JP2002324311A - 磁気記録媒体の再資源化方法 - Google Patents

磁気記録媒体の再資源化方法

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JP2002324311A
JP2002324311A JP2001127870A JP2001127870A JP2002324311A JP 2002324311 A JP2002324311 A JP 2002324311A JP 2001127870 A JP2001127870 A JP 2001127870A JP 2001127870 A JP2001127870 A JP 2001127870A JP 2002324311 A JP2002324311 A JP 2002324311A
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JP2001127870A
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Noritaka Sato
則孝 佐藤
Tsutomu Noguchi
勉 野口
Haruo Watanabe
春夫 渡辺
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Sony Corp
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課 題】磁気記録媒体の磁性層に含まれる磁性粒子
を回収することができ、かつ、再資源化の過程で得られ
る低分子分解物を回収または該低分子分解物を適正に分
解処理できる磁気記録媒体の再資源化方法を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体を高温高圧水により化学分
解して、磁気記録媒体に含まれる有機物質の低分子分解
物または/および磁性粒子を取得することを特徴とする
磁気記録媒体の再資源化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオテープ
やビデオテープ等の磁気記録媒体を再資源化する方法、
再資源化された磁性粒子を用いて製造される磁気記録媒
体および再資源化することを目的とした磁気記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、基本的には磁気記録を
担う磁性粒子から構成されている磁性層と、それを機械
的に保持する基材とからなる構造をとっている(図
1)。基材の材質は、樹脂や紙であり、具体的には、例
えば酢酸セルロース、セルロース、ポリエチレンテレフ
タラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)などが挙げられる。ビデオテープでは、PETフィ
ルムが基材に多く用いられる。磁性粒子は、各種のもの
があるが、例えば、マグネタイト(磁鉄鋼)、酸化クロ
ム、鉄などが挙げられる。通常、磁性粒子はサブミクロ
ンの微粒子である。該磁性粒子をバインダーとともに溶
剤に分散させ(作製された溶液を磁性塗料と呼ぶ)、基
材の上に塗布し、磁場配向させ、乾燥することで、磁気
記録媒体が作られる。上記バインダーには、例えば、ウ
レタン樹脂、塩化ビニル、ビニルアルコール、ポリアミ
ド樹脂、エポキシ樹脂またはセルロース樹脂などが用い
られる。このほか、ビデオテープを製造するためには、
通常、磁性塗料に分散剤(例えば、レシチンなどの界面
活性剤)や架橋剤(例えば、イソシアネートなど)を添
加する。また、そしてビデオテープの使用時に効果を発
揮する潤滑剤(例えば、長鎖アルキル基を有するカルボ
ン酸と短鎖アルキル基を有するアルコールのエステルな
ど)や研磨剤(例えば、酸化アルミニウムなどのモース
硬度7以上の堅い粒子)、あるいは帯電防止剤(例え
ば、カーボンブラックなど)も、通常、磁性塗料に添加
される。また、真空中で磁性粒子を加熱蒸発させ、基材
に蒸着させて、作られる磁気記録媒体もある。
【0003】近年、磁気記録を応用した多種多様の製品
が生産され、それら生産量は増加の一途をたどってい
る。それに伴い、それら製品が使用された後の廃棄が問
題となりつつある。磁気記録媒体に限ったことではない
が、近年の大量生産、大量消費、大量廃棄という一方通
行では資源枯渇の問題がある。そして大量廃棄するに
も、ごみ処理場の不足や焼却に伴う有害物質の発生飛散
等の問題がある。こういった背景から、磁気記録媒体を
再資源化が検討されている。
【0004】従来研究開発されてきた磁気記録媒体の再
資源化技術を見ると、その多くが磁性層と基材との分離
技術に注力されていた(特開平5-274666、特平11-16771
6など)。そして、分離された両者のうち、基材の再資
源化だけが注目されていた。すなわち、基材を再利用す
る、あるいは、樹脂である基材を何らかの処理で低分子
化して液状とすることで再資源とする技術が知られてい
る(特開平2-29492、特開平4-180995、特開2000-178564
など)。一方で、従来、磁性層の再資源化については、
ほとんど検討されてないといえる。磁性層と基材との分
離技術の特許の中で補足説明的に、磁性粒子の回収につ
いて触れられているだけであった。例えば、「磁石を併
用した水洗いで磁気成分を回収」といった記述があるだ
けであった(特開2000-34364)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気記録媒
体の磁性層に含まれる磁性粒子を回収することができる
磁気記録媒体または磁気記録媒体の磁性層の再資源化方
法を提供することを目的とする。本発明は、また、磁気
記録媒体または磁性層の再資源化の過程で得られる低分
子分解物の回収または該低分子分解物の適正な分解処理
技術による磁気記録媒体の好適な再資源化方法を提供す
る。本発明は、さらに、磁気記録媒体または磁性層の再
資源化の過程で生じる水などを循環利用することによ
り、効率的で、資源およびエネルギー節約型の磁気記録
媒体の再資源化方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これまで
注目されていなかった磁性層の再資源化技術を開発すべ
く鋭意検討し、超臨界流体を用いた磁性層の再資源化を
試みた。ここで、超臨界流体とは、その物質固有の臨界
温度と臨界圧力とを越えたもので、通常(臨界温度およ
び臨界圧力内)の条件下とはかなり違った物性を示す。
超臨界流体を反応場として用いると、反応特性に特異的
現象が見られる。例えば、水の場合、374℃と22M
Paという高温高圧を越えると超臨界水となる。超臨界
水は、水蒸気の物性と水の物性とを合わせもち、また有
機物も溶かすことができる。このような特性を活かし、
近年、PCBやダイオキシンなどの物質を超臨界水中に
おいて分解する研究開発が行われている。また、超臨界
水には至らなくても、高温高圧の熱水によって各種の反
応を行わせることが報告されている。
【0007】上記検討の結果、超臨界水はもちろん、超
臨界状態には至らない高温高圧の熱水を用いても、磁性
層に含まれるバインダーを加水分解することができ、か
つ該バインダーが加水分解されてできた低分子分解物は
水に可溶であり、磁性粒子との容易に分離することがで
きるという思いがけない知見を得た。さらに、該低分子
分解物は、樹脂の原料となるモノマーとして再資源化が
可能であるという知見も得た。本発明者らは、さらに検
討を重ねて本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(1) 磁気記録媒
体を化学分解して、磁気記録媒体に含まれる有機物質の
低分子分解物または/および磁性粒子を取得することを
特徴とする磁気記録媒体の再資源化方法、(2) 化学
分解が、高温高圧下での加水分解または/および熱分解
であることを特徴とする前記(1)に記載の磁気記録媒
体の再資源化方法、(3) 磁気記録媒体または有機物
質からなる基材から予め分離された磁性層を、高温高圧
水で処理することにより磁気記録媒体または磁性層に含
まれる有機物質を水に可溶な低分子分解物に分解し回収
すること、または/および有機物質の大部分が分離除去
された磁性粒子を回収することを特徴とする磁気記録媒
体または磁気記録媒体の磁性層の再資源化方法、(4)
高温高圧水が、温度が150〜374℃、圧力がその
温度での飽和蒸気圧以上の水、または温度が374℃以
上でかつ圧力が22.1MPa以上の水であることを特
徴とする前記(3)に記載の再資源化方法、(5) 高
温高圧水に酸化剤が混入されていないことを特徴とする
前記(3)に記載の再資源化方法、に関する。
【0009】また、本発明は、(6) 磁気記録媒体ま
たは磁気記録媒体の磁性層を高温高圧水により処理した
後、磁性粒子を水から分離回収し、その後磁性粒子と分
離された低分子分解物を含有する水溶液を、低分子分解
物濃縮処理に付すことを特徴とする前記(3)に記載の
再資源化方法、(7) 低分子分解物濃縮処理において
得られる水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水とし
て用いることを特徴とする前記(6)に記載の再資源化
方法、(8) 磁気記録媒体または磁気記録媒体の磁性
層を高温高圧水により処理した後、磁性粒子を水から分
離回収し、その後磁性粒子と分離された低分子分解物を
含有する水溶液に酸化剤を添加して高温高圧にするか、
または該水溶液を高温高圧にしてから酸化剤を添加する
かのいずれかの処理によって、該水溶液に含まれる低分
子分解物をさらに酸化分解し、該水溶液中の有機成分を
なくするかまたはその含有量を低減することを特徴とす
る前記(3)に記載の再資源化方法、(9) 高温高圧
が、300〜600℃の温度でかつその温度での水の飽
和蒸気圧以上の圧力、または374℃以上の温度でかつ
22.1MPa以上の圧力であることを特徴とする前記
(8)に記載の再資源化方法、(10) 酸化剤が、酸
素、オゾンおよび過酸化水素からなる群から選ばれる少
なくとも1種を含むことを特徴とする前記(8)に記載
の再資源化方法、に関する。(11) 前記(8)に記
載の方法で最終的に得られる有機成分を含有しないかま
たはその含有量が低減されている排水の一部あるいは全
部を、再び高温高圧水として用いることを特徴とする前
記(8)に記載の再資源化方法、に関する。
【0010】また、本発明は、(12) 高温高圧水に
予めアルカリ性物質が添加されていることを特徴とする
前記(3)に記載の再資源化方法、(13) 高温高圧
水による処理の前に、予め磁気記録媒体または磁性層に
アルカリ性物質を添加することを特徴とする前記(3)
に記載の再資源化方法、(14) アルカリ性物質が、
アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素カリウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
酸化カルシウム、t−BuOK、t−BuONaおよび
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドからなる群から
選ばれる1種以上であることを特徴とする前記(12)
または(13)に記載の再資源化方法、(15) 磁気
記録媒体または磁気記録媒体の磁性層をアルカリ性物質
を含有する高温高圧水により処理した後、磁性粒子を水
から分離回収し、その後磁性粒子と分離された低分子分
解物を含有する水溶液を、低分子分解物濃縮処理に付す
ことを特徴とする前記(12)に記載の再資源化方法、
(16) 低分子分解物濃縮処理において得られる水の
一部あるいは全部を、再び高温高圧水として用いること
を特徴とする前記(15)に記載の再資源化方法、に関
する。
【0011】また、本発明は、(17) 磁気記録媒体
または磁気記録媒体の磁性層をアルカリ性物質を含有す
る高温高圧水により処理した後、磁性粒子を水から分離
回収し、その後磁性粒子と分離された低分子分解物を含
有する水溶液に酸化剤を添加して高温高圧にするか、ま
たは該水溶液を高温高圧にしてから酸化剤を添加するか
のいずれかの処理によって、該水溶液に含まれる低分子
分解物を酸化分解し、該水溶液中の有機成分を無くする
かまたはその含有量を低減することを特徴とする前記
(12)に記載の再資源化方法、(18) 高温高圧
が、300〜600℃の温度でかつその温度での水の飽
和蒸気圧以上の圧力、または374℃以上の温度でかつ
22.1MPa以上の圧力であることを特徴とする前記
(17)に記載の再資源化方法、(19) 酸化剤が、
酸素、オゾンおよび過酸化水素からなる群から選ばれる
少なくとも1種を含むことを特徴とする前記(17)に
記載の再資源化方法、(20) 前記(17)に記載の
方法で最終的に得られる有機成分を含有しないかまたは
その含有量が低減されている排水の一部あるいは全部
を、再び高温高圧水として用いることを特徴とする前記
(17)に記載の再資源化方法、に関する。
【0012】また、本発明は、(21) アルカリ性物
質が予め添加されている磁気記録媒体または磁気記録媒
体の磁性層を高温高圧水により処理した後、磁性粒子を
水から分離回収し、その後磁性粒子と分離された低分子
分解物を含有する水溶液を、低分子分解物濃縮処理に付
すことを特徴とする前記(13)に記載の再資源化方
法、(22) 低分子分解物濃縮処理において得られる
水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水として用いる
ことを特徴とする前記(21)に記載の再資源化方法、
(23) アルカリ性物質が予め添加されている磁気記
録媒体または磁気記録媒体の磁性層を高温高圧水により
処理した後、磁性粒子を水から分離回収し、その後磁性
粒子と分離された低分子分解物を含有する水溶液に酸化
剤を添加して高温高圧にするか、または該水溶液を高温
高圧にしてから酸化剤を添加するかのいずれかの処理に
よって、該水溶液に含まれる低分子分解物を酸化分解
し、該水溶液中の有機成分を無くするかまたはその含有
量を低減することを特徴とする前記(13)に記載の再
資源化方法、(24) 高温高圧が、300〜600℃
の温度でかつその温度での水の飽和蒸気圧以上の圧力、
または374℃以上の温度でかつ22.1MPa以上の
圧力であることを特徴とする前記(23)に記載の再資
源化方法、(25) 酸化剤が、酸素、オゾンおよび過
酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む
ことを特徴とする前記(23)に記載の再資源化方法、
(26) 前記(23)に記載の方法で最終的に得られ
る有機成分を含有しないかまたはその含有量が低減され
ている排水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水とし
て用いることを特徴とする前記(23)に記載の再資源
化方法、(27) ハロゲン元素が含まれる磁性層を前
記(3)に記載の方法で再資源化する際、最終的に得ら
れた排水も回収し酸として再資源化することを特徴とす
る前記(3)に記載の再資源化方法、に関する。
【0013】(31) 磁気記録媒体に含まれる有機物
質を低分子分解物に化学分解することにより、かかる有
機物質の大部分と磁性粒子とを分離し、磁性粒子を取得
することを特徴とする磁性粒子の再資源化方法、(3
2) 化学分解が、高温高圧下での加水分解または/お
よび熱分解であることを特徴とする前記(31)に記載
の磁性粒子の再資源化方法、(33) 磁気記録媒体ま
たは有機物質からなる基材から予め分離された磁性層
を、高温高圧水で処理することにより磁気記録媒体また
は磁性層に含まれる有機物質を水に可溶な低分子分解物
に分解し、有機物質の大部分が分離除去された磁性粒子
を回収することを特徴とする磁性粒子の再資源化方法、
(34) 高温高圧水が、温度が150〜374℃、圧
力がその温度での飽和蒸気圧以上の水、または温度が3
74℃以上でかつ圧力が22.1MPa以上の水である
ことを特徴とする前記(33)に記載の再資源化方法、
(35) 高温高圧水に酸化剤が混入されていないこと
を特徴とする前記(33)に記載の再資源化方法、に関
する。
【0014】また、本発明は、(36) 磁気記録媒体
または磁気記録媒体の磁性層を高温高圧水により処理し
た後、磁性粒子を水から分離回収し、その後磁性粒子と
分離された低分子分解物を含有する水溶液を、低分子分
解物濃縮処理に付すことを特徴とする前記(33)に記
載の再資源化方法、(37) 低分子分解物濃縮処理に
おいて得られる水の一部あるいは全部を、再び高温高圧
水として用いることを特徴とする前記(36)に記載の
再資源化方法、(38) 磁気記録媒体または磁気記録
媒体の磁性層を高温高圧水により処理した後、磁性粒子
を水から分離回収し、その後磁性粒子と分離された低分
子分解物を含有する水溶液に酸化剤を添加して高温高圧
にするか、または該水溶液を高温高圧にしてから酸化剤
を添加するかのいずれかの処理によって、該水溶液に含
まれる低分子分解物をさらに酸化分解し、該水溶液中の
有機成分をなくするかまたはその含有量を低減すること
を特徴とする前記(33)に記載の再資源化方法、(3
9) 高温高圧が、300〜600℃の温度でかつその
温度での水の飽和蒸気圧以上の圧力、または374℃以
上の温度でかつ22.1MPa以上の圧力であることを
特徴とする前記(38)に記載の再資源化方法、(4
0) 酸化剤が、酸素、オゾンおよび過酸化水素からな
る群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とす
る前記(38)に記載の再資源化方法、に関する。(4
1) 前記(38)に記載の方法で最終的に得られる有
機成分を含有しないかまたはその含有量が低減されてい
る排水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水として用
いることを特徴とする前記(38)に記載の再資源化方
法、
【0015】また、本発明は、(42) 高温高圧水に
予めアルカリ性物質が添加されていることを特徴とする
前記(33)に記載の再資源化方法、(13) 高温高
圧水による処理の前に、予め磁気記録媒体または磁性層
にアルカリ性物質を添加することを特徴とする前記
(3)に記載の再資源化方法、(44) アルカリ性物
質が、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、酸化カルシウム、t−BuOK、t−BuON
aおよびテトラメチルアンモニウムヒドロキシドからな
る群から選ばれる1種以上であることを特徴とする前記
(42)または(43)に記載の再資源化方法、(4
5) 磁気記録媒体または磁気記録媒体の磁性層をアル
カリ性物質を含有する高温高圧水により処理した後、磁
性粒子を水から分離回収し、その後磁性粒子と分離され
た低分子分解物を含有する水溶液を、低分子分解物濃縮
処理に付すことを特徴とする前記(42)に記載の再資
源化方法、(46) 低分子分解物濃縮処理において得
られる水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水として
用いることを特徴とする前記(45)に記載の再資源化
方法、に関する。
【0016】また、本発明は、(47) 磁気記録媒体
または磁気記録媒体の磁性層をアルカリ性物質を含有す
る高温高圧水により処理した後、磁性粒子を水から分離
回収し、その後磁性粒子と分離された低分子分解物を含
有する水溶液に酸化剤を添加して高温高圧にするか、ま
たは該水溶液を高温高圧にしてから酸化剤を添加するか
のいずれかの処理によって、該水溶液に含まれる低分子
分解物を酸化分解し、該水溶液中の有機成分を無くする
かまたはその含有量を低減することを特徴とする前記
(42)に記載の再資源化方法、(48) 高温高圧
が、300〜600℃の温度でかつその温度での水の飽
和蒸気圧以上の圧力、または374℃以上の温度でかつ
22.1MPa以上の圧力であることを特徴とする前記
(47)に記載の再資源化方法、(49) 酸化剤が、
酸素、オゾンおよび過酸化水素からなる群から選ばれる
少なくとも1種を含むことを特徴とする前記(47)に
記載の再資源化方法、(50) 前記(47)に記載の
方法で最終的に得られる有機成分を含有しないかまたは
その含有量が低減されている排水の一部あるいは全部
を、再び高温高圧水として用いることを特徴とする前記
(47)に記載の再資源化方法、に関する。
【0017】また、本発明は、(51) アルカリ性物
質が予め添加されている磁気記録媒体または磁気記録媒
体の磁性層を高温高圧水により処理した後、磁性粒子を
水から分離回収し、その後磁性粒子と分離された低分子
分解物を含有する水溶液を、低分子分解物濃縮処理に付
すことを特徴とする前記(43)に記載の再資源化方
法、(52) 低分子分解物濃縮処理において得られる
水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水として用いる
ことを特徴とする前記(51)に記載の再資源化方法、
(53) アルカリ性物質が予め添加されている磁気記
録媒体または磁気記録媒体の磁性層を高温高圧水により
処理した後、磁性粒子を水から分離回収し、その後磁性
粒子と分離された低分子分解物を含有する水溶液に酸化
剤を添加して高温高圧にするか、または該水溶液を高温
高圧にしてから酸化剤を添加するかのいずれかの処理に
よって、該水溶液に含まれる低分子分解物を酸化分解
し、該水溶液中の有機成分を無くするかまたはその含有
量を低減することを特徴とする前記(43)に記載の再
資源化方法、(54) 高温高圧が、300〜600℃
の温度でかつその温度での水の飽和蒸気圧以上の圧力、
または374℃以上の温度でかつ22.1MPa以上の
圧力であることを特徴とする前記(53)に記載の再資
源化方法、(55) 酸化剤が、酸素、オゾンおよび過
酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む
ことを特徴とする前記(53)に記載の再資源化方法、
(56) 前記(53)に記載の方法で最終的に得られ
る有機成分を含有しないかまたはその含有量が低減され
ている排水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水とし
て用いることを特徴とする前記(53)に記載の再資源
化方法、に関する。
【0018】また、本発明は、(57) 磁性粒子の結
合剤としてポリウレタンを該結合剤のうち70重量%以
上含有することを特徴とする前記(3)に記載の方法に
よる再資源化が可能な磁気記録媒体、(58) 磁性粒
子の結合剤としてニトロセルロースを該結合剤のうち3
0重量%以上含有することを特徴とする前記(3)に記
載の方法による再資源化が可能な磁気記録媒体、(5
9) 前記(3)に記載の方法で回収された磁性粒子を
含有することを特徴とする磁気記録媒体、(60) 前
記(3)に記載の方法で回収された磁性粒子と、磁気記
録媒体の製造用に合成された新品の磁性粒子とを含有す
ることを特徴とする磁気記録媒体、に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本願の第一の発明では、磁気記録
媒体を化学分解して、磁気記録媒体に含まれる基材また
は磁性層に含まれるバインダーなどの有機物質を低分子
分解物に分解し、有機物質の大部分と磁性粒子とを分離
し、有機物質の低分子分解物または/および磁性粒子を
取得することを特長とする。磁気記録媒体を化学分解す
る方法としては、自体公知の方法が挙げられるが、高温
高圧下での加水分解または/および熱分解が好ましい。
【0020】より具体的に本発明の好ましい態様として
は、磁気記録媒体を高温高圧水で処理することで、上記
磁気記録媒体に含まれる有機物質を水に可溶な低分子分
解物に分解し、低分子分解物を含む水溶液を回収して再
資源とする、または/および有機物質の大部分が分離さ
れた磁性粒子を回収して再資源とするという態様が挙げ
られる。高温高圧水での処理は、特に限定されず、例え
ば図2に示したように、磁気記録媒体を水と混合した
後、これを加熱することにより高温高圧条件にすること
で処理してもよいし、磁気記録媒体に高温高圧水を噴霧
することで処理してもよい。
【0021】ここで、上記高温高圧水としては、その温
度が約150℃程度以上、好ましくは約250℃程度以
上、より好ましくは約300℃程度以上、さらに好まし
くは約250〜400℃程度であり、かつその圧力がそ
の温度での飽和水蒸気圧以上であることが好ましい。中
でも、温度が約374℃程度以上で、圧力が約22MP
a程度以上である超臨界水、または温度が約150〜3
74℃程度の液体状態の水である亜臨界水を用いるのが
好ましい。なお、本明細書では、特に断わりのない限
り、高温高圧水は、超臨界水と、亜臨界水を含む超臨界
状態には至らない高温高圧の熱水の両方の意を含むもの
とする。
【0022】磁気記録媒体に含まれる有機物質として
は、基材に用いられている合成樹脂フィルムまたは紙を
構成する有機物質が挙げられる。具体的には、酢酸セル
ロース、セルロース、ポリエチレンテレフタラート(P
ET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアロマ
ティックアミド(アラミド)、ポリイミド、ポリアミド
イミドなどが挙げられる。また、磁気記録媒体に含まれ
る有機物質としては、磁性粒子のバインダーとして用い
られている有機物質も挙げられる。具体的には、塩化ビ
ニル共重合体;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体;塩化
ビニルもしくは酢酸ビニルと、ビニルアルコール、マレ
イン酸および/またはアクリル酸との共重合体;塩化ビ
ニル・塩化ビニリデン共重合体;塩化ビニル・アクリロ
ニトリル共重合体;エチレン酢酸ビニル共重合体;ニト
ロセルロース樹脂などのセルロース誘導体;アクリル樹
脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリビニルブチラール
樹脂;エポキシ樹脂;フェノキシ樹脂;ポリウレタン樹
脂;または、ポリカーボネートポリウレタン樹脂等が挙
げられる。
【0023】本発明においては、上述のような磁気記録
媒体に含まれる有機物質を化学分解して低分子分解物に
する。かかる低分子分解物は、磁性粒子と分離する際の
分離の容易さを考慮すれば、水に可溶であることが好ま
しい。さらに、かかる低分子分解物は、上記有機物質を
構成するモノマーであることがより好ましい。具体的に
は、例えば、磁気記録媒体に含まれる有機物質がPET
の場合は、テレフタル酸とエチレングリコールに分解す
るのが好ましい。
【0024】また、本願の第二の発明では、磁気記録媒
体の基材と磁性層とを自体公知の方法によって予め分離
した後、上記発明と同様に、磁性層を化学分解して、磁
性層に含まれるバインダーなどの有機物質を低分子分解
物に分解し、有機物質の大部分と磁性粒子とを分離し、
有機物質の低分子分解物または/および磁性粒子を取得
することを特長とする。かかる発明によって従来ほとん
どなされていなかった磁性層の再資源化を図ることがで
きるという利点がある。なお、上述したように磁気記録
媒体の基材の再資源化に関する技術は進んでいるため、
磁気記録媒体の基材の再資源化についてはかかる公知技
術(例えば、特開平2−29492、特開平4−180
995、特開2000−178564など)を適用すれ
ばよい。
【0025】より詳細には、かかる発明は、磁気記録媒
体の基材と磁性層とを自体公知の方法によって予め分離
すること以外は、上記第一の発明と全く同様である。磁
気記録媒体の基材と磁性層とを分離する方法として、具
体的には、磁気記録媒体を裁断し、アルカリに浸せき
し、膨潤させ、高速攪拌して分離し、水洗、乾燥し磁気
選別することにより基材と磁性層とを分離するという方
法が挙げられる。より具体的には、特開昭53−704
04号公報、特開昭59−52433号公報、特開昭5
9−91028号公報に記載の方法を用いてよい。ま
た、例えば、特開平11−167716号公報に記載さ
れている方法など、上記方法の改良方法を用いてよい。
また、アルカリの代わりに、特殊な有機溶媒を用いて基
材と磁性層とを分離するという方法が挙げられる。より
具体的には、ピロリドンまたはγ―ブチロラクトン液で
基材を剥離させる方法(特開平6−180842号公
報)などが挙げられる。
【0026】さらには、基材と磁性層との間に下塗層が
設けられている磁気記録媒体については、前記下塗層を
構成する素材を溶解又は膨潤する有機溶剤と分散メディ
アを用いて分散することにより基材と磁性層を分離する
ことができる(特開平5−274666号公報)。上記
下塗層を構成する素材を溶解する又は膨潤する有機溶剤
としては、例えばケトン系溶剤、エステル系溶剤、エー
テル系溶剤、芳香族炭化水系溶剤、塩素化炭化水素等が
挙げられ、中でも、ケトン系の有機溶剤、特にメチルエ
チルケトン(MEK)またはシクロヘキサノンが好まし
い。分散メディアとしては、例えばガラスビーズ、ジル
コニア、スチールボール等が挙げられる。上記方法は、
より具体的には、上記有機溶剤と、分散メディアと、磁
気記録媒体の裁断物とを、自体公知の分散機を用いて分
散するという方法がある。
【0027】上記第一および第二の発明の好ましい態様
を、図11に示した処理フローに従って以下に詳述す
る。磁気記録媒体または磁気記録媒体から上述のように
基材と分離された磁性層を、水と混合する。このとき混
合される水には、自体公知の前処理がされていてもよ
い。かかる前処理としては、例えば、水の中の溶存酸素
を除去するなど、酸素等の酸化剤となり得る物質の混入
がないまたはその混入を低減させる処理が挙げられる。
磁気記録媒体の基材や磁性層にハロゲン元素や硫黄が含
まれている場合、かかる成分が酸化されて酸が発生し装
置が腐食を受けることがあるので、上記のような前処理
をすることによりかかる不都合を抑えることができる。
より具体的には、例えば、溶存酸素を除去する処理とし
て、水を耐圧容器に入れ、真空ポンプで吸引して十分に
排気した後、窒素ガスボンベ等を用いて窒素でパージ
し、これを数回くり返すという処理が挙げられる。
【0028】また、上記前処理として、水にアルカリ性
物質を予め加えておくという処理が挙げられる。磁気記
録媒体の基材や磁性層にハロゲン元素や硫黄が含まれて
いる場合に、かかる成分が酸化されて発生する酸を即座
に中和することができ、酸による装置の腐食を防ぐこと
ができる。アルカリ性物質としては、特に限定されず自
体公知ものを用いてよいが、具体的には、例えば、アン
モニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
カリウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化
カルシウム、t−BuOKもしくはt−BuONa(こ
こで、t−Buはt−ブチル基を表す。)などの無機ア
ルカリ性物質、またはテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシドなどの有機アルカリ性物質などが挙げられる。こ
れらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0029】一方、磁気記録媒体または磁気記録媒体か
ら分離された磁性層に対して、自体公知の処理を施して
おいてもよい。例えば、磁気記録媒体または磁性層にア
ルカリ性物質を予め加えておくという処理が挙げられ
る。アルカリ性物質としては、上述の物質など自体公知
ものを用いてよい。
【0030】上記混合物を加熱して、高温高圧水による
処理を行い、有機物質を分解する。高温高圧水の温度条
件は、上述したように、約150℃以上、好ましくは約
250℃程度以上、より好ましくは約300℃程度以
上、さらに好ましくは約250〜400℃程度である。
用いる装置の耐熱性および耐圧性の点、および加熱に必
要なエネルギーの点などから、温度は低いことが望まし
い。また、高温高圧水の圧力は、少なくともそれぞれの
温度における飽和水蒸気圧以上の圧力であることが好ま
しい。また、温度が約374℃程度以上で、圧力が約2
2MPa程度以上である超臨界水を用いてもよい。
【0031】また、アルカリ性物質の存在する高温高圧
水によって、磁気記録媒体または磁性層を処理すると、
含まれる有機物質が加水分解されやすくなり、処理時間
の短縮化やより低い温度での処理が可能になる。例え
ば、該有機物質がポリウレタンの場合、アルカリ性物質
を存在させることにより、高温高圧水の温度を約150
℃程度にまで低下させることができる。従って、高温高
圧水にアルカリ性物質を添加することにより、前述した
ような発生する酸の中和し装置の腐食を防ぐことができ
るという利点だけでなく、より低い温度での高温高圧水
処理が可能になるという利点も有する。
【0032】加熱時には、攪拌などの操作を行ってもよ
い。超臨界状態には至らない高温高圧の熱水を用いる場
合は、攪拌するのが好ましい。加熱後の冷却は、特に限
定されず、放冷により冷却してもよいし、冷却装置を用
いて強制的に冷却してもよい。
【0033】低分子分解物を含有する水溶液と磁性粒子
とを分離する方法としては、自体公知の方法を用いてよ
い。例えば、磁性粒子は水より比重が大きく、しばらく
放置すれば磁性粒子は沈澱するため、磁性粒子を沈澱さ
せ上澄みの水溶液を吸い取る等をすれば、磁性粒子と該
水溶液とを分離できる。また、この沈殿による分離の際
に、磁力を用い、磁性粒子の沈澱を迅速に行わせること
もできる。また、迅速な分離のため、遠心分離機を用い
て分離することもできる。さらに、磁性粒子と該水溶液
との分離は、ろ過機を用いることもできる。磁性粒子に
比べ充分に目の細かいフィルターによって、磁性粒子を
濾しわけるのである。
【0034】以上のようにして分離された磁性粒子と低
分子分解物を含有する水溶液は、さらに所望により自体
公知の精製処理などが施された後、再資源化されうる。
例えば、分離された磁性粒子に対しては、水などによる
洗浄後、乾燥処理を行うのが好ましい。また、低分子分
解物を含有する水溶液に対しては、例えば、アルミナ製
等のセラミックフィルター、積層金属メッシュフィルタ
ー、金属不織布フィルター、ステンレス製等の焼結金属
フィルターなどの濾過体により不溶性不純物を取り除く
濾過処理を行ってもよいし、例えば、冷却による再結晶
化など低分子分解物からモノマーを精製する処理を行っ
てもよい。
【0035】本願の第三の発明では、上述のように、磁
気記録媒体または磁気記録媒体から分離された磁性層を
高温高圧水により処理した後、磁性粒子を水から分離回
収し、その後磁性粒子と分離された低分子分解物を含有
する水溶液を、水と低分子分解物とに分離するかまたは
該水溶液中の低分子分解物を濃縮することを特長とす
る。なお、本発明において、磁性粒子と分離された低分
子分解物を含有する水溶液を、水と低分子分解物とに分
離するかまたは該水溶液中の低分子分解物を濃縮するこ
とを、「低分子分解物濃縮処理」という。こうすること
で、水と、低分子分解物または低分子分解物の高濃度の
水溶液とが得られ、この際に得られる水を上記高温高圧
水として再利用することができるという利点を有する。
その結果、高温高圧水による処理過程において新しい水
の投入を少なくすることができ、水資源を節約できる。
また、分離された低分子分解物または高濃度の低分子分
解物を含む水溶液は、資源性がより高いという利点もあ
る。
【0036】上記水溶液から水と低分子分解物とを分離
する方法または上記水溶液中の低分子分解物を濃縮する
方法としては、特に限定されず自体公知の方法を用いて
よい。例えば、加熱することにより水を気化させ、水蒸
気を再び冷却するという方法が挙げられる。かかる発明
の好ましい態様を示す処理フローを図3に示す。その詳
細は、上記分離または濃縮過程を除いては、上述の図2
を用いた上記記載と全く同様である。
【0037】本願の第四の発明では、前記の第一、第二
の発明に従って、磁気記録媒体または磁気記録媒体から
分離された磁性層を高温高圧水により処理し、その後磁
性粒子を水から分離回収し、それにより得られる磁性粒
子と分離された低分子分解物を含有する水溶液の一部
を、高温高圧水として用いることを特長とする。こうす
ることにより、前記のような濃縮の工程を省いても、最
終的に低分子分解物を高濃度に含有する水溶液を得るこ
とができるという利点がある。その結果、上述したよう
に、資源性が高い低分子分解物を含有する水溶液が得ら
れ、また、高温高圧水による処理過程において新しい水
の投入を少なくすることもでき水資源を節約できるとい
う利点がある。かかる発明の好ましい態様を示す処理フ
ローを図4に示す。その詳細は、低分子分解物を含有す
る水溶液の一部を、高温高圧水として用いることを除い
ては、上述の図2を用いた上記記載と全く同様である。
【0038】例えば、処理しようとする磁気記録媒体が
単一種類の有機物質を含むものでなく、違う種類の有機
物質が混合されているなどのときは、得られる低分子分
解物は多種類の混合物となり、その資源性が低くなる。
そのような場合は、上記のようにして得られる低分子分
解物またはそれを好ましくは高濃度で含有する水溶液を
再資源化しないことがある。本願の第五の発明は、かか
る場合の低分子分解物を含有する水溶液の適正な分解処
理を提供する。すなわち、前記の第一から第四までの発
明で得られる低分子分解物を含有する水溶液を、酸化剤
ともに高温高圧水で処理することで、そのほとんどを二
酸化炭素と水とに酸化分解するという処理を提供する。
【0039】上記本願の第五の発明の態様としては、前
記の第一から第四までの発明で得られる低分子分解物を
含有する水溶液、言い換えれば、高温高圧水による処理
後、磁性粒子を水から分離回収した後の磁性粒子と分離
された低分子分解物を含有する水溶液に、酸化剤を添加
して高温高圧にするという態様が挙げられる。または、
該水溶液を高温高圧にしてから酸化剤を添加するという
態様も挙げられる。
【0040】かかる発明で用いる該酸化剤は、特に限定
されず自体公知の酸化剤を用いてよい。中でも、酸素、
オゾンまたは過酸化水素を用いるのが好ましい。かかる
酸化剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。上記酸化剤は、低分子
分解物を完全酸化するに必要な化学当量以上を添加する
のが好ましく、具体的には低分子分解物を含有する水溶
液の約1.2〜10倍(当量比)程度を添加するのが好
ましい。
【0041】かかる発明において上記水溶液を高温高圧
にする際の温度条件は、約300℃程度以上、好ましく
は約350℃程度以上、より好ましくは約300〜60
0℃程度である。用いる装置の耐熱性および耐圧性の
点、および加熱に必要なエネルギーの点などから、温度
は低いことが望ましい。また、圧力は少なくともそれぞ
れの温度における飽和水蒸気圧以上が好ましい。また、
他の態様としては、温度が約374℃程度以上でかつ圧
力が約22.1MPa程度以上の条件にするという態様
も挙げられる。
【0042】上記発明により、最終的に得られる排水中
の有機成分を無くするかまたはその含有量を低減するこ
とができる。言い換えれば、上記発明によって最終的に
得られる排水中に含まれるTOC(Total Organic Carb
on)は非常に低い。その結果、上記排水を下水などに排
出することが可能となるという利点がある。また、該排
水を排出するのではなく、再び高温高圧水の原料として
供給し、高温高圧水による処理過程において新しい水の
投入を少なくすることもでき、水資源を節約できるとい
う利点もある。本発明の好ましい態様を示す処理フロー
を図5、図6、図7に示す。図5は、上記第一または第
二の発明と、上記第五の発明とを組み合わせたときの好
ましい態様を示し、図6は、上記第三の発明と、上記第
五の発明とを組み合わせたときの好ましい態様を示し、
図7は、上記第四の発明と、上記第五の発明とを組み合
わせたときの好ましい態様を示す。
【0043】磁気記録媒体を上記方法によって再資源化
する場合にあっては磁気記録媒体の基材や磁性層にハロ
ゲン元素や硫黄が含まれている場合、磁性層を上記方法
によって再資源化する場合にあっては磁性層にハロゲン
元素や硫黄が含まれている場合、上記第一から第四の発
明に係る方法、または好ましくはさらに上記第五の発明
を組み合わせた方法を用いて、磁気記録媒体や磁性層を
再資源化するときに、最終的に得られる排水も回収し、
酸として再資源化することができる。かかる再資源化
は、高温高圧水による磁気記録媒体または磁性層に含ま
れる有機物質の分解の際に、高温高圧水処理に用いる水
に予めアルカリ性物質を添加しなかった場合に特に有効
である。
【0044】上述した本発明による磁気記録媒体または
磁性層の再資源化の各工程での処理は、基本的には自体
公知の装置を用いることができる。それぞれの工程をバ
ッチ式に行う場合、各工程において用いる装置について
説明する。しかし、かかる装置は、本発明に係る再資源
化方法を実施するための好ましい装置の一態様であり、
本発明はかかる装置を用いた場合に限定されるものでは
ない。
【0045】磁気記録媒体または基材を分離した磁性層
と、水との混合は、次に述べる反応容器にそれぞれの所
定量を入れるだけでよい。水の所定量とは、所定の温度
とするとき、所定の圧力となる水量であり、例えば、反
応容器が100mLのとき、飽和水蒸気圧以上の圧力と
するためには、温度を200℃に設定する場合は約0.
8g程度、温度を300℃に設定する場合は約4.6g
程度の水が必要である。
【0046】図4〜7に示す加熱、分解および冷却の工
程を行うには、例えば、密閉式の反応容器と、加熱手段
と、温度制御機構とを備えた装置を用いるのが好まし
い。より好ましくは、図8に示したような装置が挙げら
れる。反応容器は、高温高圧に耐え得る構造と材質であ
ることが特に好ましい。これを満たす反応容器として
は、例えばオートクレーブ等がある。これを満たす反応
容器の材質としては、例えばSUS316などが挙げられる。
中でも、耐腐食性に優れたインコネル、ハステロイなど
を用いるのが好ましい。反応容器は開閉でき、磁気記録
媒体もしくは基材を分離した磁性層や、水を入れること
ができるような構造を有するものが好ましい。また、高
温高圧水による処理において、超臨界水ではなく、超臨
界状態には至らない高温高圧の熱水で処理を行うとき
は、反応容器内を撹拌するのが好ましい。これには、図
示しない反応容器内撹拌機構を設けるか、または、反応
容器全体を振動、振とうもしくは回転させればよい。
【0047】上記加熱手段としては、例えば電気ヒータ
ーなどを用いることができる。熱電対にて、反応容器内
部の温度をモニターするか、またはヒーターの温度をモ
ニターし、ヒーターの電力を制御し、温度を制御できる
制御システムを有することが好ましい。高温高圧水によ
る処理の際は、当初予定していた圧力よりも反応によっ
て内圧が上がることがあるので、反応容器には保圧弁を
設けるのがよい。保圧弁とは、設定した圧力以上となっ
た場合、流体を流通させ、内圧が設定圧力以上にならな
いようにするものである。また、急激な内圧上昇に対す
る安全対策として、何らかの圧力ヒューズ(ラプチャー
ディスク)を設けるのが好ましい。
【0048】磁気記録媒体あるいは磁性層を上記のよう
な反応容器に入れる。反応容器を密閉の後、所定の温度
にまで加熱し、所定時間の後、加熱をやめ放冷すればよ
い。その結果、反応容器には、低分子分解物を含有する
水溶液と、磁性粒子とが得られる。
【0049】磁性粒子と低分子分解物を含有する水溶液
との分離は、例えば、沈殿槽を用いることができる。沈
殿槽はいわゆる水槽でよく、所望により反応容器を流用
してもよい。磁性粒子は水より比重が大きく、しばらく
放置すれば磁性粒子は沈澱するため、上澄みの水溶液を
吸い取る等をすれば、磁性粒子と水溶液とを分離でき
る。また、磁力を用い、磁性粒子の沈澱を迅速に行わせ
ることもできる。例えば、樹脂製の沈殿槽を用い、その
下に磁石を設置した沈殿槽(図9)を用いることもでき
る。また、迅速な分離のため、遠心分離機を用いること
もできる。または、ろ過機を用いて磁性粒子と水溶液と
を分離することもできる。より詳しくは、磁性粒子に比
べ充分に目の細かいフィルターによって、磁性粒子を濾
しわけるのである。
【0050】上記第三の発明において、上記のようにし
て磁性粒子と分離された低分子分解物を含有する水溶液
を、さらに水と低分子分解物との分離したり、該水溶液
中の低分子分解物を濃縮したりする処理は、いわゆる自
体公知の蒸留装置を用いて行うことができる。
【0051】低分子分解物を再資源化しないで分解処理
する場合、上記第五の発明に従って、酸化剤とともに高
温高圧水で処理する。基本的には、かかる処理を行うに
は前述の装置を用いることができる。但し、反応容器の
材質は、耐腐食性に優れたインコネル、ハステロイなど
を用いるのがより好ましい。処理の方法は、前述の処理
と同様である。酸化剤は、水溶液中の低分子分解物が酸
化するのに必要な化学当量以上を加えておくことが好ま
しい。上述のような処理を行うことにより、水溶液中の
低分子分解物が二酸化炭素と水に分解される。その際の
気液分離は、特別に用意した装置を用いなくても、前記
処理を終えて反応容器を開けるとき(保圧弁を次第に開
けるとき)、気体は自然放出される。
【0052】上記のような工程を連続的に行うこともで
きる。該工程を連続的に行えるようにするには、そのた
めの装置を用い、また、そのための準備工程を設けるこ
とが好ましい。先ず、磁気記録媒体の全体を処理する場
合は、細かく粉砕することが好ましい。これには、従来
の粉砕機を用いることができる。基材と分離した磁性層
は、粉砕の工程は特に必要ではない。粉砕した磁気記録
媒体または基材を分離した磁性層と水とは、スラリーに
して混合するのが好ましい。すなわち、図2〜7に示し
たそれぞれの工程を連続して行うには、それら図の混合
工程は、スラリー化工程に置き換えることが好ましい。
スラリー化工程には従来装置の撹拌機を用いるとよい。
【0053】このスラリーを高温高圧の熱水で連続処理
するには、連続式(流通式)の熱水反応装置(超臨界水
反応装置)を用いることができる。連続式の装置の一例
を図10に示す。タンク41は、使用するスラリー40
を貯蔵する。ポンプ42は、スラリーを送液し、目的の
高圧をつくり出す。予熱器43は、配管のまわりにヒー
ター44を配したもので、目的の温度程度にまで水を加
熱する。反応器46は、反応容器47の周囲にヒーター
48を配したものであり、目的の温度にされており、目
的の圧力にもなっている。冷却器51は、図示しない冷
媒循環装置から供給される冷媒を配管の周囲に流通させ
るようにしたもので、水を室温程度まで冷却する。保圧
弁52は、配管内の圧力を保つものである。目的とする
圧力をこえる場合、液体は保圧弁52を経て排出され
る。なお、冷却器と予熱器とで、熱交換させると、装置
に必要なエネルギーを節約することができる。例えば、
冷却器に用いる冷媒の代りに、タンク41から出た直後
のスラリーを用い、冷却器から出てくる冷媒の役目のス
ラリーは温まっており、これを予熱器に入れることがで
きる。
【0054】各配管や反応容器などは、高温高圧に耐え
られるような構造、材質を用いるのが好ましい。かかる
目的のために好ましい材質としては、例えば、SUS316な
どが挙げられる。言うまでもないが、温度が高温になら
ない部分、例えばポンプ42から予熱器43までの配管
は、耐圧性を備えた材質や構造(肉厚)であればよい
し、高温高圧にならない部分、例えばタンク41からポ
ンプ42までの配管は、耐圧性も要しない。磁気記録媒
体によっては、高温高圧の熱水による処理で酸を発生す
ることがあるので、各配管や反応容器の材質は、耐腐食
性に優れたインコネル、ハステロイなどを用いるのがよ
り好ましい。なお、特別に反応容器を設けなくても、チ
ューブ式の反応容器でもよい。すなわち、予熱器を含め
たヒーターと、配管とで処理を行うこともできる。
【0055】磁性粒子と低分子分解物を含有する水溶液
との分離を連続的に行うには、例えば、図11で示した
沈澱槽を用いることができる。長方形の水層を用い、長
手方向に液体を流す。このとき、流量と磁性粒子の沈降
速度に比べ、水槽を充分に長くしておくことが特に好ま
しい。磁性粒子の沈降速度を速めるため、前述のように
磁力を用いのが好ましい。沈澱した磁性粒子を取り出す
には、図示しない何らかの収集機構を設けるか、また
は、磁性粒子がある程度たまったら、連続処理を中断
し、上澄みを吸い取る等によって除去し、磁性粒子を回
収すればよい。さらに、磁性粒子と低分子分解物を含有
する水溶液との分離は前述のようにろ過機を用いること
もできる。この場合、ろ過機への送液の圧力は、前工程
(高温高圧水処理)の高圧を活用すればよい。磁性粒子
がある程度たまったら連続処理を中断し、ろ過機から磁
性粒子を回収するとともに、ろ材を洗浄あるいは交換す
る。
【0056】低分子分解物を再資源化しないで分解処理
する場合、上記第5の発明に従って、酸化剤とともに高
温高圧の熱水で処理する。基本的にこれを行うには、前
述の連続式の装置を用いることができる。但し、反応容
器の材質は、耐腐食性に優れたインコネル、ハステロイ
などを用いるのが好ましい。処理の方法は、前述の処理
と同様である。酸化剤は、水溶液中の低分子分解物が酸
化するのに必要な化学当量以上を加えておくことが好ま
しい。またその前々工程の冷却、すなわち高温高圧水に
より有機物質を分解した後低分子分解物を含む水溶液の
冷却を省略あるいはそれほど冷却しないで、前工程の磁
性粒子の分離を高圧を保って充分に保温しながら行え
ば、低分子分解物を再資源化しないで酸化剤とともに高
温高圧の熱水で処理する際に加熱に要するエネルギーを
節約することができる。
【0057】上述のような処理を行うことにより、水溶
液中の低分子分解物が二酸化炭素と水に分解される。気
液分離は、特別に用意した装置を用いなくても行える。
しかしながら、図12で示すような機構の装置を用いる
のが好ましい。気体は、そのまま大気へ放出可能となっ
ているが、何らかの事故等で処理が不完全なこともあり
得るので、ある程度の容量のリザーブタンク(図示しな
い)を経て、排出するのが好ましい。これにより、何ら
かの原因で大気放出には不適切な気体が発生する場合、
該気体を留めておくことが可能となる。一方、液体は、
前記の処理(高温高圧水による処理)に戻して利用する
か、あるいは、下水等に排出することができる。なお、
この液体についても排出する場合、気体の場合と同様な
理由で、リザーブタンク(図示しない)を経由させるの
が好ましい。
【0058】以上に述べたような本発明に係る磁気記録
媒体または磁性層の再資源化方法により得られた有機物
質の低分子分解物または/および磁性粒子は、種々の用
途に再利用することができる。特に、上述のようにして
再資源化された磁性粒子を利用して再び磁気記録媒体を
製造することができる。かかる磁気記録媒体の製造の際
には、磁気記録媒体の製造用に合成された新品の磁性粒
子を混合してもよい。
【0059】以上に述べたような本発明に係る磁気記録
媒体または磁性層の再資源化方法は、その再資源化の元
になる磁気記録媒体の組成または構造は特に限定され
ず、種々の磁気記録媒体に対して適用できる。磁気記録
媒体としては、例えば、音や映像の電気信号を記録再生
するオーディオテープやビデオテープ、情報を書き込み
読み出しするフロッピー(登録商標)ディスク、プリペ
イドカード等の磁気カード、または自動改札機用の定期
券や切符などが挙げられる。なお、ビデオテープは、ふ
つう樹脂製のカセットに入っているが、ここで取り上げ
るのは、ビデオテープそのものである。他のものでも同
様である。再資源化の元になる該磁気記録媒体は、例え
ば、使用済みの磁気記録媒体やいわゆる工場からでる半
端品などの廃材であってもよい。
【0060】中でも、磁性粒子の結合剤としてポリウレ
タンを該結合剤のうち70重量%以上含有する磁気記録
媒体、または磁性粒子の結合剤としてニトロセルロース
を該結合剤のうち30重量%以上含有する磁気記録媒体
に対しては、好適に本発明に係る再資源化方法を適用で
きる。
【0061】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではな
い。 〔実施例1〕ビデオテープから基材(ベースフィルム)
を分離して得られた磁性層を用い高温高圧の熱水で処理
し、磁性粒子を回収した。用いた磁性層は、主に、磁性
粒子(マグネタイト)と、バインダー(ウレタンとニト
ロセルロース)とから成る。磁性層中には、磁性粒子は
64重量%含有している。このほか、研摩剤(Al
など)を6重量%含有している。上記磁性層の高温高
圧の熱水での処理は、図13で示した装置を用いた。こ
の装置は半バッチ式の処理が可能で、磁性層を室温付近
より急速に熱水に投入することが可能である。処理条件
は、300℃、25MPa、20分とした。
【0062】処理の後、処理水を反応装置から取り出
し、TOCを測定した。一方、磁性粒子については、反
応容器を新しい水で洗い流し、水とともに磁性粒子を別
容器に回収した。そして、水を加え、磁性粒子の沈澱、
上澄除去のくり返すことにより、水で数回洗浄した。最
後に、湿っている磁性粒子を温風乾燥させた。回収した
磁性粒子の重量を測定し、VSM(試料振動型磁力計)
にて保磁力(Hc)を測定した。そして、含有される有
機炭素の量を確認した。
【0063】その結果、回収された磁性粒子に残留して
いる有機炭素は検出限界であった。回収した磁性粒子に
は、研摩剤が残留していた。研摩剤は高温高圧の熱水に
よる処理で分解しなかった。以下、特に断わりはしない
が、回収した磁性粒子に研摩剤が残留している。回収さ
れた磁性粒子の量は、この処理に仕込んだ磁性層中に含
まれる磁性粒子の量とほぼ同じであった。また、回収さ
れた磁性粒子の保磁力は、処理前とほぼ同じであった。
このように、回収された磁性粒子は、磁気特性が十分に
あり、再資源となり得るものであることがわかった。
【0064】回収された磁性粒子を用い、新品(再生材
を使わないもの)の性能に近い磁気記録媒体を製作でき
た。また、回収された磁性粒子と、新品の磁性粒子を混
合して、磁気記録媒体を製作したところ、新品のものと
ほぼ同様なものを製作できた。一方、処理水は、TOC
が高くなった。これは、磁性層に含まれるバインダーが
分解し、低分子化し、処理水へ溶け出たからである。こ
の低分子分解物の主成分は、ジアミンやアルコールであ
り、再資源化できることがわかった。
【0065】〔実施例2〕高温高圧の熱水の温度を変え
て、実施例1と全く同様の処理を行った。その結果を下
記表に示す。処理温度が、250℃以上の場合、処理水
のTOCの上昇が見られた。一方、200℃以上の場
合、回収された磁性粒子の重量は処理に仕込んだ量とほ
ぼ同じであった。よって、この処理の場合、磁性層中の
バインダーを分解するには、250℃以上が好ましい。
もちろん、処理する磁性粒子の種類にもよるので、より
好ましくは300℃以上がよい。回収された磁性粒子の
保磁力は、この温度範囲では、大きな違いは見られなか
った。
【0066】
【表1】 ここで、仕込量とは、磁気記録媒体の処理前に磁性層に
含まれている磁性粒子の量を表す。
【0067】〔実施例3〕水を大気下におけば、大気中
の酸素が溶解する。よって、通常は水には酸素が溶解し
ている。0℃、1atmで水1体積に酸素は0.049
体積溶ける。もし、磁性粒子が鉄である磁性層を、酸素
が溶解している水(何ら溶存酸素を除去する処理を施し
ていない水)を用いて、実施例1に記載の処理をすると
鉄が酸化してしまう。そこで、用いる水を脱気処理し溶
解する酸素を除去した後、かかる水を用い磁性粒子が鉄
である磁性層に対し、実施例1と全く同様の処理を行っ
た。水の脱気処理は、具体的には、水を耐圧容器に入
れ、真空ポンプで吸引して十分に排気した後、窒素ガス
ボンベ等を用いて窒素でパージし、これを数回くり返し
た。回収された磁性粒子の保磁力は、処理前とほぼ同じ
結果が得られた。
【0068】〔実施例4〕実施例1で得られた処理水を
用い、新たに実施例1と全く同様にして磁性層の処理を
行った。この際、必要な水の量に不足した分は、新しい
水で補った。この処理を5回行った。各処理ごとに、磁
性粒子が回収された。そして、最終的に得られた処理水
の量は、実施例1で得られたのと同じ量であった。回収
された磁性粒子の結果(回収量および保磁力)は、実施
例1の結果とほぼ同じであった。一方、最終的に得られ
た処理水のTOCは、実施例1の結果より大きく、ほぼ
5倍の値であった。処理された磁性層または回収された
磁性粒子の重量あたりの投入する新品の水の量は、実施
例1の約1/5であり、水資源の節約になったことがわ
かった。加えて、最終的に得られた処理水中の低分子分
解物の濃度がより高く、その資源性が高いこともわかっ
た。
【0069】〔実施例5〕実施例1で得られた処理水
を、酸化剤とともに高温高圧の熱水で処理した。より具
体的には、酸化剤には市販の過酸化水素水(30重量
%)を用い、処理水に含まれる低分子分解物が酸化に必
要な量の10倍量を添加した。処理条件は、300℃、
25MPa、20分とした。この処理によって、最終的
に得られた処理水のTOCは、かなり低くかった。した
がって、この処理水は下水へ放流できることがわかっ
た。なお、実施例4で得られた処理水も、このようにし
て処理したところ、同様な結果が得られた。また、酸化
剤として、空気、酸素、オゾンを用いた場合も、同様の
結果が得られた。
【0070】〔実施例6〕バインダーの主成分が、塩化
ビニール、ポリウレタンおよびニトロセルロースとであ
る磁性層を用い、実施例1と全く同様な処理を行った。
なお、塩化ビニールは4重量%含有されている。また、
実施例2と全く同様に、温度を変えて実施例1の処理を
行った。この結果を下記表に示す。
【0071】
【表2】
【0072】処理水のTOCについては、実施例2の結
果と同様な傾向の結果が得られた。また、温度が300
℃以上のとき、処理に仕込んだ磁性層中に含まれる塩素
量に対し、処理水中の塩素イオンの量は99重量%以上
であった。この処理の場合、磁性層中のバインダーを分
解するには250℃以上が好ましいことが分かった。も
ちろん、処理する磁性粒子の種類にも処理温度は左右さ
れるので、より好ましくは300℃以上がよい。
【0073】回収された磁性粒子の保磁力は、処理前に
比べ、若干低下した。これは、実施例2の結果と異な
る。この違いは、処理した磁性層のバインダーの違いに
よるものである。また、処理水は酸性であった。酸は腐
食性であり、反応容器や、磁性粒子にダメージを与え
た。よって、磁性層中のバインダーが、前の実施例のよ
うに、ウレタンあるいはニトロセルロースの方が、この
ような処理を行うのに適することがわかった。しかしな
がら、得られた処理水は、酸性水溶液として、再資源と
することができる。例えば、何らかのアルカリ性廃液の
中和に用いることができる。
【0074】〔実施例7〕アルカリ物質である水酸化ナ
トリウムを用いる水に添加し、実施例6と全く同様にし
て、温度は300℃にて処理を行った。水酸化ナトリウ
ムの添加量は、中和に必要な化学当量の1.2倍とし
た。処理水中の塩素イオンの量は、99重量%以上であ
ったが、処理水は弱アルカリ性であった。発生する酸を
中和できたので、反応容器の腐食を抑制することができ
た。なお、処理水のTOCや、回収した磁性粒子の磁気
特性は実施例6と同様な結果であった。また、添加する
アルカリ性物質は、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素カリウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
酸化カルシウム、t−BuOKのいずれにおいても同様
な結果が得られた。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体または磁性層
の再資源化方法を用いれば、従来の装置を用いて簡便に
磁性層に含まれる磁性粒子を回収し、再資源化すること
ができる。また、本発明に係る上記再資源化方法を用い
れば、磁気記録媒体に含まれる有機化合物を、低分子分
解物として再資源化することもできる。また、該有機化
合物の再資源化が難しい場合は、かかる有機化合物を本
発明の技術により二酸化炭素と水に分解することができ
るので、環境に対する負荷が非常に少ない。さらに、本
発明に係る方法によれば、再資源化の際に生じる水や熱
などを循環利用することができるので、資源の節約にも
なり、ひいては地球環境の保全を図ることができる。本
発明に係る再資源化方法は、適用できる磁気記録媒体に
特に限定はなく、例えばハロゲン原子や硫黄原子を含ん
でいる磁気記録媒体に対しても適用できるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気記録媒体の一形態であるビデオテープの
基本構造を示す。
【図2】 本発明に係る第一または第二の発明の好まし
い態様における処理フローを示す。
【図3】 本発明に係る第三の発明の好ましい態様にお
ける処理フローを示す。
【図4】 本発明に係る第四の発明の好ましい態様にお
ける処理フローを示す。
【図5】 本発明に係る第一または第二の発明と第五の
発明を組み合わせた再資源化方法の好ましい態様におけ
る処理フローを示す。
【図6】 本発明に係る第三の発明と第五の発明を組み
合わせた再資源化方法の好ましい態様における処理フロ
ーを示す。
【図7】 本発明に係る第四の発明と第五の発明を組み
合わせた再資源化方法の好ましい態様における処理フロ
ーを示す。
【図8】 本発明に係る高温高圧水処理を行うためのバ
ッチ式反応容器の一態様を示す。
【図9】 磁性粒子と低分子分解物を含有する水溶液の
分離工程において用いられる沈殿槽の断面図を示す。
【図10】 本発明に係る高温高圧水処理を行うための
連続式処理装置の一態様を示す。
【図11】 本発明に係る再資源化の工程を連続して行
う場合に、磁性粒子と低分子分解物を含有する水溶液の
分離工程において用いられる沈殿槽の断面図を示す。
【図12】 本発明に係る再資源化の工程を連続して行
う場合の気液分離器の断面図を示す。
【図13】 実施例1で用いた高圧高温水処理を行うた
めの反応容器を示す。
【符号の説明】
1 ビデオテープ 2 磁性層 3 基材(ベースフィルム) 11 熱電対 12 温調器(温度計および電力制御器) 13 ヒーター 14 パッキン(デルタリング) 15 ボルト 16 ナット 17 温度モニター用サック 18 圧力モニター用配管 19 保温箱 20 反応容器本体 21 圧力計 22 保圧弁 23 圧力ヒューズ 24 ラブチャーディスク 25 反応容器ふた 31 水槽 32 磁性粒子 33 低分子分解物を含有する水溶液 34 磁石 35、36 配管 37 前工程からの液体(磁性粒子、低分子分解物を含
有する水溶液) 38 次工程に送られる液体(低分子分解物を含有する
水溶液) 40 スラリー 41 タンク 42 ポンプ 43 予熱器 44 ヒーター 45 温度センサー 46 反応器 47 反応容器 48 ヒーター 49 温度センサー 50 圧力センサー 51 冷却器 52 保圧弁 53 排出水(磁性粒子が分散した、低分子分解物の水
溶液) 60 前の工程の保圧弁 61 気液分離器 62 液体 63 気体 64 配管 65 配管(気体の出口) 66 配管(液体の出口) 70 水 71 バルブ 72 待機室(管) 73、75 バルブ 74、77、78 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 11/14 G11B 5/702 11/16 5/706 G11B 5/702 B09B 3/00 ZAB 5/706 304Z (72)発明者 渡辺 春夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA21 BA05 BA07 CA09 CA13 CA15 CA24 CA39 CB32 CC03 CC11 CC12 DA03 DA06 DA07 4F301 AA02 AA25 CA09 CA23 CA24 CA41 CA72 CA73 5D006 BA01 BA11 BA15 EA01 5D112 AA05 BB01 BB08 HH09

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体を化学分解して、磁気記録
    媒体に含まれる有機物質の低分子分解物または/および
    磁性粒子を取得することを特徴とする磁気記録媒体の再
    資源化方法。
  2. 【請求項2】 化学分解が、高温高圧下での加水分解ま
    たは/および熱分解であることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気記録媒体の再資源化方法。
  3. 【請求項3】 磁気記録媒体または有機物質からなる基
    材から予め分離された磁性層を、高温高圧水で処理する
    ことにより磁気記録媒体または磁性層に含まれる有機物
    質を水に可溶な低分子分解物に分解し回収すること、ま
    たは/および有機物質の大部分が分離除去された磁性粒
    子を回収することを特徴とする磁気記録媒体または磁気
    記録媒体の磁性層の再資源化方法。
  4. 【請求項4】 高温高圧水が、温度が150〜374
    ℃、圧力がその温度での飽和蒸気圧以上の水、または温
    度が374℃以上でかつ圧力が22.1MPa以上の水
    であることを特徴とする請求項3に記載の再資源化方
    法。
  5. 【請求項5】 高温高圧水に酸化剤が混入されていない
    ことを特徴とする請求項3に記載の再資源化方法。
  6. 【請求項6】 磁気記録媒体または磁気記録媒体の磁性
    層を高温高圧水により処理した後、磁性粒子を水から分
    離回収し、その後磁性粒子と分離された低分子分解物を
    含有する水溶液を、低分子分解物濃縮処理に付すことを
    特徴とする請求項3に記載の再資源化方法。
  7. 【請求項7】 低分子分解物濃縮処理において得られる
    水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水として用いる
    ことを特徴とする請求項6に記載の再資源化方法。
  8. 【請求項8】 磁気記録媒体または磁気記録媒体の磁性
    層を高温高圧水により処理した後、磁性粒子を水から分
    離回収し、その後磁性粒子と分離された低分子分解物を
    含有する水溶液に酸化剤を添加して高温高圧にするか、
    または該水溶液を高温高圧にしてから酸化剤を添加する
    かのいずれかの処理によって、該水溶液に含まれる低分
    子分解物をさらに酸化分解し、該水溶液中の有機成分を
    なくするかまたはその含有量を低減することを特徴とす
    る請求項3に記載の再資源化方法。
  9. 【請求項9】 高温高圧が、300〜600℃の温度で
    かつその温度での水の飽和蒸気圧以上の圧力、または3
    74℃以上の温度でかつ22.1MPa以上の圧力であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の再資源化方法。
  10. 【請求項10】 酸化剤が、酸素、オゾンおよび過酸化
    水素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする請求項8に記載の再資源化方法。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の方法で最終的に得ら
    れる有機成分を含有しないかまたはその含有量が低減さ
    れている排水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水と
    して用いることを特徴とする請求項8に記載の再資源化
    方法。
  12. 【請求項12】 高温高圧水に予めアルカリ性物質が添
    加されていることを特徴とする請求項3に記載の再資源
    化方法。
  13. 【請求項13】 高温高圧水による処理の前に、予め磁
    気記録媒体または磁性層にアルカリ性物質を添加するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の再資源化方法。
  14. 【請求項14】 アルカリ性物質が、アンモニア、水酸
    化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
    水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酸
    化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、
    t−BuOK、t−BuONaおよびテトラメチルアン
    モニウムヒドロキシドからなる群から選ばれる1種以上
    であることを特徴とする請求項12または13に記載の
    再資源化方法。
  15. 【請求項15】 磁気記録媒体または磁気記録媒体の磁
    性層をアルカリ性物質を含有する高温高圧水により処理
    した後、磁性粒子を水から分離回収し、その後磁性粒子
    と分離された低分子分解物を含有する水溶液を、低分子
    分解物濃縮処理に付すことを特徴とする請求項12に記
    載の再資源化方法。
  16. 【請求項16】 低分子分解物濃縮処理において得られ
    る水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水として用い
    ることを特徴とする請求項15に記載の再資源化方法。
  17. 【請求項17】 磁気記録媒体または磁気記録媒体の磁
    性層をアルカリ性物質を含有する高温高圧水により処理
    した後、磁性粒子を水から分離回収し、その後磁性粒子
    と分離された低分子分解物を含有する水溶液に酸化剤を
    添加して高温高圧にするか、または該水溶液を高温高圧
    にしてから酸化剤を添加するかのいずれかの処理によっ
    て、該水溶液に含まれる低分子分解物を酸化分解し、該
    水溶液中の有機成分を無くするかまたはその含有量を低
    減することを特徴とする請求項12に記載の再資源化方
    法。
  18. 【請求項18】 高温高圧が、300〜600℃の温度
    でかつその温度での水の飽和蒸気圧以上の圧力、または
    374℃以上の温度でかつ22.1MPa以上の圧力で
    あることを特徴とする請求項17に記載の再資源化方
    法。
  19. 【請求項19】 酸化剤が、酸素、オゾンおよび過酸化
    水素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする請求項17に記載の再資源化方法。
  20. 【請求項20】 請求項17に記載の方法で最終的に得
    られる有機成分を含有しないかまたはその含有量が低減
    されている排水の一部あるいは全部を、再び高温高圧水
    として用いることを特徴とする請求項17に記載の再資
    源化方法。
  21. 【請求項21】 ハロゲン元素が含まれる磁性層を請求
    項3に記載の方法で再資源化する際、最終的に得られた
    排水も回収し酸として再資源化することを特徴とする請
    求項3に記載の再資源化方法。
  22. 【請求項22】 磁気記録媒体または有機物質からなる
    基材から予め分離された磁性層を、高温高圧水で処理す
    ることにより有機物質を水に可溶な低分子分解物に分解
    し、有機物質の大部分と磁性粒子とを分離し、磁性粒子
    を回収することを特徴とする磁性粒子の再資源化方法。
  23. 【請求項23】 磁性粒子の結合剤としてポリウレタン
    を該結合剤のうち70重量%以上含有することを特徴と
    する請求項3に記載の方法による再資源化が可能な磁気
    記録媒体。
  24. 【請求項24】 磁性粒子の結合剤としてニトロセルロ
    ースを該結合剤のうち30重量%以上含有することを特
    徴とする請求項3に記載の方法による再資源化が可能な
    磁気記録媒体。
  25. 【請求項25】 請求項3に記載の方法で回収された磁
    性粒子を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  26. 【請求項26】 請求項3に記載の方法で回収された磁
    性粒子と、磁気記録媒体の製造用に合成された新品の磁
    性粒子とを含有することを特徴とする磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013142100A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Teikyo Univ 高温・高圧メタノールによる磁気テープのケミカルリサイクル方法

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