JP2002322321A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物Info
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Abstract
品の耐ブリード性、耐熱変形性、塗装板やガラス板等と
のグリップ性に優れる自動車の内外装部材、建築パッキ
ン用部材、家電パッキン用部材用熱可塑性エラストマー
組成物の提供。 【解決手段】 (a)芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とか
らなるブロック共重合体、その水素化物である水添ブロ
ック共重合体、及びオレフィン系共重合体ゴムからなる
群から選ばれる少なくとも一種のエラストマー100重
量部、(b)非晶質ポリオレフィン0.1〜250重量
部、及び(c)有機過酸化物0.01〜1.20重量部
を含有する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラ
ストマー組成物。
Description
マー組成物に関し、特に、耐熱変形性、押出成形性、射
出成形性、単層および多層成形品の耐ブリード性、グリ
ップ性等に優れる熱可塑性エラストマー組成物に関す
る。
て、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形
加工性及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマー
が、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履
物、雑貨等の分野で多用されている。
ニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体であ
るスチレン−ブタジエンブロックポリマー(SBS)や
スチレン−イソプレンブロックポリマー(SIS)など
のポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富
み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得
られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れてお
り、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
と共役ジエンのブロック共重合体の分子内二重結合を水
素添加したエラストマー組成物は、耐熱老化性(熱安定
性)および耐候性を向上させたエラストマーとして、さ
らに広く多用されている。
共重合体を用いた熱可塑性エラストマー組成物は、未だ
ゴム的特性、例えば、耐油性、加熱加圧変形率(圧縮永
久歪み)や高温時のゴム弾性に問題があり、この点を改
良するものとして、上記ブロック共重合体の水素添加誘
導体を含む組成物を架橋させて得られる架橋体が提案さ
れている(例えば、特開昭59−6236号公報、特開
昭63−57662号公報、特公平3−49927号公
報、特公平3−11291号公報及び特公平6−136
28号公報)。
ック共重合体の架橋組成物は、高温時、特に100℃に
おける圧縮永久歪みが未だに不十分であり、機械強度が
低下し易いという問題があり、従来加硫ゴム用途で要求
されている性能レベルに到達していないのが現状であ
る。また、押出成形では高温時の溶融張力が低いために
形状保持性が悪化し、射出成形では成形サイクルが長く
なるなど、成形加工面の問題点も多い。
ずれも、ショアA硬さで40以上であり、軟化剤の添加
量を増量することによって軟化させているが、かかる場
合には、成形品表面にベタツキが発生したり、加熱応力
下において軟化剤のブリードアウトを生じ、実用上好ま
しくなく、特に自動車内外装部材におけるリップと自動
車ボディーとのグリップ性等に劣るという問題点を含ん
でいるのが現状である。
に鑑み、押出成形性、射出成形性、単層及び多層成形品
の耐ブリード性、耐熱変形性、塗装板やガラス板等との
グリップ性に優れる自動車の内外装部材、建築パッキン
用部材、家電パッキン用部材用熱可塑性エラストマー組
成物を提供することを目的とする。
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、スチレン系エ
ラストマーに非晶質ポリオレフィンを配合し、架橋処理
することにより、グリップ性及び耐熱性に優れる熱可塑
性エラストマーが得られることを見出し、本発明を完成
した。
(a−1)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロ
ックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロ
ック共重合体、(a−2)(a−1)を水素添加して得
られる水添ブロック共重合体、及び(a−3)オレフィ
ン系共重合体ゴムからなる群から選ばれる少なくとも一
種のエラストマー100重量部、(b)非晶質ポリオレ
フィン0.1〜250重量部、及び(c)有機過酸化物
0.01〜1.20重量部を含有する組成物を溶融混練
して得られる熱可塑性エラストマー組成物である。
香族系ゴム用軟化剤1〜100重量部を更に含む第1の
発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
重パラフィン1〜100重量部を更に含む第1又は2の
発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
オキサイド分解型オレフィン系樹脂1〜100重量部を
更に含む第1〜3のいずれかの発明に記載の熱可塑性エ
ラストマー組成物である。
充填剤1〜200重量部を更に含む第1〜4のいずれか
の発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
テル系架橋助剤1〜45重量部を更に含む第1〜5のい
ずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物であ
る。
いずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物を
成形加工してなる自動車内外装部材、建築パッキン用部
材又は家電パッキン用部材である。
法、用途について以下に詳細に説明する。
分 (1)エラストマー成分(a) 本発明で用いるエラストマー成分(a)は、次の(a−
1)、(a−2)、(a−3)の群から選ばれる少なく
とも一種のエラストマーである。
物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少な
くとも1個とからなるブロック共重合体である。例え
ば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A
等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を挙げることができる。
合物を5〜60重量%、好ましくは20〜50重量%含
む。
ロックAは、好ましくは、芳香族ビニル化合物のみから
なるか、または芳香族ビニル化合物50重量%以上、好
ましくは70重量%以上と共役ジエン化合物との共重合
体ブロックである。
ックBは、好ましくは、共役ジエン化合物のみからなる
か、または、共役ジエン化合物50重量%以上、好まし
くは、70重量%以上と芳香族ビニル化合物との共重合
体ブロックである。
しくは5,000〜1,500,000、より好ましく
は、10,000〜550,000、更に好ましくは1
00,000〜400,000の範囲であり、分子量分
布は10以下である。ブロック共重合体の分子構造は、
直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せ
のいずれであってもよい。
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化
合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダ
ム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又
は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の
組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合に
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
異なる構造であってもよい。
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうち
から1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが
好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は
2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及
びこれらの組合せが好ましい。
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)等
が挙げられる。
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を
用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることがで
きる。
水素添加物であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重
合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とから
なるブロック共重合体の水素添加物である。
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおい
て、その水素添加率は任意であるが、好ましくは50%
以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60
%以上である。また、そのミクロ構造は、任意であり、
例えば、ポリブタジエンブロックにおいては、1,2−
ミクロ構造が好ましくは20〜50重量%、特に好まし
くは25〜45重量%である。また、1,2−結合を選
択的に水素添加した物であっても良い。ポリイソプレン
ブロックにおいてはイソプレンの好ましくは70〜10
0重量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレン
に由来する脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも90
%が水素添加されたものが好ましい。
を使用する場合には、好ましくは上記水添物を用途に合
わせて適宜使用することが出来る。
具体例としては、スチレン−エチレン・ブテン−スチレ
ン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピ
レン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチ
レン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SE
EPS;すなわち、スチレン−ブタジエン・イソプレン
−スチレン共重合体の水素添加物)、スチレン−ブタジ
エン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン
−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)等を挙げ
ることができる。
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等のα−オ
レフィンが共重合してなるエラストマーあるいはこれら
と非共役ジエンとが共重合してなるオレフィン系共重合
体ゴムが挙げられる。
エン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、
メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン等を挙げることができる。
ては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1
−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−プロ
ピレン−1−ブテン共重合体ゴム等が挙げられる。
90℃における溶融粘度が250〜50,000mPa
・s、好ましくは10,000〜25,000mPa・
sのプロピレンを主成分とする非晶質共重合体からな
り、X線回析により測定した結晶化度が50%以下、好
ましくは20%以下である比較的低分子量の重合体であ
る。また、該非晶質ポリオレフィンのガラス転移温度は
−33〜−23℃が好ましく、軟化点は120〜135
℃が好ましい。
非晶質単独重合体のアタクチックポリプロピレン、プロ
ピレンを主体とする他のα−オレフィン(例えば、エチ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等)
との非晶質共重合体等を挙げることができる。これらの
非晶質ポリオレフィンのうち、アタクチックポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン非晶質共重合体、プロピレ
ン−1−ブテン非晶質共重合体が好ましい。前記非晶質
ポリオレフィンは、ランダム共重合体でもブロック共重
合体でもよいが、ブロック共重合体の場合、プロピレン
単位の結合様式はアタクチック構造である必要がある。
また、非晶質共重合体がプロピレンとエチレンとの共重
合体である場合、該プロピレン単位の含有量は、50モ
ル%以上が好ましく、特に60〜100モル%が好まし
い。非晶質ポリオレフィンのうち、アタクチックポリプ
ロピレンは、結晶性ポリプロピレンの製造過程で副生成
物として得ることができる。
することにより、エラストマー組成物成形品の摩擦係
数、特に静摩擦係数を向上させる機能を果たし、塗装板
やガラス板とのグリップ性を改良することができる。
重量部に対して、0.1〜250重量部であり、好まし
くは30〜100重量部である。配合量が0.1重量部
未満では、得られるエラストマー組成物のグリップ性が
失われる。250重量部を超えると、得られるエラスト
マー組成物から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離
や変形及びフローマークが成形品に生じ易くなる。
発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成分
(a)を架橋せしめる働きをする。また、同時に、必要
に応じて配合する成分(d)を分解して溶融混練時の組
成物の流動性をコントロールしてゴム成分の分散を良好
にせしめる。成分(c)としては、例えば、ジクミルパ
ーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパ
ーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ter
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジア
セチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ter
t−ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができ
る。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性
の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ter
t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が特に好ましい。
重量部に対して、0.01〜1.20重量部、好ましく
は0.05〜1.0重量部である。配合量が0.01重
量部未満では、架橋を十分達成できず、得られるエラス
トマーの耐熱性、機械的強度が低い。一方、1.20重
量部を超えると、成形性が悪くなる。
(d)が共存する場合、上記の配合量の範囲内におい
て、成分(c)の配合量は、成分(d)100重量部に
対して、0.1〜20重量部であるのが好ましい。成分
(c)をこの範囲にすることにより、成分(d)のオイ
ルの移行やブリードを抑える効果を大きくすることがで
きる。
て、非芳香族系ゴム用軟化剤成分(d)を配合すること
ができる。成分(d)としては、非芳香族系の鉱物油ま
たは液状もしくは低分子量の合成軟化剤を挙げることが
できる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香
族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わ
さった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数
の50%以上を占めるものはパラフィン系、ナフテン環
炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素
数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されて
いる。
油系ゴム用軟化剤は、区分でパラフィン系およびナフテ
ン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用によ
り成分(a)が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られ
る組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。本
発明の成分(d)としては、パラフィン系のものが好ま
しく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ない
ものが特に適している。また、液状もしくは低分子量の
合成軟化剤としては、ポリブテン、水素添加ポリブテ
ン、低分子量ポリイソブチレン等が挙げられる。
は、37.8℃における動的粘度が20〜50,000
cSt、100℃における動的粘度が5〜1,500c
St、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が
170〜300℃を示すのが好ましい。さらに、重量平
均分子量が100〜2,000のものが好ましい。
成分(a)100重量部に対して、1〜100重量部が
好ましく、より好ましくは5〜60重量部である。配合
量が100重量部を超えると、得られるエラストマー組
成物から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離や変形
及びフローマークが成形品に生じ易くなる。
重パラフィン成分(e)を配合することができる。成分
(e)は、組成物から軟化剤のブリードアウトを防止す
る効果を発揮する。成分(e)としては、比重0.8以
下の流動パラフィンが挙げられ、市販品としては、三光
化学(株)製のネオチオゾール(商標)等が挙げられ
る。
成分(a)100重量部に対して、1〜100重量部が
好ましくは、より好ましくは3〜50重量部である。1
00重量部を超えると、得られるエラストマー組成物の
機械的強度の低下が著しく、加工時の発生ガスが顕著に
なるとともに、得られた製品のグリップ性が失われる。
樹脂成分(f) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂成分(f)
を配合することができる。成分(f)は、得られるエラ
ストマー組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外
観を良好にすると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を
有するものである。該成分は、パーオキシドの存在下に
加熱処理することによって熱分解して分子量を減じ、溶
融時の流動性が増大するオレフィン系の重合体又は共重
合体であり、例えば、アイソタクチックポリプロピレン
やプロピレンと他のα−オレフィン、例えば、エチレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、1−オクテンなどとの共重合体を挙げることがで
きる。
のDSC測定による融点は、好ましくは、Tmが150
〜167℃、△Hmが25〜83mJ/mgの範囲のも
のである。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推
定することができる。Tm、△Hmが上記の範囲外で
は、得られるエラストマー組成物の耐油性や100℃以
上におけるゴム弾性が改良されない。
(MFR、ASTM D−1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが
0.1g/10分未満では、得られるエラストマー組成
物の成形性が悪化し、200g/10分を超えると、得
られるエラストマー組成物の機械的強度が低下する。
成分(a)100重量部に対して、1〜100重量部が
好ましく、より好ましくは3〜40重量部である。10
0重量部を超えると、得られたエラストマー組成物の成
形性が悪化し、剥離や変形及びフローマークが成形品に
生じ易くなり、エラストマー組成物の硬度が高くなり過
ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得られず、従っ
て、例えば、自動車の内外装部材のリップとして用いた
場合、自動車ボディーとのグリップ性が悪化する。
て、無機充填剤成分(g)を配合することができる。成
分(g)は、エラストマー組成物から得られる成形品の
圧縮永久歪みなど一部の物性を改良する効果のほかに、
増量による経済上の利点を有する。成分(g)として
は、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸バ
リウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイ
カ、クレー、酸化チタン、カーボンブラック、ガラス繊
維、中空ガラスバルーン、炭素繊維、チタン酸カルシウ
ム繊維、天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)
等が挙げられる。これらのうち、炭酸カルシウム、タル
クが特に好ましい。
成分(a)100重量部に対して、1〜200重量部が
好ましく、より好ましくは3〜100重量部である。2
00重量部を超えると、得られるエラストマー組成物の
機械的強度の低下が著しく、かつ、硬度が高くなって柔
軟性が失われ、ゴム的な感触の製品が得られなくなる。
て、エステル系架橋助剤成分(h)を用いることができ
る。成分(h)は、本発明のエラストマー組成物の上記
の(c)有機過酸化物による架橋処理に際して配合する
ことができ、これにより均一、かつ、効率的な架橋反応
を行うことができる。また、多量に配合することによ
り、非芳香族系ゴム用軟化剤、特に、低分子量パラフィ
ン系オイル等を適度に架橋し、エラストマー組成物から
のブリードアウトを抑制することができる。
リアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰
り返し数が9〜14のポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オク
タンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化
合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブ
チラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニ
ル化合物を挙げることができる。これらは単独あるいは
2種類以上を組み合わせても良い。これらの架橋助剤の
うち、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレートが特に好まし
い。
成分(a)100重量部に対して、1〜45重量部が好
ましく、より好ましくは3〜20重量部である。45重
量部を超えると、自己重合性により架橋の度合が低下し
て効果が得られなくなる。
場合、上記の配合量の範囲内において、成分(h)の配
合量は、成分(d)100重量部に対して、0.5〜1
00重量部であるのが好ましい。成分(h)をこの範囲
にすることにより、成分(d)のオイルの移行やブリー
ドを抑える効果を大きくすることができる。
に、さらに必要に応じて、各種のブロッキング防止剤、
シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有すること
も可能である。ここで、酸化防止剤としては、例えば、
2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレゾール、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ
メチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ジ
ヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフ
ェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チ
オエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェ
ノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特に
好ましい。酸化防止剤は、上記の成分(a)〜(h)の
合計100重量部に対して、0〜3.0重量部が好まし
く、特に好ましくは0.1〜1.0重量部である。
(a)〜(c)、又は必要に応じて成分(d)〜(h)
等を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて
溶融混練することにより製造することができる。
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
性、多層押出成形性、耐熱変形性、塗装板やガラス板と
のグリップ性に優れるため、自動車の内外装部材、建築
パッキン用部材、家電パッキン用部材等の材料として用
いることができ、該部材と金属、ガラスとのグリップ性
を改良することができる。
的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及
び試料を以下に示す。
6.3mm厚プレスシートを用いた。
準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベ
ル型試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は500m
m/分とした。(室温及び100℃で測定した。)
251に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3
号ダンベル型試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は
500mm/分とした。
準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベ
ル型試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は500m
m/分とした。
式摩耗試験機(HEIDON−14DK:新東科学)を
用いてSUSボール圧子を摩耗冶具にセットし、さらに
押出成形シート表面に摩耗冶具をのせ、垂直荷重200
g、移動速度200mm/min、移動距離50mmに
て測定を行った。
ガラス板の上に、垂直荷重200g/cm2にて、押出
成形シートをのせ、引張試験機を用いて、引張速度10
mm/minで引張り、動き始める応力の測定を行っ
た。
K 6262に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシ
ート使用した。100℃×22時間、25%変形の条件
にて測定した。
ートを押出成形し、ドローダウン性、表面外観や形状を
観察し、次の基準で評価した。 ○:良い ×:悪い
m×2mmのシートを射出成形し、その外観を目視によ
り観察し、フローマーク、ヒケ発生の有無を次の基準で
評価した。 ○:良い ×:悪い
プで固定した押出シートを室温と110℃の雰囲気で1
68時間放置し、低分子量物のブリード及びブルーミン
グの有無を目視により観察し、次の基準で評価した。 ○:良い ×:悪い
TOR2518(商標;DEXCO POLYMERS
社製) (2)水添ブロック共重合体成分(a−2):セプトン
4077(商標;クラレ株式会社製)、スチレン含有
量:30重量%、イソプレン含有量:70重量%、数平
均分子量:260,000、重量平均分子量:320,
000、分子量分布:1.23、水素添加率:90%以
上 (3)オレフィン共重合体ゴム成分(a−3):エチレ
ン−プロピレン共重合体(EPR);エスプレンWO7
41(住友化学工業株式会社製)、エチレン−ブテン共
重合体(EBR);エスプレンN0441(住友化学工
業株式会社製) (4)非晶質ポリオレフィン(APE)成分(b):E
−1200(商標;Eastman Chemikal
社製)、190℃における溶融粘度:20,000(m
Pa・s)のプロピレン−エチレン共重合体 (5)有機過酸化物成分(c):パーヘキサ25B(商
標;日本油脂株式会社製) (6)軟化剤成分(d):ダイアナプロセスオイル P
W−90(商標;出光興産株式会社製) (7)低比重パラフィン成分(e):ネオチオゾール
(商標;三光化学株式会社製)、比重0.761 (8)パーオキサイド分解型ポリプロピレン成分
(f):PP−BC8(商標;日本ポリケム株式会社
製)、結晶化度:Tm166℃、△Hm82mJ/m
g、MFR1.8g/10分 (9)炭酸カルシウム成分(g):NS400(商標;
三共精粉株式会社製) (10)架橋助剤成分(h):NKエステル3G(商
標;新中村化学株式会社製) (11)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラク
トン系複合酸化防止剤成分(i):HP2215(商
標;チバスペシャリティケミカルズ社製)
二軸押出機に投入して、混練温度180℃、スクリュー
回転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化し
た。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を作
成し、夫々の試験に供した。評価結果を表1及び表2に
示す。
1〜6は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物であ
る。任意成分である成分(d)〜(h)の有無にかかわ
らず、いずれの熱可塑性エラストマー組成物も良好な性
状を示した。また、成分(a−2)のセプトン4077
の一部、又は全部をタフテックP JT−90(旭化成
社製 スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重
合体、SBBS、スチレン含有量:30重量%、重量平
均分子量(Mw):110,000、数平均分子量(M
n):99,000、分子量分布:1.11)に置換し
ても同様に良好な結果が得られた。
合量を本発明の範囲外にしたものである。成分(b)が
少ないと、静摩擦係数は低くなり、グリップ性が損なわ
れる。成分(b)が多いと、成形性が損なわれる。比較
例3及び4は、成分(c)の配合量を本発明の範囲外に
したものである。成分(c)が少ないと、架橋が十分に
行われず、耐熱性、成形性が十分でなく、成分(c)が
多いと、架橋が進み過ぎて、グリップ性が損なわれる。
は、押出成形性、射出成形性、単層および多層成形品の
耐ブリード性、耐熱変形性、塗装板やガラス板等とのグ
リップ性に優れる自動車の内外装部材、建築パッキン用
部材、家電パッキン用部材に使用できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 (a)(a−1)芳香族ビニル化合物を
主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくと
も1個とからなるブロック共重合体、(a−2)(a−
1)を水素添加して得られる水添ブロック共重合体、及
び(a−3)オレフィン系共重合体ゴムからなる群から
選ばれる少なくとも一種のエラストマー100重量部、
(b)非晶質ポリオレフィン0.1〜250重量部、及
び(c)有機過酸化物0.01〜1.20重量部を含有
する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物。 - 【請求項2】 (d)非芳香族系ゴム用軟化剤1〜10
0重量部を更に含む請求項1に記載の熱可塑性エラスト
マー組成物。 - 【請求項3】 (e)低比重パラフィン1〜100重量
部を更に含む請求項1又は2に記載の熱可塑性エラスト
マー組成物。 - 【請求項4】 (f)パーオキサイド分解型オレフィン
系樹脂1〜100重量部を更に含む請求項1〜3のいず
れか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項5】 (g)無機充填剤1〜200重量部を更
に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エ
ラストマー組成物。 - 【請求項6】 (h)エステル系架橋助剤1〜45重量
部を更に含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可
塑性エラストマー組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱
可塑性エラストマー組成物を成形加工してなる自動車内
外装部材、建築パッキン用部材又は家電パッキン用部
材。
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2002
- 2002-02-22 JP JP2002045722A patent/JP3984072B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPWO2005090466A1 (ja) * | 2004-03-17 | 2008-01-31 | 三井化学株式会社 | 樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
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