JP2002323598A - レーザー誘起プラズマによるx線集光方法及び装置 - Google Patents

レーザー誘起プラズマによるx線集光方法及び装置

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JP2002323598A
JP2002323598A JP2001131152A JP2001131152A JP2002323598A JP 2002323598 A JP2002323598 A JP 2002323598A JP 2001131152 A JP2001131152 A JP 2001131152A JP 2001131152 A JP2001131152 A JP 2001131152A JP 2002323598 A JP2002323598 A JP 2002323598A
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ray
laser
induced plasma
substance
rays
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JP2001131152A
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Kenichi Kondo
建一 近藤
Yoichiro Hironaka
陽一郎 弘中
Kazutaka Nakamura
一隆 中村
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々なX線源から出射されるX線を容易に集
光することができる方法及び装置を提供する 【解決手段】 パルスレーザー光6を物質3に照射し
て、レーザー誘起プラズマ5を生成し、プラズマ5中を
X線7を通過させることにより、集光されたX線ビーム
7’を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線をレーザー誘起
プラズマによって集光するX線集光方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】X線は、直進性や強い透過力、或いは蛍
光発生といった、X線特有の物質との相互作用を有する
ため、物理学、化学、医学、プロセス工学などの学問分
野のみならず、非破壊検査をはじめとして様々な工業分
野或いは臨床医療分野に利用されている。X線は、真空
中で高電圧によって加速した電子を金属などの物質に衝
突させ、電子がエネルギーを失う際の制動X線輻射、あ
るいは、物質内部の内殻電子を励起させたときに生ずる
特性X線輻射によって発生する。また、電子シンクロト
ロンのように、高速電子を真空パイプの中で周回させた
場合にもその加速度の接線方向にX線が放射される。ま
た、線形加速器によって加速された電子ビームにパルス
レーザー光を照射して、レーザーの強い電界によって偏
向する際にもX線が発生する。また、パルスレーザー光
を金属表面に照射した際に生成するプラズマが冷却して
消滅する際にもX線が発生する。
【0003】ところで、X線は、X線本来の直進性や透
過力のため、可視光線のようにレンズで集光したり鏡で
方向を変えたりすることが容易ではない。比較的波長が
長いX線では、結晶の低角散乱を使ったX線ミラーや多
層膜X線ミラーなどのX線光学素子があるが、結晶構造
解析などに用いる数keV以上の硬X線では、結晶の回
折を利用して方向を変えたり集光したりする以外に方法
がないため、単色X線に限定される。最近では、光ファ
イバーと同様に、細管内の多重反射現象を利用して、細
管の集合体を用いて集光・拡大したり方向を変えたりす
るX線光学素子があるが、有効面積が減少するために集
光効率に限界があり、また短パルスX線の集光に際して
はX線パルスの時間幅が伸張するなどの欠点がある。
【0004】X線の応用技術には、例えば臨床医療分野
においてフラッシュレントゲン撮影といったものがあ
る。例えば心臓の機能を診断するために、心臓の瞬間の
形態を撮影すると言ったことが行われており、このよう
な撮影には、X線強度の高いX線源が必要である。しか
しながらX線は集光することが難しいために大出力のX
線源を必要とし、従って装置が大型化し、取り扱いにく
いといった課題がある。また、最新の半導体プロセスに
おいては、X線露光装置が使用されるが、X線を平行光
にすることが難しいために大出力のX線源を必要とし、
従って装置が大型化し、取り扱いにくいと言った課題が
ある。このように、種々のX線源が開発され、またX線
の特性を利用した種々の応用技術が開発されているが、
従来の技術ではX線を集光することが難しいために、装
置が大型化し、高コストになり、また取り扱いにくいと
言った課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑み、様々なX線源から出射されるX線を容易に集光す
ることができる方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、パルスレーザー光を金属もしくは非金属
物質に照射してプラズマを生成し、このプラズマ中を通
過するX線が集光されることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】上記課題を解決するために、本発明のレー
ザー誘起プラズマによるX線集光方法は、パルスレーザ
ー光を物質に照射して、物質のプラズマを誘起し、プラ
ズマ中をX線を通過させることにより、X線を集光する
ことを特徴とする。この方法によれば、短パルスX線、
時間的に連続な連続X線、単色X線、多色X線等のX線
の種類によらず、全てのX線を集光できる。
【0008】また、本発明のレーザー誘起プラズマによ
るX線集光方法は、パルスレーザー光を第1のパルスレ
ーザー光と第2のパルスレーザー光とに分割し、第1の
パルスレーザー光を第1の物質に照射してレーザー誘起
プラズマX線を発生させ、第2のパルスレーザー光を第
2の物質に照射してレーザー誘起プラズマを生成し、こ
のレーザー誘起プラズマに上記レーザー誘起プラズマX
線を通過させてレーザー誘起プラズマX線を集光するこ
とを特徴としている。この方法によれば、レーザー誘起
プラズマX線を集光することができ、また、単一のパル
スレーザー光源から、集光したX線パルスを得ることが
できる。
【0009】また、本発明のレーザー誘起プラズマによ
るX線集光装置は、X線源と、プラズマを誘起させるパ
ルスレーザー光源と、パルスレーザー光の照射によって
プラズマを生成する物質とを備え、X線源から出射する
X線がパルスレーザー光源にて生成したレーザー誘起プ
ラズマ中を通過することによって集光するようにしたこ
とを特徴とする。この構成によれば、短パルスX線源、
時間的に連続な連続X線源、単色X線源、多色X線源等
の全てのX線源のX線を集光できるX線集光装置を提供
することができる。
【0010】また、本発明のレーザー誘起プラズマによ
るX線集光装置は、パルスレーザー光源と、パルスレー
ザー光源から出射するパルスレーザー光を第1のパルス
レーザー光と第2のパルスレーザー光とに分割するビー
ムスプリッターと、第1のパルスレーザー光を集光する
第1の光学系と、第1の光学系で集光した第1のパルス
レーザー光を照射してレーザー誘起プラズマX線を発生
する第1の物質と、第1の物質を保持及び駆動する治具
と、第1のパルスレーザー光または第2のパルスレーザ
ー光の遅延時間を調整する光学遅延回路と、第2のパル
スレーザー光を照射してレーザー誘起プラズマを発生す
る第2の物質と、第2の物質を保持及び駆動する治具と
を有することを特徴とする。
【0011】この構成によれば、単一のパルスレーザー
装置でX線発生とプラズマ発生を行うから、装置構成が
簡単であり、また、第2のパルスレーザー光の遅延時間
を調整する光学遅延回路を有するから、レーザー誘起プ
ラズマX線の通過とプラズマ生成を同期することがで
き、高効率で集光することができる。また、レーザー誘
起プラズマX線を発生する第1の物質を保持及び駆動す
る治具を有し、レーザー誘起プラズマX線生成毎に治具
を駆動して第1の物質の新規な表面を第1のパルスレー
ザー光に露出することができるから、発生するレーザー
誘起プラズマX線の再現性が高い。
【0012】また、レーザー誘起プラズマを発生する第
2の物質を保持及び駆動する治具を有し、レーザー誘起
プラズマ生成毎に治具を駆動して第2の物質の新規な表
面を第2のパルスレーザー光に露出することができるか
ら、発生するレーザー誘起プラズマの再現性が高く、従
って再現性良く集光することができる。
【0013】上記構成の本発明によれば 従来、集光が
難しかったX線を容易に集光することができるので、高
強度の種々のX線を必要とする、物理学、化学、医学、
プロセス工学などの分野、及び非破壊検査をはじめ様々
な工業分野あるいは臨床医療分野において使用すれば極
めて有用である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。尚、実質的に同一の構成要
素には同一の符号を用いて説明する。本発明のレーザー
誘起プラズマによるX線集光方法及び装置は、膨張する
プラズマ中を横断するX線がプラズマと相互作用して、
X線の光路が偏向することにより、あたかもプラズマ中
から小さな発散角でビーム状にX線が出射するが如くに
集光する現象に基づくものである。図1は、本発明のレ
ーザー誘起プラズマによるX線集光方法及び装置を示す
図である。図において、本発明のレーザー誘起プラズマ
によるX線集光装置1は、短パルスX線源、時間的に連
続なX源線、単色X源線、または多色のX線源であるX
線源2と、プラズマを生成するための物質、例えば、金
属、非金属の板または箔からなる物質3と、物質3にレ
ーザー光4を照射しレーザー誘起プラズマ5を生成する
ためのレーザー光源6とから構成される。X線源2と物
質3は、X線7が物質3の表面近傍を通過するように、
配置されている。
【0015】レーザー光源6から出射したレーザー光4
は、物質3の表面を瞬時に蒸発させ、物質3のイオンと
電子からなるプラズマ、すなわちレーザー誘起プラズマ
5を生成させる。X線源2から出射したX線7は発散し
ながらプラズマ5に到達し、レーザー誘起プラズマ5中
でプラズマと相互作用して、光路が偏向され、プラズマ
5中から小さな発散角でビーム状にX線7’が出射す
る。
【0016】この構成によれば、X線源から大きな発散
角で発散するX線7のほとんどが集光され、ビーム径の
細い、強度の大きいX線ビーム7’が得られる。
【0017】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。この実施の形態は、X線源としてレーザ誘起プラズ
マX線源を用い、レーザ誘起プラズマX線を集光するも
のである。図2は、X線源としてレーザ誘起プラズマX
線源を用いた、本発明のレーザー誘起プラズマによるX
線集光装置の構成を示す図である。図において、レーザ
ー誘起プラズマによるX線集光装置10は、パルスレー
ザー装置6と、パルスレーザー装置6から出射するパル
スレーザー光4を第1のパルスレーザー光11と第2の
パルスレーザー光12とに分割するビームスプリッター
13と、第1のパルスレーザー光11を集光する第1の
集光光学系14と、この集光光学系14によって集光し
た第1のパルスレーザー光11を照射してレーザ誘起プ
ラズマX線7を発生させるための第1の物質15と、第
1の物質15を保持及び駆動する冶具16と、第2のパ
ルスレーザー光12の遅延時間を調整する光学遅延回路
17と、光学遅延回路17で遅延時間を調整した第2の
パルスレーザー光12を集光する第2の集光光学系18
と、集光した第2のパルスレーザー光12を照射してレ
ーザー誘起プラズマ5を発生させるための第2の物質3
と、この第2の物質3を保持及び駆動する治具19と、
スリット22とを有している。
【0018】第1の物質15を保持及び駆動する冶具1
6は、レーザー誘起プラズマX線7の生成毎に、X,Y
及びZ方向に、即ち、左右方向、進退方向に自由に駆動
し得るとともに、治具16を自由に回動駆動して第1の
物質15の新規な表面を第1のパルスレーザー光11に
露出するようになっている。第2の物質3を保持及び駆
動する治具19も同様に、レーザー誘起プラズマ5の生
成毎に、X,Y及びZ方向に、即ち、左右方向、進退方
向に自由に駆動し得るとともに、治具19を自由に回動
駆動して第2の物質3の新規な表面を第2のパルスレー
ザー光12に露出するようになっている。光学遅延回路
17は、固定ミラー対20と可動ミラー対21によって
構成され、可動ミラー対21を動かすことによって第2
のパルスレーザー光12の遅延時間を調整するようにな
っている。第2の物質3は、レーザー誘起プラズマX線
7が第2の物質3の表面近傍を通過するように配置され
ている。
【0019】パルスレーザー装置6は、任意の波長で任
意のパルス幅のものを用いることができ、レーザー誘起
プラズマを生成し得る光強度を有するものであれば良
い。第1の集光光学系14、及び第2の集光光学系18
は、第1のパルスレーザー光11及び第2のパルスレー
ザー光12をプラズマの生成が可能な光強度まで集光で
きるものであれば何でも良く、例えば光学レンズもしく
は曲面鏡を用いることができる。第1の冶具16及び第
2の冶具19は、レーザー照射に伴い表面に穴が生成し
たり表面が粗くなったりした物質面を移動させて、新た
な照射面を露出させるための冶具であり、例えば、板状
の物質を平面内で移動可能な冶具、あるいは、テープ状
の物質をリールによって巻き取る冶具でも良く、パルス
レーザー装置6から出射するパルスレーザー光4と同期
もしくは非同期で適宜に移動させることができる。
【0020】次に、本装置の動作を説明する。パルスレ
ーザー装置6で発生したパルスレーザー光4は、ビーム
スプリッター13により第1のパルスレーザー光11と
第2のパルスレーザー光12に分割される。第1のパル
スレーザー光11はレーザー誘起プラズマX線7を発生
するために用いられ、第2のパルスレーザー光12はレ
ーザー誘起プラズマX線7を集光するレーザー誘起プラ
ズマ5を生成するために用いられる。第1のパルスレー
ザー光11は第1の光学系14により、第1の物質15
の表面に集光される。集光した第1のパルスレーザー光
11が第1の物質15に照射されると、物質15の表面
物質は瞬時に蒸発し、第1の物質15のイオンと電子か
らなるレーザー誘起プラズマが生成され、レーザー誘起
プラズマX線7が発生する。
【0021】第2のパルスレーザー光12は、光学遅延
回路で可動ミラー対21を動かすことにより、レーザー
誘起X線7が第2の物質3を通過するタイミングにあう
ように遅延時間を調整される。第2のパルスレーザー光
12は、第2の光学系18により集光され、第2の物質
3を照射する。第2のパルスレーザー光12が第2の物
質3に照射されると、第2の物質3の表面物質は瞬時に
蒸発し、第2の物質3のイオンと電子からなるレーザー
誘起プラズマ5が生成される。
【0022】レーザー誘起プラズマ5を通過するレーザ
ー誘起プラズマX線7は、レーザー誘起プラズマ5と相
互作用して、光路が偏向して集光し、レーザー誘起プラ
ズマ5中から小さな発散角でビーム状にX線7’が出射
する。
【0023】この構成によれば、レーザー誘起プラズマ
X線源から大きな発散角で発散するレーザー誘起プラズ
マX線のほとんどを集光して、ビーム径が細く、強度の
強いレーザー誘起プラズマX線ビームを得ることができ
る。
【0024】次に、本発明の実施例を説明する。この実
施例は、上記の本発明の他の実施の形態で図2を用いて
説明した、レーザー誘起プラズマX線を集光する実施例
である。図3は、実施例に用いた本発明のレーザー誘起
プラズマX線を集光する装置の構成を示す図である。図
において、31はパルスコンプレッサーであり、パルス
レーザー装置6からの第1のパルスレーザー光11を時
間軸上で圧縮して光強度を高め、レーザー誘起プラズマ
X線の生成効率を高めている。32は、X線集光現象を
測定するためのX線フィルムであり、集光されたX線
7’の光路に垂直に配置している。他の構成は図2と同
様であり、説明を省略する。
【0025】本実施例では、パルスレーザー装置6とし
て高強度のテラワットチタンサファイアレーザーを用い
た。テラワットチタンサファイアレーザー6から発生す
る光パルスは、パルス幅42fs、波長780nmのパ
ルスレーザー光である。テラワットチタンサファイアレ
ーザー6は、オシレター部・再生増幅器・2段階のマル
チパス増幅器・パルス圧縮部から構成されている。オシ
レーターはモードロックTi:sapphireレーザ
ーで、25fsのパルス幅で4nJのレーザー光を繰り
返し周波数76MHzで発振する。切り出されたオシレ
ーターパルス光は300psにパルスストレッチされて
再生増幅器に導かれ、10Hz発振のNd:YAGレー
ザー光により増幅され、3〜4mJの出力を出す。2つ
のポッケルスセル及び2つの偏光素子を通ることによ
り、プレパルス強度は主パルスに対して10-6比に減少
される。その後、4パスの前置増幅および3パスの主増
幅を受けることにより、主パルス出力が最大400mJ
まで増幅される。
【0026】この主パルス4をビームスプリッター13
で分岐した第1のパルスレーザー光11は真空チャンバ
ー(10-6Torr以下)内に設置した、グレーティン
グの組み合わせによるパルスコンプレッサー31により
パルス幅約40fsに圧縮される。テラワットチタンサ
ファイアレーザー6のパルスレーザー光4の出力速度は
最大10Hzであり、間引き運転が可能であって、ま
た、単発ビームの発生も可能である。パルス圧縮以降の
光学系は、空気のレーザー光電界によるブレークダウン
を避けるために、真空チャンバー内に組まれている。圧
縮された第1のパルスレーザー光11は集光距離16
5.2mmのパラボリックミラー14によって金属ター
ゲット15上に直径13μmから45μmに集光する。
金属ターゲット15は円盤状ディスクで、各ショット毎
に新しい面を出すように回転させる。発生するX線強度
はX線フォトダイオード(XPD)で測定し、X線エネ
ルギースペクトルは直接検出型X線CCDにより測定し
た。X線の時間軸上の強度プロファイルはX線ストリー
クカメラ(時間分解能2ps)により測定した。金属タ
ーゲット15としてタングステンターゲットを使用し
た。第1のパルスレーザー光11のタングステンターゲ
ット15への照射スポットサイズは44±6μmであ
る。
【0027】図4はレーザー誘起プラズマX線のスペク
トルを示す図である。タングステンターゲット15から
のレーザー誘起プラズマX線7を直接検出型X線CCD
により測定した。4keV付近にピークを持つブロード
な連続X線であり、タングステンのLα、Lβの特性X
線も見られる。
【0028】図5はレーザー誘起プラズマX線の時間軸
上のプロファイルを示す図である。X線ストリークカメ
ラを用いて測定した。X線の半値幅は33psである。
一方、プラズマ生成用の第2のパルスレーザー光12は
光学遅延回路17を経て、レンズ18で集光し、アルミ
ニウム箔(厚さ200μm、幅2mm)3に照射する配
置とした。
【0029】集光したX線7’の測定は、以下のように
して行った。パルスレーザー装置6からパルスレーザー
光4を発生させる毎にX線フィルム32とアルミニウム
箔3を移動し、また、光学遅延回路により遅延時間を変
化させて撮影した。図6は、X線が集光されていること
を示すX線写真である。図において、51はアルミニウ
ム箔3の位置に対応し、52はアルミニウム箔3の表面
上に形成されている球状のレーザー誘起プラズマ5によ
ってX線が遮断されてできる影であり、三日月状の白い
部分53が集光されたX線7’によって感光した部分で
ある。なお、図の右上の数値は遅延時間を表している。
図から明らかなように、生成・膨張するプラズマの輪郭
上にX線強度が増加していることがわかり、あたかもレ
ーザー誘起プラズマ5上からX線がビーム状に放射して
いる如くに見える。これは、プラズマ励起用の第2のパ
ルスレーザー光12に適切な遅延時間を与えたときにの
み現れるものであるから、X線とプラズマとの相互作用
によって、X線が集光してビーム状に発散していること
が明らかであり、本発明の効果を実証しているものであ
る。
【0030】本発明を好ましい実施例に基づいて説明し
たが、本発明のレーザー誘起プラズマによるX線集光方
法及び装置はこれに限られるものではなく、種々の変
形,改変が可能である。例えば、上記実施例では、第2
のパルスレーザー光12に対して遅延時間を調整する光
学遅延回路17等を設けるようにしているが、第1のパ
ルスレーザー光11に対して光学遅延回路17等を設け
るように構成してもよいことは勿論である。また、上記
説明では、X線の集光について説明したが、レーザー誘
起プラズマの生成条件、遅延時間、ターゲット物質、形
状等を適宜に選択すれば、プラズマ中でのX線の光路の
変更の程度を様々に制御でき、集光のみならず、コリメ
ートも可能なことは明らかである。
【0031】
【発明の効果】上記説明から理解されるように、本発明
のレーザー誘起プラズマによるX線集光方法及び装置に
よれば、高い効率でX線を集光及びコリメートできる。
医療、工業、生物関連の分野において幅広い応用が期待
でき、特に、高強度のX線、指向性X線を必要とする医
療分野、また、X線コリメート光を必要とするX線リソ
グラフィーやX線顕微鏡分野に適用すれば極めて有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザー誘起プラズマによるX線集光
方法及び装置の原理を説明するための概略図である。
【図2】X線源としてレーザ誘起プラズマX線源を用い
た、本発明のレーザー誘起プラズマによるX線集光装置
の構成を示す図である。
【図3】実施例に用いた本発明のレーザー誘起プラズマ
X線を集光する装置の構成を示す図である。
【図4】レーザー誘起プラズマX線のスペクトルを示す
図である。
【図5】レーザー誘起プラズマX線の時間軸上のプロフ
ァイルを示す図である。
【図6】X線が集光されていることを示すX線写真であ
る。
【符号の説明】
1 レーザー誘起プラズマによるX線集光装置 2 X線源 3 プラズマを生成するための物質、第2の物質 4 レーザー光、パルスレーザー光 5 レーザー誘起プラズマ 6 パルスレーザー装置 7 レーザー誘起プラズマX線 7’ X線ビーム 10 レーザー誘起プラズマによるX線集光装置 11 第1のパルスレーザー光 12 第2のパルスレーザー光 13 ビームスプリッター 14 第1の集光光学系 15 第1の物質 16 冶具 17 光学遅延回路 18 第2の集光光学系 19 冶具 20 固定ミラー 21 可動ミラー 22 スリット 31 パルスコンプレッサー 32 X線フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 弘中 陽一郎 神奈川県横浜市青葉区大場町154−2−102 (72)発明者 中村 一隆 神奈川県横浜市中区根岸旭台10−1−302 Fターム(参考) 4C092 AA06 AB21 AC01 AC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスレーザー光を物質に照射して、レ
    ーザー誘起プラズマを生成し、該プラズマ中をX線を通
    過させることにより、該X線を集光することを特徴とす
    る、レーザー誘起プラズマによるX線集光方法。
  2. 【請求項2】 パルスレーザー光を第1のパルスレーザ
    ー光と第2のパルスレーザー光とに分割し、第1のパル
    スレーザー光を第1の物質に照射してレーザー誘起プラ
    ズマX線を生成し、第2のパルスレーザー光を第2の物
    質に照射してレーザー誘起プラズマを生成し、該プラズ
    マ中を上記X線を通過させて該X線を集光することを特
    徴とする、レーザー誘起プラズマによるX線集光方法。
  3. 【請求項3】 X線源と、 レーザー誘起プラズマを生成させるパルスレーザー光源
    と、 該パルスレーザー光の照射によってレーザー誘起プラズ
    マを生成する物質とを備え、 上記X線源から出射するX線が上記パルスレーザー光源
    にて生成した上記レーザー誘起プラズマ中を通過して集
    光するようにしたことを特徴とする、レーザー誘起プラ
    ズマによるX線集光装置。
  4. 【請求項4】 パルスレーザー光源と、 該パルスレーザー光源から出射するパルスレーザー光を
    第1のパルスレーザー光と第2のパルスレーザー光とに
    分割するビームスプリッターと、 上記第1のパルスレーザー光を集光する第1の光学系
    と、 該第1の光学系で集光した第1のパルスレーザー光を照
    射してレーザー誘起プラズマX線を生成する第1の物質
    と、 該第1の物質を保持及び駆動する治具と、 上記第1のパルスレーザー光または第2のパルスレーザ
    ー光の遅延時間を調整する光学遅延回路と、 上記第2のパルスレーザー光を照射してレーザー誘起プ
    ラズマを生成する第2の物質と、 該第2の物質を保持及び駆動する治具と、を有すること
    を特徴とする、レーザー誘起プラズマによるX線集光装
    置。
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