JP2002310160A - 円筒ころ軸受 - Google Patents

円筒ころ軸受

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JP2002310160A
JP2002310160A JP2001111569A JP2001111569A JP2002310160A JP 2002310160 A JP2002310160 A JP 2002310160A JP 2001111569 A JP2001111569 A JP 2001111569A JP 2001111569 A JP2001111569 A JP 2001111569A JP 2002310160 A JP2002310160 A JP 2002310160A
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roller
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Hideto Torisawa
秀斗 鳥澤
Shiro Ishikawa
司郎 石川
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒ころ軸受において、ころ端面と面取り部
の境界部が内・外輪鍔と接触しないようにする。 【解決手段】 ころ端面4aところ転動面4bとの間に
面取り部4cを形成した円筒ころ4を有する円筒ころ軸
受において、ころ端面4aの面取り部4cまでの範囲
に、円筒ころ端面外周部の径方向外方に向かう輪郭に傾
斜角度がαの円すい形状部4dを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円筒ころ軸受に関
し、詳しくは自動車、産業機械等に用いられる円筒ころ
軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】円筒ころ軸受、例えば図9(A)に示す
NUP型と称される円筒ころ軸受10は、その外周面の
幅方向(軸方向)の両端に鍔11a、11a(一方は図
示するように鍔輪によって構成される)を有する内輪1
1と、この内輪11の外周に沿って所定間隔で配置され
その内周面の幅方向(軸方向)の両端に鍔12a、12
aを有する外輪12と、内輪11と外輪12との間に配
置された保持器13と、この保持器13のポケット穴1
3aに転動自在に収容された転動体である円筒ころ14
とを有する。円筒ころ14は、図9(B)に示すよう
に、軸方向の端面14a(以下、ころ端面と称する)と
ころ転動面14bとの間に面取り部14cを有する。
【0003】なお、図示を省略するが、この他にN型と
称される内輪のみに両鍔を有する円筒ころ軸受や、NU
型と称される外輪のみに両鍔を有する円筒ころ軸受等が
ある(JIS B 1533)。
【0004】ここで、円筒ころ軸受に負荷されたアキシ
アル荷重は、内輪11の鍔11aところ端面14aの
間、および外輪12の鍔12aところ端面14aの間で
支持される。円筒ころ軸受の使用時には、円筒ころ14
の中心軸と内輪11および外輪12の中心軸が非平行に
なった状態のまま円筒ころ14が回転する、いわゆるス
キューが発生することが避けられない。このような円筒
ころの中心軸と上記内輪および外輪の中心軸とが非平
行、すなわちスキューが発生した場合、ころ端面14a
と内輪11の鍔11aの内側面11b、および外輪12
の鍔12aの内側面12bの接触部は、図10に示すよ
うに、ころ端面外周縁部14dと各鍔先端周縁部12d
(11d)となる。ころ側のエッジ部と鍔側のエッジ部
で接触するため、エッジロードが大きくなり、ころ端面
外周縁部14dと各鍔先端周縁部12d(11d)の双
方に著しい摩耗、発熱を発生するだけでなく、潤滑不良
等の悪条件の場合、円筒ころ軸受の焼付きに至る恐れが
ある。
【0005】このため従来から、例えば特開平7−12
133号公報に開示されているように、円筒ころ端面外
周縁部14dをころ端面14aから面取り部14cまで
連続した曲率半径R4で滑らかにつなげ、エッジロード
を下げることを目的としたもの等も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この場合で
あってもスキューしている円筒ころ14と軌道輪の鍔1
1a(12a)との接触状態は、曲率半径が非常に小さ
い曲線、つまりエッジ部同士の接触であることには変わ
りが無く、接触部の面圧は依然高いレベルであるといえ
る。そのため、油膜切れが発生しやすく、潤滑不良によ
り温度上昇も高くなるという問題点がある。
【0007】したがって、本発明は、ころ端面外周部と
軌道輪鍔部とが接触する円筒ころ軸受において、ころが
スキューしても、ころ端面外周縁部で鍔と接触せず、許
容アキシアル荷重を大きくすることができ、それによっ
て油膜切れが発生せず、温度上昇の低い円筒ころ軸受を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の円筒ころ軸受は、上記課題を解決するために、外周面
に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する
外輪と、上記内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設
けられた複数個の円筒ころとを備え、上記内輪軌道と外
輪軌道との少なくとも一方の軌道の両側に一対の鍔を設
けた円筒ころ軸受において、上記円筒ころ端面外周部の
径方向外方に向かう輪郭に円すい形状部を設け、上記円
筒ころの中心軸と上記内輪および外輪の中心軸とが非平
行状態になり、円筒ころの前記円すい形状と前記各鍔の
内側面先端のエッジ部とが接触した場合に、略線接触に
なることを特徴とするものである。
【0009】このように構成されていると、円筒ころの
中心軸と内輪および外輪の中心軸とが非平行状態、すな
わちスキューしても、ころ端面と面取りの境界のエッジ
部で軌道輪の鍔と接触しないで、ころ両端面に設けられ
た円すい面が、一対の鍔を設けた軌道輪の一対の鍔内側
面先端に接触する。ころ端面に構成された円すい面と鍔
内側面先端の円弧が接触することになり、極めて線接触
に近い接触状態となる。そのため、従来技術において発
生していたエッジロードは大幅に緩和され、油膜切れが
発生せず、温度上昇も低く許容アキシアル荷重を大きく
することができる。
【0010】本発明の請求項2に記載された発明は、上
記円すい形状部が下記式を満足することを特徴とする請
求項1に記載された円筒ころ軸受。
【0011】円すい形状部の加工範囲:円筒ころ中心軸
より下記(1)、(2)、(3)式で定義される半径R
の位置からころ端面外周縁部までとする。
【0012】
【式3】
【0013】円すい形状部の角度α :下記(4)、
(5)、(6)、(7)式で定義される円筒ころ中心軸
に垂直な平面に対する円すい形状部の傾斜角度(°)。
【0014】
【式4】
【0015】ここで、 R1:一対の鍔を設けた軌道輪の、軸受の中心軸から鍔
内側面先端までの半径 R2:ころ端面中心からころ端面外周縁までの半径 PCD:ころピッチ円径 ΔL:一対の鍔を設けた軌道輪の、一対の鍔の内側面先
端間の距離から円筒ころのころ長さを減じたすきまの長
さ Lw:ころ長さ θ :一対の鍔を設けた軌道輪の一対の鍔に挟まれた円
筒ころにおいて、円筒ころの中心軸と軌道輪の中心軸が
非平行状態になり、円筒ころの両端面で鍔の内側面と接
触する時の円筒ころの回転角度の設定値をそれぞれ表
す。
【0016】上記のR、αの意義を図2、図3、図4に
基づいて説明する。
【0017】図2および図3は、スキューしている円筒
ころのころ端面外周が、外輪の鍔と干渉している状態を
模式的に示した図である。実際はころ端面外周縁のエッ
ジ部と外輪の鍔内側面先端のエッジ部が接触するが、こ
こではころ端面と鍔が干渉し、ころ端面が鍔に削られた
状態を考える。ただし、円筒ころ軸受のころスキュー量
は極わずかであるため、図2ではスキューを無視した図
となっている。図2は軸受の幅面方向から見た図、図3
は軸受の外径側から見た図である。
【0018】点Oは軸受の軸心と、軸受の幅方向の中心
を通過する、軸心に垂直な平面との交点、PCDはころ
ピッチ円径を表す。R1は軸心Oから外輪鍔内側面先端
までの半径、R2はころ端面中心からころ端面外周縁ま
での半径である。また、Lwはころ長さ、ΔLは一対の
鍔を設けた軌道輪の、一対の鍔の内側面先端間の距離か
ら円筒ころのころ長さを減じたすきまの長さを表す。
【0019】ころ端面と外輪の鍔との干渉部分は、図4
のハッチング部Sに示すような形状となり、図3中での
ハッチング部Sとなっている。この干渉している部分を
ころ中心軸まわりに全周削りとった形状をころ端面に形
成すれば、ころがスキューした時にころ端面と外輪の鍔
内側面先端のエッジ部を線接触させることができる。
【0020】円筒ころが角度θだけスキューした時、外
輪の鍔と干渉する部分は、図3に示すようにころ中心軸
から水平方向にBの距離の点で深さ0、水平方向にAの
点で深さδとなる。ころ半径方向に考えると、半径R3
の点で深さ0、ころ端面外周縁(半径R2)の点で深さ
δとなる。この干渉部分をころ中心軸まわりに全周削り
とった形状は、ほぼ截頭円すい形状となる。このときの
円すい形状部の傾斜角度はころ端面から上記(5)式に
示すα1となる。
【0021】本発明のRは、半径R3の点に許容差を5
%与え、R3≦R≦1.05×R3としたものである。
Rが大きすぎると、円すい面の面積が減少することで、
ころ端面の円すい面と鍔内側面先端の線接触長さが小さ
くなり本発明の効果が減少するため、Rの上限を1.0
5×R3と決定した。
【0022】また、本発明のαは、α1に許容差1°を
与え、α1≦α≦α1+1°としたものである。αが大
きすぎると、ころ端面の円すい面と鍔内側面先端の線接
触部において面圧に偏りができ、ころ中心部に近い程接
触部の面圧が高くなるため、αの上限をα1+1°と決
定した。
【0023】以上のように構成されていると、円筒ころ
がスキューした際、ころ両端面に設けられた円すい面
が、一対の鍔を設けた軌道輪の一対の鍔内側面先端に接
触する。ころ端面に構成された円すい面と鍔内側面先端
の円弧が接触することになり、極めて線接触に近い接触
状態となる。そのため、従来技術において発生していた
エッジロードは大幅に緩和され、油膜切れが発生せず、
温度上昇も低く許容アキシアル荷重を大きくすることが
できる。なお、上記(1)から(7)式は、内輪に対し
ても同様に適用可能である。
【0024】ここで、円筒ころがスキューし、ころ両端
面に設けられた円すい面が、一対の鍔を設けた軌道輪の
一対の鍔内側面先端に接触する状態となり、これ以上こ
ろが回転できない状態を最大スキューと呼び、この時の
ころ回転角度を最大スキュー角と呼ぶことにする。
【0025】本発明によると、ころスキューが発生して
いるが最大スキューまでしていなく、ころの片側端面が
一方の鍔内側面先端に接触している状態の時、円筒ころ
端面と円筒ころ端面の円すい形状部の境界部が鍔内側面
先端に接触する。円筒ころ端面と円筒ころ端面の円すい
形状部の境界部は180°に極めて近い鈍角となってい
るため、鍔との接触でエッジロードを発生しない。
【0026】以上より、本発明ではころのスキューがい
かなる状態の時でも、ころと鍔の接触部に油膜切れが発
生せず、温度上昇も低く許容アキシアル荷重を大きくす
ることができる。
【0027】本発明の請求項3に記載の円筒ころ軸受
は、上記円筒ころ端面と上記円すい形状部の境界部を滑
らかな曲線で丸めたことを特徴とする。
【0028】このように構成されていると、ころスキュ
ーが発生しているが、最大スキューまでしていない状態
の時、円筒ころ端面と円筒ころ端面の円すい形状の境界
部で鍔内側面先端と接触しても、円筒ころ端面と円筒こ
ろ端面の円すい形状の境界部が滑らかな曲線となってい
るため、鍔との接触によるエッジロードの発生を確実に
防止することができる。
【0029】本発明の請求項4に記載の円筒ころ軸受
は、上記円筒ころ端面の円すい形状部と面取りの境界部
を滑らかな曲線で丸めたことを特徴とする。
【0030】このように構成されていると、ころが最大
スキューしている状態で大きなアキシアル荷重を負荷
し、ころと軌道輪の鍔との接触部に形成される楕円の接
触面が円筒ころ端面の円すい形状部と面取りの境界部ま
で乗り上げた場合でも、その境界部に発生する接触応力
を小さくすることができる。
【0031】本発明の請求項5に記載の円筒ころ軸受
は、上記一対の鍔を設けた軌道輪の鍔内側面が、軌道輪
の中心軸に垂直な平面に対し角度β(β≠α)で鍔先端
に向かうにしたがいころ端面から離れていく方向に傾斜
していることを特徴とする。
【0032】このように構成されていると、円筒ころに
スキューが発生していない時、円筒ころ端面の円すい形
状部が鍔内側面と角度をもって接触し、円筒ころ端面の
円すい形状部と鍔内側面との間にくさび効果による油膜
の形成が良好に行われるため、円筒ころ軸受の温度上昇
を低くすることができる。
【0033】本発明の請求項6に記載の円筒ころ軸受
は、上記円筒ころ端面の上記(1)式で定義される半径
Rよりも上記円筒ころ中心側の形状を球面としたことを
特徴とする。
【0034】このように構成されていると、円筒ころ端
面と円筒ころ端面の円すい形状部の境界部の角度が、円
筒ころ端面が平面の場合より更に鈍角となるため、この
境界部が鍔内側面先端に接触した時の接触応力を更に緩
和することができる。
【0035】本発明の請求項7に記載の円筒ころ軸受
は、上記一対の鍔を設けた軌道輪の鍔内側面先端と面取
りの境界部を滑らかな曲線で丸めたことを特徴とするも
のである。
【0036】このように構成されていると、鍔を設けた
軌道輪の鍔内側面先端と面取りの境界部を滑らかな曲線
で丸めたことにより、ころ端面がこの境界部に接触した
時の接触応力を更に緩和することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0038】図1(A)は、本発明を実施したNUP型
単列円筒ころ軸受の部分断面図を示し、図1(B)は図
1(A)のB部分における円筒ころの拡大図である。図
1(A)において、1は内輪で、その外径面における幅
方向(軸方向)の両側にころ案内用の鍔1a、1a(図
示するように一方は鍔輪で構成されている)が形成され
ており、両鍔1a、1a間にころが転走する内輪軌道面
が形成されている。2は内輪1の外周面に沿って所定間
隔で配置された外輪で、その内径面における幅方向(軸
方向)の両側にころ案内用の鍔2a、2aが形成されて
おり、両鍔2a、2a間にころが転走する外輪軌道面が
形成されている。3は前記内輪1および外輪2の間に配
置された保持器であり、一定間隔でポケット穴3aを有
する。4は前記保持器3の各ポケット穴3aに転動自在
に収容されたころで、その周面であるころ転動面が内輪
1の鍔1a、1a間に形成されたころ転走面(内輪軌道
面)と、外輪2の鍔2a、2a間に形成されたころ転走
面(外輪軌道面)とに接触転動し、内輪1が外輪2に対
して小さな摩擦力で回転自在になっている。
【0039】ころ4は、図1(B)に示すように、ころ
端面4aところ転動面4bとの間に、面取り部4cと、
それに続く円すい形状部4dとを有する。
【0040】上記円すい形状部4dは、研磨による加工
が一般的であるが、バレル加工により形成してもよい。
さらに円すい形状部4dところ端面4aの境界部、また
円すい形状部4dと面取り部4cの境界部をバレルによ
り丸め加工してもよい。また、各鍔内側面1b(2b)
先端部に丸め加工を施してもよい。なお、上記説明で
は、ころ端面4aを平面形状として説明しているが、こ
れに限定されず、ころ端面4aは球面状であってもよ
い。また、各鍔内側面1b(2b)は軸受の軸心に対し
て垂直としているが、これに限定されず軸受の軸心に対
して傾斜した円すい面でもよい。
【0041】なお、円筒ころ軸受の特徴の一つに、内輪
あるいは外輪が取り外し可能な形式を有していることが
挙げられる。例えば、鉄鋼設備の圧延ロールを支持する
軸受等には、内輪取り外し可能な形式が利用されてい
る。図5(A)はNU型円筒ころ軸受における内輪取り
外し可能な形式の組立前の分解状態を示し、内輪5に軸
(図示省略)を挿入および外輪ころ組立品6を軸箱に挿
入後、内輪5と外輪ころ組立品6の組み合わせを行って
いる。このとき、軸と軸箱を同軸にする必要があるが、
軸受が大型である程、同軸にする作業が困難になり、内
輪5の軸心aと外輪ころ組立品6の軸心bとに軸心ずれ
zが生じる。さらに、ころ4が自重で外輪軌道面から離
れる、いわゆる、ころ落ちgのために、ころ内接円径が
正規の内接円径Dbよりも小さい内接円径Db’になる
ことが重なり、内輪5を外輪ころ組立品6に挿入するの
は容易ではない。
【0042】そのため、内輪5の外輪ころ組立品6への
組込みが容易になるように、内輪5にリードインチャン
ファと呼ばれる形状を設けている。従来、このようなリ
ードインチャンファには、図5(A)に示すように単一
の角度γを持つリードインチャンファ5a(wはリード
インファンチャ部寸法)を形成したものや、図5(B)
に示すように2段階の角度δ,εを持つリードインチャ
ンファ5bを形成したものがある。
【0043】しかしながら、このようなリードインチャ
ンファ5a,5bを形成したものにおいても、内輪5を
外輪ころ組立品6に挿入するときに、前述の両者の軸心
a,bを合わせることが困難で軸心ずれzが生じやすい
こと、およびころ落ちgのために、図6(A),(B)
のような状態になる場合がある。
【0044】すなわち、図6(A)は内輪5と外輪ころ
組立品6との軸心ずれzに起因して、内輪5の軸心aに
対してころ4の軸心cが傾斜している場合であり、図6
(B)はころ落ちgに起因して内輪5の軸心aに対して
ころ4の軸心cが傾斜している場合を示す。このような
状態で外輪ころ組立品6に内輪5の挿入を無理に続けて
行くと、内輪5の軌道面とリードインチャンファ5a,
5bの境界部のエッジがころ4の転動面に接触し、この
部分で内輪挿入の力を受け止めてしまうためエッジロー
ドが発生し、このエッジロードによってころ転動面に傷
が発生して、円筒ころ軸受の寿命が短くなる。
【0045】そこで、このような内輪5を外輪ころ組立
品6に挿入するときのころ転動面への傷の発生を防止す
るには、図7に示すように、リードインチャンファ5c
の断面形状を直線部5c1と、この直線部5c1と内輪5
の軌道面の境界が極力接線Rとなる曲線部5c2とによ
って形成する。このようにすることによって、内輪5の
軌道面とリードインチャンファ5cとの境界部における
エッジをなくし、内輪5と外輪ころ組立品6との組み合
わせ時に発生するエッジロードをなくし、あるいは大幅
に軽減することができ、ころ転動面への組込み傷の発生
を防止することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例について、説明する。
【0047】図8は、本発明を実施したNUP型単列円
筒ころ軸受の各部寸法図で、内輪1の内径寸法d=10
0mm、内輪1の外径寸法J=140mm、外輪2の外
径寸法D=215mm、外輪2の内径寸法D1=180
mm、外輪2の幅寸法B=47mm、ころ4の直径×長
さ寸法=φ32×32mm、面取り部4cのころ径方向
長さ=1.5mm、外輪2の一対の鍔の内側面先端間の
距離から円筒ころ4のころ長さを減じたすきまの長さΔ
L=0.05mmである。この時のころ最大スキュー角
を0.5°と設定し、計算を行った。その結果、円すい
形状部4dはころ中心軸からR=11.920mmの位
置からころ端面外周縁までの範囲を、傾斜角度α=1°
13’59”で加工すればよいことが分かった。
【0048】上記実施例に示したNUP型円筒ころ軸受
について、上記計算による円すい形状を確認するために
3次元CADを用いて検証した。使用した3次元CAD
ソフトウエアは、SDRC社製I−DEAS Mast
er Series7を使用した。その結果、ころ端面
に必要な円すい形状部4dは、ころ中心軸から11.9
24mmの位置からころ端面外周縁までの範囲を、傾斜
角度α=1°13’53”にて加工すればよいことにな
った。本発明の計算結果と加工範囲で0.004mm、
円すい角度で6”の違いであり、本発明の計算が正しい
ことが確認された。
【0049】なお、上記実施例に示した各部寸法のNU
P型円筒ころ軸受のみならず、他の寸法のNUP型円筒
ころ軸受や、さらにはN型円筒ころ軸受やNU型円筒こ
ろ軸受等についても、上記と同様に適用できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明してきたように、外周面に内輪
軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪
と、上記内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けら
れた複数個の円筒ころとを備え、上記内輪軌道と外輪軌
道との少なくとも一方の軌道の両側に一対の鍔を設けた
円筒ころ軸受において、上記円筒ころ端面外周部の径方
向に向かう輪郭に円すい形状部を設け、上記円筒ころの
中心軸と上記内輪および外輪の中心軸とが非平行状態に
なり、円筒ころの前記円すい形状部と前記各鍔の内側面
先端のエッジ部とが接触した場合に、略線接触になるこ
とを特徴とするものであるから、ころが最大スキューし
ても、ころ端面と面取りの境界のエッジ部で軌道輪の鍔
と接触しないため、ころ端面と面取りの境界部でカジリ
が発生し難くなる。また、ころ端面に円すい形状部を設
けたことにより、ころ端面と軌道輪の鍔は略線接触する
ため、ころ端面と鍔との接触部に作用するエッジロード
が緩和され、許容アキシアル荷重を大きくすることがで
きる。さらに、このことによって、従来のような油切れ
による潤滑不良がなくなり、円滑な潤滑作用によって温
度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施形態を示すNUP型単列
円筒ころ軸受の部分断面図、(B)は(A)における丸
囲み部分Bのころの部分拡大図である。
【図2】本発明における円筒ころ軸受の外輪と円筒ころ
との接触状態を説明する外輪と円筒ころの模式的な要部
側面図である。
【図3】本発明における円筒ころ軸受において円筒ころ
がスキューした際の状態を示す外輪と円筒ころとの接触
部の拡大平面図である。
【図4】本発明の円筒ころ軸受における外輪と円筒ころ
との接触状態を説明する要部の模式的な斜視図である。
【図5】(A)は内輪軌道面に1段階のリードインファ
ンチャを持つ円筒ころ軸受の分解断面図、(B)は2段
階のリードインファンチャを持つ内輪の要部拡大断面図
である。
【図6】(A)は内輪と軸心が一致していない外輪ころ
組立品とを組み合わせる際に円筒ころの転動面に傷が発
生する現象について説明する要部断面図、(B)は内輪
ところ落ちを生じた外輪ころ組立品とを組み合わせる際
にころの転動面に傷が発生する現象について説明する要
部断面図である。
【図7】直線部と、この直線部と内輪軌道面との間に曲
線部とを有するリードインチャンファを具備する内輪の
要部拡大断面図である。
【図8】本発明の実施例のNUP型単列円筒ころ軸受に
おける各部の寸法説明図である。
【図9】(A)は従来のNUP型単列円筒ころ軸受にお
ける部分断面図、(B)は(A)における丸囲み部分B
のころの部分拡大図である。
【図10】NUP型単列円筒ころ軸受におけるころの最
大スキュー状態について説明する拡大斜視図である。
【符号の説明】
1、5 内輪 1a 内輪の鍔 1b 内輪の鍔面 2 外輪 2a 外輪の鍔 2b 外輪の鍔面 3 保持器 3a 保持器のポケット穴 4 円筒ころ 4a ころ端面 4b ころ転動面 4c 面取り部 4d 円すい形状部 5c リードインチャンファ 5c1 直線部 5c2 曲線部 a 内輪の軸心 b 外輪組み立て品の軸心 c 円筒ころの軸心
フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 AA13 AA24 AA32 AA42 AA54 AA62 BA05 FA33 GA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周
    面に外輪軌道を有する外輪と、上記内輪軌道と外輪軌道
    との間に転動自在に設けられた複数個の円筒ころとを備
    え、上記内輪軌道と外輪軌道との少なくとも一方の軌道
    の両側に一対の鍔を設けた円筒ころ軸受において、 上記円筒ころ端面外周部の径方向外方に向かう輪郭に円
    すい形状部を設け、上記円筒ころの中心軸と上記内輪お
    よび外輪の中心軸とが非平行状態になり、円筒ころの前
    記円すい形状部と前記各鍔の内側面先端のエッジ部とが
    接触した場合に、略線接触になることを特徴とする円筒
    ころ軸受。
  2. 【請求項2】 上記円すい形状部が、下記式を満足する
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受。円す
    い形状部の加工範囲:円筒ころ中心軸より下記(1)、
    (2)、(3)式で定義される半径Rの位置からころ端
    面外周縁部までとする。 【式1】 円すい形状部の角度α :下記(4)、(5)、
    (6)、(7)式で定義される円筒ころ中心軸に垂直な
    平面に対する円すい形状部の傾斜角度(°)。 【式2】 ここで、 R1:一対の鍔を設けた軌道輪の、軸受の中心軸から鍔
    内側面先端までの半径 R2:ころ端面中心からころ端面外周縁までの半径 PCD:ころピッチ円径 ΔL:一対の鍔を設けた軌道輪の、一対の鍔の内側面先
    端間の距離から円筒ころのころ長さを減じたすきまの長
    さ Lw:円筒ころのころ長さ θ :一対の鍔を設けた軌道輪の一対の鍔に挟まれた円
    筒ころにおいて、円筒ころの中心軸と軌道輪の中心軸が
    非平行になり、円筒ころの両端面で鍔の内側面と接触す
    る時の円筒ころの回転角度の設定値をそれぞれ表す。
  3. 【請求項3】 上記円筒ころ端面と上記円すい形状部の
    境界部を滑らかな曲線で丸めたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の円筒ころ軸受。
  4. 【請求項4】 上記円筒ころ端面の円すい形状部と面取
    りの境界部を滑らかな曲線で丸めたことを特徴とする請
    求項1、2または3に記載の円筒ころ軸受。
  5. 【請求項5】 上記一対の鍔を設けた軌道輪の鍔内側面
    が、軌道輪の中心軸に垂直な平面に対し角度β(β≠
    α)で傾斜していることを特徴とする請求項1、2、3
    または4に記載の円筒ころ軸受。
  6. 【請求項6】 上記円筒ころ端面の上記(1)式で定義
    される半径Rよりも上記円筒ころ中心側の形状を球面と
    したことを特徴とする請求項5に記載の円筒ころ軸受。
    この時、上記(1)から(7)式におけるLwの定義
    は、上記球面部と上記円筒ころ端面の円すい形状部の境
    界部でのころ長さとする。
  7. 【請求項7】 上記一対の鍔を設けた軌道輪の鍔内側面
    先端と面取りの境界部を滑らかな曲線で丸めたことを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の円
    筒ころ軸受。
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