JP2002313057A - 磁気テープカセット - Google Patents

磁気テープカセット

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JP2002313057A
JP2002313057A JP2001119618A JP2001119618A JP2002313057A JP 2002313057 A JP2002313057 A JP 2002313057A JP 2001119618 A JP2001119618 A JP 2001119618A JP 2001119618 A JP2001119618 A JP 2001119618A JP 2002313057 A JP2002313057 A JP 2002313057A
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magnetic
powder
layer
resin
guide roller
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JP2001119618A
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Naoto Murao
直人 村尾
Hiroaki Araki
宏明 荒木
Tomohiro Ichikawa
智洋 市川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • G11INFORMATION STORAGE
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    • G11B23/00Record carriers not specific to the method of recording or reproducing; Accessories, e.g. containers, specially adapted for co-operation with the recording or reproducing apparatus ; Intermediate mediums; Apparatus or processes specially adapted for their manufacture
    • G11B23/02Containers; Storing means both adapted to cooperate with the recording or reproducing means
    • G11B23/04Magazines; Cassettes for webs or filaments
    • G11B23/08Magazines; Cassettes for webs or filaments for housing webs or filaments having two distinct ends
    • G11B23/087Magazines; Cassettes for webs or filaments for housing webs or filaments having two distinct ends using two different reels or cores
    • G11B23/08707Details
    • G11B23/08757Guiding means
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/68Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent
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    • G11B5/706Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer characterised by the composition of the magnetic material
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    • G11B5/70615Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer characterised by the composition of the magnetic material metals or alloys containing Fe metal or alloys

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高出力でかつリトライ回数の極端に少ない高
密度記録用磁気記録媒体を収納した磁気テープカセット
を提供すること。 【解決手段】 支持体上の一方の面に非磁性粉末及び結
合剤を含む非磁性層を設け、その上に強磁性粉末及び結
合剤を含む磁性層を設け、他方の面にカーボンブラック
粉末及び結合剤を含むバック層を設けた磁気記録媒体2
6を巻回したリール28,30を収納した2リール式の
磁気テープカセット20において、そのカセット内に磁
性面と接する樹脂でできた回転ガイドローラー36を有
し、その回転ガイドローラーの十点平均粗さRzが3.
0μm以上4.5μm以下でかつ前記磁性層の中心面平
均粗さSRaが2.0nm以上、3.5nm以下である
磁気テープカセット20。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布型の高記録密度
磁気記録媒体を収納した磁気テープカセットに関する。
特に非磁性粉末と結合剤を含む下層を設け、その上に強
磁性金属微粉末を含む上層を設けた高密度記録用の磁気
記録媒体を収納した磁気テープカセットに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】これまで放送用の分野においては、強磁
性金属粉末を用いた単層の塗布型メタルテープや非磁性
層を同時塗布することで磁性層を薄層化し出力を向上さ
せた重層タイプのメタルテープが使用されてきた。ハイ
ビジョン放送やデジタル地上波放送等の高画質放送の普
及により、従来よりも高記録密度の記録媒体が望まれて
いる。またデータストレージの分野においても取り扱う
情報量が飛躍的に増加し、放送用で使われてきた回転ヘ
ッド方式のシステムが使われる様になってきた。この分
野でも放送用と同じく高記録密度で信頼性の高いバック
アップテープが望まれている。この様な状況に対し、記
録媒体の線記録密度の向上のために磁性面の表面性は益
々平滑になり、摩擦係数の増加による走行耐久性の劣化
が懸念される。また体積記録密度を下げて高容量化をは
かるため記録媒体の薄層化は避けて通れないため、テー
プ強度の低下によるエッジ折れ等の耐久性劣化が懸念さ
れる。つまり高記録密度を達成するためには耐久性の改
善が必須である。さらに単位記録面積が減少することで
これまでは問題にならなかった磁性面上の微少な異物が
記録抜け等となる可能性がある。データストーレージシ
ステムでは記録時に抜け等のエラーが発生するとテープ
上の別の箇所へ再記録(以下リトライと呼ぶ)し情報の
欠落を防いでいる。テープ上の異物の存在でリトライ回
数が増えるとシステムの転送レートが急激に低下してし
まう。放送用分野もデーターストレージの分野でも高記
録密度でかつ耐久性に優れた信頼性の高い磁気記録媒体
を収納した磁気テープカセットが要請されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は高出力でかつリトライ回数の極端に少ない高密
度記録用磁気記録媒体を収納した磁気テープカセットを
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】支持体上の一方の面に非
磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層を設け、その上に強
磁性粉末及び結合剤を含む磁性層を設け、他方の面にカ
ーボンブラック粉末及び結合剤を含むバック層を設けた
磁気記録媒体を巻回したリールを収納した2リール式の
データストレージ用カセットにおいて、そのカセット内
に磁性面と接する樹脂でできた回転ガイドローラーを有
し、その回転ガイドローラーの十点平均粗さRzが3.
0μm以上4.5μm以下でかつ磁性面の中心面平均粗
さSRaが2.0nm以上、3.5nm以下である磁気
記録媒体を収納したことを特徴とする磁気テープカセッ
ト。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体を収納した
磁気テープカセットにおいて、出力を高くし、かつ走行
耐久性を向上させるためには、カセット内の磁性面と接
する回転ガイドローラーと磁性面との摩擦係数が一定以
下であることが必要である。上記の回転ガイドローラー
は、通常、カセットの下ハーフに形成された孔に金属製
の軸受けピンを圧入して突設し、この軸受けピンに上記
回転ガイドローラーに形成された中心孔を遊嵌させたも
のであるが、上記軸受けピンを下ハーフ底壁面に厳密に
垂直に形成することは困難であり、不可避的に±0.8
度の範囲内の傾きをもって形成されてしまう。その影響
により、回転ガイドローラーも同程度の傾きが生じてし
まう。このような傾いた回転ガイドローラーの表面と、
これに接する磁性層表面との摩擦係数が高くなると回転
ガイドローラーの傾き方向へテープが引っ張られテープ
エッジが強く擦れてデブリ(粉落ち)が発生しシステム
のリトライ回数が増加してしまう。最悪の場合は記録ヘ
ッドのギャップにデブリが付着し目詰まりが発生してし
まう。摩擦係数をコントロールする方法としては、例え
ば回転ガイドローラーの表面粗さを切削加工等を施して
粗面化したり、回転ガイドローラーの表面に回転方向と
垂直な方向に一定間隔の溝加工を施す等により摩擦係数
を低くコントロールすることが可能である。但し回転ガ
イドローラーの表面を一定以上に粗面化すると磁性面に
スリキズが発生してしまう。
【0006】本発明における回転ガイドローラーの十点
平均粗さRzとは、回転ガイドローラーの表面を回転軸
方向に触針式表面粗さ測定器で回転軸方向に測定して得
られる値である。その測定方法の詳細は、JIS規格B
0601に規定されている。
【0007】また、本発明における磁性層の中心面平均
粗さSRaは、光干渉式表面粗さ計(米国WYKO社製
デジタルオプティカルプロファイラー:HD−200
0)を用いて測定できる。対物レンズ:×50、中間レ
ンズ:×0.5、及び測定範囲:242μm×184μ
mの条件で、被測定面(磁気記録テープの磁性層表面)
を測定し、その測定結果に傾き補正及び円筒補正を施し
た基礎データを得る。この基礎データから中心面平均粗
さRa(単位:nm)を算出する。
【0008】従来、記録媒体として、磁気記録媒体を収
納した磁気テープカセットが多用されている。この磁気
テープカセットはその用途に応じて、民生用と業務用に
区分される。図1は、本発明の一実施態様として、業務
用の磁気テープカセットであるベータカムLカセットの
主要構成部品を示した分解斜視図である。
【0009】図1に示すように、このベータカムLカセ
ット(以下、単に「カセット」という。)20は、カセ
ットケースを構成する上ハーフ24及び下ハーフ22
と、上下ハーフ24,22内に回転可能に収容され、か
つ磁気テープ26が巻回された一対の繰出し及び巻取り
用のテープリール28,30と、上下ハーフ24,22
の前部側開口を開閉可能に蓋するリッド32とから概略
構成されている。
【0010】以上に加え、上下ハーフ24,22同士を
接合するための複数のビス34、下ハーフ22内のテー
プ繰出し及び巻取り用開口に配置される一対のガイドロ
ーラ36及び金属製のガイドピン38等が取付けられ
る。また、図中符号46は各テープリール28,30上
に配置されるリールホルダ、48は各テープリール2
8,30をリールホルダ46を介して付勢するリールバ
ネ、50は上ハーフ24の上部側からリールバネ48を
係止するセンターキャップである。繰出しテープリール
から送り出された磁気テープは、先ずガイドローラ36
にその磁性層が接するように、次いでガイドピン38に
は磁気テープの背面側(通常はバック層が設けられてい
るので、そのバック層表面)が接するように懸架され、
巻取りリールに巻き取られる際には、その直前におい
て、その近傍に設けられたガイドピン38に磁気テープ
の背面側が、次いでガイドロール36には磁性層が接す
るように懸架される。
【0011】パッド44は、その側面をガイドローラ3
6と、開口端のガイドピン38の間を通過する磁気テー
プ26の裏面に摺接し、適度な付勢圧で磁気テープ26
を押圧する。カセット20から取出された磁気テープ2
6は、記録再生装置側の図示しない各種ガイドピンに案
内されつつ図示しないヘッドに掛け回され、キャプスタ
ンモータの回転に応じて繰出し又は巻戻しされる。
【0012】以上の各種構成部品のうち、ガイドローラ
36は、滑性があり、かつ機械的強度のある、例えばポ
リオキシメチレン(POM)等の樹脂からなっており、
樹脂製の棒材から機械による切削加工で製造する方法、
射出成形により製造する方法など、従来より公知の方法
で作成できる。そして、ガイドローラ36は、磁気テー
プ26の走行安定性を確保するとともに、効率的に案内
するためのものであり、その中心孔を下ハーフ24に突
設した軸受ピンに遊嵌することによって回転可能に支持
される。本発明においては、このガイドローラの十点平
均粗さRzを3.0μm以上かつ4.5μm以下の範囲
に設定する。
【0013】(磁性層)本発明では非磁性層(以下、
「下層」ともいう。)と、薄層磁性層(以下、「上層」、
「上層磁性層」ともいう。)を支持体の両面ないし片面
に設けることができる。上下層は下層を塗布後、下層が
湿潤状態にある間(Wet on Wet)でも、乾燥
した後(Wet on Dry)でも上層磁性層を設け
ることができる。
【0014】(強磁性金属粉末)本発明における強磁性
金属粉末としては、α−Feを主成分とする強磁性合金
粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以
外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、C
u、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、
Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、L
a、Ce、Pr、Nd、Sm、P、Co、Mn、Zn、
Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特
に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Sm、
Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含む
ことが好ましく、Co、Y、Al、Nd、Smの少なく
とも一つを含むことがさらに好ましい。Coの含有量は
Feに対して0原子%以上40原子%以下が好ましく、
さらに好ましくは5原子%以上35原子%以下、より好
ましくは10原子%以上35原子%以下である。Yの含
有量は1.5原子%以上12原子%以下が好ましく、さ
らに好ましくは3原子%以上10原子%以下、より好ま
しくは3原子%以上9原子%以下である。Alは1.5
原子%以上13原子%以下が好ましく、さらに好ましく
は3原子%以上11原子%以下、より好ましくは4原子
%以上10原子%以下である。これらの強磁性粉末には
あとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤
などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。
具体的には、特公昭44−14090号、特公昭45−
18372号、特公昭47−22062号、特公昭47
−22513号、特公昭46−28466号、特公昭4
6−38755号、特公昭47−4286号、特公昭4
7−12422号、特公昭47−17284号、特公昭
47−18509号、特公昭47−18573号、特公
昭39−10307号、特公昭46−39639号、米
国特許第3026215号、同3031341号、同3
100194号、同3242005号、同338901
4号等の公報に記載されている。
【0015】強磁性金属粉末には少量の水酸化物、また
は酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末は公知の製
造方法により得られたものを用いることができ、下記の
方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシ
ュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸
化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはF
e−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を
熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナ
トリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元
剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中
で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このように
して得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、すな
わち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤
に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜
を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素
ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形
成する方法のいずれを施したものでも用いることができ
る。
【0016】本発明における磁性層の強磁性金属粉末を
BET法による比表面積で表せば45〜80m/gで
あり、好ましくは50〜70m/gである。45m
/g以下ではノイズが高くなり、80m/g以上では
表面性が得にくく好ましくない。本発明における磁性層
の強磁性金属粉末の結晶子サイズは80〜180オング
ストロームであり、好ましくは100〜180オングス
トローム、更に好ましくは110〜175オングストロ
ームである。強磁性金属粉末の平均長軸長は、好ましく
は30〜150nmであり、さらに好ましくは30〜1
00nmである。強磁性金属粉末の針状比は3以上15
以下が好ましく、さらには5以上12以下が好ましい。
強磁性金属粉末のHcは通常155〜239kA/m
(1950〜3000Oe)であり、好ましくは159
〜223kA/m(2000〜2800Oe)強磁性金
属粉末の飽和磁化(σ)は100〜200A・m
kg(100〜200emu/g)であり、好ましくは
120〜180A・m/kg(120〜180emu
/g)である。
【0017】強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2重
量%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性
金属粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性金
属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化
することが好ましい。その範囲は通常、4〜12である
が、好ましくは6〜10である。強磁性金属粉末は必要
に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表
面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末
に対し通常、0.1〜10重量%であり表面処理を施す
と脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下に
なり好ましい。強磁性金属粉末には可溶性のNa、C
a、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があ
る。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200p
pm以下であれば特に特性に影響を与えることは少な
い。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は空孔が
少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに
好ましくは5容量%以下である。また形状については先
に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、
米粒状、紡錘状のいずれでもかまわない。強磁性金属粉
末自体のSFD(switching field d
istribution)は小さい方が好ましく、0.
8以下が好ましい。強磁性金属粉末のHcの分布を小さ
くする必要がある。尚、SFDが0.8以下であると、
電磁変換特性が良好で、出力が高く、また、磁化反転が
シャープでピークシフトも少なくなり、高密度デジタル
磁気記録に好適である。Hcの分布を小さくするために
は、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を
良くする、焼結を防止するなどの方法がある。
【0018】(下層)次に下層に関する詳細な内容につ
いて説明する。本発明における下層は少なくとも樹脂か
らなり、好ましくは、粉体、例えば、無機粉末あるいは
有機粉末が樹脂中に分散されたものが挙げられる。該無
機粉末は、通常、好ましくは非磁性粉末であるが、磁性
粉末を電磁変換特性に実質的に影響しない範囲で混合し
て使用してもよい。
【0019】該非磁性粉末としては、例えば、金属酸化
物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化
物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができ
る。無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−
アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミ
ナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化
鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、
チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化ス
ズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコ
ニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単
独または組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度
分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更
に好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。これら
非磁性粉末の平均粒子径は0.005〜2μmが好まし
いが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組
み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くし
て同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好まし
いのは非磁性粉末の平均粒子径は0.01μm〜0.2
μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である
場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状
金属酸化物である場合は、平均長軸長が0.3μm以下
が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。タップ
密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.
5g/mlである。非磁性粉末の含水率は0.1〜5重
量%、好ましくは0.2〜3重量%、更に好ましくは
0.3〜1.5重量%である。非磁性粉末のpHは通
常、2〜11であるが、pHは3〜10の間が特に好ま
しい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m/g、好
ましくは5〜80m/g、更に好ましくは10〜70
/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.00
4μm〜1μmが好ましく、0.04μm〜0.1μm
が更に好ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用い
た吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10
〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml
/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6
である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれで
も良い。モース硬度は4以上、10以下のものが好まし
い。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜2
0μmol/m、好ましくは2〜15μmol/
、さらに好ましくは3〜8μmol/mである。
これらの非磁性粉末の表面は表面処理が施されAl
、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb
、ZnO、Yが存在することが好ましい。特
に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO
、ZrOであるが、更に好ましいのはAl
SiO、ZrOである。これらは組み合わせて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナを存在させた後にその表層にシリカを存在させ
る方法、またはその逆の方法を採ることもできる。ま
た、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わな
いが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0020】本発明における下層に用いられる非磁性粉
末の具体的な例としては、昭和電工(株)製ナノタイ
ト、住友化学工業(株)製HIT−100、ZA−G
1、戸田工業社製αヘマタイトDPN−250、DPN
−250BX、DPN−245、DPN−270BX、
DPN−500BX、DBN−SA1、DBN−SA
3、石原産業(株)製酸化チタンTTO−51B、TT
O−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO
−55S、TTO−55D、SN−100、αヘマタイ
トE270、E271、E300、E303、チタン工
業製酸化チタンSTT−4D、STT−30D、STT
−30、STT−65C、αヘマタイトα−40、テイ
カ(株)製MT−100S、MT−100T、MT−1
50W、MT−500B、MT−600B、MT−10
0F、MT−500HD、堺化学工業(株)製FINE
X−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−
M、同和鉱業(株)製DEFIC−Y、DEFIC−
R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇
部興産(株)製100A、500A、及びそれを焼成し
たものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化
チタンとα−酸化鉄である。
【0021】下層にカーボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすることができる。カーボンブラックの種類は
ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラッ
ク、アセチレンブラック等を用いることができる。下層
のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のよ
うな特性を最適化すべきであり、併用することでより効
果が得られることがある。
【0022】下層のカーボンブラックの比表面積は10
0〜500m/g、好ましくは150〜400m
g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ま
しくは30〜400ml/100gである。カーボンブ
ラックの平均粒子径は5nm〜80nm、好ましくは1
0〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmであ
る。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.
1〜10重量%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好
ましい。本発明に用いられるカーボンブラックの具体的
な例としてはキャボット社製BLACKPEARLS
2000、1300、1000、900、800、88
0、700、VULCAN XCー72、三菱化成工業
(株)製#3050B、#3150B、#3250B、
#3750B、#3950B、#950、#650B、
#970B、#850B、MAー600、MAー23
0、#4000、#4010、コロンビアンカーボン社
製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、
8000、7000、5750、5250、3500、
2100、2000、1800、1500、1255、
1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが
あげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理
したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部
をグラファイト化したものを使用してもかまわない。ま
た、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ
結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラ
ックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範
囲、非磁性層総重量の40重量%を越えない範囲で使用
できる。これらのカーボンブラックは単独、または組合
せで使用することができる。本発明で使用できるカーボ
ンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボ
ンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0023】また下層には有機質粉末を目的に応じて、
添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹
脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレ
ン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62
−18564号及び特開昭60−255827号公報に
記されているようなものが使用できる。
【0024】下層の結合剤樹脂(種類と量)、潤滑剤・
分散剤・添加剤の種類、量、溶剤、分散方法に関して
は、磁性層に関する公知の技術が適用できる。
【0025】(結合剤)本発明に使用される結合剤とし
ては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹
脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂として
は、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子
量が1,000〜200,000、好ましくは10,0
00〜100,000、重合度が約50〜1,000程
度のものである。
【0026】このような例としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、
アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、
ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセ
タール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体
または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂が
ある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル
系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシ
アネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオー
ルとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリ
イソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂
については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブッ
ク」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化
型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例
とその製造方法については特開昭62−256219号
公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または
組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸
ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニ
ル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1
種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイ
ソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
【0027】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COO
M、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)
−O−P=O(OM)(以上につきMは水素原子、ま
たはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR、−N
(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CNな
どから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合
または付加反応で導入したものを用いることが好まし
い。このような極性基の量は10−1〜10−8モル/
gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gであ
る。
【0028】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としてはユニオンカーバイト社製VAGH、VY
HH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VY
ES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PK
HH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社
製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、M
PR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR
−TM、MPR−TAO、電気化学工業(株)製100
0W、DX80、DX81、DX82、DX83、10
0FD、日本ゼオン(株)製MR−104、MR−10
5、MR110、MR100、MR555、400X−
110A、日本ポリウレタン工業製ニッポランN230
1、N2302、N2304、大日本インキ化学工業
(株)製パンデックスT−5105、T−R3080、
T−5201、バーノックD−400、D−210−8
0、クリスボン6109、7209、東洋紡績(株)製
バイロンUR8200、UR8300、UR−870
0、RV530、RV280、大日精化工業(株)製ダ
イフェラミン4020、5020、5100、530
0、9020、9022、7020、三菱化学(株)M
X5004、三洋化成工業(株)製サンプレンSP−1
50、旭化成工業(株)製サランF310、F210な
どが挙げられる。
【0029】本発明における下層、磁性層に用いられる
結合剤は非磁性粉末または磁性粉末に対し、5〜50重
量%の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲で用い
られる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30重量
%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20重量%、
ポリイソシアネートは2〜20重量%の範囲でこれらを
組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の
脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタン
のみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用す
ることも可能である。本発明において、ポリウレタンを
用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ま
しくは0℃〜100℃、破断伸びが100〜2000
%、破断応力は0.5〜100MPa(0.05〜10
kg/mm)、降伏点は0.5〜100MPa(0.
05〜10kg/mm)が好ましい。
【0030】本発明における磁気記録媒体は二層以上か
ら構成されてもよい。従って、結合剤量、結合剤中に占
める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシ
アネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成
する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹
脂の物理特性などを必要に応じ下層、各磁性層とで変え
ることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべ
きであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。
例えば、各層でバインダー量を変更する場合、磁性層表
面の擦傷を減らすためには磁性層のバインダー量を増量
することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを
良好にするためには、下層のバインダー量を多くして柔
軟性を持たせることができる。
【0031】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン工業(株)製コロネートL、コロネートHL、
コロネート2030、コロネート2031、ミリオネー
トMR、ミリオネートMTL、武田薬品工業(株)製タ
ケネートD−102、タケネートD−110N、タケネ
ートD−200、タケネートD−202、住友バイエル
社製デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジ
ュールN、デスモジュールHL等がありこれらを単独ま
たは硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の
組合せで各層とも用いることができる。
【0032】(カーボンブラック、研磨剤)本発明にお
ける磁性層に使用されるカーボンブラックはゴム用ファ
ーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレ
ンブラック、等を用いることができる。比表面積は5〜
500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/1
00g、平均粒子径は5nm〜300nm、pHは2〜
10、含水率は0.1〜10重量%、タップ密度は0.
1〜1g/cc、が好ましい。本発明に用いられるカー
ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製BL
ACKPEARLS2000、1300、1000、9
00、905、800、700、VULCAN XC−
72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#5
0、#35、三菱化学(株)製#2400B、#230
0、#900、#1000、#30、#40、#10
B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX S
C、RAVEN 150、50、40、15、RAVE
N−MT−P、日本EC社製ケッチェンブラックECな
どがあげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面
処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の
一部をグラファイト化したものを使用してもかまわな
い。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前に
あらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカ
ーボンブラックは単独、または組合せで使用することが
できる。カーボンブラックを使用する場合は磁性体に対
する量の0.1〜30重量%で用いることが好ましい。
カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、
遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用
いるカーボンブラックにより異なる。従って本発明に使
用されるこれらのカーボンブラックは上層磁性層、下層
でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、
電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応
じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層
で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用でき
るカーボンブラックは、例えば(「カーボンブラック便
覧」カーボンブラック協会編)を参考にすることができ
る。
【0033】本発明において、研磨剤としてはα化率9
0%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、
酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、
窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、
二酸化珪素、窒化ホウ素、ダイヤモンドなど主としてモ
ース硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用
される。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を
他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。こ
れらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含ま
れる場合もあるが主成分が90重量%以上であれば効果
にかわりはない。これら研磨剤の平均粒径は0.01〜
2μmが好ましく、特に電磁変換特性を高めるために
は、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向
上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を
組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして
同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は
0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5重量%、pH
は2〜11、比表面積は1〜30m/gが好ましい。
本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコ
ロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するも
のが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学工業
(株)製AKP−12、AKP−15、AKP−20、
AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−
30、HIT−55、HIT−60A、HIT−70、
HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製ERC
−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨
剤社製WA10000、上村工業社製UB20、日本化
学工業(株)製G−5、クロメックスU2、クロメック
スU1、戸田工業社製TF100、TF140、イビデ
ン(株)製ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業
社製B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に
応じ下層に添加することもできる。下層に添加すること
で表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御した
りすることができる。これら磁性層、下層の添加する研
磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものであ
る。
【0034】(添加剤)本発明における磁性層と下層に
使用される、添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果、などをもつものが使用される。二
硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒
化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をも
つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリ
コーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、
ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステ
ルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルお
よびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェ
ニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフ
ェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニル
ホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸
エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24
の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐し
ていてもかまわない)、および、これらの金属塩(L
i、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の
一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽
和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、
炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合
を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数
10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、
また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一
価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれ
か一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもか
まわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪
酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキ
シド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、
炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪
族アミン、などが使用できる。
【0035】これらの具体例としては脂肪酸では、カプ
リン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸
などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレー
ト、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソ
オクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチル
ミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシ
ジエチルステアレート、2ーエチルヘキシルステアレー
ト、2ーオクチルドデシルパルミテート、2ーヘキシル
ドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレー
ト、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリ
デシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチル
グリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレ
イル、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリ
ルアルコール、ラウリルアルコールなどがあげられる。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加
体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミ
ド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複
素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオ
ン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫
酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニ
オン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、ア
ミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキル
ベダイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これら
の界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図
書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤
滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、
主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸
化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純
分は30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10
重量%以下である。
【0036】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、
その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併
用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。
下層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への滲み
出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル類
を用い表面への滲み出しを制御する、界面活性剤量を調
節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加
量を下層で多くして潤滑効果を向上させるなど考えら
れ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。
一般には潤滑剤の総量として磁性層の強磁性粉末または
下層の非磁性粉末に対し、0.1重量%〜50重量%、
好ましくは2重量%〜25重量%の範囲で選択される。
【0037】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性および非磁性塗料製造のどの工程
で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体
と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程
で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添
加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。ま
た、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次
塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより
目的が達成される場合がある。また、目的によってはカ
レンダー処理(カレンダーロールによる加熱加圧処理)
した後、またはスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を
塗布することもできる。
【0038】本発明で用いられる有機溶剤は公知のもの
が使用でき、例えば特開平6−68453号公報に記載
の溶剤を用いることができる。
【0039】(層構成)本発明における磁気記録媒体の
厚み構成は支持体が4〜10μm、好ましくは7〜9μ
mである。
【0040】支持体と下層との間に密着性向上のための
下塗り層を設けてもかまわない。発明の下塗層厚みは
0.005〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.5
μmである。本発明においては、支持体の一方に下層と
磁性層を設け、他方にバック層を設けてあり、この厚み
は0.1〜1μm、好ましくは0.3〜0.7μmであ
る。これらの下塗層、バック層は公知のものが使用でき
る。
【0041】本発明における磁気記録媒体の磁性層の厚
みは用いるヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記
録信号の帯域により最適化されるものであるが、好まし
くは0.01〜0.6μm、更に好ましくは0.05〜
0.3μmである。磁性層を異なる磁気特性を有する2
層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関す
る構成が適用できる。
【0042】本発明における磁気記録媒体の下層の厚み
は0.2μm以上5.0μm以下、好ましくは0.3μ
m以上3.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以
上1.5μm以下である。
【0043】(支持体)本発明に用いられる支持体は非
磁性であることが好ましい。非磁性支持体としてはポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロースト
リアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド(脂肪族
ポリアミドやアラミド等の芳香族ポリアミドを含む)、
ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリ
ベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用でき
る。ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強
度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁
性面とベース面の表面粗さを変えるため特開平3−22
4127号公報に示されるような積層タイプの支持体を
用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコ
ロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除
塵処理、などをおこなっても良い。
【0044】本発明の目的を達成するには、支持体とし
てWYKO社製の光干渉式表面粗さ計TOPO−3Dで
測定した中心面平均粗さ(SRa)が8.0nm以下、
好ましくは4.0nm以下ものを使用することが好まし
い。支持体は単に中心面平均粗さが小さいだけではな
く、0.3μm以上の粗大突起がないことが好ましい。
また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加される
フィラーの大きさと量により自由にコントロールされる
ものである。これらのフィラーとしては一例としてはC
a、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系
などの有機微粉末があげられる。支持体の最大高さSR
maxは1μm以下、十点平均粗さSRzは0.5μm
以下、中心面山高さはSRpは0.5μm以下、中心面
谷深さSRvは0.5μm以下、中心面面積率SSrは
10%以上90%以下、平均波長Sλaは5μm以上3
00μm以下が好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性
を得るため、これら支持体の表面突起分布をフィラーに
より任意にコントロールできるものであり、0.01μ
mから1μmの大きさのもの各々を0.1mmあたり
0個から2000個の範囲でコントロールすることがで
きる。
【0045】本発明に用いられる非磁性支持体のF−5
値は好ましくは50〜500MPa(5〜50kg/m
)、また、支持体の80℃30分での熱収縮率は好
ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下
である。破断強度は50〜1,000MPa(5〜10
0kg/mm)が好ましい。
【0046】(製法)本発明における磁気記録媒体の磁
性塗料又は下層塗料を製造する工程は、少なくとも混練
工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応
じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2
段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用す
る強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラッ
ク、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原
料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわな
い。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加
してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、
分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割し
て投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、
従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることが
できる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加
圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを
使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉
末または非磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部
(ただし全結合剤の30重量%以上が好ましい)および
磁性粉末100重量部に対し15〜500重量部の範囲
で混練処理される。これらの混練処理の詳細については
特開平1−106338号及び特開平1−79274号
公報に記載されている。また、磁性層液および下層液を
分散させるにはガラスビーズを用ることができるが、高
比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニア
ビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メデ
ィアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は
公知のものを使用することができる。
【0047】本発明で重層構成の磁気記録媒体を塗布す
る場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第
一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態のうちに特公平1−46186号、特開昭60−23
8179号及び特開平2−265672号公報に開示さ
れている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置によ
り上層を塗布する方法。第二に特開昭63−88080
号、特開平2−17971号及び特開平2−26567
2号公報に開示されているような塗布液通液スリットを
二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時
に塗布する方法。第三に特開平2−174965号公報
に開示されているバックアップロール付きエクストルー
ジョン塗布装置により上下層をほぼ同時に塗布する方法
である。なお、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電
磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95
174号及び特開平1−236968号公報に開示され
ているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん
断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度に
ついては、特開平3−8471号公報に開示されている
数値範囲を満足する必要がある。本発明の構成を実現す
るには下層を塗布し乾燥させたのち、その上に磁性層を
設ける逐次重層塗布を用いてもむろんかまわず、本発明
の効果が失われるものではない。ただし、塗布欠陥を少
なくし、ドロップアウトなどの品質を向上させるために
は、前述の同時重層塗布を用いることが好ましい。
【0048】本発明では、配向装置は、希土類磁石とソ
レノイドで交流磁場を印加するなど公知の配向装置を用
いることが好ましい。
【0049】カレンダ処理ロールとしてエポキシ、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあ
るプラスチックロールまたは金属ロールで処理すること
が好ましい。処理温度は、好ましくは80℃以上、さら
に好ましくは85℃〜95℃である。線圧力は好ましく
は2,000N/cm(200kg/cm)以上、さら
に好ましくは3,000N/cm(300kg/cm)
〜4,500N/cm(450kg/cm)である。
【0050】(物理特性)本発明になる磁気記録媒体の
磁性層の飽和磁束密度は強磁性金属粉末を用いた場合2
00mT(2000G)以上600mT(6000G)
以下である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD
は0.3以下が好ましい。角形比は、0.8以上であ
る。
【0051】本発明における磁気記録媒体において、目
的に応じ下層と磁性層でこれらの物理特性を変えること
ができるのは容易に推定されることである。例えば、磁
性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に
下層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッ
ドへの当りを良くするなどである。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこれに限定されるべきものではない。なお、以
下の「部」とは「重量部」のことである。実施例に使用
した磁性体の特性を以下に示す。
【0053】 (実施例1) <塗料の作成> 上層用塗料 強磁性金属粉末 100部 組成 Fe/Co=70/30(原子比) Al/Fe=11原子%、Y/Fe=7原子% Hc=195kA/m(2450Oe)、平均長軸長=0.08μm、σ= 145A・m/kg(145emu/g) 結晶子サイズ=150オングストローム、SBET比表面積=53m/g 塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン(株)製) 10部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡績(株)製) 3部 カーボンブラック #50(旭カーボン社製) 3部 フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート 2部 ブトキシエチルステアレート 3部 ネオペンチルグリコール 3部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 110部
【0054】 下層用塗料 非磁性粉末 100部 α酸化鉄 BET比表面積50m/g pH 8.4 DBP給油量27〜38G/100g 表面にAlが粒子全体に対して1重量%存在 カーボンブラック #950B(三菱化学(株)製) 13部 塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン(株)製) 17部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡績(株)製) 6部 フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート(BS) 3部 ブトキシエチルステアレート(BES) 4部 ネオペンチルグリコール(NPG) 4部 オレイン酸 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 200部 シクロヘキサノン 50部
【0055】上記の塗料のそれぞれについて、各成分を
ニーダで混練したのち、得られた上層用および下層用分
散液それぞれに、αアルミナ(住友化学工業(株)製H
IT60A)を塩化ビニル共重合体(日本ゼオン(株)
製MR110)に分散したペーストをαアルミナの量と
して5部を加え、更にポリイソシアネートを上層用分散
液には5部、下層用分散液には13部を加え、さらにそ
れぞれにシクロヘキサノン40部を加え、3μmの平均
孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層形成用お
よび下層形成用の塗布液を調製した。
【0056】<支持体>支持体には厚さ8.5μmで中
心面平均粗さSRaが4.0nmのポリエチレンアフタ
レートを使用した。
【0057】得られた下層塗布液を、乾燥後の厚さが
1.5μmになるように、さらにその直後にその上に磁
性層の厚さが0.2μmになるように、支持体上の一方
の面に同時重層塗布をおこない、まだ湿潤状態にあるう
ちに磁場強度600mT(6000ガウス)の希土類磁
石及び400mT(4000ガウス)のソレノイド配向
装置で配向処理を行い乾燥させた。次いでもう片方の支
持体面にはカーボンブラック粉末と結合剤からなる公知
のバック層塗布液を厚み0.5μmになるように、塗布
し乾燥させた。その後7段のカレンダーを用い、線圧
3,300N/cm(330kg/cm)、温度80゜
Cで金属ロールを用いて処理を行い、1/2吋幅にスリ
ットし、表面研磨処理した後、ソニー(株)製DTF2
専用リールに装巻した。
【0058】上記作成した磁性体、磁気テープの各々の
特性を下記の測定法により評価し、その結果を表1に示
す。
【0059】測定法 (1)出力 記録再生装置(ソニー(株)製DTF2用ドライブ:G
Y−8240)を用いて、被測定サンプル(磁気記録テ
ープ)に記録波長:λ=0.315μmとなる単一周波
数:42.65MHzの信号を記録した。その再生信号
をスペクトルアナライザー(アドバンテスト(Advantes
t)社製TR4171)を使用して測定し、標準テープ
(市販のソニー(株)製DTF2用磁気テープ:GW2
−200GL)との出力(単位:dB)差を次式で求
め、出力(dB)とした。 出力(dB)=被測定サンプル出力(dB)−標準テー
プ出力(dB) (2)リトライ回数 記録再生装置(ソニー(株)製ドライブ:DIR−24
0)を使用した。被測定サンプル(磁気記録テープ)に
ドライブの内部信号をテープ全長に記録後、そのテープ
全長について、再生および巻き戻しのサイクルを100
サイクル繰り返した。次いで、記録信号の再生をテープ
全長について行い、ドライブ内に発生するC2エラーの
数を積算し、その合計をリトライ回数とした。
【0060】
【表1】
【0061】(実施例2)カレンダー条件を温度90゜
C、線圧4,000N/cm(400kg/cm)に変
更した以外は実施例1と同じ条件でテープを作成し、回
転ガイドローラーは切削加工による表面を粗面化した以
外は実施例1と同じ回転ガイドローラーを使用した。 (比較例1)カレンダー条件を温度100゜C、線圧
5,000N/cm(500kg/cm)に変更した以
外は実施例1と同じ条件でテープを作成した。摩擦係数
が高く走行によるエッジからのデブリが多くリトライ回
数が増加した。 (比較例2)カレンダー条件を温度70゜C、線圧3,
000N/cm(300kg/cm)に変更した以外は
実施例1と同じ条件でテープを作成した。磁性面のSR
aが増加し出力が低下したためリトライ回数も増加し
た。 (比較例3)回転カイドローラーの表面をバレル加工し
Rzを低減した以外は実施例2と同じ条件でテープを作
成した。摩擦係数が高くエッジからのデブリによりリト
ライ回数が増加した。 (比較例4)回転カイドローラーの表面を切削加工しR
zを増加させた以外は実施例2と同じ条件でテープを作
成した。磁性層表面にスリキズが発生してリトライ回数
が増加した。
【0062】
【発明の効果】本発明は、支持体上の一方の面に非磁性
粉末及び結合剤を含む非磁性層を設け、その上に強磁性
粉末及び結合剤を含む磁性層を設け、他方の面にカーボ
ンブラック粉末及び結合剤を含むバック層を設けた磁気
記録媒体を巻回したリールを収納した2リール式のデー
タストレージ用カセットにおいて、そのカセット内に磁
性面と接する樹脂でできた回転ガイドローラーを有し、
その回転ガイドローラーの十点平均粗さRzを3.0μ
m以上4.5μm以下とし、かつ磁性面の中心面平均粗
さSRaを2.0nm以上3.5nm以下とすることに
より、高出力でリトライ回数の極端に少ない高記録密度
の磁気記録媒体を収納した磁気テープカセットを得るも
のである。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様として、業務用の磁気カセ
ットテープであるベータカムLカセットの主要構成部品
を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
20 ベータカムLカセット 22 下ハーフ 24 上ハーフ 26 磁気テープ 28、30 テープリール 32 リッド 34 ビス 36 ガイドローラ 38 ガイドピン 44 パッド 46 リールホルダ 48 リールバネ 50 センターキャップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の面に非磁性粉末及び結
    合剤を含む非磁性層を設け、その上に強磁性粉末及び結
    合剤を含む磁性層を設け、他方の面にカーボンブラック
    粉末及び結合剤を含むバック層を設けた磁気記録媒体を
    巻回したリールを収納した2リール式の磁気テープカセ
    ットにおいて、そのカセット内に磁性面と接する樹脂で
    できた回転ガイドローラーを有し、その回転ガイドロー
    ラーの十点平均粗さRzが3.0μm以上4.5μm以
    下でかつ前記磁性層の中心面平均粗さSRaが2.0n
    m以上、3.5nm以下であることを特徴とする磁気テ
    ープカセット。
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