JP2002308671A - 耐還元性誘電体組成物及びそれを用いたセラミック電子部品 - Google Patents

耐還元性誘電体組成物及びそれを用いたセラミック電子部品

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JP2002308671A
JP2002308671A JP2001252329A JP2001252329A JP2002308671A JP 2002308671 A JP2002308671 A JP 2002308671A JP 2001252329 A JP2001252329 A JP 2001252329A JP 2001252329 A JP2001252329 A JP 2001252329A JP 2002308671 A JP2002308671 A JP 2002308671A
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ceramic
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Nobuaki Nagai
伸明 永井
Yuichi Murano
雄一 村野
Akio Hidaka
晃男 日高
Masuhiro Yamamoto
益裕 山本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、中高圧用として優れた電気的特性
が発現できる耐還元性誘電体組成物を提供し、該耐還元
性誘電体組成物を用いて初期特性及び耐久信頼性等のば
らつきが小さい卑金属内部電極積層セラミックコンデン
サに代表されるセラミック電子部品を提供することを目
的としている。 【解決手段】 本発明の耐還元性誘電体組成物は、BE
Tの比表面積値が3.0〜5.0m2/gの範囲内にあ
り、且つBa/Tiのモル比が0.995〜1.006
の範囲内にある主成分であるBaTiO3に対して、添
加物として金属の酸化物または焼成により金属の酸化物
になる化合物を含有し、焼結助剤としてSiO2系の化
合物を含有することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部電極が卑金属
から成り、JIS規格B特性或いはEIA規格X7R特
性を満足し、スイッチング電源回路、DC−DCコンバ
ータ回路、照明用インバータ回路等に中高圧用として広
く使用される積層セラミックコンデンサに代表されるセ
ラミック電子部品及びそれを製造する為の耐還元性誘電
体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ノート型パソコン等に代表される
様に電子機器の軽薄短小化に伴いそれに使用される重要
な受動部品の1つであるセラミックコンデンサも従来の
円板型から積層型への移行が急速に進み、スイッチング
電源回路やDC−DCコンバータ回路の小型化及び樹脂
モールド化に寄与している。また、信用調査機関のデー
タによると西暦2005年にはセラミックコンデンサの
積層化率は90%を超える事が確実であり、低定格電圧
品のみならず中高圧品、更には安全規格品の領域にまで
積層化が波及するのは時間の問題である。
【0003】例えば、スイッチング電源回路の1次側ス
ナバ用としては定格電圧が630VDCでJIS規格B
特性或いはEIA規格X7R特性を満足する中高圧用積
層セラミックコンデンサが多数使用されており、一大市
場を形成しつつある。
【0004】通常の積層セラミックコンデンサは、セラ
ミック誘電体層と内部電極層が交互に複数積層されて静
電容量を取得する有効層が形成され、その有効層の上下
に全体の寸法調整と内部気密封止の為にセラミック誘電
体層のみから成る無効層が形成されている。そして、内
部電極層の電気的接続は、それらの終端部分が露出した
両端面に外部電極を設けることによって行い、これら外
部電極表面には半田付け実装を容易に且つ支障なく行え
る様に、Ni鍍金の上にSn鍍金又はSn−Pb系の半
田鍍金が層状に施された構造となっている。
【0005】従来から、この様な積層セラミックコンデ
ンサに使用される誘電体組成物は、主成分であるBaT
iO3に数種類の添加物を加えたものが主流であり、例
えば特公平3−23504号公報にはBaTiO3にN
25とCoOを加えた組成物が開示されており、これ
によるとNb25とCoOが静電容量の温度変化率を平
坦化する成分として作用し、EIA規格X7R特性を満
足することが記載されている。同じく特公平3−612
87号公報にはBaTiO3にNb25、CoO、Ce
2及びZnOを加えた組成物が開示されており、Nb2
5とCoOが静電容量の温度変化率を平坦化し、Ce
2は焼成温度を低下し、ZnOは電気特性を改善する
ことが記載されている。
【0006】しかしながら上記誘電体組成物は、内部電
極としてPd系貴金属の使用を前提としたものであり、
特に高積層数高静電容量の品種において原材料コストの
面で問題があった。これを解決する方法として、Pd系
の貴金属に代わりコストの安いNiあるいはNiを主成
分とする合金を使用することが公知であり、積層セラミ
ックコンデンサに占める卑金属内部電極品の割合は急増
している。
【0007】Niは卑金属であるので、従来の貴金属の
積層セラミックコンデンサの様に酸素雰囲気中で焼成す
る事は不可能で、低酸素分圧雰囲気中においてNiが酸
化されないように焼成しなければならない。セラミック
コンデンサ用として公知であるBaTiO3に代表され
るペロブスカイト酸化物は、1000℃以上の高温にお
いてNiの酸化還元平衡酸素分圧以下の雰囲気に晒され
ると還元され、絶縁抵抗値が低下したり、電界を印加し
た状態での信頼性試験、いわゆる負荷寿命での不良率が
増大し、コンデンサ用セラミック誘電体としての機能を
果たさなくなる。
【0008】この課題に対し、これらペロブスカイト酸
化物が、AサイトとBサイトに存在するイオンの化学量
論比を変化させたり、あるいは結晶格子中にドナーとな
って固溶しうる、例えば遷移金属イオン等を添加したり
することによって、前述のような熱処理を行っても還元
されにくくなる性質を利用して、ペロブスカイト酸化物
と微量の添加物から構成される多くの耐還元性誘電体組
成物が考案され、開示されている。以前の耐還元性誘電
体組成物は、静電容量の温度変化率が大きいJIS規格
F特性が主流であったが、近年積極的な材料開発が行わ
れ、温度変化率が小さいJIS規格B特性或いはEIA
規格X7R特性が薄層大容量積層セラミックコンデンサ
に適用されている。例えば特開平8−124784号公
報には主成分としてBaTiO3を副成分としてMg
O、Y23、BaO及びCaOから選ばれる少なくとも
1種とSiO2とを含有するNi及びNi系合金等の卑
金属が使用可能な耐還元性誘電体組成物が開示されてい
る。また、特開平9−171938号公報にはBaTi
3系の主成分に対して、副成分としてMgO、及び焼
結助剤成分としてLi2O−B23−(Si,Ti)O2
系の酸化物を含有した耐還元性誘電体組成物が開示され
ている。これにより、静電容量の温度変化率が小さく、
しかも安価なNi系の内部電極を使用した大容量の積層
セラミックコンデンサが主として16〜50VDCの低
定格電圧品を中心に商品化されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
耐還元性誘電体組成物の多くは低定格電圧大容量の積層
セラミックコンデンサ用として開発されたものであり、
定格電圧が630VDC以上の中高圧用としては電気的
特性上不向きであった。その上、従来の耐還元性誘電体
組成物は主成分であるペロブスカイト酸化物に対する微
量添加物の均一な分散性や反応性を考慮して設計された
ものであるとは言い難く、工程上制御しえない要因によ
って製品の特性、品質が変動し、歩留まりの低下や信頼
性不良を引き起こしている。例えば、従来のプロセスで
ある仮焼混合法により作製した耐還元性誘電体組成物は
微量添加物の中でも特にLi2O−B23−(Si,T
i)O2系やBaO−SiO2系等の焼結助剤成分を均一
に分散させることが難しく、焼結助剤成分が不均一に分
散した組成物であった。その結果、焼成時の反応過程で
局部的な異常反応を起こし、結晶粒子径のばらつきが大
きくなりしかもポアーが多い不均質な微細構造となり、
静電容量や誘電体損失のばらつきが生じ、絶縁破壊電圧
が低く、また超加速寿命試験(HALT)における故障
時間の分布が広く、平均故障時間が短いという問題点を
有していた。また、焼結助剤成分を均一に分散しても、
主成分であるBaTiO3粉末のBETの比表面積値や
Ba/Tiモル比の大小により作製した積層セラミック
コンデンサの結晶粒子径及び微細組織が大きく異なる
為、電気特性の中でも特に静電容量の温度変化率が大き
く変動していた。
【0010】そこで本発明は以上の様な課題を解決し、
主成分であるBaTiO3粉末のBETの比表面積値と
Ba/Tiモル比を限定し、且つ焼結助剤成分が偏析す
ることなく主成分中に均一に分散し、中高圧用として優
れた電気的特性が発現できる耐還元性誘電体組成物を提
供し、該耐還元性誘電体組成物を用いて初期特性及び耐
久信頼性等のばらつきが小さい卑金属内部電極積層セラ
ミックコンデンサに代表されるセラミック電子部品を提
供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の耐還元性誘電体組成物は、BETの比表面積
値が3.0〜5.0m2/gの範囲内にあり、且つBa
/Tiのモル比が0.995〜1.006の範囲内にあ
る主成分であるBaTiO3に対して、少なくとも添加
物としてDyの酸化物または焼成によりDyの酸化物に
なる化合物、Mgの酸化物または焼成によりMgの酸化
物になる化合物、Mnの酸化物または焼成によりMnの
酸化物になる化合物を含有し、少なくとも焼結助剤とし
てBa1- XCaXSiO3の一般式で表され、Xが0≦X
≦1の範囲内からなる成分を含有するものである。これ
により、優れた耐還元性を有し、また非常に制御された
結晶粒子径と緻密で均質な微細構造を有し、中高圧用と
して遜色のない電気的特性を有する積層セラミックコン
デンサを製造するための耐還元性誘電体組成物が得られ
る。
【0012】また、BETの比表面積値が3.0〜5.
0m2/gの範囲内にあり、且つBa/Tiのモル比が
0.995〜1.006の範囲内にある主成分であるB
aTiO3100モルに対して、前記添加物及び焼結助
剤の添加量を規定することにより、さらに良好な電気的
特性と信頼性を有する耐還元性誘電体組成物が得られ
る。
【0013】また、本発明の耐還元性誘電体組成物は、
Ba1-XCaXSiO3の一般式で表され、Xが0≦X≦
1の範囲内からなる焼結助剤成分を、Ca及びBaの酢
酸塩水溶液とSiの金属アルコキシドエタノール溶液と
の混合溶液を攪拌しながらアンモニア水を滴下して調整
するものである。これにより、Ca、Ba及びSiを含
有する焼結助剤成分が、BETの比表面積値とBa/T
iのモル比が限定された主成分であるBaTiO3粒子
の周囲に均一にコーティングされる為、焼成時に局部的
な異常反応がなく焼結助剤成分が均一に分散された非常
に制御された結晶粒子径と緻密な組織を形成することが
可能な耐還元性誘電体組成物が得られる。
【0014】また、本発明のセラミック電子部品は有効
層及び無効層を形成しているセラミック誘電体層を前記
の耐還元性誘電体組成物で構成したチップ型、モールド
型及びリード型の積層セラミックコンデンサであり、主
として中高圧用としてそれぞれの特徴を生かしてユーザ
の要望に応じた使い分けが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、BETの比表面積値が3.0〜5.0m2/gの範
囲内にあり、且つBa/Tiのモル比が0.995〜
1.006の範囲内にある主成分であるBaTiO3
対して、添加物として金属の酸化物または焼成により金
属の酸化物になる化合物を含有し、焼結助剤としてSi
2系の化合物を含有することを特徴とする耐還元性誘
電体組成物であり、優れた電気的特性と耐久信頼性を有
する卑金属内部電極積層セラミックコンデンサを形成す
ることが可能な耐還元性誘電体組成物を実現できるとい
う作用を有する。
【0016】本発明の請求項2に記載の発明は、BET
の比表面積値が3.0〜5.0m2/gの範囲内にあ
り、且つBa/Tiのモル比が0.995〜1.006
の範囲内にある主成分であるBaTiO3に対して、少
なくとも添加物としてDyの酸化物または焼成によりD
yの酸化物になる化合物、Mgの酸化物または焼成によ
りMgの酸化物になる化合物、Mnの酸化物または焼成
によりMnの酸化物になる化合物を含有し、少なくとも
焼結助剤としてBa1-XCaXSiO3の一般式で表さ
れ、Xが0≦X≦1の範囲内からなる成分を含有するこ
とを特徴とする耐還元性誘電体組成物であり、優れた耐
還元性を有し、中高圧用として遜色のない電気的特性を
有する卑金属内部電極積層セラミックコンデンサを形成
することが可能な耐還元性誘電体組成物を実現できると
いう作用を有する。
【0017】本発明の請求項3に記載の発明は、BET
の比表面積値が3.0〜5.0m2/gの範囲内にあ
り、且つBa/Tiのモル比が0.995〜1.006
の範囲内にある主成分であるBaTiO3に対して、添
加物としてDyの酸化物または焼成により酸化物になる
化合物を酸化物Dy23換算で0.2〜1.3モル、M
gの酸化物または焼成により酸化物になる化合物を酸化
物MgO換算で0.1〜1.2モル、Mnの酸化物また
は焼成により酸化物になる化合物を酸化物Mn34換算
で0.02〜0.12モル含有し、焼結助剤としてBa
1-XCaXSiO3の一般式で表され、Xが0≦X≦1の
範囲内からなる成分を0.5〜3.5モル含有すること
を特徴とする耐還元性誘電体組成物であり、焼成温度に
おいてNiの酸化還元平衡酸素分圧以下の雰囲気中で優
れた耐還元性が得られ、良好な電気的特性と高度な耐久
信頼性を有するNi内部電極積層セラミックコンデンサ
を形成することが可能な耐還元性誘電体組成物を実現で
きるという作用を有する。
【0018】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
2,3に記載の発明において、Ba 1-XCaXSiO3
一般式で表され、Xが0≦X≦1の範囲内からなる成分
は、Ca及びBaの酢酸塩水溶液とSiの金属アルコキ
シドエタノール溶液との混合溶液を攪拌しながら該混合
溶液にアンモニア水を滴下して調整するものであり、C
a、Ba及びSiを含有する焼結助剤成分が均一に分散
されると同時に、BETの比表面積値とBa/Tiのモ
ル比が限定された主成分であるBaTiO3粒子の周囲
に均一にコーティングされる為、焼成時に局部的な異常
反応がなく焼結助剤成分が均一に分散された非常に制御
された結晶粒子径と緻密な組織を形成することが可能な
耐還元性誘電体組成物を実現できるという作用を有す
る。
【0019】本発明の請求項5に記載の発明は、第1の
複数のセラミック誘電体層の間にNi或いはNiを主成
分とする合金より成る内部電極層を設けた有効層及び第
2の複数のセラミック誘電体層より成る無効層を有した
基体と、基体の両端部から側部に至るように設けられ、
内部電極層と電気的に接合された一対の外部電極とを備
えたチップ型のセラミック電子部品であって、セラミッ
ク誘電体層を請求項1〜4いずれか1記載の耐還元性誘
電体組成物で構成するものであり、非常に制御された結
晶粒子径と緻密な微細組織を有し、良好な電気的特性と
耐久信頼性とを兼ね備え、回路基板等に表面実装可能な
中高圧用の積層セラミックコンデンサに代表されるセラ
ミック電子部品を実現できるという作用を有する。
【0020】本発明の請求項6に記載の発明は、第1の
複数のセラミック誘電体層の間にNi或いはNiを主成
分とする合金より成る内部電極層を設けた有効層及び第
2の複数のセラミック誘電体層より成る無効層を有した
基体と、基体の両端部から側部に至るように設けられ、
内部電極層と電気的に接合された一対の外部電極と、外
部電極にそれぞれ接続された端子とを備え、基体及び外
部電極が樹脂により埋め込まれたモールド型のセラミッ
ク電子部品であって、セラミック誘電体層を請求項1〜
4いずれか1記載の耐還元性誘電体組成物で構成するも
のであり、非常に制御された結晶粒子径と緻密な微細組
織を有し、良好な電気的特性と耐久信頼性とを兼ね備
え、異常電圧による沿面放電がなく、さらにたわみ等の
機械的応力に対して優れた耐久性を有する表面実装型の
中高圧用積層セラミックコンデンサに代表されるセラミ
ック電子部品を実現できるという作用を有する。
【0021】本発明の請求項7に記載の発明は、第1の
複数のセラミック誘電体層の間にNi或いはNiを主成
分とする合金より成る内部電極層を設けた有効層及び第
2の複数のセラミック誘電体層より成る無効層を有した
基体と、基体の両端部から側部に至るように設けられ、
内部電極層と電気的に接合された一対の外部電極と、外
部電極にそれぞれ接続されたリード線とを備え、基体及
び外部電極が樹脂により被覆されたリード型のセラミッ
ク電子部品であって、セラミック誘電体層を請求項1〜
4いずれか1記載の耐還元性誘電体組成物で構成するも
のであり、非常に制御された結晶粒子径と緻密な微細組
織を有し、良好な電気的特性と耐久信頼性とを兼ね備
え、異常電圧による沿面放電がなく、さらに回路基板に
はリード線が半田付けされる為、たわみ等の機械的応力
が一切印加されない中高圧用の積層セラミックコンデン
サに代表されるセラミック電子部品を実現できるという
作用を有する。
【0022】そして、本発明の請求項8に記載の発明
は、請求項5〜7に記載の発明において、前記外部電極
は上層、下層の二層構造であり、下層は基体の端面のみ
に設けられたものであり、外部電極を2層構造にするこ
とにより卑金属内部電極層との電気的接続が完璧になる
為、高度な信頼性を有するセラミック電子部品を実現で
きるという作用を有する。
【0023】発明の実施において使用するBaTiO3
のBETの比表面積値とBa/Tiのモル比は、製造す
る積層セラミックコンデンサの性能及び還元雰囲気焼成
における耐還元性の観点から限定される。BETの比表
面積値が5.0m2/gを超えるBaTiO3から成る耐
還元性誘電体組成物を用いた積層セラミックコンデンサ
は静電容量の温度変化率が大きくなり、EIA規格X7
R特性を満足させることが困難となり、また3.0m2
/g未満のBaTiO3から成る耐還元性誘電体組成物
を用いた積層セラミックコンデンサは絶縁破壊電圧が低
く、設計した定格電圧を保証することが困難となるため
いずれも好ましくない。
【0024】BET法による比表面積値測定原理は、予
め大きさが既知のN2分子を一定の質量のBaTiO3
末に付着させて、その付着したN2の分子数により粉体
の表面積を知るものであるが、実際の測定方法はN2
スの沸点である−195℃でN2ガスの圧力を変えて粉
末に吸着されるN2ガスの体積を測定したデータに以下
に示したBETの式を適用する(等温吸着)。
【0025】
【数1】
【0026】BaTiO3のBa/Tiのモル比が1.
005を超えると静電容量が小さくなる傾向があり、実
用上では1.006まで許容できる。また0.995未
満では静電容量の温度変化率が大きくなるためいずれも
好ましくない。さらに、BaTiO3の反応性について
はそれが小さい方がB特性あるいはX7R特性の発現が
容易であるので、結晶化度の高い粉末を使用するのが好
ましい。このようなBaTiO3粉末を製造する工程に
おいて混入する不純物としては、バリウム以外のアルカ
リ土類金属や鉄、珪素及びアルミニウム等があるが、こ
れら不純物は数千ppmのオーダで含有されていても特
に支障はない。
【0027】Ba1-XCaXSiO3の一般式で表され、
Xが0≦X≦1の範囲内からなる焼結助剤成分の出発材
料であるCa及びBaの酢酸塩及びSiのアルコキシド
は一般的市販品が使え、これらに含有される不純物は似
通った化学的性質を有する金属であるため、前述のBa
TiO3と同様に数千ppmのオーダで含有されていて
も特に支障はない。また、アルコキシドを溶解させるエ
タノールも一般的な市販品が使用できる。
【0028】これら酢酸塩やアルコキシドは水−エタノ
ール溶液中で水和したイオンとして存在し、後のアンモ
ニア水の滴下によって微細な水酸化物をコロイド状懸濁
液の形で生成し、これをBaTiO3粉末と混合した
際、均一な状態で分散されるのが望ましい為、アンモニ
ア水の濃度は1モル/リットル以下、工程の設備的、時
間的余裕がある場合にはより低濃度にするのが望まし
い。アンモニア水の濃度が1モル/リットルを超えて濃
厚になると、前述の水酸化物が偏って生成し組成的に不
均一な状態でBaTiO3粉末と混合される為、最終的
に組成不均一な耐還元性誘電体組成物となり、本発明の
意図するところとは全く異なった結果となる。
【0029】BaTiO3粉末に対して添加される各添
加物の量は、製造する積層セラミックコンデンサの誘電
率と誘電体損失、静電容量の温度変化率、絶縁抵抗、絶
縁破壊電圧、高温負荷寿命及び焼成温度における耐還元
性の観点から限定される。BaTiO3100モルに対
しDy23が1.3モルを超えると焼成による緻密化が
不完全になる為誘電率が低下し、また0.2モル未満に
なると静電容量の温度変化率が大きくなり、高温負荷寿
命が短くなる。BaTiO3100モルに対しMgOが
1.2モルを超えると誘電率の低下と誘電体損失の増大
を招き、また0.1モル未満になると焼成温度における
耐還元性が損なわれ、電気的特性及び寿命の全般にわた
って劣化する。BaTiO3100モルに対しMn34
が0.12モルを超えると誘電体損失が増加し、また
0.02モル未満になると絶縁抵抗及び絶縁破壊電圧が
低下し、高温負荷寿命が短くなる。
【0030】さらに、BaTiO3100モルに対しB
1-XCaXSiO3の一般式で表され、Xが0≦X≦1
の範囲内からなる焼結助剤成分が3.5モルを超えると
誘電率が低下すると同時に高温負荷寿命が劣化し、また
0.5モル未満になると焼結助剤としての効果が得られ
ず、焼成による緻密化が不完全となり電気的特性及び寿
命の全般にわたって劣化する。
【0031】
【実施例】次に、本発明の具体例をセラミック電子部品
の1つである積層セラミックコンデンサを取上げて説明
する。
【0032】(実施例1)実験の概略は、(表1)に示
した組成表に従って、主成分であるBaTiO3粉末
(堺化学製BT−03)と添加剤であるDy23、Mg
O及びMn34との配合物と、Ca,Ba及びSiより
成る焼結助剤成分のコロイド状懸濁液をボールミルで混
合して各々の出発原料粉末を作製する。
【0033】なお、本実施例1において、BaTiO3
はBETの比表面積値が4.0m2/gで、Ba/Ti
のモル比が1.000の粉末を使用し、焼結助剤成分の
組成はBa0.5Ca0.5SiO3とした。
【0034】
【表1】
【0035】使用する原材料のメーカとグレードは(表
2)にまとめて記載した。
【0036】
【表2】
【0037】次に、作製した粉末を使用して、形状が3
216サイズで定格電圧が630VDCを保証し100
00PFの静電容量値が取得可能な積層セラミックコン
デンサを試作して総合評価するものである。
【0038】以下に積層セラミックコンデンサの詳細な
試作手順と評価方法について説明する。
【0039】主成分であるBaTiO3粉末(BETの
比表面積値が4.0m2/gで、Ba/Tiのモル比が
1.000)及び添加剤であるDy23、MgO及びM
34の各粉末を(表1)の組成表に基づいて電子天秤
で所定量を秤量し、5mmφのZrO2質ボールが35
0g入った内容積が600CCのポリエチレン製ポット
ミル中に投入する。
【0040】次に、(表1)の組成表に基づいてBa、
Caの酢酸塩及びTEOS(テトラエトキシシラン)の
所定量を電子天秤で秤量した後、酢酸塩は100CCの
純水に、またTEOSは150CCのエタノールに別々
に溶解させる。そして、酢酸塩水溶液をエタノール溶液
中に投入して攪拌を続けながら1規定のアンモニア水を
所定量滴下して、焼結助剤成分より成るコロイド状懸濁
液を得た。
【0041】次に、該コロイド状懸濁液を上記ボールミ
ル中に投入し100rpmの回転速度で20時間混合し
た。混合物は150メッシュのシルクスクリーンで濾過
して、テフロン(登録商標)シートを敷いたステンレス
バット中に投入し、ドラフト中で加温しながらエタノー
ル分を揮発させ、アルミ泊で蓋をして150℃の温度で
乾燥した。乾燥した塊状物はアルミナ乳鉢中で解砕した
後、32メッシュのナイロン篩を通過してアルミナ製坩
堝に入れて400℃/2時間の条件で熱処理してスラリ
ー用粉末とした。
【0042】次に、スラリー用粉末の所定量を溶剤及び
可塑剤と共に混合することにより湿潤した。湿潤後、ポ
リビニルブチラール樹脂より成るビヒクルを混合してシ
ート成形用スラリーを作製した。
【0043】次に、該スラリーを150メッシュのシル
クスクリーンで濾過した後、成膜してセラミック生シー
トを得た。そして、該セラミック生シートと、Niペー
ストより作製した内部電極シートを用いて転写工法によ
り所定の積層仕様に基づいて積層した後、切断してグリ
ーンチップを得た。
【0044】次に、得られたグリーンチップを面取りし
た後、その両端面にNiペーストを塗布し乾燥した後、
脱脂した。そして、回転式雰囲気炉により還元雰囲気焼
成を実施した。焼成は、グリーンガス、CO2及びN2
より調整したNiの平衡酸素分圧よりも2桁程度低い酸
素分圧雰囲気中で1250℃の温度で2時間保持した。
【0045】そして、焼成したチップの両端面に上層外
部電極となるAgペーストを塗布して大気中で焼き付け
た後、Ni鍍金及びその上にSn鍍金を施して本実施例
1のチップ型積層セラミックコンデンサを完成させた。
【0046】ここで、図1は本発明のセラミック電子部
品の一実施例を示す断面図である。本実施例1で作製し
たチップ型積層セラミックコンデンサは、図1に示して
いるように、BaTiO3質セラミック誘電体層13と
Niを含む内部電極層12a,12b,12cとを交互
に積層して形成された静電容量取得層となる有効層の上
下に無効層としてBaTiO3質セラミック誘電体層1
3が積層されて積層体11が形成されており、該積層体
11の両端部に前記内部電極層12b,12cと電気的
に接合されたNi質下層外部電極14が設けられ、その
上にAg質上層外部電極15が設けられた構成である。
【0047】次に、試作したチップ型積層セラミックコ
ンデンサの電気特性を評価した。静電容量(Cap)と
誘電体損失(tanδ)はYHP製LCRメータ428
4Aを使用して1V/1KHzの信号電圧下で測定し
た。絶縁抵抗値(IR)はアドバンテスト社製絶縁抵抗
計R8340Aを使用して500VDCを1分間印加し
て測定した。絶縁破壊電圧(BDV)は菊水電子製耐圧
計を使用して空気中で直流破壊電圧を測定した。静電容
量の温度変化率(Cap−TC)は恒温槽にYHP製L
CRメータ4284Aを接続して−55〜+125℃の
範囲内で測定した。静電容量と誘電体損失は各々20個
測定に供し、絶縁抵抗値と絶縁破壊電圧は各々10個、
温度変化率は2個測定し、平均値を算出してそれらの結
果を(表3)に示した。
【0048】
【表3】
【0049】ここで、(表3)の試料Noは(表1)の
試料Noに対応している。また、これらの表中の試料N
oに※印を記したものは、電気的特性や焼結性などの評
価項目の内少なくとも1つについて良好な結果が得られ
なかった試料である。
【0050】(表1)及び(表3)より明らかな様に、
BaTiO3100モルに対しDy23が1.3モルを
超えると、1250℃の焼成で若干焼結性が劣化するた
め、静電容量が低下し、また0.2モル未満になると静
電容量の温度変化率が大きくなる傾向にあった。BaT
iO3100モルに対しMgOが1.2モルを超えると
静電容量の低下と誘電体損失の増大を招き、また0.1
モル未満になると焼成時の耐還元性が損なわれる為、誘
電体損失が増大し、絶縁破壊電圧及び絶縁抵抗が劣化し
た。BaTiO3100モルに対しMn34が0.12
モルを超えると静電容量の低下と誘電体損失の増加を招
き、また0.02モル未満になると絶縁抵抗及び絶縁破
壊電圧が急激に劣化した。さらに、BaTiO3100
モルに対しBa0.5Ca0.5SiO3の一般式で表される
焼結助剤成分が3.5モルを超えると誘電率が低下し、
また0.5モル未満になると焼結助剤としての効果が得
られず、焼成による緻密化が不完全となり電気的特性の
全般にわたって劣化した。
【0051】これに対し、本発明範囲内の耐還元性誘電
体組成物により作製した積層セラミックコンデンサは、
良好な焼結性と電気特性とを有し、またEIA規格X7
R特性及びJIS規格B特性を満足し、形状が3216
サイズで定格電圧が630VDCを保証し、10000
PFの静電容量値を有する中高圧用チップ型積層セラミ
ックコンデンサとして使用可能なものであった。
【0052】以上の様に、本発明の耐還元性誘電体組成
物によれば、良好な焼結性と電気特性を有し、内部電極
としてNiを用いた中高圧用のチップ型積層セラミック
コンデンサを実現することができる。
【0053】(実施例2)主成分であるBaTiO3
末(BETの比表面積値が3.8m2/gで、Ba/T
iのモル比が1.000)及び添加剤であるDy23
MgO及びMn34の各粉末を(表1)の試料No.1
8の組成に基づいて、電子天秤で所定量を秤量し、5m
mφのZrO2質ボールが2100g入った内容積が2
800CCのボールミル中に投入する。
【0054】次にBa、Caの酢酸塩及びTEOS(テ
トラエトキシシラン)の所定量を試料No.18の組成
に基づいて電子天秤で秤量した後、酢酸塩は600CC
の純水に、またTEOSは900CCのエタノールに別
々に溶解させる。そして、該酢酸塩水溶液をエタノール
溶液中に投入して攪拌を続けながら1規定のアンモニア
水を240CC滴下して、焼結助剤成分より成るコロイ
ド状懸濁液を得た。
【0055】次に、該コロイド状懸濁液を上記ボールミ
ル中に投入し50rpmの回転速度で20時間混合し
た。混合物は150メッシュのシルクスクリーンで濾過
して、テフロンシートを敷いたステンレスバット中に投
入し、ドラフト中で加温しながらエタノール分を揮発さ
せ、アルミ泊で蓋をして150℃の温度で乾燥した。乾
燥した塊状物はアルミナ乳鉢中で解砕した後、32メッ
シュのナイロン篩を通過してアルミナ製坩堝に入れて4
00℃/2時間(昇降温速度:200℃/H)の条件で
熱処理してスラリー用粉末を約700g作製した。
【0056】そして、実施例1と同様の手順により積層
セラミックコンデンサ素子を作製した。次に、該積層セ
ラミックコンデンサ素子の両端面に端子を半田付けした
後、素子本体部をエポキシ系の熱硬化性樹脂に埋込んで
モールド型の積層セラミックコンデンサを完成させた。
【0057】ここで、図2は、本発明のセラミック電子
部品の一実施例を示す断面図である。本実施例2で作製
したモールド型積層セラミックコンデンサは、図2に示
しているように、BaTiO3質セラミック誘電体層2
3とNiを含む内部電極層22a,22b,22cとを
交互に積層して形成された静電容量取得層となる有効層
の上下に無効層としてBaTiO3質セラミック誘電体
層23が積層されて積層体21が形成されており、該積
層体21の両端部に内部電極層22b,22cと電気的
に接合されたNi質下層外部電極24が設けられ、その
上にAg質上層外部電極25が設けられた構成である。
そして、熱硬化性樹脂で構成される外装材26に埋込ま
れた積層体21の両端部から導電性の端子27が引出さ
れ、該端子27を介して回路基板に表面実装できるよう
に構成されるものである。
【0058】次に、本実施例2のモールド型積層セラミ
ックコンデンサのたわみ強度を測定した。たわみ強度は
表面実装用電子部品の信頼性を判断する為の重要な評価
項目であり、専用のプリント基板に被試験品を半田付け
した後、専用の治具で3点曲げを付加させながら静電容
量を測定し、静電容量値が急激に低下した時点での基板
のたわみ幅(mm)をたわみ強度とするものである。こ
のたわみ強度測定の概念図を図4に示した。通常、静電
容量値が急激に低下した時点で被試験品に亀裂が発生し
ている場合が多い。本実施例2のモールド型積層セラミ
ックコンデンサの場合、たわみ幅が15mmを越えても
静電容量値の低下がなく安定していた。同時に、図1で
示した実施例1のチップ型積層セラミックコンデンサの
場合、たわみ幅(mm)が7mmで静電容量値が急激に
低下して亀裂が発生した被試験品が見られた。たわみ強
度の規格は最小値が2.0mmであるため双方共全く問
題のないレベルであるが、明らかにモールド型の方が優
れていた。
【0059】また、図1で示した実施例1のチップ型積
層セラミックコンデンサは、規格外の異常電圧に対し
て、積層体表面の結露等が原因となり沿面リークが発生
することがあるが、図2で示した本実施例2のモールド
型積層セラミックコンデンサは、その可能性がなく耐久
信頼性の高いものであった。
【0060】以上の様に、本発明の積層セラミックコン
デンサは、熱硬化性樹脂で埋込みモールド型にすること
により高い信頼性と優れた表面実装性を実現することが
できる。
【0061】(実施例3)(表1)の試料No.18の
組成に基づいて、実施例1と同様の手順により積層セラ
ミックコンデンサ素子を作製した。次に、該積層セラミ
ックコンデンサ素子の両端面にリード線を半田付けした
後、素子本体部をエポキシ系の外装材で被覆してリード
型の積層セラミックコンデンサを完成させた。
【0062】ここで、図3は、本発明のセラミック電子
部品の一実施例を示す断面図である。本実施例3で作製
したリード型積層セラミックコンデンサは、図3に示し
ているように、BaTiO3質セラミック誘電体層33
とNiを含む内部電極層32a,32b,32cとを交
互に積層して形成された静電容量取得層となる有効層の
上下に無効層としてBaTiO3質セラミック誘電体層
33が積層されて積層体31が形成されており、該積層
体31の両端部に前記内部電極層32b,32cと電気
的に接合されたNi質下層外部電極34が設けられ、そ
の上にAg質上層外部電極35が設けられた構成であ
る。そして、外装材36に被覆された積層体31の両端
部から導電性のリード線37が引出され、該リード線3
7を介して回路基板に半田付けできるように構成される
ものである。
【0063】本実施例のリード型積層セラミックコンデ
ンサは、異常電圧による沿面放電の心配がなく、さらに
回路基板にはリード線が半田付けされる為たわみ等の機
械的応力が一切印加されず、回路設計上優位性のあるも
のである。
【0064】(実施例4)(表1)の試料No.18の
組成に基づいて、BETの比表面積値とBa/Tiのモ
ル比を変化させたBaTiO3の粉末を使用して、実施
例1と同様の手順により形状が3216サイズで定格電
圧が630VDCを保証し10000PFの静電容量値
が取得可能なチップ型の積層セラミックコンデンサを作
製した。使用したBaTiO3粉末のBETの比表面積
値とBa/Tiのモル比を(表4)に示した。
【0065】
【表4】
【0066】そして、作製したチップ型の積層セラミッ
クコンデンサの静電容量、静電容量の温度変化率及び絶
縁破壊電圧を評価した。静電容量(Cap)はYHP製
LCRメータ4284Aを使用して1V/1KHzの信
号電圧下で測定した。絶縁破壊電圧(BDV)は菊水電
子製耐圧計を使用して空気中で直流破壊電圧を測定し
た。静電容量の温度変化率(Cap−TC)は恒温槽に
YHP製LCRメータ4284Aを接続して−55〜+
125℃の範囲内で測定した。静電容量は各々20個測
定に供し、絶縁破壊電圧は各々10個、静電容量の温度
変化率は2個測定し、平均値を算出してこれらの結果を
(表5)に示した。ここで、(表5)の試料Noは(表
4)の試料Noに対応している。また、これらの表中の
試料Noに※印を記したものは、上記評価項目の内少な
くとも1つについて良好な結果が得られなかった試料で
ある。
【0067】
【表5】
【0068】(表4)及び(表5)より明らかな様に、
使用したBaTiO3粉末のBETの比表面積値が5.
0m2/gを超えると静電容量の温度変化率が大きくな
りEIA規格X7R特性から外れ、また3.0m2/g
未満になると絶縁破壊電圧が低くなり中高圧用としての
保証が難しくなる傾向にあった。さらに、Ba/Tiの
モル比が1.005を超えると静電容量が小さくなる傾
向があったが、実用上モル比は1.006まで許容でき
ることがわかった。また、0.995未満では静電容量
の温度変化率が大きくなる傾向にあった。また、Ba/
Tiのモル比が0.995未満になると還元雰囲気焼成
中に耐還元性が損なわれ、上記特性以外の電気特性であ
る絶縁抵抗値が劣化する傾向にあった。図5に本発明範
囲内のBaTiO3粉末のBETの比表面積値とBa/
Tiのモル比を示した。なお、図5は、本発明範囲内の
BaTiO3粉末のBET比表面積値とBa/Tiモル
比を示すグラフである。この範囲内のBaTiO3粉末
を使用することにより、優れた耐還元性を有し、中高圧
用として遜色のない電気的特性を有する卑金属内部電極
積層セラミックコンデンサを形成することが可能な耐還
元性誘電体組成物を得ることができる。
【0069】(実施例5)実験の概略は、実施例1と同
様に、(表1)に示した組成表に従って、主成分である
BaTiO3粉末(堺化学製BT−03)と添加剤であ
るDy23、MgO及びMn34との配合物と、Ca,
Ba及びSiより成る焼結助剤成分のコロイド状懸濁液
をボールミルで混合して各々の出発原料粉末を作製す
る。
【0070】なお、本実施例5において、BaTiO3
はBETの比表面積値が3.8m2/gで、Ba/Ti
のモル比が1.003の粉末を使用し、焼結助剤成分の
組成はBa0.5Ca0.5SiO3とした。
【0071】使用する原材料のメーカとグレードも、実
施例1の場合と同様に、(表2)に示したものを使用し
た。
【0072】次に、作製した粉末を使用して、形状が3
216サイズで定格電圧が630VDCを保証し100
00PFの静電容量値が取得可能な積層セラミックコン
デンサを試作して総合評価するものである。
【0073】積層セラミックコンデンサの詳細な試作手
順と評価方法についても、実施例1と同様である。
【0074】まず、主成分であるBaTiO3粉末(B
ETの比表面積値が3.8m2/gで、Ba/Tiのモ
ル比が1.003)及び添加剤であるDy23、MgO
及びMn34の各粉末を(表1)の組成表に基づいて電
子天秤で所定量を秤量し、5mmφのZrO2質ボール
が350g入った内容積が600CCのポリエチレン製
ポットミル中に投入する。
【0075】次に、(表1)の組成表に基づいてBa、
Caの酢酸塩及びTEOS(テトラエトキシシラン)の
所定量を電子天秤で秤量した後、酢酸塩は100CCの
純水に、またTEOSは150CCのエタノールに別々
に溶解させる。そして、酢酸塩水溶液をエタノール溶液
中に投入して攪拌を続けながら1規定のアンモニア水を
所定量滴下して、焼結助剤成分より成るコロイド状懸濁
液を得た。
【0076】次に、該コロイド状懸濁液を上記ボールミ
ル中に投入し100rpmの回転速度で20時間混合し
た。混合物は150メッシュのシルクスクリーンで濾過
して、テフロンシートを敷いたステンレスバット中に投
入し、ドラフト中で加温しながらエタノール分を揮発さ
せ、アルミ泊で蓋をして150℃の温度で乾燥した。乾
燥した塊状物はアルミナ乳鉢中で解砕した後、32メッ
シュのナイロン篩を通過してアルミナ製坩堝に入れて4
00℃/2時間の条件で熱処理してスラリー用粉末とし
た。
【0077】次に、スラリー用粉末の所定量を溶剤及び
可塑剤と共に混合することにより湿潤した。湿潤後、ポ
リビニルブチラール樹脂より成るビヒクルを混合してシ
ート成形用スラリーを作製した。
【0078】次に、該スラリーを150メッシュのシル
クスクリーンで濾過した後、成膜してセラミック生シー
トを得た。そして、該セラミック生シートと、Niペー
ストより作製した内部電極シートを用いて転写工法によ
り所定の積層仕様に基づいて積層した後、切断してグリ
ーンチップを得た。
【0079】次に、得られたグリーンチップを面取りし
た後、その両端面にNiペーストを塗布し乾燥した後、
脱脂した。そして、回転式雰囲気炉により還元雰囲気焼
成を実施した。焼成は、グリーンガス、CO2及びN2
より調整したNiの平衡酸素分圧よりも2桁程度低い酸
素分圧雰囲気中で1250℃の温度で2時間保持した。
【0080】そして、焼成したチップの両端面に上層外
部電極となるAgペーストを塗布して大気中で焼き付け
た後、Ni鍍金及びその上にSn鍍金を施して本実施例
のチップ型積層セラミックコンデンサを完成させた。
【0081】本実施例5で作製したチップ型積層セラミ
ックコンデンサも、実施例1と同様であり、図1に示し
ている。
【0082】次に、試作したチップ型積層セラミックコ
ンデンサの電気特性を評価した。静電容量(Cap)と
誘電体損失(tanδ)はYHP製LCRメータ428
4Aを使用して1V/1KHzの信号電圧下で測定し
た。絶縁抵抗値(IR)はアドバンテスト社製絶縁抵抗
計R8340Aを使用して500VDCを1分間印加し
て測定した。絶縁破壊電圧(BDV)は菊水電子製耐圧
計を使用して空気中で直流破壊電圧を測定した。静電容
量の温度変化率(Cap−TC)は恒温槽にYHP製L
CRメータ4284Aを接続して−55〜+125℃の
範囲内で測定した。静電容量と誘電体損失は各々20個
測定に供し、絶縁抵抗値と絶縁破壊電圧は各々10個、
温度変化率は2個測定し、平均値を算出してそれらの結
果を(表6)に示した。
【0083】
【表6】
【0084】ここで、(表6)の試料Noは(表1)の
試料Noに対応している。また、これらの表中の試料N
oに※印を記したものは、電気的特性や焼結性などの評
価項目の内少なくとも1つについて良好な結果が得られ
なかった試料である。
【0085】(表1)及び(表6)より明らかな様に、
BaTiO3100モルに対しDy23が1.3モルを
超えると、1250℃の焼成で若干焼結性が劣化するた
め、静電容量が低下し、また0.2モル未満になると静
電容量の温度変化率が大きくなる傾向にあった。BaT
iO3100モルに対しMgOが1.2モルを超えると
静電容量の低下と誘電体損失の増大を招き、また0.1
モル未満になると焼成時の耐還元性が損なわれる為、誘
電体損失が増大し、絶縁破壊電圧及び絶縁抵抗が劣化し
た。BaTiO3100モルに対しMn34が0.12
モルを超えると静電容量の低下と誘電体損失の増加を招
き、また0.02モル未満になると絶縁抵抗及び絶縁破
壊電圧が急激に劣化した。さらに、BaTiO3100
モルに対しBa0.5Ca0.5SiO3の一般式で表される
焼結助剤成分が3.5モルを超えると誘電率が低下し、
また0.5モル未満になると焼結助剤としての効果が得
られず、焼成による緻密化が不完全となり電気的特性の
全般にわたって劣化した。
【0086】これに対し、本発明範囲内の耐還元性誘電
体組成物により作製した積層セラミックコンデンサは、
良好な焼結性と電気特性とを有し、またEIA規格X7
R特性及びJIS規格B特性を満足し、形状が3216
サイズで定格電圧が630VDCを保証し、10000
PFの静電容量値を有する中高圧用チップ型積層セラミ
ックコンデンサとして使用可能なものであった。
【0087】以上の様に、本発明の耐還元性誘電体組成
物によれば、良好な焼結性と電気特性を有し、内部電極
としてNiを用いた中高圧用のチップ型積層セラミック
コンデンサを実現することができる。
【0088】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、BETの比
表面積値が3.0〜5.0m2/gの範囲内にあり、且
つBa/Tiのモル比が0.995〜1.006の範囲
内にある主成分であるBaTiO3に対して、少なくと
も添加物としてDyの酸化物または焼成によりDyの酸
化物になる化合物、Mgの酸化物または焼成によりMg
の酸化物になる化合物、Mnの酸化物または焼成により
Mnの酸化物になる化合物を含有し、少なくとも焼結助
剤としてBa1-XCaXSiO3の一般式で表され、Xが
0≦X≦1の範囲内からなる成分を含有するものであ
り、Ba1-XCaXSiO3成分を溶液の状態で主成分及
び添加物の粉末と混合するため、Ca、Ba及びSiを
含有する成分が主成分であるBaTiO3粒子の周囲に
均一にコーティングされ、焼成時に局部的な異常反応が
なく焼結助剤成分が均一に分散された非常に制御された
結晶粒子径と緻密な組織を形成することが可能な耐還元
性誘電体組成物が得られる。また、セラミック誘電体層
を前記の耐還元性誘電体組成物で構成することにより、
良好な電気特性と耐久信頼性を有し、主として中高圧用
としてそれぞれの特徴を生かしてユーザの要望に応じた
回路設計が可能なチップ型、モールド型及びリード型の
積層セラミックコンデンサに代表されるセラミック電子
部品を製造することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック電子部品の一実施例を示す
断面図
【図2】本発明のセラミック電子部品の一実施例を示す
断面図
【図3】本発明のセラミック電子部品の一実施例を示す
断面図
【図4】たわみ強度測定の概念図
【図5】本発明範囲内のBaTiO3粉末のBET比表
面積値とBa/Tiモル比を示すグラフ
【符号の説明】
11,21,31 積層体 12a,22a,32a 内部電極層 12b,22b,32b 内部電極層 12c,22c,32c 内部電極層 13,23,33 セラミック誘電体層 14,24,34 Ni質下層外部電極 15,25,35 Ag質上層外部電極 26,36 外装材 27 端子 37 リード線 38 半田
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日高 晃男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山本 益裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA03 AA04 AA06 AA07 AA11 AA19 AA30 AA39 BA09 BA26 CA03 CA04 CA08 GA02 GA03 GA05 5E001 AB03 AC06 AH01 AJ01 AJ02 5E082 AB03 EE04 EE23 FG03 5G303 AA01 AB02 AB07 AB14 BA12 CA01 CB03 CB17 CB18 CB35 CB41 CC03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】BETの比表面積値が3.0〜5.0m2
    /gの範囲内にあり、且つBa/Tiのモル比が0.9
    95〜1.006の範囲内にある主成分であるBaTi
    3に対して、添加物として金属の酸化物または焼成に
    より金属の酸化物になる化合物を含有し、焼結助剤とし
    てSiO2系の化合物を含有することを特徴とする耐還
    元性誘電体組成物。
  2. 【請求項2】BETの比表面積値が3.0〜5.0m2
    /gの範囲内にあり、且つBa/Tiのモル比が0.9
    95〜1.006の範囲内にある主成分であるBaTi
    3に対して、少なくとも添加物としてDyの酸化物ま
    たは焼成によりDyの酸化物になる化合物、Mgの酸化
    物または焼成によりMgの酸化物になる化合物、Mnの
    酸化物または焼成によりMnの酸化物になる化合物を含
    有し、少なくとも焼結助剤としてBa1-XCaXSiO3
    の一般式で表され、Xが0≦X≦1の範囲内からなる成
    分を含有することを特徴とする耐還元性誘電体組成物。
  3. 【請求項3】BETの比表面積値が3.0〜5.0m2
    /gの範囲内にあり、且つBa/Tiのモル比が0.9
    95〜1.006の範囲内にある主成分であるBaTi
    3に対して、添加物としてDyの酸化物または焼成に
    より酸化物になる化合物を酸化物Dy23換算で0.2
    〜1.3モル、Mgの酸化物または焼成により酸化物に
    なる化合物を酸化物MgO換算で0.1〜1.2モル、
    Mnの酸化物または焼成により酸化物になる化合物を酸
    化物Mn34換算で0.02〜0.12モル含有し、焼
    結助剤としてBa1-XCaXSiO3の一般式で表され、
    Xが0≦X≦1の範囲内からなる成分を0.5〜3.5
    モル含有することを特徴とする耐還元性誘電体組成物。
  4. 【請求項4】前記、Ba1-XCaXSiO3の一般式で表
    され、Xが0≦X≦1の範囲内からなる成分は、Ca及
    びBaの酢酸塩水溶液とSiの金属アルコキシドエタノ
    ール溶液との混合溶液を攪拌しながら該混合溶液にアン
    モニア水を滴下して調整することを特徴とする請求項
    2,3いずれか1記載の耐還元性誘電体組成物。
  5. 【請求項5】第1の複数のセラミック誘電体層の間にN
    i或いはNiを主成分とする合金より成る内部電極層を
    設けた有効層及び第2の複数のセラミック誘電体層より
    成る無効層を有した基体と、前記基体の両端部から側部
    に至るように設けられ、前記内部電極層と電気的に接合
    された一対の外部電極とを備えたチップ型のセラミック
    電子部品であって、前記セラミック誘電体層を請求項1
    〜4いずれか1記載の耐還元性誘電体組成物で構成した
    ことを特徴とするセラミック電子部品。
  6. 【請求項6】第1の複数のセラミック誘電体層の間にN
    i或いはNiを主成分とする合金より成る内部電極層を
    設けた有効層及び第2の複数のセラミック誘電体層より
    成る無効層を有した基体と、前記基体の両端部から側部
    に至るように設けられ、前記内部電極層と電気的に接合
    された一対の外部電極と、前記外部電極にそれぞれ接続
    された端子とを備え、前記基体及び外部電極が樹脂によ
    り埋め込まれたモールド型のセラミック電子部品であっ
    て、前記セラミック誘電体層を請求項1〜4いずれか1
    記載の耐還元性誘電体組成物で構成をしたこと特徴とす
    るセラミック電子部品。
  7. 【請求項7】第1の複数のセラミック誘電体層の間にN
    i或いはNiを主成分とする合金より成る内部電極層を
    設けた有効層及び第2の複数のセラミック誘電体層より
    成る無効層を有した基体と、前記基体の両端部から側部
    に至るように設けられ、前記内部電極層と電気的に接合
    された一対の外部電極と、前記外部電極にそれぞれ接続
    されたリード線とを備え、前記基体及び外部電極が樹脂
    により被覆されたリード型のセラミック電子部品であっ
    て、前記セラミック誘電体層を請求項1〜4いずれか1
    記載の耐還元性誘電体組成物で構成したことを特徴とす
    るセラミック電子部品。
  8. 【請求項8】前記外部電極は上層、下層の二層構造であ
    り、下層は前記基体の端面のみに設けたことを特徴とす
    る請求項5〜7いずれか1記載のセラミック電子部品。
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