JP2002322309A - ポリ乳酸系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸系樹脂発泡体及びその製造方法

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JP2002322309A
JP2002322309A JP2001129303A JP2001129303A JP2002322309A JP 2002322309 A JP2002322309 A JP 2002322309A JP 2001129303 A JP2001129303 A JP 2001129303A JP 2001129303 A JP2001129303 A JP 2001129303A JP 2002322309 A JP2002322309 A JP 2002322309A
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polylactic acid
foam
resin
pas
melt viscosity
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JP2001129303A
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Naoyuki Futamura
直行 二村
Tsuneo Doi
恒雄 土井
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ乳酸系樹脂を押し出し発泡させることに
より、均一微細に発泡し、とくに高倍率に発泡した良質
のポリ乳酸系樹脂発泡体で、しかも独立気泡率の高い発
泡体を得ようとする。 【解決手段】 溶融粘度が75℃においては1.0×1
8 から3.0×106PaSの範囲内にあり、100
℃においては1.0×106 から3.0×105PaS
の範囲内にある非晶性のポリ乳酸系樹脂を選んで用い、
発泡剤として炭化水素と二酸化炭素とを用いて、押し出
し発泡させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリ乳酸系樹脂発泡
体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸系樹脂は生分解し易い樹脂とし
て知られている。すなわち、ポリ乳酸系樹脂は、例えば
これを地下に埋めておくと、1年足らずの間に自然に分
解されて、主として水と二酸化炭素のような無害なもの
となる、と云われている。このために、ポリ乳酸系樹脂
は、従来のプラスチックのようにいつまでもゴミとなっ
て残ることがなく、従って環境を汚染しない樹脂とし
て、近頃俄かに脚光を浴びるに至っている。
【0003】乳酸は、まれにβ−ヒドロキシプロピオン
酸を意味することもあるが、普通はα−ヒドロキシプロ
ピオン酸を指すものとされる。α−ヒドロキシプロピオ
ン酸は、分子中に不斉炭素原子を含んでいるために、光
学的活性を示し、従ってこの酸にはD−体、L−体及び
ラセミ体(D、L−体)の3種のものが存在する。従っ
てこの酸を重合させて得られたポリ乳酸は、これら3種
のものの混合割合と、重合方法などの相違によって色々
と性質の異なったものとなる。事実、ポリ乳酸には結晶
性のものから非晶性のものまで、大きく性質の異なった
色々のものがある。
【0004】ポリ乳酸は、商業的にはまだ試作段階にあ
って、市場では簡単に入手できない。現時点では、試供
品として入手できるが、その試供品の物性は明らかにさ
れていないことが多く、その製造方法に至っては全く判
らない状態である。
【0005】ポリ乳酸は、溶融時の張力が低いために、
発泡させにくい樹脂である、とされている。従って、ポ
リ乳酸の発泡方法については、これを記載しているもの
が少ない。特開2000−7815号公報はポリ乳酸を
発泡させ易くするために、ポリ乳酸に増粘剤を加え、こ
れを押し出し発泡させて発泡体とすることを提案してい
る。この公報は増粘剤としては色々な有機化合物が使用
できると説明しているが、実施例ではホウ酸のような無
機物が使用されているだけで、どのような溶融粘度にす
べきかについては全く説明していない。また、この公報
は発泡剤として色々な有機化合物が使用できると説明し
ているが、実施例では二酸化炭素が使用されているに過
ぎない。なお、実施例では17−22倍に発泡させるこ
とができたと記載しているが、増粘剤と発泡剤に上述の
ものを使用したのでは、20倍近くに発泡させることは
極めて困難である。
【0006】また、特開2000−7816号公報は、
ポリ乳酸を発泡させ易くするために、ポリ乳酸に無機フ
ィラーと発泡助剤とを加えて、押し出し発泡させること
を提案している。無機フィラーとしては、シリカ、ゼオ
ライト等色々なものが使用できると説明され、発泡助剤
としてはステアリン酸カルシウムのような金属石鹸が使
用できると説明されており、さらに発泡剤としては色々
な有機物が使用できると説明されているが、実施例では
無機フィラーとしてタルク、発泡助剤としてステアリン
酸カルシウム又はモンタン酸カルシウム、発泡剤として
二酸化炭素が使用されているに過ぎない。従って、実施
例で得られた発泡体は発泡倍率が5.8〜6.4倍とい
う低いものにとどまっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来法では上述のよう
にポリ乳酸を高倍率に容易に発泡させることが困難であ
った。そこで、この発明は、上述のような従来技術の欠
点を改良して、ポリ乳酸を押し出し発泡させることによ
り、均一微細に発泡し、特に独立気泡率が高く高倍率に
発泡した良質のポリ乳酸発泡体を容易且つ確実に得られ
る方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題解決のための手段】この発明者は、上述の課題を
解決するために、色々なポリ乳酸を押出機に入れ、押出
機内で種々の発泡剤を圧入し、色々な押出条件の下で押
し出し発泡を行い、発泡剤及び押出条件の関係を総合的
に検討した。その結果、ポリ乳酸を高倍率に確実にしか
も容易に発泡させるためには、ポリ乳酸の溶融粘度を或
る範囲内にあるように維持することが、何よりも肝要で
あることに気付いた。
【0009】ポリ乳酸の製造業者は、自己の製造したポ
リ乳酸について僅かながら物性を公開している。その公
開している物性は、ポリ乳酸が結晶性のものであるか非
晶性のものであるかの区別と、引張り強度や曲げ強度、
密度等の機械的物性の数値が主であって、ポリ乳酸の熱
的特性、とくに融点や溶融粘度については全く公表され
ていない。そのため、この発明者は各社の製品について
溶融粘度を測定した。その結果、結晶性のポリ乳酸は、
非晶性のポリ乳酸に比べると、結晶融点近くで急激に溶
融して粘度を低下させるので、押し出し発泡させるには
適していないことを見出した。
【0010】そこで、非晶性のポリ乳酸について、さら
に溶融特性を検討した。その結果、非晶性のポリ乳酸
は、ガラス転移点が約50〜65℃の間にあるので、非
晶性のポリ乳酸を押し出し発泡させるには、約75℃と
100℃との間の溶融粘度が肝要であることを見出し
た。
【0011】そこで、さらに各種の非晶性ポリ乳酸につ
いて押出試験を行い、ポリ乳酸の温度を最低75℃、最
高100℃にして、その中間温度におけるポリ乳酸の溶
融粘度を測定し、発泡に適したポリ乳酸の溶融粘度の特
定に努めた。その結果、ポリ乳酸は、その溶融粘度と温
度との関係曲線が特定の範囲内にあるときに押出発泡が
容易となることを見出した。
【0012】ここで、特定の関係とは、横軸に摂氏で表
わした温度を取り、縦軸にパスカル・秒(PaS)で表
わしたポリ乳酸の溶融粘度を取って、溶融粘度曲線を作
ったとき、溶融粘度曲線が図1において斜線部分A内に
存在しなければならない、という関係である。斜線部分
Aは、溶融粘度が75℃において1.0×108 PaS
から3.0×106 PaSの範囲内にあり、100℃に
おいて1.0×106PaSから3.0×105 PaS
の範囲内にあるものを示している。
【0013】また、ポリ乳酸の粘度は、通常、温度の上
昇と共に低下するから、上述のように75℃と100℃
とにおける溶融粘度を規定しておけば、75℃と100
℃との間の中間温度における溶融粘度は、両端温度の最
高値を結ぶ線と最低値を結ぶ線との間に存在することを
確認した。
【0014】また、上述の関係は、ポリ乳酸だけに限ら
ず、乳酸の共重合体についても云えることである。ここ
で、乳酸の共重合体とは、乳酸と乳酸以外の脂肪族ヒド
ロキシカルボン酸との共重合体を指している。
【0015】ところで、現時点におけるポリ乳酸の試供
品には、その溶融粘度が図1の斜線部分A内に入るよう
なものは殆どない。殆どの試供品は、斜線部分A内に入
るものよりも遥かに高い粘度を持っている。このこと
は、特開2000−7815号及び2000−7816
号公報によって明らかである。なぜならば、これら公報
の実施例では、シリンダー温度を170−180℃と
し、Tダイ温度を140℃というような高い温度に保持
して、押し出し発泡を行っているからである。
【0016】従って、この発明が、図1に示した斜線部
分A内に溶融粘度曲線を持つ非晶性のポリ乳酸系樹脂を
選んで用い、これを押し出し発泡させることは、これま
でになされなかったことである。
【0017】さらに、この発明者は、上述のように斜線
部分A内に入る溶融粘度曲線を持ったポリ乳酸系樹脂を
押し出し発泡させる場合に、発泡剤としてブタンのよう
な炭化水素と二酸化炭素との混合物を用いると、それぞ
れを単独で用いた場合よりも、またその他の発泡剤を用
いた場合よりも、独立気泡率の高い高倍率に発泡した良
質の発泡体を容易且つ確実に得ることができることを見
出した。この発明は、このような知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0018】この発明は、溶融粘度が75℃においては
1.0×108 から3.0×106PaSの範囲内にあ
り、100℃においては1.0×106 から3.0×1
5PaSの範囲内にある非晶性のポリ乳酸系樹脂を押
出機内で溶融し、これに発泡剤として炭化水素と二酸化
炭素を圧入し、押出発泡を行うことを特徴とする、ポリ
乳酸系樹脂発泡体の製造方法を提供するものである。
【0019】ポリ乳酸系樹脂は前述のように発泡させに
くい樹脂であるから、この樹脂を均一に発泡させること
は困難であり、ましてやこの樹脂を気泡が微細になるよ
うに発泡させることは一層困難である。ところが、この
発明方法によって得られたポリ乳酸系樹脂発泡体は、
0.1〜0.5mmの範囲内の揃った気泡を持ったもの
であり、従って、均一微細に発泡した良質の発泡体であ
るだけでなく、さらに高倍率に発泡して30〜90kg
/m3 というような低密度を持ったものとすることもで
き、また、とくに独立気泡率が50%以上、とりわけ8
5%以上というような高いものであることをこの発明者
は見出した。
【0020】従って、この発明は、溶融粘度が75℃に
おいては、1.0×108 から3.0×106 PaSの
範囲内にあり、100℃においては、1.0×106
ら3.0×105 PaSの範囲内にある非晶性のポリ乳
酸系樹脂を押し出し発泡させて得られた、均一微細に発
泡したポリ乳酸系樹脂発泡体を提供するものである。さ
らに、この発明は、上記発泡体のうちでも、高倍率に発
泡して密度が30〜90kg/m3 というような低い値
であって、しかも独立気泡率が50%以上という高い値
を持った、特異な発泡体を提供するものである。
【0021】この発明方法では溶融粘度を次のような方
法によって測定した。測定には溶融伸張流動測定装置
(東洋精機社製、メルテンレオメータ)を用いた。ま
た、測定用試料には直径8.5mm、高さ180mmの
円柱形に成形したものを用いた。その試料を75℃と1
00℃のオイルバスに10分間浸漬して、試料全体が均
一の温度になったことを確認してから、歪み速度を0.
1S- 1 にして引っ張り始めてから1秒後における伸張
粘度を溶融粘度とした。また、気泡径はASTMD−2
842−69に準拠して測定した。
【0022】この発明では、樹脂の溶融粘度曲線が図1
の斜線部分A内に入るような非晶性のポリ乳酸系樹脂を
選んで用い、押出機内で溶融した樹脂に炭化水素と二酸
化炭素を圧入することが肝要であって、あとは押し出し
時の樹脂温度を75〜100℃、好ましくは80〜95
℃の範囲内に保って、押し出し発泡を行う。そのほか、
発泡させ易くするために、種々の発泡核剤や発泡助剤を
添加してもよいことは、従来の樹脂の押し出し発泡と同
じである。
【0023】この発明で、発泡剤として炭化水素と二酸
化炭素との混合物を用いるのは、その混合物を用いる
と、ポリ乳酸系樹脂を均一微細に発泡させ易いだけでな
く、得られた発泡体が独立気泡率の高い高倍率に発泡し
たものとなり、強度が大きく断熱性の良好なものとなる
からである。炭化水素としては、エタン、プロパン、ブ
タン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、石
油エーテル等の脂肪族炭化水素を用いるのが適してい
る。これらの炭化水素は、単独でもポリ乳酸系樹脂を発
泡させる能力を持っているが、炭化水素の単独使用によ
り得られた発泡体は独立気泡率の低いものとなり、従っ
て気泡の連通し合った通気性のあるものとなる。このた
めに得られた発泡体は、熱絶縁性が低く機械的強度の弱
いものとなる。ところが、炭化水素と二酸化炭素を発泡
剤として使用すると、得られた発泡体が独立気泡率が高
く断熱性に富み、強度の大きいものとなる。
【0024】この発明で発泡剤として用いる炭化水素
は、上述のエタン、プロパン等の単独でもよいが、エタ
ン、プロパン等の混合物であってもよい。炭化水素のう
ちでは、ブタンがとくに好ましい。なお、この発明で
は、発泡剤として炭化水素と二酸化炭素に、さらに塩化
メチル、塩化エチル等のハロゲン化脂肪族炭化水素や窒
素等を少量添加したものを用いることができる。
【0025】また、この場合、発泡剤中で炭化水素と二
酸化炭素との占める割合は、それぞれ90〜50重量%
及び10〜50重量%であることが好ましい。さらに好
ましい割合は90〜70重量%及び10〜30重量%で
ある。その理由は、発泡剤がこのような割合で炭化水素
と二酸化炭素とを含んでいると、押し出し発泡後の樹脂
の収縮が少なくて、発泡が容易となるだけでなく、二酸
化炭素により金型内で発泡することが防がれて得られた
発泡体に空洞が生成しなくなり、独立気泡率が高くな
り、従って発泡体が熱絶縁性と機械的強度の向上したも
のとなるからである。
【0026】発泡核剤としては、発泡の核となるような
公知の無機又は有機物質の微粉を加えることができる。
無機物としては、例えばタルク、シリカ等を用いること
ができる。また、発泡助剤としては、ステアリン酸カル
シウム等の金属石鹸を加えて押し出し発泡を円滑に行わ
せることができる。そのほか、目的に応じて着色剤、酸
化防止剤等を加えることもできる。
【0027】
【発明の効果】この発明方法によれば、溶融粘度曲線が
図1の斜線部分A内にあるような溶融粘度を持った非晶
性のポリ乳酸系樹脂を用いるので、云いかえると溶融粘
度が75℃においては1.0×108 から3.0×10
6 PaSの範囲内にあり、100℃においては1.0×
106 から3.0×105 PaSの範囲内にある樹脂を
用いるので、これを押出機内で75〜100℃、好まし
くは80〜95℃の温度で押し出し発泡させると、ポリ
乳酸系樹脂は発泡に適した溶融粘度を持つことになる。
従って、この発明方法によれば、高倍率に発泡した良質
のポリ乳酸系樹脂発泡体を容易且つ確実に得ることがで
きる。また、発泡剤として炭化水素と二酸化炭素との混
合物を使用するので押し出し発泡が容易となるだけでな
く、得られた発泡体が均一微細に発泡し、独立気泡率の
大きいものとなり、従って熱絶縁性がよく機械的強度の
大きいものとなる。この点で、この発明方法は大きな利
益を与える。
【0028】この発明で得られるポリ乳酸系樹脂発泡体
は、均一微細に発泡していることが特徴である。均一微
細に発泡するとは、平均気泡径が0.1〜0.5mmの
範囲内の揃った気泡を持ったものである。とくに0.1
5〜0.25mmの範囲内のものであることが好まし
い。また、この発泡体は、密度が30〜90kg/
3、とくに40〜60kg/m3 という低い密度で一
様に揃ったものとなり、独立気泡率が50%以上、とく
に85%以上の高いものとなる。従って、この発泡体は
熱伝導率が0.03W/mk以下、とくに0.027W
/mk以下の低いものとなる。しかも、この発泡体は、
厚みが数拾mm、幅が数百mmの大きなものとして得ら
れる。従って、この発泡体は色々な用途に用いることが
できる。
【0029】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発
明方法の詳細を説明する。なお、実施例と比較例中で
は、得られた発泡体について独立気泡率と連続気泡率と
を測定したが、これらの測定は、以下に述べるように、
ASTM D−2856−70に準拠して行ったもので
ある。すなわち、まず、発泡体の表皮部分を除いて、発
泡体を25mm角に切断した試験片5個を用意した。測
定装置としては、空気比較式比重計1000型(東京サ
イエンス社製)を使用した。次いで、ASTMD−28
56−70に準拠して試験片の独立気泡率と連続気泡率
とを測定し、得られた値を平均してそれぞれの値とし
た。
【0030】また、熱伝導率を測定したが、それは、J
IS A 1412に準拠して測定した。すなわち、発
泡体の製造日から2か月経過したものを厚さ25mm、
長さ200mm、幅200mmに切断して試験片とし、
この試験片を通過する熱流量を2枚の平板熱流計で測定
し、そのときの試験片の温度差を測定した。得られた熱
流量と温度差から求めた値を熱伝導率とした。
【0031】
【実施例1】樹脂としては、75℃における溶融粘度が
1.0×107PaSで、100℃における溶融粘度が
6.0×105 PaSであるように調整した非晶性のポ
リ乳酸を用いた。この樹脂はガラス転移点が53℃であ
った。この樹脂100重量部にハイドロセロールCF
(ベーリンガー社製)0.3重量部を加え、得られた混
合物をタンデム押出機(口径50−60mm)に供給し
た。第1の押出機内で樹脂を溶融混錬するとともに、発
泡剤としてはブタンが5.0重量部、二酸化炭素が1.
0重量部で、発泡剤中のブタンの占める割合が83.3
重量%、発泡剤中の二酸化炭素の占める割合が16.7
重量%となっているものを圧入し、これを第2の押出機
に送り、第2の押出機内で樹脂温を84℃まで冷却し
て、スリット2mm、幅90mmの口金から圧力12M
Paの下に押し出し発泡させた。
【0032】得られた発泡体は、気泡径が平均約0.2
0mmで均一微細に発泡して、密度が41.2kg/m
3 、厚み28mm、幅215mmの良好なものであっ
た。また、この発泡体は連続気泡率が低く6.4%であ
り、独立気泡率は90.5%であった。また、熱伝導率
は0.0262W/mkであった。
【0033】
【実施例2】樹脂としては、75℃における溶融粘度が
1.0×107 PaSで、100℃における溶融粘度が
6.0×105 PaSである非晶性ポリ乳酸を用いた。
この樹脂はガラス転移点が53℃であった。この樹脂1
00部にブタンが3.8重量部と二酸化炭素が2重量部
で、発泡剤中のブタンの占める割合が65.5重量%、
発泡剤中の二酸化炭素の占める割合が34.5重量%と
なっているものを圧入し、樹脂温度87℃で押し出すこ
ととした以外は、実施例1と全く同様に実施して押し出
し発泡させた。
【0034】得られた発泡体は、気泡径が平均0.18
mmで均一微細に発泡して、密度が44.3kg/m
3 、厚み27mm、幅220mmの良好なものであっ
た。また、この発泡体の連続気泡率は5.9%で、独立
気泡率は91.2%であった。また、熱伝導率は0.0
258W/mkであった。
【0035】
【実施例3】樹脂としては、75℃における溶融粘度が
1.0×107 PaSであり、100℃における溶融粘
度が6.0×105 PaSである非晶性ポリ乳酸を用い
た。この樹脂はガラス転移点が53℃であった。この樹
脂100部にブタンが3.0重量部と二酸化炭素が2.
5重量部で、発泡剤中のブタンの占める割合が54.5
重量%、発泡剤中の二酸化炭素の占める割合が45.5
重量%となっているものを圧入し、これを90℃で押し
出すこととした以外は、実施例1と全く同様にして、押
し出し発泡させた。
【0036】得られた発泡体は、気泡径が0.15mm
で均一微細に発泡しており、密度が47.1kg/m
3 、厚み26mm、幅222mmの良好なものであっ
た。また、この発泡体の連続気泡率は5.5%で、独立
気泡率は91.5%であり、熱伝導率は0.0255W
/mkであった。
【0037】
【実施例4】樹脂としては、75℃における溶融粘度が
3.0×107 PaSであり、100℃における溶融粘
度が9.0×105 PaSである非晶性ポリ乳酸を用い
た。この樹脂はガラス転移点が54℃であった。この樹
脂100重量部にブタンが5.0重量部と二酸化炭素が
1.0重量部で、発泡剤中のブタンの占める割合が8
3.3重量%、発泡剤中の二酸化炭素の占める割合が1
6.7重量%となっているものを圧入し、これを90℃
で押し出すこととした以外は、実施例1と全く同様にし
て、押し出し発泡させた。
【0038】得られた発泡体は気泡径が0.23mmで
均一微細に発泡しており、密度が44.0kg/m3
厚み28mm、幅214mmの良好なものであった。ま
た、この発泡体の連続気泡率は6.7%で、独立気泡率
は89.9%であり、熱伝導率は0.0265W/mk
であった。
【0039】
【比較例1】樹脂としては、75℃における溶融粘度が
7.0×108 PaSであり、100℃における溶融粘
度が2.0×106 PaSである非晶性ポリ乳酸を用い
た。この樹脂のガラス転移点は55℃であった。この樹
脂100重量部にブタン6.5重量部を圧入し、樹脂温
度を78℃にして押し出すこととした以外は実施例1と
全く同様にして押し出し発泡させた。
【0040】この方法では、押し出した樹脂が発泡後に
収縮して、密度が122kg/m3となり、非常に重く
良好な発泡体は得られなかった。
【0041】
【比較例2】樹脂としては、75℃における溶融粘度が
3.0×107 PaSであり、100℃における溶融粘
度が9.0×105 PaSである非晶性ポリ乳酸を用い
た。この樹脂のガラス転移点は53℃であった。この樹
脂100重量部に二酸化炭素4.5重量部を圧入し、樹
脂温度を98℃にして押し出すこととした以外は実施例
1と全く同様にして押し出し発泡させた。
【0042】得られた発泡体は、内部に空洞が発生して
良好な発泡体にはならなかった。
【0043】
【比較例3】樹脂として、75℃における溶融粘度が
7.0×108 PaSであり、100℃における溶融粘
度が2.0×106 PaSの非晶性ポリ乳酸を用いた。
この樹脂のガラス転移点は53℃であった。この樹脂1
00重量部にブタンを5.0重量部と二酸化炭素を1.
0重量部圧入し、樹脂温度を101℃にして押し出すこ
ととした以外は、実施例1と全く同様にして押し出し発
泡させた。
【0044】得られた発泡体は形状が一定でなく、密度
もバラツキが大きく良好なものではなかった。
【0045】
【比較例4】樹脂として、75℃における溶融粘度が
8.0×105 PaSであり、100℃における溶融粘
度が1.0×105 PaSの非晶性ポリ乳酸を用いた。
この樹脂のガラス転移点は53℃であった。この樹脂1
00重量部にブタン5.0重量部と二酸化炭素を1.0
重量部とを圧入し、樹脂温度を78℃にして押し出すこ
ととした以外は、実施例1と全く同様にして押し出し発
泡させた。
【0046】得られた発泡体は形状が一定でなく、密度
もバラツキが大きく良好なものではなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明において用いるに適した樹脂の溶融粘
度曲線の範囲を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA68 BA32 BA35 CA22 CB51 CC03Y CC04Y CC22Y CC32Y CC53Y DA12 DA24 DA59 4F207 AA24C AB02 AB20 AG20 KA01 KA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融粘度が75℃においては1.0×1
    8 から3.0×106 PaSの範囲内にあり、100
    ℃においては1.0×106 から3.0×105 PaS
    の範囲内にある非晶性のポリ乳酸系樹脂を押出機内で溶
    融し、これに発泡剤として炭化水素と二酸化炭素を圧入
    し、押出発泡を行うことを特徴とする、ポリ乳酸系樹脂
    発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡剤中に炭化水素と二酸化炭素との占
    める割合が、それぞれ90〜50重量%及び10〜50
    重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のポリ
    乳酸系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 押出機から押し出す時の樹脂温度を75
    〜100℃の範囲内の温度とすることを特徴とする、請
    求項1又は2に記載のポリ乳酸系樹脂発泡体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 溶融粘度が75℃においては1.0×1
    8 から3.0×106 PaSの範囲内にあり、100
    ℃においては1.0×106 から3.0×105 PaS
    の範囲内にある非晶性のポリ乳酸系樹脂を押出機内で溶
    融し、これに発泡剤として炭化水素と二酸化炭素を圧入
    し、押し出し発泡させて得られた独立気泡率が50%以
    上で密度が30〜90kg/m3 であることを特徴とす
    る、ポリ乳酸系樹脂発泡体。
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