JP2002317374A - 環縫いミシン - Google Patents

環縫いミシン

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JP2002317374A
JP2002317374A JP2001120033A JP2001120033A JP2002317374A JP 2002317374 A JP2002317374 A JP 2002317374A JP 2001120033 A JP2001120033 A JP 2001120033A JP 2001120033 A JP2001120033 A JP 2001120033A JP 2002317374 A JP2002317374 A JP 2002317374A
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Japan
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thread
looper
pulling
sewing machine
yarn
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JP2001120033A
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English (en)
Inventor
Ikuo Tajima
郁夫 田島
Satoru Suzuki
悟 鈴木
Yoichi Mizuguchi
洋一 水口
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Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫いに供されていた糸を所定の状態まで引き
降ろすための引き降し量に比べて、引き降し部材の作動
量を小さくする。 【解決手段】 鉤針の上下駆動に同期して回転駆動され
るルーパ30の下方に複数の糸が用意されているととも
に、これらの糸の一つを前記ルーパ30に対してその下
方から上方へ選択的に挿通させて環縫いを行う形式の環
縫いミシンであって、前記ルーパ30に挿通させた糸1
8を、該ルーパ30の下方へ引き降ろすことが可能な引
き降し部材86と、該引き降し部材86の作動量に対し
て糸18の引き降し量を増大させることができる増大手
段(例えば引き降し部材86の案内部分88および固定
部材94)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環縫いミシンに関
し、特に色や性状の異なる複数の糸を選択的に使用する
ことで多色縫いが可能な形式の環縫いミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の環縫いミシンについては、例え
ば特開平7−207568号公報に開示された技術が公
知である。この技術では、環縫いミシンにおけるルーパ
の下方に複数の糸が用意されているとともに、これらの
各糸は個々の引き降しアーム先端の孔にそれぞれ個別に
通されている。これらの各引き降しアームは、支持軸の
軸上で回転できるように支持されており、常時はスプリ
ング力によってミシンの前面側へ略水平な姿勢に倒され
ている。
【0003】そして縫いに供されている一本の糸につい
ては、それに対応する引き降しアームが略垂直に起立し
た姿勢に保持されているとともに、その糸の端末部が前
記ルーパに挿通されている。そして縫い糸を別の糸に交
換する場合、つまり色替えに際しては、縫いを終えた糸
の引き降しアームを前記の起立状態から倒すことによ
り、糸が引き下ろされてその端末部がルーパから下方へ
抜け出る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように色替えに際
しては、それまで縫いに供されていた糸を所定の量(長
さ)だけ引き降ろす必要があり、そのために前記の技術
では引き降しアームを起立した姿勢から約90度の回転角
度で倒している。しかし引き降しアームを大きく回転さ
せることは、スペースの面および駆動力の面で無駄であ
る。本発明は前記課題を解決しようとするもので、その
目的は、縫いに供されていた糸を所定の状態まで引き降
ろすための引き降し量に比べて、引き降し部材の作動量
を小さくすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するためのもので、請求項1に記載の発明は、鉤針の上
下駆動に同期して回転駆動されるルーパの下方に複数の
糸が用意されているとともに、これらの糸の一つを前記
ルーパに対してその下方から上方へ選択的に挿通させて
環縫いを行う形式の環縫いミシンであって、前記ルーパ
に挿通させた糸を、該ルーパの下方へ引き降ろすことが
可能な引き降し部材と、該引き降し部材の作動量に対し
て糸の引き降し量を増大させることができる増大手段と
を備えている。この構成によれば、環縫いミシンの色替
えに際し、それまで縫いに供されていた糸を所定の状
態、つまり少なくとも糸の端末部がルーパの下部から抜
け出た状態に引き降ろすのに必要な引き降し部材の作動
量が小さくて済む。
【0006】また前記の増大手段は、つぎのように構成
することが構造の簡素化といった面で好ましい。すなわ
ち増大手段が、前記引き降し部材において糸が挿通され
るように設けられた案内部分と、この案内部分の近くに
位置する固定部材とによって構成されている。そして前
記の引き降し部材が糸を引き降ろすように作動したと
き、前記の案内部分が前記固定部材に糸を引っかけた状
態で該固定部材から離れる方向へ移動するように設定さ
れている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は多頭式の環縫いミシンを表した正面図であ
る。この図面で示すように、ミシンテーブル10の上方
に位置するヘッドフレーム12には4個のミシンヘッド
14がミシンの幅方向(左右方向)に沿って設けられて
いる。またミシンテーブル10の下面側には、各ミシン
ヘッド14と対応する位置においてルーパ土台28がそ
れぞれ配置されている。これらの各ルーパ土台28の下
方には糸供給機構68および糸調子器110がそれぞれ
配置され、さらにミシンフレーム11の前面下部に設け
られている糸立て皿16の上面には、各糸調子器110
の下方においてそれぞれ複数個(各6個)の糸駒17が
立てられている。なお各ミシンヘッド14の下方におけ
る各糸駒17には個々に色や性状の異なる糸18が巻か
れていて、これらを選択的に使用して環縫いを行う。
【0008】図2は一つのミシンヘッド14における下
方の構造を拡大して表した正面図、図3は図2の平面
図、図4および図5は図2の縦断面図、図6は図4の一
部を拡大して表した断面図である。これらの図面から明
らかなように、前記ルーパ土台28は前記ミシンフレー
ム11にボルト止めにより組み付けられている。このル
ーパ土台28の上部には、前記ミシンテーブル10と面
一の針板22が位置している。この針板22にあけられ
ている針孔24に対し、前記ミシンヘッド14の駆動に
よって上下に作動する鈎針20が、その下降時に図4の
仮想線で示すように挿通される。
【0009】前記ルーパ土台28の前面に形成されてい
る支持部29には、ルーパ30が回転可能に、かつ上下
に一定ストロークで移動可能に支持されている。このル
ーパ30の外周部にはギヤ32が形成されているととも
に、該ルーパ30の下方部にはバネ受け34が設けられ
ている。このバネ受け34と前記支持部29との間で弾
性を発揮するバネ36により、ルーパ30は常に下方へ
付勢されている。またルーパ30は、前記鈎針20の挿
入可能に上部が開口した逃がし孔38と、糸18が通る
ように上下に貫通し、かつ上方部で屈曲したガイド孔3
9とを有する。
【0010】前記ルーパ土台28にはモーター40が固
定されており、このモーター40の駆動ギヤ42がルー
パ30の前記ギヤ32に噛み合っている。なおこれらの
ギヤ32,42は、ルーパ30が上下にストロークして
も互いの噛み合いが保たれるようになっている。前記ル
ーパ土台28にはもう一つのモーター44が固定されて
おり、その駆動軸にはピニオン46が固定されている。
このピニオン46は、ルーパ土台28に対して図3の矢
印方向へ進退動作できるように設けられたラック48と
噛み合っている。
【0011】前記ラック48の上面には動メス50が固
定され、該動メス50の上面には検出部材52が固定さ
れている。この検出部材52は、ルーパ土台28に固定
された近接スイッチ54に対応する前側および後側の検
出片52a,52bを備えている。またルーパ土台28
は固定メス56を備えており、該固定メス56と動メス
50とによって糸切りを行うことができる。固定メス5
6の下方には保持ブロック58が設けられていて、この
保持ブロック58と動メス50との間で糸18を挟持で
きるようになっている。なおルーパ土台28には、縫い
出し時において糸18が固定メス56と接触して切れる
のを防ぐために、該固定メス56の前方をカバーしたガ
ード59が設けられている。
【0012】図6からも明らかなように、ルーパ30の
下方にはエア供給部60が配置されている。このエア供
給部60は、ルーパ土台28に対して上下向きに固定さ
れた供給スリーブ62を備えている。供給スリーブ62
の上端部には排気スリーブ64が固定されており、下端
部には吸気スリーブ65が固定されている。上側に位置
する排気スリーブ64の上部開口は、前記ルーパ30に
おけるガイド孔39の下部開口と対向している。また下
側に位置する吸気スリーブ65の下部開口は、つぎに説
明する糸供給機構68の導管80が連通可能になってい
る。なお供給スリーブ62の内部においては、排気スリ
ーブ64の延長部分に吸気スリーブ65の延長部分が入
り込んで二重管になっている。
【0013】前記供給スリーブ62には、その前面側か
らノズル66が連結されており、図示しないエア供給源
から供給されるエアを供給スリーブ62の内部に噴出す
るようになっている。この噴出されたエアは排気スリー
ブ64の中に入り、その上部開口から前記ルーパ30の
ガイド孔39に噴出される。なお、このときのエアの流
れに伴い、排気スリーブ64の上部開口から噴出される
エアとほぼ同量のエアが吸気スリーブ65の下部開口か
ら吸入される。
【0014】前記エア供給部60の下方には糸供給機構
68が位置している。この糸供給機構68について説明
すると、まずスライドケース70がその背面に固定され
たスライダー72により、前記ミシンフレーム11の前
面部26に固定されたレール74に対して左右にスライ
ドできるように支持されている(図4,5)。またスラ
イドケース70は、そのスライド方向に関して一体的に
結合されたロッド76を通じて所定の駆動源(図示外)
によりスライド操作される。
【0015】前記スライドケース70には、そのスライ
ド方向に並んだ複数個(6個)の導管80が上下向きに
固定されている。各導管80は下部から上部へ糸18を
導くためのもので、その上端部はスライドケース70の
上面より突出してそこにゴム管82を被せている。この
ゴム管82は、前記吸気スリーブ65の下部開口に対し
てエア漏れのない状態で接合可能になっている。なおス
ライドケース70がスライド操作されたとき、前記ゴム
管82はその弾性変形によって吸気スリーブ65の下部
開口に対して外れたり、接合したりする。
【0016】前記スライドケース70にはシャフト84
が固定されており、このシャフト84の軸上には前記導
管80と同数(6個)の引き降し部材86が回転可能に
支持されている。各引き降し部材86の先端部は二股形
状をした一対の案内部分88になっており、両案内部分
88には上下方向へ糸18が通る糸通し孔88aがそれ
ぞれあけられている(図6)。また各引き降し部材86
は、シャフト84の軸上に設けられたそれぞれのトーシ
ョンバネ90によって回転方向の付勢力を受けている。
つまり引き降し部材86は、その案内部分88がミシン
前面の上方へ持ち上げられる回転方向へ付勢され、スラ
イドケース70に設けたストッパー92で受け止められ
て回転位置が規制されている(図4〜6の仮想線)。
【0017】前記スライドケース70には、引き降し部
材86がトーションバネ90の付勢力に抗して図4〜6
の実線位置に回転した状態において、両案内部分88の
間に位置する固定部材94が設けられている。これらの
案内部分88の糸通し孔88aに通されている糸18
は、図4〜6において固定部材94の右側、つまりトー
ションバネ90による引き降し部材86の回転方向とは
反対側に位置している。そこで引き降し部材86が図4
〜6の実線位置から仮想線の位置に回転すると、案内部
分88が固定部材94に糸18を引っかけた状態で該固
定部材94から離れることとなる。これによって引き降
し部材86の回転量に対し、後で説明する糸の引き降し
量を増大させることができる。
【0018】前記糸供給機構68の下方には糸保持機構
96が設けられている。この糸保持機構96について説
明すると、前記スライドケース70の下面にブロック9
8が固定されている。このブロック98の前面にベース
100が固定されているとともに、複数個(6個)のピ
ン102がブロック98およびベース100に対して前
後に移動できるように貫通している。各ピン102の前
方端には、ベース100の前面側において保持部材10
4が固定されている。また各ピン102は、ブロック9
8の内部に組み込まれたバネ106によって後方に付勢
されている。これによって前記保持部材104がベース
100に押し付けられて糸18を保持するようになって
いる。なおブロック98の下面には6個の糸孔を有する
糸道108が固定されている。
【0019】前記糸保持機構96の下方には糸調子器1
10が配置されている。この糸調子器110について説
明すると、ミシンフレーム11の前面部26に固定され
た糸調子ベース112の前面には、第1糸調子114お
よび第2糸調子116がそれぞれ6個ずつ設けられてい
る。両糸調子114,116の構造は、周知のように2
枚の皿がバネによって互いに押し付けられた状態に付勢
されている。そしてこれらの皿の間を糸18が通過する
ことにより、糸18に所定のテンションが付与される。
【0020】第1糸調子114は、糸調子ベース112
の背面側において前後動可能に設けられた糸緩めピン1
18の前進により、2枚の皿が離れて糸18に対するテ
ンションの付与が解放される。この糸緩めピン118
は、常には第1糸調子114における前記バネ力を受け
て後方に押しやられた位置に保持されている。また各第
1糸調子114に対応する個々の糸緩めピン118は連
結部材120で連結されており、その動作が一斉に行わ
れるようになっている。なお糸調子ベース112の前面
における糸調子114,116の上方には、6個の糸孔
を備えた糸道122が固定されている。
【0021】図7は糸供給機構68における背面部分の
機構を表した構成図である。この図7および前記の図
4,5から明らかなように、前記糸調子ベース112の
背面には第1支持プレート124と第2支持プレート1
25とがそれぞれ固定されている。第1支持プレート1
24には第1作動レバー126が回転可能に支持されて
おり(図4,7)、第2支持プレート125には第2作
動レバー127が回転可能に支持されている(図5,
7)。両作動レバー126,127の下方には、図示し
ないモータなどの駆動源によって回転駆動されるカム駆
動軸130が配置されている。このカム駆動軸130の
軸上には、両作動レバー126,127と対応するそれ
ぞれの位置において第1カム132および第2カム13
3が個々に固定されている。なお第2カム133の隣接
部位には糸緩めカム131が設けられている。
【0022】前記の第1作動レバー126は、その下側
腕の端部に設けられているコロ126aが前記第1カム
132の外周面に接触する方向へトーションバネ128
によって付勢されている(図4)。また第1作動レバー
126における上側腕の端部は二股状の係合部126b
になっており、この係合部126bは第1昇降部材13
4の係合ピン136に係合している。この第1昇降部材
134は、ミシンフレーム11の前面部26に対して上
下動作可能に支持されている。また第1昇降部材134
の上端部には、前記引き降し部材86の基端部に対して
選択的に当接する係合片138が設けられている。さら
に第1昇降部材134は、前記糸保持機構96のピン1
02に選択的に接触する解放部材140を備えている。
【0023】したがって第1カム132の回転に連動し
て第1作動レバー126が往復回転すると、それに伴っ
て第1昇降部材134が上下に作動する。この第1昇降
部材134が上方に作動すると、前記係合片138が一
つの引き降し部材86の基端部を持ち上げて該引き降し
部材86を図4〜6の実線位置に回転させる。同じく第
1昇降部材134が上方に作動することにより、前記解
放部材140が一つのピン102を前方に押し出し、そ
の保持部材104とベース100との間での糸保持を解
放させる。
【0024】前記の第2作動レバー127は、その下側
腕の端部に設けられているコロ127aが前記第2カム
133の外周面に接触する方向へトーションバネ129
によって付勢されている(図5)。また第2作動レバー
127における上側腕の端部は二股状の係合部127b
になっており、この係合部127bは第2昇降部材14
2の係合ピン144に係合している。この第2昇降部材
142は、ミシンフレーム11の前面部26に対して上
下動作可能に支持されている。また第2昇降部材142
の上方には、前記ルーパ土台28の前面に対して上下動
作可能に支持されたリフト部材146が位置している。
このリフト部材146の前面に固定されているリフトピ
ン148は、前記ルーパ30におけるバネ受け34の下
面に接触可能である。さらにリフト部材146の下端部
に軸で支持された糸切れ検出部材150は、前記ルーパ
土台28に固定された近接スイッチ152と対応する検
出部151を備えている(図7)。
【0025】そこで第2カム133の回転に連動して第
2作動レバー127が往復回転すると、それに伴って第
2昇降部材142が上下に作動する。この第2昇降部材
142がリフト部材146と共に上方へ作動すると、リ
フトピン148によってルーパ30(バネ受け34)が
前記バネ36の弾性に抗して持ち上げられる。また前記
の糸切れ検出部材150については、図8(a)で示す
ようにリフト部材146が下に位置しているときにはル
ーパ30の下部後方に退避しており、図8(b)で示す
ようにリフト部材146が上に位置しているときにはル
ーパ30の下部前方に倒れて糸18に支えられた状態に
なる。この状態で糸切れが生じると、糸切れ検出部材1
50が更に前方に倒れ、それに伴う検出部151の動き
を近接スイッチ152が感知してミシンを停止するとと
もに糸切れを知らせることが可能である。
【0026】なお前記の糸緩めカム131が回転するこ
とにより、前記第1糸調子114に対応している糸緩め
ピン118の連結部材120を前後に移動させる。そし
て前にも記載したように糸緩めピン118の前進によ
り、第1糸調子114の2枚の皿が離れて糸18に対す
るテンションの付与を解放することができる。
【0027】つぎに環縫いミシンの作用について説明す
る。まず縫い作業の準備としては、図1で示されている
糸駒17から供給される糸18を、糸調子器110、糸
道122,108、糸保持機構96および糸供給機構6
8にそれぞれ通す。この糸供給機構68においては前記
引き降し部材86における一対の案内部分88の糸通し
孔88aに対し、糸18を図4〜6において固定部材9
4の右側を通るように挿通させる。さらに糸18を前記
の導管80に通し、その糸端は導管80の上端付近に位
置させておく。
【0028】縫い糸の設定にあたっては、前記糸供給機
構68におけるスライドケース70を左右にスライドさ
せて所望の導管80(糸)が前記のエア供給部60と対
応した位置にくるようにする。このスライドケース70
のスライド時には、前記第1カム132の回転位置は図
9(a)の状態にあり、第2カム133および糸緩めカ
ム131の回転位置は図9(b)の状態にある。したが
ってルーパ30は下に位置し、糸供給機構68の各引き
降し部材86は図4〜6の仮想線で示すようにストッパ
ー92により受け止められた状態にある。また糸保持機
構96の保持部材104はベース100と接触して糸1
8を保持しているとともに、糸調子器110における第
1糸調子114の2枚の皿も互いに接触した状態となっ
ている。
【0029】前記のエア供給部60と対応した位置にあ
る導管80内の糸18をルーパ30に送るために、まず
前記のモーター44を駆動させて動メス50を図13
(a)の待機位置から図13(b)の位置まで前進させ
る。つぎにエア供給部60のノズル66から供給スリー
ブ62の内部にエアを噴出するとともに、カム駆動軸1
30の回転によって第1カム132を図10(a)の位
置に回転させる。これにより、所望の糸18に対応した
引き降し部材86が図4〜6の仮想線位置から実線位置
に回動するとともに、糸保持機構96の保持部材104
がベース100から離れて糸の保持が解放される。また
糸緩めカム131は図10(b)の位置に回転してお
り、糸調子器110における第1糸調子114の2枚の
皿も離れ、所望の糸18に対するテンション付与が解放
される。
【0030】これらのことから所望の糸18は引き降し
部材86における案内部分88の付近で大きく弛み、か
つその糸駒17から抵抗なく繰り出せる状態になる。し
たがってこの糸18は、エア供給部60を流れるエアに
よってルーパ30のガイド孔39に通され、その糸端が
図6で示すようにルーパ30の上側に抜け出る。ここで
動メス50が図13(b)の前進位置から図13(c)
の糸保持位置まで後退し、ルーパ30の上側に抜け出て
いる糸端を保持ブロック58の側に引き込み、この動メ
ス50と保持ブロック58との間で糸端が挟持される。
【0031】つづいてカム駆動軸130の回転により、
第1カム132を図11(a)の位置に回転させる。こ
の状態では、引き降し部材86は図4〜6の実線位置に
回動した状態のままであり、また糸保持機構96の保持
部材104もベース100から離れた糸保持の解放状態
のままである。一方、第2カム133および糸緩めカム
131は図11(b)の位置に回転している。これによ
ってルーパ30が図5の実線で示す上位置に押し上げら
れ、かつ糸調子器110における第1糸調子114の2
枚の皿が接触して所望の糸18に対するテンションの付
与状態になる。
【0032】この状態において環縫いを開始する。この
環縫いは、前記ミシンヘッド14の駆動による鈎針20
の上下動作と、前記モーター40の駆動によるルーパ3
0の回転とによって行われる。つまり鈎針20の下降に
よってルーパ30の逃がし孔38に挿入され、かつ該ル
ーパ30が回転することによって糸18が鉤針20に掛
けられる。そしてこの鉤針20の上昇によって糸18が
針板22の針孔24から上側へ引き上げられ、針板22
の上の布などに対して環縫いが行われる。
【0033】なお縫い出し時において、糸端は動メス5
0と保持ブロック58との間で挟持されているため、確
実にステッチを形成することができる。そして2、3針
縫ったところで、動メス50を図13(c)の糸保持位
置から図13(d)の解放位置へ少し前進させ、動メス
50と保持ブロック58との間で挟持していた糸を解放
する。
【0034】またループ縫いについては周知のように糸
テンションを弱くするために、第1カム132について
は図12(a)の位置に回転させ、第2カム133およ
び糸緩めカム131は図12(b)の位置に回転させ
る。この場合には、前記の通常縫いに比べて糸調子器1
10における第1糸調子114の2枚の皿が接触状態か
ら離れた状態になることだけが異なる。これによって糸
18に対するテンションを弱くした状態で縫いが行え
る。
【0035】図1で示す各ミシンヘッド14に対応して
設けられている各ルーパ30の回転駆制御は、一般的に
は一つの駆動源から回転伝達機構を通じて個々のルーパ
30に伝達するようになっている。本実施の形態では各
ルーパ30の回転駆動源である前記のモーター40を、
これらのルーパ30毎に個別に設けている。このため環
縫いに際して各ミシンヘッド14毎に個別の制御が可能
になるとともに、回転伝達系の構造も簡素化できる。
【0036】つづいて縫いに供されている糸を別の糸に
交換する色替えについて説明する。それまで縫いに供さ
れていた糸18による縫いが終了すると、まずカム駆動
軸130を図10(a)(b)の状態に回転させること
により、ルーパ30が図4で示す下位置に下がる。つぎ
に動メス50が図14(a)の待機位置から図14
(b)の位置へ前進して縫いに供されていた糸18を捕
捉した後、図14(c)の切断位置まで後退すること
で、この動メス50と固定メス56とによって糸18が
切られる。さらに動メス50が図14(d)の解放位置
まで前進し、動メス50と保持ブロック58との間で挟
持されている糸端を解放する。
【0037】つぎにカム駆動軸130を図9(a)
(b)の状態に回転させることにより、それまで縫いに
供されていた糸18に対応する引き降し部材86が図4
〜6の仮想線位置に回動する。これによってルーパ30
のガイド孔39に挿通されている糸18が引き降ろさ
れ、その糸端が導管80の上端付近に位置する。この
後、前記糸供給機構68のスライドケース70をスライ
ドさせ、所望の導管80(糸)が前記のエア供給部60
と対応した位置にくるようにする。そして新たに選択さ
れた糸18が前記と同様にエア供給部60のノズル66
から噴出されるエアによってルーパ30のガイド孔39
に通され、その糸端がルーパ30の上側に抜け出て、こ
の糸18での環縫いが行われる。
【0038】前記引き降し部材86による糸18の引き
下ろし量は、該引き降し部材86における二股状の案内
部分88が固定部材94に糸18を引っかけた状態でこ
の固定部材94から離れることにより、この引き降し部
材86の回転量に比較して増大する。したがって糸通し
孔88aを有する一対の案内部分88と固定部材94と
によって糸引き下ろし量の「増大手段」が構成されてお
り、この手段によって糸18を所定の状態に引き下ろす
のに必要な引き降し部材86の回転角度が、これまでの
ほぼ半分で済むことになる。
【0039】なお動メス50の上面に固定されている前
記の検出部材52は、ミシンの電源を入れたときの動メ
ス50の位置を前記近接スイッチ54によって検出する
機能を果たす。つまり検出部材52の検出片52aは動
メス50が図13(a)の待機位置にあることを近接ス
イッチ54で検出するためのものであり、他方の検出片
52bは動メス50が図13(c)の糸保持位置にある
ことを近接スイッチ54で検出するためのものである。
この検出に基づき、先回ミシン電源を切ったときの動メ
ス50の位置が今回電源を入れたときの位置と異なる場
合は、前記モーター44の駆動によって動メス50の位
置を修正する。
【0040】以上のように本実施の形態によれば、前記
の増大手段により、色替えに際してそれまで縫いに供さ
れていた糸を所定の状態、つまり少なくとも糸の端末部
がルーパ30の下部から抜け出た状態に引き降ろすのに
必要な引き降し部材86の作動量(回転角度)が小さく
て済む。またこの増大手段については、引き降し部材8
6の案内部分88を三股形状にし、かつ固定部材94を
2本にすることによって引き降し部材86の回転角度を
さらに小さくすることができる。なお一つの案内部分8
8と2本の固定部材94との組み合わせによる増大手段
も可能である。
【0041】さらに本実施の形態では、エア供給部60
がルーパ30と糸供給機構68との間に設けられ、該ル
ーパ30の側へのみエアを噴出するようになっている。
このためエアのロスは、上下に移動するルーパ30とエ
ア供給部60との間で生じるだけとなりエアの供給ロス
を少なく抑えることができる。またエア供給部60にお
けるノズル66からのエアの噴出に伴い、吸気スリーブ
65の開口部からエアを吸引することになるが、この開
口部には導管80の上端部が前記ゴム管82を通じて連
通するため、エア供給部60と糸供給機構68との間に
おけるエアの供給ロスはほとんどない。前記のゴム管8
2と同様なものをルーパ30の下開口部に設け、ルーパ
30のガイド孔39とエア供給部60の排気スリーブ6
4との間でのエアロスを抑えることも当然可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】多頭式の環縫いミシンを表した正面図
【図2】一つのミシンヘッドにおける下方の構造を拡大
して表した正面図
【図3】図2の平面図
【図4】図2の縦断面図
【図5】図2の縦断面図
【図6】図4の一部を拡大して表した断面図
【図7】糸供給機構における背面部分の機構を表した構
成図
【図8】糸切れ検出部材の機能を表した説明図
【図9】カム駆動軸の回転位置と作動レバーの動きとを
表した説明図
【図10】カム駆動軸の回転位置と作動レバーの動きと
を表した説明図
【図11】カム駆動軸の回転位置と作動レバーの動きと
を表した説明図
【図12】カム駆動軸の回転位置と作動レバーの動きと
を表した説明図
【図13】動メスの進退位置を表した説明図
【図14】動メスの進退位置を表した説明図
【符号の説明】
18 糸 20 鈎針 30 ルーパ 86 引き降し部材 88 案内部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水口 洋一 愛知県春日井市牛山町1800番地 東海工業 ミシン株式会社内 Fターム(参考) 3B150 AA04 AA18 CA05 CB04 CD01 CD06 CD07 CE01 CE09 FA03 FC01 FD09 FH03 FH06 FH08 FH14 FH20 FJ01 GD11 GD26 GE03 JA03 JA13 JA18 JA26 JA31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉤針の上下駆動に同期して回転駆動され
    るルーパの下方に複数の糸が用意されているとともに、
    これらの糸の一つを前記ルーパに対してその下方から上
    方へ選択的に挿通させて環縫いを行う形式の環縫いミシ
    ンであって、 前記ルーパに挿通させた糸を、該ルーパの下方へ引き降
    ろすことが可能な引き降し部材と、該引き降し部材の作
    動量に対して糸の引き降し量を増大させることができる
    増大手段とを備えている環縫いミシン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された環縫いミシンであ
    って、 前記の増大手段が、前記引き降し部材において糸が挿通
    されるように設けられた案内部分と、この案内部分の近
    くに位置する固定部材とによって構成され、前記の引き
    降し部材が糸を引き降ろすように作動したとき、前記の
    案内部分が前記固定部材に糸を引っかけた状態で該固定
    部材から離れる方向へ移動するように設定されている環
    縫いミシン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006112460A1 (ja) * 2005-04-18 2006-10-26 Tokai Kogyo Mishin Kabushiki Kaisha 環縫いミシン
KR100726408B1 (ko) * 2005-04-18 2007-06-13 도카이 고교 미싱 가부시키가이샤 체인 스티칭 미싱
CN107829234A (zh) * 2017-11-14 2018-03-23 杭州经纬电子机械制造股份有限公司 一种刺绣机用高速挑线机构及其操作方法

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