JP2002315581A - リアルタイム検出pcr法並びにそれに用いられるプライマー及びヌクレオチド - Google Patents

リアルタイム検出pcr法並びにそれに用いられるプライマー及びヌクレオチド

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JP2002315581A
JP2002315581A JP2001120409A JP2001120409A JP2002315581A JP 2002315581 A JP2002315581 A JP 2002315581A JP 2001120409 A JP2001120409 A JP 2001120409A JP 2001120409 A JP2001120409 A JP 2001120409A JP 2002315581 A JP2002315581 A JP 2002315581A
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Hisashi Hisatomi
寿 久富
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアルタイム検出PCRの高い定量性を活か
し、かつ、リアルタイム検出PCRの検出限界以下の増
幅が起きている場合でも被検核酸の検出が可能となる被
検核酸の測定方法、並びにそれに用いられるプライマー
及びヌクレオチドを提供すること。 【解決手段】 ローダミンX又はその誘導体で標識し
たリアルタイム検出PCR用プライマー又はヌクレオチ
ドを用いて、リアルタイム検出PCRを行うことにより
PCR増幅産物をローダミンX又はその誘導体で標識す
る。この増幅産物は、そのまま変性HPLCにかけて高
感度に被検核酸を検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リアルタイム検出
PCR用のプライマー及びそれを用いたリアルタイム検
出PCR法に関する。
【0002】
【従来の技術】TaqMan (登録商標)PCR法、インターカ
レーションモニタリングPCR法、モレキュラービーコン
プローブ法、ハイブリダイゼーションプローブ法、サン
ライズプライマー法などが挙げられ、最も一般的に使用
されているのはTaqMan(登録商標)PCR法である。
【0003】TaqMan(登録商標)PCR法を含めリアルタ
イム検出PCR法では、その原理において蛍光色素である6
-FAM(FAM)の強度を測定する場合が多い。TaqMan(登録
商標)PCR法では、標的遺伝子に特異的な塩基配列を有
するプローブの5'末端にFAMを3'末端にTAMRAをラベル
(標識)し、反応溶液中のRox色素の蛍光強度をバックグ
ラウンドとして、反応中のFAM由来シグナルの増加をモ
ニタリングする。
【0004】一方、高感度に核酸を検出する方法とし
て、変性HPLC法(denaturing HPLC)が知られてお
り、そのためのキットも市販されている(例えば、Tran
sgenomicInc.のWAVE System(登録商標))。変性HP
LC法による検出感度は、被検核酸を蛍光標識すること
により大幅に増大することが知られており、PCR産物
(リアルタイム検出PCRの産物ではない)を蛍光標識
して変性HPLC法にかけることも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リアルタイム検出PC
Rは、定量性が高く、被検核酸の定量には優れた方法で
ある。しかしながら、リアルタイム検出PCRは、臨床
検査の目的で利用するには、検出感度が満足できる程度
に高くないという欠点を有する。このため、被検試料中
に極微量の被検核酸が含まれており、ある程度の増幅が
起きている場合であっても、リアルタイム検出PCRの
検出限界以下となる場合がある。リアルタイム検出PC
Rの検出限界以下となった場合に、増幅が全く起きてい
ないのか、起きてはいるが検出限界以下となっているの
かを知ることができれば、臨床検査をより正確に行うこ
とができ、好ましい。
【0006】従って、本発明の目的は、リアルタイム検
出PCRの高い定量性を活かし、かつ、リアルタイム検
出PCRの検出限界以下の増幅が起きている場合でも被
検核酸の検出が可能となる被検核酸の測定方法、並びに
それに用いられるプライマー及びヌクレオチドを提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、リアル
タイム検出PCRによる増幅産物を、変性HPLCで分
析することに想到した。しかし、リアルタイム検出PC
Rによる増幅産物を一々蛍光標識することは、非常に手
間のかかることであり、臨床検査センターや病院等にお
いて、限られた時間内に多数の検体について検査する必
要がある臨床検査においてこのような方法を採用するこ
とは非現実的である。そこで、本願発明者らは、リアル
タイム検出PCRに用いられるプライマーを蛍光標識し
ておき、それによってPCR増幅産物を自動的に蛍光標
識し、このような蛍光標識されたPCR増幅産物を変性
HPLCにかけることに想到した。しかし、このような
ことを可能にするためには、(1)蛍光標識の存在によっ
て、PCR時のDNAポリメラーゼによる伸長反応が妨
害されないこと、(2)リアルタイム検出PCRでは、FAM
等の蛍光を測定するが、プライマーに標識する蛍光標識
によってこの蛍光測定が妨害されないこと、及び(3)P
CR産物の蛍光標識によって変性HPLCによる検出が
妨害されないこと(例えば蛍光標識がHPLCカラムに
吸着されてHPLCによる検出ができなくなる等)が必
要であり、これらの要件を満足する蛍光色素が果たして
存在するのか否かさえ不明であった。
【0008】本願発明者らは、鋭意研究の結果、ローダ
ミンXでリアルタイム検出PCR用のプライマー又はヌ
クレオチドを標識することにより、リアルタイム検出P
CRが満足に実施でき、かつ、リアルタイム検出PCR
による増幅産物をそのまま変性HPLCにかけて高感度
な検出を行うことが可能であることを見出し、本発明を
完成した。
【0009】すなわち、本発明は、ローダミンX又はそ
の誘導体で標識したリアルタイム検出PCR用プライマ
ーを提供する。また、本発明は、ローダミンX又はその
誘導体で標識したリアルタイム検出PCR用ヌクレオチ
ドを提供する。さらに、本発明は、上記本発明のプライ
マーを少なくとも一方のプライマーとして用い、又は上
記本発明のヌクレオチドを相補鎖伸長の材料として用い
てリアルタイム検出PCRを行う、リアルタイム検出P
CR法を提供する。さらに、本発明は、上記本発明のリ
アルタイム検出PCR法により得られた増幅産物を、変
性HPLC法にかけることをさらに含む、被検核酸の測
定方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1の方法では、リアル
タイム検出PCRに用いるプライマーとして、ローダミ
ンX(以下、「ROX」と言うことがある)又はその誘導
体で標識したプライマーを用いる。なお、リアルタイム
検出PCRには、フォワード側プライマーとリバース側
プライマーの2種類が用いられるが、これらのうちのい
ずれか一方がROX又はその誘導体で標識されていればよ
く、両者とも標識されていてもよい。また、プライマー
中の標識部位は、3’末端、5’末端、及び末端以外の
中間部のいずれであってもよい。
【0011】ROXは、下記式[I]で表される化学構造を有
する。また、ROXの吸収波長は585 nm、極大波長は605 n
mである。
【0012】
【化1】
【0013】本発明では、ROXの誘導体も用いることが
できる。ROXの基本骨格を有し、リアルタイム検出PC
Rによる定量、及びその増幅産物の変性HPLC法によ
る検出が可能であれば、いずれのROX誘導体をも用いる
ことができる。例えば、縮合環の任意の位置に1個又は
複数、好ましくは1個〜3個程度の、炭素数1〜4の低
級アルキル基、=NR1(Rは炭素数1〜4の低級アルキ
ル基、-NHR1(Rは炭素数1〜4の低級アルキル基)
が置換したもの、ベンゼン環の2位のカルボキシル基が
炭素数1〜4の低級アルキル基でエステル化されたもの
等を挙げることができる。
【0014】ROX又はその誘導体による標識は、常法に
より、下記一般式[II]で表されるROX又はそのエステル
誘導体、カルボン酸塩若しくはカルボン酸ハライド等を
プライマーと反応させて結合させることにより行うこと
ができる。
【0015】
【化2】
【0016】(ただし、Rは水素原子、アルカリ金属、
ハロゲン又は任意の有機基) (縮合環やベンゼン環の2位のカルボキシル基等が上記
のように置換されていてもよい。-COORの結合位置は限
定されないが、4位又は5位が好ましい)
【0017】なお、一般式[II]におけるRで表される有
機基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜
8のシクロアルキル基、フェニル基、ピロリジル基、ピ
リジル基、ピロール基、及び
【0018】
【化3】
【0019】で表される基を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0020】エステル誘導体の場合には、COORのRが離
脱してカルボキシル基となり、これを介してプライマー
に結合されるか、又はRの構造を介してプライマーに結
合される。従って、プライマーに結合された状態でR由
来の構造が残っているものもROXの誘導体として好まし
く用いることができる。従って、本明細書において、
「ROXで標識された」プライマーは、下記式[III]で示さ
れる基が直接的又は上記R由来の構造を介してプライマ
ーに結合されたものを包含する。なお、プライマーの側
にもROX標識化試薬と結合するためのアミノ基等の官能
基を導入することができる。
【0021】
【化4】
【0022】なお、オリゴヌクレオチドをローダミン系
の蛍光色素で標識する方法はこの分野において周知であ
り、周知の方法によりオリゴヌクレオチドをROX又はそ
の誘導体で標識することができる。例えば、下記式[IV]
で示されるROXのエステル誘導体がROX-NHSという商品名
でPE Applied Biosystems社より市販されているので、
このような市販のROX標識化試薬を用い、その使用説明
書に従って容易にプライマーをROX標識することができ
る。
【0023】
【化5】
【0024】本発明の第1の方法では、上記の標識プラ
イマーを用い、従来と全く同様にしてリアルタイム検出
PCRを行うことができる。リアルタイム検出PCR
は、TaqMan (登録商標)PCR法、インターカレーション
モニタリングPCR法、モレキュラービーコンプローブ
法、ハイブリダイゼーションプローブ法、サンライズプ
ライマー法など、公知のいずれの方法でも良く、これら
のうち、TaqMan(登録商標)PCR法が特に好ましい。Taq
Man(登録商標)PCR法は、この分野において周知であ
り、そのためのキット及び装置も市販されているので、
市販品を用いて容易に実施することができる。下記実施
例で実験的に明らかにされるように、ROX又はその誘導
体で標識されたプライマーを用いても、リアルタイム検
出PCRは支障なく実施することができ、高い定量性を
もって被検核酸を定量することができる。
【0025】本発明は、また、上記したROX又はその誘
導体で標識した、リアルタイム検出PCR用ヌクレオチ
ドを提供する。ここで、用いられるROX又はその誘導体
については、上記の説明をそのまま援用することができ
る。また、ヌクレオチドのROX標識も、例えば上記したR
OX-NHS(PE Applied Biosystems社製)のような市販のRO
X標識化試薬を用いた常法により容易に行うことができ
る。
【0026】本発明の第2の方法では、このようなROX
又はその誘導体で標識したヌクレオチドの存在下におい
て、従来と全く同様にしてリアルタイム検出PCRを行
うことができる。ROX又はその誘導体で標識したヌクレ
オチドは、PCRにおいて相補鎖伸長の材料として用い
られ、その結果、増幅産物中には標識ヌクレオチドが取
り込まれ、ROX又はその誘導体で標識された増幅産物が
得られる。
【0027】本発明の第1又は第2の方法によれば、リ
アルタイム検出PCR法により増幅された増幅産物は、
ROX又はその誘導体により標識されており、この標識さ
れた増幅産物をそのまま変性HPLC法にかけることが
できる。従って、リアルタイム検出PCRによって増幅
が検出されなかった場合に、その増幅産物をそのまま変
性HPLC法にかけることができ、より高感度に検体中
の被検核酸を検出することができる。変性HPLC法自
体は、この分野において周知であり、そのためのキット
及び装置も市販されている(例えば、Transgenomic In
c.のWAVE System(登録商標))ので、このような市販
品を用いて、従来と全く同様に、容易に変性HPLC法
を実施することができる。
【0028】なお、本発明の方法が適用される被検核酸
としては、何ら限定されるものではなく、測定(定量又
は検出)が望まれるあらゆる核酸を測定対象とすること
ができる。例えば、体液中の各種ウイルスやバクテリア
等の病原体由来の遺伝子、白血病に特有なキメラmRN
A等を挙げることができる。なお、核酸はDNAでもR
NAでもよく、RNAの場合には先ず、逆転写によりc
DNAを調製し、そのcDNAについてリアルタイム検
出PCRを行うことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
【0030】実施例1 (1) 鋳型cDNAの調製 測定の対象とするAML1-MTG8キメラ mRNAからReal-time
PCR反応のテンプレートとなるcDNAを合成するために、
以下の反応を実施した。
【0031】AML1-MTG8キメラ mRNA陽性であるSKNO-1セ
ルライン(ATCCより入手) 106 細胞にRNA抽出試薬Isogen
(日本ジーン)1mlを添加し、30秒撹拌した。撹拌後、20
0μlのクロロホルムを添加し、再度30秒撹拌した。撹
拌後、12000 x g 15分間し、水相に等量のイソプロパノ
ールを加え、12000 x gで20分間遠心した。遠心後、1m
lの75%エタノールで2回洗浄し50μlのRNase阻害剤加D
EPC処理水で溶解した。
【0032】溶解したRNA溶液から、以下のcDNA合成溶
液を用いてcDNAを合成した。cDNA合成は37℃で1時間実
施した。cDNAに使用するRNA溶液の濃度を1.0μg総RNAか
ら段階的に3倍希釈し、12本のcDNAを合成した。
【0033】 cDNA反応 5×RT buffer* (Gibco BRL社製) 4.0 μl 0.1M DTT* (Gibco BRL社製) 2.0 μl 10mM dNTP(宝酒造社製) 1.0 μl ランダムプライマー(Gibco BRL社製) 1.0 μl RNase 阻害剤(宝酒造社製) 10 U M-MLV 逆転写酵素(Gibco BRL社製) 10 U RNA溶液 5.0 μl 合計 20μl * M-MLV 逆転写酵素に付属
【0034】(2)プライマーの合成 22塩基から成る
塩基配列を有する22merのオリゴDNA 5'-GAG CCA TCA AA
A TCA CAG TGG A-3' を化学合成し、フォワード側プラ
イマーとした。また、22塩基から成る塩基配列を有する
22merのオリゴDNA 5'-GAG CCATCA AAA TCA CAG TGG A-
3' を化学合成し、リバース側プライマーとした。リバ
ース側プライマーは、ROXで標識した。ROXによる標識は
次のようにして行った。アミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(合成プライマー)をアルカリ性の溶液に融解
させ、その中にRox蛍光試薬(蛍光ラベル化剤 ROX-NHS :
PE Applied biosystems社製)のエステルを加え、8時
間以上室温でシーソーシェイカーで揺らしながら放置し
た。その後、未反応の試薬を除去し、HPLC精製してROX
標識プライマーを得た。
【0035】(3)TaqMan(登録商標)プローブの合成
32塩基から成る塩基配列を有する32merのオリゴDNA
5'-CAC CTG TGG ATG TGA AGA CGC AAT CTA GGC TG-3'
を化学合成した。常法により、このオリゴDNAの5'末端
にFAMを3'末端にTAMRAを結合しプローブとした。
【0036】(4)PCR反応 反応液の組成は次の通りであった。 TaqMan 2×Universal Master Mix (PE Applied Biosystems) 200 μl フォワードプライマー (100pmol/μl) 2.4 μl リバースプライマー (100pmol/μl) 2.4 μl プローブ (100pmol/μl) 0.4 μl 合計 400μl
【0037】MicroAmp Optical 96 well Reaction Plat
e (商品名、PE Applied Biosystems社製) 1 wellあた
り50 μlを加え、そこに上記cDNA合成溶液5.0 μlを
添加した。キャップ(MicroAmp Caps : 商品名、PE Appl
ied Biosystems 社製)をした後、ABI PRIZM 7700 Seque
nce Detecter (商品名、PE Applied Biosystems 社製)
にセットし、以下の条件で反応をおこなった。PCRの各
サイクル毎に蛍光強度を測定し、データを収集した。
【0038】 PCR反応は95℃/30秒、60℃/30秒、72℃/30秒を1サイク
ルとし、53サイクル実施した。また、対照として、蛍光
標識しないプライマーを用いて同様にリアルタイム検出
PCRを行った。
【0039】(5)リアルタイム検出PCRの測定結果 ROXで標識したプライマーを用いた場合の結果を図1
に、蛍光標識していないプライマーを用いた場合の結果
を図2に示す。図1及び図2の上段は、横軸にPCRの
サイクル数、縦軸にFAMの蛍光強度の対数をとったもの
であり、低減希釈した複数濃度のRNA由来のcDNA
溶液についての結果を示している(後述する各比較例の
結果を示す図4〜図12についても上段の図は横軸にP
CRのサイクル数、縦軸にFAMの蛍光強度の対数をとっ
たもの)。図1の上段に示される曲線は、図2と同様で
あり、理想的なリアルタイム検出PCRの曲線を示して
おり、cDNA合成に使用したRNAの濃度依存的にシ
グナルの検出されるサイクル数(閾値)が増加してい
る。図1及び図2の下段は、1つの試料について、横軸
にPCRのサイクル数、縦軸にFAMの蛍光をとったもの
である。図1に示されるように、ROXで標識したプライ
マーを用いた場合、FAMのシグナル(青色)(図中、一番
上の曲線)が蛍光強度(Y軸) 8000付近から反応の経過(X
軸)とともに15000付近まで上昇していることが観察され
る。上昇格差(シグナル強度)は7000程度である。バック
グランドのRoxのシグナル(図1中、上から2番目の曲
線)もほぼ一定である。
【0040】図1から明らかなように、ROXで標識した
プライマーを用いても、満足にリアルタイム検出PCR
を行うことができた。
【0041】(6) 変性HPLC リアルタイム検出PCR反応が終了したMicroAmp Optic
al 96 well ReactionPlate (商品名、PE Applied Biosy
stems 社製) からキャップ(MicroAmp Caps :商品名、PE
Applied Biosystems 社製)を取り除き、市販の変性H
PLC用のシステムであるWAVE system (商品名、Trans
genomic 社製) にセットした。すなわち、PCR増幅産物
を10μLカラムに自動分取させ、0.1M トリエチルアン
モニウムアセテート、25%アセトニトリル溶液を50%から
40分かけて68%まで上昇させながらカラムに通した。検
出波長は、ROXの吸収波長(585 nm)及び極大波長(605 n
m)を用いた。
【0042】(7) 変性HPLCの測定結果 結果を図3に示す。図3に示されるように、PCR増幅
産物のピークは17分の位置に確認された。このことか
ら、ROXで標識したプライマーを用いて行ったリアルタ
イム検出PCRの増幅産物をそのまま変性HPLCにか
けて増幅産物を検出することができることが確認され
た。
【0043】比較例1〜9 ROXでの標識に代えて、FAM(吸収波長492nm、極大波長51
5nm)(比較例1)、FITC(同491nm、515nm)(比較例
2)、TET(同521nm、536nm)(比較例3)、HEX(同535 n
m、556 nm)(比較例4)、TAMRA(同565nm、580nm)(比
較例5)、Cy-3(同550nm、570nm)(比較例6)、Texred
(同583nm、603nm)(比較例7)、Cy-5(同649nm、670nm)
(比較例8)、Cy-5.5(同675nm、694nm)(比較例9)で
プライマーを標識したこと以外は実施例1と同じ操作を
行った。
【0044】比較例1〜9についてのリアルタイム検出
PCRの結果を図4〜図12にそれぞれ示す。これらの
図から明らかなように、cDNAの合成に用いたRNA
の濃度依存的に閾値が増大し、かつ、バックグランドと
の差が十分にあり、リアルタイム検出PCRに採用可能
なものは、TexRed(比較例7、図10)、Cy-5(比較例
8、図11)及びCy-5.5(比較例9、図12)の3つで
ある。
【0045】そこで、これら3種類の蛍光色素で標識し
たプライマーを用いて行ったリアルタイム検出PCR増
幅産物を実施例1と同様にして変性HPLC法にかけ
た。また、対照として、これらの各蛍光色素又はROXで
標識したプライマー自体も同様に変性HPLCにかけ
た。その結果、図3に示すように、Roxのプライマー由
来ピークは5分、Cy-5のプライマー由来ピークは35分
に、確認されたが、TexRedおよびCy-5.5由来ピークは確
認されなかった。また、TexRed(比較例7)、Cy-5(比
較例8)及びCy-5.5(比較例9)のいずれの蛍光色素を
用いた場合にも増幅産物のピークは観察されなかった。
これは、蛍光色素がHPLCの分離カラムに強く吸着さ
れ、溶出が困難な状態になったことに起因するものと推
測される。
【0046】以上のように、比較例1〜9で用いた9種
類の蛍光色素のうち、リアルタイム検出PCRを満足に
行うことができ、かつ、増幅産物をそのまま変性HPL
Cにかけて分析できるものは存在しなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明により、リアルタイム検出PCR
後の増幅産物をそのまま変性HPLC法にかけて高感度
に被検核酸を検出することができる、リアルタイム検出
PCR用のプライマー及びそれを用いた被検核酸の測定
方法が初めて提供された。本発明によれば、リアルタイ
ム検出PCR後の増幅産物をそのまま変性HPLC法に
かけて分析することができるので、リアルタイム検出P
CRで増幅が確認できなかった試料についても、簡便に
変性HPLC法による高感度検出を行うことができ、臨
床検査等で極微量の被検核酸を検出する場合等における
検査の精度が向上する。
【0048】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> SRL, INC. <120> Primer for real-time detection PCR and method for real-time detec tion PCR using the same <130> 01721 <160> 2
【0049】 <210> 1 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Nucleic Acid Used as forward primer for amplifying cDNA prepared from AML1-MTG8 chimeric mRNA <400> 1 gagccatcaa aatcacagtg ga 22
【0050】 <210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Nucleic Acid Used as reverse primer for amplifying cDNA prepared from AML1-MTG8 chimeric mRNA <400> 2 gagccatcaa aatcacagtg ga 22
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で行った、ROXで標識したプ
ライマーを用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果
を示す図である。
【図2】本発明の実施例1において対照として行った、
無標識のプライマーを用いて行ったリアルタイム検出P
CRの結果を示す図である。
【図3】実施例1で行った変性HPLC法の結果を示す
図である。
【図4】比較例1で行った、FAMで標識したプライマー
を用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示す図
である。
【図5】比較例2で行った、FITCで標識したプライマー
を用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示す図
である。
【図6】比較例3で行った、TETで標識したプライマー
を用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示す図
である。
【図7】比較例4で行った、HEXで標識したプライマー
を用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示す図
である。
【図8】比較例5で行った、TAMRAで標識したプライマ
ーを用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示す
図である。
【図9】比較例6で行った、Cy-3で標識したプライマー
を用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示す図
である。
【図10】比較例7で行った、Texredで標識したプライ
マーを用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示
す図である。
【図11】比較例8で行った、Cy-5で標識したプライマ
ーを用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示す
図である。
【図12】比較例9で行った、Cy-5.5で標識したプライ
マーを用いて行ったリアルタイム検出PCRの結果を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 DA14 FB06 FB07 FB12 4B024 AA11 AA20 CA01 CA11 CA20 HA11 4B063 QA01 QQ42 QQ52 QR08 QR32 QR35 QR38 QR42 QR56 QR62 QS17 QS25 QS36 QX01 QX02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローダミンX又はその誘導体で標識した
    リアルタイム検出PCR用プライマー。
  2. 【請求項2】 ローダミンXで標識した請求項1記載の
    プライマー。
  3. 【請求項3】 ローダミンX又はその誘導体で標識した
    リアルタイム検出PCR用ヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 ローダミンXで標識した請求項3記載の
    ヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項1若しくは2記載のプライマーを
    少なくとも一方のプライマーとして用い、又は請求項3
    若しくは4記載のヌクレオチドを相補鎖伸長の材料とし
    て用いてリアルタイム検出PCRを行う、リアルタイム
    検出PCR法。
  6. 【請求項6】 請求項1若しくは2記載のプライマーを
    少なくとも一方のプライマーとして用いて行う請求項5
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の方法により得られ
    た増幅産物を、変性HPLC法にかけることをさらに含
    む、被検核酸の測定方法。
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