JP2002320927A - 洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

洗浄方法及び洗浄装置

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JP2002320927A JP2001131517A JP2001131517A JP2002320927A JP 2002320927 A JP2002320927 A JP 2002320927A JP 2001131517 A JP2001131517 A JP 2001131517A JP 2001131517 A JP2001131517 A JP 2001131517A JP 2002320927 A JP2002320927 A JP 2002320927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄対象物の表面に付着した微粒子状の汚染
物を充分に洗浄除去することができ、かつ短時間で大量
の洗浄対象物を処理することができる洗浄方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 複数の洗浄対象物が配置される複数のト
レー28と、複数のトレー28を収容する洗浄槽10
と、洗浄槽10内を減圧する減圧排気系12と、洗浄槽
10内に収容された複数のトレー28上の複数の洗浄対
象物に向けて洗浄液をシャワー状に噴出するシャワーヘ
ッド・アレー24とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料が混合された
ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂等か
ら射出成形された成形品等の、微粒子状の物質が表面に
付着した洗浄対象物の洗浄方法及び洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、あらゆる工業製品において、AB
S樹脂などの樹脂を射出成形してできた部品が使用され
るに至っている。そして、それら製品の外観に現れる部
品表面には、塗装による色付け等の各種の表面処理が施
されてから需要者に提供されている。
【0003】樹脂からなる射出成形品の製造工程では、
一般に、成形後の塗装色などを考慮して、成形材料とな
る樹脂に所定の色彩を有する顔料を混合することが行わ
れている。このため、射出成形直後の成形品の表面に
は、成形材料の樹脂に混合した顔料の微粒子が多く付着
している場合がある。また、汚染管理の不十分な大気中
に成形品を放置しておくと、大気中の微粒子等の汚染物
が、静電気によって成形品の表面に多く付着してしま
う。また、成形機の潤滑油などの油性汚染物も付着しう
る。
【0004】上述のように成形品の表面に付着した顔料
の微粒子等は、その後の塗装等の表面処理の仕上がりに
大きな影響を及ぼす。したがって、成形品の表面に塗装
等の表面処理を施す前には、表面に付着した顔料の微粒
子や大気中からの汚染物を洗浄除去する必要があった。
【0005】従来、樹脂からなる成形品の表面を洗浄す
る方法としては、洗浄すべき面を表に向けて配置した成
形品に対して洗浄液をシャワー状に噴出するという方法
が一般的に用いられていた。そして、洗浄の作業効率を
向上すべく、大量の成形品をベルトコンベアーで流し
て、順次洗浄液をシャワー状に噴出するするという方法
もとられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
上述した成形品の洗浄は、洗浄後の乾燥も含めて大気中
で行われていた。このような開放系での洗浄では、使用
済みの洗浄液を充分に回収して再利用することが困難で
あった。このことは、洗浄処理コストの低減を妨げる一
つの要因となっていた。
【0007】さらに、使用済みの洗浄液の再利用は、洗
浄液の排出による環境への悪影響を低減する上でも必要
不可欠である。しかし、従来の開放系での洗浄は、洗浄
液の環境への漏出を完全に防止することが困難であり、
環境への影響という観点からも望ましいものとはいえな
かった。
【0008】また、大気中での洗浄液のシャワーだけで
は、成形品の表面に付着した顔料や微粒子などの汚染物
を完全に除去することは困難であった。この結果、成形
品の表面に残存した顔料や微粒子状の汚染物が、その後
の塗装の仕上がりに悪影響を及ぼす場合があった。この
ように、従来の洗浄方法では、洗浄処理として充分なも
のとはいえない場合があった。
【0009】また、従来の洗浄工程では、成形品の洗浄
すべき表面に洗浄液が行き渡るように、ベルトコンベア
ー上に成形品それぞれを並べる必要があり、この作業に
は、人的労力を要していた。このため、短時間に大量の
成形品を洗浄することが困難であった。
【0010】本発明の目的は、洗浄対象物の表面に付着
した微粒子状の汚染物を充分に洗浄除去することがで
き、かつ短時間で大量の洗浄対象物を処理することがで
きる洗浄方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、洗浄対象物
に付着した微粒子状の物質を洗浄液により除去する洗浄
方法であって、複数のトレーのそれぞれに複数の洗浄対
象物を配置し、前記複数のトレーを洗浄槽内に収容し、
前記複数のトレーを収容した前記洗浄槽内を減圧し、減
圧した前記洗浄槽内で、前記複数のトレー上の前記洗浄
対象物に向けて洗浄液をシャワー状に噴出し、前記複数
の洗浄対象物をシャワー洗浄することを特徴とする洗浄
方法により達成される。
【0012】また、上記の洗浄方法において、前記複数
の洗浄対象物をシャワー洗浄した後、洗浄蒸気を前記洗
浄槽内に導入して前記複数の洗浄対象物を蒸気洗浄する
ようにしてもよい。
【0013】また、上記の洗浄方法において、前記複数
の洗浄対象物を蒸気洗浄した後、前記洗浄槽内を減圧し
て前記複数の洗浄対象物を乾燥するようにしてもよい。
【0014】また、上記の洗浄方法において、前記洗浄
液は、沸点150℃〜230℃の炭化水素を主成分とす
るものであってもよい。
【0015】また、上記目的は、複数の洗浄対象物が配
置される複数のトレーと、前記複数のトレーを収容する
洗浄槽と、前記洗浄槽内を減圧する減圧手段と、前記洗
浄槽内に収容された前記複数のトレー上の前記複数の洗
浄対象物に向けて洗浄液をシャワー状に噴出する洗浄液
噴出手段とを有することを特徴とする洗浄装置により達
成される。
【0016】また、上記の洗浄装置において、前記洗浄
槽内に導入する洗浄蒸気を発生する蒸気発生手段を更に
有するようにしてもよい。また、上記減圧手段が、洗浄
蒸気を回収する手段を更に有するようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態による洗浄方
法及び洗浄装置について図1乃至図5を用いて説明す
る。図1は、本実施形態による洗浄装置の構成を示すブ
ロック図、図2は、トレーへの洗浄対象物の配置を示す
上面図、図3は、搬送台車にトレーを収容したときの状
態を示す概略図、図4は、シャワー洗浄時のシャワーヘ
ッド・アレーと搬送台車との位置関係を示す概略図、図
5は、洗浄方法の洗浄工程を示す図である。
【0018】〔1〕洗浄装置 まず、本実施形態による洗浄装置の全体構成について図
1を用いて説明する。
【0019】本実施形態による洗浄装置は、図1に示す
ように、洗浄対象物の洗浄が行われる洗浄槽10と、洗
浄槽10内を減圧する減圧排気系12と、洗浄槽10内
に洗浄液を供給する洗浄液供給系14と、洗浄液を加熱
して洗浄蒸気を発生する蒸気発生装置16と、洗浄力の
低下した洗浄液を蒸留して再生する再生装置18とから
構成されている。
【0020】洗浄槽10は、シャワー洗浄領域20と蒸
気洗浄領域22とを有している。シャワー洗浄領域20
には、洗浄液をシャワー状に噴出する複数のシャワーヘ
ッド23からなるシャワーヘッド・アレー24が設けら
れている。蒸気洗浄領域22には、洗浄蒸気を発生する
蒸気発生装置16が配管26aを介して接続されてい
る。
【0021】洗浄槽10には、複数のトレー28が重ね
られた状態で搭載された搬送台車30が収容されてい
る。各トレー28には、洗浄対象物(図示せず)が配置
されている。洗浄槽10の蒸気洗浄領域22側には、搬
送台車30を洗浄槽10内に搬入するための搬送台車用
ドア32が設けられている。搬送台車30は、洗浄槽1
0底部に設けられたコンベアー34上に載置されてお
り、シャワー洗浄領域20或いは蒸気洗浄領域22に移
動することができる。
【0022】洗浄槽10のシャワーヘッド・アレー24
には、配管26bを介して、洗浄液を各シャワーヘッド
23に供給する洗浄液供給系14が接続されている。配
管26bのシャワーヘッド・アレー24側には、シャワ
ーヘッド・アレー24への洗浄液の供給を制御するバル
ブ38bが設けられている。また、配管26bの洗浄液
供給系14側には、洗浄液中の汚染物を除去するフィル
タ36a、36bとが設けられている。
【0023】また、配管26bのバルブ38bとシャワ
ーヘッド・アレー24との間には、洗浄対象物等に対し
てエアーブローを行うための空気が導入される配管26
cが接続されている。配管26cには、導入する空気か
ら微粒子等の汚染物を除去するエアーフィルタ40と、
空気の流量を制御するバルブ38cとが設けられてい
る。
【0024】洗浄液供給系14は、洗浄液を貯蔵する洗
浄液槽42と、洗浄液槽42の洗浄液を配管26bに供
給するための循環ポンプ44とから構成されている。
【0025】洗浄液槽42は、第1の洗浄液を貯蔵する
第1の洗浄液槽46と、第2の洗浄液を貯蔵する第2の
洗浄液槽48とから構成されている。第1の洗浄液槽4
6及び第2の洗浄液槽48は、それぞれ配管26d、2
6eを介して配管26fに接続されている。配管26
d、26eには、それぞれ第1及び第2の洗浄液の流量
を制御するバルブ38d、38eが設けられている。配
管26fは、循環ポンプ44に接続されている。循環ポ
ンプ44は、シャワーヘッド・アレー24に接続する配
管26bに接続されている。
【0026】第1の洗浄液槽46と洗浄槽10とは、配
管26nを介して接続されており、洗浄時に洗浄槽10
底部に溜まった洗浄液を第1の洗浄液槽46に排液する
ことができる。配管26nには、洗浄液の流量を制御す
るバルブ38nが設けられている。
【0027】また、第1の洗浄液槽46には、第1の洗
浄液の一部を取り出して蒸留再生する再生装置18が配
管26gを介して接続されている。再生装置18は、第
2の洗浄液槽48に配管26hを介して接続されてお
り、再生した洗浄液を第2の洗浄液槽48に戻すことが
できる。
【0028】また、配管26bのフィルタ36bとバル
ブ38bとの間からは、第1の洗浄液槽46に接続する
配管26oが分岐している。配管26oには、洗浄液の
流量を制御するバルブ38oが設けられている。
【0029】蒸気発生装置16には、配管26bのフィ
ルタ36aとフィルタ36bとの間から分岐した配管2
6iによって洗浄液供給系14が接続されている。配管
26iには、蒸気発生装置16への洗浄液の供給を制御
するバルブ38iが設けられている。また、蒸気発生装
置16は、配管26jを介して第1の洗浄液槽46に接
続されている。配管26jを通して蒸気発生装置16に
供給された洗浄液のうち余剰分を第1の洗浄液槽46に
戻すことができる。配管26jには、第1の洗浄液槽4
6への洗浄液の流量を制御するバルブ38jが設けられ
ている。
【0030】洗浄槽10と減圧排気系12とは、配管2
6kを介して接続されている。配管26kには、排気を
制御するためのバルブ38kが設けられている。また、
洗浄槽10には、減圧排気系12によって減圧された状
態を復圧するための気体を導入するガスボンベ50が配
管26lを介して接続されている。配管26lには、ガ
スボンベ50からの気体の流量を制御するバルブ38l
が設けられている。
【0031】減圧排気系12は、洗浄槽10からの排気
中に含まれる洗浄蒸気を冷却して洗浄液を回収する冷却
装置52と、洗浄槽10内を減圧する真空ポンプ54と
から構成されている。冷却装置52は、第1の洗浄液槽
46に配管26mを介して接続されており、回収した洗
浄液を第1の洗浄液槽46に戻すことができる。配管2
6mには、第1の洗浄液槽46への洗浄液の流量を制御
するバルブ38mが設けられている。
【0032】次に、本実施形態による洗浄装置の洗浄対
象物及び各構成部材について図1乃至図4を用いて詳述
する。
【0033】(a)洗浄対象物 本実施形態による洗浄装置の洗浄対象物は、顔料が混合
されたプラスチック樹脂からの射出成形品である。そし
て、本実施形態による洗浄装置は、射出成形品の表面に
付着した顔料等の微粒子状の汚染物、さらには油性の汚
染物を除去することを目的とする。
【0034】洗浄の際には、図2に示すように、複数の
洗浄対象物56が、洗浄面を表にしてトレー28上に配
置される。そして、洗浄対象物56が配置された複数の
トレー28が、以下に述べる搬送台車30によって洗浄
槽10内に導入される。
【0035】(b)搬送台車30 搬送台車30は、洗浄対象物56が配置された複数のト
レー28を洗浄槽10内に導入するためのものである。
【0036】図3(a)は、トレー28を搭載した搬送
台車30の正面断面図、図3(b)は、図3(a)のX
−X′線の断面図である。搬送台車30には、図3に示
すように、洗浄対象物56が配置されたトレー28が載
置されるトレー搭載板58が、所定の間隔を空けて複数
設けられている。各トレー搭載板58は、図3(b)に
示すように、水平面から傾斜した状態となっている。各
トレー搭載板58には、洗浄対象物56が配置された複
数のトレー28が重ねられた状態で載置される。
【0037】なお、トレー28の底部には、所定の配置
で開口部分が設けられており、重ねられた各トレー28
上の洗浄対象物56に洗浄液及び洗浄蒸気が行き渡るよ
うになっている。
【0038】搬送台車30は、図3に示すように、洗浄
対象物56が配置された複数のトレー28を搭載した状
態で、洗浄槽10の搬送台車用ドア32から洗浄槽10
内に搬入される。
【0039】搬送台車30の側壁59の各トレー搭載板
58間の位置には、シャワーヘッド・アレー24が各ト
レー搭載板58の間に入り込むための間隙(図示せず)
が設けられている。
【0040】(c)洗浄槽10 洗浄槽10は、シャワー洗浄領域20と蒸気洗浄領域2
2とを有しており、それぞれの領域で、洗浄対象物56
のシャワー洗浄、蒸気洗浄が行われる。洗浄槽10の構
造は、減圧することができるものとなっており、洗浄槽
10内を減圧した状態でそれぞれの洗浄を行うことがで
きる。
【0041】洗浄槽10の蒸気洗浄領域22側には、搬
送台車用ドア32が設けられており、ここから搬送用台
車30が洗浄槽10内に導入される。搬送台車用ドア3
2の部分も気密性を保つことができる構造となってい
る。
【0042】洗浄槽10内に導入された搬送台車30
は、洗浄槽10の底部に設けられたコンベアー34上に
載置される。コンベアー34は、洗浄工程に応じて、搬
送台車30をシャワー洗浄領域20又は蒸気洗浄領域2
2に移動する。
【0043】シャワー洗浄領域20のシャワーヘッド・
アレー24は、複数のシャワーヘッド23が、一定間隔
で格子状に配列された状態で、それぞれが配管によって
接続されたものである。洗浄液供給系14からシャワー
ヘッド・アレー24に供給された洗浄液は、各シャワー
ヘッド23に供給される。各シャワーヘッド23は、供
給された洗浄液をシャワー状に噴出する。
【0044】シャワー洗浄時には、コンベアー34によ
って搬送台車30がシャワーヘッド・アレー24が設け
られているシャワー洗浄領域20に移動される。図4
(a)は、搬送台車30がシャワー洗浄領域20に移動
したときの様子を示す正面断面図、図4(b)は、図4
(a)のX−X′線断面図である。図示するように、シ
ャワーヘッド・アレー24の各シャワーヘッド23が、
搬送台車30の側壁59の間隙から各トレー搭載板58
の間に入り込む。そして、各シャワーヘッド23は、各
トレー搭載板58上に積層されたトレー28に対向す
る。この状態で、各シャワーヘッド23から重ねられた
トレー28に向けて、洗浄液供給系14から供給された
洗浄液がシャワー状に噴出される。各トレー28には、
所定の配置で開口部分が設けられている。したがって、
重ねられた各トレー28上の洗浄対象物56にシャワー
ヘッド23から噴出された洗浄液が充分に行き渡る。こ
うして洗浄対象物56がシャワー洗浄される。
【0045】また、シャワーヘッド・アレー24の各シ
ャワーヘッド23は、配管26cから導入された空気
を、各トレー搭載板58上に重ねられたトレー28に向
けて噴出する。このようなエアーブローを行うことによ
り、シャワーヘッド23や洗浄対象物56の表面等に残
存している洗浄液を吹き飛ばすことができ、乾燥時間を
短縮することができる。
【0046】洗浄槽10の蒸気洗浄領域22には、蒸気
発生装置16が接続されている。蒸気洗浄時には、コン
ベアー34によって搬送台車30が蒸気洗浄領域22に
移動される。そして、蒸気発生装置16により発生した
洗浄蒸気が蒸気洗浄領域22に導入される。こうして洗
浄対象物56が蒸気洗浄される。
【0047】なお、洗浄蒸気を、蒸気洗浄領域22に均
等に行き渡るように導入することが望ましい。このため
には、例えば、洗浄槽10の蒸気洗浄領域22の側壁近
傍に所定の間隔で開口部を有する配管(図示せず)を所
定の間隔で複数本設ける。そして、これら開口部を有す
る配管を、蒸気発生装置16に接続する配管26aに接
続する。こうして、それぞれの配管の開口部から洗浄蒸
気を導入することにより、蒸気洗浄領域22に均等に洗
浄蒸気を行き渡らせることができる。
【0048】また、洗浄槽10には、例えばスチームジ
ャケット35のような洗浄槽10を加熱する手段が設け
られている。これにより必要に応じて、洗浄槽10内を
所望の温度に加熱した状態で、洗浄対象物56のシャワ
ー洗浄及び/又は蒸気洗浄を行うことができる。また、
洗浄槽10内を加熱した状態で、洗浄対象物56を乾燥
することもできる。なお、樹脂製の洗浄対象物56が変
形することがないように、加熱温度を設定する必要があ
る。
【0049】また、洗浄槽10の底部には、配管26n
を介して第1の洗浄液槽46が接続されており、洗浄時
に洗浄槽10底部に溜まった洗浄液を第1の洗浄液槽4
6に排液することができる。これにより、洗浄液を再利
用することができる。なお、配管26には、洗浄対象物
56から除去された微粒子状の汚染物を、第1の洗浄液
槽46に排液する洗浄液から除去するストレーナー等を
設けることが望ましい。
【0050】洗浄槽10に配管26lを介して接続され
たガスボンベ50には、窒素などの清浄な気体が圧縮さ
れて封入されている。洗浄開始前及び搬送台車30搬入
時に、ガスボンベ50から清浄な気体を導入し洗浄槽1
0内の気体を置換する。これにより、大気中からの汚染
物の洗浄対象物56への付着を抑制することができる。
また、洗浄槽10の真空破壊時、搬送台車30の搬出作
業時においても同様に、ガスボンベ50から洗浄槽10
に清浄な気体を導入する。
【0051】(d)洗浄液供給系14(洗浄液槽42、
循環ポンプ44)、フィルタ36a、36b 洗浄液槽42は、シャワー洗浄及び蒸気洗浄に用いる洗
浄液を貯蔵するものである。洗浄液槽42は、仕切板4
5によって、第1の洗浄液槽46と第2の洗浄液槽48
とに分割されている。第1の洗浄液槽46には、第1の
洗浄液が貯蔵されている。第2の洗浄液槽48には、第
2の洗浄液が貯蔵されている。
【0052】第1の洗浄液と第2の洗浄液には、実質的
に同じ組成の洗浄液を使用する。これらの洗浄液として
は、例えば沸点150℃〜230℃の炭化水素系溶剤を
用いることができる。他の成分を20重量%まで含んで
いてもよい。また、使用する洗浄液は、洗浄対象物56
の乾燥に要する時間を短縮するために、低い沸点を有す
るものであることが望ましい。
【0053】さらに、樹脂製の洗浄対象物56を冒すこ
とがないように、洗浄対象物56の材質に応じて洗浄液
の種類を選択する必要がある。
【0054】本実施形態による洗浄装置では、まず、第
1の洗浄液によりシャワー洗浄を行う。次いで、第2の
洗浄液によるシャワー洗浄によって、洗浄対象物56を
リンスする。したがって、第2の洗浄液は、第1の洗浄
液よりも清浄に保たれている。
【0055】また、第1の洗浄液槽46には、洗浄槽1
0の底部に溜まった洗浄液や、減圧排気系12の冷却装
置52によって回収された洗浄液が排液される。これに
より、洗浄液を無駄なく再利用することができる。
【0056】さらに、第1の洗浄液は、後述する再生装
置18により蒸留再生することができる。再生装置18
により蒸留再生された洗浄液は、第2の洗浄液槽48に
注液され、第2の洗浄液として使用される。第2の洗浄
液槽48の第2の洗浄液の液量が一定量を超えると、仕
切板45を超えて第1の洗浄液槽46にオーバーフロー
するようになっている。これにより、第1の洗浄液槽4
6の洗浄液が補充される。
【0057】循環ポンプ44は、洗浄液槽42の洗浄液
をシャワーヘッド・アレー24や蒸気発生装置16に供
給するものである。
【0058】配管26bに設けられたフィルタ36a、
36bは、配管26b内を通過する洗浄液中の微粒子状
の汚染物を除去するものである。これにより、シャワー
ヘッド・アレー24等に供給する洗浄液を清浄化するこ
とができる。
【0059】また、第1の洗浄液槽46中の第1の洗浄
液をフィルタ36a、36bを通過させた後、配管26
oを介して第1の洗浄液槽46に戻すことができる。こ
のようにフィルタ36a、36bを通過するように第1
の洗浄液槽46中の第1の洗浄液を循環することによ
り、第1の洗浄液を清浄化することができる。
【0060】なお、フィルタ36a、36bの除去可能
な汚染物のサイズの限界値を大小違うものに設定するこ
とが望ましい。例えば、フィルタ36aの除去可能な汚
染物のサイズの限界値を10μmとし、フィルタ36b
の除去可能な汚染物のサイズの限界値を0.5μmと設
定する。
【0061】(e)蒸気発生装置16 蒸気発生装置16は、第1の洗浄液槽46から配管26
d、26f、26b及び配管26bから分岐した配管2
6iを介して供給される第1の洗浄液を加熱して洗浄蒸
気を発生する。発生した洗浄蒸気は、配管26aを介し
て洗浄槽10の蒸気洗浄領域22に導入される。蒸気洗
浄により、トレー28上の各洗浄対象物56に均一に熱
を伝達することができ、その後の減圧乾燥により各洗浄
対象物56を均一に乾燥することができる。
【0062】蒸気発生装置16への第1の洗浄液の供給
は、バルブ38iの開閉により制御する。なお、低温で
洗浄蒸気が発生することができるように、蒸気発生装置
16内を減圧状態にすることが望ましい。
【0063】また、蒸気発生装置16に供給された第1
の洗浄液の余剰分は、配管26jを介して第1の洗浄液
槽46に戻すことができる。
【0064】(f)再生装置18 再生装置18は、配管26gを介して第1の洗浄液槽4
6から第1の洗浄液の一部を取り出し蒸留再生するもの
である。再生装置18は、フィルタ36a、36bでは
除去することができない汚染物を第1の洗浄液から除去
するのに特に有効である。
【0065】再生装置18により蒸留再生された洗浄液
は、第2の洗浄液として配管26hを介して第2の洗浄
液槽48に注液される。再生装置18による蒸留再生の
際の残滓は、回収・廃棄される。
【0066】なお、再生装置18による蒸留再生の効率
を向上するために、使用する洗浄液は、その沸点範囲が
狭いことが望ましい。例えば、洗浄液の5%留出温度と
95%留出温度との差が5℃以下であることが望まし
い。
【0067】(g)減圧排気系12(真空ポンプ54、
冷却装置52) 真空ポンプ54は、洗浄槽10内を減圧することができ
る。配管26kに設けられたバルブ38kを開閉するこ
とにより、真空ポンプ54による洗浄槽10内の減圧を
制御することができる。
【0068】冷却器52は、真空ポンプ54による洗浄
槽10内からの排気中に含まれる洗浄蒸気を冷却して洗
浄液として捕集・回収するものである。冷却器52によ
り回収された洗浄液は、配管26mを介して第1の洗浄
液槽46に排液することが可能である。
【0069】本実施形態による洗浄装置は、真空ポンプ
54によって洗浄槽10内を減圧した状態で、シャワー
洗浄及び蒸気洗浄を行うことに主たる特徴がある。洗浄
槽10内を減圧することによって洗浄対象物56の表面
に付着した汚染物が剥離しやすくなり、より高い洗浄効
果を得ることができる。また、このように洗浄性が高い
ので、トレー28が重ねられた状態であっても、各トレ
ー28上に配置された洗浄対象物56を充分洗浄するこ
とができる。
【0070】〔2〕洗浄方法 次に、本実施形態による洗浄方法について図1乃至図5
を用いて説明する。図5には、各洗浄工程におけるバル
ブの開閉など、洗浄装置の状態が示されている。
【0071】洗浄に先立ち、洗浄装置の全てのバルブが
閉まっていることを確認しておく。
【0072】(洗浄準備:洗浄対象物56のトレー28
への配置)まず、図2に示すように、顔料が混合された
樹脂からなる射出成形品の洗浄対象物56を洗浄すべき
面を表にしてトレー28上に配置する。
【0073】次いで、図3に示すように、洗浄対象物5
6を配置した複数のトレー28を重ねた状態で搬送台車
30の各トレー搭載板58上に載置する。
【0074】(工程1:搬送台車30の搬入)次いで、
トレー28を搭載した搬送台車30を、洗浄槽10の搬
送台車用ドア32から洗浄槽10内に搬入し、洗浄槽1
0底部のコンベアー34上に搭載する。このとき、搬送
台車30は洗浄槽10の蒸気洗浄領域22に配置された
後、コンベアー34によりシャワー洗浄領域20に配置
される。
【0075】また、洗浄槽10内への搬送台車30の搬
入と同時又はそれ以前に、配管26bに設けられたフィ
ルタ36a、36bによる第1の洗浄液のクリーニング
を開始する。バルブ38d、38oを開け、循環ポンプ
44の運転を開始する。これにより、第1の洗浄液槽4
6の第1の洗浄液は、配管26bに設けられたフィルタ
36a、36bを通過する。フィルタ36a、36bを
通過した第1の洗浄液は、配管26oを介して再び第1
の洗浄液槽46に注液される。こうして第1の洗浄液が
配管26d、26f、26b、26oを循環することに
より、フィルタ36a、36bによって第1の洗浄液中
の粒子状の汚染物が除去される。
【0076】また、その後の工程における洗浄槽10内
の減圧のため、真空ポンプ54の運転も開始しておく。
【0077】(工程2:搬送台車30のシャワー洗浄領
域20への移動)次いで、コンベアー34により、搬送
台車30を、洗浄槽10の蒸気洗浄領域22からシャワ
ー洗浄領域20へと移動する。搬送台車30をシャワー
洗浄領域20移動した後、搬送台車用ドア32を閉めて
洗浄槽10を密閉する。
【0078】(工程3:洗浄槽10内の減圧)次いで、
配管26kのバルブ38kを開けて減圧排気系12の冷
却装置52及び真空ポンプ54の運転を開始し、洗浄槽
10内を減圧する。洗浄槽10内が所望の真空度に到達
した後、バルブ38kを閉めて洗浄槽10内の減圧を終
了する。
【0079】このように、洗浄液によるシャワー洗浄を
する前に洗浄槽10内を減圧することにより、静電気着
火のおそれなく、低沸点の炭化水素系の洗浄液をシャワ
ー洗浄に用いることが可能となる。
【0080】(工程4:シャワー洗浄)次いで、第1の
洗浄液によるシャワー洗浄を行う。まず、配管26oの
バルブ38oを閉め、第1の洗浄液の配管26d、26
f、26b、26oの循環を停止する。続いて、バルブ
38bを開けてシャワーヘッド・アレー24に第1の洗
浄液を供給する。シャワーヘッド・アレー24に供給さ
れた第1の洗浄液は、各シャワーヘッド23から、搬送
台車30に搭載されたトレー28に向けてシャワー状に
噴出する。こうして所望の時間第1の洗浄液のシャワー
によって、重ねられた各トレー28上の洗浄対象物56
を洗浄する。
【0081】シャワー洗浄時には、洗浄槽10と第1の
洗浄液槽46を接続する配管26nのバルブ38nを開
ける。これにより、洗浄槽10の底部に溜まった洗浄液
を第1の洗浄液槽46に排液する。なお、第1の洗浄液
槽46の液量等に応じて、洗浄槽10から第1の洗浄液
槽46への排液を、バルブ38nの開閉により適宜調整
する必要がある。
【0082】上述のように、本実施形態による洗浄方法
は、減圧した状態でシャワー洗浄することに特徴があ
る。減圧することにより、洗浄対象物56の表面に付着
した顔料や微粒子等の汚染物が剥離しやすくなり、シャ
ワー状に噴出した洗浄液により容易に除去することが可
能となる。このように洗浄性が高いので、トレー28が
重ねられた状態であっても、各トレー28に配置された
洗浄対象物56を充分に洗浄することができる。
【0083】また、各トレー搭載板58が傾斜している
ので、シャワーヘッド23から噴出した洗浄液は、各ト
レー搭載板58を伝って搬送台車30の一方側から洗浄
槽10の底部に流れ落ちる。これにより、汚れた洗浄液
が上段のトレー搭載板58から下段のものに滴下するこ
とがなく、汚れた洗浄液による洗浄対象物56の再汚染
を防止することができる。
【0084】(工程5:リンス洗浄)第1の洗浄液によ
るシャワー洗浄の終了後、第1の洗浄液よりも清浄な第
2の洗浄液のシャワーによって洗浄対象物56をリンス
洗浄する。まず、バルブ38dを閉じて第1の洗浄液の
シャワーヘッド・アレー24への供給を停止する。次い
で、バルブ38eを開けて第2の洗浄液をシャワーヘッ
ド・アレー24に供給する。供給された第2の洗浄液
は、各シャワーヘッド23から、搬送台車30に搭載さ
れた各トレー28に向けてシャワー状に噴出する。こう
して所望の時間第2の洗浄液のシャワーによって、重ね
られた各トレー28上の洗浄対象物56をリンス洗浄す
る。
【0085】リンス洗浄の終了後、バルブ38b、38
eを閉じてシャワーヘッド・アレー24への第2の洗浄
液の供給を停止する。次いで、バルブ38d、38oを
開け、フィルタ36a、36bによる第1の洗浄液のク
リーニングを再開する。
【0086】(工程6:エアーブロー)次いで、配管2
6cのバルブ38cを開け、大気中からエアーフィルタ
40を介してシャワーヘッド・アレー24に空気を供給
する。配管26cから供給された空気は、各シャワーヘ
ッド23から、搬送台車30に搭載されたトレー28に
向けて噴出する。これにより、シャワーヘッド23や洗
浄対象物56、トレー28等に残存している洗浄液が吹
き飛ばされる。このとき同時に、洗浄槽10のコンベア
ー34によって搬送台車30を蒸気洗浄領域22へ移動
し、搬送台車30に搭載されたトレー28の全体にエア
ーブローを行う。洗浄対象物56等に残存している洗浄
液を吹き飛ばすことにより、その後の乾燥工程に要する
時間を短縮することができる。
【0087】所望の時間の経過後、バルブ38cを閉じ
てシャワーヘッド・アレー24への空気の供給を停止す
る。こうしてエアーブローを終了する。
【0088】(工程7:洗浄槽10内の再減圧)次い
で、配管26kのバルブ38kを開け、エアーブローに
より真空度の低下した洗浄槽10内を、再び真空ポンプ
54により所望の真空度まで減圧した後、バルブ38k
を閉める。
【0089】(工程8:蒸気洗浄)次いで、配管26b
から分岐した配管26iのバルブ38iを開け、配管2
6d、26f、26b、26oを循環している第1の洗
浄液の一部を蒸気発生装置16に供給する。そして、蒸
気発生装置16によって第1の洗浄液を加熱し、洗浄蒸
気を発生する。発生した洗浄蒸気は、洗浄槽10内が真
空ポンプ54により減圧されているため、配管26aを
介して洗浄槽10の蒸気洗浄領域22に導入される。な
お、バルブ38jを適宜開けて蒸気発生装置16におけ
る第1の洗浄液の余剰分を第1の洗浄液槽46に排液す
る。
【0090】こうして、洗浄蒸気によって、重ねられた
各トレー28上の洗浄対象物56を洗浄する。
【0091】蒸気洗浄時には、バルブ38nを開けて蒸
気洗浄時に洗浄槽10の底部に溜まった洗浄液を第1の
洗浄液槽46に排液する。また、減圧排気系12の冷却
装置52と第1の洗浄液槽46とを接続する配管26m
のバルブ38mを開ける。これにより、洗浄槽10の排
気中から冷却回収された洗浄液を第1の洗浄液槽46に
排液する。なお、第1の洗浄液槽46の第1の洗浄液の
液量等に応じて、洗浄槽10及び冷却装置52から第1
の洗浄液槽46への洗浄液の排液を適宜調整する必要が
ある。
【0092】所望の洗浄時間の経過後、バルブ38iを
閉じて蒸気発生装置16への第1の洗浄液の供給を停止
し、洗浄蒸気の発生を停止して洗浄対象物56の蒸気洗
浄を終了し、同時にバルブ38jを閉じる。また、バル
ブ38nを閉じて、洗浄槽10から第1の洗浄液槽46
への排液を停止する。
【0093】なお、上述のようにシャワー洗浄後に移動
して蒸気洗浄を行うのは、シャワーヘッド23に残存し
ている洗浄液が滴下して洗浄対象物56にシミができる
のを防止するためである。
【0094】(工程9:減圧乾燥)蒸気洗浄終了後、バ
ルブ38kを開き、引き続き真空ポンプ54により洗浄
槽10内を減圧した状態に保ったまま、洗浄対象物5
6、トレー28、搬送台車30を乾燥する。この減圧乾
燥により、大気中で乾燥を行う場合に比べて乾燥に要す
る時間を短縮することができる。さらに、減圧乾燥と低
沸点の洗浄液の使用とを組み合わせることにより、乾燥
時間をさらに短縮することができる。また、難乾燥性の
洗浄液を用いた場合でも、洗浄対象物56等を迅速に乾
燥することができる。また、スチームジャケット35等
の加熱手段により、洗浄槽10を加熱して乾燥を促進し
てもよい。
【0095】洗浄対象物56等の減圧乾燥終了後、バル
ブ38kを閉め、冷却装置52及び真空ポンプ54の運
転をアイドル状態とし、洗浄槽10内の減圧を終了す
る。
【0096】(工程10:洗浄槽10内の復圧)次い
で、バルブ38lを開いてガスボンベ50から洗浄槽1
0内に清浄気体を導入し、洗浄槽10内を大気圧に戻
す。
【0097】(工程11:搬送台車30の搬出・洗浄対
象物56の回収)次いで、洗浄槽10の搬送台車用ドア
32を開放し、搬送台車30を洗浄槽10内から搬出す
る。続いて、搬送台車30からトレー28を取り出し、
トレー28上の洗浄対象物56を回収する。
【0098】洗浄装置では、継続運転をしない場合に
は、バルブ38d、バルブ38oを順次閉め、第1の洗
浄液の配管26d、26f、26b、26oの循環を停
止する。そして、循環ポンプ44の運転を停止する。ま
た、真空ポンプ54の運転を停止する。
【0099】こうして、洗浄対象物56の洗浄を終了す
る。
【0100】(再生装置18による洗浄液の蒸留再生)
本実施形態による洗浄方法においては、洗浄液を再利用
すべく、洗浄槽10底部に溜まった洗浄液を第1の洗浄
液槽46に排液している。したがって、第1の洗浄液槽
46の第1の洗浄液は、洗浄装置を運転していくうちに
汚れていく。このため、洗浄装置の運転中に、配管26
d、26f、26b、26oに第1の洗浄液を循環し、
フィルタ36a、36bによって清浄化している。この
ようなフィルタ36a、36bによる清浄化と同時に或
いは独立に、再生装置18によって第1の洗浄液を蒸留
再生することも可能である。この場合、洗浄力の低下し
た第1の洗浄液の一部を配管26gを介して再生装置1
8に導入して蒸留再生する。蒸留再生した洗浄液は、配
管26hを介して第2の洗浄液槽48に戻し、第2の洗
浄液として再利用する。再生装置18による洗浄液の蒸
留再生の際に生じた残滓は回収・廃棄する。なお、洗浄
装置の運転中のみならず、アイドリング中にも再生装置
18を運転し、第1の洗浄液を蒸留再生することもでき
る。
【0101】このように、本実施形態によれば、減圧状
態の洗浄槽10内で、シャワー洗浄及び蒸気洗浄を行う
ので、洗浄対象物56の表面に付着した顔料等の微粒子
状の物質や油性の汚染物を充分に洗浄除去することがで
きる。このように洗浄力が高いので、洗浄対象物56を
配置したトレー28を重ねた状態であっても、各トレー
28上の洗浄対象物56を充分洗浄することができ、短
時間に大量の洗浄対象物56を処理することができる。
【0102】[変形実施形態]本発明の上記実施形態に
限らず種々の変形が可能である。
【0103】例えば、上記実施形態では、洗浄対象物と
して射出成形品の表面に付着した顔料等の微粒子状の汚
染物を洗浄除去していたが、洗浄対象物はこれに限定さ
れる物ではない。例えば、セラミック分散強化のダイキ
ャストのように固形の微粒子を含んだ洗浄対象物の表面
に付着した微粒子状の物質を洗浄除去することに本発明
を適用することができる。
【0104】また、上記実施形態では、洗浄対象物56
をトレー28上に配置し、そのトレー28を重ねた状態
で搬送台車30に搭載して洗浄槽10に収容していた
が、洗浄対象物を洗浄槽10内に収容する方法はこれに
限定されるものではない。洗浄対象物の大きさ、形状な
どに応じて適宜洗浄槽10内への収容方法を選択するこ
とができる。
【0105】また、上記実施形態では、実質的に同じ組
成の洗浄液である第1及び第2の洗浄液を用いてシャワ
ー洗浄、リンス洗浄、蒸気洗浄を行っていたが、さらに
別の種類の洗浄液を用いたシャワー洗浄等の工程を追加
してもよい。
【0106】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、複数のト
レーのそれぞれに複数の洗浄対象物を配置し、複数のト
レーを洗浄槽内に収容し、複数のトレーを収容した洗浄
槽内を減圧し、減圧した前記洗浄槽内で、複数のトレー
上の洗浄対象物に向けて洗浄液をシャワー状に噴出し、
複数の洗浄対象物をシャワー洗浄するので、洗浄対象物
の表面に付着した微粒子状の汚染物や油性の汚染物を充
分に洗浄除去することができ、かつ短時間で大量の洗浄
対象物を処理することができる。また、密閉構造の洗浄
槽を用いるため、充分な洗浄液の回収が可能となり、洗
浄液の使用量を低減でき、かつ環境への影響も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による洗浄装置の構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による洗浄装置においてト
レーに洗浄対象物を配置した様子を示す上面図である。
【図3】本発明の一実施形態による洗浄装置において搬
送台車にトレーを収容したときの状態を示す概略図であ
る。
【図4】本発明の一実施形態による洗浄装置によるシャ
ワー洗浄時のシャワーヘッド・アレーと搬送台車との位
置関係を示す概略図である。
【図5】本発明の一実施形態による洗浄方法の洗浄工程
を示す図である。
【符号の説明】
10…洗浄槽 12…減圧排気系 14…洗浄液供給系 16…蒸気発生装置 18…再生装置 20…シャワー洗浄領域 22…蒸気洗浄領域 23…シャワーヘッド 24…シャワーヘッド・アレー 26a、26b、26c、26d、26e、26f、2
6g26h、26i、26j、26k、26l、26
m、26n、26o…配管 28…トレー 30…搬送台車 32…搬送台車用ドア 34…コンベアー 35…スチームジャケット 36a、36b…フィルタ 38b、38c、38d、38e、38i、38j、3
8k、38l、38m、38n、38o…バルブ 40…エアーフィルタ 42…洗浄液槽 44…循環ポンプ 45…仕切板 46…第1の洗浄液槽 48…第2の洗浄液槽 50…ガスボンベ 52…冷却装置 54…真空ポンプ 56…洗浄対象物 58…トレー搭載板
フロントページの続き (72)発明者 石岡 智浩 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 日陽 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 久野 博史 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 日陽 エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3B201 AA46 AB02 AB43 BB02 BB12 BB21 BB82 CD22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄対象物に付着した微粒子状の物質を
    洗浄液により除去する洗浄方法であって、 複数のトレーのそれぞれに複数の洗浄対象物を配置し、 前記複数のトレーを洗浄槽内に収容し、 前記複数のトレーを収容した前記洗浄槽内を減圧し、 減圧した前記洗浄槽内で、前記複数のトレー上の前記洗
    浄対象物に向けて洗浄液をシャワー状に噴出し、前記複
    数の洗浄対象物をシャワー洗浄することを特徴とする洗
    浄方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の洗浄方法において、 前記複数の洗浄対象物をシャワー洗浄した後、洗浄蒸気
    を前記洗浄槽内に導入して前記複数の洗浄対象物を蒸気
    洗浄することを特徴とする洗浄方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の洗浄方法において、 前記複数の洗浄対象物を蒸気洗浄した後、前記洗浄槽内
    を減圧して前記複数の洗浄対象物を乾燥することを特徴
    とする洗浄方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    洗浄方法において、前記洗浄液は、沸点150℃〜23
    0℃の炭化水素を主成分とするものであることを特徴と
    する洗浄方法。
  5. 【請求項5】 複数の洗浄対象物が配置される複数のト
    レーと、 前記複数のトレーを収容する洗浄槽と、 前記洗浄槽内を減圧する減圧手段と、 前記洗浄槽内に収容された前記複数のトレー上の前記複
    数の洗浄対象物に向けて洗浄液をシャワー状に噴出する
    洗浄液噴出手段とを有することを特徴とする洗浄装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の洗浄装置において、 前記洗浄槽内に導入する洗浄蒸気を発生する蒸気発生手
    段を更に有することを特徴とする洗浄装置。
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