JP2002308652A - ガラスパネル - Google Patents

ガラスパネル

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JP2002308652A
JP2002308652A JP2001110883A JP2001110883A JP2002308652A JP 2002308652 A JP2002308652 A JP 2002308652A JP 2001110883 A JP2001110883 A JP 2001110883A JP 2001110883 A JP2001110883 A JP 2001110883A JP 2002308652 A JP2002308652 A JP 2002308652A
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glass
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glass tube
tube
sheet
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JP2001110883A
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English (en)
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Takao Miwa
隆雄 三輪
Satoshi Jibiki
聡 地引
Kazuaki Yuki
一哲 結城
Masao Misonoo
雅郎 御園生
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板ガラスに作用する潜在的な引張応力を減じ
ることによって、ガラスパネルの許容応力アップを図
る。 【解決手段】 一対の板ガラス1を、スペーサを介して
厚み方向に間隔をあけて配置すると共に、外周部間を封
止し、一対の板ガラス1のうちの一方の板ガラス1Aに
形成した吸引部6を通して両板ガラス1間の空隙部Vの
減圧密閉を図ってあるガラスパネル本体を設け、吸引部
6を構成するに、一方の板ガラス1Aに貫通孔1aを設
け、貫通孔1aに吸引用ガラス管7を立設し、ガラス管
7の基端部と貫通孔1a周縁部とにわたって低融点ガラ
スを固めて形成したシール部Sを設け、ガラス管7を通
した空隙部の減圧後に閉塞した閉塞部をガラス管7に設
けてあるガラスパネルにおいて、シール部Sの第一接触
角12を、第二接触角13より大きく設定してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の板ガラス
を、スペーサを介して厚み方向に間隔をあけて配置する
と共に、外周部間を封止し、前記一対の板ガラスのうち
の一方の板ガラスに形成した吸引部を通して前記両板ガ
ラス間の空隙部の減圧密閉を図ってあるガラスパネル本
体を設け、前記吸引部を構成するに、前記一方の板ガラ
スに貫通孔を設け、前記貫通孔に吸引用ガラス管を立設
し、前記ガラス管の基端部と前記貫通孔周縁部とにわた
って低融点ガラスを固めて形成したシール部を設け、前
記ガラス管を通した前記空隙部の減圧後に閉塞した閉塞
部を前記ガラス管に設けてあるガラスパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のガラスパネルを製造するには、
図10に示すように、貫通孔1aに連通するように吸引
用ガラス管7を板ガラス1に立設し、そのガラス管7の
まわりにガラス管1よりも低融点の低融点ガラス8を配
置しておき、そして、そのように構成したガラス管7・
低融点ガラス8・板ガラス1全体を加熱して、低融点ガ
ラス8を溶融させてガラス管7を板ガラス1に接着固定
させている。従って、この種のガラスパネルとしては、
溶融した低融点ガラスは、重力の作用によって貫通孔の
周りで板ガラス上面に沿って裾野が広がる状態となり、
富士山形状に固まっていた。即ち、従来のガラスパネル
においては、シール部の低融点ガラスの形状について特
別な取り決めはなく、結果的に、図11に示すように、
富士山形状で、シール部Sにおける板ガラス1との接合
箇所での角度である第一接触角12が、シール部Sにお
けるガラス管7との接合箇所での角度である第二接触角
13より小さくなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、この種のガ
ラスパネルに使用される低融点ガラスは、その熱膨張係
数がガラス管・板ガラスに近くなるように選択される
が、溶融状態から凝固する際に、ガラス管・板ガラスと
の温度差を完全に無くすることは困難であり、その結
果、ともすれば収縮量が異なることによりガラス管・板
ガラスとの接触部分を圧縮(縮めようと)する現象が生
じる。その反作用として、シール部に隣接する領域のガ
ラス管・板ガラス部分には、引張力が作用し易い。ま
た、この種のガラスパネルは、前記両板ガラス間の空隙
部の減圧密閉を図ってあるから、板ガラスはスペーサ設
置部以外の箇所は大気圧によって減圧側に撓み易く、そ
の支持部分となるスペーサ設置部分の板ガラス表面部に
は、板ガラス面内方向の引張力が残留状態で作用し易
い。従って、ガラス管に比べて、板ガラスの方に大きな
引張力が作用することとなる。従来のガラスパネルによ
れば、前記第一接触角が第二接触角より小さくなってい
たから、図11に示すように、シール部Sの低融点ガラ
ス8の収縮力ベクトル20が板ガラス1側に近接する状
態、即ち、ガラス管7表面と収縮力ベクトル20との角
度より、板ガラス1表面と収縮力ベクトル20との角度
が小さくなり、板ガラス1表面に沿う引張応力成分20
aが大きくなり易い問題点があった。よって、板ガラス
に作用する潜在的な引張応力を減じることによって、ガ
ラスパネルの許容応力アップを図るのが本発明の目的で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴構
成は、図4〜9に例示するごとく、一対の板ガラス1
を、スペーサ2を介して厚み方向に間隔をあけて配置す
ると共に、外周部間を封止し、前記一対の板ガラス1の
うちの一方の板ガラス1Aに形成した吸引部6を通して
前記両板ガラス1間の空隙部Vの減圧密閉を図ってある
ガラスパネル本体P1を設け、前記吸引部6を構成する
に、前記一方の板ガラス1Aに貫通孔1aを設け、前記
貫通孔1aに吸引用ガラス管7を立設し、前記ガラス管
7の基端部と前記貫通孔1a周縁部とにわたって低融点
ガラスを固めて形成したシール部Sを設け、前記ガラス
管7を通した前記空隙部Vの減圧後に閉塞した閉塞部H
を前記ガラス管7に設けてあるガラスパネルにおいて、
前記シール部Sにおける前記一方の板ガラス1Aとの接
合箇所での角度である第一接触角12を、前記シール部
Sにおける前記ガラス管7との接合箇所での角度である
第二接触角13より大きく設定してあるところにある。
【0005】請求項1の発明の特徴構成によれば、シー
ル部における前記一方の板ガラスとの接合箇所でのシー
ル部角度である第一接触角を、前記シール部における前
記ガラス管との接合箇所でのシール部角度である第二接
触角より大きく設定してあるから、図7に示すように、
シール部Sの低融点ガラスの収縮力ベクトル20がガラ
ス管7側に近接する状態になり、低融点ガラス8の収縮
に伴って発生する引張応力の内、ガラス管7表面に沿う
引張応力成分20bは大きくなるものの、板ガラス1表
面に沿う引張応力成分20aを小さくすることが可能と
なり、板ガラス1に作用する潜在的な引張応力を減じる
ことによって、ガラスパネルの許容応力アップを図るこ
とが可能となる。その結果、通常状態での応力的な安全
度が向上すると共に、より大きな外力をも受け止めるこ
とができるようになる。
【0006】請求項2の発明の特徴構成は、図4〜8に
例示するごとく、前記第一接触角12は、90度以上で
あるところにある。
【0007】請求項2の発明の特徴構成によれば、請求
項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加
えて、低融点ガラスの収縮に伴って発生する引張応力の
内、板ガラス1表面に沿う引張応力成分20aをより小
さくすることが可能となり、ガラスパネルの許容応力ア
ップを更に図ることが可能となる。
【0008】請求項3の発明の特徴構成は、図8に例示
するごとく、前記第二接触角13は、90度以上である
ところにある。
【0009】請求項3の発明の特徴構成によれば、請求
項1又は2の発明による作用効果を叶えることができる
のに加えて、低融点ガラスの収縮に伴って発生する引張
応力の内、ガラス管表面に沿う引張応力成分をもより小
さくすることが可能となる。
【0010】請求項4の発明の特徴構成は、前記シール
部Sは、局所加熱によって軟化状態の低融点ガラスを固
めて形成してあるところにある。
【0011】請求項4の発明の特徴構成によれば、請求
項1〜3の何れかの発明による作用効果を叶えることが
できるのに加えて、比較的軽微な加熱装置によって低融
点ガラスを軟化させてシール部を形成することが可能と
なる他、冷却工程も効率よく実施できるから、ガラスパ
ネルのコストダウンと生産効率の向上とを図ることが可
能となる。
【0012】尚、上述のように、図面との対照を便利に
するために符号を記したが、該記入により本発明は添付
図面の構成に限定されるものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の
符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示してい
る。
【0014】図1〜図5は、本発明のガラスパネルの実
施形態の一つを示すもので、ガラスパネルPは、一対の
板ガラス1間に、板面に沿って間隔をあけて複数のスペ
ーサ2を介在させて形成してあるガラスパネル本体P1
に対して、両板ガラス1A,1B間の空隙部Vを減圧密
閉することで構成してある。
【0015】前記一対の板ガラス1は、それぞれ厚み寸
法3mm(JIS規格でいう3mm板ガラスで、実質的
には、厚み誤差を考慮すると、2.7〜3.3mmとな
る)で透明なフロート板ガラスで構成してあり、両板ガ
ラス1の外縁全周にわたっては低融点ガラス(例えば、
はんだガラス)の封止部4を設けて、前記空隙部Vの密
閉を図ってある。そして、前記空隙部Vは、一方の板ガ
ラス1Aに形成した吸引部6から吸引する方法によっ
て、約1.33Pa(1.0×10-2Torr)以下の
減圧環境を呈する状態に構成してある。因みに、両板ガ
ラス1の外周縁部は、一方の板ガラス1Aが板面方向に
沿って突出する状態に配置してあり、この突出部5を形
成してあることによって、前記封止部4の形成時に、こ
の突出部5に封止部材(例えば、前記低融点ガラス)を
載置した状態で、効率的に且つ確実に空隙部V外周部を
密閉することが可能となる。
【0016】前記スペーサ2は、圧縮強度が約4.9×
108 Pa(5×103 kgf/cm2 )以上の材料、
例えば、ステンレス鋼(SUS304)を使用して、直
径が0.3mm〜1.0mm程度で、高さが0.15m
m〜1.0mm程度の円柱形が好ましく、また、各スペ
ーサ2間の間隔は、20mm程度が好ましい。
【0017】次に、前記空隙部Vの減圧に関して、図5
を用いて説明する。前記一対の板ガラス1のうちの何れ
か一方の板ガラス1Aには、前記空隙部Vの減圧を行う
ための吸引部6を設けてある。この吸引部6を構成する
に、前記一方の板ガラス1Aに形成した貫通孔1aに、
吸引用ガラス管7を配置し、貫通孔1a周壁とガラス管
7との間を、低融点ガラス8によって密閉連結してあ
る。そして、前記ガラス管7の先端部7aは、減圧後に
加熱溶融して閉塞した閉塞部Hに構成してある(図6参
照)。
【0018】具体的には、図2に示すように、貫通孔1
aに連通するように、ガラス管7を板ガラス1Aに立設
すると共に、そのガラス管7の立設部のまわりにガラス
管7よりも低融点である低融点ガラス8を配置する。つ
まり、前記貫通孔1aは、図2に示すように、約3mm
程度の大径孔3aと直径2mm程度の小径孔3bとを、
一方の板ガラス1Aに形成して構成してある。そして、
その大径孔3aに、ガラス管7を立設すると共に、厚さ
1mm、外径φ6mm、内径φ2.3mmのドーナツ状
に成形された低融点ガラス8を、ガラス管7に外嵌状態
に配置してある。
【0019】因みに、前記ガラス管7は、当該実施形態
においては、外径φ2.3mm、高さは6mm以下に設
定してあり、厚みに関しては、0.1〜1.0mmのも
のを使用するのが好ましい。即ち、厚みが1.0mmを
越えるものを使用すると、先端部7aの閉塞時に、昇温
から自己融着までに時間を要すことになり、周囲の不要
な部位まで温度が上昇し、甚だしい場合にはその結果生
じる温度勾配のために板ガラス1又は低融点ガラス8に
クラックを生じてしまう危険性がある。また、厚みが
0.1mm未満のものを使用すると、昇温は容易に実施
できるものの、自己融解して形状を保つのが困難となる
上、強度が弱いから極めて破損し易くなる。
【0020】以上のようにガラス管7、及び、低融点ガ
ラス8を設置した後、本実施形態では、ガラスパネルP
全体を、200〜300℃に予備加熱した後、炭酸ガス
レーザー光9を低融点ガラス8付近に照射することで局
部的に加熱して溶融させると共に、ガラス管7及び低融
点ガラス8の接地域を局部的に加熱して昇温させる。そ
の加熱に際しての概念図を図3に示す。
【0021】つまり、炭酸ガスレーザー装置Lより照射
された炭酸ガスレーザー光9を、板ガラス1Aの上方か
ら、予備加熱された低融点ガラス8付近に照射する。そ
して、炭酸ガスレーザー光9は、低融点ガラス8が、加
熱され軟化変形し溶融して、貫通孔1aとガラス管7と
に十分密着接触する程度に照射し、その後、かかる低融
点ガラス8を密着接触させた箇所を、室温まで冷却する
と固化し、図4に示すように、ガラス管7を板ガラス1
Aに接着固定したシール部Sを形成することができる。
【0022】このとき、炭酸ガスレーザー光9は、低融
点ガラス8全体に亘るようなレーザースポット径で照射
してもよいし、比較的小さなレーザースポット径で、低
融点ガラス8全体をスキャンさせてもよいが、その接着
固定にあたって、十分な接触強度を確保し、最終的に空
隙部Vの減圧状態を長期間保持するためには、炭酸ガス
レーザー光9は、表1に示すような条件で照射すること
が好ましく、より好ましくは、レーザースポット径:φ
6mm、レーザー出力:5〜10Wの条件で照射すれば
よいことが確認された。即ち、レーザースポット径を、
ガラス管7の周りに配置するドーナツ状の低融点ガラス
8の外径と略同等の大きさにすることで、効率良くガラ
ス管7及び低融点ガラス8の接地域を局部的に加熱して
昇温させることができるため、照射効率が良い。
【0023】炭酸ガスレーザー光9の照射で低融点ガラ
ス8を溶融させるに伴って、低融点ガラス8は、図7
(イ)〜図7(ハ)に示す順に形を変える。そして、前
記図7(ハ)の状態になったら照射を停止して冷却に移
る。
【0024】このような照射プロセスによると、図に示
すように、前記シール部Sの形状が、前記一方の板ガラ
ス1Aとの接合箇所での低融点ガラス角度である第一接
触角12が、前記ガラス管7との接合箇所での低融点ガ
ラス角度である第二接触角13より大きくなり易い。こ
れは、照射時にガラス管や低融点ガラスが、板ガラスよ
りも熱容量が小さく、先に加熱されるため、低融点ガラ
スがガラス管より板ガラスに相対的に濡れ難い状態がで
きるためと考えられる。更に、前記第一接触角12は、
90度以上の角度となり易い(第二接触角13は、90
度未満の角度となり易い)。以上のようにシール部形状
をつくることによって、低融点ガラスの冷却収縮に伴っ
て板ガラス1Aに与える引張応力の緩和を図ることが可
能となる。一般的に、低融点ガラス8の熱膨張係数は、
ガラス管7・板ガラス1の熱膨張係数より大きく、当該
実施形態の場合、ガラス管7の熱膨張係数は、92×1
-7/℃、一方の板ガラス1Aの熱膨張係数は、86×
10-7/℃、シール部低融点ガラス8の熱膨張係数は、
96×10-7/℃である。従って、シール部Sの温度降
下に伴って低融点ガラス8の部分がガラス管7・板ガラ
ス1Aより大きく収縮しようとするから、それぞれの接
合部分に応力が作用する。本実施形態のガラスパネルに
よれば、シール部形状を、前記第一接触角12が第二接
触角13より大きく、且つ、90度以上の角度になるよ
うに設定してあるから、板ガラス1Aのシール部近傍に
おいては、低融点ガラス8の収縮力のベクトル方向が板
ガラス1Aの表面に対して大きな角度となり、板ガラス
1Aへの収縮力分力は小さくなり、板ガラスへの引張力
の作用を緩和することが可能となる。
【0025】
【表1】
【0026】そして、その後、適宜、ガラス管7を介し
て空隙部Vを吸引して、空隙部Vを減圧状態に保持しな
がら、前記ガラス管7の先端部7aを加熱融解して前記
閉塞部Hを形成してある(図6参照)。
【0027】その空隙部Vを減圧状態に保持する一例を
示すと、図5に示すように、加熱炉B内にガラスパネル
Pを板ガラス1Aが上側になるように水平に支持し、そ
の板ガラス1Aの板面に吸引封止装置Aの吸引カップA
2を載置してガラス管7を覆う。前記吸引封止装置A
は、有底円筒状の吸引カップA2の横側部に、空隙部V
内の気体を吸引排出するフレキシブルパイプA3を連通
接続し、吸引カップA2の先端には板ガラス1Aの板面
との間を密閉する弾性OリングA4を備え、吸引カップ
A2の底部内側にはガラス管7の先端部7aを加熱溶融
させる電気ヒータA5を設けてある。そして、吸引カッ
プA2の先端をOリングA4を介して板ガラス1Aの板
面に密着させ、例えば200℃程度に加熱して空隙部V
内を活性化しながら、フレキシブルパイプA3を介して
空隙部V内の気体を吸引排出して、空隙部Vを減圧す
る。次に、電気ヒータA5により、ガラス管7の先端部
7aを局部加熱(約1000℃)することにより溶融さ
せて、図6に示すように、貫通孔1aを封止し、この状
態で冷却した後、溶融したガラス管7を覆う保護用キャ
ップ10を板ガラス1Aに接着する。この先端部7aの
閉塞に関しては、先端部7aを局部加熱(約1000
℃)するわけであるが、その熱線が焼結した前記シール
部Sに直接あたることによって溶融するのを防止するた
めに、図5に示すように、前記シール部Sを覆い隠す状
態に遮熱板10を配置した状態で実施される。
【0028】〔別実施形態〕以下に他の実施の形態を説
明する。
【0029】〈1〉 本発明のガラスパネルは、多種に
わたる用途に使用することが可能で、例えば、建築用・
乗物用(自動車の窓ガラス、鉄道車両の窓ガラス、船舶
の窓ガラス)・機器要素用(プラズマディスプレイの表
面ガラスや、冷蔵庫の開閉扉や壁部、保温装置の開閉扉
や壁部)等に用いることが可能である。 〈2〉 前記板ガラスは、先の実施形態で説明した厚み
3mmの板ガラスに限るものではなく、他の厚みの板ガ
ラスであってもよい。また、ガラスの種別は任意に選定
することが可能であり、例えば型板ガラス、すりガラス
(表面処理により光を拡散させる機能を付与したガラ
ス)、網入りガラス又は強化ガラスや熱線吸収、紫外線
吸収、熱線反射等の機能を付与した板ガラスや、それら
との組み合わせであってもよい。また、ガラスの組成に
ついては、ソーダ珪酸ガラス(ソーダ石灰シリカガラ
ス)や、ホウ珪酸ガラスや、アルミノ珪酸ガラスや、各
種結晶化ガラスであってもよい。 〈3〉 前記板ガラスは、一方の板ガラスと他方の板ガ
ラスとが、長さや巾寸法が異なるものを使用するのに限
定されるものではなく、同寸法に形成してあるものを使
用するものであってもよい。そして、両板ガラスの重ね
方は、端縁部どうしが揃う状態に重ね合わせてあっても
よい。また、一方の板ガラスと他方の板ガラスとの厚み
寸法が異なるものを組み合わせてガラスパネルを構成し
てあってもよい。 〈4〉 前記スペーサは、先の実施形態で説明したステ
ンレス鋼製のスペーサに限るものではなく、例えば、イ
ンコネルや、それ以外にも、他の金属・石英ガラス・セ
ラミックス等であってもよく、要するに、外力を受けて
両板ガラスどうしが接することがないように支持できる
ものであればよい。また、その形状についても、円柱形
に限らず、角柱形などにすることができ、各スペーサ間
の間隔についても、適宜変更が可能である。 〈5〉 前記シール部Sの低融点ガラス、及び、ガラス
管7、一方の板ガラス1Aの熱膨張係数は、先の実施形
態で説明した値に限るものではなく、更に大きかったり
小さかったりする値であってもよく、要するに、シール
部Sの低融点ガラスの熱膨張係数が、ガラス管7・一方
の板ガラス1Aの熱膨張係数より大きく設定してあれば
よい。但し、熱膨張係数とは、シール部・ガラス管・一
方の板ガラス何れについても、室温から低融点ガラス
(シール部に使用する低融点ガラス)の屈伏点までの温
度範囲における平均熱膨張係数をいう。 〈6〉 前記低融点ガラス8は、加熱溶融させる前の形
状が、先の実施形態で例示したドーナツ状のもの限ら
ず、適宜設定すればよいが、最終的に形成される円錐状
に成型しておいてもよく、その場合、より処理時間を短
縮化させることができる。また、低融点ガラス8は、こ
のような平板状の成型物に限らず、粉体状又はペースト
状のものでも勿論よい。また、第一接触角12、第二接
触角13は、先の実施形態で説明したように第一接触角
12のみが90度以上の角度となるものに限らず、例え
ば、図8に示すように、第一接触角12、第二接触角1
3ともに90度を超える角度であったり、図9に示すよ
うに、第一接触角12、第二接触角13ともに90度未
満で、第一接触角12の方が第二接触角13より大きい
ものであってもよい。 〈7〉 レーザー光9は、照射箇所を特定箇所に位置固
定して照射されるように設定してあってもよいが、照射
箇所を位置変更することができるように設定してあれ
ば、一層製造効率を向上させることができる。 つま
り、低融点ガラス8に、レーザー光9をスキャン照射す
れば、溶融させた低融点ガラス8の部分にわずかな流動
性が発生し、低融点ガラス8中の伝熱性が向上され、一
層その溶融が促進されるため、ガラス管7を板ガラス1
Aに接着固定させる作業時間が短縮化され、結果とし
て、製造効率を一層向上させることができる。因みに、
レーザー光9の照射箇所を位置変更するにあたっては、
板ガラス1を動かして位置変更するように構成しておい
てもよいが、例えば、図3に示すように、レーザー装置
Lから照射されたレーザー光9を、反射ミラーMにより
反射させて、板ガラス1Aの上方から、低融点ガラス8
付近に照射するように構成しておけば、反射ミラーMを
駆動等させるだけで、簡便に、その照射位置を変更する
ことができ、利便である。 〈8〉また、先の実施形態で示した炭酸ガスレーザー
は、レーザー光9の一例であり、これまでの実施形態で
は、炭酸ガスレーザーに限らず、YAGレーザー等その
他のレーザー光を、レーザ光9として適宜採用すること
ができるのはいうまでもない。尚、これまでの実施形態
では、レーザー光9により低融点ガラス8を局部的に加
熱する例について説明したが、かかる実施形態に限るも
のではなく、例えば、熱風ヒーター、ガスバーナー、ハ
ロゲンランプヒーター、金属発熱体による輻射加熱など
により、低融点ガラス8を局部的に加熱しても勿論よ
い。 〈9〉先の実施形態では空隙部が減圧してあるいわゆる
真空複層ガラスについて説明したが、本発明に係るガラ
スパネルは、このようなものに限らず、例えば、空隙部
に気体を封入してあるいわゆるプラズマディスプレイパ
ネルでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラスパネルを示す一部切欠き斜視図
【図2】ガラスパネルの要部を示す断面図
【図3】レーザー光の照射状況を示す説明斜視図
【図4】ガラスパネルの要部を示す断面図
【図5】空隙部の減圧状況を示す要部断面図
【図6】ガラスパネルの吸引部を示す要部断面図
【図7】シール部の形成状況を示す断面図
【図8】別実施形態のシール部を示す説明図
【図9】別実施形態のシール部を示す説明図
【図10】従来のシール部形成状況を示す要部断面図
【図11】従来のシール部を示す要部断面図
【符号の説明】
1 板ガラス 1A 一方の板ガラス 1a 貫通孔 2 スペーサ 6 吸引部 7 ガラス管 12 第一接触角 13 第二接触角 H 閉塞部 P1 ガラスパネル本体 S シール部 V 空隙部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 結城 一哲 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 御園生 雅郎 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4G061 AA02 AA23 BA01 BA02 BA03 BA10 BA11 CA02 CB04 CB13 CC02 CD02 CD23 CD24 DA24 DA35 DA53 DA68 5C012 AA04 AA05 BC03 5C032 AA01 AA06 BB17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の板ガラスを、スペーサを介して厚
    み方向に間隔をあけて配置すると共に、外周部間を封止
    し、前記一対の板ガラスのうちの一方の板ガラスに形成
    した吸引部を通して前記両板ガラス間の空隙部の減圧密
    閉を図ってあるガラスパネル本体を設け、前記吸引部を
    構成するに、前記一方の板ガラスに貫通孔を設け、前記
    貫通孔に吸引用ガラス管を立設し、前記ガラス管の基端
    部と前記貫通孔周縁部とにわたって低融点ガラスを固め
    て形成したシール部を設け、前記ガラス管を通した前記
    空隙部の減圧後に閉塞した閉塞部を前記ガラス管に設け
    てあるガラスパネルであって、 前記シール部における前記一方の板ガラスとの接合箇所
    での角度である第一接触角を、前記シール部における前
    記ガラス管との接合箇所での角度である第二接触角より
    大きく設定してあるガラスパネル。
  2. 【請求項2】 前記第一接触角は、90度以上である請
    求項1に記載のガラスパネル。
  3. 【請求項3】 前記第二接触角は、90度以上である請
    求項1又は2に記載のガラスパネル。
  4. 【請求項4】 前記シール部は、局所加熱によって軟化
    状態の低融点ガラスを固めて形成してある請求項1〜3
    の何れか一項に記載のガラスパネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015509068A (ja) * 2011-12-15 2015-03-26 ガーディアン・インダストリーズ・コーポレーション 真空断熱ガラス(vig)ユニットチップオフのための装置および/またはそれに関連する方法
CN116217096A (zh) * 2023-03-07 2023-06-06 福耀高性能玻璃科技(福建)有限公司 真空玻璃封口方法及装置

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