JP2002322543A - 加工性に優れた高張力鋼板ならびにその製造方法および加工方法 - Google Patents

加工性に優れた高張力鋼板ならびにその製造方法および加工方法

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JP2002322543A JP2001334464A JP2001334464A JP2002322543A JP 2002322543 A JP2002322543 A JP 2002322543A JP 2001334464 A JP2001334464 A JP 2001334464A JP 2001334464 A JP2001334464 A JP 2001334464A JP 2002322543 A JP2002322543 A JP 2002322543A
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毅 塩崎
Yoshimasa Funakawa
義正 船川
Takanobu Saito
孝信 斉藤
Eiji Maeda
英司 前田
Tetsuo Yamamoto
徹夫 山本
Yasuhiro Murao
安浩 村尾
Kunikazu Tomita
邦和 冨田
Takashi Yamashita
敬士 山下
Hiroshi Masumoto
博司 益本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性の指標である伸びと伸びフランジ性が
ともに優れた高張力鋼板ならびにその製造方法および加
工方法を提供すること。 【解決手段】 実質的にフェライト単相組織であり、原
子%でMo/(Ti+Mo)≧0.25を満たす範囲で
TiおよびMoを含む析出物が分散析出しており、引張
強度が590MPa以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用部材の素
材に適した加工性に優れた高張力鋼板ならびにその製造
方法および加工方法に関する。
【0002】
【従来技術】環境保全につながる燃費向上の観点から、
自動車用鋼板の高強度薄肉化が強く求められている。自
動車用部材はプレス成形により得られる複雑な形状のも
のが多く、高強度でありながら加工性の指標である伸び
と伸びフランジ性がともに優れた材料が必要である。ま
た、鋼板をより軽量化する観点からさらなる薄肉化が指
向されており、板厚2.5mm以下の薄物に対する要望
も強くなってきている。
【0003】従来、この種の鋼板は種々提案されてお
り、例えば、特開平6−172924号公報には、転位
密度の高いベイニティック・フェライト組織が生成した
伸びフランジ性に優れる鋼板が提案されている。しか
し、この鋼板は、転位密度の高いベイニティック・フェ
ライト組織を含むため伸びが乏しいという欠点がある。
また、ベイニティック・フェライト生成のためにランナ
ウトテーブル上での強冷却が不可避であり薄物製造時に
はランナウトテーブルでのストリップの走行性に問題が
生じるため、板厚2.5mm以下といった薄物を生産す
るには不向きである。
【0004】特開平6−200351号公報には、組織
の大部分をポリゴナルフェライトとし、TiCを中心と
して析出強化および固溶強化した伸びフランジ性に優れ
る鋼板が提案されている。しかし、この鋼板に用いられ
ている一般的によく知られた析出物で高張力化するには
多量のTi添加が必要とし、寸法の大きい析出物が生成
しやすく、特性が不安定になりやすいという欠点があ
る。また、この鋼は特性向上のために圧延荷重を増大さ
せるSiを積極的に用いているため、薄物の製造におい
て圧延荷重が増大し、鋼板形状確保が難しい。
【0005】特開平7−11382号公報には、微細な
TiCおよび/またはNbCが析出したアシキュラー・
フェライト組織を有した伸びフランジ性に優れる鋼板が
提案されている。しかし、この鋼板も、先に述べた特開
平6−172924号公報に提案された鋼板同様、アシ
キュラー・フェライトという転位密度の高い組織である
ため十分な伸びが得られていない。また、この鋼は特開
平6−200351号公報に開示された鋼と同様に、特
性向上のために圧延荷重を増大させるSiを積極的に用
いているため、薄物の製造において圧延荷重が増大し、
鋼板形状確保が難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、自動車用部材のようにプ
レス時の断面形状が複雑な用途に適した、加工性の指標
である伸びと伸びフランジ性がともに優れた高張力鋼板
ならびにその製造方法および加工方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、以下の知見を得
た。 (1)転位密度が低い組織とし、微細析出物で強化する
と、強度−伸びバランスが向上する。 (2)実質的に単相組織とし、微細析出物で強化する
と、強度−伸びフランジ性バランスが向上する。 (3)Moを含む複合析出物とすると、析出物が微細に
析出する。 (4)複合析出物中のMoの割合が低くなると、析出物
が粗大化するため、伸びと伸びフランジ性がともに低下
する。
【0008】本発明はこれらの知見に基づいて完成され
たものであり、以下の(1)〜(13)を提供する。
【0009】(1)実質的にフェライト単相組織であ
り、原子%でMo/(Ti+Mo)≧0.25を満たす
範囲でTiおよびMoを含む析出物が分散析出している
ことを特徴とする、引張強度が590MPa以上の加工
性に優れた高張力鋼板。
【0010】(2)上記(1)において、前記析出物は
Ti、Moに加え、NbおよびVの1種以上を含むこと
を特徴とする加工性に優れた高張力鋼板。
【0011】(3)上記(2)において、前記析出物
は、原子%で、Mo/(Ti+Nb+V+Mo)≧0.
25であることを特徴とする加工性に優れた高張力鋼
板。
【0012】(4)上記(1)において、重量%で、
C:0.02〜0.06%、Si≦0.3%、Mn:
0.5〜2.0%、P≦0.06%、S≦0.005
%、Al≦0.06%、N≦0.006%、Mo:0.
05〜0.5%、Ti:0.03〜0.14%を含み、
残部が実質的にFeであることを特徴とする加工性に優
れた高張力鋼板。
【0013】(5)上記(4)において、C、Ti、M
oを以下の(1)式を満足するように含有することを特
徴とする加工性に優れた高張力鋼板。 0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 …( 1) ただし、上記(1)式中、C、Ti、Moは各成分の重
量%を表す。
【0014】(6)上記(2)または(3)において、
重量%で、C:0.02〜0.06%、Si≦0.3
%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.06%、S≦
0.005%、Al≦0.06%、N≦0.006%、
Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03〜0.14
%を含み、Nb≦0.08%、V≦0.15%のうち1
種以上を含有し、残部が実質的にFeであることを特徴
とする加工性に優れた高張力鋼板。
【0015】(7)上記(6)において、C、Ti、N
b、V、Moを以下の(2)式を満足するように含有す
ることを特徴とする加工性に優れた高張力鋼板。 0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Nb/93)+(V/51)+ (Mo/96)}≦1.5 …(2) ただし、上記(2)式中、C、Ti、Nb、V、Moは
各成分の重量%を表す。
【0016】(8)上記(1)〜(7)のいずれかにお
いて、板厚2.5mm以下の薄物熱延鋼板であることを
特徴とする加工性に優れた高張力鋼板。
【0017】(9)上記(1)〜(8)のいずれかにお
いて、表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴
とする加工性に優れた高張力鋼板。
【0018】(10)上記(1)〜(9)のいずれかの
高張力鋼板を製造するに際し、熱間圧延を、仕上圧延終
了温度880℃以上、巻取温度570℃以上の条件で行
うことを特徴とする加工性に優れた高張力鋼板の製造方
法。
【0019】(11)上記(1)〜(9)のいずれかの
高張力鋼板からなる部材を準備する第1の工程と、前記
部材にプレス成形を施して所望の形状のプレス成形品に
加工する第2の工程とを有する高張力鋼板の加工方法。
【0020】(12)上記(11)において、プレス成
形品は、自動車用部品、特に自動車用足廻り部材である
高張力鋼板の加工方法。
【0021】(13)上記(1)から(9)のいずれか
に記載の高張力鋼板により製造された自動車用部品。
【0022】なお、本発明において実質的にフェライト
単相組織とは、本発明の析出物以外に、微量の他の相な
いしは析出物を許容することをいい、好ましくはフェラ
イトの面積比率が95%以上である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、金属組
織、化学成分、および製造方法に分けて具体的に説明す
る。
【0024】[金属組織]本発明に係る高張力鋼板は、
実質的にフェライト単相組織であり、原子%でMo/
(Ti+Mo)≧0.25を満たす範囲でTiおよびM
oを含む析出物が分散析出している。この析出物はT
i、Moに加え、NbおよびVの1種以上を含んでいて
もよく、その場合には、原子%で、Mo/(Ti+Nb
+V+Mo)≧0.25であることが好ましい。以下、
これらについて説明する。
【0025】・実質的にフェライト単相組織:マトリッ
クスを実質的にフェライト単相組織としたのは、伸びの
向上には転位密度の低いフェライトが有効であり、ま
た、伸びフランジ性の向上には単相組織とすることが有
効であり、特に延性に富むフェライト単相組織でその効
果が顕著であるためである。ただし、マトリックスは必
ずしも完全にフェライト単相組織でなくともよく、実質
的にフェライト単相組織、好ましくは面積比率で95%
以上フェライトであればよい。
【0026】・原子%で、Mo/(Ti+Mo)≧0.
25の範囲でTiおよびMoを含む析出物:TiとMo
とを含む析出物は微細となるため鋼を強化するのに有効
である。従来は、析出物としてTiCを用いることが主
流であったが、Tiは析出物形成傾向が強いためMoを
含まない場合、粗大化しやすく、強化に対する効果が低
くなることから、必要な強化量を得るには加工性を劣化
させるまでの析出物が必要となる。これに対し、Tiと
Moとを含む複合析出物は微細に析出して加工性を劣化
させずに鋼を強化することができる。これは、Moの析
出物形成傾向がTiと比べて弱いため、安定的に微細に
存在できることで強化に対する効果が高く、加工性を良
好に維持できる析出物量で必要な強化量が得られるため
と考えられる。特に、この複合析出物の平均粒径を10
nm未満とすることで、析出物周囲の歪みが転位の移動
の抵抗にとってより効果的となり、良好な鋼の強化が得
られるため、平均粒径10nm未満の複合析出物とする
ことが好ましい。さらに好ましくは、平均粒径5nm以
下である。析出物が安定的に微細に存在できるために
は、析出物の組成が影響し、析出物の組成が、原子比
で、Mo/(Ti+Mo)≧0.25となると、析出物
の粗大化を抑制する効果が高くなり、所望の微細析出物
を得ることができる。
【0027】・Ti、Moに加え、NbまたはVの1種
以上を含む析出物:析出物がTiとMoに加え、Nbお
よびVの1種以上が複合して析出したものであっても、
Moの析出物形成傾向はNb、Vと比べて弱いため、そ
の複合析出物はTiとMoの複合析出物と同様に、安定
的に微細に存在できる。このため、析出物としては、T
iとMoの他にNbおよびVの1種以上が複合析出した
ものであってもかまわない。
【0028】・原子%で、Mo/(Ti+Nb+V+M
o)≧0.25:複合析出物が、Ti、Moに加え、N
bおよびVの1種以上を含むものである場合、その組成
が、原子比で、Mo/(Ti+Nb+V+Mo)≧0.
25であることが好ましい。この範囲であれば、複合析
出物の粗大化を抑制する効果が高く、加工性を良好に維
持することができる析出物量で必要な強化量を得ること
ができる。
【0029】[化学成分]本発明では、上記金属組織さ
え満たしていれば所望の伸びおよび伸びフランジ性およ
び590MPa以上の強度が得られ、化学成分は特に限
定されないが、重量%で、C:0.02〜0.06%、
Si≦0.3%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.0
6%、S≦0.005%、Al≦0.06%、N≦0.
006%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03
〜0.14%を含み、残部が実質的にFeであることが
好ましい。また、上述のように複合析出物にNbおよび
Vの1種以上を含有させる場合には、上記成分に加えN
b≦0.08%、V≦0.15%のうち1種以上を含有
し、残部が実質的にFeであることが好ましい。以下、
これら各成分について説明する。
【0030】C:0.02〜0.06% Cは炭化物を形成し、鋼を強化するのに有効である。し
かし、0.02%未満では、鋼の強化が不十分であり、
0.06%を超えて添加するとパーライトが形成される
ことと析出物が粗大化することから伸びと伸びフランジ
性を損なうおそれがある。このため、C含有量は0.0
2〜0.06%が好ましい。
【0031】Si:0.3%以下 Siは固溶強化には有効な元素であるが、0.3%を超
えて添加すると、フェライトからのC析出が促進されて
粒界に粗大な鉄炭化物が析出しやすくなり、伸びフラン
ジ性が低下する傾向となる。また、本発明においては、
従来積極的に用いられてきたSiを低減することにより
オーステナイトの圧延荷重を低減し、薄物の製造を容易
化することができ、0.3%を超えて添加すると2.5
mm以下の材料の圧延が不安定となる。また、Si添加
で圧延負荷が増大し、圧延材の形状が悪くなる。これら
の理由により、Si含有量は0.3%以下が好ましい。
さらに好ましくは0.15%以下であり、望ましくは
0.05%以下である。
【0032】Mn:0.5〜2.0% Mnは固溶強化により鋼を強化する観点からは0.5%
以上が好ましいが、2.0%を超えて添加すると偏析
し、かつ硬質相が形成され、伸びフランジ性が低下す
る。このため、Mn含有量は0.5〜2.0%が好まし
い。
【0033】P:0.06%以下 Pは固溶強化に有効であるが、0.06%を超えて添加
すると偏析して伸びフランジ性が低下するおそれがある
ため、0.06%以下とすることが好ましい。
【0034】S:0.005%以下 Sは少ないほど好ましく、0.005%を超えると伸び
フランジ性を低下させるおそれがあるため、0.005
%以下が好ましい。
【0035】Al:0.06%以下 Alは脱酸剤として添加される。しかし、0.06%を
超えると伸びおよび伸びフランジ性がともに低下する傾
向にあるため0.06%以下が好ましい。
【0036】N:0.006%以下 Nは少ないほど好ましく、0.006%を超えると粗大
な窒化物が増え、伸びフランジ性が低下する傾向にある
ため0.006%以下が好ましい。
【0037】Mo:0.05〜0.5% Moは本発明において重要な元素であり、0.05%以
上含有させることで、パーライト変態を抑制しつつ、T
iとの微細な複合析出物、または、Tiに加えNbおよ
びVのうち1種以上を含む微細な複合析出物を形成し、
優れた伸びおよび伸びフランジ性を確保し、かつ鋼を強
化することができる。しかし、0.5%を超えて添加す
ると硬質相が形成され伸びフランジ性が低する傾向にあ
る。このため、Mo含有量は0.05〜0.5%が好ま
しい。
【0038】Ti:0.03〜0.14% Tiは本発明において重要な元素である。Moと複合析
出物を形成することで、優れた伸びおよび伸びフランジ
性を確保しつつ、鋼を強化することができる。しかし、
0.03%未満では、鋼を強化する効果が不十分であ
り、0.14%を超えると伸びフランジ性が劣化する傾
向にある。したがって、Ti含有量は0.03〜0.1
4%が好ましい。
【0039】Nb:0.08%以下 Nbは組織の細粒化に有効であり、かつTiおよびMo
とともに複合析出して複合析出物を形成し、優れた伸び
と伸びフランジ性を得ることに寄与するため、必要に応
じて添加する。しかし、Nb量が0.08%を超えると
伸びが劣化する傾向にあるため、Nbを含有させる場合
には0.08%以下が好ましい。なお、Nbの組織の細
粒化効果を得る観点からは0.005%以上が好まし
い。
【0040】V:0.15%以下 Vは組織の微細化に有効であり、かつTiおよびMoと
ともに複合析出して複合析出物を形成し、優れた伸びと
伸びフランジ性を得ることに寄与するため、必要に応じ
て添加する。しかし、V量が0.15%を超えると伸び
が劣化する傾向にあるため、Vを含有させる場合には
0.15%以下が好ましい。なお、Vの組織の細粒化効
果を得る観点からは0.001%以上が好ましい。
【0041】 0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 …( 1) 鋼中のCと(Ti+Mo)との原子数比が0.5〜1.
5となるように、C、Ti、Moの含有量を調整するこ
とにより、TiとMoとを含む炭化物が微細に析出しや
すくなり、10nm未満の微細析出物の形成が容易とな
ることから、(C/12)/{(Ti/48)+(Mo
/96)}の値が上記(1)式を満たすことが望ましい
(ただし、上記(1)式中、C、Ti、Moは各成分の
重量%を表す)。また、上記(C/12)/{(Ti/
48)+(Mo/96)}の値は、0.8〜1.3を満
たすことがより望ましい。
【0042】 0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Nb/93)+(V/51)+ (Mo/96)}≦1.5 …(2) また、TiおよびMoに加え、Nb、Vの1種以上を添
加する場合には、鋼中のCと(Ti+Nb+V+Mo)
との原子数比が0.5〜1.5となるように、C、T
i、Nb、V、Moの含有量を調整することにより、T
iとMoに加え、NbおよびVの1種以上が複合して析
出した複合析出物が微細に分散析出しやすくなることか
ら、(C/12)/{(Ti/48)+(Nb/93)
+(V/51)+(Mo/96)}の値が上記(2)式
を満たすことが望ましい(ただし、上記(1)式中、
C、Ti、Moは各成分の重量%を表す)。また、上記
(C/12)/{(Ti/48)+(Nb/93)+
(V/51)+(Mo/96)}の値は、0.8〜1.
3を満たすことがより望ましい。
【0043】なお、Cr:0.15%以下、Cu:0.
15%以下、Ni:0.15%以下の1種類以上を含ん
でいても特性上問題はない。
【0044】[製造方法]本発明では、上記高張力鋼を
製造するに際し、熱間圧延を、仕上圧延終了温度880
℃以上、巻取温度570℃以上の条件で行う。以下、こ
れら条件について説明する。
【0045】・仕上圧延終了温度880℃以上 仕上圧延終了温度は伸びおよび伸びフランジ性と圧延荷
重を低減するのに重要である。880℃未満では、表層
が粗大粒となり伸びおよび伸びフランジ性が損なわれ、
かつ未再結晶で圧延が進行するために起こる歪みの累積
量が増大し、圧延荷重が著しく増大することで薄物の熱
間圧延が困難となるため、880℃以上とする。
【0046】・巻取温度570℃以上 フェライト組織を得るため、およびランナウトテーブル
上での注水量を抑えて薄物を安定的に通板させるため、
巻取温度を570℃以上とする。これらに加えさらにラ
ンナウトテーブル上の鋼板の走行安定性を確保するには
600℃以上が好ましい。なお、パーライトの生成を抑
制するためには巻き取り温度は700℃以下とするのが
望ましい。
【0047】本発明の高張力鋼板には、表面に溶融亜鉛
系めっき皮膜を形成し、溶融亜鉛系めっき鋼板としたも
のも含む。本発明の高張力鋼板は良好な加工性を有する
ことから、溶融亜鉛系めっき皮膜を形成しても良好な加
工性を維持することができる。ここで、溶融亜鉛系めっ
きとは、亜鉛および亜鉛を主体とした溶融めっきであ
り、亜鉛の他にAl、Cr等の合金元素を含んだものを
含む。このような溶融亜鉛系めっきを施した本発明の高
張力鋼板は、めっきままでもめっき後合金化処理を行っ
てもかまわない。めっき前焼鈍温度については、450
℃未満ではめっきがつかず、750℃超えでは強度低下
が生じやすい。そのため、焼鈍温度は450℃以上、7
50℃以下が好ましい。
【0048】なお、本発明の鋼板は、黒皮ままでも酸洗
材でもその特性に差違はない。調質圧延についても通常
行われているものであれば特に規定はない。また、上記
溶融亜鉛めっきは酸洗後でも黒皮ままでも問題はない。
亜鉛めっきについては電気めっきも可能である。化成処
理についても特に問題はない。鋳造後直ちにもしくは補
熱を目的とした加熱を施した後にそのまま熱間圧延を行
う直送圧延を行っても本発明の効果に影響はない。さら
に、粗圧延後に仕上圧延前で、圧延材を加熱しても、粗
圧延後、圧延材を接合して行う連続圧延を行っても、さ
らには圧延材の加熱と連続圧延を同時に行っても本発明
の効果は損なわれない。
【0049】本発明の高張力鋼板は、加工性に優れ、特
に伸びフランジ性に優れているのでこれをプレス成形し
た場合、その特質が活かされ、自動車用部材、特にサス
ペンションアーム等の足廻り部材のようなプレス時の断
面形状が複雑な部材を良好な品質で製造することがで
き、特に、プレス成形品の軽量化に資することができ
る。以下に具体的に、本発明に係る高張力鋼板の加工方
法、換言すればプレス成形品の製造方法について説明す
る。
【0050】図2は、本発明に係る高張力鋼板の加工方
法の作業フローの一例を示すフローチャートである。こ
の作業フローは、通常、本発明に係る鋼板を製造するこ
とまたはその製造された鋼板を例えばコイルにして目的
場所に搬送することを前工程としており、まず、本発明
に係る高張力鋼板を準備することから始まる(S0、S
1)。この鋼板に対してプレス加工を施す前に、鋼板に
対して前処理的な加工を施すこともあれば(S2)、裁
断機により所定の寸法や形状に加工することもある(S
3)。前者のS2の工程では、例えば鋼板の幅方向の所
定箇所に切り込みや穿孔を行い、引き続くプレス加工を
終えた段階またはそのプレス加工の過程で、所定の寸法
および形状のプレス成形品または被プレス加工部材とし
て切り離すことができるようにしておく。後者のS3の
工程では、最終的なプレス成形品の寸法、形状等を予め
考慮して、所定の寸法および形状の鋼板部材に加工(し
たがって裁断)するようにしておく。その後、S2およ
びS3の工程を経由した部材には、プレス加工が施さ
れ、最終的に目的とする寸法・形状の所望のプレス成形
品が製造される(S4)。このプレス加工は、通常は多
段階で行われ、3段階以上7段階以下であることが多
い。
【0051】S4の工程は、S2およびS3の工程を経
由した部材に対してさらに所定の寸法や形状に裁断する
工程を含む場合もある。この場合の「裁断」という作業
は、例えば、少なくともプレス加工の過程で、S2およ
びS3の工程を経由した部材の端部のような最終的なプ
レス成形品には不要部分を切り離す作業であっても構わ
ないし、また、S2の工程で設けられた鋼板の幅方向の
切り込みや穿孔に沿って被プレス加工部材を切り離す作
業であっても構わない。
【0052】なお、図2中、N1ないしN3は、鋼板、
部材、プレス成形品を、機械的にあるいは作業員による
搬送作業である場合がある。
【0053】こうして製造されるプレス成形品は、必要
に応じて次工程に送られる。次工程としては、例えば、
プレス成形品にさらに機械加工を施し、寸法や形状を調
整する工程、プレス成形品を所定場所に搬送し、格納す
る工程、プレス成形品に表面処理を施す工程、プレス成
形品を用いて自動車のような目的物を組み立てる組立工
程がある。
【0054】図3は、図2に示した作業を実際に行う装
置と鋼板、部材、プレス成形品の流れとの関係を示すブ
ロック図である。この図においては、本発明に係る高張
力鋼板はコイル状で準備されており、プレス加工機によ
りプレス成形品が製造される。プレス加工機は多段プレ
スを行う機種のものであるが、本件発明はこれに限定さ
れない。
【0055】プレス加工機の前段に、裁断機その他の前
処理機械を設置する場合(図3の(a))もあれば、設
置しない場合(図3の(b))もある。裁断機が設置さ
れる場合には、コイルから供給される長尺の本発明に係
る鋼板から、必要な寸法または形状の部材を裁断し、こ
の部材がプレス加工機においてプレス加工され、所定の
プレス成形品となる。鋼板の幅方向に切り欠きや穿孔を
施す前処理機械が設置される場合には、プレス加工機に
おいてその切り欠きや穿孔に沿って裁断が行われても構
わない。前処理機械を設置しない場合には、プレス加工
機において鋼板がプレス加工される過程で、裁断が行わ
れ、最終的に所定の寸法、形状を有するプレス成形品が
製造される。なお、図3における「裁断」の意味は、図
2における裁断と同じである。
【0056】こうして製造されるプレス成形品は、その
原材料として加工性に優れ、特に伸びフランジ性に優れ
ている本発明に係る高張力鋼板を使用しているので、プ
レス時の断面形状が複雑であっても、良好な品質で製造
することができ、軽量なものとなる。このような特長
は、プレス成形品が自動車用部材、特にサスペンション
アーム等の足廻り部材である場合に特に有用である。
【0057】
【実施例】(実施例1)表1に示す化学成分を有する鋼
片を、1250℃に加熱し、通常の熱間圧延工程によっ
て仕上温度880〜930℃で、板厚3.2mmに仕上
げた。この後、600℃を超える巻取温度で、冷却速度
と巻取温度を変化させて、種々の組織の鋼板を製造し
た。
【0058】得られた鋼板を酸洗後、鋼板から作製した
薄膜を透過型電子顕微鏡(TEM)によって組織観察を
行うとともに析出物寸法を測定した。析出物中のTi、
Nb、V、Moの組成は、TEMに装備されたエネルギ
ー分散型X線分光装置(EDX)による分析から決定し
た。
【0059】また、得られた鋼板からJIS5号引張試
験片および穴広げ試験片を採取した。引張試験片は圧延
垂直方向から採取し、穴広げ試験は、130mm角の鋼
板の中央に10mmφのポンチによりクリアランス1
2.5%で打ち抜いた穴を有する試験片を準備し、60
°円錐ポンチにより打抜き穴のバリ側の反対方向から押
し上げ、割れが鋼板を貫通した時点での穴径dを測定
し、穴広げ率λを次式より算出した。 λ(%)=[(d−10)/10]×100
【0060】表1に、組織、析出物平均粒径、析出物の
組成(Mo比率)、引張強度(TS)、伸び(El)、
穴広げ率(λ)を併記する。なお、表1中、A値は、上
記(1)式の(C/12)/{(Ti/48)+(Mo
/96)}の値、または上記(2)式の(C/12)/
{(Ti/48)+(Nb/93)+(V/51)+
(Mo/96)}の値を示す。
【0061】表1に示す通り、本発明鋼のNo.1〜1
0はいずれもフェライト組織からなり、析出物の平均粒
径は10nm未満で、Mo/(Ti+Nb+V+Mo)
で表されるMo比率(原子比)が0.25以上となって
いるため、引張強度(TS)が590MPa以上で優れ
た伸びと伸びフランジ性を有している。なお、図1に、
No.2の鋼板の透過型電子顕微鏡写真を示す。この写
真から、微細析出物がフェライト単相組織中に均一に分
散していることがわかる。
【0062】これに対し、比較鋼のNo.11はC量が
多すぎることとMo無添加のため、パーライトが生成
し、かつ析出物が粗大化しており、伸びおよび伸びフラ
ンジ性がともに低く、特に伸びフランジ性が低い。ま
た、No.12はMo無添加のため、析出物が粗大化し
ており、伸びおよび伸びフランジ性がともに低く、特に
伸びフランジ性が低い。No.13はC量が低いため、
鋼の強化に必要な析出物量が少ないことから引張強度
(TS)が590MPa未満となっている。No.14
はMn量が多すぎるため偏析が顕著であり、かつ組織内
にマルテンサイトが形成されているため、伸びおよび伸
びフランジ性がともに低い。No.15はTi量が少な
いため、鋼の強化に必要な析出物が不足して引張強度
(TS)が590MPa未満となっている。No.16
はTi量が多すぎるため、TiとMoの複合析出物は存
在するものの、複合析出物中のMo比率が低く、またS
i量が多すぎるため、析出物が粗大化する傾向にあり、
伸びと伸びフランジ性がともに低い。
【0063】
【表1】
【0064】(実施例2)表2に示す成分の鋼を溶製し
スラブとした。次いで、オーステナイト域に加熱後、熱
間圧延を行い、880℃以上で圧延を完了した。圧延後
は巻取温度まで冷却し、表2に示す巻取温度で巻き取っ
た。表2には板厚も同時に記載した。得られたコイル幅
方向中央部からサンプルを採取し、引張方向が圧延方向
と垂直になるようにJIS5号引張試験片を採取し、引
張試験を行った。また、圧延後の板形状を目視で判定し
た。その結果も表2に示す。なお、圧延後の板形状の評
価基準は、目視でフラットな板の場合を○、波うちが顕
著な板を×とした。また、表2中のA値も表1と同様、
(C/12)/{(Ti/48)+(Nb/93)+
(V/51)+(Mo/96)}の値を示す。
【0065】表2のうち、No.17〜No.23は7
80MPa級鋼板において板厚を変化させた例と巻取温
度を変化させてMo/(Ti+Nb+Mo)比を変化さ
せた例を示す。板厚2.0mmであるNo.17、N
o.21〜23に注目すると巻取温度の変化にともない
Mo/(Ti+Nb+Mo)比が変化しており、その値
が0.25未満のNo.22、23では、急冷により強
度は維持されたものの、低温変態相の増大により伸び
(El)は低下した。また、形状も波打ちが顕著であっ
た。Mo/(Ti+Nb+Mo)比が0.25以上のN
o.17〜21では、緩冷却、高温巻取を行ってもN
o.22、23と比べて強度が維持された。また、板形
状についても良好であった。
【0066】No.24〜No.29は590MPa級
鋼板において板厚を変化させた例と巻取温度を変化させ
てMo/(Ti+Nb+Mo)比を変化させた例を示
す。板厚1.4mmであるNo.26、28、29に注
目すると巻取温度の変化にともないMo/(Ti+Nb
+Mo)比が変化しており、その値が0.25未満のN
o.28、29では、急冷により強度は維持されたもの
の、低温変態相の増大により伸び(El)は低下した。
また、形状も波うちが顕著であった。Mo/(Ti+N
b+Mo)比が0.25以上のNo.24〜27では、
緩冷却、高温巻取を行ってもNo.28、29とくらべ
て強度が維持された。また、板形状については、良好で
あった。
【0067】
【表2】
【0068】(実施例3)表3に示す鋼を仕上げ温度9
10℃、巻き取り温度630℃で熱間圧延を行い、板厚
約1.6mmの熱延鋼板を作製した。これら熱延鋼板を
酸洗後、合金化溶融亜鉛めっきを行った。得られた鋼板
から作製した薄膜について透過型電子顕微鏡(TEM)
によって組織観察を行うとともに析出物の寸法を測定
し、さらに析出物中のTi、Nb、V、Moの組成をT
EMに装備されたEDXによる分析から決定した。ま
た、これらめっき鋼板からJIS5号引張試験片および
穴広げ試験片を採取し、引張試験および穴広げ試験を行
った。表3に、組織、析出物平均粒径、析出物の組成
(Mo比率)、引張強度(TS)、伸び(El)、穴広
げ率(λ)を併記する。なお、表3中のA値も表1と同
様、(C/12)/{(Ti/48)+(Nb/93)
+(V/51)+(Mo/96)}の値を示す。
【0069】表3に示すように、本発明例であるNo.
30は、溶融亜鉛系めっきを行ってもElおよびλとも
良好な値を示すのに対し、比較例のNo.31は析出物
にMoが含まれていないためλが低い値となった。
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加工性の指標である伸びおよび伸びフランジ性に優れた
高張力鋼板を提供することができ、自動車部材の軽量化
に寄与する効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高張力鋼板の金属組織を示す透過
型電子顕微鏡写真。
【図2】本発明に係る高張力鋼板の加工方法の作業フロ
ーの一例を示すフローチャート。
【図3】図2に示した作業を実際に行う装置と鋼板、部
材、プレス成形品の流れとの関係を示すブロック図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 孝信 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 前田 英司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山本 徹夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 村尾 安浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 冨田 邦和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 敬士 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 益本 博司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K037 EA01 EA05 EA15 EA17 EA18 EA19 EA23 EA25 EA27 EA31 EA32 EB08 FB00 FC04 FE02 GA05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にフェライト単相組織であり、原
    子%でMo/(Ti+Mo)≧0.25を満たす範囲で
    TiおよびMoを含む析出物が分散析出していることを
    特徴とする、引張強度が590MPa以上の加工性に優
    れた高張力鋼板。
  2. 【請求項2】 前記析出物はTi、Moに加え、Nbお
    よびVの1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記
    載の加工性に優れた高張力鋼板。
  3. 【請求項3】 前記析出物は、原子%で、Mo/(Ti
    +Nb+V+Mo)≧0.25であることを特徴とする
    請求項2に記載の加工性に優れた高張力鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.02〜0.06%、
    Si≦0.3%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.0
    6%、S≦0.005%、Al≦0.06%、N≦0.
    006%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03
    〜0.14%を含み、残部が実質的にFeであることを
    特徴とする請求項1に記載の加工性に優れた高張力鋼
    板。
  5. 【請求項5】 C、Ti、Moを以下の(1)式を満足
    するように含有することを特徴とする請求項4に記載の
    加工性に優れた高張力鋼板。 0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 …( 1) ただし、上記(1)式中、C、Ti、Moは各成分の重
    量%を表す。
  6. 【請求項6】 重量%で、C:0.02〜0.06%、
    Si≦0.3%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.0
    6%、S≦0.005%、Al≦0.06%、N≦0.
    006%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03
    〜0.14%を含み、Nb≦0.08%、V≦0.15
    %のうち1種以上を含有し、残部が実質的にFeである
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の加工
    性に優れた高張力鋼板。
  7. 【請求項7】 C、Ti、Nb、V、Moを以下の
    (2)式を満足するように含有することを特徴とする請
    求項6に記載の加工性に優れた高張力鋼板。 0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Nb/93)+(V/51)+ (Mo/96)}≦1.5 …(2) ただし、上記(2)式中、C、Ti、Nb、V、Moは
    各成分の重量%を表す。
  8. 【請求項8】 板厚2.5mm以下の薄物熱延鋼板であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1
    項に記載の加工性に優れた高張力鋼板。
  9. 【請求項9】 表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に
    記載の加工性に優れた高張力鋼板。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれかの高
    張力鋼板を製造するに際し、熱間圧延を、仕上圧延終了
    温度880℃以上、巻取温度570℃以上の条件で行う
    ことを特徴とする加工性に優れた高張力鋼板の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の高張力鋼板からなる部材を準備する第1の工程と、
    前記部材にプレス成形を施して所望の形状のプレス成形
    品に加工する第2の工程とを有する高張力鋼板の加工方
    法。
  12. 【請求項12】 前記プレス成形品は、自動車用部品で
    ある請求項11に記載の高張力鋼板の加工方法。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の高張力鋼板により製造される自動車用部品。
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