JP2002308687A - 超好熱菌を利用した生態系廃棄物処理方法及び処理装置 - Google Patents

超好熱菌を利用した生態系廃棄物処理方法及び処理装置

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JP2002308687A JP2001108028A JP2001108028A JP2002308687A JP 2002308687 A JP2002308687 A JP 2002308687A JP 2001108028 A JP2001108028 A JP 2001108028A JP 2001108028 A JP2001108028 A JP 2001108028A JP 2002308687 A JP2002308687 A JP 2002308687A
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    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生ゴミなどの生態系廃棄物を超好熱菌を利用
して、環境に悪影響を与えず、短時間で効率よくコンポ
スト化する。 【解決手段】 断熱構造を有し、高速撹拌機構12,1
3,14を備え、密閉可能な高圧槽8内に、超好熱菌が
槽内温度を上昇できる程度に多数混入したコンポスト
と、高エネルギー栄養源とを投入し、密閉状態で高速撹
拌による栄養源と菌類の飛散、接触を行って、超好熱菌
の増殖と高圧槽8内温度の上昇を図り、高圧槽8内温度
が100℃を超えたら、生態系廃棄物を前記高圧槽8内
に投入し、生態系廃棄物の細胞膜、細胞壁、テッシュー
などを、高圧下での高温、高速撹拌、超好熱菌による発
酵の同時作用によって分解し、生態系廃棄物をコンポス
ト化するとともに、高圧槽内温度を超好熱菌のみが生存
できる温度に維持して、超好熱菌以外の腐敗菌などの菌
類の死滅を図るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温下にある藁、
枯草、無農薬の畑の土など、周辺環境にある物質にも存
在するが、常温下では菌体数が非常に少なく又は活動を
停止しているのが一般的な超好熱菌(hyperthermophile
s)を利用して、生ごみ、紙、ダンボール、木材などの
生態系廃棄物を処理する方法及び装置に関する。なおこ
こで、超好熱菌とは、60℃以上の温度環境下で活発に
活動可能な高温菌の中で、95℃以上の温度環境下で活
発に活動可能な菌をいう。因みに、好熱菌とは、同じく
80℃以上の温度環境下で活発に活動可能な菌をいう。
【0002】
【従来の技術】従来の生態系廃棄物の処理は、大別する
と、焼却処理と菌類を利用したコンポスト化処理とがあ
る。焼却処理は、一度に大量の生態系廃棄物を処理可能
なので、食品加工工場などから排出される生ゴミの処理
に用いられており、現在、我が国におけるこの種生ゴミ
の80%を処理している。しかし、焼却処理時に発生す
る二酸化炭素は環境汚染の原因となり、また、焼却灰は
埋め立て処理をしているが、この埋め立て処理は食物サ
イクルに反する。すなわち、生ゴミは主として人間の食
物の加工から生じるが、この食物は、土中の養分を摂取
した植物が太陽エネルギーを吸収して無機物から有機物
を合成し、この有機物を自らは合成できない動物が植
物、あるいは植物を食した動物を食して吸収し、さらに
有機物は、動物の排泄物、植物や動物の死骸などの様々
な態様を介して土に戻る、というサイクルの中に位置す
るが、前記焼却による埋め立て処理は、このサイクルを
断ち切るものだからである。
【0003】一方、菌類を利用した生態系廃棄物のコン
ポスト化処理は、加熱機構を備えた処理槽内に、40〜
60℃の温度環境下で活動する中温菌を、床材と称され
る、おがくず、米ぬか、籾殻などからなる菌類の一時的
なすみかを兼ねる水分調整材とともに、生態系廃棄物に
混入して収容し、加熱状態でそのまま放置し、時折撹拌
して、中温菌の増殖を図り、生態系廃棄物の分解処理を
行ってコンポスト化し、コンポストを処理槽外へ排出す
るのが一般的である。この菌類を利用したコンポスト化
処理には、上述の焼却処理による二酸化炭素の発生や、
食物サイクルの分断という環境に対する悪影響はないも
のの、処理効率の面で以下に述べるような不都合があ
り、家庭用の生ゴミ処理はともかく、食品加工工場から
でる大量の生ゴミ処理には対応できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、生態系廃棄
物に属する生ゴミには、野菜屑などの植物性廃棄物や動
物の骨などが含まれており、一般に細胞は菌類の侵入を
防ぐために、強固な細胞膜、細胞壁、テッシューを備え
ているので、生態系廃棄物の細胞を破壊して分解するに
は高温度環境が必要となるが、従来の菌類を利用したコ
ンポスト化処理では、菌類を床材に混入して放置し、せ
いぜい緩慢な撹拌をするくらいであったから、菌類の活
動環境がなかなか整わず、前記高温度環境を実現する立
ち上がり時間に最短でも3〜5時間が必要であった。さ
らに、処理後にコンポストを全部排出して、また同じ作
業を繰り返す、いわゆるバッチ型の処理を行っていたた
め、処理が終了する毎に、新たに処理する廃棄物と同量
の床材及びこれに混入する分解用の菌類を必要とし、コ
ストの増大につながるとともに、処理効率が悪く、大量
の廃棄物を処理するには、大容量の処理槽が必要であっ
た。例えば、食品加工工場から1日に排出される1トン
の生ゴミを処理するには、容量が2000リットルの処
理槽が必要であった。
【0005】また、従来は菌類として主に中温菌を利用
しているが、常温から中温菌の活動温度である40〜6
0℃の温度環境まで槽内温度を上昇するには、特に水分
含有率が60〜90%の生ゴミの場合には多大なエネル
ギーが必要となる。処理槽を断熱構造とすれば短時間で
の温度上昇が可能となるが、槽内温度が60℃を超える
と、中温菌の活動は停滞し、最終的には活動を停止、あ
るいは死滅してしまう虞があるので、効率的な処理を行
うには、40〜60℃までは急激な温度上昇を図る一
方、この温度範囲に達した後は60℃を超えないように
温度を維持するという制御が必要である。しかし、この
ような温度制御を従来の処理槽において行うのは極めて
困難であり、これを可能にすると高コストなものとなっ
てしまう。
【0006】さらに、槽内温度を上昇させる熱エネルギ
ーとしては、生態系廃棄物の細胞の原形質を菌類が捕食
し、炭水化物、脂質、タンパク質などを分解合成する発
酵により、生体細胞に蓄積されていた熱エネルギーを解
放することによる温度上昇、すなわち発酵熱が主たるも
のとなる。したがって、初期段階から菌類の捕食機会を
増大できれば、発酵熱により、槽内温度は分解菌の最適
活動温度条件に適合したものとなる。一般に、炭水化物
1グラム4キロカロリー、脂質1グラム9キロカロリ
ー、タンパク質1グラム4キロカロリーといわれている
ので、これらを主成分とする生態系廃棄物1キログラム
からは数千キロカロリーの熱量を取り出すことができ
る。一方、生態系廃棄物1キログラムを0℃から100
℃まで温度上昇するには100キロカロリー以上の熱量
で十分であるから、理論的には菌類の捕食による発酵熱
で槽内温度上昇を図り、効率の良く活動温度環境を実現
することが可能なはずであるが、従来技術ではこれが実
現されていない。
【0007】その理由は、従来においては、菌類の捕食
対象となる細胞の原形質を保護している細胞膜、細胞
壁、テッシューを積極的に破壊する手段を講じず、自然
破壊によるか、菌類の酵素による分解を待つだけであ
り、菌類の捕食が効率よくなされていなかったからであ
る。また、細胞膜、細胞壁、テッシューが破壊された後
も、菌類と原形質とを遭遇させる機会の創出を講じてお
らず、菌類は捕食対象と平面的に接しながら捕食し、増
殖するだけなので、効率の良い捕食及び増殖はなされな
いものであった。
【0008】このように、従来は、原形質を保護してい
る細胞膜、細胞壁、テッシューの溶解温度まで到達する
のに長時間かかっていたので、生態系廃棄物に付着して
いた菌や、生態系廃棄物の体内に生息していた菌類が増
殖する環境条件が整う場合があり、廃棄物分解菌とは異
なる菌類の増殖により、槽内菌類の分布が変化し、腐敗
臭の発生を招いていた。また、菌類の活動範囲の上限で
ある温度に近づいてくると、その温度上昇が緩やかな場
合には、シストなどの保護膜を形成して自己の生命を守
り、生息環境温度になると再度活動を開始することがあ
るが、このような状況下でも槽内菌類の分布が変化し、
廃棄物分解菌の活動が阻害され、腐敗臭の発生を招くと
ともに、目的の分解処理に支障をきたすことになる。
【0009】さらに、食品加工工場で生じる生ゴミの温
度は0℃に近い低温の場合が多く、従来はこのような低
温の生態系廃棄物を処理槽内に投入すると、槽内温度が
急激かつ大幅に低下して、中温菌の活動温度範囲よりも
低くなり、中温菌の活動が停止する場合があった。一
方、この低温の生態系廃棄物を放置して常温になってか
ら処理槽内に投入して処理しようとすると、常温に戻っ
た段階で雑菌を生じ、処理前から腐敗臭を生じるうえ
に、処理槽内でも温度上昇は緩やかなので、さらに雑菌
が増殖して腐敗臭が強くなってしまう。
【0010】本発明は、上述した従来の処理方法にみら
れた多くの不都合を超好熱菌を利用することで解消し、
大量処理に適するとともに、異臭や二酸化炭素の発生に
よる環境への悪影響が生じない、生態系廃棄物の処理方
法及びそのために使用する処理装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載した超好熱菌を利用した生態
系廃棄物処理方法は、断熱構造を有し、高速撹拌機構を
備え、密閉可能な高圧槽内に、超好熱菌が高密度、すな
わち槽内温度を上昇できる程度に多数混入したコンポス
トと、液状、微粉状など菌が直接捕食可能な高エネルギ
ー栄養源とを投入し、密閉状態で高速撹拌による栄養源
と菌類の飛散、接触を行って、菌類の増殖と高圧槽内温
度の上昇を図り、高圧槽内温度が100℃を超えたら、
生態系廃棄物を前記高圧槽内に投入し、生態系廃棄物の
細胞膜、細胞壁、テッシューなどを、5〜6気圧の高圧
下で高温(100〜120℃)、高速撹拌、超好熱菌に
よる発酵の同時作用によって分解し、生態系廃棄物をコ
ンポスト化するとともに、高圧槽内温度を超好熱菌のみ
が生存可能な温度、具体的には100℃以上、好ましく
は100〜120℃程度に維持することにより、高圧槽
内での超好熱菌以外の腐敗菌などの菌類の死滅を図るも
のである。
【0012】同じく上述した目的を達成するために、本
発明の請求項2に記載した超好熱菌を利用した生態系廃
棄物処理方法は、断熱構造を有し、高速撹拌機構を備
え、密閉可能な高圧槽内に、超好熱菌が高密度、すなわ
ち槽内温度を上昇できる程度に多数混入したコンポスト
と、液状、微粉状など菌が直接捕食可能な高エネルギー
栄養源とを投入し、密閉状態で高速撹拌による栄養源と
菌類の飛散、接触を行って、菌類の増殖と高圧槽内温度
の上昇を図り、高圧槽内温度が100℃を超えたら、生
態系廃棄物を前記高圧槽内に投入し、生態系廃棄物の細
胞膜、細胞壁、テッシューなどを、5〜6気圧の高圧下
で高温(100〜120℃)、高速撹拌、超好熱菌によ
る発酵の同時作用によって分解し、生態系廃棄物をコン
ポスト化するとともに、高圧槽内温度を超好熱菌のみが
生存可能な温度、具体的には100℃以上、好ましくは
100〜120℃程度に維持することにより、高圧槽内
での超好熱菌以外の腐敗菌などの菌類の死滅を図り、生
成したコンポストは高圧槽内に一部を残存させて槽外に
排出し、排出した容量分にほぼ相当する量の新たな生態
系廃棄物を高圧槽内に投入して処理するものである。
【0013】同じく上述した目的を達成するために、本
発明の請求項3に記載した超好熱菌を利用した生態系廃
棄物処理方法は、断熱構造を有し、高速撹拌機構を備
え、密閉可能な高圧槽内に、超好熱菌が高密度、すなわ
ち槽内温度を上昇できる程度に多数混入したコンポスト
と、液状、微粉状など菌が直接捕食可能な高エネルギー
栄養源とを投入し、密閉状態で高速撹拌による栄養源と
菌類の飛散、接触を行って、菌類の増殖と高圧槽内温度
の上昇を図り、高圧槽内温度が100℃を超えたら、生
態系廃棄物を前記高圧槽内に投入し、生態系廃棄物の細
胞膜、細胞壁、テッシューなどを、5〜6気圧の高圧下
で高温(100〜120℃)、高速撹拌、超好熱菌によ
る発酵の同時作用によって分解し、生態系廃棄物をコン
ポスト化するとともに、高圧槽内温度を超好熱菌のみが
生存可能な温度、具体的には100℃以上、好ましくは
100〜120℃程度に維持することにより、高圧槽内
での超好熱菌以外の腐敗菌などの菌類の死滅を図り、生
成したコンポストを高圧及び高温下の高圧槽内から槽外
に設けたコンポスト分別部材に向けて噴出し、このコン
ポスト分別部材で完全なコンポストと、コンポスト内に
存在する完全にはコンポスト化していない処理物とに分
離し、この完全にはコンポスト化していない処理物は再
度、高圧槽内に投入して処理するものである。
【0014】同じく上述した目的を達成するために、本
発明の請求項4に記載した超好熱菌を利用した生態系廃
棄物処理方法は、上述した請求項1〜3のいずれか1項
に記載した構成において、生態系廃棄物をあらかじめ加
熱したうえ、高圧槽内に投入することを特徴とするもの
である。
【0015】同じく上述した目的を達成するために、本
発明の請求項5に記載した超好熱菌を利用した生態系廃
棄物処理装置は、高速攪拌機構を備え、断熱構造を有す
るとともに密閉可能で、生態系廃棄物を、5〜6気圧の
高圧、100〜120℃の高温下で、超好熱菌が高密
度、すなわち槽内温度を上昇できる程度に多数混入した
コンポスト及び液状、微粉状など菌が直接捕食可能な高
エネルギー栄養源とともに高速撹拌してコンポスト化す
る高圧槽と、この高圧槽内から排出されたコンポスト
を、完全なコンポストと完全にはコンポスト化していな
い処理物とに分別するコンポスト分別部材を備えたコン
ポスト分別機構とを有するものである。
【0016】同じく上述した目的を達成するために、本
発明の請求項6に記載した超好熱菌を利用した生態系廃
棄物処理装置は、生態系廃棄物を加熱する加熱器を設け
た予備加熱槽と、この予備加熱槽で予備加熱した生態系
廃棄物が投入される、高速攪拌機構を備え、断熱構造を
有するとともに密閉可能で、生態系廃棄物を、5〜6気
圧の高圧、100〜120℃の高温下で、超好熱菌が高
密度、すなわち槽内温度を上昇できる程度に多数混入し
たコンポスト及び液状、微粉状など菌が直接捕食可能な
高エネルギー栄養源とともに高速撹拌してコンポスト化
する高圧槽と、この高圧槽内の高温ガスを前記予備加熱
槽の加熱器に対して循環供給する高温ガス循環供給機構
と、前記高圧槽内から排出されたコンポストを、完全な
コンポストと完全にはコンポスト化していない処理物と
に分別するコンポスト分別部材を備え、完全なコンポス
トは排出する一方、完全にはコンポスト化していない処
理物は前記予備加熱槽に投入すべく送出するコンポスト
分別機構とを有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
添付図面に基づいて説明する。ここにおいて、図1は処
理装置の全体を示す概略図、図2はコンポスト分別機構
を示す概略図である。
【0018】はじめに、超好熱菌を利用して行う生態系
廃棄物処理装置の構成を説明する。図1に示すように、
生ゴミなどの生態系廃棄物を破砕するための公知のクラ
ッシャー(図示せず)を設けた破砕機1を備え、この破
砕機1で破砕した生態系廃棄物(図示せず)をコンベア
2によって予備加熱槽3に投入するよう構成している。
この予備加熱槽3内には、加熱器としてラジエータ4を
設け、このラジエータ4には後述する高圧槽8内の高圧
な高温ガスを導入する圧力バルブ5を設けた導入管6
と、熱交換後のガスを高圧槽8に戻す送出管7を接続
し、これら各管6,7と前記圧力バルブ5で、高圧槽8
内の高温ガスを前記ラジエータ4に循環供給する、高温
ガス循環供給機構を構成している。
【0019】予備加熱槽3と高圧槽8との間には、予備
加熱槽3で予備加熱した生態系廃棄物を高圧槽8に投入
するための投入管9を配設し、この投入管9には、予備
加熱槽3側に低圧用の圧力バルブ10を、高圧槽8側に
高圧用の圧力バルブ11を、それぞれ設けている。ま
た、高圧槽8内に回転自在にほぼ垂直に支持した回転軸
12に、撹拌翼13を取り付け、前記回転軸12をモー
タ14の駆動軸に連結して、高速攪拌機構を構成してい
る。前記モータ14による前記回転軸12の撹拌回転数
は300〜1000rpmが好適である。
【0020】図では明らかでないが、高圧槽8は、横断
面形状円形で密閉可能な、5〜10気圧に耐え得る、容
積50〜100リットル、例えば100リットルの本体
を備えており、この本体上部には、予備加熱槽3で予備
加熱した生態系廃棄物以外の材料を、投入管9によらず
投入するために開閉蓋を備えた投入口を設け、前記開閉
蓋には槽内の圧力を調整する圧力調整機構に連繋した加
圧ハンドルを突設している。また、前記高圧槽8、前記
予備加熱槽3、高温ガス循環供給機構5,6,7及び投
入管9は、公知の断熱材で覆われた断熱構造となってい
る。さらに、高圧槽8の本体外周面の下部には、温度検
出用のセンサを設け、このセンサの検出信号によって、
温度測定を行うように構成している。
【0021】高圧槽8内で処理した生態系廃棄物のコン
ポストを排出する排出管15は、コンポスト分別機構1
6に接続されている。前記排出管15には、前記高圧槽
8側に高圧用の圧力バルブ17を設け、前記コンポスト
分別機構16側には低圧用の圧力バルブ18を設けてい
る。前記排出管15における前記各圧力バルブ17,1
8間の部分でバッファ管15aを構成し、このバッファ
管15aには、高圧槽8の容量の約3分の1に当たる3
5リットルのコンポストを滞留できる。
【0022】コンポスト分別機構16は、図2に示すよ
うに、排出管15を介して高圧で排出されたコンポスト
を、完全なコンポストと完全にはコンポスト化していな
い処理物に分別するメッシュ状の細かい網目を有するコ
ンポスト分別部材たるふるい19を備え、このふるい1
9の目より細かい微粒状となった完全なコンポストは、
前記ふるい19を通過して取り出し管20から外部に取
り出す一方、前記ふるい19の目より粗大で完全にはコ
ンポスト化していない処理物は、前記ふるい19を通過
することなく、帰還管21に送出し、この帰還管21を
通して破砕機1に投入し、再処理するよう構成してい
る。また、処理済みコンポストとともに前記ふるい19
を通過した水蒸気などを排出する排気管22を設けてい
る。
【0023】続いて、上述の処理装置を用いて行う超好
熱菌を利用した生態系廃棄物の処理方法について説明す
る。処理に先立って、超好熱菌が高密度、すなわち槽内
温度を上昇できる程度に多数混入したコンポストと、高
エネルギー高カロリー成長栄養素からなる起動調整材を
用意する必要がある。まず、超好熱菌を混入したコンポ
ストの製造方法の一例を説明するが、この例では上述の
処理装置を使用する。
【0024】高圧槽8の開閉蓋を開放した非密閉状態で
モータ14を駆動し、回転軸12とともに各攪拌翼13
を300rpmで回転し、高圧槽8内に撹拌による空気流
である撹拌流を形成する。この撹拌流が形成された状態
において、投入口から、蜂蜜、黒砂糖、種子などから選
択した原形質の高エネルギー溶液と、おがくず、籾殻、
おから、コンポストなどから選択した細胞膜が破壊した
適度な水分を含む物質と、超好熱菌が付着した藁、枯草
などから選択した有機物と、雑多な菌類を含む有機栽培
の畑の土又は低温菌、中温菌の混濁した菌体の少なくと
も一方を投入する。この菌体は、市販されている一般的
なものでよい。
【0025】これらの材料の内、原形質の高エネルギー
溶液と、細胞膜が破壊した適度な水分を含む物質と、雑
多な菌類を含む有機栽培の畑の土又は低温菌、中温菌の
混濁した菌体は、槽内温度を60℃に上昇させる起動調
整材となるものである。この起動調整材の具体例として
は、原形質の高エネルギー、高成長栄養源溶液として、
黒砂糖の水溶液1000g、粉ミルク300〜1000
g、細胞膜が破壊した適度な水分を含む物質として、含
水率30%のおがくず20kg、雑多な菌類を含む有機栽
培の畑の土又は低温菌、中温菌の混濁した菌体として、
市販の菌体200cc、を挙げることができる。起動調整
材の投入量は、攪拌許容容量の1/2程度が好適であ
る。
【0026】また、超好熱菌が経験上付着しているとさ
れる有機物としては稲藁があり、長さ5cm程度に裁断し
た稲藁3kgが好適である。なお、上述の市販の菌体には
通常、1g当たり1億〜2億の低温菌、中温菌が存在す
る。同様に、雑多な菌類を含む有機栽培の畑の土にも、
通常、1g当たり1億〜2億の菌が存在する。
【0027】高圧槽8内は、高速撹拌による撹拌流によ
って、起動調整材中の栄養源と菌類が飛散して混合し、
菌類が栄養源に接触して付着し、雑多な菌類の内、まず
低温菌の増殖が始まり、内部温度が徐々に上昇してく
る。なお、本実施形態においては、前記高圧槽8外周面
の温度をセンサで検出しているので、内部温度はこれよ
りも高くなるが、厳密な温度測定は必要ではないので、
このセンサによる検出温度を内部温度とみなしても問題
はない。
【0028】温度上昇が開始し、20℃程度になったと
ころで5〜10cm3 にそれぞれ切断した野菜3.5kg、
動物性肉8.5kg、魚10kgを投入し、多種な栄養源と
投入された野菜などの表面に露出している原形質の同時
捕食機会を増大し、さらなる温度上昇により、中温菌の
増殖を図り、高圧槽8内から中温菌の増殖に伴う蒸気が
発生した時点で開閉蓋を閉じて、密閉状態とする。この
開閉蓋を閉じるまでは、酸素の供給が期待でき、好気性
菌類の増殖が期待できる。
【0029】密閉状態で高速撹拌を継続して、菌類が摂
取可能な0.1μ以下のサイズの養分を凝集しないよう
に撹拌流で飛散させて高圧槽8内に充満させ、中温菌の
更なる増殖を図り、温度上昇させることにより、中温菌
から高温菌の活動領域にまで温度が上昇する。このと
き、高圧槽8内では、菌類が起動調整材と新たに投入さ
れた切断した野菜などの表面から捕食し、水、二酸化炭
素、アミン、アンモニアなどを生成するとともに、熱と
気体を発生し、これらが高圧槽8内に充満して、内部圧
力が上昇し、40〜50℃で2気圧程度になる。
【0030】さらに、温度が上昇して60℃以上になる
と、投入してある魚、動物性肉の細胞膜が溶解し、その
細胞から流出する原形質が飛散して、粒子化しながら捕
食機会を増大させ、菌類に対する環境温度を上昇させて
菌類の世代交代を行い、高温菌の増殖を図ってさらなる
温度上昇を行う。このとき、高圧槽8内には二酸化炭素
が増大して来るが、動物性の原形質の漏出とともに、菌
類の代償作用により酸素を原形質から摂取し、捕食と増
殖作用を活発に継続する。
【0031】次いで、高圧槽8内の温度が80℃以上に
上昇すると、投入してある野菜の細胞を形成する細胞
壁、細胞膜の溶解が起こり、高温菌は、それらを捕食し
ながら増殖を続けるが、断熱、密閉状態にあるため、自
分の発生する熱エネルギーで活動環境以上に温度が上昇
し、より高温の環境下で活動する好熱菌の増殖に貢献す
る。
【0032】さらなる温度上昇と環境の変化に伴う、活
動する菌類の世代交代を行って、好熱菌、超好熱菌の増
殖を図り、密閉状態下での気圧上昇にともなってさらに
温度が上昇し、100℃以上の槽内温度になると、超好
熱菌のみが増殖して他の菌類は死滅するとともに、野菜
の繊維の溶融・破壊が始まって、これを捕食して超好熱
菌のさらなる増殖が行われる。これによって、高圧槽8
内の温度は110〜120℃、内部圧力は5〜6気圧と
なる。この際、100℃以上の槽内温度には約60分で
到達し、110℃以上の環境温度には約90分で到達す
るので、超好熱菌が混入したコンポストを90分という
短時間で得ることができる。
【0033】この超好熱菌が混入したコンポストは、高
圧用の圧力バルブ17を開いて高圧槽8内からバッファ
管15a内に高温、高圧状態のまま導き、前記圧力バル
ブ17を閉じた後、低圧用の圧力バルブ18を開くと、
圧力差によってコンポスト分別機構16のふるい19に
向けて排出管15から噴出し、処理済みのコンポストは
取り出し管20から取り出されるとともに、急激な圧力
の低下により乾燥、低温化し、蒸発した水分などのガス
は排気管22から排気される。一方、ふるい19を通過
できなかった粗大な完全にはコンポスト化していない処
理物は、帰還管21を通って破砕機1内に戻される。
【0034】このようにして超好熱菌が混入したコンポ
ストを生成することができるが、この段階では混入して
いる超好熱菌の数が少なく、未だ本発明で使用可能なコ
ンポストにはなっていないので、超好熱菌の数を増やす
ために、さらに濃縮する必要がある。この濃縮は、上述
のように生成して高圧槽8外に排出したコンポスト及び
コンポスト化していない処理物を、5cm程度に裁断し
た超好熱菌が付着している稲藁と、高成長栄養源である
黒砂糖及び粉ミルクとともに、高圧槽8内に再投入し、
高速撹拌してコンポスト化したうえ、高圧槽8外に排出
し、また、5cm程度に裁断した超好熱菌が付着してい
る稲藁と、高成長栄養源である黒砂糖及び粉ミルクとと
もに、高圧槽8内に再投入するという処理動作を繰り返
し、例えば10〜20回行えばよい。なお、本発明で使
用する超好熱菌が槽内温度を上昇できる程度に多数混入
したコンポストの生成は、上述以外の他の方法で行って
もよく、また、他の構造の処理装置を使用してもよいこ
とはもちろんである。
【0035】続いて、上述のようにして得た超好熱菌が
高密度、すなわち槽内温度を上昇できる程度に多数混入
したコンポストを利用して行う本発明の生態系廃棄物の
処理方法について説明する。まず、高圧槽8内に、許容
限度量の超好熱菌が混入したコンポストと、起動調整材
として粉ミルク、黒砂糖を入れて密閉状態とする。この
超好熱菌が混入したコンポストには、超好熱菌以外の菌
類は死滅して存在しない。また、起動調整材の量は、コ
ンポストの平均カロリー数が1グラム当たり1キロカロ
リー以上になるよう設定する。
【0036】そして、モータ14を始動して撹拌翼13
を300rpmで回転し、高速撹拌すると、超好熱菌は、
高密度状態にありしかも他の菌類が存在しないため、槽
内温度が低くても、活発ではないものの活動可能であ
り、高速撹拌による撹拌流の作用で、起動調整材とコン
ポストのエネルギー及び栄養素を立体的に効率よく捕食
し、発酵を行う。この発酵により高圧槽8内の温度は徐
々に上昇し、温度上昇は、前記高圧槽8が断熱構造なの
で効率よく行われる。この温度上昇と捕食機会の増大に
よって、超好熱菌の活動は徐々に活発化し、発酵、増殖
が行われ、槽内温度はさらに上昇する。例えば、環境温
度が0℃であっても、60〜90分で槽内温度は100
℃を超え、槽内気圧は5〜6気圧となる。
【0037】一方、処理対象となる生態系廃棄物は、破
砕機1で破砕してコンベア2で予備加熱槽3に送り、圧
力バルブ5を開いて、高圧槽8内の高圧、高温ガスをラ
ジエータ4と各管6,7を通して循環し、予熱してお
く。この予熱は、環境温度が低い場合に特に有効である
が、夏期のように環境温度が高い場合でも、高圧槽8内
との温度差を少なくすることができるので、有効であ
る。しかしながら、処理対象が腐敗がはじまった生ゴミ
のような場合には、予備加熱槽3内で腐敗臭の増大を招
くので、予熱は行わない方がよい。予熱しない場合に
は、前記圧力バルブ5を閉じた状態で、予備加熱槽3に
生態系廃棄物を収容する。
【0038】上述のように、槽内温度が100℃を超え
たところで、生態系廃棄物を予備加熱槽3から投入す
る。この投入は、まず、圧力バルブ10を開き、投入管
9内の両バルブ10,11間に生態系廃棄物を落下さ
せ、次いで、前記圧力バルブ10を閉じて圧力バルブ1
1を開き、投入管9内の生態系廃棄物を高圧槽8内に落
下させ、その後前記圧力バルブ11を閉じることにより
行う。
【0039】なお、この生態系廃棄物の投入に先立っ
て、高圧槽8内のコンポストの一部を槽外へ排出し、排
出したコンポストの一部または全部をコンベア2で予備
加熱槽3に投入して生態系廃棄物に混入させると、生態
系廃棄物の温度上昇がより急激になされ、高圧槽8内で
の超好熱菌による処理がより効率的になされる。この混
入するコンポストの量は、投入する生態系廃棄物の半分
の重量にすると効果的である。そして、高圧槽8からの
排出量を投入する生態系廃棄物の重量の1.5倍にする
と、前記高圧槽8内の内容物の総重量は一定となる。例
えば、20キログラムの生態系廃棄物を投入する場合に
は、前記高圧槽8から30キログラムのコンポストを排
出し、そのうち10キログラムを生態系廃棄物に混入す
ると、内容物の総重量は一定となる。
【0040】高圧槽8内に投入された生態系廃棄物は、
100℃を超える環境下で高速撹拌され、急激に昇温し
て環境温度と同一になり、細胞膜、細胞壁、テッシュー
が高圧により破壊され、高温により熱分解されるととも
に、高速撹拌による機械的な破壊も生じ、分解あるいは
破壊した細胞内の原形質が漏出して撹拌流により高圧槽
8内に充満する。したがって、この原形質を捕食する超
好熱菌の繁殖がさらに助長され、高圧槽8内の温度は1
10〜120℃を維持する。また、通常は菌類が増殖す
るとコロニーを形成して、コロニー内部の菌類は捕食の
機会が得られなくなり、増殖が停滞してしまうのである
が、高速撹拌を行っているので、超好熱菌は高圧槽8内
に分散され、コロニーを形成することができず、捕食の
機会が減ることはないので、超好熱菌の増殖が停滞する
ことはない。
【0041】生態系廃棄物が0℃であっても、投入直後
の槽内温度は80℃程度に下がるだけで、すぐに100
℃まで復帰するから、生態系廃棄物に付着していた中温
菌や高温菌は、急激に100℃を超す環境におかれるこ
とになり、菌類の生命を守るシストを形成する時間もな
く死滅する。このため、高圧槽8内に生存する菌類は超
好熱菌のみとなり、腐敗臭などの異臭を発生する菌類は
存在しない。なお、高圧槽8内の温度が120℃を超え
ると、超好熱菌の活動最適温度範囲(100〜120
℃)を超えてしまい、超好熱菌の活動が停滞してくるの
で、撹拌速度を低速下したり、加圧ハンドルで圧力調整
機構を調整したり、高圧槽8内の内容物の一部を外部に
排出して、内圧を下げることにより、さらなる昇温を避
けて、前記超好熱菌の活動最適温度範囲を維持するよう
にするとよい。
【0042】このようにして、生態系廃棄物が超好熱菌
の作用でコンポスト化したら、高圧槽8内の約半分程度
のコンポストを排出し、高圧槽8内に残ったコンポスト
とほぼ同量の生態系廃棄物を新たに投入する。なお、コ
ンポスト化に要する時間は10〜20分ほどである。ま
た、高圧槽8内の内容物の総重量を一定にしたい場合に
は、上述したように、投入する生態系廃棄物の量の1.
5倍のコンポストを排出すればよい。
【0043】高圧槽8内は5〜6気圧あるので、圧力バ
ルブ17を開くと槽内のコンポストは、バッファ管15
a部分に排出され、このバッファ管5a内も前記高圧槽
8内と同一気圧となる。次いで、前記圧力バルブ17を
閉じた後圧力バルブ18を開くと、外部との気圧差によ
り前記バッファ管15a内のコンポストは、排出管15
からふるい19に向けて噴出する。この際、水分の発散
と気化熱により、コンポストは乾燥するとともに低温化
し、水分を含んだガスは、排気管22から外部に放出さ
れる。
【0044】そして、ふるい19を通過した微細状の完
全なコンポストは取り出し管20を通って外部に取り出
され、袋詰めなどされる一方、前記ふるい19を通過で
きなかった粗い完全にはコンポスト化していない処理物
は、帰還管21を通って粉砕機1に投入され、処理すべ
き生態系廃棄物に混入されて、再処理される。袋詰めな
どしたコンポストには、活動を停止した超好熱菌以外の
菌は存在しないので、異臭を生じることはなく、ほとん
ど無臭である。
【0045】以上の動作を繰り返すことにより、連続的
に生態系廃棄物を処理し、コンポスト化することができ
る。処理作業を停止するときは、高圧槽8内のコンポス
トをすべて排出しないで、撹拌容量限度量程度のコンポ
ストを残しておくと、処理作業の再開に際して、効率よ
く行うことができる。すなわち、高圧槽8が断熱構造で
あることもあって、高速撹拌を停止しても槽内温度の低
下は緩慢で、直ちには残存コンポスト内の超好熱菌は活
動を停止せず、経験的に確認したところでは、環境温度
が0℃で1週間経過しても70℃程度の温度を維持可能
であり、再起動時には、起動調整材を補充して残存コン
ポストを高速撹拌することにより、高圧槽8の内部温度
を短時間で超好熱菌の活動温度である100℃まで上昇
することができる。
【0046】また、超好熱菌が高密度、すなわち槽内温
度を上昇できる程度に多数混入したコンポストを製造し
た処理装置を使用し、連続して生態系廃棄物の処理を行
うこともできる。この場合には、高圧槽8内に、投入す
る生態系廃棄物の量と同量以上のコンポストを残存させ
ておくと、粉ミルク、黒砂糖、蜂蜜などの起動調整材を
補充することにより、通常は60〜90分必要な槽内温
度を100℃まで上昇させる立ち上がり時間を、10〜
20分に短縮することができる。
【0047】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば、高圧槽8に設ける高速撹拌
機構としては、ブレードをスパイラル状で巻き方が逆な
状態で多重化し、横型に設置して攪拌してもよく、形状
の如何によらず、高圧槽8内に撹拌による撹拌流を形成
できればよいものである。また、破砕機1、コンベア
2、予備加熱槽3は常に設ける必要はない。さらに、食
品加工工場などの生ゴミ排出部を、前記破砕機1や前記
コンベア2に直結してもよい。またさらに、コンポスト
分別機構の構成も上述したものに限定されない。加え
て、高圧槽8の容量を50リットル程度のものとすれ
ば、コンポスト分別機構とともに、車載用の装置として
構成可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したところで明らかなように、
本発明の請求項1の処理方法によれば、異臭や二酸化炭
素の発生などによる環境悪化を招くことなく、短時間で
効率よく大量の生態系廃棄物を処理してコンポスト化で
き、しかも生成したコンポストを使用する際には、超好
熱菌は処理後の低温下によって非活動状態にあるととも
に、腐敗菌などの他の菌類は処理中に死滅して存在しな
いので、異臭などの菌類による悪影響がなく、肥料や飼
料として好適であるいという効果を奏する。
【0049】また、本発明の請求項2の処理方法によれ
ば、上述した請求項1の処理方法による効果に加えて、
連続的に生態系廃棄物を処理できるという効果を奏す
る。
【0050】さらに、本発明の請求項3の処理方法によ
れば、上述した請求項1の処理方法による効果に加え
て、連続的に生態系廃棄物を処理できるとともに、常に
完全な状態のコンポストを得ることができるという効果
を奏する。
【0051】さらにまた、本発明の請求項4の処理方法
によれば、上述した請求項1〜3の処理方法による各効
果に加えて、環境温度が低い場合であっても効率よく生
態系廃棄物を処理できるという効果を奏する。
【0052】また、本発明の請求項5の処理装置によれ
ば、短時間で効率よく大量の生態系廃棄物を処理してコ
ンポスト化できるとともに、常に完全な状態のコンポス
トを得ることができるという効果を奏する。
【0053】また、本発明の請求項6の処理装置によれ
ば、上述した請求項5の処理装置による効果に加えて、
連続的に生態系廃棄物を処理できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】処理装置の全体を示す概略図。
【図2】コンポスト分別機構を示す概略図。
【符号の説明】
1 破砕機 2 コンベア 3 予備加熱槽 4 ラジエータ 5,10,11,17,18 圧力バルブ 6 導入管 7 送出管 8 高圧槽 9 投入管 12 回転軸 13 撹拌翼 14 モータ 15 排出管 15a バッファ管 16 コンポスト分別機構 19 ふるい 20 取り出し管 21 帰還管 22 排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C05F 9/00 C12M 1/02 A 9/02 1/38 Z C12M 1/00 C12N 1/00 S 1/02 B09B 3/00 ZABA 1/38 D C12N 1/00 Z 5/00 P Fターム(参考) 4B029 AA03 AA12 AA27 BB01 CC02 EA11 EA16 EA18 4B065 AA01X AC02 BB22 BB24 BB26 BC32 BC35 CA55 4D004 AA03 AA04 AA12 AC04 BA04 CA04 CA07 CA12 CA15 CA19 CA22 CA46 CB04 CB13 CB27 CB31 CB36 CB44 CB50 CC07 CC08 DA01 DA06 4D021 FA18 GA03 GA08 GB10 HA10 4H061 AA02 AA03 CC32 CC42 CC47 CC55 CC60 EE66 EE70 GG14 GG18 GG43 GG48 GG67 GG70 LL02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱構造を有し、高速撹拌機構を備え、
    密閉可能な高圧槽内に、超好熱菌が混入したコンポスト
    と、高エネルギー栄養源とを投入し、密閉状態で高速撹
    拌による栄養源と菌類の飛散、接触を行って、菌類の増
    殖と高圧槽内温度の上昇を図り、高圧槽内温度が100
    ℃を超えたら、生態系廃棄物を前記高圧槽内に投入し、
    生態系廃棄物を、高圧下で高温、高速撹拌、超好熱菌に
    よる発酵の同時作用によって分解し、生態系廃棄物をコ
    ンポスト化するとともに、高圧槽内温度を超好熱菌のみ
    が生存可能な温度に維持して、超好熱菌以外の腐敗菌な
    どの菌類の死滅を図ることを特徴とする超好熱菌を利用
    した生態系廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 断熱構造を有し、高速撹拌機構を備え、
    密閉可能な高圧槽内に、超好熱菌が混入したコンポスト
    と、高エネルギー栄養源とを投入し、密閉状態で高速撹
    拌による栄養源と菌類の飛散、接触を行って、菌類の増
    殖と高圧槽内温度の上昇を図り、高圧槽内温度が100
    ℃を超えたら、生態系廃棄物を前記高圧槽内に投入し、
    生態系廃棄物を、高圧下で高温、高速撹拌、超好熱菌に
    よる発酵の同時作用によって分解し、生態系廃棄物をコ
    ンポスト化するとともに、高圧槽内温度を超好熱菌のみ
    が生存可能な温度に維持して、超好熱菌以外の腐敗菌な
    どの菌類の死滅を図り、生成したコンポストは高圧槽内
    に一部を残存させて槽外に排出し、排出した容量分にほ
    ぼ相当する量の新たな生態系廃棄物を高圧槽内に投入し
    て処理することを特徴とする超好熱菌を利用した生態系
    廃棄物処理方法。
  3. 【請求項3】 断熱構造を有し、高速撹拌機構を備え、
    密閉可能な高圧槽内に、超好熱菌が混入したコンポスト
    と、高エネルギー栄養源とを投入し、密閉状態で高速撹
    拌による栄養源と菌類の飛散、接触を行って、菌類の増
    殖と高圧槽内温度の上昇を図り、高圧槽内温度が100
    ℃を超えたら、生態系廃棄物を前記高圧槽内に投入し、
    生態系廃棄物を、高圧下で高温、高速撹拌、超好熱菌に
    よる発酵の同時作用によって分解し、生態系廃棄物をコ
    ンポスト化するとともに、高圧槽内温度を超好熱菌のみ
    が生存可能な温度に維持して、超好熱菌以外の腐敗菌な
    どの菌類の死滅を図り、生成したコンポストを高圧及び
    高温下の高圧槽内から槽外に設けたコンポスト分別部材
    に向けて噴出し、このコンポスト分別部材で完全なコン
    ポストと、コンポスト内に存在する完全にはコンポスト
    化していない処理物とに分離し、この完全にはコンポス
    ト化していない処理物は再度、高圧槽内に投入して処理
    することを特徴とする超好熱菌を利用した生態系廃棄物
    処理方法。
  4. 【請求項4】 生態系廃棄物をあらかじめ加熱したう
    え、高圧槽内に投入することを特徴とする前記請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の超好熱菌を利用した生態系
    廃棄物処理方法。
  5. 【請求項5】 高速攪拌機構を備え、断熱構造を有する
    とともに密閉可能で、生態系廃棄物を、高圧、高温下
    で、超好熱菌が混入したコンポスト及び高エネルギー栄
    養源とともに高速撹拌してコンポスト化する高圧槽と、
    この高圧槽内から排出されたコンポストを、完全なコン
    ポストと完全にはコンポスト化していない処理物とに分
    別するコンポスト分別部材を備えたコンポスト分別機構
    とを有することを特徴とする超好熱菌を利用した生態系
    廃棄物処理装置。
  6. 【請求項6】 生態系廃棄物を加熱する加熱器を設けた
    予備加熱槽と、この予備加熱槽で予備加熱した生態系廃
    棄物が投入される、高速攪拌機構を備え、断熱構造を有
    するとともに密閉可能で、生態系廃棄物を、高圧、高温
    下で、超好熱菌が混入したコンポスト及び高エネルギー
    栄養源とともに高速撹拌してコンポスト化する高圧槽
    と、この高圧槽内の高温ガスを前記予備加熱槽の加熱器
    に対して循環供給する高温ガス循環供給機構と、前記高
    圧槽内から排出されたコンポストを、完全なコンポスト
    と完全にはコンポスト化していない処理物とに分別する
    コンポスト分別部材を備え、完全なコンポストは排出す
    る一方、完全にはコンポスト化していない処理物は前記
    予備加熱槽に投入すべく送出するコンポスト分別機構と
    を有することを特徴とする超好熱菌を利用した生態系廃
    棄物処理装置。
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