JP2002310941A - 多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜装置 - Google Patents

多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜装置

Info

Publication number
JP2002310941A
JP2002310941A JP2001110859A JP2001110859A JP2002310941A JP 2002310941 A JP2002310941 A JP 2002310941A JP 2001110859 A JP2001110859 A JP 2001110859A JP 2001110859 A JP2001110859 A JP 2001110859A JP 2002310941 A JP2002310941 A JP 2002310941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substance
thin film
porous amorphous
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001110859A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Kawamura
茂 川村
Yumiko Kouno
有美子 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2001110859A priority Critical patent/JP2002310941A/ja
Publication of JP2002310941A publication Critical patent/JP2002310941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の多孔質アモルファス膜の観察が可能
な、多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法を提
供する。 【解決手段】 真空に減圧した多孔質アモルファス絶縁
膜31の空孔33中にWFガスを供給し、空孔33の
内壁にWF分子を付着させる。空孔33内部を真空減
圧した後、SiHガスを空孔33内に供給する。WF
とSiHとの反応により、空孔33の内壁にはW原
子からなる極薄膜35が形成される。この極薄膜35の
成膜反応を所定サイクル数繰り返して、多孔質アモルフ
ァス絶縁膜31の空孔33の内壁全体に所定厚を有する
W原子の結晶性薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質アモルファ
ス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の微細化が著しく
進行している。微細化の進行に伴い、配線の信号遅延の
増大につながる配線間容量(寄生容量)の増大が問題と
なる。配線間容量を低く抑える有効な手法として低誘電
率の絶縁膜を用いる手法が知られている。
【0003】低誘電率絶縁膜として、アモルファス絶縁
膜の結晶密度を低くするため、内部の空孔率を高めた多
孔質絶縁膜が挙げられる。多孔質絶縁膜は、その空孔率
が増大するほど誘電率が低下する。従って、所望の低誘
電率を得るには、所望の空孔率を有する多孔質絶縁膜を
形成する必要がある。このため、特に成膜工程におい
て、多孔質絶縁膜の空孔率、空孔の孔径等の膜特性を測
定、観察して、この特性を維持、管理することが大切で
ある。
【0004】多孔質材料の空孔径等の特性を測定、観察
する方法として、透過型電子顕微鏡(Transmission Ele
ctron Microscope:TEM)を用いる方法が知られてい
る。TEMを用いた測定方法では、加速電圧100〜3
00kVの電圧で加速した電子線を多孔質材料を薄片化
した試料に照射する。そして、試料を透過した電子を用
いて拡大した画像データを作成し、得られた画像データ
から孔径、空孔率等を算出する。TEMによれば100
万倍程度の拡大も可能であり、多孔質材料の孔径、多孔
率等を高精度に測定、観察することができる。
【0005】しかし、観察対象である多孔質材料がシリ
コン酸化膜のようなアモルファス(非結晶性)材料から
構成される場合には、材料中のシリコン酸化物の画像と
空孔の画像との十分なコントラストが得られない。従っ
て、酸化物と空孔との境界(空孔の輪郭)の識別が困難
であり、材料を単純にTEMで観察するだけでは、材料
の空孔径等の特性を十分正確に知ることはできない。
【0006】そこで、材料中の酸化物と空孔との識別を
容易にするため、空孔中に結晶性物質を生成するための
ガスを導入し、酸化物のアモルファス物質の周囲に結晶
性物質の薄膜を形成する方法がある。この方法によれ
ば、酸化物の周囲に成膜された結晶性薄膜の強いコント
ラストを空孔の輪郭としたTEM画像が得られ、多孔質
材料の特性を高精度に測定、観察することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記方法では、結晶性
物質を構成する元素を含むガス(例えば、フッ化タング
ステン)と、還元性ガス(例えば、シラン)と、を多孔
質材料の空孔に充填して、酸化物の表面(空孔の内壁)
に結晶性金属(例えば、タングステン)の薄膜を形成す
る。
【0008】しかし、用いるガスの分子直径は3〜4Å
程度であるのに対し、多孔質アモルファス膜の空孔の直
径は狭いところでは20Å程度である。従って、単純に
上記方法を適用すれば、材料の表面近傍の空孔にはガス
は比較的容易に供給されて薄膜形成が起こるが、ガスの
材料深部への供給は形成された薄膜によって阻害されや
すい。これにより、多孔質膜中の空孔の内壁全体への結
晶膜形成は不十分となる場合があり、このときTEMを
用いた観察から多孔質膜全体の特性は十分に得られない
こととなる。このように、従来のアモルファス膜の観察
方法には、結晶性ガスの空孔全体への導入が不十分とな
り、膜全体の観察が十分に行われないおそれがあった。
【0009】上記事情を鑑みて、本発明は、高精度の多
孔質アモルファス膜の観察が可能な、多孔質アモルファ
ス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点に係る多孔質アモルファス膜の
観察方法は、多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に結晶
性物質の薄膜を形成する工程と、前記薄膜が形成された
前記多孔質アモルファス膜の画像データを透過型電子顕
微鏡により生成する工程と、を備える多孔質アモルファ
ス膜の観察方法であって、前記結晶性物質の薄膜を形成
する工程は、前記空孔内部を排気する工程と、前記結晶
性物質を構成する元素を含有する第1の物質を前記空孔
内に導入して、前記空孔の内壁に前記第1の物質を付着
させる工程と、前記空孔内部を排気し、前記空孔の内壁
に付着しない前記第1の物質を前記空孔内部から除去す
る工程と、前記第1の物質と反応して前記結晶性物質を
析出させる第2の物質を前記空孔内部に導入して、前記
空孔の内壁に前記結晶性物質の極薄膜を形成する工程
と、を備える極薄膜の形成工程を備える、ことを特徴と
する。
【0011】上記方法においては、結晶性物質を構成す
る元素を含む第1のガスを多孔質アモルファス膜中の空
孔の内壁全体に付着させ、その後、第2のガスを供給し
て結晶性物質の極薄膜の形成を行う。このように反応物
質を順に空孔内部に供給して極薄膜を形成することによ
り、膜表面近傍の空孔が膜形成により閉塞する事態を避
けることができ、膜の深部においても膜表面と同様に均
一な薄膜形成が可能となる。これにより、多孔質アモル
ファス膜の空孔全体の正確な画像データが得られ、高精
度での多孔質アモルファス膜の観察が可能となる。
【0012】上記構成において、前記極薄膜の形成工程
を繰り返して前記極薄膜を積層することにより、前記結
晶性物質の薄膜を形成することが好ましい。すなわち、
極薄膜を順に積層して結晶性物質の薄膜を形成すること
により、空孔の内壁全体にわたって均一に、観察に適し
た所定厚の薄膜を形成することができる。
【0013】上記構成において、前記空孔の内部を排気
する工程では、前記空孔の内部を10Pa以下とする、
ことが好ましい。空孔内部を10Pa以下の真空状態と
することにより、付着せずに空孔内に滞留する第1のガ
スを除去でき、空孔内部の雰囲気の置換が十分に行われ
る。
【0014】上記構成において、前記結晶性物質とし
て、高融点金属を用いることが好ましく、特に、タング
ステンを用いる、ことが好ましい。このような高原子量
物質を用いた場合には、透過型電子顕微鏡により生成さ
れる結晶性物質の薄膜の画像データ(空孔内壁の輪郭の
画像データ)は、十分なコントラストを有し、高精度で
の空孔径等の膜特性の観察が可能となる。
【0015】上記構成において、例えば、前記第1の物
質として6フッ化タングステンを用い、前記第2の物質
として、シランを用いることができる。
【0016】上記構成において、前記極薄膜形成工程で
は、例えば、化学的気相成長法により前記結晶性物質の
極薄膜を形成することができる。
【0017】上記目的を達成するため、本発明の第2の
観点にかかる多孔質アモルファス膜の成膜方法は、多孔
質アモルファス膜を形成する工程と、前記多孔質アモル
ファス膜の空孔の内壁に結晶性物質の薄膜を形成する工
程と、前記結晶性物質の薄膜が形成された多孔質アモル
ファス膜の画像データを透過型電子顕微鏡により生成す
る工程と、前記画像データから前記アモルファス膜の膜
特性データを取得し、前記膜特性データに基づいて前記
アモルファス膜を形成する工程を制御する工程と、を備
えた多孔質アモルファス膜の成膜方法であって、前記結
晶性物質の薄膜を形成する工程は、前記空孔内部を真空
状態まで排気する工程と、前記結晶性物質を構成する元
素を含有する第1の物質を前記空孔内に導入して、前記
空孔の内壁に前記第1の物質を付着させる工程と、前記
空孔内部を真空状態まで排気し、前記空孔の内壁に付着
しない前記第1の物質を前記空孔内部から除去する工程
と、前記第1の物質と反応して前記結晶性物質を析出さ
せる第2の物質を前記空孔内部に導入して、前記空孔の
内壁に前記結晶性物質の極薄膜を形成する工程と、を備
える極薄膜の形成工程を備える、ことを特徴とする。
【0018】上記方法においては、結晶性物質を構成す
る元素を含む第1のガスを多孔質アモルファス膜中の空
孔の内壁全体に付着させ、その後、第2のガスを供給し
て結晶性物質の極薄膜の形成を行う。このように反応物
質を順に空孔内部に供給して極薄膜を形成することによ
り、膜表面近傍の空孔が膜形成により閉塞する事態を避
けることができ、膜の深部においても膜表面と同様に均
一な薄膜形成が可能となる。これにより、多孔質アモル
ファス膜の空孔全体の正確な画像データが得られ、高精
度での多孔質アモルファス膜の観察が可能となる。
【0019】上記構成において、前記極薄膜の形成工程
を繰り返して前記極薄膜を積層することにより、前記結
晶性物質の薄膜を形成することことが好ましい。すなわ
ち、極薄膜を順に積層して結晶性物質の薄膜を形成する
ことにより、空孔の内壁全体にわたって均一に、観察に
適した所定厚の薄膜を形成することができる。
【0020】上記構成において、前記空孔の内部を排気
する工程では、前記空孔の内部を10Pa以下とするこ
とが好ましい。空孔内部を10Pa以下の真空状態とす
ることにより、付着せずに空孔内に滞留している第1の
ガスを除去でき、空孔内部の雰囲気の置換も十分に行わ
れる。
【0021】上記構成において、前記結晶性物質とし
て、高融点金属を用いることが好ましく、特に、タング
ステンを用いることが好ましい。このような高原子量物
質を用いた場合には、透過型電子顕微鏡により生成され
る結晶性物質の薄膜の画像データ(空孔内壁の輪郭の画
像データ)は、十分なコントラストを有し、高精度での
膜特性の観察が可能となる。
【0022】上記構成において、例えば、前記第1の物
質として6フッ化タングステンを用い、前記第2の物質
として、シランを用いることができる。
【0023】上記構成において、前記極薄膜形成工程で
は、例えば、化学的気相成長法により前記結晶性物質の
極薄膜を形成することができる。
【0024】上記目的を達成するため、本発明の第3の
観点にかかる多孔質アモルファス膜の観察装置は、多孔
質アモルファス膜が成膜された試料の、前記多孔質アモ
ルファス膜の空孔の内壁に結晶性物質の薄膜を形成する
ための処理室と、前記処理室に連結するとともに、前記
結晶性物質の薄膜が形成された多孔質アモルファス膜の
画像データを生成する透過型電子顕微鏡が配設された観
察室と、前記多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に前記
結晶性物質の薄膜が形成された前記試料を、前記処理室
から前記観察室に搬送し、前記透過型電子顕微鏡に取り
付ける搬送手段と、を備える多孔質アモルファス膜の観
察装置であって、前記処理室は、前記空孔の内部を排気
する排気手段と、前記結晶性物質を構成する元素を含有
する第1の物質を前記空孔内に導入する第1の物質導入
手段と、前記第1の物質と反応して前記結晶性物質を析
出させる第2の物質を前記空孔内部に導入する第2の物
質導入手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0025】上記構成の装置においては、処理室におい
て、結晶性物質を含む第1のガスを試料の多孔質アモル
ファス膜中の空孔の内壁全体に付着させ、その後、第2
のガスを供給して結晶性物質の極薄膜の形成を行う。こ
のように反応物質を順に空孔内部に供給して極薄膜を形
成することにより、膜表面近傍の空孔が膜形成により閉
塞する事態を避けることができ、膜の深部においても膜
表面と同様に均一な薄膜形成が可能となる。その後、搬
送手段によって試料は観察室の透過型電子顕微鏡にセッ
トされ、試料に形成された多孔質アモルファス膜の空孔
全体の正確な画像データが得られ、高精度での多孔質ア
モルファス膜の観察が可能となる。
【0026】上記目的を達成するため、本発明の第4の
観点にかかる多孔質アモルファス膜の成膜装置は、基板
に多孔質アモルファス膜を成膜するための成膜室と、前
記多孔質アモルファス膜が成膜された基板を所定の形状
に加工して、前記多孔質アモルファス膜を備える試料を
作成する試料作成室と、前記試料の前記多孔質アモルフ
ァス膜の空孔の内壁に結晶性物質の薄膜を形成するため
の処理室と、前記処理室に連結するとともに、前記結晶
性物質の薄膜が形成された多孔質アモルファス膜の画像
データを生成する透過型電子顕微鏡が配設された観察室
と、前記基板を成膜室から試料作成室に搬送し、前記試
料を前記試料作成室から前記処理室に搬送し、さらに、
前記処理室から前記観察室に搬送し、前記透過型電子顕
微鏡に取り付ける搬送手段と、を備える多孔質アモルフ
ァス膜の成膜装置であって、前記処理室は、前記空孔の
内部を排気する排気手段と、前記結晶性物質を構成する
元素を含有する第1の物質を前記空孔内に導入する第1
の物質導入手段と、前記第1の物質と反応して前記結晶
性物質を析出させる第2の物質を前記空孔内部に導入す
る第2の物質導入手段と、を備える、ことを特徴とす
る。
【0027】上記構成の装置においては、成膜室で基板
に多孔質アモルファス膜の成膜される。その後、試料作
成室で基板から観察用の試料が作成され、処理室に搬送
される。処理室では、結晶性物質を構成する元素を含む
第1のガスを多孔質アモルファス膜中の空孔の内壁全体
に付着させ、その後、第2のガスを供給して結晶性物質
の極薄膜の形成を行う。このように反応物質を順に空孔
内部に供給して極薄膜を形成することにより、膜表面近
傍の空孔が膜形成により閉塞する事態を避けることがで
き、膜の深部においても膜表面と同様に均一な薄膜形成
が可能となる。これにより、多孔質アモルファス膜の空
孔全体の正確な画像データが得られ、高精度での多孔質
アモルファス膜の観察が可能となる。従って、得られた
観察データを基にして、高品質の、歩留まりの高い多孔
質アモルファス膜の成膜が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態にかかる多孔
質アモルファス絶縁膜の観察装置について、以下図面を
参照して説明する。本実施の形態の観察装置は、観察装
置外部の成膜装置において成膜された多孔質アモルファ
ス絶縁膜の膜特性を透過型電子顕微鏡(Transmission E
lectron Microscope:TEM)を用いて測定、観察する
装置である。
【0029】図1に本実施の形態の、多孔質アモルファ
ス膜の観察装置1の構成を示す。図1に示すように、観
察装置1は、処理室2と、観察室3と、搬送室4と、搬
入出室5と、排気装置6と、コントローラ100と、を
備える。
【0030】処理室2は、測定、観察の対象である多孔
質アモルファス絶縁膜を備える試料11を収納し、その
内部で試料11に処理を施すために設けられている。具
体的には、処理室2は、CVD装置等の成膜装置を備
え、TEMを用いた観察、測定に先だって、多孔質アモ
ルファス絶縁膜の内部の空孔の内壁(絶縁膜内部のアモ
ルファス結晶の表面)に、結晶性物質からなる薄膜を形
成する。
【0031】観察室3は、多孔質アモルファス絶縁膜の
TEMを用いた観察、測定のために設けられている。具
体的には、観察室3はTEMを備え、試料11の備える
多孔質アモルファス膜内部の空孔の形状を画像データと
して取得する。TEMには、図示しない画像データ処理
装置が接続されている。画像データ処理装置は、TEM
の取得した画像データを処理し、多孔質アモルファス絶
縁膜の空孔のサイズ、空孔率等の膜特性を算出する。
【0032】搬送室4は、処理室2と観察室3とを連結
し、試料11を処理室2から観察室3に搬送するために
設けられている。搬送室4には搬送レール12に沿って
移動可能な搬送アーム13が備えられている。搬送アー
ム13は、搬送室4内を動いて試料11を搬送する。
【0033】搬入出室5は、観察装置1に外部から試料
11の搬入出を行うために設けられている。
【0034】排気装置6a、6bは、図示しないポン
プ、バルブを備える。排気装置6aは、搬送室4に接続
され、観察室3、搬送室4及び搬入出室5を10Pa以
下の真空まで減圧可能である。排気装置6bは処理室2
に接続され、処理室2を10Pa以下の真空まで減圧可
能である。
【0035】処理室2と搬送室4とはゲート7を介して
接続され、観察室3と搬送室4とはゲート8を介して接
続されている。また、搬入出室5は観察装置1の外部と
ゲート9を介して接続され、搬送室4と搬入出室5と
は、ゲート10を介して接続されている。
【0036】ここで、ゲート9及び10により観察装置
1から隔絶可能な搬入出室5は、処理室2、観察室3及
び搬送室4とは独立に、排気装置6により真空状態と常
圧状態とに切り替え可能となっている。すなわち、試料
11の搬入出時にはゲート9は開放されて搬入出室5は
常圧となり、ゲート9の閉鎖後には、排気装置6aによ
り搬入出室5の内部は、観察装置1の他の空間と同様に
真空状態とすることができる。
【0037】コントローラ100は、マイクロプロセッ
サ等から構成され、観察装置1全体の動作を制御する。
具体的には、コントローラ100は、処理室2及び観察
室3における処理、排気装置6a、6bの動作、ゲート
7〜10の開閉、試料11の搬送等を制御する。
【0038】図2に、処理室2及び観察室3の構成を示
す。図2に示すように、処理室2の内部には、試料11
を載置する載置台14が配置されている。載置台14の
内部にはヒータ15が設けられている。ヒータ15は、
コントローラ100による制御のもと、載置台14及び
試料11を所定の温度に調整する。なお、ヒータ15の
かわりに、加熱ランプ等を用いてもよい。
【0039】処理室2の上方には、気体導通可能なガス
導入口16が設けられている。ガス導入口16は、原料
ガス、パージガス等を処理室2内に導入する。ガス導入
口16は、シャワーヘッド17に接続され、ガス導入口
16より導入されたガスは、シャワーヘッド17から載
置台14方向に拡散供給される。また、ガス導入口16
を介して処理室2内に導入されるガスは、コントローラ
100により制御されたバルブ18により、その流量が
制御される。
【0040】ガス導入口16は、いずれも図示しないシ
ラン(SiH)ガス源、6フッ化タングステン(WF
)ガス源、及びアルゴン(Ar)ガス源に接続されて
いる。なお、Arガスのかわりに窒素ガス等の不活性ガ
スを用いてもよい。
【0041】処理室2の下方には排気口19が設けられ
ている。排気口19は、排気装置6bと接続している。
コントローラ100は、処理室2内に導入されるガスの
流量を及び排気口19から排気されるガスの流量を制御
して、処理室2内を適当な圧力に調節する。
【0042】観察室3は、透過型電子顕微鏡(TEM)
20を備える。観察室3の内部には、TEM20の試料
取り付け部21が設けられ、試料取り付け部21に試料
11を取り付けることにより、試料11の観察が行われ
る。また、TEM20には、画像分析装置等から構成さ
れる、図示しない画像処理部が設けられている。
【0043】観察室3は、搬送室4とともに、排気装置
6aにより真空まで減圧可能である。このため、真空状
態で、試料11の搬送、観察等を行うことができ、空気
中の酸素、水分等の半導体試料11に対する悪影響を防
止して、精度の高い測定、観測を行うことができる。
【0044】次に、以上のようにして構成された観察装
置1を用いた多孔質アモルファス絶縁膜を観察、測定す
る方法について、図4を参照して説明する。図4は、多
孔質アモルファス絶縁膜の観察、測定方法のフローチャ
ートを示す。なお、図4に示すフローチャートは、処理
の一例であり、同様の効果が得られるものであれば、ど
のような構成であってもよい。
【0045】まず、観察装置1の外部に配置されたCV
D装置にて、シリコン等の半導体基板(以下、ウェハと
いう)の主面に多孔質アモルファス絶縁膜を形成する
(ステップS11)。
【0046】詳細には、少なくとも二酸化ケイ素と揮発
性溶剤とを含む液体をウェハ上にスピンコート等により
塗布する。続いて、ウェハをベークして揮発性成分を除
去した後、キュアして固定化する。以上の工程により、
内径が1nm〜50nmの微細な空孔が多数形成された
アモルファスシリコン酸化膜がウェハ上に形成される。
膜中の多数の空孔は相互に連通し、その一部はシリコン
酸化膜の表面に達しており、いわゆるオープンポア型の
多孔質膜を形成している。
【0047】次に、上記のようにして多孔質シリコン酸
化膜が形成されたウェハから、観察装置1の外部に同様
に配置された加工装置にて、TEM20による観察、測
定に適した形状の試料11を作成する(ステップS1
2)。具体的には、多孔質シリコン酸化膜が形成された
ウェハから、ダイシングソーにより所定サイズの切片を
切り出す。その後、切り出した切片に収束イオンビーム
を用いて精密加工を施し、図3に示すような形状の試料
11を作成する。
【0048】図3の例では、試料11の幅狭部11aが
多孔質シリコン酸化膜であり、幅広部11bが半導体層
である。幅狭部11aには、電子線を透過させるため、
さらに薄く加工された測定領域11cが形成されてい
る。
【0049】作成した試料11は、観察装置1に送ら
れ、TEMを用いた多孔質アモルファス絶縁膜の膜特性
に関する観察が行われる。
【0050】まず、作成した試料11をゲート9を介し
て常圧に設定された搬入出室5に搬入する(ステップS
13)。コントローラ100は、ゲート9を閉鎖し、排
気装置6aにより搬入出室5内を真空とした後ゲート1
0を開放する。コントローラ100は、ゲート7を開放
し、搬送アーム13によって搬入出室5内から試料11
を処理室2に搬送する。試料11を載置台14上に載置
した後、ゲート7は閉鎖される。ゲート7の閉鎖後、コ
ントローラ100は、排気装置6bにより処理室2内を
10Pa以下、特に、1Pa以下、さらに特に、0.5
Pa以下の真空とする。
【0051】次に、処理室2において、CVD処理によ
り結晶性薄膜を形成する(ステップS14)。図5に、
処理室2で行われる結晶性薄膜形成処理のフローチャー
トを示す。なお、図5に示すフローチャートは、処理の
一例であり、同様の効果が得られるものであれば、どの
ような構成であってもよい。
【0052】まず、前述したように、試料11を処理室
2の載置台14上に載置する(ステップS21)。
【0053】次いで、ヒータ15により載置台14を所
定の温度、例えば、380℃に加熱する。ここで、載置
台14をヒータ15により予熱しておき、その後試料1
1を載置するようにしてもよい。続いて、Arガスをガ
ス源からシャワーヘッド17へ供給しつつ、処理室2内
を所定の圧力、例えば、400Paに保持して、試料1
1に載置台14の熱を伝導し、昇温する(ステップS2
2)。
【0054】続いて、Arガスの供給を停止して、処理
室2内を10Pa以下、特に、1Pa以下、さらに特に
0.5Pa以下まで真空排気する(ステップS23)。
【0055】続いて、ガス源からSiHガスをシャワ
ーヘッド17を介して、処理室2内の圧力が5.332
kPa(40Torr)となるまで供給する(ステップ
S24)。その後、所定時間、例えば、30秒間この状
態を保持する。なお、SiH ガスは、Arガスと混ぜ
て供給するようにしてもよい。
【0056】本実施の形態のアモルファスシリコン絶縁
膜はオープンポア型の多孔質膜であるので、この間に、
SiHガスは、試料11に形成されたアモルファスシ
リコン絶縁膜内の空孔に容易に侵入し、十分に充填され
る。このとき、ガス中のSiH分子は、絶縁膜内部の
シリコン酸化物の表面(空孔の内壁)に付着する。
【0057】図6に、アモルファス絶縁膜の空孔の内壁
にSiH分子が付着した状態の模式図を示す。図6で
は、理解を容易にするために、基板30上に形成された
多孔質アモルファス絶縁膜31を粒子状のシリコン酸化
物32で表し、それ以外の部分が空孔33に相当する。
図6に示すように、SiHガス充填後に、シリコン酸
化物32の表面(空孔33の内部表面)には、SiH
分子34が付着したシリコンのサイトが形成されてい
る。
【0058】続いて、処理室2内を排気し、10Pa以
下、特に、1Pa以下、さらに特に、0.5Pa以下の
真空状態とする(ステップS25)。真空状態に達した
後、所定時間、例えば、30秒間この状態を保持する。
ここで、絶縁膜内部のSiH 分子は真空状態において
も付着状態を保っている。
【0059】続いて、ガス源からシャワーヘッド17を
介してWFガスを処理室2内に、内部の圧力が39
9.6Pa(3Torr)に達するまで供給する(ステ
ップS26)。その後、所定時間、例えば、15秒間、
この状態を保持する。なお、WFガスは、Arガスと
混ぜて供給するようにしてもよい。
【0060】このとき、真空状態にあった多孔質アモル
ファス絶縁膜31の空孔33の内部には、WFガスが
勢いよく侵入し、空孔の基板方向の深部にまで到達す
る。空孔に侵入したWFガスは、多孔質アモルファス
絶縁膜31の内部に付着したSiH分子(シリコンサ
イト)に接触して、下記式に示されるように反応する。
【化1】 WF+SiH→W↓+SiF↑+2H
【0061】上式に示されるように、WFのSiH
による還元により、タングステン(W)原子が多孔質ア
モルファス絶縁膜31中のシリコン酸化物32の表面
(空孔33の内壁)に析出する。副生成物であるフッ化
シリコン(SiF)及び水素(H)は、気体として
空孔外部に放出される。
【0062】ここで、図6に示すように、上記反応は、
SiH分子34を空孔33全体に行き渡らせた状態で
開始し、かつ、SiH分子34の付着したシリコン酸
化物32の表面(シリコンサイト)において進行する。
従って、WFガスとSiH ガスとを同時に供給して
反応させた場合のように、両反応ガスが空孔33全体に
行き渡ることなく、多孔質アモルファス絶縁膜31の表
面近傍で反応してW結晶膜が形成され、これにより空孔
33が表面近傍で閉塞することは防がれる。このため、
空孔33全体における均一な薄膜形成を行うことができ
る。
【0063】図7に、WFガス導入後の多孔質アモル
ファス絶縁膜31の状態を模式的に示す。図7に示すよ
うに、反応後の、多孔質アモルファス絶縁膜31内部の
シリコン酸化物32の表面(空孔33の内部表面)に
は、全体にわたって、結晶性物質(W)の極薄膜35が
形成されている。形成されたWの極薄膜35は、ほぼ一
原子膜である。
【0064】図5に戻り、所定圧力に達してから、所定
時間、例えば、15秒経過後、処理室2内を排気し、1
0Pa以下、特に、1Pa以下、さらに特に、0.5P
a以下の真空状態とする(ステップS27)。真空状態
に達した後、所定時間、例えば、30秒間この状態を保
持する。これにより、空孔33中のWFガス及び副生
成物ガス(SiF等)は空孔内から排気される。
【0065】続いて、ガス源からSiHガスをシャワ
ーヘッド17を介して、処理室2内の圧力が399.6
Pa(3Torr)となるまで供給する(ステップS2
8)。その後、所定時間、例えば、15秒間この状態を
保持する。これにより、ガス中のSiH分子は、絶縁
膜31内部の空孔33の内壁及び内壁に形成されたWの
極薄膜35の上に付着する。
【0066】続いて、図5のステップS25に戻り、処
理室2内の圧力が所定圧力に達してから、例えば、15
秒経過後、処理室2内を排気し、10Pa以下、特に、
1Pa以下、さらに特に、0.5Pa以下の真空状態と
する。真空状態に達してから所定時間この状態を保持す
る。ここで、絶縁膜31の空孔33の内部に付着したS
iH分子は真空状態においても付着状態を保ってい
る。
【0067】さらに、ステップS26においてWF
スを処理室2内に供給し、15秒間この状態を保持す
る。これにより、極薄膜35の形成されていない空孔3
3の内壁にWの極薄膜35が形成されるとともに、すで
に形成されているWの極薄膜35の上に新たなWの極薄
膜35が形成される。
【0068】以降このように、ステップS25〜S28
までの処理を、多孔質アモルファス絶縁膜31の空孔3
3の内壁に、所望の厚さのW膜が形成されるまで、所定
回数(例えば、15サイクル)繰り返す。ここで、結晶
性薄膜36の厚さは、TEMにより正確に観測可能な厚
さであればよい。
【0069】このように、一原子膜の形成処理を多数回
繰り返して、W原子の極薄膜35を積層することによ
り、多孔質アモルファス絶縁膜31の空孔33全体にわ
たってTEMによる観測の可能な厚さを有する結晶性薄
膜36を形成することができる。
【0070】図8に所定サイクル数処理後の多孔質アモ
ルファス絶縁膜31の状態を模式的に示す。図8に示す
ように、空孔33の内部表面には、W原子層が積層され
てなる結晶性薄膜36が所定厚で形成されている。な
お、図8中では、多孔質アモルファス絶縁膜31中に、
空孔33がすべて互いに連通している構成としたが、こ
れに限らず、諸処で空孔33が封鎖され、又は、完全に
空孔33をWの結晶性薄膜36で充填されるようにして
もよい。
【0071】図5に戻り、ステップS29にて、ステッ
プS25〜S28までの処理を所定サイクル数繰り返し
たと判断すると、コントローラ100は、処理室2内を
排気するとともに、Arガスを処理室2内に供給してパ
ージする(ステップS30)。このとき、ヒータ15を
切り、試料11を常温程度にまで冷却する。
【0072】処理室2内がArガスにより置換され、所
定圧力(搬送室4と同じ圧力)となった後、結晶性薄膜
36の形成処理の終了した試料11は、処理室2から搬
送室4の搬送アーム13により搬出される(ステップS
31)。
【0073】以上のように、図5に示すフローチャート
に従って、試料11に処理が施され、試料11の有する
多孔質アモルファス絶縁膜31の空孔33の内壁(内部
のシリコン酸化物32の表面)に、Wの結晶性薄膜36
が形成される。
【0074】図4に戻り、コントローラ100は、結晶
性薄膜36の形成処理を施した試料11を、観察室3に
搬入する(ステップS15)。試料11は、観察室3内
の試料取り付け部21に載置される。
【0075】観察室3では、TEM20を用いて試料1
1の多孔質アモルファス絶縁膜31の画像データを取得
する(ステップS16)。具体的には、試料11の測定
領域11cに、電圧で加速した電子を照射し、測定領域
11cを透過した電子を用いて拡大した画像データを生
成する。
【0076】最後に、TEM20により生成された多孔
質アモルファス絶縁膜31の画像データを、TEM20
に接続された画像データ処理装置で処理し、アモルファ
スシリコン絶縁膜31の特性、例えば、空孔サイズ、空
孔率等を算出する(ステップS17)。
【0077】図8に示すように、多孔質アモルファス絶
縁膜31内部のシリコン酸化物32の表面(空孔33の
内壁)には、Wの原子層が積層されてなる結晶性薄膜3
6が形成されている。TEM20により取得された画像
の、シリコン酸化物32の表面(空孔33の内壁)と、
結晶性薄膜36と、のコントラストは大きく異なる。こ
のため、結晶性薄膜36の像を境界、輪郭として、シリ
コン酸化物32と、空孔33と、を明確に識別できる。
これにより画像データから、空孔33の形状を肉眼でも
明確に観察することができる。
【0078】さらに、画像データを画像データ処理装
置、例えば、画像分析装置、画像解析ソフトウェアなど
を用いて分析することにより、空孔33のサイズ、空孔
率(空孔の断面積/シリコン酸化物の断面積=空孔の断
面画素数/シリコン酸化物の断面画素数)などを測定す
ることができる。また、測定した空孔率から、試料11
の多孔質アモルファス絶縁膜31の誘電率を算出するこ
とができる。
【0079】図4に戻り、コントローラ100は、TE
M20による画像データの取得の終了した試料11を、
特性の解析処理(ステップS17)の後、又は、これと
同時に観察装置1から搬出する(ステップS18)。
【0080】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、結晶性薄膜36を輪郭として、多孔質アモルファス
絶縁膜31内部の空孔33の形状を、TEM20により
正確に観測することができる。
【0081】ここで、結晶性薄膜36は、WFガスと
SiHガスとを順に供給してW原子一原子分の極薄膜
35を形成する工程を、多数回繰り返すことによって形
成される。このように、極薄膜35を多数回の成膜処理
を行って積層することにより、多孔質アモルファス絶縁
膜31の空孔33全体にわたって均一に、所定厚の結晶
性薄膜36を形成することができる。
【0082】このため、多孔質アモルファス絶縁膜31
の空孔33のサイズ、空孔率等の特性に関する正確な情
報が得られ、これを基にして多孔質アモルファス絶縁膜
31の非誘電率等の評価を行うことができる。
【0083】本発明は、上記の実施の形態に限られず、
種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可
能な上記実施の形態の変形態様について、説明する。
【0084】上記実施の形態では、最初の極薄膜35の
形成において、WFガスの導入前にSiHガスを導
入した(図5中のステップS24)が、このSiH
スの導入工程は省略可能である。しかし、SiHガス
の導入を省いた場合には、極薄膜35の形成工程の繰り
返しサイクル数は大幅に増大する。
【0085】結晶性薄膜36を構成する材料は、Wに限
らず、いかなる材料であってもよい。材料としては、金
属、特に、高原子量金属が得られるTEM画像において
十分なコントラストが得られることから望ましく、例え
ば、チタン、バナジウム、ニオブ、ジルコニウム、ハフ
ニウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、
モリブデン、タンタル、銀、クリプトン等が挙げられ
る。中でも、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウ
ム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル等の高
融点金属が好ましい。
【0086】上記のような金属から結晶性薄膜36を形
成する場合には、上記実施の形態と同様に、上記金属の
ハロゲン化物とSiHとを反応させればよい。ハロゲ
ン化物としては、低沸点性、反応性、低腐食性等の観点
から、フッ化物が好ましい。また、上記金属のハロゲン
化物に対する還元剤としては、反応副生成物の低沸点
性、反応性、低腐食性等の観点からSiHが好ましい
が、他の還元性ガスであってもよい。
【0087】一方、観測対象である多孔質アモルファス
絶縁膜31についても、シリコン酸化膜に限らず、フッ
化シリコン膜、シリコン窒化膜等いかなる多孔質アモル
ファス絶縁膜であってもよい。
【0088】また、上記実施の形態の多孔質アモルファ
ス絶縁膜の観察装置1を用い、図9に示すような、いわ
ゆるマルチチャンバシステム型の半導体製造装置(成膜
装置)を構成してもよい。図9に示す成膜装置40は、
例えば、成膜室41と、試料作成室42と、処理室43
と、観察室44と、コントローラ101と、を備えて構
成される。
【0089】上記構成の成膜装置40を用いた場合、ま
ず、成膜室41にて、半導体ウェハ等に多孔質シリコン
絶縁膜31の成膜を行い、次に、試料作成室42にて、
図3のごとき試料を作成する。続いて、処理室43に
て、W等からなる結晶性薄膜を試料の空孔中に形成す
る。最後に、観察室44にてTEMにより画像データを
取得し、空孔径等の絶縁膜の特性データを算出する。コ
ントローラ101は、得られた膜特性データを蓄積し、
蓄積したデータを基に、成膜室41における成膜条件
(ベーク温度、原料ガス供給時間、減圧時間等)を制御
する。このようにして、コントローラ101は、所定の
特性(低誘電率性)を有する多孔質膜が形成されるよう
に成膜プロセスを維持する。
【0090】なお、上記成膜装置40は、枚葉型あるい
はバッチ型であってもよい。枚葉型の場合、コントロー
ラ101は所定枚数処理毎に資料作成、観察等を行い、
また、バッチ型の場合には、例えば、カセット等に収容
されたウェハのうち、一枚を採取して資料作成、観察等
を行う。
【0091】また、上記成膜装置40は、他に、多孔質
絶縁膜の上に保護膜を形成する成膜室等を備えてもよ
い。
【0092】また、スピンコータユニット、ベーキング
ユニット、キュアユニットを備えた多孔質アモルファス
絶縁膜の成膜装置と、上記実施の形態の観察装置1とを
インラインしても、上記マルチチャンバ型成膜装置40
と同様の処理が行えることは勿論である。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高精度の多孔質アモルファス膜の観察が可能な、多孔質
アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装
置及び成膜装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる観察装置の構成を
示す図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる処理室及び観察室
の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる試料を示す図であ
る。
【図4】本実施の形態にかかる観察方法を示すフローチ
ャートである。
【図5】本実施の形態にかかる結晶性薄膜形成方法を示
すフローチャートである。
【図6】結晶性薄膜の形成工程を示す図である。
【図7】結晶性薄膜の形成工程を示す図である。
【図8】結晶性薄膜の形成工程を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態にかかる観察装置の構
成を示す図である。
【符号の説明】 1 観察装置 2 処理室 3 観察室 4 搬送室 5 搬入出室 11 試料 14 載置台 15 ヒータ 17 シャワーヘッド 20 TEM 21 試料取り付け部 31 多孔質アモルファス絶縁膜 32 シリコン酸化物 33 空孔 35 極薄膜 36 結晶性薄膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/66 H01L 21/66 Q G01N 1/28 N Fターム(参考) 2G001 AA03 BA11 CA03 GA03 GA16 GA17 JA14 KA04 KA12 LA11 MA05 NA16 PA01 PA07 RA01 RA02 RA04 RA08 RA20 SA10 2G052 AA13 EB11 EC03 FD06 GA34 HC15 HC17 HC22 HC25 4M106 AA01 AA13 BA02 CB30 DB05 DH60 5C001 AA02 AA07 BB01 BB06 BB07 CC01 5F058 BA11 BC02 BD00 BF46 BH01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に結晶
    性物質の薄膜を形成する工程と、前記薄膜が形成された
    前記多孔質アモルファス膜の画像データを透過型電子顕
    微鏡により生成する工程と、を備える多孔質アモルファ
    ス膜の観察方法であって、前記結晶性物質の薄膜を形成
    する工程は、 前記空孔内部を排気する工程と、 前記結晶性物質を構成する元素を含有する第1の物質を
    前記空孔内に導入して、前記空孔の内壁に前記第1の物
    質を付着させる工程と、 前記空孔内部を排気し、前記空孔の内壁に付着しない前
    記第1の物質を前記空孔内部から除去する工程と、 前記第1の物質と反応して前記結晶性物質を析出させる
    第2の物質を前記空孔内部に導入して、前記空孔の内壁
    に前記結晶性物質の極薄膜を形成する工程と、を備える
    極薄膜の形成工程を備える、ことを特徴とする多孔質ア
    モルファス膜の観察方法。
  2. 【請求項2】前記極薄膜の形成工程を繰り返して前記極
    薄膜を積層することにより、前記結晶性物質の薄膜を形
    成する、ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質アモ
    ルファス膜の観察方法。
  3. 【請求項3】前記空孔の内部を排気する工程では、前記
    空孔の内部を10Pa以下とする、ことを特徴とする請
    求項1又は2に記載の多孔質アモルファス膜の観察方
    法。
  4. 【請求項4】前記結晶性物質として、高融点金属を用い
    る、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に
    記載の多孔質アモルファス膜の観察方法。
  5. 【請求項5】前記結晶性物質として、タングステンを用
    いる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の多孔質アモルファス膜の観察方法。
  6. 【請求項6】前記第1の物質として6フッ化タングステ
    ンを用い、前記第2の物質として、シランを用いる、こ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    多孔質アモルファス膜の観察方法。
  7. 【請求項7】前記極薄膜形成工程では、化学的気相成長
    法により前記結晶性物質の極薄膜を形成する、ことを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多孔質
    アモルファス膜の観察方法。
  8. 【請求項8】多孔質アモルファス膜を形成する工程と、
    前記多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に結晶性物質の
    薄膜を形成する工程と、前記結晶性物質の薄膜が形成さ
    れた多孔質アモルファス膜の画像データを透過型電子顕
    微鏡により生成する工程と、前記画像データから前記ア
    モルファス膜の膜特性データを取得し、前記膜特性デー
    タに基づいて前記アモルファス膜を形成する工程を制御
    する工程と、を備えた多孔質アモルファス膜の成膜方法
    であって、 前記結晶性物質の薄膜を形成する工程は、 前記空孔内部を真空状態まで排気する工程と、 前記結晶性物質を構成する元素を含有する第1の物質を
    前記空孔内に導入して、前記空孔の内壁に前記第1の物
    質を付着させる工程と、 前記空孔内部を真空状態まで排気し、前記空孔の内壁に
    付着しない前記第1の物質を前記空孔内部から除去する
    工程と、 前記第1の物質と反応して前記結晶性物質を析出させる
    第2の物質を前記空孔内部に導入して、前記空孔の内壁
    に前記結晶性物質の極薄膜を形成する工程と、を備える
    極薄膜の形成工程を備える、ことを特徴とする多孔質ア
    モルファス膜の成膜方法。
  9. 【請求項9】前記極薄膜の形成工程を繰り返して前記極
    薄膜を積層することにより、前記結晶性物質の薄膜を形
    成する、ことを特徴とする請求項8に記載の多孔質アモ
    ルファス膜の成膜方法。
  10. 【請求項10】前記空孔の内部を排気する工程では、前
    記空孔の内部を10Pa以下とする、ことを特徴とする
    請求項8又は9に記載の多孔質アモルファス膜の成膜方
    法。
  11. 【請求項11】前記結晶性物質として、高融点金属を用
    いる、ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1
    項に記載の多孔質アモルファス膜の成膜方法。
  12. 【請求項12】前記結晶性物質として、タングステンを
    用いる、ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか
    1項に記載の多孔質アモルファス膜の成膜方法。
  13. 【請求項13】前記第1の物質として6フッ化タングス
    テンを用い、前記第2の物質として、シランを用いる、
    ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記
    載の多孔質アモルファス膜の成膜方法。
  14. 【請求項14】前記極薄膜形成工程では、化学的気相成
    長法により前記結晶性物質の極薄膜を形成する、ことを
    特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の多
    孔質アモルファス膜の成膜方法。
  15. 【請求項15】多孔質アモルファス膜が成膜された試料
    の、前記多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に結晶性物
    質の薄膜を形成するための処理室と、 前記処理室に連結するとともに、前記結晶性物質の薄膜
    が形成された多孔質アモルファス膜の画像データを生成
    する透過型電子顕微鏡が配設された観察室と、 前記多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に前記結晶性物
    質の薄膜が形成された前記試料を、前記処理室から前記
    観察室に搬送し、前記透過型電子顕微鏡に取り付ける搬
    送手段と、 を備える多孔質アモルファス膜の観察装置であって、 前記処理室は、 前記空孔の内部を排気する排気手段と、 前記結晶性物質を構成する元素を含有する第1の物質を
    前記空孔内に導入する第1の物質導入手段と、 前記第1の物質と反応して前記結晶性物質を析出させる
    第2の物質を前記空孔内部に導入する第2の物質導入手
    段と、 を備える、ことを特徴とする多孔質アモルファス膜の観
    察装置。
  16. 【請求項16】基板に多孔質アモルファス膜を成膜する
    ための成膜室と、 前記多孔質アモルファス膜が成膜された基板を所定の形
    状に加工して、前記多孔質アモルファス膜を備える試料
    を作成する試料作成室と、 前記試料の前記多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に結
    晶性物質の薄膜を形成するための処理室と、 前記処理室に連結するとともに、前記結晶性物質の薄膜
    が形成された多孔質アモルファス膜の画像データを生成
    する透過型電子顕微鏡が配設された観察室と、 前記多孔質アモルファス膜の空孔の内壁に前記結晶性物
    質の薄膜が形成された試料を、前記処理室から前記観察
    室に搬送し、前記透過型電子顕微鏡に取り付ける搬送手
    段と、 を備える多孔質アモルファス膜の成膜装置であって、 前記処理室は、 前記空孔の内部を排気する排気手段と、 前記結晶性物質を構成する元素を含有する第1の物質を
    前記空孔内に導入する第1の物質導入手段と、 前記第1の物質と反応して前記結晶性物質を析出させる
    第2の物質を前記空孔内部に導入する第2の物質導入手
    段と、 を備える、ことを特徴とする多孔質アモルファス膜の成
    膜装置。
JP2001110859A 2001-04-10 2001-04-10 多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜装置 Pending JP2002310941A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001110859A JP2002310941A (ja) 2001-04-10 2001-04-10 多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001110859A JP2002310941A (ja) 2001-04-10 2001-04-10 多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002310941A true JP2002310941A (ja) 2002-10-23

Family

ID=18962556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001110859A Pending JP2002310941A (ja) 2001-04-10 2001-04-10 多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002310941A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009287941A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Nippon Steel Corp 無機多孔体の観察試料および当該観察試料の作製方法
JP2014157123A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Toshiba Corp 試料、試料作成装置および試料観察方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009287941A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Nippon Steel Corp 無機多孔体の観察試料および当該観察試料の作製方法
JP2014157123A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Toshiba Corp 試料、試料作成装置および試料観察方法
US9151702B2 (en) 2013-02-18 2015-10-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Sample, sample fabrication apparatus, and sample observation method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101178650B1 (ko) 반도체 장치의 제조 방법, 반도체 장치, 전자 기기, 반도체 제조 장치 및 기억 매체
TWI627706B (zh) Semiconductor device manufacturing method, semiconductor device, and semiconductor manufacturing device
KR100236500B1 (ko) 전기 전도성 장벽층과 전도성 비아를 형성하는 방법 및 장치
EP2105953A1 (en) Amorphous carbon film, semiconductor device, film forming method, film forming apparatus and storage medium
JP4590402B2 (ja) 基板の処理装置
JP4850871B2 (ja) 絶縁膜の形成方法
US8017519B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
US8354337B2 (en) Metal oxide film formation method and apparatus
WO2007072649A1 (ja) 高誘電体薄膜の改質方法及び半導体装置
WO2007139141A1 (ja) 絶縁膜の形成方法および半導体装置の製造方法
US7968470B2 (en) Plasma nitriding method, method for manufacturing semiconductor device and plasma processing apparatus
JP6601257B2 (ja) 基板処理方法
JP2001093953A (ja) 多孔質アモルファス膜の観察方法及びその観察装置
KR100989028B1 (ko) 반도체 장치의 제조 방법 및 기판 처리 장치
JP2002310941A (ja) 多孔質アモルファス膜の観察方法及び成膜方法ならびに観察装置及び成膜装置
JP2008270706A (ja) 窒化珪素膜および不揮発性半導体メモリ装置
KR101941766B1 (ko) 기판 처리 방법 및 기억 매체
US20040214417A1 (en) Methods of forming tungsten or tungsten containing films
JP3723085B2 (ja) 半導体装置の製造方法及び製造装置
JP2004039976A (ja) 基板処理装置のクリーニング方法
JP7110468B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理装置、プログラム及び基板処理方法。
WO2021079624A1 (ja) ドライエッチング方法、半導体デバイスの製造方法及びエッチング装置
KR100331964B1 (ko) 원자층 증착 설비 및 이를 이용한 원자층 증착 방법
JP2024044428A (ja) エッチング方法およびエッチング装置
CN114746985A (zh) 蚀刻方法和蚀刻装置