JP2002311609A - 電子写真感光体、該電子写真感光体の製造方法、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体の製造方法、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2002311609A
JP2002311609A JP2001115614A JP2001115614A JP2002311609A JP 2002311609 A JP2002311609 A JP 2002311609A JP 2001115614 A JP2001115614 A JP 2001115614A JP 2001115614 A JP2001115614 A JP 2001115614A JP 2002311609 A JP2002311609 A JP 2002311609A
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Kumiko Takizawa
久美子 滝沢
Hidenori Ogawa
英紀 小川
Ko Kitamura
航 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を含有する電荷発生層用塗料の塗工時の含
水率を一定範囲に保ち、製造時に塗工欠陥が発生しない
電子写真感光体の製造方法及び該方法で製造された高品
質な電子写真感光体を安定して提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
及び電荷輸送層を浸漬塗布法で形成しかつ該電荷発生層
形成用塗料が水を含有する電子写真感光体の製造方法に
おいて、該塗料の含水率より少ない含水率を有する塗料
を補充液として調製し、塗布装置に補充することを特徴
とする電子写真感光体の製造方法、該方法で製造された
電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセ
スカートリッジ及び電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
該電子写真感光体の製造方法、及び該電子写真感光体を
有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関す
る。
【0002】本発明は、特には、水を含有する電荷発生
層形成用塗料を感光体支持体の表面に浸漬塗布法で塗布
して電荷発生層を形成することによる電子写真感光体の
製造方法及び該方法で製造された電子写真感光体に関
し、詳しくは、水を含有する電荷発生層形成用塗料の塗
工中の含水率を一定範囲に保持し、長期の塗工時におい
ても安定した成膜性及び感光特性を有する電子写真感光
体の製造方法及び該方法で製造された電子写真感光体に
関する。
【0003】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた複写機やレ
ーザープリンター等に用いられる電子写真感光体として
は、安全性が高い、量産に適している、またコストが安
い等の利点から、有機光導電材料から形成される感光体
が多く用いられている。有機電子写真感光体の構成とし
ては、導電性支持体上に電荷発生材料、電荷輸送材料及
び結着樹脂を主成分とする感光層を設けた単層感光体
と、導電性支持体上に電荷発生材料及び結着樹脂を主成
分とする電荷発生層と電荷輸送材料及び結着樹脂を主成
分とする電荷輸送層を積層した積層型電子写真感光体に
大別される。中でも、積層型感光体は、より感度の向上
を図れるため、現在は有機電子写真感光体が主流となっ
ている。
【0004】電子写真方式の画像形成において、現在主
として使用される光源の発信波長は790±20nmで
ある。この波長域に十分な感度を有する有機光導電材料
としてはフタロシアニン化合物が代表的なものとして挙
げられ、中でもオキシチタニウムフタロシアニンは高感
度を示すことから電荷発生顔料として幅広く検討され、
実用化されている。オキシチタニウムフタロシアニンに
関しては多くの結晶形が知られており、例えば、特開昭
61-239248号公報、特開昭62-67094号公
報、特開平1-17066号公報、特開平3-54264
号公報及び特開平3-128973号公報等に挙げられ
る。更には、特開平6-289628号公報には水を含
有した有機溶剤でオキシチタニウムフタロシアニンを分
散することでより高感度な感光体が得られることが報告
されている。
【0005】一方、有機電子写真感光体の感光層の製造
方法としては、膜厚の均一性や諸電気特性の再現性が良
好で、大量生産に有利という点から浸漬塗布法が広く用
いられている。この浸漬塗布法は電子写真感光層用塗料
に導電性支持体を浸漬し、支持体を引き上げ、乾燥する
ことによって成膜するという一連の工程を各電子写真感
光層について順次行うことにより支持体上に積層膜を形
成させる方法である。浸漬塗布法においては、塗料を投
入/調製槽からポンプによって塗布槽に送り、塗布槽上
部からオーバーフローさせて再び投入/調製槽へ送ると
いうように塗料を循環させながら塗布を行う。この場
合、塗布を繰り返すことによって工程中の塗料が減少す
るため塗料を追加補充しながら塗布する必要があり、特
開平10-186693号公報には塗料濃度を一定に保
つ塗料の補充方法が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水を含
有する電荷発生層形成用塗料を感光体支持体の表面に浸
漬塗布法で塗布する場合は、含水率が低くなると水を含
有させたことによる感光体特性に対する効果が得られ
ず、塗工配管を循環するうちに空気中の水分を吸湿し、
塗料中の含水率が上昇すると、感光層を塗布した際に白
化、ムラや、塗膜が抜ける(白抜け)等の塗工欠陥が発
生するため、量産安定性に問題があった。
【0007】本発明の目的は、水を含有する電荷発生層
形成用塗料の塗工時の含水率を一定範囲に保ち、製造時
に塗工欠陥が発生しない電子写真感光体の製造方法及び
該製造方法によって製造された高品質な電子写真感光体
を安定して提供することにある。
【0008】また、本発明の目的は、上記該電子写真感
光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を浸漬塗布法
で形成しかつ該電荷発生層形成用塗料が水を含有する電
子写真感光体の製造方法において、該塗料の含水率より
少ない含水率を有する塗料を補充液として調製し、塗布
装置に補充することを特徴とする電子写真感光体の製造
方法である。
【0010】また、本発明は、上記方法で製造された電
子写真感光体である。
【0011】また、本発明は、上記電子写真感光体を有
するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明における塗料循環浸漬塗布
装置の一例を示す概略図である。塗料投入/調製槽1か
ら電荷発生層形成用塗料を循環に必要な分量投入し、供
給ポンプ3により塗布槽4に送り上部よりオーバーフロ
ーさせてオーバーフロー受5で回収し、再び塗料投入/
調製槽へと循環させる。感光体は、支持体保持部7で感
光体支持体8を保持し、塗布槽4に浸漬させて引き上げ
ることにより電荷発生層が形成される。また、塗工中減
少した塗料を補うため、別途調製した補充用塗料を密閉
した補充槽9から塗料投入/調製槽1へと補充する。補
充槽9には攪拌手段10及び補充速度を調節できる送液
ポンプ11を有することが好ましい。2は塗料供給配
管、6は塗料回収配管、12はエアー攪拌機である。
【0014】本発明における電子写真感光体は、支持体
上に電荷発生層と電荷輸送層を積層した積層型感光体で
ある。
【0015】積層型の感光層の構成としては、導電性支
持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した
ものと、逆に電荷輸送層及び電荷発生層の順に積層した
ものがある。
【0016】使用する支持体は、導電性を有するもので
あればいずれのものでもよく、例えばアルミニウム、
銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属を
ドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや
銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートした
もの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等を
プラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単
独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた
金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0017】支持体と感光層の間には、レーザービーム
プリンターなどの画像入力がレーザー光の場合は、散乱
による干渉縞防止、または支持体の傷を被覆することを
目的とした導電層を設けてもよい。これは、酸化チタン
及び酸化錫等の金属粒子及びカーボンブラック等の導電
性粉体をフェノール樹脂等のバインダー樹脂と共に溶剤
に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は、
好ましくは、5〜40μm、より好ましくは、10〜3
0μmである。
【0018】また、下引層は、ポリアミド、ポリビニル
アルコール、ポリエチレンオキシド、カゼイン、エチル
セルロース、ポリウレタン及びポリエーテルウレタン等
によって形成できる。下引層の膜厚は、好ましくは、
0.05〜5μm、より好ましくは0.3〜1μmであ
る。
【0019】本発明で用いる電荷発生層形成用塗料は、
電荷発生材料を分散溶媒に分散して調製する。電荷発生
材料としては、スーダンレッド及びダイアンブルーなど
のアゾ顔料;ピレンキノン及びアントアントロン等のキ
ノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ
及びチオインジゴ等のインジゴ顔料;及び銅フタロシア
ニン、オキシチタニウムフタロシアニン(下記構造
式)、インジウムフタロシアニン及びガリウムフタロシ
アニン等のフタロシアニン顔料等が挙げられる。本発明
においては、特にCuKα特性X線回折におけるブラッ
グ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9
°及び27.1°に強いピークを有する結晶形(I型)
のオキシチタニウムフタロシアニンであることが好まし
い。
【0020】
【化1】
【0021】但し、X1、X2、X3及びX4は、Clまた
はBrを表し、n、m、l及びkは0〜4の整数であ
る。
【0022】分散溶媒は、テトラヒドロフラン、n−プ
ロピルエーテル、n−ブチルエーテル及び1,4−ジオ
キサン等のエーテル系溶剤、メタノール、エタノール及
びプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチ
ルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶剤
等の有機溶媒が分散性や結晶形の安定性から好ましい。
更に、結晶形安定性や電位特性を向上させるため、水を
混合するのが好ましい。
【0023】分散時に結着樹脂を加えてもよいし、電荷
発生材料と分散媒だけをあらかじめ分散した後、結着樹
脂を加えてもよい。結着樹脂としては、例えばポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ポリスチレン樹脂及びポリアリレート樹
脂等が挙げられる。
【0024】電荷発生材料と結着樹脂の割合は、質量比
で、好ましくは、10:1〜1:5、より好ましくは、
5:1から1:4の範囲である。また、電荷発生材料の
分散液は、電荷発生層用塗料全質量に対し0.5〜10
質量%の範囲の固形分濃度で分散を行うことが、分散や
後処理の効率等を鑑みて好ましい。
【0025】また、分散液に2種類以上の電荷発生材料
を併用したり、添加剤を加えたりしてもよい。
【0026】分散機としては、ペイントシェーカー、ボ
ールミル、サンドグラインドミル、アトライター及びビ
ーズミル等を用いることができる。
【0027】分散後の塗料は有機溶剤または有機溶剤と
水の混合溶剤で濃度調整し、塗工時の電荷発生層用塗料
全質量に対する固形分濃度が、好ましくは、0.5〜5
質量%、より好ましくは、1〜4質量%である。また、
含水率は電荷発生層用塗料全質量に対し3質量%以下に
なるように調製することが好ましい。含水率が3質量%
を超えると、白ポチやムラなどの画像欠陥が発生し易
い。また、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、特に
I型結晶形を有する顔料を用いる場合は、感度やメモリ
ー特性及び結晶形安定性を向上させるために、含水率は
電荷発生層用塗料の1質量%以上であることが好まし
い。このように調製した塗料を、浸漬塗布法により導電
性支持体上に塗布し、100℃以下の乾燥炉、または指
触乾燥により電荷発生層を形成することができる。この
時、電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μmの範囲が好
ましい。
【0028】補充用塗料は、上記電荷発生層用塗料と同
様に調製される。補充用塗料の含水率は、分散時の水分
量を少なくする、または濃度調整の際水の添加量を少な
くすることで塗布装置内の塗料含水率より少なくする。
また、塗布装置内を循環する塗料の濃度は溶剤の蒸発に
伴い上昇するため、補充用塗料の濃度は溶剤の蒸発分を
見込んで調整する。溶剤の蒸発量は塗工条件が一定であ
れば塗料が循環している時間に依存するので、塗料を循
環させたときの時間当りの固形分変化と溶剤比変化を測
定することにより、溶剤の蒸発速度を求めることができ
る。求めた溶剤蒸発速度と感光体1本当りの塗料消費量
及び塗布速度から、製造時に必要な補充用塗料量とその
濃度を求めることができる。
【0029】電荷輸送層は、トリアリールアミン系化合
物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン
系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系
化合物及びチアゾール系化合物等の電荷輸送物質を、成
膜性を有する樹脂に溶解させた塗工液を用いて形成され
る。
【0030】このような成膜性を有する樹脂としては、
ポリメタクリレート及びスチレン−アクリル共重合体等
のアクリル樹脂、ポリスチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、スチレンーブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、酢酸ビニル及びそれらの共重合体、石油樹
脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及び
ポリアリレート等の芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセ
タール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポ
リスルホン、ポリフェニレンサルファイド及びポリエー
テルケトン等を挙げることができる。また、表面特性を
向上させるために電荷輸送層用塗料にフッ素系樹脂粒子
を分散させることもできる。電荷輸送層の膜厚は、好ま
しくは、5〜40μm、より好ましくは、10〜30μ
mである。
【0031】更に、感光体の表面保護のため、感光層の
上に保護層として樹脂層や導電性粒子を含有する樹脂層
を設けてもよい。
【0032】図2に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを設置した電子写真装置の概略構成
を示す。
【0033】図において、101はドラム状の本発明の
電子写真感光体であり、軸102を中心に矢印方向に所
定の周速度で回転駆動される。
【0034】感光体101は回転過程において一次帯電
手段103によりその周面に正または負の所定電位の均
一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走
査露光等の露光手段(不図示)からの画像露光104を
受ける。
【0035】こうして感光体101の周面に静電潜像が
順次形成されていく。
【0036】形成された静電潜像は次いで現像手段10
5によりトナー現像され、現像されたトナー像は不図示
の給紙部から感光体101と転写手段106との間に感
光体101の回転と同期して取り出され給紙された転写
材107に転写手段106により順次転写されていく。
【0037】像転写を受けた転写材107は感光体面か
ら分離されて定着手段108へ導入されて像定着を受け
ることにより複写物(コピー)として装置外へプリント
アウトされる。
【0038】像転写後の感光体101の表面はクリーニ
ング手段109によって転写残りトナーの除去を受けて
清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光
110により除電処理された後、繰り返し画像形成に使
用される。
【0039】なお、一次帯電手段103が帯電ローラー
等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずし
も必要ではない。
【0040】本発明においては、上述の電子写真感光体
101、一次帯電手段103、現像手段105及びクリ
ーニング手段109等の構成要素のうち複数のものをプ
ロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、この
プロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリン
ター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成して
もよい。
【0041】例えば、一次帯電手段103、現像手段1
05及びクリーニング手段109の少なくとも一つを感
光体101と共に一体に支持してカートリッジ化して、
装置本体のレール112等の案内手段を用いて装置本体
に着脱自在なプロセスカートリッジ111とすることが
できる。
【0042】本発明の電子写真感光体は電子写真複写及
びレーザービームプリンター等の他に、CRTプリンタ
ー、LEDプリンター、液晶プリンター、ファクシミリ
及びレーザー製版等の電子写真応用技術に広く用いるこ
とができる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。なお、実
施例中、「部」は質量部を示す。
【0044】(実施例1)φ30mm、長さ260.5
mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに以
下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬塗布法で
導電層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層の順に塗
布し、感光体を作成した。導電層用塗料として、 導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部 抵抗調整用顔料:酸化チタン 2部 バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部 レベリング剤:シリコーンオイル 0.001部 溶剤:メタノール/メトキシプロパノール=2/8 20部 を、1mmφガラスビーズを用いてサンドミル装置で2
時間分散したものを調製した。この塗料を支持体上に浸
漬塗布法で塗布し、140℃で30分熱硬化させること
によって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0045】次に、この上に、N−メトキシメチル化ナ
イロン5部及び共重合ナイロン1部をメタノール65部
及びnブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸
漬塗布法により塗布することによって、膜厚が0.5μ
mの下引き層を形成した。
【0046】電荷発生層用塗料の調製は以下のように行
った。電荷発生材料として、CuKα特性X線回折にお
けるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2
°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオ
キシチタニウムフタロシアニン顔料12部(下記化合
物)、ポリビニルブチラール(商品名BX−1、積水化
学(株)製)8部及び特級テトラヒドロフラン:蒸留水
=97:3混合溶媒280部を1mmφガラスビーズ
(GB201M、東芝バロティーニ(株)製)400部
を用いたサンドミル装置用いて、20℃で4時間分散し
た。得られた分散液を特級シクロヘキサノン300部及
び特級テトラヒドロフラン:蒸留水=97:3の混合溶
媒300部で希釈して塗料を調製した。
【0047】
【化2】
【0048】この塗料の含水率をカールフィッシャー測
定装置(AQV−200、平沼産業(株)製)で測定し
たところ、2.0質量%であった。この塗料を下引き層
の上に浸漬塗布法で塗布することによって、膜厚が0.
2μmの電荷発生層を形成した。
【0049】また、補充用塗料の調製は以下のように行
った。電荷発生材料として、上記電荷発生層用塗料と同
じオキシチタニウムフタロシアニン顔料12部、ポリビ
ニルブチラール(BX−1)8部及び特級テトラヒドロ
フラン:蒸留水=98:2混合溶媒280部を1mmφ
ガラスビーズ(GB201M)400部を用いたサンド
ミル装置を用いて、20℃で4時間分散した。得られた
分散液を特級シクロヘキサノン300部及び特級テトラ
ヒドロフラン:蒸留水=98:2の混合溶媒800部で
希釈して塗料を調製した。補充用塗料の含水率は、1.
6質量%であった。調製した補充用塗料を補充槽に入
れ、塗布装置内の塗料循環量が一定になるように塗布速
度に合わせて一定速度で補充しながら、1ヶ月間塗布を
行った。
【0050】次いで、電荷輸送材料として下記構造式で
示す化合物を9部、
【0051】
【化3】 下記構造式で示す化合物を1部
【0052】
【化4】 及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z
−200、三菱ガス化学工業製)10部をジクロロメタ
ン40部及びモノクロロベンゼン60部の混合溶液に溶
解した。
【0053】評価は電荷発生層形成後に目視観察を行う
ことにより、塗工欠陥の有無を確認した。また、電荷発
生層上に電荷輸送層を形成した感光体をレーザービーム
プリンター(商品名:レーザージェット4000、ヒュ
ーレットパッカード社製)でハーフトーン画像及びべた
黒画像を出力し、この画像について白ポチやムラ等の画
像欠陥の有無について評価を行った。
【0054】結果を表1に示す。
【0055】(実施例2)実施例1の電荷発生層の補充
用塗料において、電荷発生材料として実施例1の電荷発
生層用塗料と同じオキシチタニウムフタロシアニン顔料
12部、ポリビニルブチラール(BX−1)8部及び特
級テトラヒドロフラン:蒸留水=97:3混合溶媒28
0部を1mmφガラスビーズ(GB201M)400部
を用いたサンドミル装置を用いて、20℃で4時間分散
し、得られた分散液を特級シクロヘキサノン300部及
び特級テトラヒドロフラン:蒸留水=98:2の混合溶
媒800部で希釈して塗料を調製した他は実施例1と同
様にして電子写真感光体を作成し、評価した。補充用塗
料の含水率は、1.8質量%であった。結果を表1に示
す。
【0056】(実施例3)実施例1の電荷発生層用塗料
において、分散溶媒及び希釈溶剤の特級テトラヒドロフ
ランと蒸留水の混合溶剤比を96:4に変更した他は実
施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
た。このときの電荷発生層用塗料の含水率は2.6質量
%であった。結果を表1に示す。
【0057】(実施例4)実施例3の電荷発生層の補充
用塗料において、電荷発生材料として実施例1の電荷発
生層用塗料と同じオキシチタニウムフタロシアニン顔料
12部、ポリビニルブチラール(BX−1)8部及び特
級テトラヒドロフラン:蒸留水=96:4混合溶媒28
0部を1mmφガラスビーズ(GB201M)400部
を用いたサンドミル装置を用いて、20℃で4時間分散
し、得られた分散液を特級シクロヘキサノン300部及
び特級テトラヒドロフラン:蒸留水=98:2の混合溶
媒800部で希釈して塗料を調製した他は実施例1と同
様にして電子写真感光体を作成し、評価した。補充用塗
料の含水率は、2.0質量%であった。結果を表1に示
す。
【0058】(比較例1)実施例1の電荷発生層の補充
用塗料において、電荷発生材料として実施例1の電荷発
生層用塗料と同じオキシチタニウムフタロシアニン顔料
12部、ポリビニルブチラール(BX−1)8部及び特
級テトラヒドロフラン:蒸留水=97:3混合溶媒28
0部を1mmφガラスビーズ(GB201M)400部
を用いたサンドミル装置を用いて、20℃で4時間分散
し、得られた分散液を特級シクロヘキサノン300部及
び特級テトラヒドロフラン:蒸留水=97:3の混合溶
媒800部で希釈して塗料を調製した他は実施例1と同
様にして電子写真感光体を作成し、評価した。補充用塗
料の含水率は、2.4質量%であった。結果を表1に示
す。
【0059】(比較例2)実施例3の電荷発生層の補充
用塗料において、電荷発生材料として実施例1の電荷発
生層用塗料と同じオキシチタニウムフタロシアニン顔料
12部、ポリビニルブチラール(BX−1)8部及び特
級テトラヒドロフラン:蒸留水=96:4混合溶媒28
0部を1mmφガラスビーズ(GB201M)400部
を用いたサンドミル装置を用いて、20℃で4時間分散
し、得られた分散液を特級シクロヘキサノン300部及
び特級テトラヒドロフラン:蒸留水=96:4の混合溶
媒800部で希釈して塗料を調製した他は実施例1と同
様にして電子写真感光体を作成し、評価した。補充用塗
料の含水率は、3.1質量%であった。結果を表1に示
す。
【0060】(比較例3)実施例3の電荷発生層の補充
用塗料において、電荷発生材料として実施例1の電荷発
生層用塗料と同じオキシチタニウムフタロシアニン顔料
12部、ポリビニルブチラール(BX−1)8部及び特
級テトラヒドロフラン:蒸留水=96:4混合溶媒28
0部を1mmφガラスビーズ(GB201M)400部
を用いたサンドミル装置を用いて、20℃で4時間分散
し、得られた分散液を特級シクロヘキサノン300部及
び特級テトラヒドロフラン:蒸留水=97:3の混合溶
媒800部で希釈して塗料を調製した他は実施例1と同
様にして電子写真感光体を作成し、評価した。補充用塗
料の含水率は、2.6質量%であった。結果を表1に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、水を含有する塗料を用
いた電子写真感光体の製造方法において、塗工欠陥がな
く、量産性に優れた電子写真感光体を安定して提供する
ことが可能となった。また、該電子写真感光体を有する
プロセスカートリッジ及び電子写真装置が可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる塗料循環浸漬塗布装置の一
例を表す図。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを有する電子写真装置の例を示す図である。
【符号の説明】 1 塗料投入/調製槽 2 塗料供給配管 3 供給ポンプ 4 塗布槽 5 オーバーフロー受 6 塗料回収配管 7 支持体保持部 8 感光体 9 補充槽 10 マグネチックスターラー 11 送液ポンプ 12 エアー攪拌機
フロントページの続き (72)発明者 北村 航 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA21 AA34 AA35 BA39 EA14 EA16 FA27 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
    及び電荷輸送層を浸漬塗布法で形成しかつ該電荷発生層
    形成用塗料が水を含有する電子写真感光体の製造方法に
    おいて、該塗料の含水率より少ない含水率を有する塗料
    を補充液として調製し、塗布装置に補充することを特徴
    とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 電荷発生層形成用塗料が含有する電荷発
    生材料が、CuKα特性X線回折におけるブラック角
    (2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及
    び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフ
    タロシアニンであり、かつ該塗料の含水率が1質量%以
    上かつ3質量%以下である請求項1記載の電子写真感光
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法で製造さ
    れたことを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の電子写真感光体、及び帯
    電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より
    選択される少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子
    写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセ
    スカートリッジ。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の電子写真感光体、帯電手
    段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特
    徴とする電子写真装置。
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