JP2002314759A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2002314759A
JP2002314759A JP2001110844A JP2001110844A JP2002314759A JP 2002314759 A JP2002314759 A JP 2002314759A JP 2001110844 A JP2001110844 A JP 2001110844A JP 2001110844 A JP2001110844 A JP 2001110844A JP 2002314759 A JP2002314759 A JP 2002314759A
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JP2001110844A
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Yoshiya Imoto
善弥 伊本
Yuichi Ichikawa
裕一 市川
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つの一次元CCDイメージセンサを別々の
位置に設けるとともに、これらセンサに対して原稿から
の反射光をハーフミラーで分割して入射する構成を採っ
た場合、精密な位置合わせが難しく、また分割された反
射光の光量が分割数に反比例して減少し、十分なS/N
での信号電荷の読み出しが困難になる。 【解決手段】 3ラインCCDイメージセンサ88を用
いて原稿画像を読み取る画像読取装置において、被検査
原稿84の原稿面を照明するランプ86を、ランプ駆動
回路94により、タイミングジェネレータ89からのラ
イン同期信号に同期して点滅駆動し、ランプ86を間欠
点灯させることで、実質的な露光期間を短くし、解像度
の低下を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取装置に関
し、特に複数ライン分の受光画素列を有する一次元イメ
ージセンサ(いわゆる、ラインセンサ)を用いて高速に
画像を読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、画像読み取りを高速に行うた
めの画像読取装置においては、その画像読み取り用素子
として、1列(1ライン分)の受光画素列、この受光画
素列の各画素から読み出された信号電荷を並列に転送す
る複数の信号電荷転送部および信号電荷を電気信号に変
換して出力する信号出力部を備えた一次元CCDイメー
ジセンサが広く用いられている。
【0003】この一次元CCDイメージセンサは、受光
画素列の両側に信号電荷転送部を備えており、偶数画素
の信号電荷と奇数画素の信号電荷とを別々の信号電荷転
送部にそれぞれ移送し、2チャンネルの信号電荷転送部
を経由して2つの信号出力部から並列に出力すること
で、ある程度の高速読み出しを実現している。例えばA
3サイズ原稿の幅を400dpi(dot par inch)の密度
で読み取るように設定された画像読取装置では、有効な
受光画素数が例えば5000画素の2チャンネルの並列
出力型一次元CCDイメージセンサを用いている。
【0004】ところで、信号出力部を構成する出力アン
プ部の周波数特性には限界があり、これに伴って信号電
荷転送部を駆動する転送クロックのクロック周波数も制
限される。ここで、現状の出力アンプ部の周波数特性の
上限である約20MHzのクロック周波数で信号電荷を
読み出すとすると、2チャンネルを合計したときのデー
タレートが約40MHz程度の読み取り速度となる。そ
して、この場合の副走査方向の走査速度は、理論上、4
0MHz÷5000(画素)÷15.7(画素/mm)
=508(mm/sec)となり、信号電荷のシフト期
間、非有効画素分の転送期間等を考慮すると、約450
mm/secという走査速度となる。
【0005】また、近年、読み取り画像の品質向上のニ
ーズの高まりから、要求される画像読み取り密度として
600dpi以上のものが増加している。これに用いる
一次元CCDイメージセンサの有効受光画素数として
は、A3サイズ原稿を読み取る場合一例として、750
0画素が必要である。画像読み取り密度については主走
査方向、副走査方向ともに高める必要があり、受光画素
数の増大とともに、副走査方向の読み取り密度も高くす
る必要がある。したがって、2チャンネルの並列出力で
も読み出し速度が不足するようになってきているのが現
状である。
【0006】そこでさらに、一次元CCDイメージセン
サの各々の信号電荷転送部を前半部分と後半部分とに分
割するとともに、この分割した各々の信号電荷転送部に
対してそれぞれ出力部を設け、信号電荷の転送方向を左
右に振り分けて4チャンネルの並列出力とすることでさ
らなる高速読み出しを実現している。この場合、現状の
出力アンプ部の周波数特性の上限である約20MHzで
信号電荷を読み出すとすると、4系統を合計したデータ
レートで約80MHzまで読み出し速度を向上すること
ができる。
【0007】したがって、このデータレートでA3サイ
ズ(JIS規格)幅の原稿を600dpiの読み取り画
素密度で読み出すのに必要な7500画素分の信号電荷
を読み出すとすると、走査速度は理論上、80MHz÷
7500(画素)÷23.6(画素/mm)=452
(mm/sec)となり、信号電荷のシフト期間、非有
効画素分の転送期間等も考慮しても、約420mm/s
ecという走査速度が可能となる。
【0008】このように、受光画素列の両側に配された
信号電荷転送部を前半部分、後半部分に分割するととも
にそれぞれに出力部を設け、信号電荷の転送方向を左右
に振り分けて4チャンネル並列出力する構成の一次元C
CDイメージセンサでは、例えば、A4サイズ(JIS
規格)の原稿を横にして読み取った場合、次に読み取る
原稿との間隔をある程度あけなければならないといった
走査機構上の制約などがあるものの、1分間におよそ9
0枚の原稿読み取りが可能となる。
【0009】ところが、近年、デジタル複写機の複写速
度がますます向上してきており、A4サイズ原稿で分速
100枚以上の複写が可能なものが実用化されている。
しかしながら、上述した理由により、現状の読み取り部
の速度はプリント速度よりも遅く、したがってより高速
の画像読取装置の開発が望まれている。また近年、デジ
タル複写機以外の画像読取装置、例えば光学式文字認識
(OCR;optical character recognition)を目的とし
た帳票読取装置等においても、より高解像度でかつ高速
な読み取りが要求されてきている。
【0010】これらの問題を解決するために、図13に
示すように、原稿ガラス台101上に載置された原稿か
ら、ハロゲン光源102による照射光に基づいて反射さ
れる反射光を、ミラー系103およびレンズ104を経
た後ハーフミラー105を介して2つの一次元CCDイ
メージセンサ106,107のそれぞれに結像させるこ
とで、複数ライン分の原稿情報を2つの一次元CCDイ
メージセンサで同時に読み取り、その後の信号処理で合
成することによって高速読み取りを可能とした画像読取
装置が提案されている(例えば、特開平9−46477
号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術では、2つの一次元CCDイメージセンサ1
06,107を別々の位置に設置することになるので、
その精密な位置合わせが困難であるという問題があっ
た。また、ハーフミラー105を用いて反射光を分割す
るために、分割された反射光の光量が分割数に反比例し
て減少し、十分なS/Nでの信号電荷の読み出しが困難
になるという問題があった。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、精密な位置合わせを
必要とせず、一次元CCDイメージセンサによる二次元
的な原稿読み取りを、高解像度でかつ高速に行うことが
可能な画像読取装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために為されたものである。すなわち、本発明で
は、一次元イメージセンサで原稿を主走査方向に走査し
つつ、一次元イメージセンサと原稿とを相対的に副走査
方向に移動させて、一次元イメージセンサによって二次
元の原稿画像情報を得る画像読取装置において、一次元
イメージセンサを、互いに所定の間隔を持って平行に配
置された複数ライン分の受光画素列で構成し、この一次
元イメージセンサの各ラインの原稿面上での読取サンプ
リング位相を互いにずらせてライン同期信号に基づいて
読取動作を行わせる。そして、原稿面を照明する照明手
段を、ライン同期信号に同期して点滅駆動する。
【0014】上記構成の画像読取装置において、一次元
イメージセンサの各ラインの原稿面上での読取サンプリ
ング位相を互いにずらせて読取動作を行うことで、複数
ライン分の情報を同時に、しかもそれぞれ異なるライン
の情報を読み取ることができる。したがって、1列の受
光画素列で読み取らせる場合に比べ、解像度を低下させ
ることなく副走査方向の読み取り速度を高速化できる。
また、照明手段をライン同期信号に同期して間欠点灯さ
せることで、実質的な露光期間が短くなり、その分画像
のボケが少なくなるため、解像度の低下を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0016】<第1実施形態>図1は、本発明の第1実
施形態に係る一次元CCDイメージセンサの構造を示す
概略平面図である。この第1実施形態に係る一次元CC
Dイメージセンサ10は、それぞれA3原稿の短手方向
の全幅を600dpiの解像度で読み取るために必要な
7500画素の有効な受光素子を含む受光画素列(A
列)11、受光画素列(B列)12が副走査方向に5ラ
イン分隔てて平行に設けられた2ラインイメージセンサ
である。
【0017】受光画素列11の両側には、受光画素列1
1の各画素で光電変換され、ここに蓄積された信号電荷
を、図中縦方向に移送するための信号電荷シフトゲート
13,14がそれぞれ設けられている。受光画素列12
についても同様に、その両側に信号電荷シフトゲート1
5,16がそれぞれ設けられている。
【0018】また、この信号電荷シフトゲート13,1
4を挟んで各受光画素列11の両側には、信号電荷シフ
トゲート13,14を介して読み出された信号電荷を転
送するCCDからなる信号電荷転送部17,18が設け
られている。同様に、信号電荷シフトゲート15,16
を挟んで各受光画素列12の両側には、CCDからなる
信号電荷転送部19,20が設けられている。
【0019】これら信号電荷転送部17,18,19,
20は、受光画素列11,12から読み出された信号電
荷を、受光画素列11,12のほぼ中央から図中左右方
向へ分割して転送する各々2つの信号電荷転送部17
a,17b,18a,18b,19a,19b,20
a,20bからなっている。
【0020】これら信号電荷転送部17a,17b,1
8a,18b,19a,19b,20a,20bの電荷
転送方向の最終段には、転送されてきた信号電荷を順次
検出して電圧信号に変換する信号電荷検出部およびソー
スホロワやインバータ等のアナログ回路からなる出力回
路21a,21b,22a,22b,23a,23b,
24a,24bが接続されている。
【0021】上述した2ライン分の受光画素列11,1
2、信号電荷シフトゲート13,14,15,16、信
号電荷転送部17,18,19,20(17a,17
b,18a,18b,19a,19b,20a,20
b)および出力回路21a,21b,22a,22b,
23a,23b,24a,24bは、同一の半導体基板
上に作製される。
【0022】次に、上記構成の第1実施形態に係る2ラ
イン(2列)の一次元CCDイメージセンサにおける信
号電荷の転送動作について説明する。
【0023】受光画素列11,12において、各画素ご
とに光電変換されて発生し、蓄積された信号電荷は各
々、信号電荷シフトゲート13,14,15,16を介
して、奇数番目の画素の信号電荷(以下、奇数画素電荷
と略称する)と偶数番目の画素の信号電荷(以下、偶数
画素電荷と略称する)に振り分けられて信号電荷転送部
17a,17b,18a,18b,19a,19b,2
0a,20bに移送される。
【0024】信号電荷転送部17a,17b,18a,
18b,19a,19b,20a,20bは各々例えば
2相駆動のCCDからなり、例えば20MHzの2相の
転送クロックで転送駆動されることで、受光画素列1
1,12から移送された信号電荷を順次転送する。
【0025】このとき、信号電荷転送部17a,18
a,19a,20aによって図中の左方向に転送されて
きた信号電荷は、出力回路21a,22a,23a,2
4aへ送られる。また、信号電荷転送部17b,18
b,19b,20bによって図中の右方向に転送されて
きた信号電荷は、出力回路21b,22b,23b,2
4bへ送られる。
【0026】このようにして、受光画素列11,12に
対応する信号電荷は各々、信号電荷検出部やソースホロ
ワ、インバータ等のアナログ回路から成る出力回路21
a,21b,22a,22b,23a,23b,24
a,24bへ導かれ、OS1a(A列−Odd前半)、
OS1b(A列−Odd後半)、OS2a(A列−Ev
en前半)、OS2b(A列−Even後半)、OS3
a(B列−Odd前半)、OS3b(B列−Odd後
半)、OS4a(B列−Even前半)、OS4b(B
列−Even後半)の合計8チャンネルの電圧信号とし
て並列に外部に出力されることになる。
【0027】この8チャンネルの電圧信号は、外部の信
号処理回路に供給され、この信号処理回路において受光
画素列11,12の各画素配列に対応したA列、B列の
電圧信号に変換される。図2に、信号処理回路の構成の
一例を示す。
【0028】図2において、A列−Odd前半の電圧信
号OS1a、A列−Even前半の電圧信号OS2a、
B列−Odd前半の電圧信号OS3aおよびB列−Ev
en前半の電圧信号OS4aは、ADコンバータ(AD
C)31a,32a,33a,34aでデジタルデータ
に変換された後、合成回路35a,35b,35c,3
5dの各一方の入力となる。
【0029】一方、A列−Odd後半の電圧信号OS1
b、A列−Even後半の電圧信号OS2b、B列−O
dd後半の電圧信号OS3bおよびB列−Even後半
の電圧信号OS4bは、ADコンバータ31b,32
b,33b,34bでデジタルデータに変換された後、
メモリ36a,36b,36c,36dに一時的に格納
される。そして、ここで受光画素列11,12の各後半
の画素配列に対応した並びになるように反転された後、
合成回路35a,35b,35c,35dの各他方の入
力となる。
【0030】合成回路35a,35b,35c,35d
は、各一方の入力となる前半の電圧信号OS1a,OS
2a,OS3a,OS4aに対して、その後ろに各他方
の入力となる後半の電圧信号OS1b,OS2b,OS
3b,OS4bをそれぞれ合成し、A列−Odd、A列
−Even、B列−Odd、B列−Evenの4系統の
信号として出力する。
【0031】そして、A列−OddおよびA列−Eve
nの各信号はマルチプレクサ(MPX)37aで受光画
素列(A列)11の画素配列に対応した並びに戻されて
A列の1ライン分の信号として出力される。また、B列
−OddおよびB列−Evenの各信号はマルチプレク
サ37bで受光画素列(A列)12の画素配列に対応し
た並びに戻されてB列の1ライン分の信号として出力さ
れる。これら2ライン分の信号は、図示せぬメモリに順
次保存される。
【0032】このように構成された2ラインイメージセ
ンサを用いて、副走査方向の走査速度を通常速度の2倍
の速度に設定して、原稿画像を読み取る場合について説
明する。ここで、通常速度とは、副走査方向の解像度が
主走査方向の解像度と同じになる速度のことを言う。
【0033】<第1適用例>図3は、第1実施形態に係
る一次元CCDイメージセンサを用いた第1適用例に係
る画像読取装置、例えば複写機の内部構成を示す概略構
成図である。
【0034】図3において、キャビネット41の上部開
口には、原稿を載置するためのプラテンガラス42が取
り付けられている。このプラテンガラス42に対して
は、読み取るべき画像を下向きにして原稿(図示せず)
がセットされる。キャビネット41の上部には、プラテ
ンカバー43が開閉自在に取り付けられている。このプ
ラテンカバー43は、原稿の画像を読み取る際にプラテ
ンガラス42の上にかぶせられ、原稿をプラテンガラス
42に密着させる働きをする。
【0035】また、キャビネット41の内部には、プラ
テンガラス42上にセットされた原稿に光を照射するラ
ンプ44と、このランプ44から発せられた光を効率良
く原稿面に集光する働きをするリフレクタ45と、原稿
からの反射光を側方に反射させる第1のミラー46と、
この第1のミラー46からの反射光を下方に反射させる
第2のミラー47と、この第2のミラー47からの反射
光を側方に反射させる第3のミラー48とが設けられて
いる。
【0036】このうち、ランプ44、リフレクタ45お
よび第1のミラー46は、図示せぬフルレートキャリッ
ジに搭載され、図中矢印方向に速度vで移動するように
なっている。また、第2,第3のミラー47,48は、
図示せぬハーフレートキャリッジに搭載され、図中矢印
方向に速度(1/2)・vで移動するようになってい
る。
【0037】さらに、キャビネット41の内部には、遮
光手段としてのサジタルストッパ49と、原稿面からの
反射光を結像させるレンズ50と、このレンズ50によ
って結像された光を電気信号に変換するイメージセンサ
51とが設けられている。そして、このイメージセンサ
51として、先述した第1実施形態に係る2ラインの一
次元CCDイメージセンサが用いられる。
【0038】このような構成からなる画像読取装置によ
り、副走査方向に通常の600dpi入力時の読み取り
速度の2倍の速度で原稿画像の読み取りが行われる。す
なわち、通常600dpi読み取り時には、1ライン分
(約42.3ミクロン)の間隔で情報を読み取る期間に
2ライン分(約84.7ミクロン)副走査方向に移動し
ながら原稿画像を読み取る。
【0039】読み取り周期ごとに8チャンネルの信号と
して順次並列に出力された電圧信号は、例えば図2に示
す信号処理回路において、それぞれAD変換された後、
メモリ等を介して後半部分の信号の反転、前半部分と後
半部分の合成、各列における画素配列に対応した画素単
位での信号電荷の並び替えなどの信号処理が行われ、A
列の1ライン分の信号とB列の1ライン分の信号とした
うえで、順次メモリに保存される。
【0040】このとき、A列,B列でそれぞれ読み取る
ライン位置と読み取り期間の関係を図4に示す。ここで
は、期間0〜tの間にA列の受光画素列11から出力さ
れる読み取り情報A1を示す線分は、原稿の副走査方向
の0から2Lまでの位置の情報を積分したものであると
いうことを示している。つまり、A列およびB列でそれ
ぞれ読み取られた読み取り情報の副走査方向の解像度
は、それぞれ600/2=300dpiとなる。
【0041】図4からわかるように、同一期間における
A列の読み取りラインの位置と、B列の読み取りライン
の位置は副走査方向に5ライン分離れており、例えばB
列で読み取られた読み取り情報B1は、A列で読み取ら
れた読み取り情報A3と読み取り情報A4のちょうど中
間の位置の情報である。したがって、A列およびB列か
らの読み取り情報を2.5周期分ずらして2列分を合成
することで、おのおのの列で読み取る情報ラインの副走
査方向の解像度(300dpi)の2倍の600dpi
とすることができる。つまり、副走査方向の解像度を低
下させることなく、通常の2倍の速度で原稿情報を読み
取ることが可能となる。
【0042】ここで、2ラインイメージセンサを駆動す
る際のクロック周波数を20MHzとすると、各出力回
路21a,21b,22a,22b,23a,23b,
24a,24bにおけるデータレートは各々20MHz
であることから、A列およびB列の各信号のデータレー
トは各々20MHz×4=80MHzとなる。A列、B
列の各信号は同時に並列に出力されるので、結果とし
て、トータルのデータレートは160MHzということ
になる。
【0043】すなわち、第1実施形態に係る2ラインの
一次元CCDイメージセンサを用いた画像読取装置にお
いては、現状の性能の一次元CCDイメージセンサ技術
を用いて、従来の4チャンネル出力を有するイメージセ
ンサを使用したときの読み取り速度に対して、2倍の読
み取り速度を実現することが可能となる。
【0044】また、第1実施形態に係る2ラインの一次
元CCDイメージセンサでは、各受光画素列11,12
間の間隔が製造時に決められているため、画像読取装置
に組み込む段階で精密な位置合わせを行う必要がない、
という利点もある。さらに、当該CCDイメージセンサ
には、原稿からの反射光が分割されることなく入射する
ため、CCDイメージセンサへの露光量を低下させるこ
となく、十分なS/Nでの信号電荷の読み出しが可能と
なる。
【0045】なお、上記第1実施形態では、各受光画素
列11,12からの信号電荷を読み出す出力部の数をお
のおの4チャンネル分有する構成の場合を例に採って説
明したが、これに限られるものではなく、用途によっ
て、出力部の数をおのおの2チャンネル、あるいは出力
部の数をおのおの1チャンネルとした構成を採ることも
可能である。
【0046】また、上記第1実施形態では、受光画素列
11,12間の間隔が5ライン間隔の2ラインイメージ
センサの例について説明したが、この間隔は5ライン間
隔に限定されるものではなく、次式の条件を満足するの
であれば、7ライン間隔、9ライン間隔、…でも良い。
【0047】すなわち、副走査方向の移動速度が、副走
査方向の解像度が主走査方向の解像度と同じになる通常
速度のM倍の速度に設定されるとき、N以下の整数をn
とすると、N列の受光画素列の各々の間隔Dラインが、 D=M・a/n (aはn=Nのとき整数、n<Nの
とき非整数) の条件を満足すれば良い。
【0048】また、上記第1実施形態では、2本(2
列)の受光画素列11,12を有する2ラインイメージ
センサにおいて、2倍の速度で画像読み取りを行う場合
を例に採って説明したが、この読み取り速度は2倍速等
の整数倍の速度に限定されるものではなく、例えば1.
5倍速等の非整数倍の速度でもよい。
【0049】<第2実施形態>図5は、本発明の第2実
施形態に係る一次元CCDイメージセンサの構造を示す
概略平面図である。この第2実施形態に係る一次元CC
Dイメージセンサ60は、それぞれA3原稿の短手方向
の全幅を600dpiの解像度で読み取るために必要な
7500画素の有効な受光素子を含む受光画素列(A
列)61、受光画素列(B列)62、受光画素列(B
列)63が副走査方向に4ライン分隔てて平行に設けら
れた3ラインイメージセンサである。
【0050】受光画素列61の両側には、受光画素列6
1の各画素で光電変換され、ここに蓄積された信号電荷
を、図中縦方向に移送するための信号電荷シフトゲート
64,65がそれぞれ設けられている。受光画素列62
についても同様に、その両側に信号電荷シフトゲート6
6,67がそれぞれ設けられ、受光画素列63について
も同様に、その両側に信号電荷シフトゲート68,69
がそれぞれ設けられている。
【0051】また、この信号電荷シフトゲート64,6
5を挟んで各受光画素列61の両側には、信号電荷シフ
トゲート64,65を介して移送された信号電荷を転送
するCCDからなる信号電荷転送部70,71が設けら
れている。同様に、信号電荷シフトゲート66,67を
挟んで各受光画素列62の両側には信号電荷転送部7
2,73が設けられ、信号電荷シフトゲート68,69
を挟んで各受光画素列63の両側には信号電荷転送部7
4,75が設けられている。
【0052】これら信号電荷転送部70,71,72,
73,74,75は、受光画素列61,62,63から
移送された信号電荷を、受光画素列61,62,63の
ほぼ中央から図中左右方向へ分割して転送する各々2つ
の信号電荷転送部70a,70b,71a,71b,7
2a,72b,73a,73b,74a,74b,75
a,75bからなっている。
【0053】これら信号電荷転送部70a,70b,7
1a,71b,72a,72b,73a,73b,74
a,74b,75a,75bの電荷転送方向の最終段に
は、転送されてきた信号電荷を順次検出して電圧信号に
変換する信号電荷検出部およびソースホロワやインバー
タ等のアナログ回路から成る出力回路76a,76b,
77a,77b,78a,78b,79a,79b,8
0a,80b,81a,81bが接続されている。
【0054】上述した3ライン分の受光画素列61,6
2,63、信号電荷シフトゲート64,65,66,6
7,68,69、信号電荷転送部70,71,72,7
3,74,75(70a,70b,71a,71b,7
2a,72b,73a,73b,74a,74b,75
a,75b)および出力回路76a,76b,77a,
77b,78a,78b,79a,79b,80a,8
0b,81a,81bは、同一の半導体基板上に作製さ
れる。
【0055】次に、上記構成の第2実施形態に係る3ラ
イン(3列)の一次元CCDイメージセンサにおける信
号電荷の転送動作について説明する。
【0056】受光画素列61,62,63において、各
画素ごとに光電変換されて発生し、蓄積された信号電荷
は各々、信号電荷シフトゲート64,65,66,6
7,68,69を介して、奇数画素電荷と偶数画素電荷
に振り分けられて信号電荷転送部70a,70b,71
a,71b,72a,72b,73a,73b,74
a,74b,75a,75bに移送される。
【0057】信号電荷転送部70a,70b,71a,
71b,72a,72b,73a,73b,74a,7
4b,75a,75bは各々例えば2相駆動のCCDか
らなり、例えば20MHzの2相の転送クロックで転送
駆動されることで、受光画素列61,62,63から読
み出された信号電荷を順次転送する。
【0058】このとき、信号電荷転送部部70a,71
a,72a,73a,74a,75aによって図中の左
方向に転送されてきた信号電荷は、出力回路76a,7
7a,78a,79a,80a,81aへ送られる。ま
た、信号電荷転送部70b,71b,72b,73b,
74b,75bによって図中の右方向に転送されてきた
信号電荷は、出力回路76b,77b,78b,79
b,80b,81bへ送られる。
【0059】このようにして、受光画素列61,62,
63に対応する信号電荷は各々、信号電荷検出部やソー
スホロワ、インバータ等のアナログ回路から成る出力回
路76a,76b,77a,77b,78a,78b,
79a,79b,80a,80b,81a,81bへ導
かれる。
【0060】そして、OS1a(A列−Odd前半)、
OS1b(A列−Odd後半)、OS2a(A列−Ev
en前半)、OS2b(A列−Even後半)、OS3
a(B列−Odd前半)、OS3b(B列−Odd後
半)、OS4a(B列−Even前半)、OS4b(B
列−Even後半)、OS5a(C列−Odd前半)、
OS5b(C列−Odd後半)、OS6a(C列−Ev
en前半)、OS6b(C列−Even後半)の合計1
2チャンネルの電圧信号として並列に外部に出力される
ことになる。
【0061】この12チャンネルの電圧信号は、外部の
信号処理回路に供給され、この信号処理回路において受
光画素列61,62,63の各画素配列に対応したA
列、B列、C列の電圧信号に変換される。信号処理回路
としては、基本的に、図2と同様の回路構成のものが用
いられる。
【0062】このような構成からなる画像読取装置によ
り、副走査方向に通常の600dpi入力時の読み取り
速度の3倍の速度で原稿画像の読み取りが行われる。す
なわち、通常600dpi読み取り時には、1ライン分
(約42.3ミクロン)の間隔で情報を読み取る期間に
3ライン分(約127ミクロン)副走査方向に移動しな
がら原稿画像を読み取る。
【0063】読み取り周期ごとに12チャンネルの信号
として順次並列に出力された電圧信号は、それぞれAD
変換された後、メモリ等を介して後半部分の信号の反
転、前半部分と後半部分の合成、各列における画素配列
に対応した画素単位での信号電荷の並び替えなどの信号
処理が行われ、A列、B列、C列各々の1ライン分の信
号としたうえで、順次メモリに保存される。
【0064】このとき、A列,B列およびC列でそれぞ
れ読み取るライン位置と読み取り期間の関係を図6に示
す。ここでは、期間0〜tの間にA列の画素列から出力
される読み取り情報A1を示す線分は、原稿の副走査方
向の0から3Lまでの位置の情報を積分したものである
ということを示している。つまり、A列、B列およびC
列でそれぞれ読み取られた読み取り情報の副走査方向の
解像度は、それぞれ600/3=200dpiである。
【0065】図6からわかるように、同一期間における
A列の読み取りラインの位置とB列の読み取りラインの
位置、およびB列の読み取りラインの位置とC列の読み
取りラインの位置は副走査方向に4ライン分離れてお
り、例えばC列で読み取られた読み取り情報C1は、A
列で読み取られた読み取り情報A4とB列で読み取られ
た読み取り情報B2のちょうど中間の位置の情報であ
る。
【0066】したがって、A列とB列、B列とC列の読
み取り情報を各々4/3周期分ずつずらして、3列分の
読み取り情報を合成することにより、おのおのの列で読
み取る情報ラインの副走査方向の解像度(200dp
i)の3倍の600dpiとすることができる。つま
り、副走査方向の解像度を低下させることなく、通常の
3倍の速度で原稿情報を読み取ることが可能となる。
【0067】ここで、3ラインイメージセンサを駆動す
る際のクロック周波数を20MHzとすると、各出力部
におけるデータレートは各々20MHzであることか
ら、A列、B列およびC列の各信号のデータレートは各
々20MHz×4=80MHzとなる。A列、B列、C
列の各信号は、同時に並列に出力されるので、結果とし
てトータルのデータレートは240MHzということに
なる。
【0068】すなわち、第2実施形態に係る3ラインの
一次元CCDイメージセンサを用いた画像読取装置にお
いては、現状の性能の一次元CCDイメージセンサ技術
を用いて、従来の4チャンネル出力を有するイメージセ
ンサを使用したときの読み取り速度に対して、3倍の読
み取り速度を実現することが可能となる。
【0069】また、第2実施形態に係る3ラインの一次
元CCDイメージセンサでは、第1実施形態に係る2ラ
インの一次元CCDイメージセンサと同様に、各受光画
素列61,62,63の間隔が製造時に決められている
ため、画像読取装置に組み込む段階で精密な位置合わせ
を行う必要がない、という利点もある。さらに、当該C
CDイメージセンサには、原稿からの反射光が分割され
ることなく入射するため、CCDイメージセンサへの露
光量を低減することなく、十分なS/Nでの信号電荷の
読み出しが可能となる。
【0070】なお、上記第2実施形態では、各受光画素
列61,62,63からの信号電荷を読み出す出力部の
数をおのおの4チャンネル分有する構成の場合を例に採
って説明したが、これに限られるものではなく、用途に
よって、出力部の数をおのおの2チャンネル、あるいは
出力部の数をおのおの1チャンネルとした構成を採るこ
とも可能である。
【0071】また、例えば、本画像読取装置に、現在、
フルカラー画像読取装置用に製品化されている4ライン
ギャップ、8ラインギャップのRGB3ラインカラーC
CDイメージセンサのオンチップカラーフィルターを省
略したものを用いることも可能であり、要は、3列の受
光画素列の相互の間隔が、下記式の条件を満足していれ
ば良いのである。
【0072】また、上記第2実施形態では、受光画素列
61,62,63の間隔が4ライン間隔の3ラインイメ
ージセンサの例について説明したが、この間隔は4ライ
ン間隔に限定されるものではなく、次式の条件を満足す
るのであれば、5ライン間隔、7ライン間隔、…でも良
い。
【0073】すなわち、副走査方向の移動速度が、副走
査方向の解像度が主走査方向の解像度と同じになる通常
速度のM倍の速度に設定されるとき、N以下の整数をn
とすると、N列の受光画素列の各々の間隔Dラインが、 D=M・a/n (aはn=Nのとき整数、n<Nの
とき非整数) の条件を満足すれば良い。
【0074】また、上記第2実施形態では、3本(3
列)の受光画素列61,62,63を有する3ラインイ
メージセンサにおいて、3倍の速度で画像読み取りを行
う場合を例に採って説明したが、この読み取り速度は3
倍速等の整数倍の速度に限定されるものではなく、例え
ば2.5倍速等の非整数倍の速度でもよい。
【0075】<第2適用例>図8は、第2実施形態に係
る一次元CCDイメージセンサを用いた第2適用例に係
る画像読取装置、例えば高速レーザプリンタのプリント
出力画像を読み取って原画像と照合する画像読取照合装
置の構成の一例を示すブロック図である。
【0076】通常の複写機の場合には複写速度が例えば
400(mm/sec)程度であるのに対し、高速レー
ザプリンタの場合にはプリント速度が例えば1000
(mm/sec)程度と非常に高速である。この高速な
プリント速度で出力されるプリント原稿の画像を読み取
るためには、より高速な画像読み取りが可能なイメージ
センサが必要となる。このイメージセンサとして、第2
実施形態に係る一次元CCDイメージセンサ、即ち3ラ
インCCDイメージセンサが最適である。
【0077】図8において、高速レーザプリンタ(図示
せず)から出力されたプリント原稿(被検査原稿)84
は、一対の紙送りローラー85a,85bによって原稿
送りを受けることで機械的に副走査される。この副走査
されているプリント原稿84は、その原稿面が照明手
段、例えばランプ86によって照明される。そして、こ
の照明光に基づく原稿面からの反射光が原稿画像を読み
取った光学像となる。
【0078】原稿面からの反射光である光学像は、結像
レンズ87によって3ラインCCDイメージセンサ88
の撮像面上に結像される。この3ラインCCDイメージ
センサ88として、例えば、先述した第2実施形態に係
る一次元CCDイメージセンサ(図5を参照)が用いら
れる。3ラインCCDイメージセンサ88は、撮像面上
に結像された光学像を、主走査方向に走査しつつ画素単
位で光電変換して出力する。
【0079】3ラインCCDイメージセンサ88を駆動
する各種のクロック信号はタイミングジェネレータ89
から供給される。タイミングジェネレータ89は、3ラ
インCCDイメージセンサ88を含む読取回路全体のタ
イミングを制御する。このタイミングジェネレータ89
から出力される各種のクロック信号の1つとして、ライ
ン同期信号がある。このライン同期信号は、1主走査ラ
イン分の同期をとる信号であると同時に、3ラインCC
Dイメージセンサ88の露光期間を制御する信号であ
る。
【0080】3ラインCCDイメージセンサ88から
は、先述したように、光学像を光電変換することによっ
て各ラインごとに4チャネルの出力信号が得られる。な
お、以下の説明では、図面の簡略化のために、各ライン
ごとに1系統の出力信号が導出されるものとして説明す
る。3ラインCCDイメージセンサ88の3ライン分の
出力信号は各ラインごとに、アンプ90−1,90−
2,90−3で増幅され、A/D変換器91−1,91
−2,91−3でデジタルデータに変換されて検査回路
92に供給される。
【0081】上記信号処理系において、アンプ90−
1,90−2,90−3のゲインは、これらアンプを含
む図示せぬアナログASIC(Application SpecifiedI
C)に内蔵されているD/A変換器を通して、CPU(Ce
ntral Processing Unit)93から設定される。また、被
検査原稿(プリント原稿)84の原稿面を照明するラン
プ86は、ランプ駆動回路94によって点灯駆動され
る。
【0082】ランプ駆動回路94は、タイミングジェネ
レータ89から出力されるライン同期信号に同期して、
ランプ86を点滅駆動する制御を行う。具体的には、ラ
ンプ駆動回路94は、ライン同期信号によってカウント
値がリセットされるカウンタ(図示せず)を内蔵し、こ
のカウンタのカウント動作を例えばCCDイメージセン
サ88の電荷転送に用いる転送クロックに同期して行
い、そのカウント値が上限値に達したとき点灯状態から
消灯状態への切り替えタイミングとする。ランプ86の
点灯期間(Duty)については、CPU93からの設
定データに基づいて上記カウンタの上限値を変えること
によって任意に設定することができる。
【0083】図8に、被検査原稿(プリント原稿)とC
CDイメージセンサとを副走査方向において相対的に移
動させた際における原稿上の読取位置の移動状態を示
す。
【0084】通常のCCDイメージセンサ(ラインセン
サ)での画像読み取りでは、ランプ86を常にオン状態
(点灯状態)として原稿面を照明する一方、前述したラ
イン同期信号によって区切られる露光期間分(1主走査
ライン分)露光動作を継続する。また、標準的な読取モ
ードにおいては、主走査方向の読取ピッチ分だけ、相対
位置が移動する時間を、ライン同期信号期間と一致させ
ている。その結果、図8(a)に示すように、原稿上の
読取位置が1画素ピッチ分だけ移動することになる。
【0085】一方、例えば3ラインCCDイメージセン
サ88の場合には、3本の読取ライン(受光画素列)で
並列読み出しする分、図8(b)に示すように、ライン
同期信号期間での各ラインの読取位置の移動距離は長く
なる。この原稿上の読取位置の移動状態について、図9
〜図11を用いてより詳細に説明する。
【0086】図9は1ラインCCDイメージセンサによ
る標準的な読み取りを行う場合の動作説明図であり、図
10は2ラインCCDイメージセンサによる並列読み取
りを行う場合の動作説明図であり、図11は3ラインC
CDイメージセンサによる並列読み取りを行う場合の動
作説明図である。これら図において、横軸は原稿上の位
置を示しており、また最上段が原稿面の1画素単位の情
報を、その下が各読取ラインの走査ラインごとの露光時
間をそれぞれ示している。ここでは、一例として、30
0dpiの場合の0.085mmを1画素ピッチとして
いる。
【0087】先ず、1ラインCCDイメージセンサによ
る標準的な読み取りを行う場合は、各読取ラインの走査
ラインごとの露光時間については、画素の右側の部分
(移動方向の前半部分)は露光期間中常に読み取りを行
っているのに対し、左側の部分(移動方向の後半部分)
は読取位置の移動により、次第に読取位置から外れてい
くことから、この部分からくる情報に対して露光してい
る時間が少ない。一方、読取位置は次第に次の画素に移
っていくことで、次の画素については図の左から右に露
光時間が漸減していく。また、ライン同期信号と露光時
間との関係では、原稿上の位置に対応する読取時刻にお
けるライン同期信号を示している。各ラインの露光開始
/終了に対応してライン同期信号が入力される。
【0088】このように、1ラインCCDイメージセン
サによる標準的な読み取りの場合には、図9の動作説明
図から明らかなように、2画素分に亘って露光され、そ
の2画素の境界を頂点とする山型の露光時間のグラフと
なる。
【0089】次に、2ラインCCDイメージセンサによ
る並列読み取りを行う場合は、図10に示すように、n
ライン目・n+2ライン目の読み取りを行う読取ライン
に対して、n+1ライン目・n+3ライン目の読み取り
を行う読取ラインは、原稿上でのサンプリング位相が1
/2位相だけずれた読み取りを行う。ライン同期信号に
ついては、nライン目・n+2ライン目を読み取るライ
ンに合わせて示しており、ライン同期信号期間中の移動
量が増え、露光時間グラフは台形となる。このことによ
り、2ラインCCDイメージセンサによる並列読み取り
の場合には、サンプリング窓が大きくなって読取解像度
がボケ気味となる。
【0090】ところで、本適用例に係る画像読取照合装
置の場合のように、高速レーザプリンタのプリント出力
画像を読み取って原画像と照合する印刷検査用途では、
読取解像度がシャープであると、例えば1本の線が画素
間の中間に位置する場合と画素中心上に位置する場合と
でボケ方が違ってきて、それがモアレの原因となる。こ
こで、モアレとは、一般に類似した周期的なパターンの
重なりによって生じる干渉で現れる縞状の模様を言う。
【0091】このモアレの観点からすると、印刷検査用
途では、2ラインCCDイメージセンサによる並列読み
取りで生じる程度のボケはモアレ抑制のために適度なも
のである。換言すれば、印刷検査用途は、画像を読み取
るイメージセンサとして、若干ボケ気味の読取解像度が
得られる2ラインCCDイメージセンサが好ましい。た
だし、画像読み取りの高速化の観点からすれば、2ライ
ンCCDイメージセンサよりも3ラインCCDイメージ
センサの方が好ましいことは明らかである。
【0092】最後に、3ラインCCDイメージセンサに
よる並列読み取りを行う場合について説明する。この場
合は、図10に示すように、nライン目・n+3ライン
目の読み取りを行う読取ラインに対して、n+1ライン
目・n+4ライン目の読み取りを行う読取ラインとn+
2ライン目・n+5ライン目の読み取りを行う読取ライ
ンは、原稿上でのサンプリング位相が互いに1/3位相
ずつずれた読み取りを行う。
【0093】こうした1/3位相ずつずらした読み取り
を行うには、図5に示す3ラインCCDイメージセンサ
において、標準モードでの走査送り速度の3倍の速度で
走査送りすると、ラインずれ量が4/3ラインと8/3
ラインとなり、整数分をFIFO(First-In First-Out)
メモリなどの遅延手段を用いて遅延補正すれば、1/3
ライン・2/3ラインの位相ずれを実現できる。ライン
同期信号については、nライン目・n+3ライン目を読
み取るラインに合わせて示しており、ライン同期信号期
間中の移動量がさらに増える。
【0094】このように、3ラインCCDイメージセン
サによる並列読み取りを行う場合には、各ラインのサン
プリング窓(読取開口)が副走査方向において読取ピッ
チの3倍となるため、読取解像度が必要以上にボケてし
まい、本来目指したモアレ防止のためのぼかし効果以上
に、読取解像度が低下してしまう。したがって、3ライ
ンCCDイメージセンサは2ラインCCDイメージセン
サに比べて、画像読取の高速化の点では優れているもの
の、読取解像度の点では劣ることになる。
【0095】以上の点に鑑み、第2適用例に係る画像読
取照合装置、即ちイメージセンサとして3ラインCCD
イメージセンサを用いた印刷検査用途の画像読取装置に
おいては、先述したように、ランプ駆動回路94によ
り、タイミングジェネレータ89から出力されるライン
同期信号に同期して、ランプ86を点滅駆動する構成、
即ちランプ86の点灯期間を調整する構成を採ってい
る。
【0096】図12は、3ラインCCDイメージセンサ
による並列読み取りを行う際に、ランプ86の点灯期間
調整を組み合わせた場合の動作説明図である。本例で
は、ライン同期信号に同期してランプ86を点灯させ、
ライン同期信号の周期の2/3の期間に亘って露光した
後、ランプ86を消灯させるようにしている。
【0097】このように、ライン同期信号の周期の2/
3の期間を露光期間とすることで、図10と図12との
対比から明らかなように、露光グラフは2ラインCCD
イメージセンサによる並列読み取りの場合と同等の特性
を示す。これは、3ラインCCDイメージセンサによる
並列読み取りの場合、サンプリング窓が大きくなったこ
とで、読取解像度がボケすぎる影響を除くことができ
る、換言すれば2ラインCCDイメージセンサによる並
列読み取りの場合と同程度の読取解像度を得ることがで
きることを意味する。
【0098】なお、本適用例では、3ラインCCDイメ
ージセンサを用いた画像読取装置において、ランプ86
の点灯期間(露光期間)をライン同期信号の周期の2/
3の期間に設定するとしたが、CPU93からの設定に
よってその点灯期間を制御することも可能である。すな
わち、結像レンズ87を含む光学系の精度に応じて読取
解像度が変わってくることから、ランプ86の点灯期間
を制御することで、モアレ防止に最適となるように読取
解像度を調整することができる。
【0099】また、本適用例に係る画像読取装置では、
3ラインCCDイメージセンサを用いた場合を例に採っ
たが、ランプ86をライン同期信号に同期して点滅駆動
するという基本的な考え方は、3ラインCCDイメージ
センサを用いた場合に限られるものではなく、2ライン
あるいは4ライン以上のCCDイメージセンサを用いた
場合にも適用可能である。
【0100】なお、本適用例に係る画像読取装置におい
て、露光時間が短くなることによって3ラインCCDイ
メージセンサの各ラインの出力信号レベルが若干減少す
ることになる。ただし、その減少分は30%程度であ
り、図7において、アンプ90−1,90−2,90−
3のゲインを調整することで、その減少分を補うことが
できるため、露光時間が短くなることによるS/Nへの
影響は少ない。
【0101】また、ランプ86としては、高速点滅が可
能なLED(発光ダイオード)や蛍光ランプが適する。
蛍光ランプを使う場合には、蛍光体として残光時間の短
いものを使用するのが好ましい。なお、高速レーザプリ
ンタのプリント出力画像を読み取って原画像と照合する
印刷検査用途では、複写機のように白基準板がなく、シ
ェーディングデータの更新が難しいので、光量安定性の
良い稀ガス蛍光ランプが、水銀蛍光ランプに比べてより
適している。
【0102】稀ガスランプ用の蛍光体は、励起波長が2
00nm以下で有機系蛍光体がダメージを受けてしまう
ため、水銀蛍光ランプの蛍光体のうち、ハロリン酸系の
蛍光体は使えず、使える種類が希土類系の蛍光体などに
限られる。このうち、残光時間の短い蛍光体としては、
BAM(例えば、BaMg2 Al1627:Eu=ユーロ
ピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート蛍光体)
という青色蛍光体がある。この青色蛍光体を使用した稀
ガス蛍光ランプを、原稿面を照明するランプ86として
使用するのが好ましい。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一次元イメージセンサで原稿を主走査方向に走査しつ
つ、一次元イメージセンサと原稿とを相対的に副走査方
向に移動させて、一次元イメージセンサによって二次元
の原稿画像情報を得る画像読取装置において、一次元イ
メージセンサを、互いに所定の間隔を持って平行に配置
された複数ライン分の受光画素列で構成し、この一次元
イメージセンサの各ラインの原稿面上での読取サンプリ
ング位相を互いにずらせてライン同期信号に基づいて読
取動作を行うとともに、原稿面を照明する照明手段をラ
イン同期信号に同期して点滅駆動することにより、読取
画像品質を損なうことなく、高速プリンタの印刷検査用
途などにも対応できる高速読み取りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る一次元CCDイ
メージセンサの構造を示す概略平面図である。
【図2】 第1実施形態に係る一次元CCDイメージセ
ンサの出力信号を処理する信号処理回路の構成の一例を
示すブロック図である。
【図3】 第1実施形態に係る一次元CCDイメージセ
ンサを用いた複写機の内部構成を示す概略構成図であ
る。
【図4】 第1実施形態に係る一次元CCDイメージセ
ンサによる各期間における読み取り位置を示す図であ
る。
【図5】 本発明の第2実施形態に係る一次元CCDイ
メージセンサの構造を示す概略平面図である。
【図6】 第2実施形態に係る一次元CCDイメージセ
ンサによる各期間における読み取り位置を示す図であ
る。
【図7】 第2実施形態に係る一次元CCDイメージセ
ンサを用いた印刷検査用途の画像読取照合装置の構成を
示すブロック図である
【図8】 被検査原稿とCCDイメージセンサとを副走
査方向において相対的に移動させた際における原稿上の
読取位置の移動状態を示す図である。
【図9】 1ラインCCDイメージセンサによる標準的
な読み取りを行う場合の動作説明図である。
【図10】 2ラインCCDイメージセンサによる並列
読み取りを行う場合の動作説明図である。
【図11】 3ラインCCDイメージセンサによる並列
読み取りを行う場合の動作説明図である。
【図12】 3ラインCCDイメージセンサによる並列
読み取りを行う際に、ランプの点灯期間調整を組み合わ
せた場合の動作説明図である。
【図13】 従来例に係る画像読取装置を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
10,51,60…一次元CCDイメージセンサ、1
1,12,61,62,63…受光画素列、17,1
8,19,20,70,71,72,73,74,75
…信号電荷転送部、21a,21b,22a,22b,
23a,23b,24a,24b,76a,76b,7
7a,77b,78a,78b,79a,79b,80
a,80b,81a,81b…出力回路、84…被検査
原稿(プリント出力原稿)、86…ランプ、88…3ラ
インCCDイメージセンサ、89…タイミングジェネレ
ータ、94…ランプ駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B047 AA01 BB03 BC01 BC05 BC09 BC11 BC14 BC23 CA08 CA19 CB07 CB17 5C072 AA01 BA03 CA02 CA12 DA02 DA04 DA21 EA05 FA08 FB27 XA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定の間隔を持って平行に配置さ
    れた複数ライン分の受光画素列を有し、原稿を主走査方
    向に走査しつつ副走査方向において原稿に対して相対的
    に移動して原稿画像を読み取る一次元イメージセンサ
    と、 前記一次元イメージセンサの各ラインの原稿面上での読
    取サンプリング位相を互いにずらせてライン同期信号に
    基づいて読取動作を行わせる制御手段と、 原稿面を照明する照明手段と、 前記照明手段を前記ライン同期信号に同期して点滅駆動
    する駆動手段とを備えることを特徴とする画像読取装
    置。
  2. 【請求項2】 前記一次元イメージセンサは副走査方向
    に間隔Dライン分を隔てて平行に配置されたNライン分
    (N≧2)の受光画素列を有し、 副走査方向の移動速度が、副走査方向の解像度が主走査
    方向の解像度と同じになる通常速度のM倍の速度に設定
    されるとき、 N以下の整数をnとすると、前記Nライン分の受光画素
    列の各々の間隔Dが、 D=M・a/n (aはn=Nのとき整数、n<Nの
    とき非整数) を満足することを特徴とする請求項1記載の画像読取装
    置。
  3. 【請求項3】 前記一次元イメージセンサは、Nライン
    分の受光画素列の各々に対して、受光画素列からの信号
    電荷を転送するための複数の信号電荷転送手段および出
    力手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像読
    取装置。
  4. 【請求項4】 前記一次元イメージセンサは、3ライン
    分の受光画素列を有する3ラインイメージセンサであ
    り、 前記駆動手段は、前記ライン同期信号の周期の2/3の
    期間を前記照明手段の点灯期間とすることを特徴とする
    請求項2記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記照明手段は、青色の稀ガス蛍光ラン
    プであることを特徴とする請求項1または請求項4記載
    の画像読取装置。
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WO2021176971A1 (ja) * 2020-03-03 2021-09-10 Necプラットフォームズ株式会社 画像読取装置の制御方法、画像読取装置、及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体
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