JP2002322380A - ビス型アントラキノン化合物、これを含む着色樹脂組成物及び着色感光性組成物、並びにカラーフィルタ - Google Patents

ビス型アントラキノン化合物、これを含む着色樹脂組成物及び着色感光性組成物、並びにカラーフィルタ

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JP2002322380A
JP2002322380A JP2001127363A JP2001127363A JP2002322380A JP 2002322380 A JP2002322380 A JP 2002322380A JP 2001127363 A JP2001127363 A JP 2001127363A JP 2001127363 A JP2001127363 A JP 2001127363A JP 2002322380 A JP2002322380 A JP 2002322380A
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amino
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JP2001127363A
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Tomohiro Kodama
知啓 児玉
Akihiko Takeda
明彦 竹田
Katsuyuki Kito
克幸 鬼頭
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れる染料(ビ
ス型アントラキノン化合物)を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されることを特徴
とするビス型アントラキノン化合物〔R1〜R4:H、ハ
ロゲン、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、スルホン
酸基、カルボン酸基、エステル基、アミド基等;R5
18:H、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ア
ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ
基、アリールアミノ機、スルホン酸基、カルボン酸基、
ハロゲン原子、エステル基、アミド基等;X:単結合、
アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基等〕であ
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な色素、及び
これを含む着色樹脂組成物及び着色感光性組成物、並び
にカラーフィルタに関し、詳しくは、耐熱性、耐光性、
耐溶剤性に優れた染料、該染料を含む着色樹脂組成物及
び着色感光性組成物、並びに液晶カラーディスプレイな
どに好適なカラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】表示装置用のカラーフィルタには様々な
ものが提供されているが、液晶ディスプレイ用カラーフ
ィルタを代表例として以下に説明する。液晶ディスプレ
イは、時計・カメラ等の小面積のものから、コンピュー
タ端末表示装置・テレビ画像表示装置等の大面積のもの
まで広く使用されており、近年では、大面積の用途を中
心としてカラー表示化が急速に進んでいる。カラーフィ
ルタは、液晶ディスプレイのカラー表示化には必要不可
欠であり、液晶ディスプレイの性能を左右する重要な部
品であり、高精細な画像を表示するために様々な形状に
細かくパターニングされている。
【0003】従来のカラーフィルタの製造方法として
は、例えば、染色法、インクジェット法、印刷法、フォ
トレジスト法(フォトリソグラフィー法)等が知られて
いる。前記染色法は、決められたパターンを形成した
後、適当な染色浴にて入染めする工程と防染処理する工
程とを赤色、緑色、青色の3色に対して各々繰り返すこ
とによってカラーフィルタを製造する方法である。しか
し、この方法はその工程が煩雑な上、総工程数が多いと
いう欠点がある。これに対して、より工程数が少なく、
効率のよいカラーフィルタの製造方法として、インクジ
ェット装置を用いて、インキを透明基板に噴出、固定す
ることによって着色するインクジェット法や、印刷機を
用いてインクを透明基板に転写する印刷法などが提案さ
れている。しかし、これらの方法では、位置のアライメ
ント調整はインクジェットのヘッド又は印刷機若しくは
印刷版で行われるため、高精細の画素を形成することが
困難であるという問題がある。
【0004】一方、フォトリソグラフィー法では、高分
子結合体と着色剤とを含む着色感光性樹脂組成物を用
い、それを透明基板上に塗布し、製膜した後、着色層を
光照射してパターニングし、更に現像することにより1
色のパターンを形成することができる。この方法は、染
色法と同様、各色毎にこの工程を繰り返し行うものの、
染色工程及び防染処理を必要としないため、工程数を染
色法のそれに比して簡単にできるだけでなく、分光特性
のコントロール、再現性を容易に確保することができる
利点がある。更に、フォトリソグラフィー法は解像度が
大きく、印刷法やインクジェット法では困難であった、
より高精細なカラーフィルタを製造することも可能であ
り、近年、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造
方法の主流となっている。
【0005】このフォトリソグラフィー法では、一般
に、着色剤に耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れる顔料が
用いられる。しかし、顔料は、一定の粒径を有するため
消偏作用を伴い、液晶ディスプレイのカラー表示のコン
トラスト比が低下することが知られている。また、顔料
を用いた系では高い透明性(透光性)を得ることは困難
であり、カラーフィルタの明度を向上するには限界があ
った。更に、顔料は溶剤やポリマーに不溶であるため、
着色感光性樹脂組成物は分散物として得られるが、その
分散の安定化は難しい。
【0006】これに対し、染料は一般に溶剤やポリマー
に可溶であるため、着色感光性樹脂組成物中でも凝集等
を起さずに安定している。また、染料を分散した着色感
光性樹脂組成物を用いて得られるカラーフィルタは、染
料は分子レベルで分散されているため消偏作用がなく透
明性(透光性)にも優れる。しかしながら、染料は、顔
料に比べて耐熱性、耐光性、耐薬品性の点で劣るといっ
た欠点を有する。そのため、染料分散型の着色感光性樹
脂組成物の耐熱性、耐光位、耐薬品性を改善する手段と
して、例えば、ポリイミド前駆体、分散位染料、油溶性
染料を溶剤で溶かした着色組成物を用い、エッチングよ
りパターン形成する方法(特公平4−243号公報)
や、ポジ型レジストと架橋剤と染料とからなる着色感光
性樹脂組成物を用い、フォトレジスト法でパターン形成
する方法(特開平4−301802号公報、特開平6−
35183号公報)等が提案されている。しかし、いず
れの場合も、顔料に代えて染料を樹脂に単に分散したも
のであるため、現像時の染料の溶出、又は加熱時の染料
の昇華などの問題を残している。
【0007】一方、特開2000−129150号、同
2000−26515号、同2000−44822号等
では、染料にアクリル基を共有結合させ、他の重合性モ
ノマーと共重合させることが提案されている。しかし、
染料の溶出及び昇華の問題を解消する手段としては有効
であるものの、ポリマー側鎖に染料を結合することのみ
であることから、染料固有の欠点である耐熱性、耐光
性、耐薬品性に劣るという問題を解消するまでには至っ
ていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の点より、本発明
は、前記従来における諸問題を解決し、以下に示す目的
を達成することを課題とする。即ち、本発明は、第一
に、耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れる染料であるビス
型アントラキノン化合物を提供することを目的とし、第
二に、着色剤として染料を含有し、透明性(透光性)が
高く色相に優れ、しかも耐熱性、耐光性、耐薬品性に優
れた着色樹脂組成物及び着色感光性組成物を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、第三に、透明性(光
透過性)が高く色相に優れ、特に青色の色相に優れ、分
光特性及び表示コントラストの高い画像表示が可能で、
しかも耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れたカラーフィル
タを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 下記一般式(1)で表されることを特徴とする
ビス型アントラキノン化合物である。
【化3】
【0010】〔一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4
は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキ
ルアミノ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、スル
ホン酸塩、カルボン酸基、カルボン酸塩、エステル基、
アミド基を表し、同一でも異なっていてもよい。R5
6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14
15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシ
ルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アリー
ルアミノ機、スルホン酸基、スルホン酸塩、カルボン酸
基、カルボン酸塩、ハロゲン原子、エステル基、アミド
基を表し、同一でも異なっていてもよい。Xは、単結
合、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−
O−Z−、−S−Z−、−N(R19)−Z−、−CO−、
−CO−Z−、−CO2−Z−、−OCO2−Z−、−C
ONH−Z−、−SO2−Z−を表し、前記アルキレン
基、アラルキレン基及びアリーレン基は、それぞれ酸
素、窒素、硫黄で遮断されていてもよい。Zは、アルキ
レン基、アラルキレン基、アリーレン基を表し、R
19は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル
基、アリール基、カルボニル基、スルホニル基を表
す。〕
【0011】<2> 一般式(1)中、R9及びR16
少なくとも一方が、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキ
ルアミノ基、アリールアミノ基を表す前記<1>に記載
のビス型アントラキノン化合物である。 <3> 一般式(1)中、R9及びR16の少なくとも一
方がアリールアミノ基を表す前記<2>に記載のビス型
アントラキノン化合物である。
【0012】<4> 下記一般式(2)〜(4)のいず
れかで表される前記<3>に記載のビス型アントラキノ
ン化合物である。
【化4】
【0013】〔一般式(2)〜(4)中、R5、R6、R
7、R8、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R17
びR18は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒド
ロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリール
オキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルア
ミノ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、スルホン
酸基、スルホン酸塩、カルボン酸基、カルボン酸塩、ハ
ロゲン原子、エステル基、アミド基を表し、同一でも異
なっていてもよい。R20、R21、R22、R23、R24、R
25、R26及びR27は、それぞれ独立に水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表し、同一でも異
なっていてもよい。一般式(2)中、X 1は、単結合、
アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−O
−、−S−、−N(R19)−、−CO−、−CO2−、−
OCO2−、−CONH−、−SO2−を表し、R19は、
水素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル基、アリ
ール基、カルボニル基、スルホニル基を表す。〕
【0014】<5> バインダーポリマーと着色剤とを
少なくとも含んでなり、前記着色剤の少なくとも一種
が、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のビス型アン
トラキノン化合物であることを特徴とする着色樹脂組成
物である。 <6> バインダーポリマーが、酸性基を有するバイン
ダーポリマーである前記<5>に記載の着色樹脂組成物
である。
【0015】<7> 前記<5>又は<6>に記載の着
色樹脂組成物と、エチレン性不飽和二重結合を2個以上
有する多官能モノマーと、光重合開始剤とを含有するこ
とを特徴とする着色感光性組成物である。 <8> 同一基板上に異なる分光特性を持つ2以上の画
素パターンが隣接して配列されてなるフィルタ膜を備え
たカラーフィルタにおいて、前記フィルタ膜が、前記<
7>に記載の着色感光性組成物を含んでなることを特徴
とするカラーフィルタである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について順に説明す
る。 <ビス型アントラキノン化合物>本発明のビス型アント
ラキノン化合物は、下記一般式(1)で表される。該化
合物はビス型構造を有することにより、それ自身優れた
耐熱性、耐光性、耐薬品性を備える染料である。まず、
下記一般式(1)で表される化合物について説明する。
【0017】
【化5】
【0018】前記一般式(1)中、R1、R2、R3及び
4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、ア
ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、
スルホン酸塩、カルボン酸基、カルボン酸塩、エステル
基、アミド基を表す。前記R1、R2、R3及びR4は、そ
の複数が同一の基を表していてもよく、異なる基を表し
ていてもよい。前記ハロゲン原子としては、塩素原子、
臭素原子、沃素原子等が好適に挙げられ、中でも塩素原
子が好ましい。
【0019】前記アルキル基は、無置換でも置換基を有
していてもよく、置換基を有する場合の置換基として
は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2
−メトキシエトキシ基、フェニル基、2,4−ジ−t−
アミルフェニルオキシ基、クロロ基、ブロモ基、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、アセチルアミノ基、水
酸基、カルボン酸、スルホン酸、ジブチルアミノカルバ
モイル基、ジエチルアミノスルファモイル基等が挙げら
れ、中でも、メトキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェ
ニルオキシ基、クロロ基、ブロモ基が好ましい。前記ア
ルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ま
しく、例えば、メチル基、エチル基、第一プロピル基、
イソプロピル基、第一ブチル基、第二ブチル基、第三ブ
チル基、イソブチル基、アミル基、第三アミル基、ヘキ
シル基、オクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、クロ
ロメチル基、3−アセチルアミノプロピル基、3−ジメ
チルアミノプロピル基、6−ヒドロキシヘキシル基、2
−ヒドロキシスルホニルエチル基、4−ヒドロキシカル
ボニルフェノキシメチル基等が好適に挙げられる。中で
も、メチル基、エチル基、イソプロピル基、第一ブチル
基、第二ブチル基、第三ブチル基が特に好ましい。
【0020】前記アルコキシ基としては、無置換でも置
換基を有していてもよく、炭素数1〜20のアルコキシ
基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチ
ルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオ
キシ基、ヘプタデシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、
2−(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)エ
チルオキシ基、4−ブロモブトキシ基、フェネチルオキ
シ基等が好適に挙げられる。中でも、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2
−(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)エチ
ルオキシ基が特に好ましい。置換基を有する場合の置換
基及びその好ましい態様は、前記アルキル基における場
合と同様である。
【0021】前記アルキルアミノ基としては、無置換で
も置換基を有していてもよく、炭素数1〜12のアルキ
ルアミノ基が好ましく、例えば、メチルアミノ基、エチ
ルアミノ基、ブチルアミノ基、へキシルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ、オクチルア
ミノ基、3,5,5−トリメチルへキシルアミノ基、デ
シルアミノ基、ドデシルアミノ基、2−(N,N−ジメ
チルアミノ)エチルアミノ基、3−(N,N−ジエチル
アミノ)プロピルアミノ基、フェネチルアミノ基、2−
ヒドロキシエチルアミノ基等が好適に挙げられる。中で
も、メチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、3
−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミノ基、2−
ヒドロキシエチルアミノ基が特に好ましい。置換基を有
する場合の置換基及びその好ましい態様は、前記アルキ
ル基における場合と同様である。
【0022】前記ジアルキルアミノ基としては、無置換
でも置換基を有していてもよく、炭素数2〜24のジア
ルキルアミノ基が好ましく、例えば、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブ
チルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ビス(2−エチル
ヘキシル)アミノ基、ジオクチルアミノ基、N−エチル
−N−メチルアミノ基、N−ブチル−N−メチルアミノ
基、N−(4−N’,N’−ジエチルアミノスルファモ
イル)ブチル−N−メチルアミノ基、ビス(2−ジメチ
ルアミノエチル)アミノ基、ビス(ジブチルアミノカル
バモイルメチル)アミノ基等が好適に挙げられる。中で
も、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルア
ミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N
−ブチル−N−メチルアミノ基、N−(4−N’,N’
−ジエチルアミノスルファモイル)ブチル−N−メチル
アミノ基、ビス(2−ジメチルアミノエチル)アミノ
基、ビス(ジブチルアミノカルバモイルメチル)アミノ
基が特に好ましい。置換基を有する場合の置換基及びそ
の好ましい態様は、前記アルキル基における場合と同様
である。
【0023】前記スルホン酸塩(−SO3M)、カルボ
ン酸塩(−COOM)としては、塩を形成する対イオン
(M)が無機陽イオン、有機陽イオンである基が挙げられ
る。前記対イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テト
ラブチルアンモニウムなどのイオンが挙げられる。中で
も、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。
【0024】前記エステル基としては、無置換でも置換
基を有していてもよく、例えば、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル
基、ブロモメチルオキシカルボニル基、2−(N,N−
ジメチルアミノ)エチルオキシカルボニル基、3−
(N,N−ジメチルアミノ)プロピルオキシカルボニル
基、フェノキシカルボニル基、3−クロロフェノキシカ
ルボニル基、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニ
ル基、ブトキシスルホニル基、フェノキシスルホニル
基、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルオキシス
ルホニル基、4−ブロモブトキシカルボニル基、4−メ
チルフェノキシスルホニル基等が好適に挙げられる。中
でも、ヘキシルオキシカルボニル基、ブロモメチルオキ
シカルボニル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロ
ピルオキシカルボニル基、3−(N,N−ジエチルアミ
ノ)プロピルオキシスルホニル基、エトキシカルボニル
基、4−メチルフェノキシスルホニル基が好ましい。置
換基を有する場合の置換基及びその好ましい態様は、前
記アルキル基における場合と同様である。
【0025】前記アミド基としては、無置換でも置換基
を有していてもよく、例えば、メチルアミノカルボニル
基、ブチルアミノカルボニル基、2−エチルへキシルア
ミノカルボニル基、2−メトキシエチルアミノカルボニ
ル基、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミノ
カルボニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)ブチル
アミノカルボニル基、6−(N,N−ジメチルアミノ)
へキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニ
ル基、3−ブトキシフェニルアミノカルボニル基、ジエ
チルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル
基、ビス−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアミ
ノカルボニル基、へキシルアミノスルホニル基、ベンジ
ルアミノスルホニル基、2−メトキシフェニルアミノス
ルホニル基、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル
アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ジ
プロピルアミノスルホニル基、アセチルアミノ基等が好
適に挙げられる。中でも、2−エチルへキシルアミノカ
ルボニル基、6−(N,N−ジメチルアミノ)へキシル
アミノカルボニル基、3−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピルアミノスルホニル基が好ましい。置換基を有す
る場合の置換基及びその好ましい態様は、前記アルキル
基における場合と同様である。
【0026】上記の中でも、前記R1、R2、R3及びR4
としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ス
ルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、アミド基が好
ましく、水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、メトキシ基は特に好ましい。
【0027】前記一般式(1)中、R5、R6、R7
8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15
16、R17及びR18は、それぞれ独立に水素原子、アル
キル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ
基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、
ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アリールアミノ
機、スルホン酸基、スルホン酸塩、カルボン酸基、カル
ボン酸塩、ハロゲン原子、エステル基、アミド基を表
す。前記R5〜R18は、その複数が同一の基を表してい
てもよく、異なる基を表していてもよい。
【0028】前記アルキル基は、無置換でも置換基を有
していてもよく、炭素数1〜20のアルキル基が好まし
く、例えば、メチル基、エチル基、第一プロピル基、イ
ソプロピル基、第一ブチル基、第二ブチル基、第三ブチ
ル基、イソブチル基、アミル基、第三アミル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、第三
オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシ
ル基、ヘキサデシル基、クロロメチル基、3−アセチル
アミノプロピル基、3−ジメチルアミノプロピル基、4
−ヒドロキシブチル基、ヒドロキシスルホニルメチル
基、2−(2’,4’−t−アミルフェノキシ)エチル
基、ジブチルアミノカルボニルメチル基、フェネチル基
等が好適に挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、
イソプロピル基、第一ブチル基、第二ブチル基、第三ブ
チル基が特に好ましい。置換基を有する場合の置換基及
びその好ましい態様は、R1〜R4で表されるアルキル基
の場合と同様である。
【0029】前記アルコキシ基としては、無置換でも置
換基を有していてもよく、炭素数1〜20のアルコキシ
基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチ
ルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5
−トリメチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデ
シルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、ウンデシルオキ
シ基、6−ジメチルアミノヘキシルオキシ基、2−アセ
チルオキシ−エトキシ基、4−ブロモブトキシ基、フェ
ネチルオキシ基、4−(3’−クロロフェニルオキシ)
ブトキシ基等が好適に挙げられる。中でも、メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキ
シ基、6−ジメチルアミノヘキシルオキシ基が特に好ま
しい。置換基を有する場合の置換基及びその好ましい態
様は、R1〜R4で表されるアルキル基の場合と同様であ
る。
【0030】前記アシルオキシ基としては、無置換でも
置換基を有していてもよく、炭素数1〜12のアシルオ
キシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、ブチロ
イルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキ
シ基、デカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メタ
ンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基等
が好適に挙げられる。中でも、アセチルオキシ基、ヘキ
サノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基が特に好まし
い。置換基を有する場合の置換基及びその好ましい態様
は、R1〜R4で表されるアルキル基の場合と同様であ
る。
【0031】前記アリールオキシ基としては、無置換で
も置換基を有していてもよく、炭素数6〜18のアリー
ルオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、3−プ
ロピルオキシフェノキシ基、2,4−ジブロモフェノキ
シ基、4−オクチルオキシフェノキシ基、β−ナフチル
オキシ基、4−(1’−フェニル−1’−メチル)エチ
ルフェニルオキシ基、4−ジエチルアミノフェニルオキ
シ基等が好適に挙げられる。中でも、フェノキシ基、4
−オクチルオキシフェノキシ基、4−(1’−フェニル
−1’−メチル)エチルフェニルオキシ基が特に好まし
い。置換基を有する場合の置換基及びその好ましい態様
は、R1〜R4で表されるアルキル基の場合と同様であ
る。
【0032】前記アルキルアミノ基としては、無置換で
も置換基を有していてもよく、炭素数1〜12のアルキ
ルアミノ基が好ましく、例えば、メチルアミノ基、エチ
ルアミノ基、ブチルアミノ基、へキシルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ、オクチルア
ミノ基、3,5,5−トリメチルへキシルアミノ基、デ
シルアミノ基、ドデシルアミノ基、2−(N,N−ジメ
チルアミノ)エチルアミノ基、3−(N,N−ジエチル
アミノ)プロピルアミノ基、フェネチルアミノ基、2−
ヒドロキシエチルアミノ基等が好適に挙げられる。中で
も、メチルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、3
−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミノ基、2−
ヒドロキシエチルアミノ基が特に好ましい。置換基を有
する場合の置換基及びその好ましい態様は、R1〜R4
表されるアルキル基の場合と同様である。
【0033】前記ジアルキルアミノ基としては、無置換
でも置換基を有していてもよく、炭素数2〜24のジア
ルキルアミノ基が好ましく、例えば、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブ
チルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ビス(2−エチル
ヘキシル)アミノ基、ジオクチルアミノ基、N−エチル
−N−メチルアミノ基、N−ブチル−N−メチルアミノ
基、N−(4−N’,N’−ジエチルアミノスルファモ
イル)ブチル−N−メチルアミノ基、ビス(2−ジメチ
ルアミノエチル)アミノ基、ビス(ジブチルアミノカル
バモイルメチル)アミノ基等が好適に挙げられる。中で
も、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルア
ミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N
−ブチル−N−メチルアミノ基、N−(4−N’,N’
−ジエチルアミノスルファモイル)ブチル−N−メチル
アミノ基、ビス(2−ジメチルアミノエチル)アミノ
基、ビス(ジブチルアミノカルバモイルメチル)アミノ
基が特に好ましい。置換基を有する場合の置換基及びそ
の好ましい態様は、R1〜R4で表されるアルキル基の場
合と同様である。
【0034】前記アシルアミノ基としては、無置換でも
置換基を有していてもよく、炭素数1〜12のアシルア
ミノ基が好ましく、例えば、アセチルアミノ基、ブタノ
イルアミノ基、オクタノイルアミノ基、ベンゾイルアミ
ノ基、プロピオニルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、
デカノイルアミノ基、メチルスルホニルアミノ基、4−
メチルベンゼンスルホニルアミノ基、トリフルオロメチ
ルスルホニルアミノ基等が好適に挙げられる。中でも、
アセチルアミノ基、オクタノイルアミノ基、ベンゾイル
アミノ基が特に好ましい。置換基を有する場合の置換基
及びその好ましい態様は、R1〜R4で表されるアルキル
基の場合と同様である。
【0035】前記アリールアミノ基としては、無置換で
も置換基を有していてもよく、炭素数6〜18のアリー
ルアミノ基が好ましく、例えば、フェニルアミノ基、2
−メチルフェニルアミノ基、2,6−ジエチルフェニル
アミノ基、3−ブトキシフェニルアミノ基、3,4−ジ
クロロフェニルアミノ基、2,4,6−トリメチルフェ
ニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2,6−ジクロ
ロフェニルアミノ基、4−ヘキサノイルオキシフェニル
アミノ基、2−ピリドアミノ基、2,6−ジメチルフェ
ニルアミノ基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミノ
基、2,6−ジプロピルフェニルアミノ基等が好適に挙
げられる。中でも、2,6−ジメチルフェニルアミノ
基、2,6−ジエチルアミノフェニル基、2,6−ジイ
ソプロピルフェニルアミノ基、2,4,6−トリメチル
フェニルアミノ基が特に好ましい。置換基を有する場合
の置換基及びその好ましい態様は、R1〜R4で表される
アルキル基の場合と同様である。
【0036】前記スルホン酸塩(−SO3M)、カルボ
ン酸塩(−COOM)としては、塩を形成する対イオン
(M)が無機陽イオン、有機陽イオンである基が挙げられ
る。前記対イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テト
ラブチルアンモニウムなどのイオンが挙げられる。中で
も、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。
【0037】前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭
素原子、沃素原子等が好適に挙げられ、中でも塩素原子
が好ましい。前記エステル基としては、無置換でも置換
基を有していてもよく、例えば、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘ
キシルオキシカルボニル基、ブロモメチルオキシカルボ
ニル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルオキシ
カルボニル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピ
ルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、4−
メチルフェノキシカルボニル基、メトキシスルホニル
基、プロピルオキシスルホニル基、ブトキシスルホニル
基、4−メチルフェノキシスルホニル基、フェノキシス
ルホニル基、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル
オキシスルホニル基、4−ブロモブトキシカルボニル基
等が好適に挙げられる。中でも、ブトキシカルボニル
基、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルオキシカ
ルボニル基、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル
オキシスルホニル基、4−メチルフェノキシスルホニル
基が好ましい。置換基を有する場合の置換基及びその好
ましい態様は、R1〜R4で表されるアルキル基の場合と
同様である。前記アミド基としては、無置換でも置換基
を有していてもよく、例えば、メチルアミノカルボニル
基、エチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニ
ル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、2−メ
トキシエチルアミノカルボニル基、3−(N,N−ジエ
チルアミノ)プロピルアミノカルボニル基、4−(N,
N−ジエチルアミノ)ブチルアミノカルボニル基、6−
(N,N−ジメチルアミノ)へキシルアミノカルボニル
基、フェニルアミノカルボニル基、3−ブトキシフェニ
ルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、
ジブチルアミノカルボニル基、ビス−2−(N,N−ジ
メチルアミノ)エチルアミノカルボニル基、へキシルア
ミノスルホニル基、ベンジルアミノスルホニル基、2−
メトキシフェニルアミノスルホニル基、3−(N,N−
ジエチルアミノ)プロピルアミノスルホニル基、ジメチ
ルアミノスルホニル基、ジプロピルアミノスルホニル
基、アセチルアミノ基等が好適に挙げられる。中でも、
エチルアミノカルボニル基、6−(N,N−ジメチルア
ミノ)へキシルアミノカルボニル基、3−(N,N−ジ
エチルアミノ)プロピルアミノスルホニル基、ジエチル
アミノカルボニル基、ビス−2−(N,N−ジメチルア
ミノ)エチルアミノカルボニル基が好ましい。置換基を
有する場合の置換基及びその好ましい態様は、R1〜R4
で表されるアルキル基の場合と同様である。
【0038】上記の中でも、前記R5〜R18としては、
水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、アシルアミノ基、アリールアミノ機、スルホン酸
基、カルボン酸基、ハロゲン原子、エステル基、アミド
基が好ましく、水素原子、ヒドロキシル基、塩素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、アミ
ノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、2−メチルフェニ
ルアミノ基、2,6−ジエチルフェニルアミノ基、3,
4−ジクロロフェニルアミノ基、2,4,6−トリメチ
ルフェニルアミノ基、3−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピルアミノスルホニル基、ヒドロキシスルホニル基
は特に好ましい。
【0039】また、前記一般式(1)において、前記R
9及びR16のいずれか一方が、ヒドロキシル基、アミノ
基、アルキルアミノ基、又はアリールアミノ基を表す態
様が好ましく、前記R9及びR16の両方が、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、アルキルアミノ基、又はアリールアミ
ノ基を表す態様がより好ましい。更には、前記R9及び
16のいずれか一方がアリールアミノ基を表す態様が特
に好ましく、前記R9及びR16の両方がアリールアミノ
基を表す態様が最も好ましい。
【0040】前記一般式(1)中、Xは、単結合、アル
キレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−O−Z
−、−S−Z−、−N(R19)−Z−、−CO−、−CO
−Z−、−CO2−Z−、−OCO2−Z−、−CONH
−Z−、−SO2−Z−を表す。ここで、前記Zは、無
置換でも置換基を有していてもよく、アルキレン基、ア
ラルキレン基、アリーレン基を表し、前記R19は、水素
原子、アルキル基、アラルキル基、アシル基、アリール
基、カルボニル基、スルホニル基を表す。前記Xで表さ
れるアルキレン基、アラルキレン基及びアリーレン基
は、それぞれ、例えば−CH2−O−CH2−等のよう
に、酸素、窒素、硫黄で遮断されていてもよい。
【0041】前記Xで表される基の具体例としては、例
えば、単結合、メチレン基、エチレン基、-CH(CH3)
CH2-、-CH2−O−CH2-、-OC24OC24-、-
SC612-、-CO236-、-OCO236-、フェニ
レン基、-OC36-、-SC48-、-N(C25)CO-、
-CO-、及び以下に示す基が好適に挙げられる。
【0042】
【化6】
【0043】上記の中でも、前記Xとしては、単結合、
又は以下に示す基が特に好ましい。
【化7】
【0044】前記一般式(1)で表されるビス型アント
ラキノン化合物の中でも、下記一般式(2)〜(4)の
いずれかで表されるビス型アントラキノン化合物が好ま
しい。
【0045】
【化8】
【0046】前記一般式(2)〜(4)中、R5、R6
7、R8、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R17
及びR18は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒ
ドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリー
ルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキル
アミノ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、スルホ
ン酸基、スルホン酸塩、カルボン酸基、カルボン酸塩、
ハロゲン原子、エステル基、アミド基を表し、前記一般
式(1)における場合とそれぞれ同義であり、その複数
が同一の基を表していてもよく、異なる基を表していて
もよい。中でも、前記一般式(2)〜(4)中のR5
18としては、水素原子、アルキル基、ヒドロキシル
基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジア
ルキルアミノ基、アシルアミノ基、アリールアミノ機、
スルホン酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、エステル
基、アミド基が好ましく、水素原子、ヒドロキシル基、
塩素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、アミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、2−メ
チルフェニルアミノ基、2,6−ジエチルフェニルアミ
ノ基、3,4−ジクロロフェニルアミノ基、2,4,6
−トリメチルフェニルアミノ基、3−(N,N−ジエチ
ルアミノ)プロピルアミノスルホニル基、ヒドロキシス
ルホニル基は特に好ましい。
【0047】前記一般式(2)〜(4)中、R20
21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、それ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲン原子を表し、その複数が同一の基を表していてもよ
く、異なる基を表していてもよい。前記R20〜R27で表
されるアルキル基、アルコキシ基は、無置換でも置換基
を有していてもよく、前記一般式(1)のR1〜R4で表
されるアルキル基、アルコキシ基とそれぞれ同義であ
り、R20〜R27で表されるハロゲン原子も前記一般式
(1)のR1〜R4で表されるハロゲン原子と同義であ
る。中でも特に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子
が好ましい。
【0048】前記一般式(2)中のX1は、単結合、ア
ルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−O−、
−S−、−N(R19)−、−CO−、−CO2−、−OC
2−、−CONH−、−SO2−を表し、前記R19は前
記一般式(1)のR19と同義である。前記X1で表され
る基の具体例としては、前記一般式(1)のXで表され
る基と同様の具体例、及びその好ましい態様を挙げるこ
とができる。
【0049】以下に、前記一般式(1)〜(4)で表さ
れるビス型アントラキノン化合物の具体例(例示化合物
(1)〜(30))を示す。但し、本発明においては、
これらに制限されるものではない。
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】本発明のビス型アントラキノン化合物の合
成は、特に制限なく、一般に、アミノ基を有するアント
ラキノン色素の単量体を原料として公知の置換反応を行
う方法等により好適に行うことができる。例えば、前記
例示化合物(1)〜(8)及び(11)の具体的な方法
として、下記実施例に示すようにして行うことができ
る。また、他の例示化合物についてもこれらの方法に準
じて行える。
【0061】本発明のビス型アントラキノン化合物は、
紫外域及び/又は可視域の波長の光を吸収するものであ
り、所望の色相に調整することができ、例えば、カラー
液晶ディスプレーなどに用いられるカラーフィルタや、
カラープリンタ(インクジェットプリンタ)用インク、
カラーコピー機用トナー(カラートナー)などの用途に
用いることができる。
【0062】<着色樹脂組成物>本発明の着色樹脂組成
物は、バインダーポリマーと着色剤とを少なくとも含ん
でなり、前記着色剤の少なくとも一種として、既述の一
般式(1)〜(4)で表される、本発明のビス型アント
ラキノン化合物(染料)を含有する。また、必要に応じ
て他の成分を含んでいてもよい。
【0063】本発明においては、前記着色剤として、既
述の一般式(1)〜(4)で表されるビス型アントラキ
ノン化合物(染料)を少なくとも一種含んで構成され、
用途や目的等に応じて、該ビス型アントラキノン化合物
を複数種含有してもよく、更に他の公知の着色剤を含ん
でいてもよい。
【0064】前記一般式(1)〜(4)で表されるビス
型アントラキノン化合物の含有量としては、下記バイン
ダーポリマーの質量に対して、0.1〜400質量%が
好ましく、1〜200質量%がより好ましい。
【0065】前記公知の着色剤としては、一般に、カラ
ーフィルタ等の構成色である赤色、緑色及び青色の顔料
が使用でき、例えば、カーミン6B(C.I.1249
0)、フタロシアニングリーン(C.I.7426
0)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)等
が挙げられる。その含有量は、目標とする色度等により
異なるが、着色樹脂組成物の質量(固形分)の2〜50
質量%が好ましい。
【0066】前記バインダーポリマーとしては、アルカ
リ可溶性のもので、側鎖にカルボン酸基を有するポリマ
ー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭5
4−34327号公報、特公昭58−12577号公
報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53
836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記
載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イ
タコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共
重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体が挙げられ
る。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルローズ誘導
体も挙げることができる。
【0067】上記のほか、ヒドロキシル基を有するポリ
マーに環状酸無水物を付加したものも好適である。特
に、米国特許第4139391号明細書に記載の、ベン
ジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重
合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリ
ル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることがで
きる。
【0068】アルカリ可溶性バインダーポリマーを用い
る場合、上記の中から、50〜300mgKOH/gの
範囲の酸価と1000〜300000の範囲の質量平均
分子量を有するものを選択して使用することが好まし
い。
【0069】前記アルカリ可溶性バインダーポリマーの
他、種々の性能、例えば硬化膜の強度を改良する目的
で、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ不溶
性のポリマーを添加することができる。そのようなポリ
マーとしては、アルコール可溶性ナイロン又はエポキシ
樹脂が挙げられる。
【0070】以上のように、着色剤として、染料である
既述のビス型アントラキノン化合物を含有して構成され
るので、色相が良好でかつ透明性、透光性を向上させる
ことができると同時に、耐熱性、耐光性、耐薬品性にも
優れた着色樹脂組成物とすることができる。
【0071】<着色感光性組成物>着色感光性組成物の
態様としては、アルカリ水溶液又は有機溶剤により現像
可能な公知のものの中から適宜選択でき、例えば特開平
3−282404号公報に記載のものを全て使用するこ
とができ、例えば、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーから
なる感光性樹脂組成物、光重合成組成物、アジド化合物
とバインダーからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光
性樹脂組成物が挙げられる。中でも、(アルカリ可溶
性)バインダーポリマー、光の照射によって付加重合す
るエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合
開始剤を含んでなる感光性の組成物が好ましい。尚、公
害防止、安全性の観点からは、アルカリ水溶液で現像可
能なものが好ましい。
【0072】本発明の着色感光性組成物おいては、既述
の本発明の着色樹脂組成物と、エチレン性不飽和二重結
合を2個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤と
を少なくとも含有してなり、必要に応じて他の成分を含
有していてもよい。バインダーポリマー含有成分とし
て、前記本発明の着色樹脂組成物を含み、該着色樹脂組
成物については既述の通りである。
【0073】本発明の着色感光性組成物は、光の照射に
よって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有する
モノマーとして、エチレン性不飽和二重結合を2個以上
有する多官能モノマー(以下「重合性化合物」というこ
とがある。)を含有する。前記重合性化合物としては、
分子中に少なくとも2個の付加重合可能なエチレン性不
飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙
げられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;
【0074】ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシ
プロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能ア
ルコールにエチレンオキシドにプロピレンオキシドを付
加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能ア
クリレートや多官能メタクリレートを挙げることができ
る。
【0075】更に、特公昭48−41708号公報、特
公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193
号公報に記載のウレタンアクリレート類;特開昭48−
64183号公報、特公昭49−43191号公報及び
特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルア
クリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反
応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アク
リレートやメタクリレートも挙げられる。上記の中で
も、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
トが好ましい。
【0076】エチレン性不飽和二重結合を2個以上有す
る多官能モノマー(重合性化合物)は、単独で用いても
2種類以上を混合して用いてもよい。前記重合性化合物
の含有量としては、着色感光性組成物の質量(全固形
分)の5〜50質量%が一般的であり、特に10〜40
質量%が好ましい。前記含有量が、5質量%未満である
と、光感度や画像の強度が低下することがあり、50質
量%を超えると、感光性樹脂層の粘着性が過剰になるこ
とがあり好ましくない。
【0077】本発明の着色感光性組成物は、光重合開始
剤を含有して構成される。該光重合開始剤としては、米
国特許第2367660号明細書に記載のビシナルポリ
ケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細
書に記載のアシロインエーテル化合物、米国特許第27
22512号明細書に記載の、α−炭化水素で置換され
た芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127
号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核
キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記
載の、トリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケ
トンとの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載
のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリ
アジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記
載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許
第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキ
サジアゾール化合物等が挙げられる。
【0078】中でも特に、トリハロメチル−s−トリア
ジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリー
ルイミダゾール二量体が好ましい。前記光重合開始剤の
含有量としては、着色感光性組成物の質量(全固形分)
の0.5〜20質量%が一般的であり、特に1〜15質
量%が好ましい。該含有量が、0.5質量%未満である
と、光感度や画像の強度が低くなることがあり、また2
0質量%を超えて添加しても性能向上への効果が認めら
れない。
【0079】以上のように、着色剤として、染料である
既述のビス型アントラキノン化合物を含有して構成され
るので、色相が良好でかつ透明性、透光性を向上させる
ことができると同時に、耐熱性、耐光性、耐薬品性にも
優れた着色感光性組成物とすることができる。
【0080】<カラーフィルタ>本発明のカラーフィル
タは、同一基板上に異なる分光特性を持つ2以上の画素
パターンが隣接して配列されてなるフィルタ膜を備えて
なり、前記フィルタ膜は既述の本発明の着色感光性組成
物を用いて形成される。
【0081】一般に、カラーフィルタは、赤色(R)、緑
色(G)、青色(B)の着色膜、及び必要に応じてこれら着
色膜間に形成されるブラックマトリクス(以下、両者を
含めて「フィルタ膜」ということがある。)により構成
され、該フィルタ膜は、着色膜を形成する工程(着色膜
形成工程)及び必要に応じてブラックマトリクスを形成
する工程(ブラックマトリクス形成工程)を含む方法に
よって形成することができる。ここで、前記着色膜形成
工程及びブラックマトリクス形成工程としては、仮支持
体上に感光性レジストが塗布形成されてなる感光性樹脂
層を有する感光性転写材料を用い、基板上に転写、露
光、現像して形成する態様〔態様(A)〕、又は感光性
レジストを基板上に塗布した後、露光、現像して形成す
る態様〔態様(B)〕が挙げられる。前記感光性転写材
料としては、画素形成用のドライフィルム、ブラックマ
トリックス形成用の感光性黒色樹脂シート等が挙げられ
る。
【0082】前記着色膜形成工程及びブラックマトリク
ス形成工程としては、前記態様(A)及び態様(B)の
いずれの態様を採用してもよく、いずれか一方の工程を
態様(A)とし、他方の工程を態様(B)としてもよ
い。
【0083】前記態様(A)では、仮支持体上に着色さ
れた感光性のレジスト材料が設けられてなる感光性樹脂
層を有する感光性転写材料を用い、基板上に前記感光性
樹脂層を転写した後、所望のパターンに露光し、更に現
像処理することにより着色膜を形成する。ここで、各々
異なる色相の感光性樹脂層を有する複数の感光性転写材
料を用いて、同一基板上に転写、露光、現像を繰り返し
行うことによりRGBよりなる着色膜を形成することが
できる。
【0084】前記感光性転写材料は、仮支持体上に、少
なくとも感光性樹脂層を有してなり、必要に応じて、仮
支持体と感光性樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層、酸素
遮断層等の中間層が設けられてなる。また、前記感光性
樹脂層には、保存時に感光性樹脂層を保護する目的で、
カバーフィルムが設けられていることが好ましい。
【0085】〈仮支持体〉前記仮支持体としては、可撓
性であって、感光性樹脂層等と良好な剥離性を有し、化
学的及び熱的に安定である物質で構成されることが好ま
しい。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のフィルム若しくはこれらの積層物が
好ましい。仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが
適当であり、特に20〜150μmが好ましい。前記仮
支持体の表面には、滑り性の良化や感光性樹脂層との接
着性良化の点から、公知の微粒子含有滑り性組成物や、
シリコーン化合物を含有する離型剤組成物などを塗布す
ることも有用である。
【0086】〈感光性樹脂層〉前記感光性樹脂層は、感
光性樹脂組成物と着色剤とを含む着色層であり、熱又は
圧力によって軟化又は流動化する樹脂層であることが好
ましい。具体的には、少なくとも150℃以下の温度で
軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性を示す転写適正を
持つことが好ましく、光が照射されると硬化する一方、
未照射部はアルカリ溶液に対して易溶性でレジスト性を
備えることが好ましい。公知の光重合性組成物からなる
層の大部分はこの性質を有する。また、これらの層は、
熱可塑性樹脂の添加、相溶性のある可塑剤の添加により
更に改質が可能である。
【0087】前記感光性樹脂層としては、感光性樹脂組
成物と着色剤とを含有してなる層が特に好ましく、例え
ば、感光性樹脂組成物と着色剤とを少なくとも含んでな
る塗布液(感光性樹脂層用塗布液)を用いて形成するこ
とができる。本発明においては、既述の本発明の着色感
光性組成物を少なくとも含む感光性樹脂層用塗布液を用
いて好適に形成することができる。尚、感光性樹脂層に
は、既述の着色感光性組成物に含まれる成分のほか、下
記他の成分を含有してもよい。
【0088】前記感光性樹脂層は、特に熱重合防止剤を
含むことが好ましい。該熱重合防止剤としては、例え
ば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチル
カテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチ
レンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等
が挙げられる。更に、感光性樹脂層には、公知の添加剤
として、例えば可塑剤、界面活性剤、溶剤等を添加する
こともできる。
【0089】前記感光性転写材料は、仮支持体上に、既
述の本発明の着色感光性組成物を溶剤に溶解(若しくは
分散)して調製された溶液(感光性樹脂層用塗布液)を
公知の塗布方法により仮支持体上に塗布した後、乾燥す
ることにより形成することができる。前記感光性樹脂層
の層厚としては、一般には0.5〜3μmが好ましく、
通常は約2μmである。
【0090】更に、熱可塑性樹脂層や中間層(酸素遮断
層等)を設ける場合には、まず熱可塑性樹脂を有機溶剤
に溶解してなる塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を仮
支持体上に塗布、乾燥して熱可塑性樹脂層を形成し、続
いて該熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤を用いてなる塗
布液(中間層用塗布液)を調製し、塗布乾燥して中間層
を積層する。次いで、この中間層を溶解しない有機溶剤
を用いてなる感光性樹脂層用塗布液を調製し、前記中間
層上に更に塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成する。前
記感光性樹脂層の表面には、更にポリプロピレン等から
なるカバーフィルムを設けてもよい。前記カバーフィル
ムは、感光性転写材料が基板上にラミネートされる前の
工程で剥離される。
【0091】〈熱可塑性樹脂層〉前記熱可塑性樹脂層
は、転写時の気泡混入を防止する目的で設けられ、アル
カリ可溶性の熱可塑性樹脂を主に含んでなり、必要に応
じて他の成分を含んでいてもよい。前記熱可塑性樹脂と
しては、実質的な軟化点が80℃以下であるものが好ま
しい。軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性
樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体
のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共
重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル
酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル
酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニ
ル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物
等が挙げられる。該熱可塑性樹脂は、一種単独で用いて
もよいし二種以上を併用してもよい。
【0092】また、「プラスチック性能便覧」(日本プ
ラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合
会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発
行)に記載の、軟化点が約80℃以下の有機高分子のう
ち、アルカリ水溶液に可溶なものも使用できる。
【0093】更に、軟化点が80℃以上の有機高分子物
質であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物
質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して、実質的な軟
化点を80℃以下に下げて使用することも可能である。
前記有機高分子物質中には、支持体との接着力を調節す
る目的で、実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で各
種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離
型剤等を加えることができる。
【0094】前記可塑剤の具体例としては、ポリプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチル
フタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニル
フォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート
等が好適に挙げられる。
【0095】前記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂と必
要に応じて他の成分を有機溶剤に溶解して塗布液(熱可
塑性樹脂層用塗布液)を調製し、公知の塗布方法により
仮支持体上に塗布等して形成することができる。前記有
機溶剤としては、メチルエチルケトン、1−メトキシ−
2−プロパノール等が挙げられる。
【0096】前記熱可塑性樹脂層の層厚としては、6μ
m以上が好ましい。前記層厚が6μm未満であると、1
μm以上の下地の凹凸を完全に吸収することが困難とな
ることがある。また、上限としては、現像性、製造適性
の点から、約100μm以下が一般的であり、約50μ
m以下が好ましい。
【0097】〈中間層〉前記中間層として、酸素遮断層
等を設けることが好ましい。前記酸素遮断層は、パター
ン露光する際に感光性樹脂層中での光硬化反応を阻害す
る空気中からの酸素の拡散を防止する目的と、前記熱可
塑性樹脂層を設けた場合に該層と前記感光性樹脂層とが
互いに混ざり合わないようにする目的で設けられる。
【0098】前記酸素遮断層としては、水又はアルカリ
水溶液に分散、溶解可能な樹脂成分を主に構成され、必
要に応じて、界面活性剤等の他の成分を含んでいてもよ
い。前記酸素遮断層を構成する樹脂成分としては、公知
のものの中から適宜選択でき、例えば、特開昭46−2
121号や特公昭56−40824号に記載の、ポリビ
ニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアル
キルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル
類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリル
アミド類、各種水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水
溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱
粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マ
レイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらを
2種以上組合せたもの等が挙げられる。
【0099】中でも、ポリビニルアルコールとポリビニ
ルピロリドンとを組合せてなるものが特に好ましい。更
に、前記ポリビニルアルコールとしては、鹸化率が80
%以上のものが好ましい。また、前記ポリビニルピロリ
ドンの含有量としては、中間層の固形体積の1〜75%
であることが好ましく、1〜60%であることがより好
ましく、10〜50%であることが最も好ましい。前記
固形体積が、1%未満であると、硬化性樹脂層との十分
な密着性が得られないことがあり、75%を越えると、
酸素遮断能が低下することがある。
【0100】前記酸素遮断層は、その酸素遮断能が低下
すると、硬化性樹脂層の重合感度が低下して、露光時の
光量をアップしたり、露光時間を長くする必要が生ずる
ばかりか、解像度も低下することになるため、酸素透過
率の小さいことが好ましい。
【0101】前記酸素遮断層は、樹脂成分等を水系溶媒
に溶解、分散して塗布液(酸素遮断層用塗布液)を調製
し、公知の塗布方法により仮支持体上に塗布等して形成
することができる。前記水系溶媒としては、蒸留水等の
水を主成分とし、所望により本発明の効果を損なわない
範囲でアルコール等の水と親和性のある溶剤や塩等を添
加した溶媒が挙げられる。
【0102】前記酸素遮断層の層厚としては、約0.1
〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。
前記層厚が、約0.1μm未満であると、酸素透過性が
高すぎて硬化性樹脂層の重合感度が低下することがあ
り、約5μmを越えると、現像や中間層除去時に長時間
を要することがある。
【0103】〈導電層等〉既述の仮支持体は、カラーフ
ィルタを構成する基板上に感光性転写材料の感光性樹脂
層を張り合わせた後剥離されるが、この時、フィルムと
人体が帯電して不快な電撃ショックを受けることがあ
り、更に帯電のために周囲からゴミを引き寄せる結果露
光時に未露光部が生じ、ピンホールの原因となることが
ある。したがって、帯電防止のため、仮支持体の少なく
とも一方の表面に導電性層を設けてその表面電気抵抗を
1013Ω以下とするか、あるいは仮支持体として、それ
自体に導電性を付与して表面電気抵抗を1013Ω以下と
したものを用いることが好ましい。
【0104】仮支持体に導電性を付与する方法として
は、特開平8−171201号公報の段落番号[003
1]〜[0044]の記載を参照できる。帯電による静
電ショックを防止するためには、導電性層あるいは導電
性を付与した基材の表面電気抵抗値としては、1013Ω
以下が望ましく、1012Ω以下が特に好ましい。
【0105】〈着色膜の形成方法〉次に、感光性転写材
料を用いた着色膜の形成方法について説明する。ここで
は、感光性転写材料として、仮支持体上に熱可塑性樹脂
層、酸素遮断層、感光性樹脂層及びカバーフィルムがこ
の順に積層されてなる感光性転写材料を用いた一例を示
す。まず、感光性転写材料のカバーフィルムを取り除
き、感光性樹脂層を加圧、加熱下で被転写体である基板
上に密接し貼り合わせる。貼り合わせには、従来公知の
ラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択し
たものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカ
ットラミネーターも使用可能である。
【0106】貼り合わせた後、仮支持体を熱可塑性樹脂
層との界面で剥がし取り、該熱可塑性樹脂層の上方から
熱可塑性樹脂層及び酸素遮断層を通して感光性樹脂層を
パターン状に露光(パターニング)する。前記パターニ
ングに使用可能な光源としては、エネルギーが高く重合
反応が迅速に行える点で、紫外線を発する光源が好まし
く、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライ
ドランプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。
【0107】前記パターニングの方法としては、例え
ば、熱可塑性樹脂層の上方に露光マスクを配置し、該マ
スク介してパターン状に一括露光する方法や、ステッパ
ー露光装置等の露光手段を用いる方法等が挙げられる。
【0108】前記露光の後、現像処理して、熱可塑性樹
脂層、酸素遮断層及び不要部(未硬化部分)の感光性樹
脂層を除去する。すると、照射された硬化部のみが基板
上に残り着色膜が形成される。これを、赤色、緑色、青
色の着色膜形成用の感光性転写材料を用いて繰り返し行
うことにより、RGBよりなる着色膜が形成できる。
【0109】前記現像は、公知の方法により行え、溶剤
若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液等を用い
て、例えば、(a)露光後の基板自体を現像浴中に浸漬す
る、(b)露光後の基板にスプレー等により噴霧する等し
て、更に必要に応じて、溶解性を高める目的で、回転ブ
ラシや湿潤スポンジ等で擦ったり、超音波を照射しなが
ら行うことができる。
【0110】前記アルカリ水溶液としては、アルカリ性
物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機
溶剤を少量添加したものも好適に使用することができ
る。前記アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重
炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアル
カリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ
酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールア
ミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド等のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド
類、燐酸三ナトリウム等が挙げられる。
【0111】アルカリ水溶液中のアルカリ性物質の濃度
としては、0.01〜30重量%が好ましく、更にpH
としては、8〜14が好ましい。
【0112】前記水混和性を有する有機溶剤としては、
メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロ
パノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチ
ルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、
γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチ
ル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロ
リドン等が挙げられる。該有機溶剤の添加量としては、
0.1〜30重量%が好ましい。
【0113】また、アルカリ水溶液には、公知の種々の
界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の濃度
としては、0.01〜10重量%が好ましい。現像時の
温度としては、通常、室温付近から40℃が好ましい。
更に、現像処理した後に、水洗処理する工程を入れるこ
ともできる。
【0114】前記態様(B)では、着色された感光性の
レジスト材料(前記態様(A)で調製した感光性樹脂層
用塗布液と同様の組成からなるもの)を基板上に直接塗
布した後、前記態様(A)と同様にして、所望のパター
ンに露光し、更に現像処理することにより着色膜を形成
する。ここで、各々異なる色相の感光性樹脂層用塗布液
を用いて、同一基板上に塗布、露光、現像を繰り返し行
うことによりRGBよりなる着色膜を形成することがで
きる。本態様で使用する感光性樹脂層用塗布液、該塗布
液の塗布厚、基板及びこれらの好ましい態様など、露光
及び現像に関する条件などは、前記態様(A)と同様で
ある。
【0115】ブラックマトリクスを形成する場合(ブラ
ックマトリクス工程)には、樹脂を含有する黒色パター
ンが着色膜の周縁領域に形成される。前記態様(A)で
は、仮支持体上に黒着色された感光性のレジスト材料が
設けられてなる黒着色の感光性樹脂層を有する黒色用の
感光性転写材料を用い、上記同様に、基板上において転
写、露光、現像処理を行うことで形成できる。尚、前記
黒着色の感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物と黒色の着
色剤とを少なくとも含む塗布液(ブラックマトリクス用
塗布液)により形成でき、前記黒色の着色剤としては、
黒色顔料が一般に使用され、例えばカーボンブラックが
挙げられる。また、前記態様(B)では、黒着色された
感光性のレジスト材料(前記態様(A)で調製したブラ
ックマトリクス用塗布液と同様の組成からなるもの)を
基板上に直接塗布した後、所望のパターンに露光し現像
処理して形成できる。
【0116】カラーフィルタを構成する基板としては、
例えば、表面に酸化ケイ素被膜を有するソーダガラス
板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラ
ス板等の公知のガラス板、あるいはプラスチックフィル
ム等が挙げられる。
【0117】以上の通り、本発明のビス型アントラキノ
ン化合物を含む着色感光性組成物お用いてなるフィルタ
膜を有するカラーフィルタは、透明性(光透過性)が高
く色相に優れ、特に青色の色相に優れ、分光特性、表示
コントラストに優れた鮮明画像を表示することが可能で
あり、しかも耐熱性、耐光性、耐薬品性にも優れ、分光
特性、表示コントラストを長期間安定的に維持すること
ができる。
【0118】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
実施例中の「部」及び「%」は、全て「質量部」及び
「質量%」を表す。
【0119】(実施例1):例示化合物(1)の合成 まず、1,4−ジアミノアントラキノン30.0部とト
リエチルアミン15.3部とDMAc300部とを室温
で攪拌しておき、これに無水酢酸12.8部を滴下して
1時間攪拌した後、更に100℃で4時間攪拌した。得
られた反応物を、室温まで冷却した後に氷水1500部
に投入し、30分攪拌してから濾過して粗成物を得た。
得られた粗成物をクロロホルム及びメタノールから再結
晶することにより、1−アセチルアミノ−4−アミノア
ントラキノン27.9gを得た。
【0120】次に、2,6−ジエチルアニリン60部に
メタノール400部を加えて氷冷下にて攪拌しておき、
48%臭化水素酸168部を滴下し、これに更に、水8
0部に亜硝酸ナトリウム27.6部を溶解した溶液を滴
下した後、室温で1時間攪拌した(溶液A)。続いて、
臭化第一銅57.4部と臭化水素酸67.2部とを室温
下で攪拌しておき、先に調製した溶液Aを室温で投入し
て60℃で1時間攪拌した。得られた反応物を室温まで
冷却した後、氷水1500部に投入して濾過し、酢酸エ
チルで抽出した。さらに、10%水酸化ナトリウム水溶
液、10%塩酸で洗浄し、濃縮して粗成物を得た。得ら
れた粗成物をヘキサンによりカラム精製し、2,6−ジ
エチルブロモベンゼン50.2部を得た。
【0121】そして、上記より得た1−アセチルアミノ
−4−アミノアントラキノン10部に、上記より得た
2,6−ジエチルブロモベンゼン25部と炭酸カリウム
5.9部と銅0.5部と沃化カリウム7.1部とを加
え、200℃で4時間攪拌した。得られた反応物を室温
まで冷却した後、氷水200部に投入し、クロロホルム
で抽出して濃縮し粗成物を得た。得られた粗成物をクロ
ロホルム及びメタノールから再結晶することにより、1
−アセチルアミノ−4−(2',6'−ジエチル)フェニ
ルアミノアントラキノン10.5部を得た。
【0122】続いて、得られた1−アセチルアミノ−4
−(2',6'−ジエチル)フェニルアミノアントラキノ
ン14.5部に、濃塩酸15部と2−プロパノール50
0部とを加え、還流下で5時間攪拌した。得られた反応
物を氷水1000部に注ぎ、攪拌、濾過し、メタノール
で洗浄することにより、1−アミノ−4−(2',6'−
ジエチル)フェニルアミノアントラキノン10.6部を
得た。
【0123】次に、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチ
ルフェニル)メタン46.5部にメタノール150部を
加えて氷冷下で攪拌しておき、48%臭化水素酸110
部を滴下し、これに更に、水60部に亜硝酸ナトリウム
20.7部を溶解した溶液を滴下した後、室温下で1時
間攪拌した(溶液B)。続いて、臭化第一銅43部と臭
化水素酸44部とを室温下で攪拌しておき、先に調製し
た溶液Bを室温で投入して60℃で1時間攪拌した。得
られた反応物を室温まで冷却した後、氷水1200部に
投入して濾過し、酢酸エチルで抽出した。さらに、10
%水酸化ナトリウム水溶液、10%塩酸で洗浄し、濃縮
して粗成物を得た。得られた粗成物をヘキサンによりカ
ラム精製し、ビス(4−ブロモ−3,5−ジエチルフェ
ニル)メタン31.4部を得た。
【0124】次に、上記より得た1−アミノ−4−
(2',6'−ジエチル)フェニルアミノアントラキノン
6.1部と、上記より得たビス(4−ブロモ−3,5−
ジエチルフェニル)メタン3.6部と、炭酸カリウム
2.7部と、銅0.2部と、沃化カリウム3.2部と、
ニトロベンゼン15部とを混合して、200℃で5時間
攪拌した。得られた反応物を室温まで冷却した後、クロ
ロホルム50部を加えて濾過することにより粗成物を得
た。得られた粗成物をクロロホルム及びメタノールから
再結晶することにより、ビス型アントラキノン化合物
(既述の例示化合物(1))6.9部を得た。
【0125】得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8.4
2(m,4H)、7.78(m,4H)、7.22
(m,2H)、7.18(d,4H)、6.99(s,
4H)、6.57(d,4H)、3,96(s,2
H)、2.49(m,16H)、1.12(dt,24
H)であった。また、融点は187℃であった。
【0126】(実施例2)実施例1で得た1−アセチル
アミノ−4−アミノアントラキノン5.6部に、実施例
1で得たビス(4−ブロモ−3,5−ジエチルフェニ
ル)メタン4.8部と、炭酸カリウム2.3部と、銅
0.1部と、ヨウ化カリウム3.2部と、ニトロベンゼ
ン15部とを混合して、200℃で5時間攪拌した。得
られた反応物を室温まで冷却した後、クロロホルム50
部を加えて濾過することにより粗成物を得た。得られた
粗成物をクロロホルム及びメタノールから再結晶するこ
とにより、ビス型アントラキノン化合物(既述の例示化
合物(2))5.8部を得た。
【0127】得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8.8
4(d,2H)、8.38(dd,4H)、7.81
(m,4H)、7.06(s,4H)、6.77(d,
2H)、4.03(s,2H)、2.48(m,8
H)、2.32(s,6H)、1.14(t,12H)
であった。また、融点は228℃であった。
【0128】(実施例3)実施例2で得たビス型のアン
トラキノン化合物(例示化合物(2))4.2部に、濃
塩酸10部とメタノール80部とを混合して環流下2時
間撹拌した。得られた反応物を氷水200部に注ぎ、撹
拌、濾過し、メタノールで洗浄することにより、ビス型
アントラキノン化合物(既述の例示化合物(3))3.
2部を得た。得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8,3
9(m,4H)、7.73(m,4H)、7.05
(s,4H)、6.82(d,2H)、6.64(d,
2H)、4.02(s,2H)、2.52(m,8
H)、1.14(t,12H)であった。また、融点は
250℃であった。
【0129】(実施例4)1,4−ジヒドロキシアント
ラキノン72.0部とビス(4−アミノ−3,5−ジエ
チルフェニル)メタン3l.0部と銅1.0部とを、D
ean−Stark装置で水を除去しながら190℃下
で8時間撹拌した。得られた反応物を室温まで冷却し、
氷水600部に注ぎ、撹拌、濾過し、メタノールで洗浄
して粗成物を得た。得られた粗成物をクロロホルム及び
メタノールから再結晶することにより、ビス型アントラ
キノン化合物(既述の例示化合物(4))11.9部を
得た。
【0130】得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8.4
0(dd,4H)、7.81(m,4H)、7.08
(d,2H}、7.01(s,4H)、6.72(d,
2H)、4.05(s,2H)、2.47(m,8
H)、1.13(t,12H)であった。また、融点は
140℃であった。
【0131】(実施例5)1−アセチルアミノ−4−ア
ミノアントラキノン11.2部に、2,4,6−トリメ
チルブロモベンゼン8.8部と炭酸カリウム6.6部と
銅0.5部とヨウ化カリウム7.3部とを加え、200
℃で3時間撹拌した。得られた反応物を室温まで冷却し
た後、氷水200部に添加し、クロロホルムで抽出し、
濃縮し粗成物を得た。得られた粗成物を、クロロホルム
及びメタノールから再結晶することにより、1−アセチ
ルアミノ−4−(2’,4’,6’−トリメチル)フェ
ニルアミノアントラキノン11.9部を得た。
【0132】続いて、得られた1−アセチルアミノ−4
−(2’,4’,6’−トリメチル)フェニルアミノア
ントラキノン11.0部に、濃塩酸16部、2−プロパ
ノール500部を加え、環流下4時間撹拌した。この反
応物を氷水1000部に注ぎ、撹拌、濾過し、メタノー
ルで洗浄することにより、1−アミノ−4−(2’,
4’,6’−トリメチル)フェニルアミノアントラキノ
ン8.9部を得た。
【0133】次に、得られた1−アミノ−4−(2’,
4’,6’−トリメチル)フェニルアミノアントラキノ
ン7.8部にビス(4−ブロモフェニル)スルホン3.
8部と炭酸カリウム2.9部と銅0.2部とヨウ化カリ
ウム3.3部とを加え、200℃で6時間撹拌した。得
られた反応物を室温まで冷却した後、氷水100部に添
加し、濾過することにより粗成物を得た。得られた粗成
物をクロロホルム及びメタノールから再結晶することに
より、ビス型アントラキノン化合物(既述の例示化合物
(5))5.5部を得た。
【0134】得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8.4
0(m,4H)、8.05(d,4H)、7.78
(d,4H)、7.12(d,4H)、6、60(d,
4H)、6.43(s,4H)、2.42(s,18
H)であった。また、融点は202℃であった。
【0135】(実施例6)1−アミノ−4−(2’,
4’,6’−トリメチル)フェニルアミノアントラキノ
ン17.8部に、ビス(4−ブロモフェニル)エーテル
7.5部と炭酸カリウム6.9部と銅0.5部とヨウ化
カリウム8.3部とを加え、200℃で4時間撹拌し
た。得られた反応物を室温まで冷却した後、氷水300
部に添加し、濾過することにより粗成物を得た。得られ
た粗成物をクロロホルム及びメタノールから再結晶する
ことにより、ビス型アントラキノン化合物(既述の例示
化合物(6))15.8部を得た。
【0136】得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8.4
1(m,4H)、8.02(d,4H)、6.95
(d,4H)、6.66(d,4H)、6.55(d,
4H)、6.43(s,4H)、2.39(s,18
H)であった。また、融点は250℃であった。
【0137】(実施例7)1−アミノ−4−(2’,
4’,6’−トリメチル)フェニルアミノアントラキノ
ン14.3部に、m−ジブロモベンゼン4.3部と炭酸
カリウム5.5部と銅0.4部とヨウ化カリウム7.3
部とを加え、200℃で3時間撹拌した。得られた反応
物を室温まで冷却した後、氷水300部に添加し、濾過
することにより粗成物を得た。得られた粗成物をクロロ
ホルム及びメタノールから再結晶することにより、ビス
型アントラキノン化合物(既述の例示化合物(7))1
0.2部を得た。
【0138】得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8.4
2(m,4H)、7.78(d,4H)、6,96
(m,1H)、6.55(d,4H)、6.48(s,
4H)、6.29(m、2H)、6.03(s,1
H)、2.40(s,18H)であった。また、融点は
196℃であった。
【0139】(実施例8)1−アミノ−4−(2’,
4’,6’−トリメチル)フェニルアミノアントラキノ
ン7.1部に、ビス(4−ブロモ−3,5−ジエチルフ
ェニル)メタン4.0部と炭酸カリウム2.8部と銅
0.1部とヨウ化カリウム3.3部とを加え、200℃
で6時間撹拌した。得られた反応物を室温まで冷却した
後、氷水300部に添加し、濾過することにより粗成物
を得た。得られた粗成物をクロロホルム及びメタノール
から再結晶することにより、ビス型アントラキノン化合
物(既述の例示化合物(8))5.4部を得た。
【0140】得られた化合物をNMR解析により同定し
た結果(データ)、1H−NMR(CDCl3) δ8.4
2(m,4H)、7.78(d,4H)、7.01
(s,4H)、6.55(d,4H)、6.44(s,
4H)、2.49(m,8H)、2.40(s,18
Η)、1.12(dt,12H)であった。また、融点
は139℃であった。
【0141】(実施例9)1−アミノ−4−(2’,
4’,6’−トリメチル)フェニルアミノアントラキノ
ン14.3部に1,3−ジブロモ−2,4,6−トリメ
チルベンゼン5.5部と炭酸カリウム5.5部と銅0.
4部とヨウ化カリウム7.3部とを加え、200℃で5
時間撹拌した。得られた反応物を室温まで冷却した後、
氷水300部に添加し、濾過することにより粗成物を得
た。得られた粗成物をクロロホルム及びメタノールから
再結晶することにより、ビス型アントラキノン化合物
(既述の例示化合物(11);融点は240℃)9.1
部を得た。
【0142】尚、上記実施例1〜9の合成例に準じて、
他の例示のビス型アントラキノン化合物(既述の例示化
合物(9)、(10)、(12)〜(30))を合成し
た。得られた各例示化合物の融点を以下に示す。例示化
合物(9):>250℃、例示化合物(10):145℃、
例示化合物(12)〜(30):順に192℃、188℃、
126℃、177℃、151℃、175℃、159℃、
>250℃、235℃、191℃、>250℃、>25
0℃、133℃、106℃、122℃、109℃、16
1℃、159℃、142℃、であった。
【0143】(実施例10) −塗液Aの調製− 実施例1で合成したビス型のアントラキノン化合物(既
述の例示化合物(1))0.25部、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン5.5部、メチルエチルケトン
2.75部、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重
合体(モル比28/72、平均分子量30000;40
%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)を混
合、攪拌した後、濾過により不溶部を除去することによ
り塗液Aを得た。
【0144】−塗布サンプル− 10cm×10cmのガラス板の表面に、スピンコータ
ー(1H−DX2、ミカサ(株)製)を用いて、上記よ
り得た塗液A2.0部を塗布(回転数300rpm、3
0秒)した。その後、85℃で30分間乾燥して塗布サ
ンプル(1)を作製した。
【0145】−評価− 上記より得た塗布サンプル(1)について下記評価を行
った。測定、評価の結果は下記表1に示す。 透過率の測定 分光光度計(UV−2400、島津製作所(株)製)を
用いて透過スペクトルを測定し、波長450nmにおけ
る透過率t1求めた。 耐熱性の評価 220℃の温度条件下で130分静置した後、上記と
同様に透過スペクトルを測定して透過率t2を求め、静
置前後での波長450nmにおける透過率の比率(t2
/t1×100)を求めた。 耐光性の評価 メタルハライドランプ(90mW)を用いて12時間光
照射した後、上記と同様に透過スペクトルを測定して
透過率t3を求め、静置前後での波長450nmにおけ
る透過率の比率(t3/t1×100)を求めた。
【0146】(実施例11〜19)実施例10で用いた
ビス型アントラキノン化合物に代え、例示化合物
(2)、(3)、(4)、(8)(10)、(11)、(1
4)、(21)又は(27)(ビス型アントラキノン化
合物)をそれぞれ用いたこと以外、実施例10と同様に
して、塗布サンプル(2)〜(10)を作製した。ま
た、これらの塗布サンプルを用いて、実施例10と同様
にして測定及び評価を行った。測定、評価の結果を下記
表1に示す。
【0147】(比較例1〜3)実施例10で用いたビス
型アントラキノン化合物に代え、下記比較化合物(A)
〜(C)をそれぞれ用いたこと以外、実施例10と同様
にして、比較の塗布サンプル(11)〜(13)を作製
した。また、これらの塗布サンプルを用いて、実施例1
0と同様にして測定及び評価を行った。測定、評価の結
果を下記表1に示す。
【0148】
【化19】
【0149】
【表1】
【0150】上記表1の結果から、本発明のビス型アン
トラキノン化合物を含む塗布サンプル(1)〜(10)
では、耐熱性、耐光性に特に優れていた。一方、ビス型
アントラキノン化合物を用いなかった塗布サンプル(1
1)〜(13)では、耐熱性、耐光性に劣っていた。
【0151】(実施例20) −感光性転写材料の作製− 仮支持体として、厚さ100μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム(PETフィルム)を準備し、該PE
Tフィルムの表面に、下記処方H1からなる塗布液を塗
布、乾燥して、乾燥層厚20μmの熱可塑性樹脂層を形
成した。
【0152】 〔熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1〕 ・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル メタ クリレート/メタクリル酸共重合体 …15部 (共重合比(モル比)=55/28.8/11.7/4.5、 重量平均分子量=90000) ・ポリプロピレングリコールジアクリレート … 6.5部 (平均分子量822) ・テトレエチレングリコールジメタクリレート … 1.5部 ・p−トルエンスルホンアミド … 0.5部 ・ベンゾフェノン … 1.0部 ・メチルエチルケトン …30部
【0153】次に、前記熱可塑性樹脂層上に、下記処方
B1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥して、乾燥層
厚1.6μm厚の中間層を形成した。 〔中間層用塗布液の処方B1〕 ・ポリビニルアルコール … 130部 (PVA205、鹸化率=80%、(株)クラレ製、) ・ポリビニルピロリドン … 60部 (PVP、K−90、GAFコーポレーション社製) ・フッ素系界面活性剤 … 10部 (サーフロンS−131、旭硝子(株)製) ・蒸留水 …3350部
【0154】上記のようにして、熱可塑性樹脂層及び中
間層が形成された仮支持体を4枚用意し、各々の中間層
上に下記に示す処方からなる、黒色(K層用)、赤色
(R層用)、緑色(G層用)、青色(B層用)のいずれ
かの感光性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥し、乾燥層厚2
μmの感光性樹脂層を形成した。
【0155】 〔感光性樹脂層用塗布液の組成〕 R層用/G層用/B層用/K層用 ・ベンジルメタクリレート/メタク 30.0g/33.5g/34.1g/40.6g リル酸共重合体 (モル比:72/28、分子量3万) ・ペンタエリスリトールヘキサ 28.4g/25.2g/32.3g/30.5g アクリレート ・F177P 0.37g/0.19g/0.19g/0.30g (フッ素系界面活性剤、大日本インキ(株)製) ・2,4-ビス(トリクロロメチル)-6- 1.31g/0g/1.52g/1.47g 〔4-(N,N-ジエトキシカルボニル メチル)-3-ブロモフェニル〕-S-トリアジン ・2-トリクロロメチル-5-(P-スチリ 0g/1.2g/0g/0g ルスチリル)-1,3,4-オキサジアゾ−ル ・フェノチアジン 0.022g/0.020g/0.026g/0.015g ・クロモフタルレッドA2B 27g/0g/0g/0g ・リオノーゲンイエロー1010 10.3g/23.0g/0g/0g ・モナストラルグリーン6Y 0g/23.0g/0g/0g ・既述の例示化合物(1) 0g/0g/29.6g/0g (ビス型アントラキノン化合物) ・リオノーゲンバイオレットRL 0g/0g/0.8g/0g ・カーボンブラック(黒色) −/−/−/27.1g ・メトキシプロピレングリコール 310g/310g/310g/310g アセテート ・メチルエチルケトン 460g/460g/460g/460g
【0156】さらに、各色の感光性樹脂層上にポリプロ
ピレン(厚さ12μm)の被覆シートを圧着して、赤
色、青色、緑色及び黒色の4色の感光性転写材料を得
た。
【0157】上記より得た感光性転写材料を用いて、以
下の方法でカラーフィルタを作製した。まず、赤色の感
光性転写材料の被覆シートを剥離し、感光性樹脂層の表
面を透明ガラス基板(厚さ1.1mm)にラミネーター
(VP−II、大成ラミネータ(株)製)を用いて加圧
(0.8kg/cm2)、加熱(130℃)条件下で貼
り合わせた。続いて、仮支持体を熱可塑性樹脂層との界
面で剥離し、仮支持体を除去した。
【0158】次いで、所定のフォトマスクを介して露光
し、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像して不要部を除去
し、透明ガラス基板上に赤色画素パターンを形成した。
続いて、赤色画素パターンが形成された透明ガラス基板
上に、緑色の感光性転写材料を上記同様に貼り合わせ、
更に剥離、露光、現像を行って、緑色画素パターンを形
成した。同様の操作を青色、黒色の感光性転写材料を用
いて繰り返し、カラーフィルタを作製した。
【0159】得られたカラーフィルタは、青色の光透過
率が特に高く色相に優れており、波長450nmにおけ
る透過率は91%であり、優れた分光特性、表示コント
ラストを示した。しかも、実施例10と同様にして行っ
た耐熱性、耐光性の評価では、優れた耐熱性、耐光性を
示した。
【0160】(比較例4)実施例20において、青色の
感光性転写材料の作製に用いたビス型アントラキノン化
合物(例示化合物(1))に代えて、前記比較化合物
(C)を用いたこと以外、実施例20と同様にして、比
較例のカラーフィルタを作製した。得られたカラーフィ
ルタの青色の光透過率は、実施例20で得たカラーフィ
ルタの光透過率(青色の色相)に比し劣っており、その
波長450nmにおける透過率は86%であった。しか
も、実施例10と同様にして耐熱性、耐光性の評価を行
ったところ、更に透過率は低下した。
【0161】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐光性、耐薬
品性に優れる染料であるビス型アントラキノン化合物を
提供することができる。また、着色剤として染料を含有
し、透明性(透光性)が高く色相に優れ、しかも耐熱
性、耐光性、耐薬品性に優れた着色樹脂組成物及び着色
感光性組成物、並びに該着色感光性組成物を含んでな
り、透明性(光透過性)が高く色相に優れ、特に青色の
色相に優れ、分光特性及び表示コントラストの高い画像
表示が可能で、しかも耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れ
たカラーフィルタを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 4J026 C08L 101/00 C08L 101/00 G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 5/22 5/22 G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 (72)発明者 鬼頭 克幸 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA06 AA07 AA08 AA10 AA11 AB11 AB13 AC01 AD01 BC14 BC32 BC42 CA14 CA28 CB52 CC13 EA08 FA03 FA04 FA17 2H048 BA47 BA48 BB42 CA01 CA04 CA09 CA14 CA19 4H056 AA02 AB03 AC01 AD28 FA01 FA05 4J002 BG011 BG041 BG051 BH021 EN066 EN076 EV216 EV236 EV276 FD096 GP03 4J011 PA36 PA45 PA53 PA69 PA70 PB25 PC02 QA03 QA23 QA24 QA27 QB16 SA31 SA78 SA83 4J026 AA02 AA42 AA43 AA53 BA26 BA28 BA50 DB36 GA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されることを特徴
    とするビス型アントラキノン化合物。 【化1】 〔一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ
    独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキ
    シル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、
    ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、スルホン酸塩、カ
    ルボン酸基、カルボン酸塩、エステル基、アミド基を表
    し、同一でも異なっていてもよい。R5、R6、R7
    8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15
    16、R17及びR18は、それぞれ独立に水素原子、アル
    キル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ
    基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、
    ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アリールアミノ
    機、スルホン酸基、スルホン酸塩、カルボン酸基、カル
    ボン酸塩、ハロゲン原子、エステル基、アミド基を表
    し、同一でも異なっていてもよい。Xは、単結合、アル
    キレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−O−Z
    −、−S−Z−、−N(R19)−Z−、−CO−、−CO
    −Z−、−CO2−Z−、−OCO2−Z−、−CONH
    −Z−、−SO2−Z−を表し、前記アルキレン基、ア
    ラルキレン基及びアリーレン基は、それぞれ酸素、窒
    素、硫黄で遮断されていてもよい。Zは、アルキレン
    基、アラルキレン基、アリーレン基を表し、R19は、水
    素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル基、アリー
    ル基、カルボニル基、スルホニル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(1)中、R9及びR16の少なく
    とも一方が、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミ
    ノ基、アリールアミノ基を表す請求項1に記載のビス型
    アントラキノン化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中、R9及びR16の少なく
    とも一方がアリールアミノ基を表す請求項2に記載のビ
    ス型アントラキノン化合物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(2)〜(4)のいずれかで
    表される請求項3に記載のビス型アントラキノン化合
    物。 【化2】 〔一般式(2)〜(4)中、R5、R6、R7、R8
    10、R11、R12、R13、R14、R15、R17及びR
    18は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキ
    シル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキ
    シ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
    基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、スルホン酸
    基、スルホン酸塩、カルボン酸基、カルボン酸塩、ハロ
    ゲン原子、エステル基、アミド基を表し、同一でも異な
    っていてもよい。R20、R21、R22、R23、R24
    25、R26及びR27は、それぞれ独立に水素原子、アル
    キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表し、同一でも
    異なっていてもよい。一般式(2)中、X 1は、単結
    合、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−
    O−、−S−、−N(R19)−、−CO−、−CO2−、
    −OCO2−、−CONH−、−SO2−を表し、R
    19は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル
    基、アリール基、カルボニル基、スルホニル基を表
    す。〕
  5. 【請求項5】 バインダーポリマーと着色剤とを少なく
    とも含んでなり、前記着色剤の少なくとも一種が、請求
    項1から4のいずれかに記載のビス型アントラキノン化
    合物であることを特徴とする着色樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 バインダーポリマーが、酸性基を有する
    バインダーポリマーである請求項5に記載の着色樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の着色樹脂組成物
    と、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能
    モノマーと、光重合開始剤とを含有することを特徴とす
    る着色感光性組成物。
  8. 【請求項8】 同一基板上に異なる分光特性を持つ2以
    上の画素パターンが隣接して配列されてなるフィルタ膜
    を備えたカラーフィルタにおいて、 前記フィルタ膜が、請求項7に記載の着色感光性組成物
    を含んでなることを特徴とするカラーフィルタ。
JP2001127363A 2001-04-25 2001-04-25 ビス型アントラキノン化合物、これを含む着色樹脂組成物及び着色感光性組成物、並びにカラーフィルタ Pending JP2002322380A (ja)

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