形物を原料とし、前熱処理及び金属ルイス酸の存在下に
後熱処理して炭素質物質を製造する工業的に有利な炭素
質物質の製造方法を提供することができる。本発明によ
り得られる炭素質物質は、それ自身でも各種電極材料、
導電材料、断熱材料、吸着材料、防炎材料、帯電防止材
料、耐熱材料、耐薬品材料等に好適に使用される。該炭
素質物質は、さらに適当な熱処理又は賦活処理をするこ
とによって、耐熱性、断熱性、導電性等に優れた炭素材
料もしくは黒鉛材料、又は活性炭とすることができる。
これらの炭素材料又は黒鉛材料は、各種補強材、断熱
材、吸着材、2次電池用電極材料、電解コンデンサー用
電極材料、電気2重層キャパシター用電極材料等に広く
適用することができ、また活性炭は、浄水器用途、空気
洗浄器用途、ガス吸着用途、水処理用途、脱色用途、た
ばこフィルター用、2次電池用電極材料、電解コンデン
サー用電極材料、電気2重層キャパシター用電極材料等
として有用である。
形物を原料とし、前熱処理及び金属ルイス酸の存在下に
後熱処理して炭素質物質を製造する工業的に有利な炭素
質物質の製造方法を提供することができる。本発明によ
り得られる炭素質物質は、それ自身でも各種電極材料、
導電材料、断熱材料、吸着材料、防炎材料、帯電防止材
料、耐熱材料、耐薬品材料等に好適に使用される。該炭
素質物質は、さらに適当な熱処理又は賦活処理をするこ
とによって、耐熱性、断熱性、導電性等に優れた炭素材
料もしくは黒鉛材料、又は活性炭とすることができる。
これらの炭素材料又は黒鉛材料は、各種補強材、断熱
材、吸着材、2次電池用電極材料、電解コンデンサー用
電極材料、電気2重層キャパシター用電極材料等に広く
適用することができ、また活性炭は、浄水器用途、空気
洗浄器用途、ガス吸着用途、水処理用途、脱色用途、た
ばこフィルター用、2次電池用電極材料、電解コンデン
サー用電極材料、電気2重層キャパシター用電極材料等
として有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G032 AA13 AA21 GA06 GA19 4G046 CA04 CB02 CC02 CC08 HA03 HB01 HC04 HC11 HC12 4L037 AT18 CS03 CS06 FA01 PA45 PC11 PF12 PF19 PS02 PS12 UA04 UA07 UA20
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂又はその成
形物に熱処理(前熱処理)を施した後、さらに金属ルイ
ス酸の存在下で熱処理(後熱処理)することを特徴とす
る炭素質物質の製造方法。 - 【請求項2】 該前熱処理を施した後のポリビニルアル
コール系樹脂又はその成形物の重量収率が60〜85%
である請求項1記載の炭素質物質の製造方法。 - 【請求項3】 該金属ルイス酸が金属ハロゲン化物であ
る請求項1又は2記載の炭素質物質の製造方法。 - 【請求項4】 該金属ルイス酸が金属塩化物である請求
項1〜3いずれかに記載の炭素質物質の製造方法。 - 【請求項5】 該後熱処理をした後、さらに非酸化性ガ
ス雰囲気下で熱処理する請求項1〜4いずれかに記載の
炭素質物質の製造方法。 - 【請求項6】 該ポリビニルアルコール系樹脂の成形物
が繊維状物である請求項1〜5いずれかに記載の炭素質
物質の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれかに記載の製造方法
により得られた炭素質物質。 - 【請求項8】 請求項7に記載の炭素質物質を賦活して
得た活性炭。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001136426A JP2002326808A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | 炭素質物質の製造方法及び該製造方法により得られた炭素質物質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001136426A JP2002326808A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | 炭素質物質の製造方法及び該製造方法により得られた炭素質物質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002326808A true JP2002326808A (ja) | 2002-11-12 |
Family
ID=18983703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001136426A Pending JP2002326808A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | 炭素質物質の製造方法及び該製造方法により得られた炭素質物質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002326808A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109911895A (zh) * | 2019-02-25 | 2019-06-21 | 合肥学院 | 一种烟草基改性活性炭的制备方法 |
-
2001
- 2001-05-07 JP JP2001136426A patent/JP2002326808A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109911895A (zh) * | 2019-02-25 | 2019-06-21 | 合肥学院 | 一种烟草基改性活性炭的制备方法 |
CN109911895B (zh) * | 2019-02-25 | 2023-01-31 | 合肥学院 | 一种烟草基改性活性炭的制备方法 |
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