JP2002323497A - バイオセンサー用測定チップ - Google Patents

バイオセンサー用測定チップ

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JP2002323497A
JP2002323497A JP2001130614A JP2001130614A JP2002323497A JP 2002323497 A JP2002323497 A JP 2002323497A JP 2001130614 A JP2001130614 A JP 2001130614A JP 2001130614 A JP2001130614 A JP 2001130614A JP 2002323497 A JP2002323497 A JP 2002323497A
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JP
Japan
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group
general formula
biosensor
hydrophilic polymer
measurement chip
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001130614A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Kojima
政芳 小島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属表面に容易に生理活性物質を固定化する
ための手段であって、処理過程が簡便で安全性の高い方
法を提供すること。 【解決手段】 金属表面又は金属膜を下記一般式Iで表
される化合物で処理した後、該化合物に親水性ポリマー
を結合させて親水性ポリマー層を形成して成る、バイオ
センサー用測定チップ。 一般式I:X−A−L−B (式中、Xは、環内にZ−Z(ここでZはS、Se又は
Pを示す)結合を含むヘテロ環基を示し、Aは、脂肪族
基、芳香族基、ヘテロ環基又はこれらの組み合わせから
選ばれる2価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、B
は、親水性ポリマーと結合できる官能基を有する芳香族
基またはヘテロ環基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性物質と結
合することができる親水性ポリマーをリンカー化合物を
介して金属表面又は金属膜上に有するバイオセンサー用
測定チップ、及び親水性ポリマーをを用いて金属表面又
は金属膜に生理活性物質を固定化する方法、並びにそれ
らの利用に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、臨床検査等で免疫反応を利用した
測定が数多く行われているが、従来法では煩雑な操作や
標識物質を必要とするため、標識物質を必要とすること
なく、リガンドの変化を高感度に検出することのできる
表面プラズモン共鳴(SPR)を利用した免疫センサー
が使用されている。
【0003】このような表面プラズモン共鳴を利用した
測定装置(表面プラズモン共鳴バイオセンサー)で一般
的に使用される測定チップは、ガラス基板上に成膜され
た金属膜の上に、多孔性材料が形成されており、この多
孔性材料の表面及び内部に酵素、抗体等の生理活性物質
が担持又は固定されている。この多孔性材料としては、
例えば合成繊維、天然繊維、無機繊維等からなる織物、
編物、不織布や、多孔性の無機又は有機材料などが使用
される(特開平3-164195号公報参照)。また、市販品
(BIAcore 2000用,ファルマシアバイオセンサー社製)
では、この多孔性材料としてカルボキシメチルデキスト
ランが用いられている。また、生理活性物質を金属膜に
固定する方法として、LB(Langmuir-Blodgett)法が
用いられる場合もあるが(特開平5-288672号公報参
照)、LB膜と金属膜との結合が弱く、LB膜が生理活
性物質と共に脱落するという問題がある。
【0004】また、金属表面への結合を目的とした各種
化合物は、S、P、Se等(特表平4−501605)を含
有しており取扱に際し、臭気、毒性等に注意を払う必要
がある。測定対象物と実質的にかつ効率的に相互作用す
る生理活性物質は、リンカー化合物に連結した親水性ポ
リマー層に結合させることで、高密度に存在させること
が可能となり、感度向上に寄与することが期待されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は上記した従来技術の問題点を解消することで
ある。即ち、本発明は、金属表面に容易に生理活性物質
を固定化するための手段であって、処理過程が簡便で安
全性の高い方法を提供することを解決すべき課題とし
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、金属膜上を本明細書
に定義する一般式Iで表される化合物で処理して官能基
を有する金属表面を作成し、更にその上に親水性ポリマ
ー層を形成させることで、生理活性物質を効率的に固定
化できる金属表面を作成できることを見出し、本発明を
完成するに至った。本発明のバイオセンサー用測定チッ
プは、例えば、透明基板上に配置される金属膜を備えて
いることを特徴とする表面プラズモン共鳴バイオセンサ
ー用測定チップ製造等に用いることができる。
【0007】即ち、本発明によれば、金属表面又は金属
膜を下記一般式Iで表される化合物で処理した後、該化
合物に親水性ポリマーを結合させて親水性ポリマー層を
形成して成る、バイオセンサー用測定チップが提供され
る。 一般式I:X−A−L−B (式中、Xは、環内にZ−Z(ここでZはS、Se又は
Pを示す)結合を含むヘテロ環基を示し、Aは、脂肪族
基、芳香族基、ヘテロ環基又はこれらの組み合わせから
選ばれる2価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、B
は、親水性ポリマーと結合できる官能基を有する芳香族
基またはヘテロ環基を示す。)
【0008】好ましくは、一般式IにおいてXは下記の
構造を有するヘテロ環基である。
【化5】 (式中、ZはS、Se又はPを示す。m及びnは各々独
立に0以上の整数を示す)好ましくは、一般式Iにおい
てXは1,2−ジチオラン基である。好ましくは、一般
式IにおいてLは−CO−NH−基である。好ましく
は、一般式IにおいてBは、水酸基またはカルボキシル
基を有する芳香族基またはヘテロ環基である。
【0009】好ましくは、一般式Iで表される化合物は
下記の一般式IIで示されるリポ酸誘導体である。
【化6】 (式中、Lは2価の連結基を示し、Bは、親水性ポリマ
ーと結合できる官能基を有する芳香族基またはヘテロ環
基を示す。)
【0010】特に好ましくは、一般式Iで表される化合
物は、4−ヒドロキシ(1,2−ジチオラン−3−ペン
タノイル)アニリド、4−ヒドロキシメチル(1,2−
ジチオラン−3−ペンタノイル)アニリド、または4−
(1,2−ジチオラン−3−ペンタノイル)アミノ安息
香酸である。好ましくは、親水性ポリマーは、多糖類、
合成ポリカルボン酸、ポリエチレングリコール、ポリペ
プチド、デンドリマー、ポリビニルアルコール、または
合成ポリカルボン酸ヒドロキシアルキルエステルであ
る。
【0011】好ましくは、生理活性物質が親水性ポリマ
ーに結合している。好ましくは、生理活性物質は、生理
活性物質が、免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子
有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白
質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしく
は脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポ
リペプチドもしくはオリゴペプチドである。
【0012】本発明の別の側面によれば、上記した本発
明のバイオセンサー用測定チップを含む、バイオセンサ
ーが提供される。本発明のさらに別の側面によれば、本
発明のバイオセンサー用測定チップ又は本発明のバイオ
センサーを用いて、該バイオセンサー用測定チップに固
定化されている生理活性物質と相互作用する物質を検出
及び/又は測定する方法が提供される。
【0013】本発明のさらに別の側面によれば、金属表
面又は金属膜を下記一般式Iで表される化合物で処理す
る工程;該一般式Iで表される化合物に親水性ポリマー
を結合させる工程;及び該親水性ポリマーに生理活性物
質を結合させる工程:を含む、金属表面又は金属膜上に
生理活性物質を固定化する方法が提供される。 一般式I:X−A−L−B (式中、Xは、環内にZ−Z(ここでZはS、Se又は
Pを示す)結合を含むヘテロ環基を示し、Aは、脂肪族
基、芳香族基、ヘテロ環基又はこれらの組み合わせから
選ばれる2価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、B
は、親水性ポリマーと結合できる官能基を有する芳香族
基またはヘテロ環基を示す。)
【0014】好ましくは、一般式IにおいてXは下記の
構造を有するヘテロ環基である。
【化7】 (式中、ZはS、Se又はPを示す。m及びnは各々独
立に0以上の整数を示す)
【0015】好ましくは、一般式IにおいてXは1,2
−ジチオラン基である。好ましくは、一般式Iにおいて
Lは−CO−NH−基である。好ましくは、一般式Iに
おいてBは、水酸基またはカルボキシル基を有する芳香
族基またはヘテロ環基である。
【0016】好ましくは、一般式Iで表される化合物は
下記の一般式IIで示されるリポ酸誘導体である。
【化8】 (式中、Lは2価の連結基を示し、Bは、親水性ポリマ
ーと結合できる官能基を有する芳香族基またはヘテロ環
基を示す。)
【0017】好ましくは、一般式Iで表される化合物
は、4−ヒドロキシ(1,2−ジチオラン−3−ペンタ
ノイル)アニリド、4−ヒドロキシメチル(1,2−ジ
チオラン−3−ペンタノイル)アニリド、または4−
(1,2−ジチオラン−3−ペンタノイル)アミノ安息
香酸である。好ましくは、親水性ポリマーは、多糖類、
合成ポリカルボン酸、ポリエチレングリコール、ポリペ
プチド、デンドリマー、ポリビニルアルコール、または
合成ポリカルボン酸ヒドロキシアルキルエステルであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様及び実施
方法について詳細に説明する。本発明のバイオセンサー
用測定チップは、金属表面又は金属膜を下記一般式Iで
表される化合物で処理した後、該化合物に親水性ポリマ
ーを結合させて親水性ポリマー層を形成して成ることを
特徴とする。 一般式I:X−A−L−B (式中、Xは、環内にZ−Z(ここでZはS、Se又は
Pを示す)結合を含むヘテロ環基を示し、Aは、脂肪族
基、芳香族基、ヘテロ環基又はこれらの組み合わせから
選ばれる2価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、B
は、親水性ポリマーと結合できる官能基を有する芳香族
基またはヘテロ環基を示す。)
【0019】本発明のバイオセンサー用測定チップは、
例えば、透明基板上に配置される金属膜を備えているこ
とを特徴とする表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ等として用いることができる。なお、表面プラ
ズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ(以下、単に
「測定チップ」という)とは、表面プラズモン共鳴バイ
オセンサーに使用されるチップであって、該センサーよ
り照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活
性物質を固定する部分とを含む部材をいい、該センサー
の本体に固着されるものであってもよく、また脱着可能
なものであってもよい。
【0020】表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の
光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射され
た単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に
依存することによるものであり、従って、反射された単
色光の強度を測定することにより、試料を分析すること
ができる。
【0021】本発明のバイオセンサー用測定チップは、
金属表面又は金属膜を本明細書に定義する一般式Iで表
される化合物で処理することにより製造される。金属膜
は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板
上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触する
ように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接
接触することなく、他の層を介して配置されている場合
をも含む意味である。
【0022】金属膜が基板上に配置されている場合、本
発明のバイオセンサー用測定チップは、基板と、基板上
に形成された金属膜と、金属膜上に形成されたリンカー
層(一般式Iで示される化合物から成る)と、上記リン
カー層に結合した親水性ポリマー層とを有する。
【0023】本発明で使用することができる基板として
は例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考え
た場合、固定化法に使用されるものであればどのような
ものでもよく、一般的にはガラス、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネートなどのレーザー光に対して
透明な材料からなるものが使用できる。このような基板
は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工
性の優れた材料が望ましい。基板の厚さは特には限定さ
れないが、通常0.1 〜20mm程度である。
【0024】本発明のバイオセンサー用測定チップにお
ける金属膜としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイ
オセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ
得るようなものであれば特に限定されない。この金属膜
に使用することのできる金属の種類としては、金、銀、
銅、アルミニウム、白金等が挙げられ、それらを単独又
は組み合わせて使用することができる。また、上記基板
への付着性を考慮して、基板と金、銀等からなる層との
間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。
【0025】金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、10
0 〜2000オングストロームであるのが好ましく、
特に200〜600オングストロームであるのが好まし
い。3000オングストロームを超えると、媒質の表面
プラズモン現象を十分検出することができない。また、
クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚
さは、5〜50オングストロームであるのが好ましい。
【0026】金属膜の形成は常法によって行えばよく、
例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング
法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うこと
ができる。
【0027】本発明では、下記一般式Iで表される化合
物を使用する。 一般式I:X−A−L−B (式中、Xは、環内にZ−Z(ここでZはS、Se又は
Pを示す)結合を含むヘテロ環基を示し、Aは、脂肪族
基、芳香族基、ヘテロ環基又はこれらの組み合わせから
選ばれる2価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、B
は、親水性ポリマーと結合できる官能基を有する芳香族
基またはヘテロ環基を示す。)
【0028】一般式Iにおいて、Xは、環内に−S−S
−、−Se−Se−、又は−P−P−を含むヘテロ環基
を示す。Xは好ましくは、下記の構造を有するヘテロ環
基である。
【0029】
【化9】
【0030】(式中、ZはS、Se又はPを示す。m及
びnは各々独立に0以上の整数を示す)m及びnの上限
値は特に限定されないが、化学合成の便宜等の観点から
m+nの合計数は好ましくは0〜10であり、より好ま
しくは0〜7であり、さらに好ましくは0〜5であり、
特に好ましくは2又は3である。Xは特に好ましくは、
1,2−ジチオラン基である。
【0031】一般式Iにおいて、Aは、脂肪族基、芳香
族基、ヘテロ環基又はこれらの組み合わせから選ばれる
2価の連結基を示す。
【0032】脂肪族基としては、アルキレン基、アルケ
ニレン基又はアルキニレン基等を包含し、鎖の形態は直
鎖、分岐鎖、環状鎖又はこれらの組み合わせの何れでも
よい。脂肪族基としてはアルキレン基が特に好ましく、
最も好ましくは直鎖のアルキレン基である。脂肪族基の
長さは特に限定されないが、例えば、炭素数1〜20で
あり、より好ましくは炭素数1〜10程度であり、特に
好ましくは炭素数2〜10程度である。芳香族基として
は、アリーレン基などが挙げられ、具体的にはフェニレ
ン基、ナフチレン基などが挙げられる。
【0033】ヘテロ環としては、窒素原子、酸素原子又
は硫黄原子から選ばれる1種以上のヘテロ原子を1個以
上含む5または7員の飽和または不飽和の単環または縮
合環などが挙げられ、具体的には、ピリジン、キノリ
ン、イソキノリン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジ
ン、フタラジン、トリアジン、フラン、チオフェン、ピ
ロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾー
ル、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾ
ール、チアジアゾール、トリアゾール等が挙げられる。
ヘテロ環基とは上記したようなヘテロ環から誘導される
2価の基を言う。Aで表される2価の連結基は、上記し
たような脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基の組み合わ
せから構成されるものでもよい。
【0034】一般式Iにおいて、Lは2価の連結基を示
す。2価の連結基としては、−CO−NH−基、−NH
−CO−基、−CO−O−基、または−O−CO−基な
どが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0035】一般式Iにおいて、Bは、親水性ポリマー
と結合できる官能基を有する芳香族基またはヘテロ環基
を示す。親水性ポリマーと結合できる官能基としては、
水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0036】芳香族基またはヘテロ環基としては、フェ
ニル基、ナフチル基などのアリール基、または窒素原
子、酸素原子又は硫黄原子から選ばれる1種以上のヘテ
ロ原子を1個以上含む5または7員の飽和または不飽和
の単環または縮合環(具体的には、ピリジン、キノリ
ン、イソキノリン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジ
ン、フタラジン、トリアジン、フラン、チオフェン、ピ
ロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾー
ル、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾ
ール、チアジアゾール、トリアゾール等)から誘導され
る基が挙げられる。
【0037】これらの化合物の中でも、塩基性の水、ア
ルコール等に易溶で、取扱の容易なリポ酸誘導体を用い
るのが好ましく、特にカルボキシル基を有する芳香族誘
導体は金属表面とはジチイラン部分が結合し、芳香族連
結部分の寄与により金表面上自己組織化が促され該化合
物が金方面上に整然と配列され表面の均一性が向上する
ので好ましい。なお、リポ酸誘導体を界面状態の改質に
用いた例として、歯科用金属へのレジン接着性が報告さ
れている(門磨義則、歯科材料・器械、16巻(2)、114‐
121(1997)。
【0038】一般式Iの化合物は当業者に公知の通常の
有機化学合成法により合成することができ、具体的に
は、例えば、Ralph G. Nuzzo and David L. Allara, "A
dsorption of Bifunctional Organic Disulfides on Go
ld Surfaces", J.Amer.Chem.Soc, 105, 4481-4483(198
3)に記載の合成法に準じて合成することができる。
【0039】一般式Iの化合物で金属表面又は金属膜を
処理する方法としては、該化合物を含む溶液中に金属膜
等を一定時間浸漬する方法(浸漬法)、スピンコータを
用いる方法(スピンコーティング法)、グラビア印刷機
を用いる方法(グラビア法)などを例示することができ
る。
【0040】本発明のバイオセンサー用測定チップにお
いては、一般式Iで表される化合物で処理した後、該化
合物に親水性ポリマー層を結合させる構成を採用するこ
とにより、生理活性物質を高密度で効率的に固定化する
ことができる。
【0041】本発明で用いることができる親水性ポリマ
ーとしては、デキストラン、デンプン、セルロース、ア
ガロース、キチン、キトサン、カラギーナン、ヒアルロ
ン酸、コンドロイチン硫酸などの多糖類及び、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸などの合成ポリカルボン酸、
ポリHEMAなどのポリヒドロキシアルキルカルボン酸エス
テル、ポリアクリルアミドなどの合成ポリカルボン酸ア
ミド、ポリビニルアルコール、エチレングリコール単位
を有するオリゴマー及びポリマー、ポリグルタミン酸、
ポリアスパラギン酸、ゼラチン、コラーゲンなどのポリ
ペプチド、デンドリマーから選ばれた少なくとも一の化
合物及び/又は該化合物の誘導体からなる親水性ポリマ
ーなどが挙げられる。
【0042】本発明で用いる一般式Iの化合物(リンカ
ー化合物)は、以下のような利点を有する。 (1) 金属膜上への整列配向性が向上するため、その
上に親水性ポリマー層を均一かつ安定に作成可能とな
る。 (2) 親水性ポリマー層を介しリガンドとなる生理活
性物質を3次元的に多数結合させることで測定感度を向
上させることができる。 (3) 表面処理が容易であり、また、一度に大量の表
面処理ができる。
【0043】本発明のバイオセンサー用測定チップは、
リンカー化合物で処理した金属表面上に形成した親水性
ポリマー層に対し、直接又は水溶性多価性試薬を介し
て、生理活性物質を固定して使用することができる。
【0044】ここで用いることができる水溶性多価性試
薬としては、例えば、グルタルアルデヒド、過ヨウ素
酸、N−スクシニミジル−2−マレイミド酢酸、N−ス
クシニミジル−4−マレイミド酪酸、N−スクシニミジ
ル−6−マレイミドヘキサン酸、N−スクシニミジル−
4−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カルボン
酸、N−スルホスクシニミジル−4−マレイミドメチル
シクロヘキサン−1−カルボン酸、N−スクシニミジル
−4−マレイミドメチル安息香酸、N−スクシニミジル
−3−マレイミド安息香酸、N−スルホスクシニミジル
−3−マレイミド安息香酸、N−スクシニミジル−4−
マレイミドフェニル−4−酪酸、N−スルホスクシニミ
ジル−4−マレイミドフェニル−4−酪酸、N,N’−
オキシジメチレン−ジマレイミド、N,N’−O-フェニ
レン−ジマレイミド、N,N’−m-フェニレン−ジマ
レイミド、N,N’−p−フェニレン−ジマレイミド、
N,N’−ヘキサメチレン−ジマレイミド、N−スクシ
ニミジルマレイミドカルボン酸、N−スクシニミジル−
S−アセチルメルカプト酢酸、N−スクシニミジル−3
−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、S−アセチ
ルメルカプトスクシニックアンヒドライド、メチル−3
−(4’−ジチオピリジル)プロピオニミデート、メチ
ル−4−メルカプトブチルイミデート、メチル−3−メ
ルカプトプロピオニミデート、イミノチオレン、O−カ
ルボキシメチル−ヒドロキシルアミン、アゾジフェニル
ビルマレイミド、ビス(スルホサクシニイミジル)スペ
レイト、4,4’−ジイソチオシアノ−2,2’−ジス
ルホン酸スチルベン、4,4’−ジフルオロ−3,3’
−ジニトロジフェニルスルホン、1,5−ジフルオロ−
2,4−ジニトロベンゼン、p−フェニレンジイソチオ
シアネイト、ジメチルアジピミデイト、ジメチルピメル
イミデイト、ジメチルスベルイミデイト、p−アジドフ
ェナアシルブロマイド、p−アジドフェニルグリオキサ
ル、N−ヒドロキシサクシニイミジル−4−アジドベン
ゾエイト、4−フルオロ−3−ニトロフェニルアジド、
メチル−4−アジドベンゾイミデイト、N−5−アジド
−2−ニトロベンゾイルオキシスクシイミド、N−スク
シイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニル
アミノ)ヘキサノエイト、1,4−ベンゾキノン、N−
スクシンイミジル−3−(2’−ピリジルジチオ)プロ
ピオネート、N−(4−マレイミドブチリロキシ)スル
ホスクシンイミドナトリウム塩、N−(6−マレイミド
カプロイロキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、
N−(8−マレイミドカプロイロキシ)スルホスクシン
イミドナトリウム塩、N−(11−マレイミドウンデカノ
イロキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、N−
[2−(1−ピペラジニル)エチル]マレイミド二塩
酸、ビスジアゾベンジジン、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソチオシアネート、N,N’−エチレンビスマレイン
イミド、N,N’−ポリメチレンビスヨードアセトアミ
ド、2,4−ジニトロベンゼンスルフォネートナトリウ
ム塩、ジアゾ化合物あるいは縮合試薬がRN=C=NR
(又はR')で表されるカルボジイミド誘導体、N−ヒ
ドロキシスクシイミド、トリ−n−ブチルアミン、ブチ
ルクロロフォルメーテ、イソブチルイソシアニドなどが
挙げられる。
【0045】本発明のバイオセンサー用測定チップにお
いて固定される生理活性物質としては、測定対象物と相
互作用するものであれば特に限定されず、例えば免疫蛋
白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫
蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白
質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステ
ル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもし
くはオリゴペプチドなどが挙げられる。
【0046】免疫蛋白質としては、測定対象物を抗原と
する抗体やハプテンなどを例示することができる。抗体
としては、種々の免疫グロブリン、即ちIgG、Ig
M、IgA、IgE、IgDを使用することができる。
具体的には、測定対象物がヒト血清アルブミンであれ
ば、抗体として抗ヒト血清アルブミン抗体を使用するこ
とができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色
ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、ク
ラック等を抗原とする場合には、例えば抗アトラジン抗
体、抗カナマイシン抗体、抗メタンフェタミン抗体、あ
るいは病原性大腸菌の中でO抗原26、86、55、111 、15
7 などに対する抗体等を使用することができる。
【0047】酵素としては、測定対象物又は測定対象物
から代謝される物質に対して活性を示すものであれば、
特に限定されることなく、種々の酵素、例えば酸化還元
酵素、加水分解酵素、異性化酵素、脱離酵素、合成酵素
等を使用することができる。具体的には、測定対象物が
グルコースであれば、グルコースオキシダーゼを、測定
対象物がコレステロールであれば、コレステロールオキ
シダーゼを使用することができる。また、農薬、殺虫
剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、
コカイン、ヘロイン、クラック等を測定対象物とする場
合には、それらから代謝される物質と特異的反応を示
す、例えばアセチルコリンエステラーゼ、カテコールア
ミンエステラーゼ、ノルアドレナリンエステラーゼ、ド
ーパミンエステラーゼ等の酵素を使用することができ
る。
【0048】微生物としては、特に限定されることな
く、大腸菌をはじめとする種々の微生物を使用すること
ができる。核酸としては、測定の対象とする核酸と相補
的にハイブリダイズするものを使用することができる。
核酸は、DNA(cDNAを含む)、RNAのいずれも
使用できる。DNAの種類は特に限定されず、天然由来
のDNA、遺伝子組換え技術により調製した組換えDN
A、又は化学合成DNAの何れでもよい。低分子有機化
合物としては通常の有機化学合成の方法で合成すること
ができる任意の化合物が挙げられ、好ましくは、本発明
で使用する一般式Iのリンカー化合物と直接又は架橋性
化合物を介して結合することができるような官能基を有
する化合物である。
【0049】非免疫蛋白質としては、特に限定されるこ
となく、例えばアビジン(ストレプトアビジン)、ビオ
チン又はレセプターなどを使用できる。免疫グロブリン
結合性蛋白質としては、例えばプロテインAあるいはプ
ロテインG、リウマチ因子(RF)等を使用することが
できる。糖結合性蛋白質としては、レクチン等が挙げら
れる。脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとしては、ステア
リン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリン酸エチ
ル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸エチル等が挙げられ
る。
【0050】生理活性物質が抗体や酵素などの蛋白質で
ある場合、あるいは核酸である場その固定化は、生理活
性物質のアミノ基、チオール基等を利用し、親水性ポリ
マー中の官能基に結合させることができる。上記したよ
うに該リンカーと親水性ポリマー層を介して生理活性物
質を強固に固定化することにより、当該固定化法を洗浄
しても生理活性物質の固定化を維持できるため、繰り返
し測定に使用することができるという利点が得られる。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
【実施例】実施例1:4−ヒドロキシ(1,2−ジチオ
ラン−3−ペンタノイル)アニリド(化合物1)の合成
【0052】
【化10】
【0053】定法に従いDMF中でリポ酸をN-ヒドロキシ
スクシンイミド及びN‐(3‐ジメチルアミノプロピ
ル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩で活性エステル
とし、これに4‐アミノフェノールを加えて反応させ、
溶媒を減圧留去後粗生成物をエタノールより再結晶して
目的のアミド化合物1を得た。
【0054】実施例2:4−ヒドロキシメチル(1,2
−ジチオラン−3−ペンタノイル)アニリド(化合物
2)の合成
【0055】
【化11】
【0056】実施例1と同様に、定法に従いDMF中でリ
ポ酸をN-ヒドロキシスクシンイミド及びN‐(3‐ジメ
チルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸
塩で活性エステルとし、これに3‐アミノベンジルアル
コールを加えて反応させ、溶媒を減圧留去後粗生成物を
エタノールより再結晶して目的のアミド化合物2を得
た。
【0057】実施例3:4−(1,2−ジチオラン−3
−ペンタノイル)アミノ安息香酸(化合物3)の合成
【0058】
【化12】
【0059】実施例1と同様に、定法に従いDMF中でリ
ポ酸をN-ヒドロキシスクシンイミド及びN‐(3‐ジメ
チルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸
塩で活性エステルとし、これに4‐アミノ安息香酸を加
えて反応させ、溶媒を減圧留去後粗生成物をエタノール
より再結晶して目的のアミド化合物3を得た。
【0060】実施例4:化合物1処理金表面へのカルボ
キシメチルデキストラン層の被覆(スライド1の作製) 化合物1の1mMメタノール溶液に、約300Åの厚さに金
蒸着した1.5cmx1.5cmのガラススライドを浸漬し、37℃
で4時間表面処理を行う。純水、PBSで2回金蒸着面を洗
浄したのち乾燥させる。次いで日本特許2815120に従
い、化合物1処理表面に対しエピクロロヒドリン溶液を
室温で4時間接触させる。エタノール、純水で十分に洗
浄した後、P.E.Buckle等の方法(Biosensor & Bioelectr
onics, 8,355-363(1993))に従いデキストランの0.1mol
NaOH水溶液(20%W/W)に室温で24時間浸漬した。純水で
洗浄し過剰なデキストランを除く。次に、1M ブロモ酢
酸の2M NaOH水溶液に室温で6時間浸漬し、純水、PBSで
十分に洗浄した後乾燥させ低温で保管する。これをスラ
イド1とする。
【0061】実施例5:化合物2処理金表面へのカルボ
キシメチルデキストラン層の被覆(スライド2の作製) 実施例4と同様に、化合物2の1mMメタノール溶液を作
成し、金蒸着スライドを浸漬、洗浄、乾燥させる。エピ
クロロヒドリン処理、デキストランの結合、及びブロモ
酢酸処理も同様に行いカルボキシデキストラン層で被覆
された表面を作成する。これをスライド2とする。
【0062】実施例6:化合物3処理金表面へのカルボ
キシメチルキチン(CM‐キチン)層の被覆(スライド3
の作製) 化合物3の1mMメタノール溶液に、約300Åの厚さに金
蒸着した1.5cmx1.5cmのガラススライドを浸漬し、37℃
で4時間表面処理を行う。純水、PBSで2回金蒸着面を洗
浄する。この表面にN-ヒドロキシスクシンイミド(1mol
/l)及びN‐(3‐ジメチルアミノプロピル)−N'−エ
チルカルボジイミド塩酸塩(0.1mol/l)の混合水溶液を室
温で20分間接触させて活性化し、更に10%CM‐キチン溶
液(CM化度71%、脱メチル化度18%、分子量15万)を室温
で30分間接触させる。純水、PBSで十分に洗浄の後乾燥
させ低温で保管する。これをスライド3とする。
【0063】実施例7:メルカプト酢酸処理表面の作成
(スライド4の作製) 金蒸着ガラススライドを200mMメルカプト酢酸-エタノー
ル溶液に浸漬し、40℃、3時間処理(ドラフト内で作
業)する。純水、PBSで十分に金蒸着面を洗浄した後乾
燥し、低温で保管する。これをスライド4とする。
【0064】実施例8:金蒸着表面への抗CRP抗体の結
合と検出 実施例4から7で作成した金蒸着スライドに、抗CRP抗
体を共有結合させ、抗IgG-POD抗体とABTSとの反応で検
出した。尚、金蒸着表面は5mm径の円形に表面積を規定
したマスクを用い実験に供した。
【0065】操作:各スライドの金蒸着面に5mm径の穴
をあけたマスクを接着し以下の抗体結合面積を規定す
る。4mg/mlの濃度に水溶性カルボジイミド(EDC)をPBS(p
H6.0)に溶解し、100μlを金表面に分注する。37℃で2時
間静置した後、純水、PBSで2回表面を洗浄する。抗CRP
抗体のpH6.4PBS溶液(1.0μg/ml)を、各表面に100μl分
注し4℃で一晩静置する。純水、PBSで2回表面を洗浄し
た後、3%BSAを100μl分注し37℃で2時間ブロッキング
する。純水、PBSで2回表面を洗浄した後、抗IgG-POD抗
体(1.0μg/ml, pH7.4)PBS溶液を分注し、37℃、2時間反
応させる。純水、PBSで2回表面を洗浄した後、50μlのA
BTS溶液を分注し、室温で15分反応させる。発色した液
の40μlを分取し、純水60μlを加え分光光度計で415nm
の吸光度を測定する。
【0066】結果:結果を以下の表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1の結果から、本発明によるリポ酸誘導
体及び親水性ポリマー層を介した生理活性物質の固定化
方法が、一般の短鎖チオールカルボン酸に比べ非常に効
果的であることを示している。
【0069】
【発明の効果】本発明の固定化法は、製造が容易であ
り、また、固定化する生理活性物質が少量であっても、
良好な感度で測定対象物質を測定することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G059 AA05 BB12 CC16 DD03 EE02 EE04 EE05 GG01 GG04 HH02 HH06 JJ01 JJ19 KK01 4B024 AA11 BA41 HA12 HA15 4C023 MA03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属表面又は金属膜を下記一般式Iで表
    される化合物で処理した後、該化合物に親水性ポリマー
    を結合させて親水性ポリマー層を形成して成る、バイオ
    センサー用測定チップ。 一般式I:X−A−L−B (式中、Xは、環内にZ−Z(ここでZはS、Se又は
    Pを示す)結合を含むヘテロ環基を示し、 Aは、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基又はこれらの組
    み合わせから選ばれる2価の基を示し、 Lは2価の連結基を示し、 Bは、親水性ポリマーと結合できる官能基を有する芳香
    族基またはヘテロ環基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式IにおいてXが下記の構造を有す
    るヘテロ環基である、請求項1に記載のバイオセンサー
    用測定チップ。 【化1】 (式中、ZはS、Se又はPを示す。m及びnは各々独
    立に0以上の整数を示す)
  3. 【請求項3】 一般式IにおいてXが1,2−ジチオラ
    ン基である、請求項1又は2に記載のバイオセンサー用
    測定チップ。
  4. 【請求項4】 一般式IにおいてLが−CO−NH−基
    である、請求項1から3の何れか1項に記載のバイオセ
    ンサー用測定チップ。
  5. 【請求項5】 一般式IにおいてBが、水酸基またはカ
    ルボキシル基を有する芳香族基またはヘテロ環基であ
    る、請求項1から4の何れかに記載のバイオセンサー用
    測定チップ。
  6. 【請求項6】 一般式Iで表される化合物が下記の一般
    式IIで示されるリポ酸誘導体である請求項1から5の
    何れかに記載のバイオセンサー用測定チップ。 【化2】 (式中、Lは2価の連結基を示し、Bは、親水性ポリマ
    ーと結合できる官能基を有する芳香族基またはヘテロ環
    基を示す。)
  7. 【請求項7】 一般式Iで表される化合物が、4−ヒド
    ロキシ(1,2−ジチオラン−3−ペンタノイル)アニ
    リド、4−ヒドロキシメチル(1,2−ジチオラン−3
    −ペンタノイル)アニリド、または4−(1,2−ジチ
    オラン−3−ペンタノイル)アミノ安息香酸である、請
    求項1から6の何れかに記載のバイオセンサー用測定チ
    ップ。
  8. 【請求項8】 親水性ポリマーが、多糖類、合成ポリカ
    ルボン酸、ポリエチレングリコール、ポリペプチド、デ
    ンドリマー、ポリビニルアルコール、または合成ポリカ
    ルボン酸ヒドロキシアルキルエステルである、請求項1
    から7の何れか1項に記載のバイオセンサー用測定チッ
    プ。
  9. 【請求項9】 生理活性物質が親水性ポリマーに結合し
    ていることを特徴とする、請求項1から8の何れか1項
    に記載のバイオセンサー用測定チップ。
  10. 【請求項10】 生理活性物質が、生理活性物質が、免
    疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非
    免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋
    白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステ
    ル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもし
    くはオリゴペプチドである、請求項9に記載のバイオセ
    ンサー用測定チップ。
  11. 【請求項11】 請求項1から10の何れか1項に記載
    のバイオセンサー用測定チップを含む、バイオセンサ
    ー。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項10の何れか1項
    に記載のバイオセンサー用測定チップ又は請求項11に
    記載のバイオセンサーを用いて、該バイオセンサー用測
    定チップに固定化されている生理活性物質と相互作用す
    る物質を検出及び/又は測定する方法。
  13. 【請求項13】 金属表面又は金属膜を下記一般式Iで
    表される化合物で処理する工程;該一般式Iで表される
    化合物に親水性ポリマーを結合させる工程;及び該親水
    性ポリマーに生理活性物質を結合させる工程:を含む、
    金属表面又は金属膜上に生理活性物質を固定化する方
    法。 一般式I:X−A−L−B (式中、Xは、環内にZ−Z(ここでZはS、Se又は
    Pを示す)結合を含むヘテロ環基を示し、 Aは、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基又はこれらの組
    み合わせから選ばれる2価の基を示し、 Lは2価の連結基を示し、 Bは、親水性ポリマーと結合できる官能基を有する芳香
    族基またはヘテロ環基を示す。)
  14. 【請求項14】 一般式IにおいてXが下記の構造を有
    するヘテロ環基である、請求項13に記載の方法。 【化3】 (式中、ZはS、Se又はPを示す。m及びnは各々独
    立に0以上の整数を示す)
  15. 【請求項15】 一般式IにおいてXが1,2−ジチオ
    ラン基である、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 一般式IにおいてLが−CO−NH−
    基である、請求項13から15の何れか1項に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 一般式IにおいてBが、水酸基または
    カルボキシル基を有する芳香族基またはヘテロ環基であ
    る、請求項13から16の何れか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 一般式Iで表される化合物が下記の一
    般式IIで示されるリポ酸誘導体である請求項13から
    17の何れかに記載の方法。 【化4】 (式中、Lは2価の連結基を示し、Bは、親水性ポリマ
    ーと結合できる官能基を有する芳香族基またはヘテロ環
    基を示す。)
  19. 【請求項19】 一般式Iで表される化合物が、4−ヒ
    ドロキシ(1,2−ジチオラン−3−ペンタノイル)ア
    ニリド、4−ヒドロキシメチル(1,2−ジチオラン−
    3−ペンタノイル)アニリド、または4−(1,2−ジ
    チオラン−3−ペンタノイル)アミノ安息香酸である、
    請求項13から18の何れか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 親水性ポリマーが、多糖類、合成ポリ
    カルボン酸、ポリエチレングリコール、ポリペプチド、
    デンドリマー、ポリビニルアルコール、または合成ポリ
    カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルである、請求項
    13から19の何れか1項に記載の方法。
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