JP2002310247A - オートテンショナおよびブッシング - Google Patents

オートテンショナおよびブッシング

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JP2002310247A
JP2002310247A JP2001114769A JP2001114769A JP2002310247A JP 2002310247 A JP2002310247 A JP 2002310247A JP 2001114769 A JP2001114769 A JP 2001114769A JP 2001114769 A JP2001114769 A JP 2001114769A JP 2002310247 A JP2002310247 A JP 2002310247A
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bushing
arm
cylindrical portion
auto
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JP2001114769A
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Kazumasa Ayukawa
一正 鮎川
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Gates Unitta Asia Co
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Gates Unitta Asia Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブッシングに水や塩水が掛かったときのベル
トやオートテンショナの異常音の発生を防止する。 【解決手段】 ベース30のベース円筒部32と、揺動
アーム24のアーム円筒部246との間にブッシング2
6を設ける。ベース30にアーム24を回転自在に取付
け、ねじりコイルスプリング60によりアーム24を一
定の回転方向に付勢するとともに、アーム円筒部246
およびブッシング26をベース円筒部32に押し付け、
揺動アーム24の揺動に摩擦抵抗を与える。ブッシング
26をポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする
素材から形成し、水や塩水が掛かったときの摩擦力の増
大を防止し、ベルト10やオートテンショナ20からの
異常音の発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
タイミングベルト、または複数の補機を駆動するベルト
に適切な張力を付与するオートテンショナに関し、特に
そのブッシングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】オートテンショナは、エンジンの駆動力
を単一の無端ベルトで複数の装置に伝達するベルト駆動
機構に採用され、ベルトに適切な張力を付与するととも
に、エンジンの回転数や負荷の変動により生じるベルト
の振動を減衰させる。これによりエンジンの駆動力が各
装置に確実に伝達される。
【0003】一般にオートテンショナは、エンジンブロ
ック等に固定されるベースと、ベースに回転自在に軸支
される揺動アームと、揺動アームの先端に取付けられて
ベルトに当接するプーリを備える。揺動アームはその回
転中心と略同心に設けられたねじりコイルスプリングに
よってベルトが緊張する方向に回転付勢され、これによ
りベルトに適切な張力が付与される。また、揺動アーム
とベースとの間には少なくもいずれか一方に摩擦摺動す
るブッシングが設けられ、このブッシングによって揺動
アームがベースに対して相対回転する際に回転抵抗とな
る摩擦力が生じ、揺動アームの回転が制動され、ベルト
の振動が減衰される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動車エンジンのベル
ト駆動機構に用いられるブッシングには、耐熱性、耐磨
耗性、強度、寸法安定性に優れているという条件の他、
耐水性や水が掛かった際にも摩擦力が変化しないことが
要求される。従来では、ブッシングには耐熱性に優れた
合成樹脂、例えばナイロン樹脂が用いられていた。しか
し、ナイロン樹脂製のブッシングが水や塩水にさらされ
ると揺動アームに対する摩擦力が増大するため、揺動ア
ームの円滑な回転が阻害されて、オートテンショナやベ
ルトから異常音が発生するという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、オートテンショナのブッシングを改良して異常
音の発生を防止することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のオートテンショ
ナは、一方が開口した円筒部を有するベースと、ベース
の開口側に回転自在に取付けられ、ベースの円筒部に対
して径方向に一定距離だけ離れた円筒部を有する揺動ア
ームと、ベースの円筒部と揺動アームの円筒部との間に
設けられ、揺動アームを制動するブッシングとを備え、
ブッシングが、一部が露出しており、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂を主成分とする素材から形成されること
を最も主要な特徴とする。これにより、ブッシングに水
や塩水等がかかることによる摩擦力の増大が防止でき、
オートテンショナおよびベルトの異音の発生が防止でき
る。
【0007】オートテンショナにおいて、揺動アームの
円筒部の内側にはねじりコイルスプリングが設けられ、
このねじりコイルスプリングは揺動アームを一定の回転
方向に付勢するとともに揺動アームの円筒部およびブッ
シングをベースの円筒部に向かって押圧する。これによ
り、簡単な構成でベルトの張力に応じて変化する摩擦力
を得ることができる。
【0008】またさらに、オートテンショナには揺動ア
ームをベースに回転自在に軸支する揺動軸部材が設けら
れ、この揺動軸部材がベースの底面部を挿通するととも
に、ベースに対して揺動軸心に垂直な半径方向にクリア
ランスを有することが好ましい。これによりブッシング
が磨耗しても揺動アームをブッシングに常に摺接させる
ことができ、安定した摩擦力が得られる。
【0009】ブッシングが、円周方向において一部破断
した円筒部材であり、比較的簡単に製造できる。また、
ブッシングにおける揺動アームとの摩擦摺動面に軸心方
向全体に渡る溝が複数本形成されてもよく、この溝を介
して摩耗粉が逃がされることにより摩耗粉による摩擦摺
動面の損傷が防止される。
【0010】ベースの円筒部の軸心方向長さと、揺動ア
ームの円筒部の軸心方向長さとが実質的に等しく、軸受
部材がベースの円筒部と揺動アームの円筒部とに軸心方
向全体に渡って密着してもよい。これにより受圧面積を
大きくして大きな荷重を受けることができる。
【0011】本発明によるブッシングは、ベースに揺動
アームを回転自在に取付けたオートテンショナにおいて
揺動アームとベースとの間に設けられ、ポリフェニレン
サルファイド樹脂を主成分とする素材から形成されるこ
とを特徴とする。ブッシングの素材には、重圧すべき荷
重に応じた摩擦係数に設定するために、ポリフェニレン
サルファイド樹脂にポリテトラフルオロエチレン樹脂等
が配合される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
添付図面を参照して説明する。
【0013】図1は、本発明のオートテンショナを適用
したベルト駆動機構を示す図である。このベルト駆動機
構は、単一の無端ベルト10を有し、このベルト10
は、エンジン(図示せず)の出力軸に取付けられる駆動
プーリ12と、複数の装置に取付けられた従動プーリ、
例えばエアコンディショナ用プーリ14、パワーステア
リング装置用プーリ16およびオルタネータ用プーリ1
8とに巻回される。駆動プーリ12が回転するとベルト
10が回転し、各装置のプーリ14、16および18に
回転駆動力が伝達される。
【0014】オートテンショナ20は、駆動プーリ12
とオルタネータ用プーリ18との間に配されたプーリ2
2を有し、このプーリ22はベルト10の背面、即ち外
周側からベルト10に当接しつつ相対回転する。プーリ
22はベルト10を緊張させる方向(矢印Xで示す)に
付勢し、これによりベルト10には常に適切な張力が付
与される。ベルト10に生じた振動はプーリ22を介し
て揺動アーム24に伝達され、揺動アーム24が揺動軸
心L1周りに揺動し、プーリ22の相対位置を変化させ
る。揺動アーム24の揺動時には、揺動アーム24とブ
ッシング26とが摩擦摺動し、生じた摩擦力によって揺
動アーム24の揺動が制動される。
【0015】図2はオートテンショナ20の断面図であ
る。ベース30は図示しないエンジンブロックに固定さ
れる有底筒状部材であり、ベース底面部32の外周縁か
らベース円筒部34が垂直に延びている。ベース円筒部
34の開口部36の内側には、揺動軸である段付ボルト
40により揺動アーム24が回転自在に取付けられる。
ベース底面部32の中央には段付ボルト40を挿入する
ための軸穴38が形成される。
【0016】揺動アーム24はベース底面部32に向か
って開口した有底筒状を呈し、アーム底面部242はベ
ース開口部36の内側に配される。アーム底面部242
の中央には円筒状の揺動軸部244がベース底面部32
に向かって延び、揺動軸部244の内周面には雌ねじ2
44aが形成される。段付ボルト40は、ベース30の
底面側から軸穴38を挿通し、先端の雄ねじ部42にお
いて揺動軸部244に螺合固定される。段付ボルト40
の頭部44は軸穴38の内径より大きく形成され、ベー
ス底面部32のボルト収容部33に係止されて、揺動ア
ーム24の軸心方向の相対移動を規制している。
【0017】段付ボルト40の頭部44とボルト収容部
33との間には、両者を円滑に相対回転させるためのス
ラスト軸受50が設けられる。スラスト軸受50は例え
ば自己潤滑性を有する合成樹脂素材から成形された環状
部材であり、その外径は頭部44の外径より僅かに小さ
い。
【0018】揺動軸部244の先端はベース30の軸穴
38に進入しているが、揺動軸部244と軸穴38との
間には互いの干渉を防止するクリアランスが設けられて
おり、ベース30に対する揺動アーム24の相対回転を
妨げることはない。
【0019】アーム底面部242の外周縁にはベース底
面部32に向かって延びるアーム円筒部246が一体的
に設けられる。アーム底面部242およびアーム円筒部
246の外径はベース円筒部34の内径より小さく、ア
ーム円筒部244の外周面244aはベース円筒部34
の内周面34aに対して径方向に一定距離だけ離れてい
る。ベース円筒部34とアーム円筒部246との間には
ラジアル軸受であるブッシング26が設けられ、このブ
ッシング26は揺動アーム24の揺動時にアーム円筒部
246と摩擦摺動して揺動アーム24に回転抵抗を付与
する。これにより揺動アーム24の揺動は制動される。
【0020】アーム底面部242にはベース30の反対
側に突出するプーリ軸受部248が一体的に設けられて
おり、このプーリ軸受部248の外側にはボールベアリ
ング70を介してプーリ22が回転自在に取付けられ
る。プーリ22の回転軸心L2は揺動軸心L1と平行で
ある。ボールベアリング70は、プーリ軸受部248内
に螺合固定される取付ボルト74と、取付ボルト74の
頭部とボールベアリング70との上端面との間に介装さ
れるワッシャ72とにより固定される。
【0021】ベース30および揺動アーム24により形
成される空間にはねじりコイルスプリング60が収容さ
れる。ねじりコイルスプリング60はアーム円筒部24
6の内側に巻回された巻きばねであり、その一端部62
はベース底面部32に係止され、他端部64はアーム底
面部242に係止される。ねじりコイルスプリング60
は所定量ねじられかつ軸心方向に圧縮された状態で介装
され、そのねじり方向は図1の時計回り方向に一致す
る。これにより揺動アーム24は揺動軸心L1周りに図
1の反時計回り方向へ回転付勢され、プーリ22に巻き
掛けられたベルト10に所定の張力が付与される。
【0022】アーム円筒部246およびブッシング26
は、ねじりコイルスプリング60によってベース円筒部
34の一部に向かって局所的に押圧付勢される。プーリ
22にベルト10が巻き掛けられた状態では、アーム円
筒部246はベルト10からプーリ22にかかる力とね
じりコイルスプリング60の付勢力とが合わさった力に
よりブッシング26に圧接され、これによりアーム円筒
部246とブッシング26との間に摩擦力が発生する。
【0023】例えばベルト10の張力が減少すると、ベ
ルト10から受ける力が減少するため摩擦力は小さくな
り、プーリ22のベルト10への追随性が高くなってベ
ルト10の張力低下が防止される。一方、ベルト10の
張力が増加すると、ベルト10から受ける力も増加し、
摩擦力が大きくなって揺動アーム24の揺動が減衰させ
られる。以上のように、本実施形態のオートテンショナ
20においては摩擦力の大きさが相対変化する。
【0024】揺動アーム24の回動範囲は予め定められ
ているため、ブッシング26の一部位のみが揺動アーム
24と常に摩擦摺動する。従って、ブッシング26の摺
接部位の磨耗量は他の部位より大きく、摺接部位だけ径
方向の厚みが減少し易く、必要な摩擦力が得られなくな
ったり揺動アーム24が傾いて適切な張力がベルト10
に付与できなくなる恐れがある。そこで、本実施形態で
は揺動アーム24とベース30との間、および揺動アー
ム24と一体的な段付ボルト40とベース30との間に
クリアランスを設け、これによりブッシング26の厚み
が減少した分だけ揺動アーム24が径方向に変位するこ
とを許容している。
【0025】具体的には、揺動軸部244の外径および
段付ボルト40の円柱部46の外径よりこれらを収容す
る軸穴38の内径を大きく形成し、また段付ボルト40
の頭部44の外径よりも頭部44を収容するボルト収容
部33の内径を大きく形成している。従って、ブッシン
グ26の摺接部位の厚みが減少しても、ベース30に対
して揺動アーム24および段付ボルト40はねじりコイ
ルスプリング60に付勢力によって厚みの減少した方向
へ僅かに変位するために、常に揺動アーム24とブッシ
ング26とを密着させることができ、安定した摩擦力を
得ることができる。
【0026】図3はブッシング26の斜視図である。ブ
ッシング26は円周方向において一部が破断した円筒状
を呈し、ベース30側の端部には径方向内側に延びるフ
ランジ262が一体的に形成される。フランジ262
は、アーム円筒部246の先端面とベース30の環状座
面35との接触による磨耗を防止するための緩衝部材で
あり、ベース30からのブッシング26の脱落を防止す
る機能をも有する。ブッシング26の外径は自然長でベ
ース円筒部34の内径より僅かに大きく、周方向に収縮
した状態でベース円筒部34内に介装される。従って、
ブッシング26は径方向に拡大しようとする力によって
ベース30に密着する。ブッシング36は揺動アーム2
4の円筒部246およびベース円筒部34の軸長さと略
同じ軸長さを有し、ベース円筒部34とアーム円筒部2
46とに軸心方向全体に渡って密着する。
【0027】ブッシング26の内周面26aには軸心方
向全体に渡って延びる溝268が複数本形成される。こ
の溝268はブッシング26が揺動アーム24と摩擦し
た際に生じる摩耗粉等を吸収して外部へ逃がす役割を有
する。これにより、摩耗粉による内周面26aの損耗が
防止される。なお、溝268の断面形状は本実施形態で
は半円形であるが、特に半円形に限定されるものではな
く、長方形断面、三角形断面等でもよい。
【0028】本実施形態のオートテンショナ20におい
ては、ベース30の軸長さがその直径に対して相対的に
小さい薄型を呈しており、またねじりコイルスプリング
60の外側にブッシング26を設けているため、ブッシ
ング26の直径は相対的に大きく、揺動アーム24との
摩擦面積を大きく設定できる。また、ブッシング36は
アーム円筒部246とに軸心方向全体に渡って密着して
いるため、広い摩擦面積が得られる。従って、揺動アー
ム24の回転角度が小さくても相対的に大きな摩擦力を
得ることができる。またさらに、摩擦力の作用位置を揺
動軸心L1から遠方に設定できるため、揺動アーム24
を効果的に制動できる。
【0029】ブッシング26は、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂を主成分とする素材から射出成形により一体
形成される。ポリフェニレンサルファイド樹脂は、耐熱
性、耐磨耗性、強度、寸法安定性に優れ、また吸水率も
きわめて低い合成樹脂である。素材には、上記ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂の他、受圧すべき荷重に応じて
摩擦係数を調整するための材料、例えば自己潤滑性を持
たせるためのポリテトラフルオロエチレン樹脂、モリブ
デン、熱安定剤、酸化防止剤や紫外線劣化防止剤などが
添加される。
【0030】ブッシング26と摩擦摺動する揺動アーム
24はアルミニウム合金で形成されている。従来のよう
にナイロン樹脂等からブッシング26を形成した場合、
ブッシング26が水や塩水にさらされると揺動アーム2
4に対する摩擦力が増大するため、揺動アーム24の円
滑な回転が阻害されて、ベルト鳴き等の異常音が発生す
るという問題があった。本実施形態においては、ブッシ
ング26の主成分がナイロン樹脂からポリフェニレンサ
ルファイド樹脂に替えられており、これによりブッシン
グ26が水や塩水にさらされた場合においても摩擦力の
増大を阻止することができる。これはポリフェニレンサ
ルファイド樹脂が結晶性の高い高分子構造を有してお
り、親水性が低いためと考えられる。
【0031】ブッシング26のプーリ側端部264は外
部に露出しているため、ベース円筒部34との界面およ
びアーム円筒部246との界面への水や塩水の浸入を許
し、外表面が水や塩水にさらされ易い構造となってい
る。しかし、ブッシング26がポリフェニレンサルファ
イド樹脂を主成分とする素材で形成されているので、水
にさらされても摩擦力は増大せず、揺動アーム24の円
滑な揺動を阻害することがなく、ベルト鳴きが防止され
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例について述べる。実施例として
ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を主成分と
する素材からブッシング(26)を形成し、比較例とし
て一部芳香族ポリアミド樹脂(PPA)を主成分とする
素材でブッシング(26)を形成した。図4は、実施例
ブッシングおよび比較例ブッシングを用いて水掛試験を
行った結果を示す。
【0033】水掛試験は、実施例ブッシングおよび比較
例ブッシングをそれぞれ図2に示すオートテンショナ
(20)に取付けて行われた。この実験において、ベー
ス(30)を固定して揺動アーム(24)を揺動幅±
1.5mm、周波数25Hz、室温環境下で揺動させ、
水を揺動アーム(24)およびベース(30)の間隙に
向かって噴射した。そして、10分おきにオートテンシ
ョナ(20)の出力荷重を測定した。なお、表に示す正
転荷重とはベルト(10)に押されて揺動アーム(2
4)が図1の反時計回り方向に回転するときの出力荷重
であり、逆転荷重とはベルト(10)を緊張させる方向
(図1の時計回り方向)に揺動アーム(24)が回転し
たときの出力荷重である。
【0034】図4のグラフに明らかなように、比較例ブ
ッシングの場合には逆転荷重は殆ど変化しないが、正転
荷重の値が経過時間に応じて上昇している。これは比較
例ブッシングと揺動アーム(24)との摩擦摺動によっ
て生じる摩擦力、特に揺動アーム(24)が反時計回り
に回転するときに生じる摩擦力が水掛によって上昇した
ことを示している。従って、PPA樹脂を主成分とする
素材で成形したブッシング(26)を用いれば、水が掛
かった場合に摩擦力が高くなりすぎてスティックスリッ
プ現象を生じ、異音の発生を生じ易くなるという危険性
がある。
【0035】一方、実施例ブッシングの場合には、比較
例と同様、逆転荷重はほぼ一定であるが、正転荷重は初
期状態(経過時間0分)のときより水掛後の方がやや値
が小さく、経過時間によらずほぼ一定であることがわか
る。即ち、この試験結果から、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂を主成分とする素材で成形したブッシング(2
6)を用いれば、水が掛かった場合でも摩擦力が変化せ
ず、ベルト(10)の緊張に対する応答性が悪化しない
ことがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明のオートテン
ショナは、ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分と
するブッシングを用いるため、水や塩水が掛かったとき
の摩擦力の増大が防止できるので、揺動アームがスムー
ズに回動でき、ベルトやオートテンショナの異常音の発
生が防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオートテンショナを適用したベルト駆
動機構を示す図である。
【図2】図1に示すオートテンショナの断面図である。
【図3】図2に示すブッシングの斜視図である。
【図4】水掛試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
20 オートテンショナ 30 ベース 32 ベース円筒部 24 揺動アーム 246 アーム円筒部 26 ブッシング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状のベースと、 前記ベースの開口側に回転自在に取付けられ、前記ベー
    スの円筒部に対して径方向に一定距離だけ離れた円筒部
    を有する揺動アームと、 前記ベースの円筒部と前記揺動アームの円筒部との間に
    設けられ、前記揺動アームを制動するブッシングとを備
    え、 前記ブッシングが、一部が露出しており、ポリフェニレ
    ンサルファイド樹脂を主成分とする素材から形成される
    ことを特徴とするオートテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記揺動アームの円筒部の内側に、前記
    揺動アームを一定の回転方向に付勢するとともに前記揺
    動アームの円筒部および前記ブッシングを前記ベースの
    円筒部に向かって押圧するねじりコイルスプリングが設
    けられることを特徴とする請求項1に記載のオートテン
    ショナ。
  3. 【請求項3】 前記揺動アームを前記ベースに回転自在
    に軸支する揺動軸部材が設けられ、この揺動軸部材が前
    記ベースの底面部を挿通するとともに、前記ベースに対
    して揺動軸心に垂直な半径方向にクリアランスを有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のオートテンショナ。
  4. 【請求項4】 前記ブッシングが、円周方向において一
    部破断していることを特徴とする請求項1に記載のオー
    トテンショナ。
  5. 【請求項5】 前記ブッシングにおける前記揺動アーム
    との摩擦摺動面に軸心方向全体に渡る溝が複数本形成さ
    れることを特徴とする請求項1に記載のオートテンショ
    ナ。
  6. 【請求項6】 前記ベースの円筒部の軸心方向長さと、
    前記揺動アームの円筒部の軸心方向長さとが実質的に等
    しく、前記軸受部材が前記ベースの円筒部と前記揺動ア
    ームの円筒部とに軸心方向全体に渡って密着することを
    特徴とする請求項1に記載のオートテンショナ。
  7. 【請求項7】 ベースに揺動アームを回転自在に取付け
    たオートテンショナにおいて、前記揺動アームと前記ベ
    ースとの間に設けられ、ポリフェニレンサルファイド樹
    脂を主成分とする素材から形成されることを特徴とする
    ブッシング。
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